JP2003502328A - 心不整脈の処置に有用な新規ビスピジン化合物 - Google Patents

心不整脈の処置に有用な新規ビスピジン化合物

Info

Publication number
JP2003502328A
JP2003502328A JP2001503857A JP2001503857A JP2003502328A JP 2003502328 A JP2003502328 A JP 2003502328A JP 2001503857 A JP2001503857 A JP 2001503857A JP 2001503857 A JP2001503857 A JP 2001503857A JP 2003502328 A JP2003502328 A JP 2003502328A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
alkyl
groups
compounds
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001503857A
Other languages
English (en)
Inventor
ブョーレ,アンニカ
ブョースネ,マグヌス
ハルバルッソン,トーブョルン
ホッフマン,クルト−ユーゲン
サミュエルソン,ベルティル
ストランドルンド,ゲルト
Original Assignee
アストラゼネカ アクチボラグ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アストラゼネカ アクチボラグ filed Critical アストラゼネカ アクチボラグ
Publication of JP2003502328A publication Critical patent/JP2003502328A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D471/08Bridged systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/439Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom the ring forming part of a bridged ring system, e.g. quinuclidine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/06Antiarrhythmics

Abstract

(57)【要約】 不整脈、特に心房性および心室性不整脈の治療および予防に有用な式(I)の化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R5a、R5b、R6、X、A、BおよびDは明細書中に示す意味を有する)を提供する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、医薬として有用な新規化合物、特に心不整脈の処置に有用な化合物
に関する。
【0002】 背景および先行技術 心不整脈は、心悸動の速度、規則性もしくは発生部位の異常、または異常な活
動化シーケンスの原因となる伝導障害と定義される。不整脈は、臨床的には推定
される発生部位により(すなわち心房[性および房室性を含めた上心室性不整脈
、ならびに心室性不整脈)、および/または速度により(すなわち徐脈型不整脈
(遅い)および頻脈型不整脈(速い))分類できる。
【0003】 心不整脈の治療に際しては、主に伝導速度を低下させることにより作用する”
伝統的な”抗不整脈薬を用いた臨床試験における不都合な結果(たとえばNew
England Journal of Medicine,321,406
(1989)に報告された心不整脈抑制試験(CAST)の結果を参照)のため
、心臓再分極を選択的に遅延させることによりQT間隔を延長する化合物を求め
る薬物開発が促進された。クラスIII抗不整脈薬は、心伝導に影響を与えずに
、貫膜作用電位持続時間を延長し(外向きK+電流の遮断または内向きイオン電
流の増大により起きうる)、不応期を延長する薬物と定義できる。
【0004】 再分極遅延により作用する従来既知の薬物(クラスIIIなど)がもつ重大な
欠点のひとつは、それらがすべてトルサード・ド・ポアント(トルサード型心室
頻拍)として知られる、時には致命的となりうる独特な形の前不整脈を示すこと
が分かっていることである。安全性の観点から、この現象(これは、フェノチア
ジン類、三環系抗うつ薬、抗ヒスタミン薬および抗生物質など、心臓薬以外の薬
物を投与した結果としてもみられる)を最小限に抑えることが、有効な抗不整脈
薬を提供する際に解決すべき重要な問題である。
【0005】 ビスピジン(bispidine)類(3,7−ジアザビシクロ[3.3.1
]ノナン類)は、特にWO91/07405、EPA306 871、308
843および655 228、ならびにUSP3,962,449、4,556
,662、4,550,112、4,459,301および5,468,858
、ならびに文献、特にJ.Med.Chem.,39,2559(1996)、
Pharmacol.Res.,24,149(1991)、Circulat
ion,90,2032(1994)およびAnal.Sci.,9,429(
1993)から既知である。既知のビスピジン系抗不整脈化合物には下記のもの
が含まれる:ビサラミル(bisaramil)(3−メチル−7−エチル−9
α,4’−(CI−ベンゾイルオキシ)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1
]ノナン)、テジサミル(tedisamil)(3’,7’−ビス(シクロプ
ロピルメチル)スピロ(シクロペンタン−1,9’)−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン)、SAZ−VII−22(3−(4−クロロベンゾイル
)−7−イソプロピル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン)、SA
Z−VII−23(3−ベンゾイル−7−イソプロピル−3,7−ジアザビシク
ロ[3.3.1]ノナン)、GLG−V−13(3−[4−(1H−イミダゾー
ル−1−イル)ベンゾイル]−7−イソプロピル−3,7−ジアザビシクロ[3
.3.1]ノナン)、KMC−IV−84(7−[4’−(1H−イミダゾロ−
1−イル)ベンゼンスルホニル]−3−イソプロピル−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン・ジヒドロペルクロレート)、およびアンバシリド(am
basilide)(3−(4−アミノベンゾイル)−7−ベンジル−3,7−
ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン)。
【0006】 本発明者らは意外にも、新規な一群のビスピジン系化合物が電気生理学的活性
、好ましくはクラスIII電気生理学的活性を示し、したがって心不整脈の処置
に有用であると期待されることを見いだした。
【0007】 発明の開示 本発明によれば、式Iの化合物:
【0008】
【化15】
【0009】 またはその医薬的に許容できる誘導体が提供される: [式中: R1は、C1-12アルキル、−(CH2a−アリールまたは−(CH2a−He
1を表し(これらはすべて、−OH、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-4アルキルお
よび/またはC1-4アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されてい
てもよく、および/またはこれらを末端基としてもよい(適宜)); aは、0、1、2、3または4を表し; Het1は、酸素、窒素および/または硫黄から選択される1個以上の異種原
子を含む5〜10員複素環式環を表し、これらは1個以上の=O置換基を含んで
いてもよく; Xは、OまたはSを表し; R5aおよびR5bは独立して、HまたはC1-3アルキルを表し; R2およびR3は独立して、H、C1-4アルキル(1個以上のニトロまたはシア
ノ基で置換されていてもよく、および/またはこれらを末端基としてもよい)、
OR7、N(R7a)R7b、OC(O)R8を表すか、あるいは一緒に−O−(CH 22−O−、−(CH23−、−(CH24−または−(CH25−を表し; R7およびR8は独立して、H、C1-6アルキルまたは−(CH2b−アリール
を表し(後2つの基は−OH、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-4アルキルおよび/
またはC1-4アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよ
く、および/またはこれらを末端基としてもよい); R7aおよびR7bは独立して、HまたはC1-6アルキルを表し; bは、0、1、2、3または4を表し; R4は、HまたはC1-6アルキルを表し; Dは、H、C1-4アルキル、−OHまたは−(CH2cN(R10)(R11)を
表し; cは、0、1、2、3または4を表し; R10は、H、C1-6アルキル、−(CH2d−アリール、−C(NH)NH2
−S(O)213、−[C(O)]eN(R14)(R15)、−C(O)R16または
−C(O)OR17を表し; eは、1または2を表し; R11は、H、C1-6アルキル、−C(O)R18または−(CH2f−アリール
を表し(後の基は−OH、シアノ、ハロ、アミノ、ニトロ、C1-6アルキルおよ
び/またはC1-6アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていて
もよく、および/またはこれらを末端基としてもよい(適宜)); R14、R15、R16、R17およびR18は独立して、H、C1-6アルキル、Het2 または−(CH2g−アリールを表し(後3つの基は−OH、シアノ、ハロ、ア
ミノ、ニトロ、C1-6アルキルおよび/またはC1-6アルコキシから選択される1
個以上の置換基で置換されていてもよく、および/またはこれらを末端基として
もよい(適宜)); R13は、C1-6アルキル、アリールまたは−(CH2h−アリールを表し(こ
れらはすべてハロ、ニトロ、C1-6アルキルおよび/またはC1-6アルコキシから
選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、および/またはこれらを
末端基としてもよい(適宜)); d、f、gおよびhは独立して、0、1、2、3または4を表し; Het2は、酸素、窒素および/または硫黄から選択される1個以上の異種原
子を含む5〜10員複素環式環を表し、これらは1個以上の=O置換基を含んで
いてもよく; R6は、−OH、シアノ、ハロ、アミノ、ニトロ、C1-6アルキル(−N(H)
C(O)OR18aを末端基としてもよい)、C1-6アルコキシ、−C(O)N(H
)R19、−NHC(O)N(H)R20、−N(H)S(O)221および/また
は−OS(O)222から選択される1個以上の任意置換基を表し; R19およびR20は独立して、HまたはC1-6アルキルを表し; R18a、R21およびR22は独立してC1-6アルキルを表し; Aは、単結合、C1-6アルキレン、−N(R23)(CH2j−、−O(CH2 j −または−(CH2jC(H)(OR23)(CH2k−を表し(後3つの基に
おいて、−(CH2j−基はビスピジン窒素原子に結合し、後4つの基はすべて
1個以上のOH基で置換されていてもよい); Bは、単結合、C1-4アルキレン、−(CH2mN(R24)−、−(CH2m
S(O)n−、−(CH2mO−(後3つの基において、−(CH2m−基はD
およびR4を保有する炭素原子に結合している)、−C(O)N(R24)−(こ
の基において、−C(O)−基はDおよびR4を保有する炭素原子に結合してい
る)、−N(R24)C(O)O(CH2m−または−N(R24)(CH2m−(
これら2つの基において、−N(R24)−基はDおよびR4を保有する炭素原子
に結合している)を表し; j、kおよびmは独立して、0、1、2、3または4を表し; nは、0、1または2を表し; R23は、H、C1-6アルキルまたはC(O)R25を表し; R24は、HまたはC1-6アルキルを表し; R25は、H、C1-6アルキル、Het3または−(CH2p−アリールを表し(
後2つの基は−OH、シアノ、ハロ、アミノ、ニトロ、C1-6アルキルおよび/
またはC1-6アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよ
く、および/またはこれらを末端基としてもよい(適宜)); Het3は、酸素、窒素および/または硫黄から選択される1個以上の異種原
子を含む5〜10員複素環式環を表し、これらは1個以上の=O置換基を含んで
いてもよく; pは、0、1、2、3または4を表し; ただし: (a)DがHまたは−OHを表し、かつR5aおよびR5bが両方ともHを表す場
合、R2およびR3のうち少なくとも1つはOR7、OC(O)R8またはC1-4
ルキルを表し、このアルキル基は1個以上のニトロまたはシアノ基で置換されて
おり、および/またはこれらを末端基とする; (b)Dが−OHまたは−(CH2cN(R10)R11(cは0を表す)を表す
場合: (i)Aは−N(R23)(CH2j−、−O(CH2j−または−(CH2
jC(H)(OR23)(CH2k−を表さない(kは0である);および/ま
たは (ii)Bが−(CH2mN(R24)−、−(CH2mS(O)n−または
−(CH2mO−を表すとき、mは0を表さない]; これらの化合物を、以下において”本発明化合物”と呼ぶ。
【0010】 挙げることができるアリール基には、C6-10アリール基、たとえばフェニル、
ナフチルなどが含まれる。挙げることができるオキシアリール基には、C6-10
キシアリール基、たとえばオキシフェニル(フェノキシ)、オキシナフチル(ナ
フトキシ)などが含まれる。置換されている場合、アリールおよびアリールオキ
シ基は好ましくは1〜3個の置換基で置換されている。
【0011】 挙げることができるHet1、Het2およびHet3基には、1〜4個の異種
原子(酸素、窒素および/または硫黄から選択される)を含み、環系中の全原子
数が5〜10であるものが含まれる。Het(Het1、Het2およびHet3
)基は全/部分芳香族性であってよく、二環式であってもよい。挙げることがで
きる複素環式基には、モルホリニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾ
リル、シンノリニル、キナゾリニル、フタラジニル、プリニル、ベンゾイミダゾ
リル、ピリミジニル、ピペラジニル、ビラジニル、ピペリジニル、ピリジニル、
ピロリニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、トリアゾリル、イミダゾリル、キ
ノリニル、イソキノリニル、ジオキサニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキ
ソリル、ベンゾジオキセパニル、ベンゾモルホリニル、インドリル、ピラゾリル
、ピロリル、ベンゾチオフェニル、チオフェニル、クロマニル、チオクロマニル
、ベンゾフラニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、
フラニルなどが含まれる。挙げることができるHet2基には、ピロリジノニル
(たとえば2−ピロリジノン−5−イル)が含まれる。Het(Het1、He
2およびHet3)上の置換基は、適宜、異種原子を含む環系中の任意の原子上
にあってよい。Het(Het1、Het2およびHet3)基の結合位置は、異
種原子を含めて(適宜)環系中の任意の原子を介しうる。Het(Het1、H
et2およびHet3)基は、N−またはS−酸化形であってもよい。
【0012】 医薬的に許容できる誘導体には、塩類および溶媒和物が含まれる。挙げること
ができる塩類には、酸付加塩が含まれる。医薬的に許容できる誘導体には、C1- 4 アルキル第四級アンモニウム塩およびN−オキシドも含まれる。ただし、N−
オキシドが存在する場合: (a)非酸化形S−原子を含むHet(Het1、Het2およびHet3)基
は無い; (b)XはSを表さない;および/または (c)Bが−(CH2mS(O)n−を表すとき、nは0を表さない。
【0013】 本発明化合物は互変異性を示す可能性がある。すべての互変異性体形およびそ
の混合物が本発明の範囲に含まれる。 本発明化合物は1個以上の不斉炭素原子を含む可能性もあり、したがって光学
異性および/またはジアステレオ異性を示す可能性がある。ジアステレオ異性体
は常法により、たとえばクロマトグラフィーまたは分別結晶化により分離できる
。各種の立体異性体は、本発明化合物のラセミ混合物その他の混合物を常法によ
り、たとえば分別結晶化またはHPLC法により分離することによって、単離で
きる。あるいは、適切な光学活性出発物質をラセミ化またはエピマー化させない
条件下で反応させることによって、またはたとえばホモキラル酸で誘導体化した
のちこれらのジアステレオマー異性体を常法(たとえばHPLC、シリカ上での
クロマトグラフィー)により分離することによって、目的とする光学異性体を製
造することができる。すべての立体異性体が本発明の範囲に含まれる。
【0014】 アルキル基:R1、R2、R3、R4、R5a、R5b、R6、R7、R7a、R7b、R8
、R10、R11、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R18a、R19、R20、R2 1 、R22、R23、R24、R25およびDが表すことができ、R1、R7、R8、R11
13、R14、R15、R16、R17、R18およびR25がそれらで置換されていてもよ
いもの;ならびにアルコキシ基:R6が表すことができ、R1、R7、R8、R11
13、R14、R15、R16、R17、R18およびR25がそれらで置換されていてもよ
いものは、直鎖であってもよく、あるいは十分な数(すなわち3個)の炭素原子
がある場合には分枝鎖および/または環式であってもよい。さらに、あるいは十
分な数(すなわち4個)の炭素原子がある場合、それらのアルキル基およびアル
コキシ基は部分環式/非環式であってもよい。それらのアルキル基およびアルコ
キシ基は飽和であってもよく、あるいは十分な数(すなわち2個)の炭素原子が
ある場合には不飽和であってもよく、および/または酸素で中断されていてもよ
く、および/または1個以上のフルオロ基で置換されていてもよい。
【0015】 AおよびBが表すことができるアルキレン基、ならびにR1、R2とR3(一緒
に)、R7、R8、R10、R11、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R25、A
、BおよびDが含むことができる−(CH2)−含有基は、直鎖であってもよく
、あるいは十分な数(すなわち2個)の炭素原子がある場合には分枝していても
よい。そのようなアルキレ基および−(CH2)−含有鎖は、十分な数(すなわ
ち2個)の炭素原子がある場合には不飽和であってもよく、および/または酸素
で中断されていてもよい。
【0016】 本明細書中で用いる用語”ハロ”には、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨー
ドが含まれる。 略号を本明細書の末尾に挙げる。
【0017】 本発明の他の態様によれば、前記に定めた式Iの化合物であって、ただしさら
に下記の条件のものが提供される: (a)Aが−N(R23)(CH2j−または−O(CH2j−を表す場合、j
は0または1を表さない;および (b)Dが−OHまたは−(CH2cN(R10)R11を表し、cが0を表す場
合、Bは−N(R24)C(O)O(CH2m−または−N(R24)(CH2m
を表さない。
【0018】 本発明の好ましい化合物には下記のものが含まれる: R1が置換されていてもよい−(CH2a−フェニル(aは0、1、2または
3である)、または置換されていてもよく、不飽和であってもよい、直鎖、分枝
鎖もしくは環式C1-18アルキル(後の基は酸素原子で中断されていてもよい); R2がH、OR7、−CH2NO2または−OC(O)R8を表すか、あるいはR3 と一緒に−O−(CH22−O−を表す; R3がH、OR7、C1-4アルキルを表すか、あるいはR2と一緒に−O−(CH 22−O−を表す; R4がHまたはC1-2アルキルを表す; R5aおよびR5bが両方ともHを表すか、あるいは両方ともメチルを表す; R6がC1-6アルキル、シアノ、ニトロ、アミノまたはC(O)N(H)R19
しくはN(H)S(O)221から選択される1個以上の置換基を表す; XがOを表す; Aが単結合、または直鎖もしくは分枝鎖C1-4アルキレン(この基はOで中断
されていてもよい)を表す; Bが単結合、C1-4アルキレン、−(CH2mO−または−(CH2mN(R2 4 )−(後2つの場合、mは1、2または3である)を表す; Aを保有するビスピジン窒素がC1-4アルキル基をもち、したがって第四級ア
ンモニウム塩を形成していてもよく、この場合アルキル基はメチル基である。
【0019】 Dが−(CH2cN(R10)(R11)を表す場合、本発明の好ましい化合物に
は下記のものが含まれる: cが0、1または2を表す; R10がH、C1-4アルキル、−C(O)R16(R16はH、C1-3アルキルまたは
Het2である)、−C(O)OR17(R17はC1-5アルキル、フェニルまたはC 1-3 アルキルフェニルである)、−C(NH)NH2または−[C(O)]e−N
(H)R15(R15はHまたはC1-3アルキルである)を表す; R11がHを表す。
【0020】 本発明のより好ましい化合物には下記のものが含まれる: R1がフェニル、C1-2アルキルフェニル、または直鎖もしくは分枝鎖C2-6
ルキル(これらすべてが1個以上のシアノ、メチルおよび/またはハロ基で置換
されていてもよい); R2がH、OR7(R7はHまたはC1-2アルキルである)、−CH2NO2または
−OC(O)R8(R8はC1-3アルキルまたは置換されていてもよいフェニルで
ある)を表す; R3がH、OR7(R7はHまたはC1-2アルキルである)またはメチルを表す; R4がメチル、または好ましくはHを表す; R6が、好ましくはBに対してパラ位にあるシアノを表す; Aが単結合またはC1-2アルキレン(たとえば−CH2−)を表す; Bが単結合、−(CH2mN(H)−または−(CH2mO−(後2つの場合
、mは1または2である)を表す; DがH、OH、−CH2NH2、−NHR10(R10はH、C1-2アルキル、−C
(O)H、−[C(O)]2NH2、−C(NH)NH2、−C(O)N(H)R1 5 (R15はHまたはC1-2アルキルである)、−C(O)[2−ピロリドン−5−
イル]または−C(O)OR17(R17はC1-4アルキルまたはベンジルである)
である)を表す。 本発明の好ましい化合物には後記実施例の化合物が含まれる。
【0021】 製造 本発明によれば、下記を含む、式Iの化合物の製造方法も提供される: (a)式IIの化合物:
【0022】
【化16】
【0023】 (式中、R2、R3、R4、R5a、R5b、R6、A、BおよびDは前記に定めたもの
である)と式IIIの化合物: R1XC(O)L1 III (式中、L1は脱離基、たとえばHal、イミダゾリルまたは−OC(O)XR1 を表し、HalはCl、BrまたはIを表し、R1およびXは前記に定めたもの
である)を、たとえば室温以上で、適切な塩基(たとえばNaOH、K2CO3
たはトリエチルアミン)および適切な有機溶媒(たとえばCH2Cl2、THF、
アセトニトリル、トルエンまたはそれらの溶媒の混合物)の存在下に反応させる
; (b)式IにおいてAがCH2を表し、Dが−OHまたはN(H)R10を表す
化合物については、式IVの化合物:
【0024】
【化17】
【0025】 (式中、R1、R2、R3、R5a、R5bおよびXは前記に定めたものである)と式
Vの化合物:
【0026】
【化18】
【0027】 (式中、YはOまたはN(R10)を表し、R4、R6、R10およびBは前記に定め
たものである)を、たとえば高められた温度(たとえば60℃から還流温度まで
)で、適切な溶媒(たとえば低級アルキルアルコール(たとえばIPA)、アセ
トニトリル、または低級アルキルアルコールと水の混合物)の存在下に反応させ
る; (c)前記に定めた式IVの化合物と式VIの化合物:
【0028】
【化19】
【0029】 [式中、L2は脱離基(たとえばメシラート、トシラートまたはHalを表し、
ここでHalは前記に定めたものである)、R4、R6、A、BおよびDは前記に
定めたものである]を、たとえば高められた温度(たとえば35℃から還流温度
まで)で、適切な塩基(たとえばトリエチルアミンまたはK2CO3)および適切
な有機溶媒(たとえばアセトニトリルまたはジメチルスルホキシド)の存在下に
反応させる; (d)式IにおいてDがHまたはOHを表し、R4がHを表す化合物について
は、式VIIの化合物:
【0030】
【化20】
【0031】 (式中、R1、R2、R3、R5a、R5b、R6、A、BおよびXは前記に定めたもの
である)を、適切な還元剤の存在下に適切な反応条件下で還元する;たとえばD
が−OHを表す式Iの化合物の形成については、還元は緩和な反応条件下で、た
とえば水素化ホウ素ナトリウムおよび適切な有機溶媒(たとえばTHF)の存在
下に実施できる;DがHを表す式Iの化合物の形成については、還元は適切な還
元剤(たとえば水素化ホウ素ナトリウムまたはナトリウムシアノボロヒドリド)
および適切な有機溶媒(たとえば低級アルキルアルコール)の存在下で適切な試
薬(たとえばトシルヒドラジン)を用いて関連C=O基を活性化することにより
実施できる; (e)式IにおいてR2およびR3が両方ともHを表す化合物については、対応
する式VIIIの化合物:
【0032】
【化21】
【0033】 (式中、R1、R4、R5a、R5b、R6、A、B、DおよびXは前記に定めたもの
であり、橋頭C=O基は適切な試薬、たとえばトシルヒドラジンにより活性化さ
れてもよい)を、適切な還元剤(たとえば水素化ホウ素ナトリウムまたはナトリ
ウムシアノボロヒドリド)および適切な有機溶媒(たとえば低級アルキルアルコ
ール)の存在下で、または当業者に既知の標準ウォルフ−キッシュナー条件下で
還元する;C=O基を活性化する場合、活性化工程は室温と還流温度の間で、適
切な有機溶媒(たとえば低級アルキルアルコールであるメタノール、エタノール
またはIPAなど)の存在下に実施でき、次いでこの反応混合物に還元剤を添加
し、60℃と還流温度の間で、有利には適切な有機酸(たとえば酢酸)の存在下
に還元を行う; (f)式IにおいてR2およびR3のうちの一方がHを表し、他方が−OHを表
す化合物については、前記に定めた対応する式VIIIの化合物を、緩和な還元
剤(たとえば水素化ホウ素ナトリウム)および適切な有機溶媒(たとえば低級ア
ルキルアルコールであるメタノールまたはエタノールなど)の存在下で還元する
; (g)式IにおいてR2および/またはR3がOC(O)R8を表し、R8が前記
に定めたものである化合物については、R2および/またはR3(適宜)がOHを
表す対応する式Iの化合物と式VIIIAの化合物: R8CO2H VIIIA (式中、R8は前記に定めたものである)を、たとえば周囲温度(たとえば25
℃)で、適切な結合剤(たとえば1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エ
チルカルボジイミド)、適切な触媒(たとえば4−ジメチルアミノピリジン)お
よび反応不活性有機溶媒(たとえばTHF)の存在下に結合させる; (h)式IにおいてDが−(CH2cNH2を表す化合物については、対応す
る式IXの化合物:
【0034】
【化22】
【0035】 (式中、c、R1、R2、R3、R4、R5a、R5b、R6、A、BおよびXは前記に
定めたものである)を、適切な圧力で、適切な触媒(たとえばカーボン上パラジ
ウム)および適切な溶媒(たとえば水−エタノール混合物)の存在下に水素化す
ることにより還元する; (i)式IにおいてDが−N(R11)C(O)NH(R15)[R11およびR15 は前記に定めたものであり、ただしR11はC(O)R18を表さない]を表す化合
物については、Dが−N(R11)H[R11は前記に定めたものであり、ただしこ
れはC(O)R18を表さず、R18は前記に定めたものである]を表す対応する式
Iの化合物と式Xの化合物: R15N=C=O X (式中、R15は前記に定めたものである)を、たとえば周囲温度(たとえば25
℃)で、適切な溶媒(たとえばベンゼン)の存在下に反応させる; (j)式IにおいてDが−N(H)[C(O)]2NH2を表す化合物について
は、Dが−NH2を表す対応する式Iの化合物とシュウ酸ジアミドを、たとえば
−10〜25℃で、適切な結合剤(たとえば1−(3−ジメチルアミノ−プロピ
ル)−3−エチルカルボジイミド)、適切な活性化剤(たとえば1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール)、適切な塩基(たとえばトリエチルアミン)および反応不
活性有機溶媒(たとえばDMF)の存在下に反応させる; (k)式IにおいてDが−N(R11)C(O)R16[R11およびR16は前記に
定めたものであり、ただしR11はC(O)R18を表さない]を表す化合物につい
ては、Dが−N(R11)H[R11は前記に定めたものであり、ただしこれはC(
O)R18を表さない]を表す対応する式Iの化合物と式XIの化合物: R16C(O)Rx XI [式中、Rxは適切な脱離基、たとえばC1-4アルコキシ、Hal(たとえばCl
、Br)またはp−ニトロフェニルを表し、R16は前記に定めたものである]を
、たとえば周囲温度と還流温度の間で、適切な溶媒(たとえばメタノールまたは
DMSO)および(適宜)適切な塩基(たとえばK2CO3またはTEA)の存在
下に反応させる; (l)式IにおいてDが−N(H)R10[R10は前記に定めたものであり、た
だしこれはHまたは−C(NH)NH2を表さない]を表す化合物については、
Dが−NH2を表す対応する式Iの化合物と式XIAの化合物: R10a1 XIA [式中、R10aは前記に定めたR10を表し、ただしこれはHまたは−C(NH)
NH2を表さず、L1は前記に定めたものである]を、たとえば当業者に既知の条
件下で反応させる; (m)ビスピジン−窒素N−オキシド誘導体である式Iの化合物については、
対応する式Iの化合物の対応するビスピジン窒素を、適切な酸化剤(たとえばm
−クロロ過安息香酸)の存在下に、たとえば0℃で、適切な有機溶媒(たとえば
DCM)の存在下に酸化する; (n)C1-4アルキル第四級アンモニウム塩誘導体であって、このアルキル基
がビスピジン窒素に結合している式Iの化合物については、このビスピジン窒素
において、対応する式Iの化合物と式XIIの化合物: RaHal XII (式中、RaはC1-4アルキルを表し、Halは前記に定めたものである)を、た
とえば室温で、適切な有機溶媒(たとえばDMF)の存在下に反応させ、次いで
適切な対イオン供給剤(たとえばNH4OAc)の存在下に精製する(たとえば
HPLCを使用); (o)式IにおいてDおよびR4が両方ともHを表し、AがC1-6アルキレンを
表し、Bが−N(R24)(CH2m−(mおよびR24は前記に定めたものである
)を表す化合物については、式XIIIの化合物:
【0036】
【化23】
【0037】 (式中、AaはC1-6アルキレンを表し、R1、R2、R3、R5a、R5b、R24およ
びXは前記に定めたものである)と式XIVの化合物:
【0038】
【化24】
【0039】 (式中、R6、mおよびHalは前記に定めたものである)を、たとえば40℃
で、適切な有機溶媒(たとえばアセトニトリル)の存在下に反応させる; (p)前記に定めた式IIの化合物と式XVの化合物: R1XH XV (式中、R1およびXは前記に定めたものである)を1,1’−カルボニルジイ
ミダゾールの存在下で、たとえば適切な有機溶媒(たとえばTHF)の存在下に
還流することにより反応させる; (q)式IにおいてR2およびR3のうちの一方が−NH2を表し、他方がHを
表す化合物については、式XVAの化合物:
【0040】
【化25】
【0041】 (式中、R1、R4、R5a、R5b、R6、A、B、DおよびXは前記に定めたもの
である)を、適切な還元剤(たとえばLiAlH4)の存在下に、たとえば当業
者に周知の条件下で還元する; (r)式IにおいてR2およびR3のうちの一方または両方が−N(R7a)R7b (R7aおよびR7bのうちの一方または両方がC1-6アルキルを表す)を表す化合
物については、R2および/またはR3が−N(R7a)R7b(適宜)[R7aおよび
/またはR7b(適宜)はHを表す]を表す対応する式Iの化合物を、式XVBの
化合物: R7c1 XVB (式中、R7cはC1-6アルキルを表し、L1は前記に定めたものである)により、
たとえば当業者に周知の条件下でアルキル化する;あるいは (s)あるR6置換基を、当業者に周知の条件下で他の置換基に変換する。
【0042】 式IIの化合物は、式XVIの化合物:
【0043】
【化26】
【0044】 (式中、R2、R3、R5aおよびR5bは前記に定めたものである)と、前記に定め
た式VIの化合物とを、たとえば式Iの化合物の合成について前記に述べたよう
に(工程(c))、あるいは式IIにおいてAがCH2を表し、DがOHまたは
N(R10)Hを表す化合物については、式Vの化合物とを、式Iの化合物の合成
について前記に述べたように(工程(b))、反応させることにより製造できる
【0045】 式IIにおいてR2およびR3が両方ともHを表す化合物は、式XVIIの化合
物:
【0046】
【化27】
【0047】 (式中、R4、R5a、R5b、R6、A、BおよびDは前記に定めたものであり、C
=O基は適切な試薬、たとえばトシルヒドラジンにより活性化されてもよい)を
、たとえば式Iの化合物の合成について前記に述べたように(工程(e))還元
することにより製造できる。
【0048】 式IIにおいてR2がOHを表し、R3が置換されていてもよいC1-4アルキル
を表す化合物は、式XVIIの化合物またはその保護された誘導体と式XVII
Aの化合物: R3aMgHal XVIIA [式中、R3aはC1-6アルキル(1個以上のシアノ基で置換されていてもよく、
および/またはこれらを末端基としてもよい)を表し、Halは前記に定めたも
のである]を、たとえば−25℃と周囲温度の間で、適切な溶媒(たとえばジエ
チルエーテル)の存在下に反応させることにより製造できる。
【0049】 式IVの化合物は、前記に定めた式XVIの化合物と前記に定めた式IIIの
化合物を、たとえば式Iの化合物の合成について前記に述べたように(工程(a
))反応させることにより製造できる。
【0050】 あるいは式IVの化合物は、前記に定めた式XVIの化合物と前記に定めた式
XVの化合物を、1,1’−カルボニルジイミダゾールの存在下で、たとえば式
Iの化合物の合成について前記に述べたように(工程(p))反応させることに
より製造できる。
【0051】 あるいは式IVにおいてR2およびR3がHを表す化合物は、対応する式XVI
IIの化合物:
【0052】
【化28】
【0053】 (式中、R1、R5a、R5bおよびXは前記に定めたものであり、橋頭C=O基は
適切な試薬、たとえばトシルヒドラジンにより活性化されてもよい)を、たとえ
ば式Iの化合物の合成について前記に述べたように(工程(e))還元すること
により製造できる。
【0054】 式Vの化合物は、当業者に周知の方法で製造できる。たとえば式Vにおいて: (1)Bが−CH2O−を表し、YがOを表す化合物は、式XIXの化合物:
【0055】
【化29】
【0056】 (式中、R6は前記に定めたものである)と式XXの化合物:
【0057】
【化30】
【0058】 (式中、R4は前記に定めたものである)を、たとえば高められた温度(たとえ
ば60℃と還流温度の間)で、適切な塩基(たとえばK2CO3またはNaOH)
および適切な有機溶媒(たとえばアセトニトリルまたはトルエン/水)の存在下
に、または先行技術に述べられた他の方法で反応させることにより製造できる; (2)Bが−CH2O−を表し、YがOを表す化合物は、あるいは前記に定め
た式XIXの化合物と式XXIの化合物:
【0059】
【化31】
【0060】 (式中、R4は前記に定めたものである)を、たとえば室温と高められた温度(
たとえば40℃)の間で、適切な塩基(たとえばK2CO3またはカリウムエトキ
シド)および適切な有機溶媒(たとえばアセトニトリルまたはDMF)の存在下
に反応させることにより製造できる; (3)Bが単結合を表し、YがOを表し、R4がHを表す化合物は、式XXI
Iの化合物:
【0061】
【化32】
【0062】 (式中、R6は前記に定めたものである)を、たとえば−15℃と室温の間で、
、適切な還元剤(たとえばNaBH4)および適切な有機溶媒(たとえばTHF
)の存在下に還元し、次いで得られた中間体をたとえば室温で、適切な塩基(た
とえばK2CO3)および適切な有機溶媒(たとえばアセトニトリル)の存在下に
内部置換反応させることにより製造できる; (4)BがC1-4アルキレン、−(CH2mN(R24)−、−(CH2mS(
O)2−または−(CH2mO−(後3つの基において、mは、1、2、3また
は4を表す)を表し、YがOを表す化合物は、式XXIIIの化合物:
【0063】
【化33】
【0064】 [式中、Baは単結合、C1-3アルキレン、−(CH2m-1N(R24)−、−(C
2m-1S(O)2−または−(CH2m-1O−(後3つの基において、mは、
1、2、3または4を表す)を表し、R24およびR6は前記に定めたものである
]を、適切な酸化剤(たとえばm−クロロ過安息香酸)の存在下に、たとえば適
切な有機溶媒(たとえばジクロロメタン)の存在下での還流により酸化すること
により製造できる;あるいは (5)Bが−(CH2mO−を表し、YがN(R10)を表し、R10が−S(O
213または−C(O)OR17を表す化合物は、式XXIIIAの化合物:
【0065】
【化34】
【0066】 [式中、R10は−S(O)213または−C(O)OR17を表し、m、R4、R6
、R13、R17およびL2は前記に定めたものである]を、たとえば0℃と還流温
度の間で、適切な塩基(たとえば水酸化ナトリウム)、適切な溶媒(たとえばジ
クロロメタン、水、またはその混合物)、および必要ならば相間移動触媒(たと
えば硫酸水素テトラブチルアンモニウム)の存在下に環化することにより製造で
きる。
【0067】 式VIの化合物は標準法により製造できる。たとえば式VIにおいて: (1)Bが−(CH2mO−を表す化合物は、前記に定めた式XIXの化合物
を式XXIVの化合物: L4−(CH2m−C(D)(R4)−A−L2 XXIV [式中、L4は適切な脱離基(たとえばHal)を表し、Hal、m、R4、A、
DおよびL2は前記に定めたものである]に結合させることにより製造できる; (2)Bが−C(O)N(R24)−を表す化合物は、式XXVの化合物:
【0068】
【化35】
【0069】 (式中、R6およびR24は前記に定めたものである)を式XXVIの化合物: L4−C(O)−C(D)(R4)−A−L2 XXVI (式中、L4、R4、A、DおよびL2は前記に定めたものである)に結合させる
ことにより製造できる; 両方の場合とも、当業者に周知の条件下で実施される。
【0070】 式VおよびVIにおいてBが−(CH2mS(O)−または−(CH2mS(
O)2−を表す化合物は、Bが−(CH2mS−を表す対応する式VおよびVI
の化合物(それぞれ)(mは前記に定めたものである)を、適切な量の適切な酸
化剤(たとえばm−クロロ過安息香酸)および適切な有機溶媒の存在下に酸化す
ることにより製造できる。
【0071】 式VIIの化合物は式Iの化合物と同様にして製造できる(たとえば工程(a
)、(b)または(c)参照)。 あるいは、式VIIにおいてAがC2アルキレンを表す化合物は、前記に定め
た対応する式IVの化合物と式XXVIIの化合物:
【0072】
【化36】
【0073】 (式中、R6およびBは前記に定めたものである)を、たとえば室温で適切な有
機溶媒(たとえばエタノール)の存在下に反応させることにより製造できる。 式IXの化合物は、対応する式XXVIIAの化合物:
【0074】
【化37】
【0075】 (式中、c、R1、R2、R3、R4、R5a、R5b、R6、X、AおよびBは前記に
定めたものである)を式XXVIIBの化合物: RyS(O)2Cl XXVIIB [式中、RyはC1-4アルキルまたはアリール(これら2つの基はC1-4アルキル
またはハロから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)である]
と、たとえば−10〜25℃で、適切な溶媒(たとえばジクロロメタン)の存在
下に反応させ、次いで適切なアジドイオン源(たとえばナトリウムアジド)と、
たとえば周囲温度と還流温度の間で、適切な溶媒(たとえばDMF)および適切
な塩基(たとえばNaHCO3)の存在下に反応させることにより製造できる。
【0076】 式IXの化合物は、あるいは前記に定めた式IVの化合物と式XXVIICの
化合物:
【0077】
【化38】
【0078】 (式中、L2、R4、R6、A、Bおよびcは前記に定めたものである)を、たと
えば式Iの化合物の製造について前記に述べたものと同様な条件下で(工程(c
))反応させることにより製造できる。
【0079】 式XIIIの化合物は、式IにおいてDおよびR4が両方ともHを表し、Bが
−N(R24)C(O)O(CH2)−を表し、AがAaを表し、Aaが前記に定め
たものである化合物から、置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル単位
を当業者に周知の条件下で除去する(すなわち脱保護する)ことにより製造でき
る。
【0080】 式XVAの化合物は、式VIIIの化合物とヒドロキシルアミンを、たとえば
高められた温度(たとえば還流温度)で、適切な有機溶媒(たとえばメタノール
)の存在下に反応させることにより製造できる。
【0081】 式XVIにおいてR2およびR3が両方ともHを表す化合物は、式XXVIII
の化合物:
【0082】
【化39】
【0083】 (式中、R5aおよびR5bは前記に定めたものである)を、適切な条件(たとえば
式Iの化合物の製造について記載した条件(工程(e))下で反応させることに
より製造できる。
【0084】 式XVIにおいてR2がOHを表し、R3がR3aを表す化合物は、前記に定めた
対応する式XXVIIIの化合物と前記に定めた式XVIIAの化合物を、適切
な条件(たとえばR2がOHを表し、R3がR3aを表す式IIの化合物の製造につ
いて記載した条件)下で反応させることにより製造できる。
【0085】 式XVIにおいてR2とR3が一緒に−O−(CH22−O−、−(CH23
、−(CH24−または−(CH25−を表す化合物は、式XXVIIIAの化
合物:
【0086】
【化40】
【0087】 [式中、R2aとR2bは一緒に−O−(CH22−O−、−(CH23−、−(C
24−または−(CH25−を表し、R5aおよびR5bは前記に定めたものであ
る]を、適切な還元剤(たとえばLiAlH4)の存在下に、たとえば当業者に
周知の条件下で還元することにより製造できる。
【0088】 式XXVIIAの化合物は、対応する式Iの化合物と同様にして製造できる。 式XXVIICの化合物は、式IXの化合物と同様にして(すなわち−(CH 2cOH基を含む対応するアルコールから)製造できる。
【0089】 式VIII、XVII、XVIIIおよびXXVIIIの化合物は、有利には
式XXIXの化合物:
【0090】
【化41】
【0091】 [式中、RzはHまたは−C(O)XR1を表し、R1、R5a、R5bおよびXは前
記に定めたものである]と(適宜)(1)式XXXの化合物:
【0092】
【化42】
【0093】 またはその保護された誘導体(式中、R4、R6、A、BおよびDは前記に定めた
ものである)、または(2)NH3(またはその保護された(たとえばベンジル
)誘導体)を、すべての場合ホルムアルデヒドの存在下で(すなわち適切なホル
ムアルデヒド源、たとえばパラホルムアルデヒドまたはホルマリン溶液)反応さ
せることにより製造できる。
【0094】 式VIII、XVII、XVIIIおよびXXVIIIの化合物の形成は、こ
の方法で、たとえば室温と還流温度の間で(反応体の濃度に依存する)、適切な
溶媒(たとえばエタノールまたはメタノール)の存在下に、および好ましくは有
機酸(たとえばC1-6カルボン酸、特に酢酸)の存在下に実施できる。
【0095】 式XXVIIIAの化合物は当業者に周知の方法で製造できる。たとえば式X
XVIIIAにおいてR2aとR2bが一緒に−(CH23−、−(CH24−また
は−(CH25−を表し、R5aおよびR5bがHを表す化合物は、式XXXIの化
合物:
【0096】
【化43】
【0097】 (式中、R2a'とR2b'は一緒に−(CH23−、−(CH24−または−(CH 25−を表し、XおよびR1は前記に定めたものである)とリン酸および硫酸の
混合物を、たとえば120℃で反応させることにより製造できる。
【0098】 式XXXの化合物は文献において周知であるか、あるいは既知の方法で容易に
得られる。たとえば式XXXにおいてDが−OHを表し、R4がHを表し、Aが
CH2を表す化合物は、R4がHを表す式Vの化合物と水酸化アンモニウムを、当
業者に周知の条件下で反応させることにより製造できる。 式
【0099】
【化44】
【0100】 の化合物、ならびにその誘導体は、市販されているか、文献において既知である
か、あるいは本明細書に記載した方法と同様にして、あるいは一般的な合成法に
より、標準法に従って、容易に入手できる出発物質から、適切な試薬および反応
条件を用いて得ることができる。
【0101】 本明細書に定めた化合物において、アリール(たとえばフェニル)および(適
宜)複素環式基上の置換基を、当業者に周知の方法で他の置換基に変換できる。
たとえばニトロベンゼンを還元してアミノベンゼンにし、ヒドロキシをアルコキ
シに変換し、アルコキシを加水分解してヒドロキシにすることなどができる。
【0102】 本発明化合物は常法によりそれらの混合物から単離できる。 前記プロセスにおいて中間化合物の官能基を保護基で保護してもよく、あるい
は保護する必要がありうることは、当業者に自明であろう。
【0103】 保護することが望ましい官能基には、ヒドロキシ、アミノおよびカルボン酸が
含まれる。ヒドロキシに適した保護基には、トリアルキルシリルおよびジアリー
ルアルキルシリル基(たとえばt−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニ
ルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル基およびアルキルカ
ルボニルオキシ基(たとえばメチル−およびエチルカルボニルオキシ基)が含ま
れる。アミノに適した保護基には、ベンジル、t−ブチルオキシカルボニル、9
−フルオレニルメトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルが含まれる
。カルボン酸に適した保護基には、C1-6アルキルエステルまたはベンジルエス
テルが含まれる。
【0104】 官能基の保護および脱保護は、前記反応工程のいずれかの前または後で行うこ
とができる。 保護基の使用については、”Protective Groups in O
rganic Chemistry”,J.W.F.McOmie,Plenu
m Press(1973)、および”Protective Groups
in Organic Synthesis”,第2版,T.W.Greene
& P.G.M.Wutz,Wily−Interscience(1991
)に十分に記載されている。
【0105】 本発明化合物を他の、場合によってはより簡便な方法で得るために、本明細書
に述べた各プロセス工程を異なる順序で実施し、および/または各反応を全経路
の異なる段階で実施してもよい(すなわち個々の反応について前記に伴うものと
異なる中間体に置換基を付加し、および/または化学変換を実施することができ
る)ことは当業者に自明であろう。これは特に、個々の基質中に存在する他の官
能基の性質、鍵中間体の入手しやすさ、および適用すべき保護基の方式(保護基
がある場合)などの要因に依存するであろう。行われる化学反応のタイプが、合
成工程に使用する試薬の選択、用いる保護基の必要性およびタイプ、ならびに合
成を達成するためのシーケンスに影響を及ぼすのは明らかである。
【0106】 最終脱保護段階の前に形成される式Iの化合物の特定の保護誘導体そのものが
薬理活性をもたなくても、それらが非経口または経口投与された後に体内で代謝
されて薬理活性をもつ本発明化合物を生成しうることも、当業者に自明であろう
。したがってそれらの化合物を”プロドラッグ”と記載することができる。さら
に特定の式Iの化合物が他の式Iの化合物のプロドラッグとして作用することも
ある。
【0107】 式Iの化合物のすべてのプロドラッグが本発明の範囲に含まれる。 前記中間体のあるものは新規である。したがって本発明の他の態様によれば、
前記に定めた式II、VIIIおよびXVIIの化合物またはこれらの化合物す
べての保護誘導体が提供される;ただしすべての場合、R5aおよびR5bが両方と
もHを表すときはDはHまたはOHを表さない。さらに、前記に定めた式IVの
化合物またはその保護誘導体が提供される;ただし、R5aおよびR5bが両方とも
Hを表す場合はR2およびR3のうち少なくとも一方はOR7、OC(O)R8また
はC1-4アルキルを表し、このアルキル基は1個以上のニトロまたはシアノ基で
置換されていてもよく、および/またはこれらを末端基としてもよい。
【0108】 医療および薬剤における使用 本発明化合物は薬理活性をもつため、有用である。したがってそれらは医薬と
して適用される。
【0109】 本発明の他の態様によれば、医薬として使用するための本発明化合物が提供さ
れる。 本発明化合物は、たとえば後記の試験で証明されるように、特に心筋電気生理
学的活性を示す。
【0110】 したがって本発明化合物は、不整脈、特に心房性または心室性不整脈の予防お
よび治療のいずれにも有用であると期待される。 したがって本発明化合物は、不整脈が主要な役割をもつと考えられる心臓疾患
または心臓疾患関連適応症、たとえば虚血性心臓疾患、突発性心臓発作、心筋梗
塞、心不全、心臓手術および血栓形成の治療もしくは予防に適用される。
【0111】 不整脈の処置に際して本発明化合物は選択的に心臓再分極を遅延させ、したが
ってQT間隔を延長し、特にクラスIII活性を示すことが見いだされた。本発
明化合物はクラスIII活性を示すことが認められたが、特に不整脈の処置に際
してそれらの活性の様式は必ずしもこのクラスに限定されない。
【0112】 本発明の他の態様によれば、不整脈の処置方法であって、療法有効量の本発明
化合物をそのような状態に罹患しているかまたはその状態の疑いがある者に投与
することを含む方法が提供される。
【0113】 医薬製剤 本発明化合物は普通は、有効成分を遊離塩基、医薬的に許容できるイオン交換
体、または無毒性の有機もしくは無機酸付加塩として含む医薬調製物の形で、医
薬的に許容できる剤形で、経口、皮下、静脈内、動脈内、経皮、鼻腔内に、また
は吸入により、または他の任意の非経口経路で投与される。
【0114】 処置すべき障害および患者ならびに投与経路に応じて、組成物を種々の用量で
投与できる。 本発明化合物を、不整脈および/または他の心血管障害の処置に有用な他の薬
物と併用することもできる。
【0115】 本発明の他の態様によれば、本発明化合物を医薬的に許容できる佐剤、希釈剤
またはキャリヤーと混合して含有する医薬配合物が提供される。 ヒトの療法処置に適した本発明化合物の1日量は、非経口投与において約0.
05〜5.0mg/体重kgである。
【0116】 本発明化合物は心不整脈に対して有効であるという利点をもつ。 本発明化合物は、先行技術において既知の化合物と比較して、有効であり、毒
性が低く、活性範囲が広く(たとえばクラスI、クラスII、クラスIIIおよ
び/またはクラスIV活性のいかなる組合わせ(特に、クラスIIIに加えて、
クラスI、クラスIIおよび/またはクラスIV活性)をも示す)、効力が高く
、副作用が少なく(たとえばトルサード・ド・ポアント(トルサード型心室頻拍
)などの前不整脈の発生率が低い)、吸収されやすく、または他の有用な薬理学
的特性をもつ。
【0117】 生物学的試験 試験A 麻酔モルモットにおける主要な電気生理学的作用 体重660〜1100gのモルモットを用いた。動物を実験前少なくとも1週
間は収容し、この期間中は餌および水道水を任意に摂取させた。
【0118】 ペントバルビタール(40〜50mg/kg)の腹腔内注射により麻酔を誘発
し、カテーテルを一方の頚動脈(血圧記録および採血のため)および一方の頚静
脈(薬物注入のため)に導入した。ECG記録のために四肢に針電極を挿入した
(第II誘導)。サーミスタを直腸に挿入し、加熱パッドに動物を乗せ、直腸温
度37.5〜35.5℃に設定した。
【0119】 気管切開を行い、血液ガスをこの種の正常範囲内に維持するように設定した動
物用小型人工呼吸器を用いて、動物を室内空気で人工的に換気した。自律作用の
影響を少なくするために、両方の迷走神経を頸部で切断し、実験開始の15分前
に0.5mg/kgのプロプラノロールを静脈内投与した。
【0120】 左側開胸により左心室外膜を露出させ、単相作用電位(MAP)の記録のため
の注文設計した吸引電極を左心室の開放壁に取り付けた。許容できる信号を記録
できるならばこの電極を固定し、さもなければ新たな位置へ移動させた。ペーシ
ングのための双極電極を左心房に留め付けた。注文作製した定電流刺激装置によ
りペーシング(持続時間2ms、拡張期閾値の2倍)を行った。試験期間中、5
分毎に1分間の正常洞速度よりわずかに高い周期で心臓をペーシングした。
【0121】 血圧、MAP信号および第II誘導ECGをMingographインクジェ
ット記録計(Siemens−Elema、スウェーデン)により記録した。各
ペーシングシーケンスの最後の10秒間、およびそれに続く1分間の洞律動の最
初の10秒間のすべての信号を、PCに採集した(サンプリング周波数1000
Hz)。実験動物において測定する生理的信号の捕捉と分析のために開発した注
文作製プログラムを用いて信号を処理した(Axenborg and Hir
sch,Comput.Methods Programs Biomed.,
41,55(1993)参照)。
【0122】 試験法は、ペーシングと洞律動の両方における5分間隔の2つの基礎対照記録
をとることからなっていた。2回目の対照記録の後、1回目の用量の被験物質を
0.2mLの容量で頸静脈カテーテルに30秒間で注入した。3分後、ペーシン
グを開始し、新たな記録を行った。前回の投与の5分後、次の用量の被験物質を
投与した。各実験中に6〜10回の連続投与を行った。
【0123】 データ分析 この分析で測定された多数の変数のうち、有効化合物の比較と選択に最も重要
なものとして3つを選んだ。選択した3つの変数は、ペーシング中の75%再分
極におけるMAP持続時間、ペーシング中の房室(AV)伝導時間(心房ペーシ
ングパルスと心室MAP開始の間隔と定義)、および心拍数(洞律動中のRR間
隔と定義)であった。麻酔動物の血行動態を判定するために、収縮期血圧と拡張
期血圧を測定した。さらに、不整脈および/または形態の変化を調べるためにE
CGを検査した。
【0124】 2つの対照記録の平均をゼロに設定し、被験物質連続投与後に記録した作用を
この数値からの変化率%として表示した。これらの%値を各記録前に投与した累
積用量に対してプロットすることにより、用量−応答曲線を作製することができ
た。こうして各実験から3つの用量−応答曲線が作製された:1つはMAP持続
時間、1つはAV伝導時間、1つは洞周期(RR間隔)。被験物質を用いて実施
したすべての実験の平均曲線を計算し、この平均曲線から力価を求めた。これら
の実験におけるすべての用量−応答曲線を、得られたデータ点の線結合により作
製した。MAP持続時間をベースラインから10%延長する累積用量を、被験薬
剤のクラスIII電気生理学的力価の評価のための指標として用いた(D10)。 本発明を以下の実施例により説明する。
【0125】 実施例 一般的実験方法 質量スペクトルは、エレクトロスプレーインターフェースを備えたFinni
gan MAT TSQ 700トリプル四重極質量分析計(FAB−MS)、
およびエレクトロスプレーインターフェースを備えたVG Platform
II質量分析計(LC−MS)、Hewlett Packard HP−5−
MS GCカラムを介してHewlett Packardモデル5973A質
量分析計に接続したHewlett Packardモデル6890ガスクロマ
トグラフ、または島津QT−5000 GC/質量分析計(CI、メタン)によ
り記録された。1H NMRおよび13C NMR測定は、BRUKER ACP 300およびVarian UNITY plus 400および500分光
計により行われた:それぞれ300、400および500MHzの1H周波数、
それぞれ75.5、100.6および125.7MHzの13C周波数で操作。あ
るいは、13C NMR測定は、BRUKER ACE 200分光計により50
.3MHzの周波数で行われた。
【0126】 スペクトル解釈の容易さに応じて、スペクトル中に回転異性体を認知できる場
合とできない場合があった。別途記載しない限り、化学シフトは内標準としての
溶剤に関するppmで示される。
【0127】 実施例1 7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−ヒド ロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸エチル ;ジアステレオ異性体1 (i)4−(2−オキシラニルメトキシ)ベンゾニトリル エピクロルヒドリン(800mL)およびK2CO3(414g)を、2.0L
のアセトニトリル中におけるp−シアノフェノール(238g)の撹拌溶液に添
加した。反応混合物を不活性雰囲気下で2時間還流させた後、熱時濾過した。得
られた濾液を濃縮して透明な油を得た。これをジイソプロピルエーテルから結晶
化して副題化合物を75%の収率で得た。
【0128】 (ii)3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピルアミン IPA(300mL)を、NH3(500mL;濃)中における4−(2−オ
キシラニルメトキシ)ベンゾニトリル(上記工程(i)から;100g;571
mmol)の撹拌懸濁液に添加し、反応混合物を室温で3日間撹拌した。沈殿を
濾別し、残留物を濃縮し、MeCNから再結晶して副題化合物を46%の収率で
得た。
【0129】 (iii)7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル] −9−オキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸 エチル メタノール(5mL)中の氷酢酸(0.30g;5.0mmol)、次いでパ
ラホルムアルデヒド(0.33g;11.0mmol)を、3−(4−シアノフ
ェノキシ)−2−ヒドロキシプロピルアミン(上記工程(ii)から;0.96
g;5.0mmol)の撹拌メタノール(5mL)懸濁液に、不活性雰囲気(N 2 )下で添加した。温度を55℃にし、MeOH(5mL)中における1−エト
キシカルボニル−4−ピペリドン(0.86g;5.0mmol)の溶液を添加
し、反応混合物を6時間撹拌した。固体を濾別し、溶液を濃縮した。固体残留物
を水とジエチルエーテルの間で分配した。水相を採集し、pHを10に調整し(
4M NaOH)、CH2Cl2で抽出した。有機層を合わせて濃縮し、カラムク
ロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH;19:1)により精製して副題化合
物を30%の収率で得た。
【0130】
【化45】
【0131】 (iv)7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]− 9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン 酸エチル;ジアステレオ異性体類1 水素化ホウ素ナトリウム(100mg;2.6mmol)を、MeOH(3m
L)中における7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル
]−9−オキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン
酸エチル(上記工程(iii)から;354mg;0.91mmol)の冷却(
0℃)撹拌溶液に添加した。次いで反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を
蒸発させ、残留物をCH2Cl2とNaHCO3(水溶液)の間で分配した。有機
層を分離し、乾燥および濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(ヘキサン:E
tOAc:MeOH;35:60:5)して2つの分離可能なジアステレオ異性
体対を得た。表題化合物は極性の低い方のジアステレオ異性体類を表し、58%
の収率で単離された。
【0132】
【化46】
【0133】 実施例2 7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−ヒド ロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸エチル ;ジアステレオ異性体類2 上記実施例1から極性の高い方のジアステレオ異性体類として表題化合物を2
4%の収率で単離した。
【0134】 実施例3 7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−ヒド ロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブ チル;ジアステレオ異性体類1 (i)7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9 −オキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t− ブチル 前記実施例1(iii)に記載の方法に従い、1−エトキシカルボニル−4−
ピペリドンの代わりに1−t−ブトキシカルボニル−4−ピペリドンを用いて、
副題化合物を製造した。 CI−MS(メタン):m/z=416(MH+
【0135】 (ii)7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]− 9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン 酸t−ブチル;ジアステレオ異性体類1 前記実施例1(iv)に記載の方法に従い、7−[3−(4−シアノフェノキ
シ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−オキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン−3−カルボン酸エチルの代わりに7−[3−(4−シアノフェ
ノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−オキシ−3,7−ジアザビシクロ[
3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル(上記工程(i)から)を用い
て、副題化合物を製造した。スペクトルデータはジアステレオ異性体類2から得
たデータ(実施例4に記載)と一致した。表題化合物は極性の低い方のジアステ
レオ異性体類を表す。
【0136】 実施例4 7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−ヒド ロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブ チル;ジアステレオ異性体類2 上記実施例3から極性の高い方のジアステレオ異性体類として表題化合物を単
離した。
【0137】
【化47】
【0138】 実施例5 7−[(2S)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル] −9−ヒドロキシ−9−メチル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン −3−カルボン酸t−ブチル (i)3,7−ジベンジル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン− 9−オン J.Org.Chem.,41(9),1976,pp.1593−1597
に記載の方法に従って副題化合物を製造した。
【0139】 (ii)3,7−ジベンジル−9−ヒドロキシ−9−メチル−3,7−ジアザ ビシクロ[3.3.1]ノナン 3,7−ジベンジル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オ
ン(上記工程(i)から;2.05g;6.4mmol)の、ジエチルエーテル
(15mL)中における溶液を、ジエチルエーテル(8mL)中におけるメチル
マグネシウムクロリド(12.8mmol)の撹拌溶液に添加した。次いで反応
混合物を20分間撹拌し、次いでHCl(1M)で反応停止した。水層を分離し
、濃縮し、EtOAcとNaOH(2M)の間で分配した。有機層を分離し、次
いでイオン交換樹脂(Amberlyst IRA 400)で処理し、溶媒を
除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー処理(ヘキサン:EtOAc;1:
1;NH3飽和MeOHを含有;勾配0〜32%)し、副題化合物をジアステレ
オ異性体混合物として60%の収率で得た。
【0140】 (iii)7−ベンジル−9−ヒドロキシ−9−メチル−3,7−ジアザビシ クロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル 3,7−ジベンジル−9−ヒドロキシ−9−メチル−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン(上記工程(ii)から;1.0g;4.0mmol)お
よび二炭酸ジ−t−ブチル(0.98g;4.25mmol)の、EtOH(5
0mL)中における溶液を、Pd/Cで20分間水素化し、Celite(登録
商標)パッドで濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより精製して副
題化合物を40%の収率で得た。
【0141】 (iv)9−ヒドロキシ−9−メチル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1 ]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル 7−ベンジル−9−ヒドロキシ−9−メチル−3,7−ジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル(上記工程(iii)から;450
mg;1.3mmol)の、水性エタノール(95%のもの50mL)中におけ
る溶液を、5%Pd/Cにより1気圧で、TLCが反応完了を指示するまで水素
化した。Celite(登録商標)パッドで濾過することにより触媒を除去し、
濾液を減圧濃縮して副題化合物を定量的収率で得た。
【0142】 (v)4−[(2S)−オキシラニルメトキシ]ベンゾニトリル 前記実施例1(i)に記載の方法に従い、ただし(R)−(−)−エピクロル
ヒドリンを用いて、副題化合物を90%の収率で製造した。
【0143】
【化48】
【0144】 (vi)7−[(2S)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプ ロピル]−9−ヒドロキシ−9−メチル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1 ]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル 4−[(2S)−オキシラニルメトキシ]ベンゾニトリル(上記工程(v)か
ら;247mg;1.4mmol)を、アセトニトリル:水(4:1)中におけ
る9−ヒドロキシ−9−メチル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
−3−カルボン酸t−ブチル(上記工程(iv)から;328mg;1.28m
mol)の撹拌溶液に添加した。反応物を60℃に12時間加熱した後、室温で
さらに48時間撹拌を続けた。反応混合物を濃縮し、CH2Cl2に溶解し、乾燥
させ(MgSO4)、次いで再び濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー
により精製して表題化合物を44%の収率で得た。
【0145】
【化49】
【0146】 実施例6 7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−ベン ゾイルオキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸 t−ブチル (i)7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−(t−ブチルジメチルシリ ルオキシプロピル)]−9−オキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ ナン−3−カルボン酸t−ブチル t−ブチルジメチルクロロシラン(5.39g;35.7mmol)、7−[
3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−オキシ−3,
7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル(前記実
施例3(i)から;13.5g;32.5mmol)およびイミダゾール(4.
86g;71.4mmol)の、DMF中における混合物を、室温で20時間撹
拌した。混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、次いで水(100mL,
2回)および飽和ブライン(100mL,2回)で洗浄した。有機層を分離し、
乾燥させ(Na2SO4)、次いで再び濃縮すると黄色の油が得られた。これをカ
ラムクロマトグラフィー(EtOAc)により精製して副題化合物を77%の収
率で得た。
【0147】 (ii)7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−(t−ブチルジメチルシ リルオキシプロピル)]−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3. 1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル 水素化ホウ素ナトリウム(2.66g;70.2mmol)を少量ずつ、メタ
ノール(75mL)中における7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−(t
−ブチルジメチルシリルオキシプロピル)]−9−オキシ−3,7−ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル(上記工程(i)から;
13.3g;25.1mmol)の冷却(0℃)撹拌溶液に添加した。混合物を
室温で3時間撹拌した後、溶媒を減圧下で蒸発させた。油性残留物を100mL
の飽和NaHCO3水溶液で希釈し、次いでCH2Cl2(100mL,3回)で
抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(Na2SO4)、次いで濃縮すると白色泡
状物が得られた。これをカラムクロマトグラフィー(EtAc:ヘキサン;1:
1)により精製して副題化合物を50%の収率で得た。 CI−MS(メタン):m/z=532(MH+
【0148】
【化50】
【0149】 (iii)7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−(t−ブチルジメチル シリルオキシプロピル)]−9−ベンゾイルオキシ−3,7−ジアザビシクロ[ 3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル 安息香酸(517mg;4.23mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(811mg;4.23mmol)お
よび4−ジメチルアミノピリジン(35mg;0.282mmol)を、15m
LのTHF中の7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−(t−ブチルジメチ
ルシリルオキシプロピル)]−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル(上記工程(ii)から;1.5g
;2.82mmol)に添加した。混合物を室温で24時間撹拌した後、酢酸エ
チルで希釈した。得られた溶液を水(50mL,2回)およびブライン(50m
L,2回)で洗浄した。次いで有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、次い
で濃縮すると油が得られた。これをカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘ
キサン;1:5)により精製して副題化合物を分離可能なジアステレオ異性体混
合物として、合計44%の収率で得た。 (a)ジアステレオ異性体類1(極性の低い方の化合物)
【0150】
【化51】
【0151】 CI−MS(メタン):m/z=636(MH+) (b)ジアステレオ異性体類2(極性の高い方の化合物) CI−MS(メタン):m/z=636(MH+
【0152】
【化52】
【0153】 (iv)7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]− 9−ベンゾイルオキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ ルボン酸t−ブチル;ジアステレオ異性体類1 上記工程(iii)からのジアステレオ異性体類1(200mg;0.315
mmol)を、THF(2.0mL)中のフッ化テトラブチルアンモニウム(0
.47mL;0.47mmol;THF中1.0M)と混合し、室温で2時間撹
拌した。混合物を酢酸エチル(20mL,3回)と水(20mL)で分配し、有
機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濃縮した。得られた油をカラムク
ロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc;1:1)により精製して副題化合物
を79%の収率で得た。 CI−MS(メタン):m/z=522(MH+
【0154】
【化53】
【0155】 (v)7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9 −ベンゾイルオキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カル ボン酸t−ブチル;ジアステレオ異性体類2 上記工程(iii)からのジアステレオ異性体類2を用い、上記工程(iv)
の方法に従って、副題化合物を75%の収率で得た。 CI−MS(メタン):m/z=522(MH+
【0156】
【化54】
【0157】 実施例7 7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−プロ ピオニルオキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン 酸t−ブチル;ジアステレオ異性体類1 (i)7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−(t−ブチルジメチルシリ ルオキシプロピル)]−9−プロピオニルオキシ−3,7−ジアザビシクロ[3 .3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル 前記実施例6(iii)に記載の方法に従い、安息香酸の代わりにプロピオン
酸を用いて、副題化合物を69%の収率で製造した。 CI−MS(メタン):m/z=588(MH+
【0158】 (ii)7−[3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]− 9−プロピオニルオキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3− カルボン酸t−ブチル;ジアステレオ異性体類1 前記実施例6(iv)の方法に従い、7−[3−(4−シアノフェノキシ)−
2−(t−ブチルジメチルシリルオキシプロピル)]−9−プロピオニル−3,
7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル(上記工
程(iから)を用いて、表題化合物を64%の収率で製造した。 CI−MS(メタン):m/z=474(MH+
【0159】 実施例8 7−[3−(4−シアノアニリノ)プロピル]−9−ヒドロキシ−3,7−ジ アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル (i)7−ベンジル−9−オキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ ナン−3−カルボン酸t−ブチル パラホルムアルデヒド(4.00g;127mmol)を、エタノール(19
0mL)中におけるベンジルアミン(13.7g;126mmol)の溶液に添
加した。溶液を60℃に加熱し、エタノール(160mL)中における酢酸(1
5.2g;252mmol)の溶液に2時間かけて添加した。さらに1時間撹拌
した後、溶液を室温に冷却した。この溶液を、60℃に加熱したエタノール(2
70mL)中における1−t−ブトキシカルボニル−4−ピペリドン(25.5
g;127mmol)およびパラホルムアルデヒド(4.80g;152mmo
l)の混合物に添加した(2時間かけて)。一夜還流した後、溶液を室温に冷却
した。エタノールを蒸発により除去した。トルエン:水中で抽出仕上げ処理を行
い、この物質をトルエン:酢酸エチル系中でシリカにより濾過した。溶出液を蒸
発させると固体物質(37.4g)が得られた。純度は90面積%(HPLC)
、収率は60%であった。IPA中で結晶化させることにより、98面積%の純
度(HPLC)および収率70%で化合物を得た。
【0160】
【化55】
【0161】 (ii)7−ベンジル−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3. 1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル 水素化ホウ素ナトリウム(2.77g;73.2mmol)を、メタノール(
125mL)中における7−ベンジル−9−オキシ−3,7−ジアザビシクロ[
3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル(上記工程(i)から;8.0
1g;24.4mmol)の冷却(0℃)撹拌溶液に添加した。添加終了後、反
応物を室温で一夜撹拌した。次いで溶媒を蒸発させ、残留物をトルエンに再溶解
した。この溶液を水およびブラインで洗浄し、次いで得られた有機層を分離し、
乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して副題化合物を定量的収率で得た。
【0162】 (iii)9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン− 3−カルボン酸t−ブチル 前記実施例5(iv)の方法に従い、7−ベンジル−9−ヒドロキシ−9−メ
チル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチ
ルの代わりに7−ベンジル−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3
.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチルを用いて、副題化合物を定量的収率で
製造した。
【0163】 (iv)(4−シアノアニリノ)プロパン−3−オール 4−フルオロベンゾニトリル(1.0g;8.26mmol)および3−アミ
ノプロパノール(4.54g;58.7mmol)の混合物を不活性雰囲気(N 2 )下で15時間還流した。次いで水(500mL)およびジエチルエーテル(
500mL)を添加し、得られた有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濃
縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc;1:3)
により精製して副題化合物を84%の収率で得た。
【0164】 (v)(4−シアノアニリノ)プロピル−3−メタンスルホナート メタンスルホニルクロリド(0.33g;2.9mmol)を、ジクロロメタ
ン(35mL)中における(4−シアノアニリノ)プロパン−3−オール(上記
工程(iv)から;0.48g;2.76mmol)およびトリエチルアミン(
0.56g;5.54mmol)の冷却(0℃)撹拌溶液に添加した。添加終了
後、出発物質がすべて消費されるまで(TLCにより指示)室温で撹拌し続けた
。NaHCO3溶液を添加し、生じた有機層を分離し、乾燥(Na2SO4)およ
び濃縮して副題化合物を定量的収率で得た。
【0165】 (vi)7−[3−(4−シアノアニリノ)プロピル]−9−ヒドロキシ−3 ,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル 9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボ
ン酸t−ブチル(上記工程(iii)から;0.84g;3.48mmol)を
、MeCN(5mL)中における無水炭酸カリウム(0.67g;4.8mmo
l)および(4−シアノアニリノ)プロピル−3−メタンスルホナート(上記工
程(v)から;0.89g;3.48mmol)の撹拌懸濁液に不活性雰囲気(
2)下で添加した。反応混合物を室温で10時間撹拌した後、溶媒を減圧下で
除去した。残留物をCH2Cl2とNaHCO3(水溶液)の間で分配し、次いで
有機層を分離し、乾燥(Na2SO4)および濃縮した。カラムクロマトグラフィ
ーにより精製して表題化合物を41%の収率で得た。
【0166】
【化56】
【0167】 実施例9 7−[2−アミノ−2−(4−シアノフェニル)エチル]−3,7−ジアザビ シクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸イソプロピル (i)3,7−ジベンジル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン J.Org.Chem.,41(1976)1593−1597に記載の方法
に従い、N−ベンジル−N’−メチルビスピドンの代わりに3,7−ジベンジル
−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オン(前記実施例5(i
))を用いて、副題化合物を製造した。
【0168】 (ii)3−ベンジル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン 実施例5(iv)の方法に従い、7−ベンジル−9−ヒドロキシ−9−メチル
−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチルの
代わりに3,7−ジベンジル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(
上記工程(i)から)を用いて、副題化合物を定量的収率で製造した。
【0169】
【化57】
【0170】 (iii)7−ベンジル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3 −カルボン酸イソプロピル クロロギ酸イソプロピル(55mmol)および濃NaOH(6.0mL;1
0M)を水10mLと共に、CH2Cl2(50mL)中における3−ベンジル−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(上記工程(ii)から;10.
8g;50mmol)の溶液に添加した。反応混合物を3時間撹拌し、相を分離
した。有機相をH2Oおよびブラインで洗浄し、乾燥および濃縮して表題化合物
を95%の収率で得た。
【0171】 (iv)3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸イソ プロピル 実施例5(iv)の方法に従い、7−ベンジル−9−ヒドロキシ−9−メチル
−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチルの
代わりに7−ベンジル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸イソプロピル(上記工程(iii)から)を用いて、副題化合物を定量
的収率で製造した。
【0172】
【化58】
【0173】 (v)7−[2−(4−シアノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−3,7 −ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸イソプロピル 4−シアノフェナシルブロミド(225mg;1mmol)を、MeCN(2
mL)中における3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン
酸イソプロピル(上記工程(iv)から;212mg;1mmol)の撹拌溶液
に添加した。0℃で15分間撹拌した後、NaBH4(40mg;1mmol)
を添加し、反応物を45分間かけて室温にまで高めた。反応混合物を濃縮し、C
2Cl2に溶解し、NaHCO3(水溶液)およびブラインで洗浄した。有機層
を分離し、乾燥および濃縮すると油が得られた。これをカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:EtOAc:IPA;50:49:1)により精製して副題化合
物を35%の収率で得た。
【0174】 (vi)7−[2−(4−シアノフェニル)−2−クロロエチル]−3,7− ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸イソプロピル メタンスルホニルクロリド(2.15mL;27mmol)を、CH2Cl2
30mL)中における7−[2−(4−シアノフェニル)−2−ヒドロキシエチ
ル]−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸イソプロ
ピル(上記工程(v)から;7.35g;21mmol)の冷却(−10℃)撹
拌溶液に添加した。添加後、反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発さ
せて副題化合物を定量的収率で得た。
【0175】 (vii)7−[2−アジド−2−(4−シアノフェニル)エチル]−3,7 −ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸イソプロピル ナトリウムアジド(6.5g;100mmol)を、DMF(75mL)中に
おける7−[2−(4−シアノフェニル)−2−クロロエチル]−3,7−ジア
ザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸イソプロピル(上記工程(v
i)から;7.73g;21mmol)の溶液に添加した。得られた懸濁液を室
温で12時間撹拌した。反応混合物をCH2Cl2とNaHCO3(水溶液)の間
で分配し、有機層を分離し、乾燥させ、次いで濃縮して副題化合物を95%の収
率で得た。
【0176】 (viii)7−[2−アミノ−2−(4−シアノフェニル)エチル]−3, 7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸イソプロピル 7−[2−アジド−2−(4−シアノフェニル)エチル]−3,7−ジアザビ
シクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸イソプロピル(上記工程(vii
)から;7.51g;19.5mmol)の、水性エタノール(85%)中にお
ける溶液を、5%Pd/Cにより1気圧で、TLCが反応完了を指示するまで水
素化した。Celite(登録商標)パッドで濾過することにより触媒を除去し
、濾液を減圧濃縮して表題化合物を98%の収率で得た。
【0177】
【化59】
【0178】 実施例10イソプロピル7−[2−カルバモイルアミノ−2−(4−シアノフェニル)エチ
ル]−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシラート テトラヒドロ−2−ピラニルイソシアナート(382mg,3.0mmol)のベン
ゼン(10mL)溶液を、攪拌中のイソプロピル7−[2−アミノ−2−(4−シ
アノフェニル)エチル]−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボキシラート(前記実施例9参照;1.07g;3.0mmol)のベンゼン(3
5mL)溶液に加えた。反応混合物をrtで2h攪拌し、次いで溶媒を溜去し、残渣
をメタノール(27mL)及び希塩酸(4.5mL;0.1M)の混液に再溶解した
。得られた溶液を3時間還流し、次いで酸を中和(NaHCO3)しメタノールを溜去
すると沈殿物を与え、これを回収しIPAより再結晶すると表題化合物を67%の
収率で与えた。
【0179】
【化60】
【0180】 実施例11イソプロピル7−[2−カルバモイルカルボキシアミド−2−(4−シアノフェ
ニル)エチル]−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシ
ラート イソプロピル7−[2−アミノ−2−(4−シアノフェニル)エチル]−3,7
−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシラート(前記実施例9参
照;0.36g;1.0mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(
0.28g;2mmol)を、シュウ酸ジアミド(0.1g;1.1mmol)のDMF(
8mL)溶液中に攪拌しながら加えた。トリエチルアミンをpH7−8に達するまで
加え,次いで反応混合物を0℃に冷やし、1−(3−ジメチルアミノプロピル)
−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.23g;1.2mmol)を加えた。次に
反応反応混合物をrtで10h攪拌し,次いで水(15mL)を加えDMFを溜
去した。残渣をジエチルエーテル及びNaHCO3(aq.)で分配し、有機層を
分離し、水で洗い、乾燥し濃縮した。得られた残渣をメタノール及びジイソプロ
ピルエーテルより再結晶し表題化合物を45%の収率で得た。
【0181】
【化61】
【0182】 実施例12イソプロピル7−[2−(4−シアノフェニル)−2−ホルムアミドエチル]−3 ,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシラート イソプロピル7−[2−アミノ−2−(4−シアノフェニル)エチル]−3,7
−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシラート(前記実施例9(
viii)より;0.71g;2.0mmol)の攪拌溶液に、ギ酸エチル(0.5mL
)を加え、反応溶液を5h還流した。溶媒を溜去し残渣をジエチルエーテル及び
NaOH(2M)で分配した。有機層を分離し、水で洗い、それから濃縮した。
次に、得られた残渣をメタノール及びジイソプロピルエーテルより再結晶し表題
化合物を40%の収率で得た。
【0183】
【化62】
【0184】 実施例13tert−ブチル7−[2−アミノ−3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]−3, 7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシラート (i)ベンジル3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピルカルバ
メート 4−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾニトリル(前記実施例1(
ii)参照;30.0g;0.156mol)を150mLのCHCl3に溶解し、0℃に冷却
した。N−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(42.9g;0.
172mol)を150mLのCHCl3に溶解し、滴下して加えた。混合物をrtで終夜攪
拌した。溶媒を溜去し、残渣をDCMに溶解し、水(2×250mL)及びブライン(2
50mL)で洗い、乾燥し、溶媒を溜去して51g(100%)の副題化合物を得た
【0185】(ii)2−[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]−1−[(4−シアノフェノキ シ)メチル]エチルメタンスルフォナート ベンジル3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピルカルバメー
ト(2g;6.1mmol;前記ステップ1より)及び触媒量(10mol%)のDMAPを6m
Lの乾燥ピリジンに混合した。混合物を0℃に冷却して、メタンスルホニルクロ
リド(0.52mL;1.1eq.)を0℃で滴下して加えた。混合物を3h放置し室
温にした。ピリジンを溜去した。酢酸エチルを加え、得られた溶液を水で洗い有
機層を分離し乾燥し溜去すると2.3g(93%)の副題化合物を得た。
【0186】(iii)ベンジル2−[(4−シアノフェノキシ)メチル]−1−アジリジンカルボキ
シラート 2−[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]−1−[(4−シアノフェノキシ)
メチル]エチルメタンスルフォナート(47.7mg;0.12mol;前記ステッ
プ(ii)より)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム(4.81g;0.014mol
)及び290mLのDCMを混合し0℃に冷却した。97mLの50%NaOHを加え、混
合物を50分間激しく攪拌した。500mLの水及び500mLのエーテルを加え
た。有機層を分離し、水で洗い、乾燥(Na2SO4)し、溜去した。シリカ(DCM)
のクロマトグラフィーにより精製し、33.13g(89%)の副題化合物を得
た。
【0187】(iv)tert−ブチル7−ベンジル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン −3−カルボキシラート ジ-tert−ブチルジカルボナートを3−ベンジル−3,7−ジアザビシクロ[3
.3.1]ノナン(前記実施例9(ii)参照;60g;277mmol)のTHF(60
0mL)溶液にゆっくり加えた。反応液をrtで出発物質がなくなるまで(tlcによ
り確認した)攪拌した。次に溶媒を減圧下除去し定量的な収率で副題化合物を得
た。
【0188】(v)tert−ブチル3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カーボキ
シラート 前記実施例5(iv)の方法により、tert−ブチル7−ベンジル−9−ヒドロキ
シ−9−メチル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシ
ラートの代わりにtert−ブチル7−ベンジル−3,7−ジアザビシクロ[3.3
.1]ノナン−3−カルボキシラート(前記ステップ(iv)より)を用いて、副
題化合物を製造した。
【0189】
【化63】
【0190】(vi)tert−ブチル7−[2[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]3−(4−
シアノフェノキシ)プロピル]−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−
3−カルボキシラート ベンジル2−[(4−シアノフェノキシ)メチル]−1−アジリジンカルボキシラ
ート(1.0g;3.2mmol;前記ステップ(iii)より)をtert−ブチル3,
7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カーボキシラート(前記ステップ(
v)より;0.73g;3.2mmol)及び30mLのイソプロパノールと混ぜ
合わせ、60℃で5h攪拌し、次にrtで終夜攪拌した。溶媒を溜去し、粗生成
物をシリカ(DCM:5%MeOH)で精製し1.3g(76%)の副題化合物を
得た。
【0191】(vii) tert−ブチル7−[2−アミノ−3−(4−シアノフェノキシ)プロピル] −3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシラート tert.−ブチル7−[2[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]−3−(4−
シアノフェノキシ)プロピル]−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−
3−カルボキシラート(前記ステップ(vi)より;3g;5.6mmol)をエタ
ノール(95%)に溶解し、5%Pd/Cにより1atmで2時間水素化した。触媒
をCelite(登録商標)の詰め物に通して濾過した。残渣を溜去しクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル:10%MeOH)で精製した。収量:2g(91%)。
【0192】
【化64】
【0193】 (キラルな4−(2−オキシラニルメトキシ)ベンゾニトリルから(R)−及び(S
)−異性体が製造された:4−(2(R)−オキシラニルメトキシ)ベンゾニトリルは
S形のtert−ブチル7−[2−アミノ−3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]
−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシラートを与え、
4−(2(S)−オキシラニルメトキシ)ベンゾニトリルはR形を与えた。)
【0194】 実施例14tert−ブチル7−[2−アミノ−3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]−9− ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシラー (i) tert−ブチル7−[2[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]−3−(4−
シアノフェノキシ)プロピル]−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3. 3.1]ノナン−3−カルボキシラート tert−ブチル9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−
3−カルボキシラート(3.85g;15.9mmol;前記実施例8(iii)参照)に
、ベンジル2−[(4−シアノフェノキシ)メチル]−1−アジリジンカルボキシラ
ート(4.44g;14.4mmol;前記実施例13(iii)参照)を100mLのイソ
プロパノール:H2O(8:2)に溶解して加えた。混合物を60℃で24h攪拌し
た。溶媒を溜去し残渣をシリカクロマトグラフィ(トルエン:酢酸エチル:イソ
プロパノール;8:1:1)で精製した。収量6.21g(78%)。
【0195】(ii) tert−ブチル7−[2−アミノ−3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]
−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキ シラート tert−ブチル7−[2[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]−3−(4−シア
ノフェノキシ)プロピル]−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−3−カルボキシラート(前記ステップ(i)から;6.17g;11.
2mmol)を、エタノール(56mL;85%)に溶解しPd/C(5%)で水素化した。
得られた混合物を濾過し、溶媒を溜去し、租成生物をシリカクロマトグラフィ(
トルエン:酢酸エチル:イソプロパノール;8:1:1)で精製すると、2.9
9g(64%)の表題化合物を得た。
【0196】
【化65】
【0197】 実施例15 tert−ブチル7−[3−(4−シアノアニリノ)プロピル]−9−ヒドロキシ−
1,5−ジメチル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキ シラート (i) 3,7−ジベンジル−1,5−ジメチル−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザ ビシクロ[3.3.1]ノナン 副題化合物をChem.Heterocycl.Comp.,30(1994)353−357に
記載の方法で製造した。
【0198】(ii) 3−ベンジル−1,5−ジメチル−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン 3,7−ジベンジル−1,5−ジメチル−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビ
シクロ[3.3.1]ノナン(前記ステップ(i)より;2.71g,7.74mmol)
の水性エタノール(20mL;95%)溶液を、5%Pd/Cにより1atm.でtlcによ
り反応が完結したことを確認されるまで水素化した。触媒をセライト(登録商標
)の詰め物に通す濾過により除去し、濾液を濃縮し副題化合物を定量的な収率で
得た。
【0199】(iii) tert−ブチル7−ベンジル−1,5−ジメチル−9−ヒドロキシ−3,7 −ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシラート 3−ベンジル−1,5−ジメチル−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン(前記ステップ(ii)より;0.68g;2.61mmol)のTH
F(5mL)溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボナートをゆっくり加えた。反応液
をrtで出発物質が消失(tlcにより確認した)するまで攪拌した。溶媒を減圧下
除去すると副題化合物を89%の収率で得た。
【0200】(iv)) tert−ブチル1,5−ジメチル−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシ クロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシラート 前記ステップ(ii)に記載の方法により、3,7−ジベンジル−1,5−ジメチ
ル−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンの代わりにte
rt−ブチル7−ベンジル−1,5−ジメチル−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン(前記ステップ(iii)による)を用い、定量的な収
率で副題化合物を製造した。
【0201】(v)tert−ブチル7−[3−(4−シアノアニリノ)プロピル]−9−ヒドロキ
シ−1,5−ジメチル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カル ボキシラート tert−ブチル1,5−ジメチル−9−ヒドロキシ−3,7−ジアザビシクロ[
3.3.1]ノナン−3−カルボキシラート(前記ステップ(iv)より;1.05
g,3.89mmol)を10mLのMeCNに溶解した。トリエチルアミン(0.39g
,3.89mmol)及び(4−シアノアニリノ)プロピル−3−メタンスルホナー
ト(前記実施例8(v);0.99g,3.89mmol)を加えた。反応混合物を
60℃で72h攪拌し、次に溶媒を減圧下除去した。残渣をCH2Cl2及びNaHCO3(a
q.)で分配し、次いで有機層を分離し、乾燥(Na2SO4)し濃縮した。カラムクロ
マトグラフィーで精製すると表題化合物を4%の収率で得た。
【0202】
【化66】
【0203】 実施例16 前記実施例1から15の化合物を前記テストAで試験し、全ての化合物が6.
0以上のD10値を示すことが認められた。 略語 AcOH=酢酸 Aq.=水の Atm.=気圧 Bu=ブチル DCM=ジクロロメタン DMAP=4−ジメチルアミノピリジン DMF=ジメチルホルムアミド EI=電子衝撃イオン化法 Et=エチル EtOAc=酢酸エチル EtOH=エタノール ESI=エレクトロスプレーイオン化法 FAB=高速原子衝突法 h=時間 IPA=イソプロピル LC=液体クロマトグラフィー HPLC=高速液体クロマトグラフィー Me=メチル MeCN=アセトニトリル MeOH=メタノール min=分 MS=質量分析法 NADPH=ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸,還元形 NMR=核磁気共鳴 Pd/C=パラジウム/カーボン rt.=室温 sat.=飽和した THF=テトラヒドロフラン tlc=薄層クロマトグラフィー 接頭辞n,s,i及びtは通常の意味を有し:ノルマル(normal)、イソ(iso)
、セカンダリー(secondary)及びターシャリー(tertiary)の意味である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ハルバルッソン,トーブョルン スウェーデン国エス−431 83 メルンダ ル,アストラゼネカ・エアル・オー・デ ー・メルンダル (72)発明者 ホッフマン,クルト−ユーゲン スウェーデン国エス−431 83 メルンダ ル,アストラゼネカ・エアル・オー・デ ー・メルンダル (72)発明者 サミュエルソン,ベルティル スウェーデン国エス−431 83 メルンダ ル,アストラゼネカ・エアル・オー・デ ー・メルンダル (72)発明者 ストランドルンド,ゲルト スウェーデン国エス−431 83 メルンダ ル,アストラゼネカ・エアル・オー・デ ー・メルンダル Fターム(参考) 4C065 AA09 BB09 CC10 DD02 EE03 HH01 HH02 HH09 JJ03 JJ05 KK09 LL01 PP03 QQ02 QQ07 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 CB14 GA16 MA01 MA04 MA52 MA55 MA59 MA63 MA66 NA14 ZA36

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式Iの化合物: 【化1】 またはその医薬的に許容できる誘導体 [式中: R1は、C1-12アルキル、−(CH2a−アリールまたは−(CH2a−He
    1を表し(これらはすべて、−OH、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-4アルキルお
    よび/またはC1-4アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されてい
    てもよく、および/またはこれらを末端基としてもよい(適宜)); aは、0、1、2、3または4を表し; Het1は、酸素、窒素および/または硫黄から選択される1個以上の異種原
    子を含む5〜10員複素環式環を表し、これらは1個以上の=O置換基を含んで
    いてもよく; Xは、OまたはSを表し; R5aおよびR5bは独立して、HまたはC1-3アルキルを表し; R2およびR3は独立して、H、C1-4アルキル(1個以上のニトロまたはシア
    ノ基で置換されていてもよく、および/またはこれらを末端基としてもよい)、
    OR7、N(R7a)R7b、OC(O)R8を表すか、あるいは一緒に−O−(CH 22−O−、−(CH23−、−(CH24−または−(CH25−を表し; R7およびR8は独立して、H、C1-6アルキルまたは−(CH2b−アリール
    を表し(後2つの基は−OH、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-4アルキルおよび/
    またはC1-4アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよ
    く、および/またはこれらを末端基としてもよい); R7aおよびR7bは独立して、HまたはC1-6アルキルを表し; bは、0、1、2、3または4を表し; R4は、HまたはC1-6アルキルを表し; Dは、H、C1-4アルキル、−OHまたは−(CH2cN(R10)(R11)を
    表し; cは、0、1、2、3または4を表し; R10は、H、C1-6アルキル、−(CH2d−アリール、−C(NH)NH2
    −S(O)213、−[C(O)]eN(R14)(R15)、−C(O)R16または
    −C(O)OR17を表し; eは、1または2を表し; R11は、H、C1-6アルキル、−C(O)R18または−(CH2f−アリール
    を表し(後の基は−OH、シアノ、ハロ、アミノ、ニトロ、C1-6アルキルおよ
    び/またはC1-6アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていて
    もよく、および/またはこれらを末端基としてもよい(適宜)); R14、R15、R16、R17およびR18は独立して、H、C1-6アルキル、Het2 または−(CH2g−アリールを表し(後3つの基は−OH、シアノ、ハロ、ア
    ミノ、ニトロ、C1-6アルキルおよび/またはC1-6アルコキシから選択される1
    個以上の置換基で置換されていてもよく、および/またはこれらを末端基として
    もよい(適宜)); R13は、C1-6アルキル、アリールまたは−(CH2h−アリールを表し(こ
    れらはすべてハロ、ニトロ、C1-6アルキルおよび/またはC1-6アルコキシから
    選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、および/またはこれらを
    末端基としてもよい(適宜)); d、f、gおよびhは独立して、0、1、2、3または4を表し; Het2は、酸素、窒素および/または硫黄から選択される1個以上の異種原
    子を含む5〜10員複素環式環を表し、これらは1個以上の=O置換基を含んで
    いてもよく; R6は、−OH、シアノ、ハロ、アミノ、ニトロ、C1-6アルキル(−N(H)
    C(O)OR18aを末端基としてもよい)、C1-6アルコキシ、−C(O)N(H
    )R19、−NHC(O)N(H)R20、−N(H)S(O)221および/また
    は−OS(O)222から選択される1個以上の任意置換基を表し; R19およびR20は独立して、HまたはC1-6アルキルを表し; R18a、R21およびR22は独立してC1-6アルキルを表し; Aは、単結合、C1-6アルキレン、−N(R23)(CH2j−、−O(CH2 j −または−(CH2jC(H)(OR23)(CH2k−を表し(後3つの基に
    おいて、−(CH2j−基はビスピジン窒素原子に結合し、後4つの基はすべて
    1個以上のOH基で置換されていてもよい); Bは、単結合、C1-4アルキレン、−(CH2mN(R24)−、−(CH2m
    S(O)n−、−(CH2mO−(後3つの基において、−(CH2m−基はD
    およびR4を保有する炭素原子に結合している)、−C(O)N(R24)−(こ
    の基において、−C(O)−基はDおよびR4を保有する炭素原子に結合してい
    る)、−N(R24)C(O)O(CH2m−または−N(R24)(CH2m−(
    これら2つの基において、−N(R24)−基はDおよびR4を保有する炭素原子
    に結合している)を表し; j、kおよびmは独立して、0、1、2、3または4を表し; nは、0、1または2を表し; R23は、H、C1-6アルキルまたはC(O)R25を表し; R24は、HまたはC1-6アルキルを表し; R25は、H、C1-6アルキル、Het3または−(CH2p−アリールを表し(
    後2つの基は−OH、シアノ、ハロ、アミノ、ニトロ、C1-6アルキルおよび/
    またはC1-6アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよ
    く、および/またはこれらを末端基としてもよい(適宜)); Het3は、酸素、窒素および/または硫黄から選択される1個以上の異種原
    子を含む5〜10員複素環式環を表し、これらは1個以上の=O置換基を含んで
    いてもよく; pは、0、1、2、3または4を表し; ただし: (a)DがHまたは−OHを表し、かつR5aおよびR5bが両方ともHを表す場
    合、R2およびR3のうち少なくとも1つはOR7、OC(O)R8またはC1-4
    ルキルを表し、このアルキル基は1個以上のニトロまたはシアノ基で置換されて
    おり、および/またはこれらを末端基とする; (b)Dが−OHまたは−(CH2cN(R10)R11(cは0を表す)を表す
    場合: (i)Aは−N(R23)(CH2j−、−O(CH2j−または−(CH2
    jC(H)(OR23)(CH2k−を表さない(kは0である);および/ま
    たは (ii)Bが−(CH2mN(R24)−、−(CH2mS(O)n−または
    −(CH2mO−を表すとき、mは0を表さない]。
  2. 【請求項2】 R1が置換されていてもよい−(CH2a−フェニル(aは0
    、1、2または3である)、または置換されていてもよく、不飽和であってもよ
    い、直鎖、分枝鎖もしくは環式C1-18アルキル(後の基は酸素原子で中断されて
    いてもよい)を表す、請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R2がH、OR7、−CH2NO2または−OC(O)R8を表す
    か、あるいはR3と一緒に−O−(CH22−O−を表す、請求項1または2に
    記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R3がH、OR7、C1-4アルキルを表すか、あるいはR2と一緒
    に−O−(CH22−O−を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物
  5. 【請求項5】 R4がHまたはC1-2アルキルを表す、請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 R5aおよびR5bが両方ともHを表すか、あるいは両方ともメチ
    ルを表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 R6がC1-6アルキル、シアノ、ニトロ、アミノまたはC(O)
    N(H)R19もしくはN(H)S(O)221から選択される1個以上の置換基
    を表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 XがOを表す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 Aが単結合、または直鎖もしくは分枝鎖C1-4アルキレン(こ
    の基はOで中断されていてもよい)を表す、請求項1〜8のいずれか1項に記載
    の化合物。
  10. 【請求項10】 Bが単結合、C1-4アルキレン、−(CH2mO−または−
    (CH2mN(R24)−(後2つの場合、mは1、2または3である)を表す、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 Dが−(CH2cN(R10)(R11)を表し、cが0、1ま
    たは2を表す、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 Dが−(CH2cN(R10)(R11)を表し、R10がH、C 1-4 アルキル、−C(O)R16(R16はH、C1-3アルキルまたはHet2である
    )、−C(O)OR17(R17はC1-5アルキル、フェニルまたはC1-3アルキルフ
    ェニルである)、−C(NH)NH2または−[C(O)]e−N(H)R15(R 15 はHまたはC1-3アルキルである)を表す、請求項1〜11のいずれか1項に
    記載の化合物。
  13. 【請求項13】 Dが−(CH2cN(R10)(R11)を表し、R11がHを表
    す、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物を医薬的に許
    容できる佐剤、希釈剤またはキャリヤーと混合して含有する医薬配合物。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物を含む、不整
    脈の予防または治療に使用するための医薬配合物。
  16. 【請求項16】 医薬として使用するための、請求項1〜13のいずれか1項
    に記載の化合物。
  17. 【請求項17】 不整脈の予防または治療に使用するための、請求項1〜13
    のいずれか1項に記載の化合物。
  18. 【請求項18】 不整脈の予防または治療に使用するための医薬の製造におけ
    る有効成分としての、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  19. 【請求項19】 不整脈が心房性または心室性不整脈である、請求項18に記
    載の使用。
  20. 【請求項20】 不整脈の予防または治療のための方法であって、療法有効量
    の請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物をそのような状態に罹患してい
    るかまたはその状態の疑いがある者に投与することを含む方法。
  21. 【請求項21】 下記を含む、請求項1に記載の式Iの化合物の製造方法: (a)式IIの化合物: 【化2】 (式中、R2、R3、R4、R5a、R5b、R6、A、BおよびDは請求項1に定めた
    ものである)と式IIIの化合物: R1XC(O)L1 III (式中、L1は脱離基を表し、R1およびXは請求項1に定めたものである)を反
    応させる; (b)式IにおいてAがCH2を表し、Dが−OHまたはN(R10)Hを表す
    化合物については、式IVの化合物: 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R5a、R5bおよびXは請求項1に定めたものである)
    と式Vの化合物: 【化4】 (式中、YはOまたはN(R10)を表し、R4、R6、R10およびBは請求項1に
    定めたものである)を反応させる; (c)前記に定めた式IVの化合物と式VIの化合物: 【化5】 (式中、L2は脱離基を表し、R4、R6、A、BおよびDは請求項1に定めたも
    のである)を反応させる; (d)式IにおいてDがHまたはOHを表し、R4がHを表す化合物について
    は、式VIIの化合物: 【化6】 (式中、R1、R2、R3、R5a、R5b、R6、A、BおよびXは請求項1に定めた
    ものである)を還元する; (e)式IにおいてR2およびR3のうちの一方がHまたはOHを表し、他方が
    Hを表す化合物については、対応する式VIIIの化合物: 【化7】 (式中、R1、R4、R5a、R5b、R6、A、B、DおよびXは請求項1に定めた
    ものである)を還元する; (f)式IにおいてR2および/またはR3がOC(O)R8を表し、R8が請求
    項1に定めたものである化合物については、R2および/またはR3(適宜)がO
    Hを表す対応する式Iの化合物と式VIIIAの化合物: R8CO2H VIIIA (式中、R8は請求項1に定めたものである)を結合させる; (g)式IにおいてDが−(CH2cNH2を表す化合物については、対応す
    る式IXの化合物: 【化8】 (式中、c、R1、R2、R3、R4、R5a、R5b、R6、A、BおよびXは請求項
    1に定めたものである)を還元する; (h)式IにおいてDが−N(R11)C(O)NH(R15)[R11およびR15 は請求項1に定めたものであり、ただしR11はC(O)R18を表さない]を表す
    化合物については、Dが−N(R11)H[R11は請求項1に定めたものであり、
    ただしこれはC(O)R18を表さず、R18は請求項1に定めたものである]を表
    す対応する式Iの化合物と式Xの化合物: R15N=C=O X (式中、R15は請求項1に定めたものである)を反応させる; (i)式IにおいてDが−N(H)[C(O)]2NH2を表す化合物について
    は、Dが−NH2を表す対応する式Iの化合物とシュウ酸ジアミドを反応させる
    ; (j)式IにおいてDが−N(R11)C(O)R16[R11およびR16は請求項
    1に定めたものであり、ただしR11はC(O)R18を表さない]を表す化合物に
    ついては、Dが−N(R11)H[R11は請求項1に定めたものであり、ただしこ
    れはC(O)R18を表さず、R18は請求項1に定めたものである]を表す対応す
    る式Iの化合物と式XIの化合物: R16C(O)Rx XI (式中、Rxは適切な脱離基を表し、R16は請求項1に定めたものである)を反
    応させる; (k)式IにおいてDが−N(H)R10[R10は請求項1に定めたものであり
    、ただしこれはHまたは−C(NH)NH2を表さない]を表す化合物について
    は、Dが−NH2を表す対応する式Iの化合物と式XIAの化合物: R10a1 XIA [式中、R10aは請求項1に定めたR10を表し、ただしこれはHまたは−C(N
    H)NH2を表さず、L1は前記に定めたものである]を反応させる; (l)ビスピジン−窒素N−オキシド誘導体である式Iの化合物については、
    対応する式Iの化合物の対応するビスピジン窒素を酸化する; (m)C1-4アルキル第四級アンモニウム塩誘導体であって、このアルキル基
    がビスピジン窒素に結合している式Iの化合物については、このビスピジン窒素
    において、対応する式Iの化合物と式XIIの化合物: RaHal XII (式中、RaはC1-4アルキルを表し、HalはCl、BrまたはIを表す)を反
    応させる; (n)式IにおいてDおよびR4が両方ともHを表し、AがC1-6アルキレンを
    表し、Bが−N(R24)(CH2m−(mおよびR24は請求項1に定めたもので
    ある)を表す化合物については、式XIIIの化合物: 【化9】 (式中、AaはC1-6アルキレンを表し、R1、R2、R3、R5a、R5b、R24およ
    びXは請求項1に定めたものである)と式XIVの化合物: 【化10】 (式中、R6、mは請求項1に定めたものであり、Halは前記に定めたもので
    ある)を反応させる; (o)前記に定めた式IIの化合物と式XVの化合物: R1XH XV (式中、R1およびXは請求項1に定めたものである)を1,1’−カルボニル
    ジイミダゾールの存在下で反応させる; (p)式IにおいてR2およびR3のうちの一方が−NH2を表し、他方がHを
    表す化合物については、式XVAの化合物: 【化11】 (式中、R1、R4、R5a、R5b、R6、A、B、DおよびXは請求項1に定めた
    ものである)を還元する; (q)式IにおいてR2およびR3のうちの一方または両方が−N(R7a)R7b (R7aおよびR7bのうちの一方または両方がC1-6アルキルを表す)を表す化合
    物については、R2および/またはR3が−N(R7a)R7b(適宜)[R7aおよび
    /またはR7b(適宜)はHを表す]を表す対応する式Iの化合物を、式XXIB
    の化合物: R7c1 XXIB (式中、R7cはC1-6アルキルを表し、L1は前記に定めたものである)によりア
    ルキル化する; (r)あるR6置換基を他の置換基に変換する;あるいは (s)請求項1に定めた式Iの化合物の保護された誘導体を脱保護する。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の式IIの化合物であって、ただしR5a
    よびR5bが両方ともHを表す場合、DはHまたはOHを表さない化合物またはそ
    の保護された誘導体。
  23. 【請求項23】 請求項21に記載の式IVの化合物であって、ただしR5a
    よびR5bが両方ともHを表す場合、R2およびR3のうち少なくとも一方はOR7
    、OC(O)R8またはC1-4アルキル(アルキル基は1個以上のニトロまたはシ
    アノ基で置換されていてもよく、および/またはこれらを末端基としてもよい)
    を表す化合物またはその保護された誘導体。
  24. 【請求項24】 請求項21に記載の式VIIIの化合物であって、ただしR 5a およびR5bが両方ともHを表す場合、DはHまたはOHを表さない化合物また
    はその保護された誘導体。
  25. 【請求項25】 式XVIIの化合物: 【化12】 (式中、R4、R5a、R5b、R6、A、BおよびDは請求項1に定めたものである
    )であって、ただしR5aおよびR5bが両方ともHを表す場合、DはHまたはOH
    を表さない化合物またはその保護された誘導体。
  26. 【請求項26】 前記に定めた式VIII、XVII、XVIIIまたはXX
    VIIIの化合物の製造方法であって、式XXIXの化合物: 【化13】 (式中、RzはHまたは−C(O)XR1を表し、R1、R5a、R5bおよびXは請
    求項1に定めたものである)と(適宜) (1)式XXXの化合物: 【化14】 またはその保護された誘導体(式中、R4、R6、A、BおよびDは請求項1に定
    めたものである);または (2)NH3(またはその保護された誘導体) を、すべての場合ホルムアルデヒドの存在下で反応させることを含む方法。
JP2001503857A 1999-06-16 2000-06-15 心不整脈の処置に有用な新規ビスピジン化合物 Pending JP2003502328A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
SE9902270-9 1999-06-16
SE9902270A SE9902270D0 (sv) 1999-06-16 1999-06-16 Pharmaceutically active compounds
PCT/SE2000/001253 WO2000076999A1 (en) 1999-06-16 2000-06-15 New bispidine compounds useful in the treatment of cardiac arrhythmias

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003502328A true JP2003502328A (ja) 2003-01-21

Family

ID=20416102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001503857A Pending JP2003502328A (ja) 1999-06-16 2000-06-15 心不整脈の処置に有用な新規ビスピジン化合物

Country Status (29)

Country Link
US (1) US6887881B1 (ja)
EP (1) EP1192154B1 (ja)
JP (1) JP2003502328A (ja)
KR (1) KR20020010711A (ja)
CN (1) CN1187350C (ja)
AR (1) AR024393A1 (ja)
AT (1) ATE261965T1 (ja)
AU (1) AU762244B2 (ja)
BR (1) BR0011673A (ja)
CA (1) CA2384339A1 (ja)
CZ (1) CZ20014494A3 (ja)
DE (1) DE60009069T2 (ja)
DK (1) DK1192154T3 (ja)
EE (1) EE200100674A (ja)
ES (1) ES2216912T3 (ja)
HK (1) HK1045690A1 (ja)
HU (1) HUP0202929A3 (ja)
IL (1) IL146752A0 (ja)
IS (1) IS6199A (ja)
MX (1) MXPA01012925A (ja)
NO (1) NO20016127L (ja)
NZ (1) NZ516015A (ja)
PL (1) PL353794A1 (ja)
PT (1) PT1192154E (ja)
SE (1) SE9902270D0 (ja)
SK (1) SK18282001A3 (ja)
TR (1) TR200103659T2 (ja)
WO (1) WO2000076999A1 (ja)
ZA (1) ZA200109800B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE9903759D0 (sv) * 1999-10-18 1999-10-18 Astra Ab Pharmaceutically active compounds
AR030302A1 (es) * 2000-07-07 2003-08-20 Astrazeneca Ab Compuestos de bispidina, formulacion farmaceutica, uso para la fabricacion de medicamentos, proceso para la preparacion de estos compuestos y compuestos intermediarios
IN2013DE02892A (ja) 2013-09-30 2015-04-03 Council Scient Ind Res

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2428792A1 (de) 1974-06-14 1976-01-02 Knoll Ag Neue antiarrhythmika
DE3112055A1 (de) 1981-03-27 1982-10-07 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Bispidinderivate, ihre herstellung und diese enthaltende arzneimittel
DE3234697A1 (de) 1982-09-18 1984-03-22 Kali-Chemie Pharma Gmbh, 3000 Hannover Neue diazabicyclo-(3,3,1)-nonane
PT88381B (pt) 1987-09-09 1995-07-06 Kali Chemie Pharma Gmbh Processo para a preparacao de novos compostos 3,7-diazabiciclo{3,3,1} nonano, e de composicoes farmaceuticas que contem estes compostos
ATA237287A (de) 1987-09-21 1993-02-15 Vaillant Gmbh Steuerung der temperatur des heizmediums einer umlaufheizung
DE3732094A1 (de) 1987-09-24 1989-04-06 Basf Ag Bispidinderivate als klasse iii-antiarrhythmika
US5110933A (en) 1989-11-13 1992-05-05 Board Of Regents Of Oklahoma State University Salts of 3-azabicyclo[3.3.1]nonanes as antiarrhythmic agents, and precursors thereof
US5468858A (en) * 1993-10-28 1995-11-21 The Board Of Regents Of Oklahoma State University Physical Sciences N-alkyl and n-acyl derivatives of 3,7-diazabicyclo-[3.3.1]nonanes and selected salts thereof as multi-class antiarrhythmic agents
DE4402931A1 (de) 1994-02-01 1995-08-03 Kali Chemie Pharma Gmbh Neue 3-Phenylsulfonyl-3,7-diazabicyclo[3,3,1] nonan-Verbindungen enthaltende Arzneimittel
EP0861076A4 (en) 1995-11-13 2002-05-08 Smithkline Beecham Corp HEMATOREGULATORS
SE9602263D0 (sv) * 1996-06-07 1996-06-07 Astra Ab New amino acid derivatives
SE9704709D0 (sv) * 1997-12-17 1997-12-17 Astra Ab Pharmaceutically active compounds
SE9803517D0 (sv) * 1998-10-15 1998-10-15 Astra Ab Pharmaceutical preparation
GB9823103D0 (en) * 1998-10-23 1998-12-16 Pfizer Ltd Pharmaceutically active compounds
RU2254333C2 (ru) 1999-04-09 2005-06-20 Астразенека Аб Производные адамантана, способ их получения, фармацевтическая композиция на их основе и способы лечения
SE9901875D0 (sv) 1999-05-25 1999-05-25 Astra Pharma Prod Novel compounds
US20040229900A1 (en) * 1999-06-16 2004-11-18 Astrazeneca Ab Bispidine compounds useful in the treatment of cardiac arrythmias
SE9902271D0 (sv) * 1999-06-16 1999-06-16 Astra Ab Pharmaceutically active compounds
SE9903759D0 (sv) * 1999-10-18 1999-10-18 Astra Ab Pharmaceutically active compounds
SE0002603D0 (sv) * 2000-07-07 2000-07-07 Astrazeneca Ab New compounds

Also Published As

Publication number Publication date
DK1192154T3 (da) 2004-06-28
ES2216912T3 (es) 2004-11-01
NO20016127D0 (no) 2001-12-14
IL146752A0 (en) 2002-07-25
EP1192154A1 (en) 2002-04-03
DE60009069T2 (de) 2004-10-14
SE9902270D0 (sv) 1999-06-16
EP1192154B1 (en) 2004-03-17
EE200100674A (et) 2003-02-17
ZA200109800B (en) 2003-02-28
PT1192154E (pt) 2004-07-30
AR024393A1 (es) 2002-10-02
WO2000076999A1 (en) 2000-12-21
IS6199A (is) 2001-12-14
CZ20014494A3 (cs) 2002-05-15
BR0011673A (pt) 2002-03-12
ATE261965T1 (de) 2004-04-15
HUP0202929A3 (en) 2003-04-28
DE60009069D1 (de) 2004-04-22
NZ516015A (en) 2003-06-30
PL353794A1 (en) 2003-12-01
CN1187350C (zh) 2005-02-02
HUP0202929A2 (hu) 2003-02-28
AU762244B2 (en) 2003-06-19
HK1045690A1 (zh) 2002-12-06
SK18282001A3 (sk) 2002-12-03
CN1370164A (zh) 2002-09-18
TR200103659T2 (tr) 2002-04-22
MXPA01012925A (es) 2002-07-30
KR20020010711A (ko) 2002-02-04
NO20016127L (no) 2002-02-12
AU5861100A (en) 2001-01-02
CA2384339A1 (en) 2000-12-21
US6887881B1 (en) 2005-05-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1047695B1 (en) Novel bispidine antiarrhythmic compounds
JP2004522749A (ja) 3,7−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタンと心不整脈の治療におけるその使用
US7012074B2 (en) 3,8-Diazabicyclo[3.2.1]octanes and their use in the treatment of cardiac arrhythmias
JP2003502328A (ja) 心不整脈の処置に有用な新規ビスピジン化合物
AU761576B2 (en) New bispidine compounds useful in the treatment of cardiac arrhythmias
EP1192156B1 (en) Bispidine compounds useful in the treatment of cardiac arrhythmias
EP1192155B1 (en) New bispidine compounds useful in the treatment of cardiac arrhythmias
US20040229900A1 (en) Bispidine compounds useful in the treatment of cardiac arrythmias
SK42003A3 (en) New bispidine compounds and their use in the treatment of cardiac arrhythmias
US20050004113A1 (en) New bispidine compounds useful in the treatment of cardiac arrhythmias
CZ20002222A3 (cs) Nové bispidinové sloučeniny s antiarytmickým účinkem