JP2003504348A - 乳、小児のための衛生用品用生薬組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は苦参を含む乳、小児のための衛生用品用生薬組成物に関するものである。好ましくは、本発明の組成物は、苦参のほかにも、黄柏、艾葉、白鮮皮及び焼き明礬からなる群から選択された１種以上の生薬をさらに含み、生薬組成物の総乾燥重量に対し、苦参は２０〜９８重量％、黄柏は２〜５０重量％、艾葉は２〜３０重量％、白鮮皮は１〜３５重量％、焼き明礬は１０〜４０重量％を含む。本発明の生薬組成物は乳、小児用衛生用品のなかで、特にオムツ及びウェットティッシュに適用できる。本発明の生薬組成物を適用した乳、小児用衛生用品は、本体の清潔機能はもちろん、皮膚湿疹を緩和させてオムツ発疹の予防及び治療の効能まで提供するので、副腎皮質ホルモン軟膏又はビステロイド系軟膏の使用を抑制することができ、オムツに起因する皮膚病から根本的に乳、小児を保護することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 技術分野 本発明は乳、小児の大小便によるオムツ発疹を予防し、いろいろな皮膚疾患を
緩和させるための生薬抽出成分を含む衛生用品用生薬組成物に係り、特に乳、小
児の衛生用品のなかでオムツ及びウェットティッシュに適用できる組成物に関す
る。

【０００２】 背景技術 殆どのオムツ発疹は大小便によりお尻が汚れることにより発生する。大便から
出た尿素分解細菌により小便からアンモニアが遊離して発生するか、大便による
刺激のため肛門の周囲で発生し、発赤、水泡及び表在性潰瘍が特徴的に現れる。
特に、乳児期の女児は成人に比べて抵抗力が弱くて構造的に外陰部が肛門に近い
ため、外陰部感染を起こしやすい。

【０００３】 現在まで多く使用されている紙製オムツの場合、外側面がビニルで覆われてい
て水分が漏れない構造である。これは、まるで浴室の窓を閉じた状態とも同じな
のでカビ及び細菌が繁殖しやすい。特に、乳、小児の場合、生後一定期間はオム
ツを使用し続けるしかないし、皮膚が弱くて保護者の持続的な関心と観察がある
といっても発疹が繰り返される悪循環を経ることになり、発疹時ごとにクリーム
剤、軟膏剤及び粉末の塗布などの面倒さを避けることができない。

【０００４】 また、現在多く使用される乳、小児のためのウェットティッシュは水を主成分
としており、清潔にするという意味のほかには特別な作用はない。

【０００５】 本発明者らは乳、小児の大小便によるオムツ発疹と種々の皮膚疾患による掻痒
感などを緩和させるとともに清潔の機能を有する衛生用品を作るために多くの研
究を行った。その結果、生薬抽出成分を用いてオムツの皮膚接触面であるパッド
自体に塗布するか、ウェットティッシュ化すると、含有された生薬成分の薬物効
果により皮膚を清潔にしながら排尿、排便時の皮膚刺激を緩和させることができ
るという事実を見出して本発明を完成した。

【０００６】 本発明の目的はオムツ発疹の予防及び治療に有効な生薬成分を用い、乳、小児
の排尿、排便の際、自然に皮膚を保護する衛生用品用組成物を提供することであ
る。

【０００７】 発明の詳細な説明 本発明は苦参を含む乳、小児のための衛生用品用生薬組成物に関する。

【０００８】 詳細には、本発明はオムツ発疹などを予防及び治療するため、衛生用品に適用
できる生薬組成物に係り、抗菌及び消炎作用とともに燥湿（湿気を乾燥させる）
及び止痒（痒さを止める）の効果がある苦参を主成分として含有する衛生用品用
組成物に関するものである。

【０００９】 本発明の組成物は苦参のみを単独で含有しても本発明の目的を充分達成するこ
とができるが、黄柏、艾葉、白鮮皮及び焼き明礬からなる群から選択された１種
以上の生薬をさらに含むことが好ましい。ここで、生薬組成物の総乾燥重量に対
し、苦参は２０〜９８重量％、黄柏は２〜５０重量％、艾葉は２〜３０重量％、
白鮮皮は１〜３５重量％、焼き明礬は１０〜４０重量％を含み、各成分は組成物
の総乾燥重量に対し、それぞれ２５〜４５重量％、１０〜２５重量％、５〜２０
重量％、３〜１０重量％及び１５〜３０重量％の組成を含むことが特に好ましい
。

【００１０】 このような生薬の組成比は乳、小児のオムツ発疹に重要な生薬で多くの臨床実
験及び動物実験を行った結果に基づき得たものであるが、各薬物の上限値と下限
値の比より高いか低い場合、本発明が要求する効能だけでなく、オムツの場合、
パッドの性状及び吸収度が低下する問題点を引き起こす。

【００１１】 大韓薬典と既存の漢医書に収録されたものによると、苦参はその味があまり苦
いため主に外用に使われ、抗トリコモナス作用があるので、痒さの酷い皮膚疾患
と湿疹、皮膚化膿症、陰部掻痒症など、臨床に主に湿布療法又は洗浄剤として用
いられる。

【００１２】 黄柏は大腸菌、チフス菌、コレラ菌に対する殺菌力があり、グラム陽性菌、グ
ラム陰性菌及び淋菌に対し強い抗菌作用を持っている。黄柏の成分のうち、ベル
ベリンは局所収斂作用が強くて掻痒性皮膚疾患に外用し、傷部位の熱毒を解毒す
る効能がある。

【００１３】 艾葉は月経不純、帯下など婦人科疾患に多用される生薬で、淋菌などに対する
抗菌作用があり、外用としては湿疹及び皮膚掻痒などに用いられる。

【００１４】 白鮮皮は解熱、解毒及び燥湿の効能があるので、煎じて患部を洗浄するか粉末
を塗布して皮膚湿疹、掻痒などの治療に使用される。

【００１５】 焼き明礬は収斂作用と燥湿止痒の効能が強くて炎症部位の不快感と悪臭を除去
して清涼感を与えるので、主に外用として皮膚粘膜の炎症収斂剤又は局所収斂の
目的でうがい用に用いられる。

【００１６】 前記生薬剤、つまり苦参、黄柏、艾葉、白鮮皮及び焼き明礬は全て人体に無害
でありながらも抗菌及び掻痒の効果により臨床に頻繁に用いられる薬剤であり、
特に局所炎症部位を迅速に乾燥させる収斂成分が強いし、生薬特有の味と性質に
よって発疹部位に塗布すると、その薬性の冷たい性質により局所的な清涼感を与
え、そして燥湿の性質により乳、小児の皮膚をさらに乾燥に維持することができ
る。したがって、既に発疹がある乳、小児が本発明の衛生用品のなかで、特にオ
ムツを着用する場合には、薬物が小便とともに蒸発しながら皮膚から熱を発散さ
せて局所発疹部位を冷却させ、血管を収縮させて炎症を減退させるとともに発疹
部位にはさわやかな清涼感を感じさせる。

【００１７】 苦参、黄柏、艾葉、白鮮皮及び焼き明礬はそれぞれ粉末、抽出液及び浸出液の
なかで選択された１形態で衛生用品組成物を構成することができる。例えば、前
記生薬から水で有効成分を抽出し焼き明礬浸出液と混合して使用することができ
る。

【００１８】 本発明の組成物には、その薬効成分の物理、化学的性質によって薬剤学的に許
容される担体を含有させて散剤、液剤、懸濁剤又はゲル剤の形態に作って使用す
ることができ、また本発明の組成物はそのほかの添加剤をさらに含有することも
できる。本発明の生薬組成物は、その用途の観点でみると、液剤形が特に好まし
いが、必要に応じて散剤、噴霧剤、分散剤、ゲル剤などのほかの剤形に変えて適
用することもできる。

【００１９】 本発明の生薬組成物は乳、小児の衛生用品のなかでオムツとウェットティッシ
ュに適用できる。

【００２０】 まず、前記組成物を適用したオムツの場合、組成物はオムツの吸収用マトリッ
クス全体に均一に含有させて適用するか、オムツの表面にだけ適用することもで
きる。ところが、オムツの吸収用マトリックス全体に均一に含有させて適用する
場合、吸収用マトリックス自体の吸収性が低下する問題があるので、マトリック
ス自体に吸収させるのではなく、ただマトリックスの上層表面、つまり排泄物が
マトリックスに吸収される際に通過すべき表面にだけ塗布させることで、排泄物
が本発明の組成物を溶かしながら皮膚面において本発明の効果を奏し得るように
するのがより好ましい。その一例として、本発明の組成物を綿布あるいはペーパ
ーシートなどに充分に塗布した１次パッドを既存のオムツに付着して使用する方
法がある。１次パッドの製造時、例えば横長２５ｃｍ及び縦長１０ｃｍの綿布１
枚当たり本発明の組成物を抽出物の乾燥重量で約０．０５〜２ｇを塗布すること
が好ましく、０．１〜１ｇを塗布することがより好ましい。

【００２１】 本発明の組成物を適用するほかの方法として、例えば組成物を散剤にしてオム
ツ全体に均一に含ませることで、吸収用マトリックス自体の吸収性に影響を与え
ることなく、ただ排泄物に溶出した薬効成分が皮膚面に作用するようにする方法
がある。

【００２２】 さらにほかの方法は、マトリックス自体又は表面紙の製造時、本発明の組成物
と天然パルプを一緒に混合してマトリックス自体又は表面紙を直接製造して使用
することができる。

【００２３】 本発明の組成物は吸収用マトリックス自体の吸収性を低下させないながら、排
泄物に溶出した薬効成分が皮膚面に作用できる方法であれば、どんな方法であっ
ても適用できる。

【００２４】 また、本発明の組成物を適用させたオムツには吸収促進用補助パッドをともに
適用することができる。吸収促進用補助パッドは山薬を含む排泄物が迅速にオム
ツに吸収されるようにして、皮膚をもっと乾燥に維持させ、本発明の効果をさら
に上昇させることができる。山薬はヤマノイモの根茎を乾燥したもので、多量の
澱粉を含有しているので、下痢、帯下などに強壮剤として多用される薬剤である
。

【００２５】 本発明は、局所的発疹に対する一般的な治療法のうち、湿布療法を応用したも
ので、乳、小児の排尿、排便の際に、オムツ自体に塗布された薬物により自然に
皮膚を保護するものである。塗布された薬物により、小便が皮膚に付いても却っ
て皮膚が滑らかになって発疹を予防することができ、乳、小児が排尿すると、そ
のときから効能が発揮されるものである。また、数回の排尿により薬物が完全に
希釈されるまでは本発明のパッドの効能が持続される。現在発疹を持っている乳
、小児の場合は、本発明の組成物が適用されたオムツに少しの水を撒き散らして
じめじめとした後、発疹部位に付着させると、それ自体が発疹を治療する湿布療
法となる。この場合、乳、小児は濡れたオムツによる不便さよりは薬物効果によ
り却って清涼感を感じることになる。

【００２６】 また、本発明の組成物は天然薬物を使用するので、人体に無害であり、長期間
使用しても副作用がない。したがって、本発明の生薬組成物はオムツを着用する
場合であればどんな場合であっても、そのオムツに適用して本発明の効果を全部
得ることができる。

【００２７】 また、前記生薬組成物を適用したウェットティッシュの場合、本発明の生薬組
成物はウェットティッシュに適用するため、生薬抽出物の水溶液状態でなければ
ならなく、その濃度は抽出物の乾燥重量で３〜２５％が好ましく、より好ましく
は４〜１５％である。

【００２８】 本発明の生薬組成物はウェットティッシュ自体の機能を低下させないながら乳
、小児のオムツ発疹及び皮膚を保護するため、どんなものにも適用することがで
きる。

【００２９】 実施例 本発明は以下の実施例及び実験例に基づいてより具体的に説明するが、本発明
がこれら実施例に限定されるものではなく、かつ本発明の範囲を制限するもので
はない。

【００３０】 実施例１ 生薬組成物を含む乳、小児用オムツ 実施例１．１ オムツ塗布用組成物の製造 苦参８００ｇを蒸留水で洗浄した後、５０００ｍｌ容量の丸底フラスコに入れ
、蒸留水２０００ｍｌを加え冷却器を付着し、２時間加熱して抽出した。抽出液
を濾過布で濾過し、この濾液を減圧濃縮させて粘稠性抽出物１０００ｍｌを収得
した。

【００３１】 実施例１．２ オムツ塗布用組成物の製造 苦参５００ｇと黄柏３００ｇを蒸留水で洗浄した後、実施例１．１と同方法で
苦参及び黄柏の抽出物１０００ｍｌを収得した。

【００３２】 実施例１．３ オムツ塗布用組成物の製造 苦参４００ｇ、黄柏２００ｇ及び白鮮皮２００ｇを蒸留水で洗浄した後、実施
例１．１と同方法で苦参、黄柏及び白鮮皮の抽出物１０００ｍｌを収得した。

【００３３】 実施例１．４ オムツ塗布用組成物の製造 ａ）苦参３００ｇ、黄柏１５０ｇ、艾葉１００ｇ、白鮮皮５０ｇ及び焼き明礬
１００ｇを蒸留水で洗浄した後、５０００ｍｌ容量の丸底フラスコに入れ、蒸留
水２０００ｍｌを加え冷却器を付着し２時間加熱抽出した。抽出液を濾過布で濾
過し、この濾液を減圧濃縮させ、粘稠性抽出物５００ｍｌを収得した。

【００３４】 ｂ）焼き明礬１００ｇを粉砕して精製水５００ｍｌに７５〜８０℃で１時間沈
澱させた後、濾過し、ａ）で収得した粘稠性抽出液と１：１の比率で混合して原
液を製造した。

【００３５】 実施例１．５ オムツ塗布用組成物の製造 苦参３０ｋｇ、黄柏１５ｋｇ、艾葉１５ｋｇ及び白鮮皮１０ｋｇを蒸留水で洗
浄した後、スチームを用いる加熱用二重タンクからなった容器に精製水１２００
Ｌを一緒に入れ、９５〜１００℃で８時間加熱した後、収得した抽出物を１次濾
過した。この濾過液を二重タンクの貯蔵所に移した後、２次濾過フィルタで濾過
してから６０℃で減圧濃縮して粘稠性抽出物１６０Ｌを収得した。

【００３６】 実施例１．６ １次パッドの製造 天然パルプ１５０ｇと前記実施例１．１で製造した組成物１５０ｍｌをほかの
化学薬品を全然投入しなく混合し１時間沈澱反応させた後、シートマシーン（sh
eet machine）を用いて横長２５ｃｍ及び縦長１０ｃｍの紙パッドを形成し、こ
れを乾燥して最終に１次パッド６０枚を製造した。

【００３７】 実施例１．７〜１．９ １次パッドの製造 前記実施例１．１で製造した組成物の代わりに１．２〜１．４で製造した組成
物をそれぞれ使用したことを除き、実施例１．６と同方法で１次パッドをそれぞ
れ製造した。

【００３８】 実施例１．１０ １次パッドの製造 横長２５ｃｍ及び縦長１０ｃｍのきれいな綿布を前記実施例１．１で製造した
組成物に漬け、綿布１枚当たり組成物０．４５ｇが均一に塗布されるようにした
。これを乾燥して１次パッドを製造した。

【００３９】 実施例１．１１〜１．１３ １次パッドの製造 前記実施例１．１で製造した組成物の代わりに実施例１．２〜１．４で製造し
た組成物をそれぞれ使用したことを除き、実施例１．１０と同方法で１次パッド
をそれぞれ製造した。

【００４０】 実施例１．１４ サンプルパッドの製造 前記実施例１．６で製造した紙製１次パッドをそれぞれオムツ製造用１００％
ポリプロピレン２層間に入れ、瞬間熱処理で接着させた。これを従来から使用さ
れている既存のオムツにつけて図１で示すような形態とした。

【００４１】 実施例１．１５〜１．１７ サンプルパッドの製造 前記実施例１．６で製造した紙製１次パッドの代わりに実施例１．７〜１．９
で製造した紙製１次パッドをそれぞれ使用したことを除き、実施例１．１４と同
方法でサンプルパッドをそれぞれ製造した。

【００４２】 実施例１．１８ サンプルパッドの製造 前記実施例１．１０で製造した綿布１次パッドをそれぞれオムツ製造用１００
％ポリプロピレン２層間に入れ、瞬間熱処理で接着させた。これを従来から使用
されている既存のオムツにつけて図１で示すような形態とした。

【００４３】 実施例１．１９〜１．２１ サンプルパッドの製造 前記実施例１．１０で製造した綿布１次パッドの代わりに実施例１．１１〜１
．１３で製造した綿布１次パッドをそれぞれ使用したことを除き、実施例１．１
８と同方法でサンプルパッドをそれぞれ製造した。

【００４４】 実施例１．２２ 吸収促進のための補助パッドの製造 山薬をきれいに洗い乾燥した後、粉末化した。天然パルプ３６ｇに山薬粉末１
００ｇを加え、ほかの化学薬品を全く加えずに、３０分間沈澱反応させた後、横
長２５ｃｍ及び縦長１０ｃｍの補助パッド５枚を製造した。

【００４５】 実施例１．２３ サンプルパッドの製造 前記実施例１．６で製造した紙製１次パッドをそれぞれオムツ製造用１００％
ポリプロピレン２層間に入れ、瞬間熱処理で接着させた。これを従来から使用さ
れている既存のオムツにつけ、実施例１．２２で製造した補助用パッドをビニル
の内側面に位置させて図２のような形態になるようにした。

【００４６】 実施例１．２４〜１．２６ サンプルパッドの製造 前記実施例１．６で製造した紙製１次パッドの代わりに実施例１．７〜１．９
で製造した紙製１次パッドをそれぞれ使用したことを除き、実施例１．２３と同
方法でサンプルパッドをそれぞれ製造した。

【００４７】 実施例１．２７ サンプルパッドの製造 前記実施例１．１０で製造した綿布１次パッドをそれぞれオムツ製造用１００
％ポリプロピレン２層間に入れ、瞬間熱処理で接着させた。これを既存の使われ
ているオムツに覆い、実施例１．２２で製造した補助用パッドをビニルの内側面
に位置させて図２のような形態になるようにした。

【００４８】 実施例１．２８〜１．３０ サンプルパッドの製造 前記実施例１．１０で製造した綿布１次パッドの代わりに実施例１．１１〜１
．１３で製造した綿布１次パッドをそれぞれ使用したことを除き、実施例１．２
７と同方法でサンプルパッドをそれぞれ製造した。

【００４９】 実施例１．３１ オムツの製造 幅１２ｃｍ及び長さ２０００ｍの乳、小児用オムツ用に使用される不織布に前
記実施例１．５で製造した組成物を塗布して横長４５ｃｍ及び縦長１２ｃｍのパ
ッド１枚当たり乾燥重量で約１．５ｇが塗布されるようにした。この塗布された
不織布に粉砕パルプと吸収体をともに投入し、現在乳、小児用オムツを生産して
いる工場で横長４５ｃｍ及び縦長１２ｃｍのオムツを製造した。

【００５０】 実施例２ 生薬組成物を含む乳、小児用ウェットティッシュ 実施例２．１ 乳、小児のためのウェットティッシュ用組成物の製造 苦参８００ｇを蒸留水で洗浄した後、５０００ｍｌ容量の丸底フラスコに入れ
、蒸留水２０００ｍｌを加え、冷却器を付着し、２時間加熱して抽出した。抽出
液を濾過布で濾過し、この濾液を減圧濃縮させて粘稠性抽出物１０００ｍｌ（乾
燥重量１３．３ｇ／１００ｍｌ）を収得した。この抽出液を精製水で１：５の比
率で希釈して組成物を製造した。

【００５１】 実施例２．２ 乳、小児のためのウェットティッシュ用生薬組成物の製造 苦参５００ｇと黄柏３００ｇを蒸留水で洗浄した後、実施例２．１と同方法で
組成物を製造した。

【００５２】 実施例２．３ 乳、小児のためのウェットティッシュ用生薬組成物の製造 苦参４００ｇ、黄柏２００ｇ及び白鮮皮２００ｇを蒸留水で洗浄した後、実施
例２．１と同方法で組成物を製造した。

【００５３】 実施例２．４ 乳、小児のためのウェットティッシュ用生薬組成物の製造 苦参３００ｇ、黄柏１５０ｇ、艾葉１００ｇ、白鮮皮５０ｇ及び焼き明礬１０
０ｇを蒸留水で洗浄した後、５０００ｍｌ容量の丸底フラスコに入れ、蒸留水２
０００ｍｌを加え、冷却器を付着し、２時間加熱抽出した。抽出液を濾過布で濾
過し、この濾液を減圧濃縮させ、粘稠性抽出物１０００ｍｌ（乾燥重量７．５ｇ
／ｍｌ）を収得した。この抽出液を精製水で１：７の比率で希釈して組成物を製
造した。

【００５４】 実施例２．５ 乳、小児のためのウェットティッシュ用生薬組成物の製造 苦参３０ｋｇ、黄柏１５ｋｇ、艾葉１５ｋｇ及び白鮮皮１０ｋｇを蒸留水で洗
浄した後、スチームを用いる加熱用二重タンクからなった容器に精製水１２００
Ｌを一緒に入れ、９５〜１００℃で８時間加熱した後、収得した抽出物を１次濾
過した。この濾過液を二重タンクの貯蔵所に移した後、２次濾過フィルタで濾過
してから６０℃で減圧濃縮して粘稠性抽出物１６０Ｌ（乾燥重量５．４７ｇ／ｍ
ｌ）を収得した。この抽出物を精製水で１：７の比率で希釈して乳、小児用ウェ
ットティッシュ組成物を製造した。

【００５５】 実施例２．６〜２．１０ 乳、小児用ウェットティッシュの製造 横長１５ｃｍ及び縦長２０ｃｍのスパンレース不織布ティッシュを前記実施例
２．１〜２．５で製造した組成物にそれぞれ漬けて、ティッシュ１枚当たり組成
物が乾燥重量で０．２ｇ均一に塗布されるようにした。

【００５６】 実験例１ 生薬組成物を含む乳、小児用オムツ 実験例１．１ 毒性及び副作用確認実験１ 前記実施例１．４で製造した組成物を成長した雌性及び雌性ウサギ４匹の膣口
及び性器の表面に３ｍｌずつ２０分間隔で５回塗布した後、６時間にわたり毎時
間性器の状態を観察し、そして組成物６ｍｌずつを５日間塗布しつづけながら観
察した。

【００５７】 その結果、本発明の組成物の塗布による膣口の収縮の以外には性器表皮の変質
あるいはどんな組織学的変化も観察されなかった。

【００５８】 実験例１．２ 毒性及び副作用確認実験２ 前記実施例１．１３で製造した１次パッドを本発明者の家族のなかで生後１８
月齢の女児に３ヶ月間わたり従来の布オムツと紙オムツに交互に付着して、つま
り実施例１．１７及び１．２１で製造したサンプルパッドを適用して皮膚接触面
の反応を観察した。

【００５９】 その結果、本発明の組成物が塗布されたパッドの使用によるどんな皮膚組織の
変化又は局所的副作用が確認されなかった。

【００６０】 実験例１．３ オムツ発疹予防に対する効能実験 前記実施例１．１７及び１．２１で製造したそれぞれのサンプルパッドを用い
て効能実験を行った。本発明のパッドの効能実験は、各個人の排尿、排便状態が
それぞれ異なるため、既存のオムツとの相対比較は意味がなく、よって過去に発
疹経験がある乳、小児を選択して本発明のパッドの使用後の反応を観察した。実
験対象は保護者が本発明の効能実験に同意した乳、小児総１６人で、男児８人及
び女児８人から構成される。この実験対象は生後２４ヶ月未満の月齢であり、一
日に２４時間オムツを使用し、１ヶ月に平均１〜１４回くらいの発疹経歴があっ
た。しかし、発疹以外の特別な気質的な身体異常はなかった。

【００６１】 保護者には普段生活してきたとおりの保護及び観察をさせたが、特に排尿のみ
を受けるときは、本発明のパッドの作用を説明し、２〜３回まで本発明のパッド
を用いた。乳、小児一人当たり一日に平均４枚くらいのオムツを消費すると見な
し、約１５日分のオムツ量である６０枚ずつ１６人に総９６０枚を保護者に配り
、その結果を１５日後に報告するようにした。

【００６２】 実験に参加した１６人の乳、小児の全員が１５日後にその結果が報告し、その
結果は図表のようであった。酷い発疹が１回でもある場合は“効果なし”と、以
前に比べて発疹頻度及び程度が５０％以上減少した場合は“改善”と判定した。

【００６３】

【表１】 実施例１．１７及び１．２１の効能実験結果 前記表から分かるように、実施例１．２１のサンプルパッドを着用した１５人
の乳、小児のうち、１ヶ月に平均４回の発疹経歴がある１６月齢の男児が一度軽
い発疹を起こし、残りの１４人（９３．３％）は発疹が全く起こらなかった。ま
た、被試験者のうち、１ヶ月に平均１４回の発疹経歴がある女児１人が酷い下痢
により発疹の恐れが多かったが、本発明によるサンプルパッドを使用することに
より、発疹が現れなくて発疹の予防効果をさらに明らかに確認することができた
。また、被試験者のなかには、小便を２〜３回受け再度乾燥して使用したときに
も残留薬物により皮膚が乾燥していることが確認された。さらに、本発明による
サンプルパッドの付着による何の副作用も観察されなかった。

【００６４】 実験例１．４ オムツ発疹予防に対する効能実験 実施例１．１８及び１．１９で製造したそれぞれのサンプルパッドに対し、前
記実験例１．３と同方法で効能実験を行った。その結果は表２及び表３のようで
あった。

【００６５】

【表２】 実施例１．１８の実験結果

【表３】 実施例１．１９の実験結果 前記表から分かるように、実施例１．１８のサンプルパッドを着用した１８人
の被実験者のなかで１１人（６１．１％）は発疹が起こらなく、残りの７人（３
８．９％）は改善の反応を表した。また、実施例１．１９の実験結果においても
、被実験者１９人のなかで１４人（７３．７％）は発疹が全く起こらなく、５人
（２６．３％）は改善の反応を表した。実施例１．１８と１．１９の実験に参加
した被実験者のなかには、現在発疹状態にある乳、小児が少数あったことに鑑み
ると、本発明のパッド着用により発疹予防効果を著しく確認することができた。
また、本発明のサンプルパッドを着用した後に何の皮膚副作用も報告されていな
いが、ただ従来の布製オムツに本発明のパッドを付着した乳、小児の場合、塗布
薬物が布製オムツに付く現象があるのが報告された。

【００６６】 実験例１．５ 局所冷却効果実験 本発明者らは人為的に左側前腕部に発疹を起こした。前記実施例１．２１で製
造した１次パッドに５ｍｌの水を塗布した後、これを発疹部位に付着した。付着
前、付着後３０分及び１時間にそれぞれ皮膚温度をコンピュータ赤外線体熱検査
で測定して温度を比較した。

【００６７】 その結果は表４のようである。発疹当時の温度２５．７７℃で１次パッドの付
着後３０分及び１時間の経過時、温度がそれぞれ２３．７２℃及び２３．７８℃
であり、約２℃程度降下したことを確認した。

【００６８】

【表４】 前記実施例１．２１で製造した１次パッドに小便１０ｍｌを塗布した後、左側
膝関節部位に付着した。付着前、付着後３０分、及び再び除去してから３０分後
に温度を測定した。

【００６９】 その結果は表５のようであった。付着前の正常温度２４．６２℃であり、付着
後に２２．６５℃であって１．９７℃だけ降下し、パッドを全く除去してから３
０分後には再び０．７６℃だけ上昇したことを確認した。

【００７０】

【表５】 以上のような実験結果は、１次パッドに塗布された本発明の組成物が水又は小
便に溶けていてから、水分蒸発時、皮膚冷却と血管収縮を誘発することを立証す
るものであり、臨床的に有意な体熱変化を約０．５℃であるとするとき、本発明
のパッドの局所効果は発疹に対する主要な作用メカニズムであると推定される。

【００７１】 実験例１．６ 補助パッドの吸収度実験 補助パッドの吸収促進効果を確認するため、つぎのような比較実験を行った。

【００７２】 まず、吸収度実験用補助パッドを製造した。山薬をきれいに洗浄し、乾燥した
後、粉末化した。天然パルプ３６ｇに水の浸透を防ぐサイズ剤（アルキルケトン
ダイマー２０％）を天然パルプ重量に対し０．４３％を添加し、これに山薬粉末
１００ｇを加え、そのほかの化学薬品は全く投入しないで混合し、３０分間沈澱
反応させて、横長２５ｃｍ及び縦長１０ｃｍの吸収度実験用補助パッド５枚を製
造した。

【００７３】 また、吸収度実験用補助パッドから山薬を取り除いて対照用補助パッドを製造
した。すなわち、天然パルプ３６ｇにサイズ剤を天然パルプ重量に対し０．４３
％添加し、そのほかの化学薬品は全く投入しないで混合し、３０分間沈殿反応さ
せて、横長２５ｃｍ及び縦長１０ｃｍの対照用補助パッド５枚を製造した。

【００７４】 ロダンアンモニウム２％溶液５０ｍｌを入れ、前記製造した吸収度実験用補助
パッドと対照用補助パッドをそれぞれ横長及び縦長２．５ｃｍに切断し、紙船の
形態に作り、直径１２ｃｍのペトリ皿に満たされた５０ｍｌのロダンアンモニウ
ム２％溶液上に浮かべた。そのうえに塩化第二鉄１％溶液を０．１ｍｌ滴下し赤
点が三つ以上現れる最初の時点を測定した。以上の実験方法は製紙業界に吸収度
実験として一般的に知られている方法である。

【００７５】 その結果、山薬粉末を入れた補助パッド（吸収度実験用補助パッド）は水の浸
透を防ぐサイズ剤が含有されているにもかかわらず約３秒内に赤点が三つ以上現
れることから、ロダンアンモニウム溶液を迅速に吸収することを確認することが
でき、これとは対照的に、山薬粉末を入れなかった補助パッド（対照用補助パッ
ド）は約４５秒程度の時間がかかることから、山薬粉末を入れた補助パッドの吸
収度に優れたことを確認することができた。

【００７６】 実験例１．７ オムツ発疹予防効果に対する一般の消費者実験 ソウル、清州及び大邱地域に居住する乳、小児を対象に５０人を無作為に選定
し本発明の組成物を適用したオムツを着用させ、その効能を実験した。本発明の
組成物を適用したオムツとしては、実施例５の組成物を適用した実施例１．１８
の乳、小児用オムツを用いた。

【００７７】 全被実験者のうち、過去に発疹の経験がなかった１０％の乳、小児を除くと、
ほぼ９０％以上の被実験者が発疹予防効果が優秀であるか（全被実験者の６０％
）又は効果がある（全被実験者の２５％）と応答した。また、本発明の組成物を
適用したオムツを着用した結果、一般のオムツに比べ皮膚接触面の湿気が殆どな
く、皮膚がもっと乾燥したという事実を確認することができたし、実験に参加し
た被実験者全員の皮膚接触面の何の副作用も観察されなかった。

【００７８】 実験例２ 生薬組成物を含む乳、小児用ウェットティッシュ 実験例２．１ 毒性及び副作用確認実験 前記実施例２．４で製造した組成物を雌性及び雌性ウサギ４匹の膣口及び性器
の表面に３ｍｌずつ２０分間隔で５回塗布した後、６時間にわたり毎時間性器の
状態を観察し、そして組成物６ｍｌずつを５日間塗布しつづけながら観察した。
その結果、本発明の組成物の塗布による膣口の収縮の以外には性器表皮の変質あ
るいはどんな組織学的変化も観察されなかった。

【００７９】 実験例２．２ 毒性及び副作用確認実験 前記実施例２．１〜２．５で製造したティッシュを本発明者の家族を含む２４
月齢未満の男児と女児４人が６ヶ月間使用し皮膚接触面の反応を観察するように
した。その結果、本発明の組成物が塗布されたティッシュの使用による何の皮膚
組織の変化又は局所的副作用が観察されなかった。

【００８０】 実験例２．３ 乳、小児用ウェットティッシュの効能実験 前記実施例２．６及び実施例２．１０で製造したスパンレース不織布ティッシ
ュを実際の乳、小児が使用するようにして効能実験を実施した。

【００８１】 現在オムツを着用する２４月齢未満の男児５人、女児７人を選定し、乳、小児
一人当たり実施例２．６で製造したウェットティッシュ３０枚と実施例２．１０
で製造したウェットティッシュ３０枚を合わせ総６０枚を保護者に配り、使用後
にその結果を報告するようにした。

【００８２】 効能実験結果、本発明のウェットティッシュは、ウェットティッシュ固有の清
潔機能を有するが、既存のウェットティッシュとは異なり、つるつるした感じが
なく、皮膚表面がさらに乾燥して、パウダー及び軟膏剤の使用を抑制することが
できるという事実を確認することができた。

【００８３】 人体に無害な天然薬物のなかで、特別な効能がある生薬で製造した本発明の
生薬組成物を適用した衛生用品、特にオムツ及びウェットティッシュは、以上の
ように、その本来の用途とともにオムツ発疹予防及び治療の効能まで提供するの
で、副腎皮質ホルモン軟膏又はビステロイド系軟膏の使用を抑制することができ
、オムツ発疹関連皮膚病から根本的に乳、小児を保護することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の組成物を適用したオムツの例を示すもので、実施例１４乃
至１７の断面図である。ここで、ａとｃはポリプロピレン膜、ｂは実施例６の１
次パッド、ｄは吸収用マトリックス、ｅはビニルカバーである。

【図２】 本発明の組成物を適用したオムツの例を示すもので、実施例２３乃
至２６の断面図である。ここで、ａとｃはポリプロピレン膜、ｂは実施例６の１
次パッド、ｄは吸収用マトリックス、ｅは山薬粉末が含まれた補助パッド、ｆは
ビニルカバーである。

【符号の説明】

ａ、ｃ…ポリプロピレン膜 ｂ…吸収用マトリックス ｅ…ビニルカバー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ６１Ｐ 17/00 Ａ６１Ｐ 17/00 17/04 17/04 31/04 31/04 Ｄ２１Ｈ 17/02 Ｄ２１Ｈ 17/02 27/00 27/00 Ｆ (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ， ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，Ｋ Ｅ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ， ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，Ｓ Ｄ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ， ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 バエク、イン ジン 大韓民国、700−443、タエク、ジョーング −ク、ナムサン−３−ドング、2434、ソン グリム アパート、101−402 (72)発明者 パーク、セオウング フワン 大韓民国、706−220、タエク、スースング −ク、シジ−ドング、498、ゴサンノビュ ン タウン、301−1410 (72)発明者 セオ、ドング フン 大韓民国、706−023、タエク、スースング −ク、マンチョン−３−ドング、マンチョ ン−１−チャ−ウーバング アパート、 112−205 (72)発明者 バエク、ジュング フワン 大韓民国、706−034、タエク、スースング −ク、スースング−４−ガ、ファスングッ サンギョングン タウン、104−313 Ｆターム(参考） 4C086 AA01 AA02 HA02 HA05 HA08 HA25 MA01 MA04 MA16 MA63 NA14 ZA81 ZA89 ZB11 4C088 AB29 AB59 AB62 AC04 AC05 AC13 AD01 BA07 BA08 CA03 MA16 MA43 NA14 ZA81 ZA89 ZB11 4L055 AG43 AH50 BD11 EA32 FA30 GA26 GA29

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 苦参を含む乳、小児のための衛生用品用生薬組成物。
2. 【請求項２】 黄柏、艾葉、白鮮皮及び焼き明礬からなる群から選択された１
   種以上の生薬をさらに含み、組成物の総乾燥重量に対し、苦参は２０〜９８重量
   ％、黄柏は２〜５０重量％、艾葉は２〜３０重量％、白鮮皮は１〜３５重量％、
   焼き明礬は１０〜４０重量％であることを特徴とする請求項１記載の衛生用品用
   生薬組成物。
3. 【請求項３】 苦参、黄柏、艾葉、白鮮皮及び焼き明礬のすべてを含むことを
   特徴とする請求項２記載の衛生用品用生薬組成物。
4. 【請求項４】 粉末、抽出液及び浸出液のなかで選択された１形態であること
   を特徴とする請求項１乃至３記載の衛生用品用生薬組成物。
5. 【請求項５】 請求項１乃至３のいずれかに記載された衛生用品用生薬組成物
   が適用されたオムツ。
6. 【請求項６】 請求項１乃至３のいずれかに記載された生薬組成物と天然パル
   プを混合して製造した１次パッドが適用されたオムツ。
7. 【請求項７】 吸収促進用補助パッドが適用されたことを特徴とする請求項５
   又は６記載のオムツ。
8. 【請求項８】吸収促進用補助パッドが山薬を含むことを特徴とする請求項７記
   載のオムツ。
9. 【請求項９】 請求項１乃至３のいずれかに記載された衛生用品用生薬組成物
   が適用されたウェットティッシュ。