JP2003501014A - 増強タンパク質安定化の方法およびその安定化タンパク質の生産に有用な細胞株の製造方法 - Google Patents

増強タンパク質安定化の方法およびその安定化タンパク質の生産に有用な細胞株の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 ストレスタンパク質および結果として生じるタンパク質産物によってタンパク質生産の制御と安定化の増強によりウイルス、ウイルスタンパク質、および他の関連生物学的物質の生産収量を増大させる方法。本発明は、このような増強された安定化産物を生産する細胞株の選択または改変するための方法にも関する。さらに具体的には、本発明の実施形態は、ウイルス物質の生産、持続的な遺伝子改変を示す細胞株の生産、許容性真核細胞株の生産、機能的組換え産物収量を増強する方法、およびその方法の産物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 本出願は、同じ発明者らに対する1999年5月28日に出願された同時継続
米国仮出願第60/136,676号の利益を請求する。 本発明は、タンパク質、ウイルス物質、または酵素、ホルモン、成長因子、構
造タンパク質、腫瘍抑制因子、核酸および核酸プローブ、ワクチン、抗原、抗生
物質、脂質、単純糖質および複合糖質、アルコールおよび他の溶剤のほかその方
法の産物を含むがこれらに限定されない他の生物学的物質など、機能的生物学的
物質の製造および安定化に関する。この機能的生物学的物質は、例えば、ワクチ
ンの製造や診断的アッセイおよび検査に有用である。
【0002】 しかし、ワクチンなど製品の製造や診断的アッセイに有用であるウイルス、ウ
イルス抗原、および他のウイルス産物の製造は費用と時間がかかり、高いレベル
の技術的専門知識を必要とする。ウイルスは生きた真核中で増殖させる必要があ
る。特定のウイルスに感染することができる真核細胞は、そのウイルスに対して
「許容性」と言われる。しかし、ほとんどの真核細胞は既知のウイルスに対して
許容性ではなく、許容性を予測する方法は存在しない。あるいは、ウイルス製造
に対して許容性である細胞は異なるレベルの許容性を有するとみられる。一部の
細胞株は多量のウイルスを生産するが、他の細胞株は低レベルのウイルス複製の
みしか許容しえない。したがって、ウイルス製造のための最適な細胞を決定する
には、多くの細胞株の場合により大規模でしばしば時間のかかる経験的試験を行
う必要がある。さらに問題を複雑にしているのは、最適な細胞株は、ウイルスが
得られた宿主(例えば、ウイルスに冒されたヒトのヒト細胞)に由来しえないこ
とである。多くの場合、特定の宿主からのウイルスには適切な細胞株が存在しな
い。
【0003】 細胞株は、その安定性、不死性、既知の特性、および長い経験により規定され
ている性質のため宿主からの一次細胞培養が好ましい。ウィルス生産におけるこ
の細胞株の使用要件は、さまざまなウィルスを生産するために使用される多数の
外来性細胞株の開発につながった。例えば、イヌジステンバーウィルス(CDV
)、麻疹ウイルスは、ベロ細胞(すなわち、アフリカミドリザル腎細胞)におい
て十分に成長するが、イヌの細胞においては増殖せず、ウシ白血病ウイルスはコ
ウモリ肺組織由来の細胞株から生産される。 残念ながら、通常に感染した宿主および組織から遠く離れた細胞株におけるウ
イルスの成長は、このようなウイルスをその通常の性質から遠く離れた様式で作
用する原因となりうる。
【0004】 さらに、ウイルスの複雑な病理がウイルスの製造をきわめて困難にしている。
例えば、CDVとヒト麻疹ウイルス(HMV)は密接に関係したウイルスである
。両ウイルスはそれぞれイヌとヒトの宿主に感染するとほぼ同じ作用をする。い
ずれも脳炎と長期の後遺症を生じ、中枢神経系が損傷または破壊される。初期C
DV感染後長年して起こるイヌの中枢神経系疾患は老犬脳炎(ODE)と呼ばれ
る。ヒトでは、これに対応する状態は亜急性硬化性全脳脳炎(SSPE)である
。ODEおよびSSPEの原因は生産されるビリオン数および疾患の脳炎期に冒
される細胞に直接関係している。これは脳細胞の許容性およびウイルスに対する
迅速な反応への宿主免疫系の能力にも直接関係している。脳のウイルス価が例外
的に高レベルに達するイヌまたはヒトはこうした長期の結果を長年後に発症しう
る。実際に、一部の感染患者における高いウイルス価は結果として、感染が除去
された後でも、脳細胞におけるウイルスタンパク質の持続的な生産につながる。
免疫系はウイルスタンパク質を異物として認識し、生きたウイルスが長年生産さ
れていないにもかかわらず攻撃し続ける。最終的に、宿主の免疫系とこれらの異
常な細胞間の戦いは宿主の認識能を破壊するのに十分な損傷を生じる。OEDを
有するイヌは通常、安楽死させられる。ヒトにおけるSSPEの転帰は、進行性
痴呆であり、その後、最終的に死亡する。この複雑な疾患の病理生理学のため、
製造されるウイルスおよびウイルス産物の使用は、インビボの免疫を刺激するこ
とに成功していない。
【0005】 多くのウイルス(CDVやHMVなど)は脳細胞に感染するため、脳細胞株の
許容性は、結果として生じる疾患の病理生理学の研究において、また自然感染時
のウイルス特性を正確に模倣する診断およびワクチン用のウイルスの製造におい
て重要である。しかし、神経細胞株はほとんど存在せず、それらは低レベルのC
DVまたはHMVのみしか生産しない。したがって、これらの細胞株は研究のた
めに生産するウイルスのレベルが不十分であり、特に抗原またはワクチンの製造
には不適切である。したがって、ウイルスの複製およびウイルス産物を高レベル
に支持するその細胞または細胞株、および細胞株そのものを改変する方法が必要
である。
【0006】 既知のウイルスを有用な力価まで製造することに伴う問題のほか、未知のウイ
ルスの複製に必要な細胞型はそれ自体未知であるため、未知のウイルスを調査す
ることはきわめて困難である。例えば、未発見のウイルス物質により十分に引き
起こされうる中枢神経系の多数の疾患がある。クロイツフェルトヤコブ病(CJ
D、ヒトに発症)、スクレイピー(ヒツジ罹患性)、およびウシ海綿状脳症(畜
牛に発症)の変性疾患はすべて、その病因が未知のままであるきわめて緩徐な神
経変性疾患である。これまで、これらの疾患の原因物質は確認されておらず、ど
んなウイルス物質も感染したヒトまたは動物の脳組織から増殖されていない。こ
れが、特殊なタンパク質(『プリオン』と呼ばれ、どんな遺伝物質もなしに感染
や複製を引き起こすことができる物質であると示唆されている)が病原菌の役目
をするとの示唆を含め、疾患原因に関するさまざまな正統的でない仮説の助長を
引き起こしている。しかし、感染性であることが明らかにされている、まさに高
レベルにプリオンを生じる細胞株はない。プリオンを生じるように改変された遺
伝子組換えマウスは疾患の診断的特徴を示す場合でも感染性ではない。したがっ
て、病原菌の同定の手段なしには、これらの疾患のための良好な診断検査を得る
ことができず、ワクチンの製造は不可能である。
【0007】 最近、診断検査および潜在的なワクチンを開発するための改良した方法の必要
が緊急に重要となっている。例えば、最近、英国の畜牛がヒツジや他の動物の臓
物からなる飼料を与えられた。ウシ海綿状脳症がその後に初めてこれらの畜牛で
認められた。多数のヒトが感染牛からの肉を食べることで感染し、− 従来認め
られていなかった(現在は『新変種のCJD』、またはnvCJDと呼ばれる)
感染ルートを構成した。その上、感染者への悲劇的な結果、畜牛の屠殺が多大な
経済的損害をもたらした。nvCJDの発見は、感染畜牛に由来する可能性のあ
る食品や他の動物産物の輸入、輸出および販売に関わる政治的な影響も生じた。
したがって、良好な診断検査の開発が有効なワクチンの製造とともに必要とされ
ている。これらおよび同様の目的を達成するには、CJDやnvCJDにような
緩徐な痴呆の原因である好中球向性物質の増殖を可能にする許容性細胞株が必要
である。
【0008】 国民の平均年齢が上昇するにつれて、アルツハイマー病のような疾患状態の発
生率も上昇している。アルツハイマー病は、患者の困難な長期介護を要する緩徐
進行性痴呆である。その長期の衰弱性疾患に伴うコストは甚大である。アルツハ
イマー病は感染性であるとは考えられていない。しかし、アルツハイマー病の一
部の特徴は非在来型のウイルス物質(nvCJDと同様)の感染が疾患を惹起す
る可能性があるという推測を引き起こした。HMVまたは関連性の麻疹ウイルス
様ウイルスのような好中球向性物質が知的活動を破壊する緩徐な疾患過程の原因
であることも考えられる。アルツハイマー病が病原菌により引き起こされた場合
は、これは疾患の管理、予防、診断および(可能な場合は)治療のための大きな
結果を示すであろう。そのとき、例えば、アルツハイマー病の予防はすぐれたワ
クチンの開発が必要となる可能性が高いであろう。しかし、非在来型の物質(O
DEやSSPEなど)により生じる他の痴呆を伴う症例のように、明確な診断検
査は存在しない。したがって、感染脳組織からのウイルスの分離がこの疾患を有
するヒトを診断し、おそらく治療する上での画期的なステップとなるであろう。
したがって、麻疹のようなウイルスに対してより許容性である細胞株が、未発見
の(CDVやHMVのような)好中球向性物質の分離を可能にするとみられる。
【0009】 ワクチン、診断キットまたは他の目的のための組換えDNA技術を用いた真核
細胞からのタンパク質の製造には、ウイルス製造に伴う同じ制限と問題がある。
組換えタンパク質は真核細胞株により製造され、診断試薬またはワクチンとして
タンパク質またはその免疫原性の適切な機能や安定性に重要である適切な折り畳
み、グリコシル化、および他の構成因子を確保しなければならない。これらのタ
ンパク質を正確な構造を維持しながら大量に生産を可能にすることは困難である
。多くの場合、組換えタンパク質は許容可能レベルで細胞株において生産しうる
が、構造におけるしばしば微妙な変化により、診断的抗原またはワクチンとして
非免疫応答性であるか、またはその所望の機能を実行できないかのいずれかであ
る。例えば、イヌパルボウイルス(CPV)が遺伝的にクローン化され、商業的
に実行可能となるレベルで真核細胞株において製造された。これらの組換え抗原
を接種したイヌは、インビトロで感染性(野性型)パルボウイルスを中和しうる
抗体を生産することにより反応した。残念ながら、組換え抗原を接種したイヌは
すべて感染性CPVへの曝露時に死亡した。わずかな構成の変化が組換えワクチ
ンをイヌを保護することから妨げている可能性がある。
【0010】 したがって、組換えタンパク質の製造は費用がかかり、技術的に要求が多く、
時間がかかり、きわめて非効率的である。多くの場合、組換えタンパク質は有用
な効果を有しうるが、その製造に伴う費用のため使用することができない。例え
ば、多数の抗腫瘍ペプチドが、癌の明らかな削減または治癒(例えば、血管形成
遮断薬)を含め有利な効果を有することが周知である。最近では、アンギオスタ
チンおよびエンドスタチンがマウスの癌を治癒できることが請求されている。し
かし、これらのペプチドの製造費用(1回の療法に必要な薬量に対して5百〜2
千万米ドルもの費用がかかりうる)が癌治療におけるその使用を妨げている。し
たがって、その機能(酵素的、抗原的、または他の機能的特性)を維持する組換
えペプチドまたタンパク質を製造する対費用効果の高い方法が是非とも必要であ
る。
【0011】 構成的に製造された多くのタンパク質やペプチドは、適切な形状を誘発または
維持に役立つ「ヘルパータンパク質」と密接に関連している。これらのヘルパー
タンパク質は、製造過程を通じてタンパク質を伴っているため「シャペロン」と
呼ばれることが多い。これらシャペロンタンパク質の一部は他のタンパク質に結
合し、変性(構造喪失)または環境的ストレスによる他の変性を予防する。例え
ば、熱ショックタンパク質(hsp70やhsp90など)は正常よりも高い熱
に反応して細胞により生産される。その熱ショックタンパク質は細胞内の他のタ
ンパク質に結合し、それらを安定化することにより、結合タンパク質の正確な構
造および機能を維持するのに役立つ。他のストレスに反応して生産されるこれら
および他の同様のタンパク質は一般にストレスタンパク質と呼ばれる。
【0012】 そのストレスタンパク質の構造および機能は自然の至る所に高度に保存されて
いるようであり、そこではさまざまなストレスタンパク質が前核細胞と真核細胞
の両方において同様のシャペロンの役割を果たすように思われる。これがそのタ
ンパク質の多数の研究や使用案につながっている。例えば、文献における多数の
研究では、外因的に製造したストレスタンパク質とさまざまな生物学的物質のイ
ンビトロ接触に基づくそのタンパク質の使用が記載されている。これらの研究は
、以下に要約されているが、本明細書中で参考として援用される。
【0013】 ネウパートら(Neupert et al.)(米国特許第5,302,518号)は、タ
ンパク質の適切な折り畳みが、GroELとhsp60(それぞれ、大腸菌と真
核ミトコンドリアにおいて発生し、形態と機能が実質的に同一と思われる)など
、構成的熱ショックタンパク質によりインビボで媒介されることを示している。
したがって、ネウパートは、その変性組換えタンパク質と細胞から分離された多
量の熱ショックタンパク質とのインビトロ接触に基づく組換えタンパク質を折り
畳む製造後改変の方法を記載している。
【0014】 ベルベリアンら(Berberian et al.)(米国特許第5,348,945号)は
、hsp70など外因的に製造され、精製された熱ショックタンパク質のそのス
テレス細胞へのインビトロまたはインビボ適用からなる方法など、ストレス条件
下に細胞の生存を増強するための方法を記載している。 ジャコブら(Jacob et al.)(米国特許第5,474,892号)は、一部の
タンパク質が多量の熱ショックタンパク質(hsp90など)の添加によって水
溶液中で安定化しうることを示している。したがって、ジャコブらは、その変性
組換えタンパク質と細胞から分離された多量の熱ショックタンパク質とのインビ
トロ接触によるさまざまなタンパク質および他の生物学的物質の折り畳みまたは
他の安定化の改変の製造後方法を記載している。
【0015】 スリバスターバ(米国特許第5,750,119号;米国特許第5,830,
464号;および米国特許第5,837,251号)は、哺乳動物における腫瘍
増殖が、さまざまな構成的または外因性ストレスタンパク質と一部の腫瘍成分と
の結合により生じる抗原化合物をその哺乳動物に接種することにより抑制しうる
ことを示している。しかたがって、スリバスターバは、さまざまな腫瘍試料を用
いてそのストレスタンパク質/腫瘍の分離または形成、および哺乳動物の患者に
おける抗腫瘍反応を刺激する目的でその試料をその患者にその後接種する方法を
記載している。
【0016】 リューら(Liu et al.)(J.Bio.Chem.13(1998)3070
4)は、hsp40やhsp70などいくつかの熱ショックタンパク質のタンパ
ク質機能の増強における役割の研究を記載している。インビトロで外因性に製造
された精製熱ショックタンパク質の変性タンパク質への添加が、タンパク質機能
の増強を引き起こすことが報告された。hsp40のhsp70との共シャペロ
ンの役割も言及された。
【0017】 本明細書中で参考として援用される、ストレスタンパク質機能に関する他の適
切な引例には以下のものを含む: マガイアーら(McGuire et al.)(米国特許第5,188,964号および米
国特許第5,447,843号)は、腫瘍組織中に存在する構成的に生産された
さまざまなストレスタンパク質(熱ショックタンパク質hsp27、hsp70
、およびhsp90、およびグルコース調整タンパク質grp78およびgrp
94を含む)濃度の測定およびその腫瘍の再発の可能性を予測する手段としてそ
の測定の使用を記載している。
【0018】 ウィリアムスら(J.Clin.Invest.92(1993)503)は
、hsp70遺伝子でのトランスフェクチョンにより、虚血などさまざまな代謝
ストレスから細胞および組織の可能な保護の手段を記載している。具体的には、
マウス細胞の中へ導入された構成的に発現されたヒトhsp70が、代謝ストレ
スの適用時にその改変細胞の生存を増強した。しかし、その構成遺伝子の添加は
、非ストレス条件下であっても、連続的な発現の代謝負担により細胞増殖に否定
的に影響を及ぼすように思われる。
【0019】 バスコンセロスら(Vasconselos et al.)(J.Gen.Virol.79(
1988)1769)は、HMVの許容性ベロ細胞株への感染前に構成ストレス
タンパク質の発現増強を誘導し、HMVの大プラーク表現型変種の一時的形成を
引き起こす手段を記載している。ストレス後12時間(この間隔は、誘導された
熱ショックタンパク質濃度がその間隔にわたって維持されることを確保しながら
細胞が正常な生理的能力を回復することを可能にするために選択された)感染し
た細胞が、HMV生産レベルのわずかな増強(ウイルス価の4倍までの増大によ
り特徴づけられる)を示すことがわかった。
【0020】 バスコンセロスら(J.Gen.Virol.79(1988)2239)は
さらに、構成hsp72発現に対してコードするベクターによる許容性細胞株(
ヒト星細胞腫など)のトランスフェクションによりストレスタンパク質発現を一
時的に増強する手段を記載している。hsp72遺伝子の取り込みを示すクロー
ン細胞株は、HMVの感染時のウイルス価の増大をもたらすことが示された。し
かし、そのクローン細胞株は持続的な改変を示すことはなく、むしろ野性型形態
へ自然逆行する顕著な傾向を示した。さらに、改変細胞株による連続的な発現を
引き起こす構成hsp72遺伝子の発現を制御するための手段は提案されていな
い。この研究において得られるクローン細胞の応用性はHMVに限定された−他
のウイルス産物、例えばCDVを得る試みは、不成功であった。改変の一時的な
性質と併せてると、これはこの方法の限定的な応用性を示している。
【0021】 ヨコヤマら(Yokoyama et al.)(米国特許第5,827,712号)は、D
naJおよびDnakを含む一部のシャペロンタンパク質の構成的な過剰発現の
ために改変(トランスフェクションによって)または選択された大腸菌における
トランスグルタミナーゼ(TG)の組換え生産の収量を増大する方法を記載して
いる。その過剰発現は、機能的組換えTGを安定化し可溶化するために使用され
る。改変の方法として大腸菌とのストレスタンパク質およびTGベクターのイン
キュべーションが挙げられる。大腸菌との複合ストレスタンパク質ベクター/T
Gベクターのインキュべーションおよび大腸菌株とのTGベクターのインキュべ
ーションは、ストレスタンパク質の構成的な過剰発現を示す。特に、その方法は
、そのストレスタンパク質が連続的に生産され、連続的なストレスタンパク質発
現の代謝負担による細胞増殖へ否定的に影響を及ぼす一時的な改変を引き起こす
可能性がある。
【0022】 こうした先行技術の実施例は、機能的生物学的物質(タンパク質、ウイルス物
質、またはホルモン、成長因子、構造タンパク質および腫瘍抑制剤を含む他の生
物学的物質または産物)の生産および安定化増強の補助として、hsp27、h
sp40、hsp60、hsp70(hsp72およびhsp73を含む)、h
sp90、GroEL、GroES、GrpE、grp78、grp94、Dn
aJおよびDnakなど、さまざまなストレスタンパク質の役割と有用性を明ら
かに証明している。しかし、これらの例で開示された方法と概念は、外因性に生
産されるストレスタンパク質の添加およびそのタンパク質の一時的な構成的生産
の誘導の方法を含めて、さまざまな生物学的物質または産物のルーチンの生産に
おける収量の増強、および新しい生物学的物質または産物の発見にも十分に効率
的でも順応性でもない。例えば、産物の添加または改変に有用な量のストレスタ
ンパク質の製造および精製は一般に法外に時間と費用がかかる。さらに、構成的
に生産されたストレスタンパク質をコードするストレスタンパク質ベクターによ
る細胞のトランスフェクションは、適切な制御要素を組み入れない限り、その細
胞による所望の生物学的産物の生産で完了するその細胞によるそのストレスタン
パク質の24時間生産を引き起こす。したがって、現在、そのストレスタンパク
質の可能性と使用を利用し制御するためのさらに効率的な方法が必要とされてい
る。
【0023】 発明の要約 本発明は、タンパク質、ウイルス物質、または酵素、ホルモン、成長因子、構
造タンパク質、腫瘍抑制因子、核酸および核酸プローブ、ワクチン、抗原、抗生
物質、脂質、単純糖質および複合糖質、アルコールおよび他の溶剤のほかその方
法の産物を含むがこれらに限定されない他の生物学的物質など、機能的生物学的
物質の製造および安定化におけるストレスタンパク質の可能性と使用を利用し制
御するための新しくさらに効率的な方法に関する。本発明の適切なストレスタン
パク質の例として、hsp27、hsp40、hsp60、hsp70(hsp
72およびhsp73を含む)、hsp90、GroEL、GroES、Grp
E、grp78、grp94、DnaJおよびDnakが挙げられるが、これら
に限定されない。本発明の一実施形態において、本発明は、それらを細胞に添加
するのとは反対に、細胞をこのようなhpsにさせる。
【0024】 本発明の特殊な好適な実施形態として、そのストレスタンパク質の構成的発現
の選択的誘導またはそのストレスタンパク質遺伝子の、前核または真核細胞もし
くは細胞株への一時的または持続的な導入のいずれかにより、さまざまな非許容
性細胞株を許容性にし、さまざまな生物学的産物の収量を増大させ、さまざまな
未知の病原菌を発見し製造するための方法が挙げられる。
【0025】 例えば、その細胞または細胞株によるその実施形態の使用により、前核細胞株
または真核細胞株における組換え産物の収量が劇的に増大する。これは、生産時
の細胞ストレスの増大は生産性の低下を来たすと直感的に予想されるため、驚く
べきことである。しかし、本発明の発明人は、一部の特殊な方法によりその細胞
にストレスをかけることによりまたはその他の場合は細胞ストレス反応を誘導す
ることにより、ストレスタンパク質遺伝子の発現制御につながり、機能的生物学
的産物の生産が増強できることを見出している。
【0026】 本発明はこのような方法に関し、本明細書中で具体的に示される5つの好適な
実施形態を含む。しかし、本発明はこれら5つの実施形態の細部に限定されず、
発明の精神と範囲内の変形や代用形のほか、この説明を参考にすると当業者には
明らかとなる他の実施形態も含む。
【0027】 第1の好適な実施形態では、真核細胞株の一時的なストレスを用いてウイルス
価を増強する。許容性真核細胞に、1つまたはそれ以上のストレスタンパク質の
生産を刺激するのに十分な期間にわたり一時的にストレスをかける。その後、ス
トレス真核細胞を感染させるために、このストレスをかけたあとに所望のウイル
スストックを添加する。感染後インキュべーションの期間後、所望のウイルス誘
導産物を含有する、結果として生じる上清を収集する。
【0028】 第2の好適な実施形態では、ストレスタンパク質発現ベクターのエピソーム挿
入による真核細胞株の一時的な遺伝子改変を、宿主DNAへの発現ベクターの持
続的な挿入を示すこれら改変細胞株の1つまたはそれ以上のサブセットの選択後
に用いて、持続的な遺伝子改変を示す細胞株を生産する。その細胞株を用いて所
望のウイルスまたはウイルス産物の生産を増強することができる。
【0029】 第3の好適な実施形態では、新しい許容性真核細胞株の生産が非許容性真核細
胞株へのストレスタンパク質発現ベクターの挿入により達成される。次に新しい
許容性細胞株を用いて、感染性または潜在的に感染性の物を細胞株に接種するこ
とによりウイルス物質を効率的に生産したのち、結果として生じるウイルスまた
はウイルス産物のインキュべーションおよび収集により得る。その細胞株を優先
的に用いて、天然物質および以前に決して培養されていない物質を成長させるの
に困難な複製を容易にする。したがって、この細胞株を用いてウイルスハンター
としておよび有用な量の物質の生産または製造に用いることができる。
【0030】 第4の好適な実施形態では、遺伝子組換え前核細胞株による生産および機能的
組換えがその細胞株への1つまたはそれ以上のストレスタンパク質発現ベクター
の挿入により増強される。組換え細胞が使用のために選択されることが好ましい
。しかし、クローン細胞が選択されてもよい。さらにその挿入ストレスタンパク
質発現ベクターが1つまたはそれ以上の誘導性プロモーターを含むことが好まし
い。あるいは、構成的プロモーターを用いることができる。このような細胞株に
おける誘導または構成的発現のいずれかによるそのストレスタンパク質発現ベク
ターの発現により、1つまたはそれ以上のコード化ストレスタンパク質が生産さ
れ、その発現ストレスタンパク質が機能的組換え産物の収量増強の補助に役立つ
【0031】 第5の好適な実施形態では、遺伝子組換え真核細胞株を用いた機能的組換え産
物の生産が、その細胞株への1つまたはそれ以上のストレスタンパク質発現ベク
ターの挿入により増強される。その挿入は所望の組換え産物を生産するための細
胞株の遺伝子組換えの前または後に達成することができる。このようなストレス
タンパク質発現ベクターは1つまたはそれ以上の誘導性プロモーターを含むこと
が好ましい。あるいは、構成的プロモーターを用いることができる。
【0032】 好適な実施形態の詳細な説明 本発明は、本発明を限定することではなく、単に説明することが意図された以
下の実施形態および実施例に示されているように、ウイルス物質の生産、持続的
な遺伝子改変を示す細胞株の生産、許容性真核細胞株の生産、機能的組換え産物
収量を増強するための方法、およびその方法の産物に関する。
【0033】 (第1の好適な実施形態) 所望のウイルスまたはウイルス産物の生産に使用される許容性真核細胞は増殖
性が不十分である場合が多い。しかし、本発明の発明人は、図1に示され、この
実施形態で説明されているように、これらの細胞株の生産性が一時的なストレス
の適用により一時的に増強しうることを発見した。
【0034】 一般に、この実施形態では、真核細胞株の一時的なストレスを用いてウイルス
価を増強する。さらに具体的には、在来の選択方法を用いて所望のウイルスのた
めの許容性真核細胞を選択する。その細胞を標準の条件下に適切な密集に成長さ
せ、1つまたはそれ以上のストレスタンパク質の生産を刺激するのに十分な期間
にわたり一時的にストレスをかける。適用可能なストレス因子として、熱ストレ
ス(インキュべーション温度の上昇または低下など)、化学ストレス(pHの上
昇または低下など)、酸化レベルストレス(Oレベルの上昇または低下など)
、栄養改変(基本培地構成要素の削減または増強など)、および一時的ストレス
および結果として生じるタンパク質発現を誘導することができるような因子(毒
性物質への曝露など)が挙げられる。その後、ストレスをかけた真核細胞を感染
させるために、このストレスの適用後に所望のウイルスストックを添加する。こ
の添加は細胞当り0.001〜1000ビリオン、さらに好ましくは細胞当り1
〜4ビリオンの感染効率で行われ、またその添加はストレス後0〜12時間、さ
らに好ましくは、ストレス直後に行われることが好ましい。その収集は感染後1
〜2日またはそれ以上後、またはさらに好ましくは、感染後5日に行われること
が好ましい。
【0035】 実施例1.ウイルス価増強のための真核細胞の一時的ストレス 実施例1は第1の実施形態の実施例を示す。しかし、本発明および第1の実施
形態は、実施例1の細部に限定されない。 所望のウイルス(イヌジステンバーウイルス、ミンクジステンバーウイルス、
またはヒト麻疹ウイルス)の許容性真核細胞(ベロ細胞または他の許容性真核細
胞株など)を選択する。これらの細胞が許容性である他のウイルスとして、狂犬
病ウイルス、パルボウイルス、マレック病ウイルス、HIVウイルス、HTLV
ウイルス、HSVウイルス、およびコロナウイルスが挙げられるがこれらに限定
されない。その細胞を、5%COとともに37℃下など、標準条件下に約90
%以上の密集に成長させる。次に数時間までの時間、例えばCOなしに43℃
下(それにより培養液中に高温アルカリ性条件が生じる)、細胞に一時的にスト
レスをかける。この一時的なストレスの適用時間は、約1〜5時間であることが
理想的である。hsp70など、さまざまなストレスタンパク質の生産増強がそ
の細胞中に誘導される。その後、これらの細胞にウイルスを感染させた場合は、
これらのストレスタンパク質レベルの上昇はそのストレス細胞によるウイルス誘
導タンパク質の安定化および増強に役立つことになる(例えば表3を参照)。
【0036】 最適なストレス条件は2つの関連因子、すなわち細胞生存度とウイルス価に基
づく特定の細胞/ウイルス系で測定することができる。細胞生存度(ストレス期
間を生き延びる細胞の分画)は一般に一時的なストレスの適用により低下するが
、ストレスタンパク質の収量(細胞により、平均して、生産されるタンパク質の
相対量)は一般にそのストレスの適用により増大する。したがって、最適なスト
レス条件は、細胞生存度が最小の低下を示すが、ストレスタンパク質収量がタン
パク質の大幅に増大した発現を示すときに存在する。この点以外に、増殖性細胞
の数の大幅な喪失は培養液の全体的なタンパク質生産能を低下させうるため、生
存度の低下は全体の収量に否定的な影響を及ぼすことがある。例えば、表1はさ
まざまなストレス条件下にベロ細胞の生存度を比較したものである。表2は実施
例のストレス条件下にCDV感染ベロ細胞からのタンパク質収量を比較したもの
である。
【0037】 以下の表1において、ベロ細胞培養液の生存度は、ニュートラルレッド染色を
用いたのちに、結果として生じる試料の吸光度(570nm)の測定により推定
した。相対生存度(非標準化)は吸光度単位で表され、これは一時的なストレス
の適用後の生存細胞のおよそのレベルに対応する。試験条件は、規定された持続
時間にわたりアルカリ性条件下(COなし)に示された温度に細胞培養液を曝
露することであった。
【0038】
【表1】
【0039】 以下の表2において、示されたストレス条件は2時間にわたってベロ細胞培養
液に適用された直後にCDV感染を行った。次に、感染細胞培養液をこの一時的
なストレス時間後に標準条件(5%COとともに37℃)下にインキュべート
した。新鮮密集ベロ細胞培養液を含有する97穴プレートに収集された上清を連
続希釈(1ステップ当り10X希釈)することにより力価を測定した。次にこれ
ら感染試料を4日間インキュべートしたのち、中性緩衝ホルマリンで固定した。
次に結果として得られる固定ウェルをフルオレセイン共役抗CDV抗体で染色し
、細胞蛍光測定法で読み取った。力価の結果は陽性ウイルス感染となる希釈ステ
ップの数を表す。
【0040】
【表2】
【0041】 表1および表2に示した実施例の結果の比較は、ベロ細胞のウイルス価がスト
レス性でない培養条件に対して43℃で大きく増大し、この条件下に3時間以下
の曝露は試験培養液の生存度を大きく障害することがないことを示している。し
たがって、この細胞/ウイルスの組合せでは、最適な条件が、ウイルス感染の直
前2時間、0%CO、43℃下で培養液にストレスをかけることにより近づく
。さらに、これらの条件の改良が、本明細書に記載の条件または範囲に特に限定
されない、さまざまなストレス条件のさらに詳細な検討により可能である。さら
に、他の細胞/ウイルスの組合せでは、他のパラメーターが最適になる可能性が
ある。しかし、これらの実施例は、この最適化に使用される一般的な方法を明ら
かに示している。その方法を用いることにより、熟練者は具体的な細胞/ウイル
スの組合せに対する最適な条件を容易に決定することができる。
【0042】 所望のウイルスストック(例えば、CDV)がストレス時間の直後に細胞に添
加されることが最適であるが、その細胞がストレス後24時間以上まで感染され
てもよい。ウイルスストックは細胞当り0.01〜1000ビリオン、さらに好
ましくは細胞当り1〜4ビリオンの感染効率(MOI)で添加され、後者の濃度
がさらに最適である。MOIは生産される細胞株とウイルスによって変動しうる
。最後のインキュべーション期間後、上清は感染後数日で収集されるのが最適で
ある。CDVを感染させたベロ細胞については、この収集は感染後5日で行われ
るのが最適であるが、一部の条件下では1〜21日以上要する場合もある。最適
な条件は収集時間の関数としてウイルス価の測定により決定しうる。それにより
得られるウイルス価は、表3に示したように、10〜100倍以上増大する(例
えば、初期価約10から増強価107−8まで)。以下の表3において、ベロ
細胞培養液にはアルカリ性条件(COなし)下、43℃まで温度を上昇させる
ことでCDV感染前24時間ストレスをかけた。この一時的なストレス期間後に
感染培養液を5%COとともに37℃下で維持した。対照条件:非ストレス培
養液を5%COとともに37℃下で維持。力価の結果を表2の上記の様式で得
た。
【0043】
【表3】
【0044】 (第2の好適な実施形態) 多くの場合、所望のウイルスまたはウイルス産物の生産に使用される許容性真
核細胞(ベロ細胞または他の許容性真核細胞株など)の増殖性は不十分である。
しかし、本発明の発明人は、図2に示し、この実施形態で説明されているように
、所望のウイルスでの感染時に収量を増強するためにこれらの細胞を遺伝子改変
しうることを発見した。
【0045】 この実施形態において、宿主DNAへの発現ベクターの持続的な挿入を示す改
変細胞株(ストレスタンパク質発現ベクターの挿入の結果得られる)の1つまた
はそれ以上のサブセットの選択後、ストレスタンパク質発現細胞株のエピソーム
挿入による真核細胞株の一時的な遺伝子改変を用いて、図2に示したように、持
続的な遺伝子改変を示す細胞株を生産した。
【0046】 さらに具体的には、所望ウイルスのための許容性真核細胞を在来の選択方法を
用いて選択し、標準条件下におおよその密集まで成長させる。これらの真核細胞
のDNAトランスフェクション試薬は、ストレスタンパク質発現ベクターを脂質
/リン脂質製剤と混合することで調製し、10〜10標的細胞当り約0.0
1〜100μgの濃度のトランスフェクション試薬を得た。この脂質/リン脂質
製剤は陽イオン性の脂質またはリン脂質を含むことが好ましく、ジオレイルホス
ファチダルエタノールアミンを含有することがさらに好ましい。次にこのトラン
スフェクション試薬を許容性細胞培養液に供給し、トランスフェクションを起こ
させる。トランスフェクション後、培養液を新鮮培地中でインキュべートする。
トランスフェクション収量を増大させるには、トランスフェクションのステップ
をその後に反復することができる。次に、トランスフェクトしたストレスタンパ
ク質の高収量の発現および所望のウイルスの増殖能の増強を示す細胞株の選択に
より結果として得られる遺伝学的に異質の細胞培養液を精製する。この画分から
、宿主DNAへの発現ベクターの自然組換えを示す細胞株の選択によりさらに精
製を行う。したがって、このような組換えを示す細胞株は持続的に遺伝子改変さ
れ、組換えタンパク質またはウイルス生産のために保持される。
【0047】 実施例2.一時的な遺伝子改変による許容性真核細胞の持続的な遺伝子改変 実施例2は第2の実施形態の例を示すものである。しかし、本発明および第2
の実施形態は実施例2の細部に限定されない。 所望のウイルスのための許容性真核細胞を選択し、5%COとともに37℃
下など、標準条件下に約90%以上の密集まで成長させる。
【0048】 これらの真核細胞のためのDNAトランスフェクション試薬は、ストレスタン
パク質発現ベクター(例えば、ウイルス、コスミド、プラスミド、ファージ、ト
ランスポゾン、または、真核細胞への挿入能があり、その細胞のトランスフェク
ション時に真核細胞のストレスタンパク質発現を増大させるDNAまたはRNA
を含む他の伝染性ベクター)を脂質/リン脂質製剤と混合することで調製し、1
〜10標的細胞当り約0.01〜100μgの濃度のトランスフェクショ
ン試薬を得た。上で説明したように、この脂質/リン脂質製剤は陽イオン性の脂
質またはリン脂質を含むことが好ましく、ジオレイルホスファチダルエタノール
アミンを含有することがさらに好ましい。しかし、1つまたはそれ以上の陽イオ
ン性脂質と共に他の適合性のリン脂質を用いることができる。次にこのトランス
フェクション試薬を血清を含まない培地中に希釈し、10〜60分間以上、許容
性真核細胞上でインキュべートし、トランスフェクションを起こさせる。次に上
清を培養液から除去し、例えば約10%v/vの濃度でウシ胎児血清など新鮮培
地を添加する。次にこの培養液を、例えば一夜、数時間以上インキュべートする
。最後に、さらにトランスフェクション収量を増大させるには、このリポフェク
ション法をその後24〜48時間反復してもよい。リポフェクションはストレス
タンパク質発現ベクターを導入するための最適な方法である(例えば、hsp7
0、hsp90、または他のストレスタンパク質もしくはシャペロンタンパク質
の発現のために)が、電気穿孔法のような他の標準の方法を用いてもよい。ウイ
ルス挿入ベクターを用いた遺伝子改変を用いてもよい。
【0049】 上記のトランスフェクション法により、細胞の画分が(ストレスタンパク質発
現ベクターの宿主細胞遺伝物質へのこのベクターの大幅な自然組換えのない細胞
へのエピソーム挿入からなる)一時的な遺伝子改変を受けた遺伝学的に異質の細
胞培養液が得られる。このような培養液は一時的な遺伝子改変を示す(エピソー
ムベクターの発現により特徴づけられる)が、一般に持続的な改変を示す大部分
の細胞を含まない。エピソームベクターは宿主細胞遺伝物質の中へ組み入れられ
ないため、その培養液はこのエピソーム遺伝物質の排除により非感染形態に自然
に復帰することができる。
【0050】 したがって、持続的な改変を示す安定な培養液を得るには、これらの細胞のサ
ブセットを選択し増殖させる必要がある。例えば、トランスフェクトした細胞は
、一時的な遺伝子改変によりストレスタンパク質(hsp70など)の高収量の
一時的な発現を示しうる。トランスフェクトした細胞培養液をトリプシン処理し
た場合は、放出される細胞は、例えば96穴培養プレート中で、連続的に希釈し
て消滅させることができる。消滅点近くのウェル内で生じる細胞培養液はクロー
ンとみなされ、収集される。次にこれら遺伝子改変細胞株をウイルス上昇濃度の
増大能について試験し(例えば、実施例1に記載したように)、ストレスタンパ
ク質発現の増強について測定する(例えば、hsp70など、特定のストレスタ
ンパク質の発現レベルに対する標準の酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を
用いることにより)。次にこれらの試験に合格する細胞株を自然組換え現象によ
って宿主DNAへの発現ベクターの挿入について(ゲル電気泳動など標準のアッ
セイ後に分離核酸のサザンブロット法を用いて)精査する。このような挿入が1
x10細胞分裂において約1組換え現象の速度で自然に起こる。しかし、組換
え効率は使用される特定のベクターおよび細胞株によってはるかに低くなり、し
たがって追加の選択ステップが必要な場合もある。宿主細胞の遺伝物質への安定
な挿入を示し、持続的に遺伝子改変される組換え細胞株は、組換えタンパク質ま
たはウイルス生産株のために保持される。この細胞株は、ストレスタンパク質遺
伝子の取り込みおよびストレスタンパク質生産の相応の増強の結果として所望の
ウイルスまたはウイルス産物の所望の収量改善を示すことになる。
【0051】 (第3の好適な実施形態) 多くの場合、ウイルスまたはウイルス産物など、所望の物質の生産に必要な許
容性真核細胞は存在せずまたは増殖性が不十分である。例えば、中枢神経系に影
響を及ぼす物質を培養することは、その物質に対して許容性である細胞がほとん
どないためきわめて困難となりうる。特に、クロイツフェルトヤコブ病原体、ス
クレイピー、クール、狂犬病、およびウシ海綿状脳症(nvCJD)などの病原
体は、十分な許容性細胞株を欠くためインビトロで培養することは困難または不
可能である。したがって、このような病原体の許容性細胞株を生産するための新
しい方法の必要がある。
【0052】 この実施例では、非許容性真核細胞が許容性となるために遺伝子改変され、非
許容性真核細胞株へのストレスタンパク質発現ベクターの挿入により新しい許容
性真核細胞株の生産が達成される。次に新しい許容性細胞株を用いて、感染性ま
たは潜在的に感染性の物を細胞株に接種することによりウイルス物質を効率的に
生産したのち、結果として生じるウイルスまたはウイルス産物のインキュべーシ
ョンおよび収集により得る。その細胞株を優先的に用いて、天然物質および以前
に決して培養されていない物質を成長させるのに困難な複製を容易にする。した
がって、この細胞株を用いてウイルスハンターとしておよび有用な量の物質の生
産または製造に用いることができる。
【0053】 実施例3.新しい許容性細胞株の生産 実施例3は第3の実施形態の例を示すものである。しかし、本発明および第3
の実施形態は、実施例3の細部に限定されない。 この実施例では、図3に示したように、昆虫の細胞など、非許容性細胞が所望
のウイルスのために許容性となるために遺伝子改変される。神経芽細胞腫など神
経細胞株、星細胞腫細胞株、または網膜芽細胞腫細胞株を、実施例2で述べたよ
うに、ストレスタンパク質発現ベクターでトランスフェクトすることができる。
これがウイルス物質を効率的に生産することが可能な新しい細胞株を生産する。
この方法では、組換え細胞株がその後の使用のために選択されることが好ましい
。あるいは、クローン細胞株を用いてもよい。次に、既知のまたは疑わしい病原
菌を含有する動物の贓物など、感染物質または潜在的に感染される物質を用いて
、これらの遺伝子改変細胞株に接種する。この細胞株は、狂犬病のような神経病
原体や以前に決して培養されていない病原体(例えば、nvCJD)を成長させ
るのに困難な複製を容易にし、(疑わしい病原体の特徴づけ可能な量を生産する
ために使用される)ウイルスハンターとして、また(例えば、新しいワクチンの
生産における)大量の物質の製造のために使用することができる。非許容性細胞
株から生産される新しい許容性細胞株の例を表4に示す。
【0054】 以下の表4では、自然(未処置)、非許容性細胞株(株A、神経芽細胞腫;株
B、網膜芽細胞腫)およびhsp70ストレスタンパク質発現ベクターを挿入す
る処置後の同じ細胞株において生じたヒト麻疹ウイルス(HMV)価を比較した
結果が示されている。処置後の力価増大は、これらの細胞のHMVに対する許容
性の顕著な増強を示している。複数の細胞株における力価の増強は、さまざまな
候補の細胞株および病原体へのこの方法の一般的な許容可能性を示している。
【0055】
【表4】
【0056】 (第4の好適な実施形態) 前核細胞株は組換え法によってタンパク質または他の生物学的物質の生産のた
めに頻繁に使用され、すなわち所望の産物の生産にコードする遺伝物質が細胞株
の中へ導入され、前核細胞による所望の産物が生産される。例えば、ヒトインス
リンは、所望のインスインタンパク質の生産にコードする必要なヒト遺伝子の導
入により遺伝子組換えされた細菌を用いて生産することができる。残念ながら、
この組換え産物は構成的に生産された物質(すなわち、天然手段によって生産さ
れた物質)と同じ生物学的機能を示さない場合が多い。これは頻繁に組換え生産
過程時の不完全または不適当な折り畳み(または構造に影響を及ぼす同様の他の
因子の変化)の結果である。折り畳みまたは構造におけるこの変化は多くの場合
、結果として産物の適切な機能に否定的に影響を及ぼす変性タンパク質が生じる
。したがって、機能的組換え産物の生産が必要である。
【0057】 この実施例では、遺伝子組換えされた前核細胞株による機能的組換え産物の生
産が、その細胞株への1つまたはそれ以上のストレスタンパク質発現ベクターの
挿入により増強される。組換え細胞がその後の使用ために選択されることが好ま
しい。あるいは、クローン細胞株を用いてもよい。さらにこの挿入されたストレ
スタンパク質発現ベクターが1つまたはそれ以上のプロモーターを含むことが好
ましい。あるいは、構成的プロモーターを用いることができる。この細胞株にお
ける誘導または構成的手段のいずれかによるそのストレスタンパク質発現ベクタ
ーの発現により、1つまたはそれ以上のクローン化ストレスタンパク質が生産さ
れ、その発現ストレスタンパク質は機能的組換え産物の収量増強の補助に役立つ
【0058】 この増強は、hsp70またはhsp90など、適切なストレスタンパク質発
現ベクターの挿入およびその後の誘導により最適に達成されるが、他のストレス
タンパク質発現ベクターのいずれも適用可能である。この挿入はトランスフェク
ションにより最適に達成される。しかし、1つまたはそれ以上のウイルス挿入ベ
クターへの曝露による細胞株感染と共に電気穿孔法または他の同様の方法を用い
てもよい。この増強方法を用いて、例えば、ヒトインスリンを生産するために改
変されたものなど、以前に改変された細胞株からの機能的産物の収量を増強する
。あるいは、1つまたはそれ以上のストレスタンパク質の生産を結果として来た
しまたは促進する適切な挿入をすでに示す前核細胞を改変し、ウイルスまたは他
の組換え産物(タンパク質、酵素、インスリン、または他の所望の生物学的産物
)を生産することができる。
【0059】 実施例4.前核細胞株における組換え産物収量の増強 実施例4は第4の実施形態の例を示すものである。しかし、本発明および第4
の実施形態は、実施例4の細部に限定されない。 この実施形態および実施例に示されているように、本発明の発明人は、前核細
胞株における1つまたはそれ以上のタンパク質の誘導を含む機能的組換え収量を
増強し、その誘導されたストレスタンパク質が組換え産物の適切な折り畳みまた
は他の構造的変化の補助に役立ち、結果として機能的組換え産物の収量を増強す
ることを発見した。この誘導は適切なストレスタンパク質発現ベクター(例えば
hsp70またはhsp90)を、遺伝子組換えされた大腸菌など、組換え前核
細胞株へ挿入することにより最適に達成することができる。この挿入はトランス
フェクションを用いて最適に達成される。あるいは、電気穿孔法または他の同様
の方法を用いてもよい。
【0060】 この一般的な方法は図4および図5に示されている。さまざまなウイルス挿入
ベクターを用いてストレスタンパク質生産をコードしまたは促進する所望の遺伝
子要素を挿入してもよい。ストレスタンパク質発現の挿入は結果として、図4に
示したように、宿主遺伝物質へのストレスタンパク質発現ベクターの組換え挿入
を来たし、または図5に示したように、エピソーム挿入を来たすことがある。次
に結果として生じる細胞を標準の方法を用いてスクリーニングし、高レベルのス
トレスタンパク質発現を示すものを選択する。実施例2で述べた方法など、真核
細胞株で用いられるものに匹敵する方法を用いて、図4に示したように、宿主遺
伝物質への適切な挿入を有する組換え細胞株を選択する。あるいは、図5に示し
たように、エピソーム挿入を示すクローンを用いてもよい。ストレスタンパク質
発現ベクターはこの方法で、例えばヒトインスリンを生産するように改変されて
いるものなど、以前に改変された細胞株へ挿入してもよい。あるいは、1つまた
はそれ以上のストレスタンパク質の生産を結果として来たしまたは促進する適切
な挿入をすでに示す前核細胞を改変し、ウイルスまたは他の組換え産物(タンパ
ク質、酵素、インスリン、または他の所望の生物学的産物)を生産することがで
きる。
【0061】 図4および図5に示した実施例では、ストレスタンパク質発現ベクーが1つま
たはそれ以上の誘導性プロモーターを含むことが好ましい。あるいは、構成的プ
ロモーターを用いることができる。誘導性プロモーターは、挿入されたストレス
タンパク質発現ベクターの大幅な発現(この発現は所望の組換え産物の発現と競
合する傾向がみられる)を示すことなしに細胞株を高レベルに増殖させうるとい
う点でさらに望ましい。この細胞株が組換え産物生産の所望レベルに達すると、
誘導性ストレスタンパク質発現ベクターの誘導を用いて細胞株の生産をストレス
タンパク質に変えることにより、組換え産物の生産レベルおよび機能的産物の収
量の最適な効率を確保することができる。誘導性プロモーターの例として、β−
ガラクトシダーゼ、レトロウイルスステロイド感受性プロモーターおよび重金属
誘導性プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。逆に、構成的プロ
モーターを用いた場合は、細胞株は生産能の大部分をストレスタンパク質の連続
的またはほぼ連続的な生産に捧げる傾向がある。この生産は機能的産物の大部分
を生産するが、最適な細胞株増殖および組換え産物の全生産レベルと競合しやす
くなる。
【0062】 (第5の好適な実施形態) 真核細胞は所望のタンパク質または組換え方法による他の生物学的物質もしく
は産物の生産のために使用することができ、すなわち所望の産物の生産にコード
する遺伝物質が細胞株の中へ導入され、前核細胞による所望の産物が生産される
。例えば、ヒト血管形成遮断ペプチドは、所望の産物の生産にコードする必要な
ヒト遺伝子の導入により遺伝子組換えされた真核細胞株用いて生産することがで
きる。残念ながら、この組換え方法は、許容可能な収量または許容可能な量で所
望の産物を生産しない場合が多い。さらに、この産物は構成的に生産される物質
と同じ生物学的機能を示さない場合がある。したがって、機能的組換え産物の生
産レベルまたは収量を増強する方法が必要である。
【0063】 この実施例では、遺伝子組換えされた前核細胞株による機能的組換え産物の生
産が、その細胞株への1つまたはそれ以上のストレスタンパク質発現ベクターの
挿入により増強される。この挿入は所望の組換え産物の生産のために細胞株の遺
伝子改変の前または後に達成することができる。このストレスタンパク質発現ベ
クターが1つまたはそれ以上の誘導性プロモーターを含むことが好ましい。ある
いは、構成的プロモーターを用いることができる。
【0064】 実施例5.真核細胞株における組換え産物収量の増強 実施例5は第5の実施形態の例を示すものである。しかし、本発明および第5
の実施形態は、実施例5の細部に限定されない。 この実施形態および実施例に示されているように、本発明の発明人は、真核細
胞株における1つまたはそれ以上のタンパク質の誘導を含む機能的組換え収量を
増強し、その誘導されたストレスタンパク質が組換え産物の適切な折り畳みまた
は他の構造的変化の補助に役立ち、結果として機能的組換え産物の収量を増強す
ることを発見した。
【0065】 例えば、所望の生物学的産物の生産のための発現ベクター(血管形成遮断また
はペプチド配列の増強など)を、ストレスタンパク質の生産にコードするストレ
スタンパク質発現ベクターによる細胞株の遺伝子改変の前または後に真核細胞株
(哺乳動物、昆虫または他の細胞株、およびさらに好ましくはS−9昆虫細胞株
)へ挿入することができる。ストレスタンパク質発現ベクター(hsp70また
はhsp90など)によるこの改変は、実施例2で述べた方法を用いて達成され
る。このストレスタンパク質発現ベクターは、1つまたはそれ以上の誘導性プロ
モーターを含むことが好ましいとみられる。あるいは、構成的プロモーターを用
いることができる。それにより(この改変の結果として)誘導されるストレスタ
ンパク質は所望の組換え産物の生産の増強および安定性を促進する。
【0066】 この方法は1つまたはそれ以上のペプチドに使用されることが最適であるが、
非ペプチド産物、または診断的核酸プローブ、ワクチン、抗原、酵素、ホルモン
、成長因子、構造タンパク質、腫瘍抑制剤、抗生物質、脂質、核酸、単純糖質お
よび複合糖質、アルコールおよび溶剤など、他の生物学的物質の合成およびアセ
ンブリーに必要なタンパク質を内部的に安定化するためにも用いることができる
【0067】 この説明は例示の目的のみに示されており、本出願の発明を限定することは意
図されていない。 新しく特許により保護されることが望ましい請求の範囲を添付の請求の範囲に
記載する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による、ウイルス価を増強するのための許容性細胞株の一時的ストレス
の使用を示す図である。
【図2】 本発明による、一時的遺伝子改変による許容性真核細胞株の持続的遺伝子改変
を示す図である。
【図3】 本発明による、新しい許容性真核細胞株の生産のための方法を示す図である。
【図4】 本発明による、遺伝子改変細胞株において得られる組換え産物の増強のための
方法を示す図である。
【図5】 本発明による、遺伝子改変前核細胞において得られる組換え産物の増強のため
の別の方法を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 7/00 C12N 15/00 A C12P 21/02 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA03 AA20 CA20 DA02 DA03 DA06 DA11 DA12 EA02 EA04 FA02 GA13 HA20 4B064 AG01 CA02 CA05 CA06 CA10 CA12 CA19 CC01 CC24 4B065 AA26X AA58X AA72X AA90X AA95X AA95Y AB01 AB10 AC14 AC20 BA02 BA30 CA24 4H045 AA10 AA20 CA01 FA72 FA74

Claims (68)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウイルス物質の増強製造の方法であって、該方法が、 許容性真核細胞を選択し増殖させるステップと、 少なくとも1つのストレスタンパク質の生産増大を示すストレス真核細胞を生
    産する時間にわたって前記細胞を一時的にストレスをかけるステップと、 ウイルスストックを導入し、前記真核細胞に感染させるステップと、 前記感染ストレス真核細胞をインキュべートするステップと、 前記感染ストレス真核細胞により生産される結果として生じるウイルス物質を
    収集するステップと、を含む方法。
  2. 【請求項2】 一時的にストレスかける前記ステップが、熱ストレス、化学
    ストレス、酸化レベルストレス、栄養改変、および毒性ストレスからなる群から
    選択されるストレスにより誘導される請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 前記細胞に一時的にストレスをかける前記ステップがCO なしに43℃下で前記細胞にストレスをかけることにより行われる請求項1の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記細胞に一時的にストレスをかける前記ステップが約1乃
    至5時間にわたって行われる請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 前記細胞に一時的にストレスをかける前記ステップが、約0
    %COとともに、約43℃下で約1乃至3時間にわたりベロ(Vero)細胞で行
    われる請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 前記ストレスタンパク質が、hsp27、hsp40、hs
    p60、hsp70、hsp72、hsp73、hsp90、GroEL、Gr
    oES、GrpE、grp78、grp94、DnaJおよびDnakからなる
    群から選択される請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 前記許容性真核細胞がベロ細胞である請求項1の方法。
  8. 【請求項8】 前記ウイルスストックが細胞当り0.0001乃至1000
    ウィロンの感染効率で導入される請求項1の方法。
  9. 【請求項9】 前記ウイルスストックが細胞当り1乃至4ウィロンの感染効
    率で導入される請求項8の方法。
  10. 【請求項10】 前記ウイルスストックが前記細胞に一時的にストレスをか
    ける前記ステップ後約24時間までの期間に行われる請求項1の方法。
  11. 【請求項11】 前記ウイルスストックを導入する前記ステップが前記細胞
    に一時的にストレスをかけた直後に行われる請求項10の方法。
  12. 【請求項12】 結果として生じるウイルス物質が感染後約1〜21日に収
    集される請求項1の方法。
  13. 【請求項13】 結果として生じるウイルス物質が感染後約5日に収集され
    る請求項1の方法。
  14. 【請求項14】 結果として生じるウイルス物質を収集するための最適な条
    件が、収集時間の関数としてウイルス価の測定により決定される請求項1の方法
  15. 【請求項15】 前記ウイルス物質が、イヌジステンバー、ミンクジステン
    バー、ヒト麻疹ウイルス、狂犬病、パルボ、マレク病原体、HIV、HTLV、
    HSV、コロナウイルス、およびウシ白血病ウイルスからなる群から選択される
    請求項1の方法。
  16. 【請求項16】 持続的な遺伝子改変を示す細胞株の製造のための方法であ
    って、該方法が、 許容性真核細胞を選択し増殖させるステップと、 前記許容性真核細胞にトランスフェクション試薬を導入し、トランスフェクト
    された真核細胞を生産するステップと、 前記トランスフェクトされた真核細胞をインキュべートするステップと、 前記トランスフェクション試薬によるトランスフェクションの結果として発現
    される高収量のタンパク質を示す少なくとも1つ細胞株を前記トランスフェクト
    された真核細胞から選択するステップと、を含む方法。
  17. 【請求項17】 少なくとも1つの第2細胞株が宿主DNAへのストレスタ
    ンパク質発現ベクターの自然組換えを示す前記第1細胞株の部分を選択すること
    により前記少なくとも1つの細胞株から生産される請求項16の方法。
  18. 【請求項18】 前記トランスフェクション試薬がDNAトランスフェクシ
    ョン試薬である請求項16の方法。
  19. 【請求項19】 前記トランスフェクション試薬がストレスタンパク質発現
    ベクターおよび少なくとも1つの脂質またはリン脂質で形成される請求項16の
    方法。
  20. 【請求項20】 前記トランスフェクション試薬が10〜10標的細胞
    当り約0.01〜100μgベクターの濃度を有する請求項16の方法。
  21. 【請求項21】 前記ストレスタンパク質発現ベクターが、ウイルス、コス
    ミド、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、および真核細胞DNAの中へ挿
    入可能である他の核酸からなる群から選択される請求項16の方法。
  22. 【請求項22】 前記脂質またはリン脂質が陽イオン性脂質およびリン脂質
    からなる群から選択される脂質を含む請求項19の方法。
  23. 【請求項23】 前記脂質またはリン脂質がジオレイルホスファチダルエタ
    ノールアミンを含む請求項19の方法。
  24. 【請求項24】 前記トランスフェクトされた真核細胞が約10乃至60分
    間インキュべートされる請求項16の方法。
  25. 【請求項25】 前記トランスフェクトされた真核細胞から上清を除去し、
    新鮮培地を添加し、さらに前記トランスフェクトされた真核細胞をインキュべー
    トするステップをさらに含む請求項16の方法。
  26. 【請求項26】 前記新鮮培地が約10%v/vの濃度のウシ胎児血清であ
    る請求項25の方法。
  27. 【請求項27】 前記さらにインキュべートすることが数時間行われる請求
    項25の方法。
  28. 【請求項28】 前記トランスフェクション試薬を導入するステップが反復
    される請求項16の方法。
  29. 【請求項29】 前記タンパク質発現ベクターが、hsp70、hsp72
    、hsp73、hsp90、GroEL、GroES,GrpE、grp78、
    grp94、DnaJおよびDnakからなる群から選択される請求項19の方
    法。
  30. 【請求項30】 許容性真核細胞の生産のための方法であって、該方法が、 ストレスタンパク質発現ベクターを非許容性真核細胞の中へ挿入するステップ
    と、 少なくとも1つの第1細胞株を前記許容性真核細胞株から選択するステップと
    、を含む方法。
  31. 【請求項31】 前記少なくとも1つの選択された第1細胞株がウイルス物
    質の生産のために使用され、前記方法が、 感染性物質を前記選択された細胞株に導入し、少なくとも1つの感染許容性真
    核細胞株を生産するステップと、 前記少なくとも1つの感染細胞株をインキュべートするステップと、 少なくとも1つの結果として生じるウイルス物質を前記感染細胞株から収集す
    るステップと、を含む方法。
  32. 【請求項32】 前記生産が少なくとも1つの未知のウイルス物質の発見の
    ためである請求項31の方法。
  33. 【請求項33】 前記非許容性真核細胞が、神経芽細胞腫、星細胞腫および
    網膜芽細胞腫の細胞株からなる群から選択される請求項30の方法。
  34. 【請求項34】 前記挿入するステップがトランスフェクションによる請求
    項30の方法。
  35. 【請求項35】 前記ストレスタンパク質発現ベクターが、hsp70、h
    sp72、hsp73、hsp90、GroEL、GroES,grp78、g
    rp94、DnaJおよびDnakからなる群から選択される請求項30の方法
  36. 【請求項36】 前記少なくとも1つの許容性真核細胞株が前記ストレスタ
    ンパク質発現ベクターの組換えである請求項30の方法。
  37. 【請求項37】 前記少なくとも1つの許容性真核細胞株が前記ストレスタ
    ンパク質発現ベクターのクローンである請求項30の方法。
  38. 【請求項38】 前記感染性物質が病原菌を含有する動物の臓物である請求
    項31の方法。
  39. 【請求項39】 機能的組換え産物収量を増強する方法において、遺伝物質
    が予め前核細胞株の中へ導入されて前記組換え産物を形成する方法であって、該
    方法が、 改変細胞株を形成するために、少なくとも1つのストレスタンパク質発現ベク
    ターを前記前核細胞株の中へ挿入するステップと、 所望の機能的組換え産物の増強収量を示す少なくとも1つの第1細胞株を前記
    改変細胞株から選択するステップと、を含む方法。
  40. 【請求項40】 少なくとも1つの第2細胞株が、宿主DNAへのストレス
    タンパク質発現ベクターの自然組換えを示す前記第1細胞株の部分を選択するこ
    とにより前記第1細胞株から生産される請求項39の方法。
  41. 【請求項41】 前記少なくとも1つのストレスタンパク質発現ベクターが
    少なくとも1つの誘導性プロモーターを含む請求項39の方法。
  42. 【請求項42】 前記誘導性プロモーターが、β−ガラクトシダーゼ、レト
    ロウイルスステロイド感受性プロモーターおよび重金属誘導性プロモーターから
    なる群から選択される請求項41の方法。
  43. 【請求項43】 前記少なくとも1つのストレスタンパク質発現ベクターが
    構成的プロモーターを含む請求項39の方法。
  44. 【請求項44】 前記挿入するステップが、トランスフェンクション、電気
    穿孔法、およびウイルス挿入ベクターからなる群から選択される方法により達成
    される請求項39の方法。
  45. 【請求項45】 前記ストレスタンパク質発現ベクターが、hsp70、h
    sp72、hsp73、hsp90、GroEL、GroES,grp78、g
    rp94、DnaJおよびDnakからなる群から選択される請求項39の方法
  46. 【請求項46】 前記前核細胞株が大腸菌である請求項39の方法。
  47. 【請求項47】 少なくとも1つの第2細胞株が、宿主へのストレス発現ベ
    クターのエピソーム挿入を示す前記第1細胞株の部分を選択すうことによる前記
    第1細胞株から生産される請求項39の方法。
  48. 【請求項48】 機能的組換え産物収量を増強する方法であって、その産物
    をコードする遺伝物質が増強ストレスタンパク質発現を示す前核細胞核の中へ挿
    入される方法。
  49. 【請求項49】 前記発現が誘導性である請求項48の方法。
  50. 【請求項50】 前記前核細胞株が少なくとも誘導性プロモーターを含む発
    現ベクターを含む請求項48の方法。
  51. 【請求項51】 前記発現が構成的である請求項48の方法。
  52. 【請求項52】 前記前核細胞株が少なくとも1つの構成的プロモーターを
    含む請求項48の方法。
  53. 【請求項53】 機能的組換え産物収量を増強する方法であって、該方法が
    、 少なくとも1つのストレスタンパク質発現ベクターを真核細胞株の中へ挿入し
    、改変細胞株を製造するステップと、 前記改変細胞株から所望の機能的組換え産物の増強収量を示す少なくとも1つ
    の第1細胞株を選択するステップと、 遺伝物質が前記真核細胞株に添加され、前記組換え産物を形成することを含む
    方法。
  54. 【請求項54】 真核細胞の中へ少なくとも1つのストレスタンパク質発現
    ベクターを挿入する前記ステップが、前記遺伝物質が前記真核細胞核に添加され
    た後に行われる請求項53の方法。
  55. 【請求項55】 真核細胞の中へ少なくとも1つのストレスタンパク質発現
    ベクターを挿入する前記ステップが、前記遺伝物質が前記真核細胞核に添加され
    た前に行われる請求項53の方法。
  56. 【請求項56】 少なくとも1つの第2細胞株が、宿主DNAへのストレス
    タンパク質発現ベクターの自然組換えを示す前記第1細胞株の部分を選択するこ
    とにより前記第1細胞株から生産される請求項53の方法。
  57. 【請求項57】 前記ストレスタンパク質発現ベクターが少なくとも1つの
    誘導性プロモーターを含む請求項53の方法。
  58. 【請求項58】 前記ストレスタンパク質発現ベクターが構成的プロモータ
    ーを含む請求項53の方法。
  59. 【請求項59】 前記真核細胞株が哺乳動物および昆虫の細胞株からなる群
    から選択される請求項53の方法。
  60. 【請求項60】 前記ストレス発現ベクターが、hsp70、hsp72、
    hsp73、hsp90、GroEL、GroES、GrpE、grp78、g
    rp94、DnaJおよびDnakからなる群から選択される請求項53の方法
  61. 【請求項61】 前記方法を用いて、ペプチド、タンパク質、診断的核酸プ
    ローブ、ワクチン、抗原、酵素、ホルモン、成長因子、構造タンパク質、腫瘍抑
    制因子、抗生物質、脂質、核酸、単純糖質、複合糖質、アルコールおよび溶剤か
    らなる群から選択される機能的組換え収量を得る請求項53の方法。
  62. 【請求項62】 許容性真核細胞を選択し増殖させるステップと、 少なくとも1つのストレスタンパク質の増大生産を示すストレス真核細胞を生
    産する時間にわたって前記細胞に一次的にストレスをかけるステップと、 ウイルスストックを導入し、前記ストレス真核細胞に感染するステップと、 前記感染ストレス真核細胞をインキュべートするステップと、 前記感染ストレス真核細胞により生産される結果として生じるウイルス物質を
    収集するステップと、により生産されるウイルス物質。
  63. 【請求項63】 トランスフェクトしたストレスタンパク質の発現のために
    1つ以上のベクターによるトランスフェクションの結果として高収量のトランス
    フェクトしたストレスタンパク質を示す許容性真核細胞株を含む、持続的な遺伝
    子改変を示すために選択される細胞株。
  64. 【請求項64】 許容性真核細胞を選択し、増殖させるステップと、 トランスフェクション試薬を前記許容性真核細胞に導入し、トランスフェクト
    した真核細胞を生産するステップと、 前記トランスフェクトした真核細胞をインキュべートするステップと、 前記トランスフェクションの結果として発現される高収量のストレスタンパク
    質を示す少なくとも1つの第1細胞株を前記トランスフェクトした真核細胞を選
    択するステップと、により生産される持続的な遺伝子改変を示す細胞株。
  65. 【請求項65】 ストレスタンパク質発現ベクターが挿入されている非許容
    性真核細胞株を含む許容性真核細胞株。
  66. 【請求項66】 ストレスタンパク質発現ベクターを非許容性真核細胞の中
    へ挿入し、少なくとも1つの許容性真核細胞株を形成するステップと、 前記許容性真核細胞株を選択するステップと、により生産される許容性真核細
    胞。
  67. 【請求項67】 遺伝物質を前記組換え産物の発現にコードする前核細胞株
    の中へ導入するステップと、 所望の機能的組換え産物の増強収量を示す少なくとも1つの第1細胞株を前記
    改変細胞株から選択するステップと、 前記第1細胞株を増殖させるステップと、 前記増殖させた第1細胞株により生産される機能的組換え産物を収集するステ
    ップと、により生産される機能的組換え産物。
  68. 【請求項68】 少なくとも1つのストレスタンパク質発現ベクターを真核
    細胞株の中へ挿入し、改変細胞株を製造するステップと、 所望の機能的組換え産物の増強収量を示す少なくとも1つの第1細胞株を前記
    改変細胞株から選択するステップと、 前記第1細胞株を増殖させるステップと、 前記増殖させた第1細胞株により生産される機能的組換え産物を収集するステ
    ップと、により生産される機能的組換え産物。
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