JP3833714B2 - 細胞の不死化のための方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は細胞の不死化、並びにウィルス増殖及び組換タンパク質発現のためのリザーバーとしての細胞の利用の分野に関する。詳しくは、本発明は不死化細胞を生産するための誘導性プロモーターのコントロール下でのタンパク質p53の利用に関する。
発明の背景
鳥類及び動物ワクチンの製造のために用いられる多くの鳥類ウィルスは胚含有鶏卵又は一次鶏繊維芽細胞培養物の中で増殖されている。このような鶏基材を用いて製造された動物ワクチンの例には犬のイヌジステンパー、七面鳥のMarek病ワクチン、家禽のレオウィルス、フォウル・ポックス及び感染性Bursal病ワクチンが知られる。一次細胞培養物は高度に多種性であり、そして内因性ウィルス、マイクロプラズマ等による夾雑の危険性を供する。一次細胞培養物が由来する動物組織の起源は往々にして、動物ストックを病原性のない状態に保つための必要性に基づき制約され、且つ高価である。
動物ワクチン製品の製造において利用するために適当である無ウィルス不死化鳥類細胞基材を作製する再現性のある方法論を開発するニーズがある。特性のよく決定された不死化(即ち、連続)細胞系の入手、品質の観点から管理しにくい一次動物組織培養物に対する依存性を排除又は抑制する有益性を有する。ワクチン産業において、製品に関する調節要件、安全性、一貫性及び効能は、卵を基礎とする一次細胞ワクチン基材を利用する現状の最良の代替として、業者が細胞系を購入することへと導いている。ワクチン製造業者は、その業者のそのワクチンの流布を可能とする調節要件に合格するようにウィルス製造規定に合致した細胞系を持たなければならない。米国及び諸外国の双方におけるヒト及び動物ワクチン製品の双方の製造業者はそのワクチン基材が夾雑物を含まないことを実証しなくてはならない。一次組織から誘導された連続動物細胞系を作製するための再現日のある方法の到来は生物学的製品の製造業者が製造プロセスをより良くコントロールできるようにする、並びに製品安全性及び一貫性を高め、しかも究極的には経費節約できるようにするであろう。
発明の概要
本発明は細胞の中にp53をコードする核酸をメタロチオネインプロモーターのコントロール下となるように導入し、そして不死化特性を有する細胞を選択することにより細胞を形質転換させるための方法及びそれにより製造された細胞に関する。
本発明の一の観点において、下記の工程を含んで成る一次非げっ歯類細胞を形質転換するための方法を開示する:p53をコードする核酸をp53の発現を指令することのできる遺伝子ベクターの中にメタロチオネインプロモーターのコントロール下となるように配置する;当該遺伝子ベクターを一次非げっ歯類細胞の中に導入する;そして1日当り集団倍化時間約0.6〜1.5の集団倍化を有する細胞フォーカスを選定する。ここで、これらの細胞は逆転写酵素、陰性であり、且つ非腫瘍原性である。一の態様において、当該一次非げっ歯類細胞は鳥類に由来し、そして別の態様においては当該一次非げっ歯類細胞はヒトに由来する。本発明において利用される一次細胞は任意の幾多の組織に由来し得、そして好適な態様において、細胞は皮膚組織、胸筋組織及び/又は心筋組織から得られる。
本発明の別の観点において、細胞を開示する。これらの細胞はメタロチオネインプロモーターのコントロール下でp53を発現できる遺伝子を含む不死化繊維芽細胞である。一の態様において、これらの細胞は鳥類に由来する。
本発明は下記の工程を含んで成るウィルスを増殖するための方法にも関連する:少なくとも一種の感染性ウィルス粒子を少なくとも一種の不死化細胞培養物の細胞と接触させる(ここで、当該培養物の細胞はメタロチオネインプロモーターのコントロール下でp53の発現を指令することのできる遺伝子ベクターを含む);そして当該細胞により生産されたウィルスを回収する。一の態様において、当該ウィルスはレオウィルスであり、別の態様においてはHVTであり、そして第三の態様においては当該ウィルスはフォウル・ポックス・ウィルスである。
本発明の更なる別の観点において、下記の工程を含んで成るウィルスを増殖するための方法を開示する:少なくとも一種の感染性ウィルス粒子を一次細胞と接触させる;この一次細胞を、細胞培養においてメタロチオネインプロモーターのコントロール下でp53を発現する遺伝子ベクターを含む不死化細胞と一緒に増殖させる;そしてこの細胞培養物から生産されたウィルスを回収する。
本発明は更に不死化非形質転換細胞であって、メタロチオネインプロモーターのコントロール下にあるp53を含み、且つ当該細胞において組換タンパク質の発現を指令することのできる少なくとも一種のベクターを含む細胞にも関連する。一の態様において、当該細胞は組換タンパク質を発現し、そして別の態様において、当該ベクターは組換ウィルスの少なくとも一部をコードする。別の更なる態様において、当該ベクターはレトロウィルスベクターである。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の好適な態様において利用されるベクターpJFNIIの模式図である。
図2は本発明の好適な態様において利用されるベクターpJFNIIcMTDの模式図である。
発明の詳細な説明
一次細胞を再現よく不死化し、そして連続細胞系を作製する方法のニーズがある。ウィルス複製を支持する特性のよく決定された細胞系を作製する技術の開発は業者が一次細胞を反復製造するうえでの時間の節約を可能とし、且つ夾雑物及び卵のバッチ間で存在する不一致性に関する問題を回避する。ウィルス増殖のための規定の不死化細胞系は最終製品の品質管理試験に関わる費用を抑制する。
本発明は一次非げっ歯動物細胞、特に鳥類及びヒト細胞の、誘導性メタロチオネインプロモーターのコントロール下の組換p53を利用する不死化を開示する。これらの細胞はウィルスストックの増殖のため、ウィルスタンパク質の発現のため、及び組換ウィルスを製造するためのパッケージング細胞系として有用である。
一次細胞培養物はほとんどの場合完全組織から単離されたばかりの細胞から誘導される。これらの細胞は往々にして良好な無ウィルス材料の起源であり、そしてウィルス複製のための宿主細胞として良く適する。一次細胞はウィルスの複製において常に効率的であるものではなく、そして一次動物細胞は限られた培養寿命を示し、事実上老衰する。老衰では、細胞は分裂するのを止め、やがて死ぬ。培養において細胞が分裂する能力はいくつかのパラメーター、例えば細胞の起源の種及び細胞を培養する時の組織の年令に依存する。老衰にかかっている細胞は培養物の中に長時間維持されることができず、それ故ウィルスストックの増殖のための再現性ある宿主とはならない。一次細胞は一般に老衰に達するまでに23〜26継代される。本発明の細胞は好ましくはp53で約2〜約4回の継代にてトランスフェクションさせたものである。
本発明全体を通じて利用する不死化細胞とは培養物の中で25回より多くの継代にわたり増殖できる細胞を意味する。不死化細胞は形質転換細胞とは異なり、それが密度依存性増殖停止を示し、且つ正常な形態学を維持する点で形質転換細胞と区別される。不死化細胞とは対照的に、形質転換細胞はソフトアガーの中で増殖可能であり、そして実験動物の中に注射したときに通常腫瘍を形成することができる。
本発明の細胞は好ましくは一次細胞への誘導性メタロチオネインプロモーターのコントロール下にあるp53の導入により不死化される。核癌遺伝子p53は、p53遺伝子における突然変異が全ヒト癌の50%まで何らかの形で寄与しているという事実にある程度基づき、最もよく研究された腫瘍抑制遺伝子の一つである(Levineら、Nature 351:453-456, 1991)。p53は細胞性リンタンパク質であり、そして形質転換細胞の中に高レベルでよく存在している(De Leo, A.B.らProc. Natl. Acad. Sci. 76:2420-2424, 1979)。野生型p53は増殖抑制態様で機能するようであり(Michalovityら、Cell 62:671-680, 1990)、そしてp53は細胞をDNA損傷に対する応答において細胞周期チェックポイントにて停止させる(Kastanら、Cancer Res. 51:6304-6311, 1991)。このチェックポイント機能はp53の蓄積及びその後のGADD45(重要な切断修飾タンパク質),WAF1(p21)及びMDM2(これはp53と安定な複合体を形成する)遺伝子の誘導により実行される(Kastanら、Cell 71:587-597, 1992)。この理論はp53における突然変異が細胞不死化を供しうるという所見により裏付けされる。
幾つかの報告は、野生型分子を、サイクリンキナーゼの万能インヒビターを介する細胞分裂の阻害に結びつけている(即ち、Cip1:EL-DeiryらCell 75:817-825, 1993; WAF1:HarperらCell 75:805-816, 1993)。実験は、p53タンパク質が別のタンパク質p21の製造を刺激することを示している。p53は正常細胞においてはサイクリン依存性キナーゼ、サイクリン、増殖性細胞核抗原(PCNA)及びp21を含む四次複合体に関与する。形質転換細胞においては、p53機能の消失は多重タンパク質複合体からのp21及びPCNAの消失に結びつき、無秩序な増殖をもたらす突然変異に基づくようである。
p53における突然変異は細胞増殖の調節に関わっているが、細胞増殖のp53調節に関するその他のルートを推定するその他の論説がある(Milnerら、Cell Biol. Int. Rep. 4:663-667, 1980; Milnerら、112:785-788, 1981; MercerらProc. Natl. Acad. Sci. 79:6309-6312, 1982;及びMercerら、Molec. Cell. Biol. 4:276-281, 1984)。例えば、p53遺伝子における突然変異は、ストレス、老齢、電離照射線又は癌腫原に対する曝露の如き生理学的及び物理学的パラメーターに基づく細胞周期における臨界点の際に生ずる損傷を修復する細胞能力の無効に担いうる。
p53は細胞増殖を調節することで当業界において知られている。突然変異していないラットp53がげっ歯類細胞を不死化しうるといういくつかの証拠がある。Jenkinsらはラット軟骨細胞の不死化を、腫瘍原性ウィルス、例えばラウス肉腫ウィルス(RSV)及びシミアンウィルス40(SV40)の由来の構成プロモーターを使用した場合のみにおいて実証している(Jenkinsら、Nature 317; 816-818, 1985)。Eliyahnら(Nature 312; 646-649, 1984)及びParadaら(Nature 312; 649-651, 1984)もラット細胞を不死化できたが、彼らのデーターはJenkinsらと矛盾し、そしてp53構築体はp53遺伝子を単独でトランスフェクションさせたときは細胞を不死化しないが、細胞を癌遺伝子rasと一緒にトランスフェクションさせたときはp53構築体が形質転換フォーカスを形成することを示している。これらの細胞は形質転換細胞の特徴を有するが、それらの細胞は老衰し、そして形質転換の後比較的短時間で倍化を停止した。
Jenkins, Eliyahn及びParada(全て前掲)と異なり、Rovinski and Benchimol(Oncogene 2:445-452, 1988)はラットp53をその内因性プロモーターのコントロール下で利用するラット胚繊維芽細胞の不死化を実証した。Rovinskiにより発表された結果はラット細胞が不死化及び形質転換を容易に受け易いことで知られることを示唆するその他の研究により説明できる。これらの細胞はそれらが不死化及び形質転換刺激に対して極めて感受性となるよう何らかの態様で下準備されたものであると信じられている。げっ歯類繊維芽細胞が高頻度で自発的に不死化することを研究は再現よく実証している(Ponten, J. Virol. Monozr. 8:1, 1971;Ponten J., Biochim, Biophys. Acta 458:397, 1976;Todaro and Green J. Cell Biol. 17:299-313, 1963;Meekら、Exp. Cell Res. 107:277-284, 1977及びCuratoloら、In Vitro 20:597-601, 1984)。事実、Rovinski and Bechimol(前掲、p446)は彼らのラット胚繊維芽細胞コントロールが発現マーカー単独でトランスフェクションされ、そして約10%の自発性不死化頻度を存することに注目している。対照的に、Scienceの中の論文及びその他の研究は正常ドナーに由来する自発的に不死化するヒト又はヒヨコ繊維芽細胞の報告がないことを示唆している(Smithら、Science 273:63-67, 1996, Hayflick, Exp. Cell Res, 37:614-636, 1965及びSmithら、Adv. Concer Res. 54:63-77, 1990)。更に、ラット細胞は多種多様な内因性ウィルス、特に商業用ワクチン製造に適さないようにするレトロウィルスを担持する。
様々な哺乳動物から単離された幾多のp53遺伝子がある。例えば、ニワトリp53の配列(SEQ ID NO:1)はGenBankより受託番号X13057として入手でき、そしてSoussiらの論文において入手できる(Nucl. Acids Res. 16 (23):11383, 1988)。正常ヒトp53の配列はGenBankより受託番号W88747及びHSP53Gとして入手でき、そしてこのクローンはワシントン医科大学より公共的に入手できる。ヒトp53遺伝子はエクソン1〜11としてGenBank受託番号M22881〜M22884, M22887−M22888 M22894−M33898としても供与され、そしてBuchmanら(Gene 70 (2):245-252, 1988)により発表されている。ウマに由来するp53はGenBank受託番号U37120として入手でき、そしてアフリカグリーンモンキーからも入手できる(GenBank受託番号X16384)。リーサスザルp53はGenBank受託番号L20442として、ウシp53はX81704として(Dequiedt F.ら、DNA Seq. 5 (4):261-64, 1995)として、ネコp53はGenBank受託番号D26608として(Okuda M.ら、Int. J. Cancer 58 (4):602-7, 1994)入手できる。その他の配列及びそれらの配列の利用に触れている公開物はGenBank等のいくつかの遺伝子データーベースより入手できる。当業者は当業界公知のp53についての遺伝子配列を得るために容易に論文又は遺伝子データーベースを入手できる。
メタロチオネインプロモーターはいくつかの金属結合領域を有し、そしてメタロチオネインプロモーターにより制御される遺伝子の発現はCd++, Cu++及びZn++により誘導されうる。このプロモーターは金属調節因子並びにSPI及びMLTF等の転写因子のためのいくつかの多重潜在結合部位を含む。プロモーター領域及びプロモーター中のその他の特定された領域内の金属応答性要素がMuellerら(Genes & Development 4:412-426, 1988)及びLeeら(Nature 325:368-372, 1987)により詳細に論じられている。
p53をコードする遺伝子と同様に、当業界において公知の様々な種に由来するいくつかのメタロチオネイン遺伝子がある。例えば、ニワトリに由来するメタロチオネインプロモーターの配列はFernandoらの論文(Gene 8:177-183, 1989)において入手できる。このプロモーター領域はメタロチオネインプロモーターの発表された特徴(Muellerら前掲、及びLeeら前掲)に基づき当業界において入手できる発表されたいくつかのメタロチオネイン遺伝子配列のうちのメタロチオネイン遺伝子配列から同定できる。ヒトメタロチオネインプロモーター遺伝子の配列はGenBankよりW68639, W65607, V00594として入手できる(Stennardら、Biochim. Biophys. Acta 1218 (3):357-365, 1994;RichardsらCell 37 (1):263-272, 1984及びKarinらNucl. Acids Res. 10 (10):3165-3173, 1982も参照)。ヒツジのメタロチオネインプロモーターはGenBankから受託番号X04626として入手できる(Petersonら、Eur. J. Biochem. 160 (3):579-585, 1986)。その他の配列及び当該配列の利用について言及している公開物はいくつかの遺伝子データベース、例えばGenBank, GenEMBL等から入手できる。当業者は当業界において周知のメタロチオネインプロモーターについての遺伝子配列を得るための論文又は遺伝子データーベースを容易に入手できるであろう。
本発明の細胞は細胞へのp53をコードする核酸の導入を介して不死化されたものであり、ここでp53をコードする核酸はメタロチオネインプロモーターのコントロール下にあり、即ち、当該メタロチオネインプロモーターはp53をコードする核酸に作用可能式に連結されている。本発明の好適な態様において、メタロチオネインプロモーターのコントロール下にあるp53を発現ベクターの中で細胞に導入する。様々な商業的に入手できる発現ベクターがあり、そして当業者は非げっ歯類動物細胞においてp53を発現させるのに様々なベクターを利用できうることを容易に理解することができるであろう。この発現ベクターは原核細胞におけるベクターの複製、ベクターの選別、その他の遺伝子配列の組込みを促進する、又はその他の調節配列の追加を介して遺伝子発現を促進する様々なその他の特徴も含みうる。これらの特徴の例には、限定することなく、細菌複製起点、抗生物質耐性を授ける遺伝子、その他の選択マーカー、例えば限定することなくβ−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ等、エンハンサー配列、多重クローニング部位、等の包含が挙げられる。
実施例1はメタロチオネインプロモーターの同定を、当該プロモーター及びp53の発現ベクターへの組込みと一緒に詳細する。好ましくは、このメタロチオネインプロモーター及びp53遺伝子は同一の種に由来する。メタロチオネインプロモーターのコントロール下にあるp53の構築体を細胞の中に導入した。好ましくは、当該細胞は一次細胞であり、そしてこの開示において利用する一次細胞は好ましくは培養物の中で1〜10回にわたり継代及び/又は2ヶ月以内の期間存在していた細胞をいう。
一次細胞は一般に培養物の中での有限な増殖能力を有する細胞として特性決定されている。一次細胞は完全組織から単離され、そして培養物の中に入れられた細胞をいう。これらの細胞は様々な哺乳動物の種由来の任意の幾多の組織から得られうる。ヒト生検、イヌ、ウマ、ブタ、ニワトリ、ウシ由来の組織サンプル、胚組織等をミンチにかけ、トリプシンで消化し、そしてトランスフェクションのために単離され、懸濁状態の単一細胞、又は単層培養物、又は小さいがインタクトな組織サンプルであってよい。トランスフェクションに適切である単離された細胞には繊維芽細胞、筋細胞、上皮細胞、内皮細胞、等が挙げられる。当業者は様々な組織サンプルから様々な細胞を獲得及び単離するための周知の方法があること、そしてこれらの方法はめんどう実験なしで実施できうることを認識しているであろう。実施例2は皮膚、心筋及び胸筋に由来する細胞等の鶏胚組織から細胞を単離するための方法を開示する。
核酸配列の発現を指令することのできるベクターを導入する又は細胞に核酸フラグメントを導入するための当業界公知の幾多の方法がある。これらの方法には、限定することなく、CaPO4沈殿、エレクトロポレーション、リポフェクチントランスフェクション技術、ポリアミントランスフェクション技術、及びウィルス粒子によるトランスフェクションが挙げられる。実施例3はリポフェクタミンを利用して真核細胞に本発明のp53/メタロチオネイン核酸フラグメントを導入するための方法を提供する。様々な方法を利用して核酸フラグメントが真核細胞の中に組込まれるようにする様々な市販のキットが入手できる。従って、メタロチオネインプロモーターのコントロール下にあるp53をコードする核酸の導入のその方法は本発明の範囲を確定すべきものではない。
トランスフェクションを経て、本発明の細胞を、必要ならばトランスフェクションされた核酸フラグメントを含むクローンを同定するために選択増殖圧のもとで増殖及び拡増させる。細胞を必須陽イオンで処理し、メタロチオネインプロモーターからの発現を促進させる。実施例3はメタロチオネインプロモーターを誘導するためにZnSO4を利用する。培養物中の細胞のフォーカスを選択し、そして増殖させる。フォーカスとは周囲の細胞とは異なる特徴を有する細胞クラスターを意味する。本発明において、メタロチオネインプロモーターのコントロール下でp53をコードする核酸フラグメントにより不死化された細胞はその不死化されていない対応物よりも迅速に増殖する。この不死化された細胞はより迅速に増殖し、そして一次培養単層上でクラスターを形成する。これらのクラスターはクローニングリングを利用して単離でき、そして培養物の中で増殖できうる。
これらの細胞は、細胞にp53/メタロチオネイン含有構築体を導入してから約25回の組織培養継代を経たとき、且つ1日当り約0.6以上集団倍化するとき、そして好ましくは1日当り約0.6〜約1.5集団倍化するとき、不死化されたものと考える。これらの細胞は正常な形態を保ち、そして密度依存性及び/又は接触阻止型増殖を示した。ニワトリからの3つの組織に由来する細胞を本発明の方法により不死化されるその能力について分析した。実施例5に示すように、心筋細胞、胸筋細胞及び皮膚細胞からいくつかのクローンが同定された。
本発明の不死化細胞はウィルス夾雑物並びにその他の組織培養夾雑物、例えば低レベル細菌夾雑物、マイクロプラズマ等について検査すべきである。これらの細胞をレトロウィルス感染、鳥類インフレンザ(A型)、鳥類レオウィルス、鳥類アデノウィルス(I〜III族)、鳥類脳髄炎ウィルス、フォウルポックス、ニューキャッスル病ウィルス、パラミキソウィルス(2型)、並びにマイクロプラズマ、サルモネラ及びその他の夾雑物、例えば9 C.F.R.§113及びそのサブセクションに記載のものの証拠について検査されうる。
これらの細胞は夾雑核酸フラグメントを同定するためにポリメラーゼ連鎖反応を利用して多種多様なウィルス性夾雑物について検査されうる。本発明の細胞が夾雑ウィルスを含むかどうかを調べるために利用することのできる様々なウィルスのための様々な市販の検査キットがある。同様に、ウィルス性抗原を検出するための商業的に有用な検査があり、それにおいては抗原は多種多様なウィルスに由来する。これらの検査にはELISAアッセイ、イムノフルオレセントアッセイ等が挙げられる。これらのアッセイは全て周知であり、そして日常の実験技術が包括される。実施例4は本発明の細胞が逆転写酵素ネガティブであるかどうかを決定するための方法を提供する。メタロチオネインプロモーターのコントロール下にあるp53を含む不死化細胞における逆転写酵素活性の証拠はレトロウィルス夾雑の証拠である。
これらの細胞をその腫瘍原潜在性についても検査する。本発明の細胞は好ましくは腫瘍原性でない。細胞の集団が腫瘍原性であるかどうかを決定するための検査は当業界において公知である。実施例6はソフトアガーにおける本発明の不死化細胞の増殖を評価するための方法を提供し、そして実施例7は本発明の細胞が受容動物において腫瘍を誘導できるかどうかを調べるために本発明の細胞にとって好適な種である動物に本発明の細胞を導入するための方法を提供する。メタロチオネインプロモーターのコントロール下にあるp53をコードする核酸を含むヒト細胞の腫瘍原潜在性を検査するため、これらの細胞はソフトアガーの中での増殖について検査され、そしてヌードマウス又は再構築したヒト免疫系を有するマウスもしくはその他の実験動物における増殖について検査されることができる。
本発明の一の観点において、当該細胞はウィルスの増殖のために有用である。本発明の細胞は実施例8において実証される通り、レオウィルス感染症、七面鳥ヘルペスウィルス(HVT)及びMarek病ウィルスを支持する。鶏組織に由来する本発明の細胞は感染性Bursal病ウィルス、感染性気管支炎ウィルス、Newcastle病ウィルス、感染性口喉頭気管炎ウィルス、様々なアテソウィルス、例えばIII型アテソウィルス、シルコドナビリダ(Circodnavirideae)、ニワトリHSV、フォウル・ポックス・ウィルス等のための宿主をも担いうる。数多くのヒト及び動物ウィルス、例えば限定することなくラピエスウィルス、イヌパルボウィルス、ネコ汎白血病ウィルス、カリチウィルス、肝炎ウィルス、インフレンザウィルス、水痘−帯状疱疹ウィルス等は胚含有卵及びその他のウィルス宿主の中で増殖する。これらのウィルスは本発明の不死化細胞の中で増殖するその能力についても試験できうる。
ウィルスストックを製造するため、本発明の細胞を組織培養フラスコ、ローラーボトル、スピンカルチャー又は中空ファイバー反応器の中に播種することができる。ローラーボトルウィルス繁殖のためには、これらの細胞は約2〜5×104個の細胞/cm2表面積で播種する。ウィルスストック増殖を開始させるための感染多重度(感染性ウィルス粒子、対、細胞の比)はウィルス株に依存して変わるであろう。ウィルス原の当業者並びに特定のウィルス及びウィルス株の増殖における当業者は感染多重度、温度、培地バリエーション等の標準的な操作を介し、めんどうな実験をすることなくウィルスストックを最大にすることができるであろう。
感染性ウィルスストックを得るために感染後にウィルスを収穫するための方法もウィルス株で変動する。エンベロープ付ウィルスはエンベローブのないウィルスよりもゆっくりと培養培地の外へと出ていく。ウィルスのストックは培養培地のみから、又はコンディショニングした培地と共にプールした細胞リゼートから得られる。溶解ウィルス(ウィルスが出ていく際に効率的に細胞を溶解するもの)に関し、細胞塊を除去するには、軽い遠心段階後のコンディショニング培養培地(例えば、ウィルスを含む消費培地)の回収で十分である。ここでも、多種多様なウィルス株からのウィルスの回収及び保存のための方法は当業界において周知である。
当業界において公知の通り、細胞の培養物からウィルス増殖を定量するための様々な方法がある。例えば、ヘルペスウィルス科の構成員及び細胞単層表層上に細胞病理学フォーカスを生み出す様々なウィルスのウィルスストック力価はプラークアッセイにより(プラーク形成単位/ml培養流体として又はプラーク形成単位/ワクチン接種物のウィルス量の用量)又は組織培養感染用量−50(TCID50)として容易に定量される。迅速溶解ウィルスは規定時間において培養物の50%に感染することができるウィルスストックの用量又は希釈率としてTCID50により一層良く定量される。ウィルスを増殖及び定量するための方法は当業界において公知であり、そしてウィルス定量方法を教示するソースはFieldsら(編)Fundamental Virology 1991, Raven Press, New York又はMandellら(編)Principles and Practice of Infectious Diseases, 1985, John Wiley & Sons, New Yorkに見い出せる。
本発明の細胞は組換タンパク質、例えばウィルスタンパク質等を製造するためにも有用である。組換タンパク質をコードする核酸を真核細胞、例えば本発明の不死化細胞においてタンパク質の発現を指令することのできる調節要素のコントロール下で核酸配列の中に組込むための方法は当業界において周知である。発現ベクターは組換タンパク質の発現を指令することのできる複製可能な核酸フラグメントである。レトロウィルスベクターを含む多くの発現ベクターが学会誌及び商業供給者を介して当業界において入手できる。複製可能な発現ベクター成分には一般に、限定することなく、下記の1又は複数のものが挙げられる:複製起点、1又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサー要素、プロモーター要素、任意的なシグナル配列及び転写終止配列。選択又はマーカー遺伝子は形質転換又はトランスフェクション細胞の集団の同定を担うタンパク質をコードする。典型的な選択遺伝子は抗生物質もしくはその他の毒素に対する耐性を供する、栄養要求性欠陥を相補する又は複合培地からは得られない必須栄養素を供給するタンパク質をコードする。
組換タンパク質をコードする核酸を有する発現ベクターを細胞の中にトランスフェクションし、そして本発明の不死化細胞における組換タンパク質の発現を指令するのに利用される。このベクターは好ましくは鶏胚繊維芽細胞の中で発現できる任意の組換タンパク質、例えば限定することなく、ウィルスタンパク質、例えば逆転写酵素及び/又はウィルス構造タンパク質をコードしうる。細胞の中で組換タンパク質を製造するためのベクターの例には腫瘍抑制タンパク質、又はウィルス構造タンパク質、例えばGivolらOncogene 11(12):2609-2618, 1995、Givol,らCell Growth & Differentiation 5(4):419-429, 1994、Akiyama,らVirology 203(2):211-220, 1994及びBoyer,らOncogene 20:457-66, 1993により開示のものが挙げられる。
本発明の細胞は組換ウィルス、例えば限定することなく組換レトロウィルスを発現する基材を担いうる。本発明の細胞は遺伝子治療等のために有用な遺伝子的に操作されたウィルスのためのパッケージング細胞系を担いうる。パッケージング細胞系として特定の細胞系を利用するための構築体及び方法は当業界において公知である。例えば、Boerkoelら(Virology 195(2):669-79, 1993)はパッケージング細胞系として一次鶏胚繊維芽細胞を利用してウィルスをパッケージングするための方法を開示する。これらと同じ方法を本発明の不死化細胞の中でウィルスをパッケージングするのに利用できうる。
ほとんどの鳥類細胞系及び全ての形質転換鳥類細胞、並びに事実上全てのげっ歯類形質転換細胞系はウィルス夾雑物、例えば内因性ウィルスを含むか又はウィルスタンパク質を産生するため、それらはヒト又は動物ワクチンの製造に適さない。これらの細胞は組換タンパク質を製造するために利用することはできず、なぜなら内因性夾雑物は精製組換タンパク質調製品を汚染しうるからである。好都合には、本発明の細胞はこのような問題の適当な代替物を供する。
本発明の細胞はその他の細胞からのウィルス増殖を支持する基材をも担うことができる。このようなその他の細胞には一次細胞又は培養細胞であって、他の細胞の存在下、又は細胞外マトリックスタンパク質、例えばコラーゲン、ラミニン等の存在下で培養物の中で向上した増殖又は寿命を示すものが挙げられる。一の態様において、細胞をウィルスと混合し、次いで本発明の細胞と好ましくは細胞:本発明の細胞の比において1:5の細胞〜約1:20の細胞、そしてより好ましくは約1:10(1個の細胞、対、10個の本発明の細胞)の比で混合する。この混合細胞を培養物の中に入れる。第二の態様において、これらの細胞をウィルスと混合し、そして組織培養表層に既に付着している本発明の不死化細胞の表層上にプレーティングする。本発明の細胞はその他の細胞のための支持体を担い、そして本発明の範囲を限定することなく、本発明の細胞は増殖因子等、並びに細胞外マトリックス成分等を、他の細胞を支持しながらそれらがウィルスを産生するように供給することができる。実施例9は細胞基材としての本発明の細胞の利用例を供する。
本明細書において引用する文献は全て本明細書に組入れている。本発明の特定の態様を詳細に論じてきたが、本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更、改良等を本発明に施すことができる。
実施例1
典型的なp53発現ベクターの調製
プラスミドpJFNII(5436bp)をpBluescript SK-ベクター(Stratagene, LeJolla, (A)で出発して構築した。多重クローニング部位及びLacZ遺伝子をPvu IIを用いて除去した。2513bpベクターフラグメントを牛小腸アルカリホスファターゼで処理した。次いでそのフラグメントをEDTAで処理し、65℃でインキュベーションし、そしてフェノール/クロロホルムで抽出し、次いでエタノール沈殿にかけた。プラスミドpRSVneo(Gorman, C.らScience 221:551-553, 1983)をBamHI及びNdeIで消化した。このフラグメントをDNAポリメラーゼのクレノウフラグメント(Stratagene, LaJolla, CA)で処理し、そして2513bpのベクターフラグメントでブラント末端ライゲーションさせた。このクローンの単離後、このベクターをEcoRIで消化し、クレノウフラグメントで処理し、そして再ライゲーションさせた。この消化はプロモーター領域からEcoRI部位を除去した。このプラスミドをpJFNIIと命名した(図1参照)。
pJFNIIをBamHIにより、ネオマイシン耐性をコードする遺伝子により利用されるSV40ポリアヂニル化シグナルから約1000bp下流にあるベクター部位において切断した。鶏メタロチオネインプロモーターはPCRを利用して得た。以下のプライマーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に用い、メタロチオネインプロモーターを得た:
左プライマー:
Figure 0003833714
右プライマー:
Figure 0003833714
これらの実験において、PCR反応のための鋳型はプラスミドpCBcMTlacZとした。プラスミドpCBcMtlacZ中の鶏メタロチオネイン誘導性プロモーター(Fernando and Andres, Gene 81:177-183, 1989)をAnn Gibbins博士(Guelph大学、Guelf, Ontario, Canada)より入手した。当業者はこのプロモーターが、ニワトリを含むその他の種からプロモーターを得るための遺伝子発現ライブラリーからも同定されうることを理解しているであろう。プライマーは#IDT(Coralville, IA)より購入した。左及び右プライマー共にBal II部位を含むようにデザインした。これらのプライマーを利用する増幅はSEQ ID NO:2に対応する核酸フラグメント内に含まれるメタロチオネインプロモーターを作製した。
好適な鶏メタロチオネインプロモーター配列(SEQ ID NO:2)は以下の通りである
Figure 0003833714
このプロモーターは3つの主要金属調節要素、GC−ボックス領域及びTATAボックスを含む。金属調節要素は金属に結合し、そして下流に位置する鶏メタロチオネイン遺伝子を誘導する。左及び右プライマーに由来するBalI末端の組込まれた増幅メタロチオネインフラグメントをBamHIを用いてpJFNIIにライゲーションさせた。このライゲーションから同定されたベクタークローンをネオマイシン耐性を供するその能力について選定した。このクローンをpJFNIIcMTDと命名し、そして約6088bpであった。このベクターはEcoRI, EcoRV及びXhoIを含む多重クローニング部位を含んだ。右プライマー内のポリアデニル化シグナルはこのシグナルを欠くDNA配列の効率的な発現を可能にする。
T.Soussi(Gen Bank受託番号#X13057)由来のEcoRIインサートとして供された鶏p53 cDNA(SEQ ID NO:1)をpJFNIIcMTDの中に多重クローニング部位におけるEcoRIエンドヌクレアーゼ制限部位において組込んだ。このcDNA配列(Soussiら、Nud. Acids Res. 16:11383, 1988)は64bpの5’非翻訳領域(UTR)、367個のアミノ酸のp53分子をコードする1101bpのオープンリーティングフレーム、390 3'UTR及び小ポリ−Aテールを含む。鶏p53はヒト相同体に対して約47%の相同性を有する。EcoRI接着末端を含む1555bpの鶏p53cDNAを得、そしてcMT(メタロチオネイン)/SK+構築体をEcoRIで消化した。鶏p53cDNAインサートをEcoRI部位の中にライゲーションさせた。フォワード(センス)方向にp53インサートを含むクローンを同定した。この構築体をコンピテントE.コリ(E.coli)XL-1 Blue cells (Stratagene)の中にトランスフェクションさせ、そしてアンピシリン入りLB培地の中で一夜増殖させた。プラスミドをSambrookらのmaxi−プラスミド調製品(Molecular Cloning, A Loboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor, NY, 1989)により単離した。プラスミドDNAはトランスフェクションの前にCsCl2遠心により2回精製しておいた。
実施例2
インタクト組織からの一次細胞の単離
胚SPAFAS系鶏胚(HyVac, Abel, IA)をこれらの実験のための一次細胞の起源とした。これらの卵及びその産卵鶏は供給者により、鳥類インフレンザ(A型)、鳥類レオウィルス、鳥類アデノウィルス(I〜III族)、鳥類脳脊髄炎ウィルス、フォウル・ポックス、ニューキャッスル病ウィルス、パラミキソウィルス(2型)、マイクロプラスマ、サルモネラ及びその他の家禽ストックに感染することで知られる感染因子について陰性であることが承認されている。受精卵を無菌隔離インキュベーターの中でインキュベーションし、そして10日目及び19日目の胚を処理して一次培養物を樹立した。
3個の10日目のSPAFAS胚を心臓、肝臓、皮膚及び筋肉(胸及び大腿)から細胞を得るために用いた。19日目の胚も一次皮膚培養物を樹立するために用いた。胚組織をトリプシン/EDTA溶液を用いて解離し、そして10%の胎児牛血清(Gibco)、1%の抗生物質/抗真菌物質(Gibco)及び2mMのL−グルタミン(Gibco)を含むDMEM培地(GIBCO)の中にプレーティングした。この解離細胞懸濁物を10%の胎児牛血清を含む50mLの遠沈管に集め、トリプシンを不活性させ、そして700xgで10分遠心分離した。
細胞を36μg/mlのインスリン(Sigma)、1.6μg/mlのトランスフェリン(Sigma, St. Louis, MO)、2mMのL−グルタミン、10%の胎児牛血清、1%の抗生物質/抗真菌物質溶液の入った10mlのダルベッコ改良イーグル培地の中に再懸濁し、そして4〜5枚の100mm2皿に約1×106細胞/皿で分注し、そして5%のCO2、95%の大気の中で40.5℃でインキュベーションした。2時間のインキュベーション後、培地を変換した。
培養物を集密となるまで増殖させ(5日)、そしてプレートからトリプシン/EDTA溶液(PBS中の0.05%のトリプシン及び0.02%のエチレンジアミン四酢酸(EDTA))を用いて除去し、そして2回目の継代のために再プレーティングした。細胞ストックを液体窒素の中で保存した。
実施例3
細胞へのp53/メタロチオネインプロモーター構築体のトランスフェクションELL-O 19日目胚由来の一次鶏皮細胞を第一から第二継代において形質転換させた。細胞を100mm2の皿の中の10%の承認済胎児牛血清、1.0μg/mlのトランスフェリン(Sigma, St. Louis, MO)、36μg/mlのインスリン(Sigma)及び抗生物質の入った高グルコースDMEMの中で5×105細胞の密度でプレーティングした。細胞を一夜増殖させた培養物を安定にし、そして翌日に9mlの培地を再供給し、パッケージ仕様を利用してリポフェクタミン・トランジットII(Pan Vera Corporation, Madison, WI)を用いてトランスフェクションさせた。各トランスフェクションは10μgの精製p53構築体を利用した。細胞を5hトランスフェクションし、そして培地を600μg/mlの選択性抗生物質G418(Sigma, St. Louis, MO)を用いて交換した。トランスフェクションした細胞を選択培地の中でフォーカスが展開されるまで(通常4〜10日)継代し、そしてこのフォーカスをクローン選択し、そして繁殖させた。
細胞を2〜3継代にわたり増殖させ、G418(600μg/ml)耐性細胞(約103〜104)のフォーカスを作製した。細胞はp53発現の作用に基づくプレーティング密度の影響を回避するため、5×105細胞/100mm2皿にて必要時に最初に分割した。非トランスフェクションコントロール細胞はコントロールプラスミドで模擬トランスフェクションした。コントロール細胞は老衰し、そして12回の継代により死んだ。細胞を50mMのZnSO4選択培地の中で2週間、安定的にトランスフェクションされた細胞が繁殖し始めるまで増殖させた。いくつかのコントロール培養皿には硫酸亜鉛を与えなかった(メタロチオネインプロモーターの誘導なし)。再供給を施して2週間後(トランスフェクション後4週間)、それらは周囲の古く見える細胞よりも速く増殖する点で表現的に異なる細胞フォーカスが出現した。更なる再供給後、トランスフェクション皮膚細胞のフォーカスのうちの一つは急速増殖細胞を示した。約5×104細胞/フォーカスをクローニングリングを用いて培養プレートから取り出した。これらの細胞を6穴プレートに移した。亜鉛の存在下で増殖させたほぼ集密細胞の皿2枚を50mMの亜鉛を添加した2×105細胞/皿にて6枚皿に分けた。この皮膚細胞を亜鉛の存在下で1×105細胞/cm2において3〜4日毎に17回の継代まで繁殖させた。ほぼ20〜22回の継代で集団倍化が落ち、そしてその後1日当り約0.7〜約1.0の集団倍化にまで上昇して戻った。細胞のフォーカスは10日目の鶏胚から単離したトランスフェクション皮膚細胞からも得られた。この実験の結果は驚くべきことであり、なぜならp53は論文の中で腫瘍原の抑制因子として、及び増殖調節因子としてよく知られているからである。皮膚細胞のデュプリケート培養物をアンチセンスp53遺伝子フラグメントを含む同一の構築体でトランスフェクションした。この構築体でトランスフェクションした細胞は不死化されなかった。
一次心筋及び胸筋細胞に関して、凍結培養物を融解し、そして継代した。各細胞タイプの8×106個の細胞(40〜70%の集密度)をポリアミン化合物、リポフェクタミントランジットII(Pan Vera Corporation, Madison, WI)と共にセンスp53構築体により2回目の継代にてトランスフェクションした。非トランスフェクション細胞を陽性増殖コントロール及び陰性細胞死コントロール(G418添加した培養物)として保った。トランスフェクションのため、2〜12ml/mgのDNAを100mlの無血清培地(RPMI 1640, Life Technology)の中に滴下した。この混合物を軽く混合し、そして室温で15分インキュベーションした。1〜3μgのDNAを製造業者により供給されたトランジットII試薬の中に希釈し、そして6時間インキュベーションした。細胞を洗浄し、そして再供給を施した。24hの回収時間の後、心臓及び胸細胞を4枚の皿にそれぞれ3×105細胞で分け、そしてG418選択及び亜鉛誘導にかけた。細胞のフォーカスが検査培養物の中で同定された。50μMの亜鉛を与えたコントロール皿からはフォーカスは得られなかった。
実施例4
ウィルス夾雑についてのp53構築体含有細胞の検査
これらの細胞を逆転写酵素活性について検査した。急速増殖培養物由来の1×106個の細胞を4mlの培地において単離した。この培地を−80℃での数回の凍結融解にかけ、細胞を溶解させた。溶解細胞を有する培地を10%のグリセロール勾配の上に積層した。この勾配物をSW40ローター(Bechman Instruments, Pal Alto, CA)を用い40,000rpmで60分遠心した。存在するなら、ウィルス粒子はペレット化した。培地を捨て、そしてペレットを20μlのNonidet P-40(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)の中に再懸濁させた。
エッペンドルフチューブを41℃に加熱した。5μlのサンプルを45mMのトリス、pH7.8、2mMの2−βメルカプトエタノール、2mMの酢酸(第一)マンガン、0.1%のTriton X-100、10μMづつのdATP, dCTP, dGTP(Boehringer Mannheim Biochemical, Indianapolis, IN), 2.4μgのポリA(Sigma)、60ngのプライマーdT 12-19(Pharmacia)、0.4μCi/反応の3Hチミジンミリン酸(15,000〜28,000cpm/pmole活性、Amersham)を含む45μlの逆転写酵素、カクテルに加えた。
この反応体を41℃で1時間インキュベーションした。陰性コントロールは5μlのddH2O及び45μlのカクテルを使用した。2つの既知の陽性コントロールをこのアッセイに含ませた。アッセイは1mlの10%のトリクロロ酢酸(TCA, Columbus Chemical Industries, Inc., Columbus WI)の添加により停止させた。この混合物をWhatman GF/Cガラス0.45ミクロンプレフィルターで濾過した。5%のTCAを用いて数回の洗浄を実施した。フィルターを5mlのシンチレーション計測液を含むシンチレーションバイアルに移した。サンプルを050〜600ウィンドー設定値を用いてBeckman Instruments Scintillationカウンターで計測した。カクテルバックグランドよりも3倍の計測値の上昇を陽性と考えた。
一次培養物は本発明において用いた他の細胞と同じように陰性と検査された。逆転写酵素アッセイについての更なる情報はCrittenden 3, Virology 57:128-138, 1974を参照のこと。
実施例5
不死化細胞の同定
細胞は、細胞へのp53/メタロチオネイン含有構築体の導入を経て、且つ1日当り約0.6〜約1.5集団倍化されたときに組織培養物において約25回より多く継代されたときに不死と決定した。この速度を、約0.1〜約0.2集団倍化/日の集団倍化速度を有する後期未処理(即ち、p53/メタロチオネインプロモーター構築体を与えていない細胞)コントロールと比較した。p53/メタロチオネインプロモーターを受容した皮膚細胞は現状、細胞への遺伝子構築体の導入を経て継代70となっている。20より多くの不死化クローンがトランスフェクション手順において同定された。これらの細胞は形態学的に正常であり、そして接触阻害された。胸筋細胞は現状継代52となっており、形態学的に正常であり、接触阻害増殖を示し、そして現状約0.72の集団倍化速度を有する。13個のクローンを分析のために選んだ。心臓細胞は現状継代20となっており、形態学的に正常であり、接触阻害され、そして0.6の平均集団倍化速度を有する。いくつかのクローンは約0.8〜1.1の集団倍化速度を有する。10より多くのクローンを更なる研究のために選別した。
実施例6
細胞の腫瘍原潜在性を評価するためのソフトアガロースコロニー形成アッセイ
腫瘍原潜在性について検査するため、p53/メタロチオネインプロモータートランスフェクション細胞をソフトアガーの中での増殖について検査した。ソフトアガロースベースを、21.6mlの濃厚McCoy's 5A培地[BRL/Gibco;120mlの胎児牛血清(熱不活性化)、5mlのNaピルベート(2.2%ストック)、1mlのL−セリン(21mg/mlストック)、5mlのL−グルタミン(200mMストック)、12.5mlのHepes(1Mストック)]、5.9mlのアスパラギン(4.4mg/mlの無菌濾過ストック)の中で12mlの2%のアガロース溶液(オートクレーブにかけ、56℃に冷やしたもの)を混合することにより作った。7mlの温暖培地/アガロースを100mm2の組織培養皿に注ぎ、そして組織培養フッドの中で1hrかけて室温で固化させた。
活発に増殖する(約40〜約70%の集密度の)培養物から細胞をトリプシン処理により除去し、10%の胎児牛血清(L−グルタミン及び抗生物質−抗真菌物質入り)を含む新鮮DMEM培地中の単一細胞懸濁物を得た。約1×106個の細胞と10%の胎児牛血清、0.75mlの1%のアガロース及び50μlの2β−メルカプトエタノールを含む4.2mlのDMEM培地に加えた。温暖培地/アガロースは細胞に添加される前に確実に42℃である注意が要される。すばやく、5mlの上記細胞懸濁物をアガロースプレートの上に積層した。
細胞を5%のCO2及び95%の大気インキュベーターの中で37℃で増殖させ、そして35日間観察した。プレートを2重で3p−ニトロフェニル−5−フェニルテトラゾリウムクロリド(INT染料)で染色し、そしてコロニー形成及び増殖について0.5, 10, 15, 20, 30及び35日目に検査した。60μmより大きい染色されたコロニーを全て陽性と考えた。
全ての細胞が陰性と検査された。ソフトアガーアッセイについての更なる情報はHamburgerら、Prog. Clin. Biol. Res. 48:p43, 135, 179, 1980から得られる。
実施例7
不死化細胞の腫瘍原性
ミネソタ大学の動物使用プロトコール(プロトコール#950300−1、1995年3月〜1996年12月)に慨略してある指針に従い、細胞を試験動物に注射し、細胞が腫瘍原性であるか否かを調べた。鶏メタロチオネインプロモーターのコントロール下にある鶏p53の腫瘍原潜在性を検査するため、当該不死化細胞をニワトリに注射した。
活発に増殖する細胞を細胞培養プレートから除去し、そして6羽のSPAFAS系成鶏に注射した。4×106個の細胞の皮下注射をニワトリの翼甲羽に与えた。注射箇所を3.5ヶ月間毎週検査した。今日までに作製したどのトランスフェクション細胞(皮膚、心臓及び筋肉)についても注射箇所において腫瘍は観察されず、そして動物は全て健康を維持した。
実施例8
p53/メタロチオネイン細胞系におけるウィルス繁殖
これらの細胞をウィルス生産を支持するその能力について検査した。p53/メタロチオネインプロモーター構築体を含む2.5×108個の細胞を8.2TCID50/mlの力価を有するレオウィルスのWSS-Reo 1733株で感染させた。細胞は0.005, 0.001又は0.0005感染性ウィルス粒子/細胞の感染多重度で感染された。感染細胞をローラーボトルの中で増殖させ、そして注射の48, 64及び72時間後に検査し、そして多量のウィルス増殖が示された。
細胞をローラーボトルの中に2.0×104細胞/mlで播種した。このローラーボトルを37℃で8日間、0.4〜0.5RPMに設定したローラーラックの上でインキュベーションした。細胞を七面鳥ヘルペスウィルス(HVTウィルス、株R2/23)で感染させた。細胞はローラーボトルの中に約1.33×107個の細胞があるとき、0.001の感染多重度で感染させた。細胞は単層の約40%が感染に関係する細胞病理の徴候を有するとき、約90〜約96時間において回収した。細胞を10%のヒクロンγ照射FBS、2.5g/LのTPB、2mMのL−グルタミン、100U/mlのペニシリン、0.10mg/mlのストレプトマイシン、0.25mg/mlのアンホテリシンB、1.6mg/Lのインスリン及び1.6mg/Lのトランスフェリンを含むDMEMの中で増殖及び維持した。当初の研究は細胞が約1.4×104pfu/mlを供することを実証した。
細胞はMarek病ウィルス複製を支持することができた。
実施例9
細胞基材としてのトランスフェクション皮膚細胞の利用
本発明の細胞は一次細胞のウィルス複製を支持するための基材として有用である。これらの実験において、p53不死化皮膚細胞を一次細胞と混合した。一の研究において、一次細胞を感染させ、そして当該不死化細胞と混合し、そして培養物の中に入れる。別の研究においては、一次細胞を感染させ、そして不死化細胞の上に載せる。この場合、不死化細胞は組織培養フラスコの中に菌叢として既に配置されている。一の例において、ウィルスはエラグ・ドロップ・シンドローム・ウィルスであり、そして一次細胞は一次鶏胚肝細胞である。二の例においては、一次細胞が内皮細胞、好ましくは腎内皮細胞であり、そしてウィルスは感染性気管支炎ウィルスである。一次細胞、対、不死化細胞の好適な比は約1:5〜約1:20であり、そしてより好ましくは約1:10である。混合細胞集団の中で増殖する一次細胞のウィルス力価は培養物中の単独の一次細胞の力価より高い。不死化細胞は一次細胞が商業的条件下でのウィルス繁殖に利用されることを可能にする。
本発明は特定の態様に限定されるものではない。

Claims (16)

  1. 一次鳥類細胞を不死化するための方法であって、下記の工程:p53をコードする核酸を、p53の発現を指令することのできる遺伝子ベクターの中にメタロチオネインプロモーターのコントロール下となるように配置する;
    当該遺伝子ベクターを一次鳥類細胞に導入する;そして1日当り0.6〜1.5集団倍化の集団倍化時間を有する細胞フォーカスを選択する、ここで当該細胞は逆転写酵素陰性であり、且つ非腫瘍原性である;
    を含んで成る方法。
  2. 前記細胞が皮膚細胞である、請求項1記載の方法。
  3. 前記細胞が胸筋細胞である、請求項1記載の方法。
  4. 前記細胞が心筋細胞である、請求項1記載の方法。
  5. メタロチオネインプロモーターのコントロール下でp53の発現を指令することのできる遺伝子ベクターを含む不死化鳥類細胞。
  6. 前記細胞が繊維芽細胞である、請求項5記載の細胞。
  7. ウィルスを繁殖するための方法であって、下記の工程:
    少なくとも一種の感染性ウィルス粒子を少なくとも一種の不死化鳥類細胞培養物と接触させる、ここで当該培養物の鳥類細胞はメタロチオネインプロモーターのコントロール下でp53を発現する遺伝子ベクターを含む;そして
    当該鳥類細胞により産生されるウィルスを回収する;
    ことを含んで成る方法。
  8. 前記ウィルスがレオウィルスである、請求項7記載の方法。
  9. 前記ウィルスがHVTである、請求項7記載の方法。
  10. 前記ウィルスがフォウル・ポックス・ウィルスである、請求項7記載の方法。
  11. ウィルスを繁殖するための方法であって、下記の工程:
    少なくとも一種の感染性ウィルス粒子を一次細胞と接触させる;
    当該一次細胞を細胞培養物においてメタロチオネインプロモーターのコントロール下でp53を発現する遺伝ベクターを含む不死化鳥類細胞と一緒に増殖させる;そして
    当該細胞培養物から産生されたウィルスを回収する、
    ことを含んで成る方法。
  12. 不死化非形質転換鳥類細胞であって、メタロチオネインプロモーターのコントロール下にあるp53を含み、且つ当該鳥類細胞中での組換タンパク質の発現を指令することのできる少なくとも一種のベクターを含む細胞。
  13. 組換タンパク質を発現する請求項12記載の細胞。
  14. 前記ベクターが組換ウィルスの少なくとも一部をコードする、請求項13記載の細胞。
  15. 前記ベクターがレトロウィルスベクターである、請求項12記載の細胞。
  16. 1日あたり0.6〜1.5集団倍化を特徴とする不死化非形質転換鳥類細胞であって、メタロチオネインプロモーターのコントロール下にあるp53を含み且つ当該鳥類細胞中での組換タンパク質の発現を指令することができる少なくとも一種のベクターを含む細胞。
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