JP3638019B2 - 組換え体センダイウイルス - Google Patents
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Description
(1) 所望の外来性遺伝子を含むかまたは所望の遺伝子が欠失もしくは不活化したゲノムを保持し、伝播力を有する組換え体センダイウイルス、
(2) 1つ以上の機能蛋白質遺伝子が改変されていることを特徴とする(1)に記載の組換え体センダイウイルス、
(3) 宿主内で発現可能な外来性遺伝子を有することを特徴とする、(1)または(2)に記載の組換え体センダイウイルス、
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の組換え体センダイウイルスに含まれるRNAを含むRNA、
(5) (1)〜(3)のいずれかに記載の組換え体センダイウイルスに含まれるRNAのcRNAを含むRNA、
(6) (a)(4)または(5)に記載のRNAを転写しうる鋳型cDNAを含むDNAと、(b)該DNAを鋳型として試験管内または細胞内で(4)または(5)に記載のRNAを転写しうるユニットとを含むキット、
(7) (a)センダイウイルスのNP蛋白質、P/C蛋白質およびL蛋白質(各蛋白質 は同等の活性を有する蛋白質でもよい)を発現する宿主と、(b)(4)または(5)に記載のRNAとを含むキット、
(8) センダイウイルスのNP蛋白質、P/C蛋白質およびL蛋白質(各蛋白質は同等の活性を有する蛋白質でもよい)を発現する宿主に、(4)または(5)に記載のRNAを導入することを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の組換え体センダイウイルスの製造方法、
(9) (a)センダイウイルスのNP蛋白質、P/C蛋白質およびL蛋白質を発現する宿主、(b)(4)または(5)のいずれかに記載のRNAまたはcRNAを転写しうる鋳型cDNAを含むDNA、(c)該DNAを鋳型として試験管内または細胞内で(4)または(5)に記載のRNAを転写しうるユニットの3者を含むキット、および
(10) センダイウイルスのNP蛋白質、P/C蛋白質およびL蛋白質を発現する宿主に、(4)または(5)に記載のRNAを転写しうる鋳型cDNAを含むDNAと、該DNAを鋳型として試験管内または細胞内で(4)または(5)に記載のRNAを転写しうるユニットとを導入することを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の組換え体センダイウイルスの製造方法、
(11) 宿主に(3)記載の組換え体センダイウイルスを感染させ、発現した外来性タンパク質を回収する工程を含む、外来性タンパク質の製造方法、
(12) (3)記載の組換え体センダイウイルスを宿主に導入し、培養液または漿尿液を回収することによって取得しうる、発現した外来性タンパク質を含む培養液または漿尿液、および
(13) コードするタンパク質のアンチセンスRNAが転写される向きでプロモーター下流に配置された外来性遺伝子と該プロモーターとを含む、センダイウイルスベクター中に組み込まれた該外来性遺伝子がコードするタンパク質を発現させるためのDNA。
T7 プロモーター、(-)鎖RNAが転写されるように設計されたセンダイウイルスcDNA、リボザイム遺伝子をこの順に保持するDNAを、pUC18プラスミドに挿入した プラスミドpUC18/T7(-)HVJRz.DNAを作製した。また、T7 プロモーター、(+)鎖RNAが転写されるように設計されたセンダイウイルスcDNA、リボザイム遺伝子をこの順に保持するDNAを、pUC18プラスミドに挿入したプラスミドpUC18/T7(+)HVJRz.DNAを作製した。pUC18/T7(-)HVJRz.DNAおよびpUC18/T7(+)HVJRz.DNAの構成を図1および図2に示した。
直径6cmのプラスチックシャーレに通常のトリプシン処理を施したLLC-MK2細胞を2,000,000個とMEM培地(MEM +FBS 10%) 2mlとを添加し、CO25%, 37℃の条件下で24時間培養した。培養液を取り除き、1mlのPBSを用いて洗浄した後、多重感染度(moi/multiplicity of infection)が2となるように調製した、T7ポリメラーゼを発現する組換え体ワクチニアウイルスvTF7-3を0.1mlのPBSに懸濁したものを添加した。15分毎にウイルス液が全体にいきわたるようにシャーレを揺らし、1時間の感染を行った。ウイルス溶液を除去し、1mlのPBSを用いて洗浄した。 このシャーレに、cDNA溶液を含む培地を添加した。cDNA溶液を含む培地の作製は、以下のように行なった。
L, P/C, NPを発現するプラスミドが三者ともに必要かどうかを調べる実験を行った。方法は実施例2と同様であるが、実施例2ではcDNAとともに、pGEM-L, pGEM-P/C, pGEM-NPの3者を細胞内に導入したのに対し、本実験では、pGEM-L, pGEM-P/C, pGEM-NPのうちの任意の2者または一者のみをcDNAとともに細胞内に導入した。
実施例2で、cDNAからセンダイウイルスが再構成されることを示したが、さらにcDNAをin vitroで転写した産物、すなわちvRNA および cRNAでも同様のことができうるかどうかを検討した。
結果を表3に示す。
(1) 外来遺伝子(HIV-1 gp120遺伝子)が挿入されたセンダイウイルスベクター「pSeVgp120」の調製
プライマーa(5'-TGCGGCCGCCGTACGGTGGCAATGAGTGAAGGAGAAGT-3')(配列番号:1)及びプライマーd(5'-TTGCGGCCGCGATGAACTTTCACCCTAAGTTTTTVTTACTACGGCGTACGTCATCTTTTTTCTCTCTGC-3')(配列番号:2)を用い、「pNI432」上のHIV-1 gp120遺伝子を標準的なPCR法により増幅した。TAクローニングを行い、NotIで消化し、これをNotIで消化した「pSeV18+」に挿入した。次いで、これをE.Coliに形質転換し、E.Coliの各コロニーのDNAを「Miniprep」法で抽出し、DraIII消化後電気泳動を行い、泳動されたDNAのうち挿入により期待される大きさのDNA断片を含んでいることが確認されたクローンを選抜することで、陽性クローンを得た(以下、この陽性クローンを「クローン9」と称する)。目的の塩基配列であることを確認後、塩化セシウム密度勾配遠心により、DNAを精製した。なお、これにより得られた、gp120の挿入されたpSeV18+を「pSeVgp120」と称する。
LLCMK2細胞にpGEM NP, P,Lの他に、さらにpSeVgp120を導入した以外は、実施例2と同様の方法で、発育鶏卵のしょう尿液を回収し、HAUの測定及びgp120発現の検討(ELISA)を行った。HAUの測定は、実施例2と同様の方法で行った。
ベクター挿入用のルシフェラーゼ遺伝子を単離するため、プライマー(5'-AAGCGGCCGCCAAAGTTCACGATGGAAGAC-3'(30mer))(配列番号:3)及びプライマー(5'-TGCGGCCGCGATGAACTTTCACCCTAAGTTTTTCTTACTACGGATTATTACAATTTGGACTTTCCGCCC-3'(69mer))(配列番号:4)を用い、鋳型として「pHvluciRT4」を用いて、標準的なPCR法により両端にNotI部位の付加したルシフェラーゼ遺伝子を単離した。次いで、これをNotIで消化したpSeV18+に挿入し、ルシフェラーゼ遺伝子が挿入されたセンダイウイルスベクターを得た。次いで、LLCMK2細胞に導入し、発育鶏卵に接種した。発育卵のしょう尿膜を切り取り、冷PBS(-)で2回洗浄し、「lysis buffer」(Picagene WACO)25μlを添加し、よく攪拌してから15000rpmで2分間遠心した。その上清を5μlを採取し、基質(IATRON)50μlを添加し、96ウェルプレートに入れ、ルミノメーター(Luminous CT-9000D,DIA-IATRON)で蛍光強度を測定した。活性は、cps(counts per second)で表した。この結果、感染後24時間目のCV-1細胞で、特に高いルシフェラーゼ活性が検出された(表6)。なお、ルシフェラーゼ遺伝子の導入されていないセンダイウイルスを対照として用いた(表中の「SeV」で示してある)。また、表には2クローンの検出結果を示した。
Claims (13)
- 試験管内または細胞内において人工的に作製されたウイルスゲノムの核酸より組換え体センダイウイルスを製造する方法であって、組換え体センダイウイルスゲノムRNAまたはそのcRNAを含むRNAを、センダイウイルスのNPタンパク質、P/Cタンパク質およびLタンパク質を発現する宿主に導入する工程を含む方法。
- 試験管内または細胞内において人工的に作製されたウイルスゲノムの核酸より組換え体センダイウイルスを製造する方法であって、組換え体センダイウイルスゲノムRNAまたはそのcRNAを含むRNAを転写しうるDNAを、センダイウイルスのNPタンパク質、P/Cタンパク質およびLタンパク質を発現する宿主に導入し、組換え体センダイウイルスゲノムRNAまたはそのcRNAを含むRNAに転写する工程を含む方法。
- T7 RNAポリメラーゼを発現するワクチニアウイルスを該宿主に導入する工程をさらに含む、請求の範囲1または2に記載の方法。
- 該組換え体センダイウイルスゲノムRNAまたはそのcRNAを含むRNAが外来性遺伝子を含むことを特徴とする、請求の範囲1または2に記載の方法。
- 該組換え体センダイウイルスゲノムRNAまたはそのcRNAを含むRNAをコードするDNAにおいて、該外来性遺伝子が5'-AGGGTCAAAGT-3'および5'-GTAAGAAAAA-3'の間に位置する、請求の範囲4に記載の方法。
- 該組換え体センダイウイルスゲノムRNAまたはそのcRNAを含むRNAが、センダイウイルスゲノムRNA((−)鎖RNA)を含むRNAである、請求の範囲1または2に記載の方法。
- 該組換え体センダイウイルスゲノムRNAまたはそのcRNAを含むRNAが、センダイウイルスゲノムRNAのcRNA((+)鎖RNA)を含むRNAである、請求の範囲1または2に記載の方法。
- 該宿主をシトシンアラビノシドC存在下で培養する工程をさらに含む、請求の範囲3に記載の方法。
- 該宿主をトリプシン存在下で培養する工程をさらに含む、請求の範囲1または2に記載の方法。
- 以下の(a)〜(b)を含む、試験管内または細胞内において人工的に作製されたウイルスゲノムの核酸より組換え体センダイウイルスを製造するためのキット:
(a) 組換え体センダイウイルスゲノムRNAまたはそのcRNAを含むRNA、
(b) センダイウイルスのNPタンパク質、P/Cタンパク質およびLタンパク質を発現する宿主。 - 以下の(a)〜(c)を含む、試験管内または細胞内において人工的に作製されたウイルスゲノムの核酸より組換え体センダイウイルスを製造するためのキット:
(a) 組換え体センダイウイルスゲノムRNAまたはそのcRNAを含むRNAを転写しうるDNA、
(b) DNA依存性RNAポリメラーゼを発現するDNA、
(c) センダイウイルスのNPタンパク質、P/Cタンパク質およびLタンパク質を発現する宿主。 - 以下の(a)〜(c)を含む、試験管内または細胞内において人工的に作製されたウイルスゲノムの核酸より組換え体センダイウイルスを製造するためのキット:
(a) 組換え体センダイウイルスゲノムRNAまたはそのcRNAを含むRNAを転写しうるDNA、
(b) DNA依存性RNAポリメラーゼを発現するワクシニアウイルス、
(c) センダイウイルスのNPタンパク質、P/Cタンパク質およびLタンパク質を発現する宿主。 - 以下の(a)〜(b)を含む、試験管内または細胞内において人工的に作製されたウイルスゲノムの核酸より組換え体センダイウイルスを製造するためのキット:
(a) 組換え体センダイウイルスゲノムRNAまたはそのcRNAを含むRNAを転写しうるDNA、
(b) センダイウイルスのNPタンパク質、P/Cタンパク質およびLタンパク質、ならびにDNA依存性RNAポリメラーゼを発現する宿主。
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