JP2003501006A - 組換え体アデノ随伴ウイルスを製造するための方法、そのために適した手段、および医薬を製造するための使用 - Google Patents

組換え体アデノ随伴ウイルスを製造するための方法、そのために適した手段、および医薬を製造するための使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は組換え体アデノ随伴ウイルス(rAAV)を製造するための方法に関しており、ヘルパー構築物およびさらにベクター構築物が適した細胞内に異なった時間に導入され、および好適にはヘルパー構築物は、特にAAVプロモーターを除いて、少なくとも一つのRepタンパク質が本質上特異的に結合できる核酸配列を含んでおらず、および好適にはベクター構築物はフロップ配向性でITR配列を含んでいる。本発明に従って製造された組換え体アデノ随伴ウイルスは、GM−CSFおよびB7.2をコードしている追加の核酸が導入されている腫瘍細胞の製造に特に適しており、それは癌処置のための医薬の形で使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は組換え体アデノ随伴ウイルス(rAAV)を製造するための方法に関
しており、ヘルパー構築物およびさらにベクター構築物が適した細胞内に異なっ
た時間に導入され、および好適にはヘルパー構築物は、特にAAVプロモーター
を除いて、少なくとも一つのRepタンパク質が本質上特異的に結合できる核酸
配列を含んでおらず、および好適にはベクター構築物はフロップ配向性でITR
配列を含んでいる。本発明に従って製造された組換え体アデノ随伴ウイルスは、
GM−CSFおよびB7.2をコードしている追加の核酸が導入されている腫瘍
細胞の製造に特に適しており、それは癌処置のための医薬の形で使用できる。
【0002】 例えば、腫瘍ワクチンとして使用されるであろう治療的に活性な細胞の遺伝子
修飾のためには、細胞の遺伝子修飾を起こす核酸(即ち、DNAまたはRNA)
を導入するための適した方法が必要である。導入されるべき核酸は、たとえそれ
ら自身は遺伝子として機能しなくとも(例えば、”アンチセンス核酸”の場合)
、しばしば”導入遺伝子”と称されている。”裸の核酸”の直接遺伝子導入のほ
かにも、遺伝子が修飾されたウイルスもまた遺伝子導入に適していることが証明
されている。現在のところ、レトロウイルス、アデノウイルスまたは特にアデノ
随伴ウイルス(AAV)が、遺伝子導入のための導入遺伝子の担体(ウイルスベ
クター)として使用できるように遺伝子修飾されている。適したウイルスベクタ
ーを開発する場合に必須な点は、遺伝子治療における該ベクターの応用が安全で
あることである。この理由のため、一般的に”複製不全”ウイルス、即ち、細胞
に感染でき、および細胞内へ導入遺伝子を導入することができるが、しかし、該
細胞内ではそれら自身は増殖できないウイルスが開発された。このことは、例え
ば、ウイルスの増殖に重要な遺伝子(例えば、構造タンパク質をコードしている
遺伝子)を欠失させ、および適切にはその場所に導入遺伝子を取り込ませること
により達成される。遺伝子治療での使用に適した多量の増殖不能ウイルスの製造
には、細胞中の増殖不能ウイルスの欠陥を補償する”ヘルパー遺伝子”が必要と
される。
【0003】 例えばAAVは、ゲノム内へ組み込まれたプロウイルスの形で存在するかまた
は、溶菌感染を起こすヒトウイルスである。従って、AAVは哺乳動物細胞の一
般的形質導入ベクターとして興味を持たれている。AAVはパルボウイルスファ
ミリーの一員であり、現在のところ6つの異なった血清型AAV−1、AAV−
2、AAV−3、AAV−4、AAV−5およびAAV−6が知られている。例
えば、AAV−2は約4.7キロ塩基(kb)長の一本鎖直線状DNAを含んで
いる。3つのウイルスタンパク質(VP1、VP2およびVP3)から構成され
るウイルス粒子は、一つの極性(+)かまたは他の極性(−)を持つウイルスD
NA鎖を含んでいる。
【0004】 ウイルス形質導入ベクターとしてAAVを使用する際には、一般的に比較的多
量の組換え体AAV粒子が必要とされる。比較的多量のrAAV粒子を製造する
ために都合の良い方法は、真核細胞の混合物の形の2つの組換え体AAVプラス
ミドでのコトランスフェクションおよびヘルパーウイルスの感染である(Chi
orini,J.A.et al.(1995)Human Gene The
rapy,6,1531)。第一の組換え体AAVプラスミドは2つのITR領
域と境を接する(即ち、隣接する)導入遺伝子(単数または複数)を含んでいる
。本発明に従えば、該AAVプラスミドもまたベクター構築物と称される。第二
の組換え体AAVプラスミドは粒子の生成に必要とされるAAV遺伝子(rep
およびcap遺伝子)を含んでいる。本発明に従うと、このベクターもまたヘル
パー構築物と称される。ヘルパー構築物中のITR領域の不在はAAV粒子内へ
のrepおよびcap遺伝子のパッケージングを、従って、望まれない野生型A
AVの形成を防止するはずである。その後、組換え体AAV構築物およびヘルパ
ーウイルスの両方に対して許容性、即ち受容可能である適した細胞は二つのAA
V構築物でトランスフェクトされる。トランスフェクトされたパッキング細胞を
アデノウイルスで感染させた後にAAV遺伝子が発現され、導入遺伝子DNAは
複製され、組換え体AAV粒子(rAAV粒子)はパッケージングされ組み立て
られる。rAAV粒子は両側にITR領域が隣接する導入遺伝子を、一本鎖DN
Aの形で含んでいる。同時に、ヘルパーウイルスが該細胞中で複製され、ヘルパ
ーウイルスがアデノウイルスの場合、一般には数日後に感染細胞の溶解および死
が生じる。形成されたrAAV粒子およびヘルパーウイルスはこの状況において
部分的に細胞培養上清に放出されるか、または溶解した細胞内に残存する。哺乳
類細胞のための一般的導入ベクターとしてのAAV使用についての総説は例えば
、Muzyczka,N.によるCurrent Topics in Mic
robiology and Immunolgoy 158,97(1992
)に与えられている。
【0005】 rAAV粒子産生の本質的欠点は野生型AAV形成の付随、およびヘルパーウ
イルスの存在である。組換え体AAV粒子の使用の安全性に関して(例えば、遺
伝子治療において)、以下のような理由で調製試料はヘルパーウイルスおよび野
生型AAVを本質的に含んでいないことが必要である:ヘルパーウイルスとして
のアデノウイルスは細胞溶解性であり、アデノウイルスタンパク質に対する細胞
性免疫応答を起こす。加えて、アデノウイルスは非特異的かぜ徴候を惹起するの
でヒト病原体である。複製−許容野生型AAVは、例えば、アデノウイルスまた
はHSVのようなヘルパーウイルスの存在下で増殖でき、病原性であるわけでは
ないが、生物体中で拡散できる。加えて、そのような条件下でrepおよびca
p遺伝子が発現されるであろうし、それは順に同一の細胞中でrAAVゲノムを
増幅し、新しいrAAV粒子内へパッケージングする。このことはrAAV遺伝
子が全生物体に拡散することを可能にする。
【0006】 従って、本発明の目的は野生型AAVの形成を本質的に防止する方法および適
した構築物を提供することである。 異なった時間に一つまたはそれ以上のヘルパー構築物(第一の構築物)および
ベクター構築物(第二の構築物)での細胞のトランスフェクション(ヘルパー構
築物またはベクター構築物のどちらが最初にトランスフェクトされるかに関係な
く)は、両方の構築物の同時コトランスフェクションと同一のパッケージング効
率を本質的に達成できることが見いだされたが、それは二つの構築物の相同的ま
たは非相同的組換えの減少によって、野生型AAV形成の可能性を著しく、特に
は約10分の1に減少させることが可能である。好適には、細胞は最初にヘルパ
ー構築物、および次にベクター構築物でトランスフェクトされ、それは驚くこと
にパッケージング効率を約1.5−3倍増加させることが可能であった。
【0007】 従って、本発明は組換え体アデノ付随ウイルスを製造する方法に関しており、
そこでは異なった時間に、少なくとも一つのRepタンパク質(好適にはRep
68、Rep52およびRep40、特にRep68およびRep52)および
Capタンパク質をコードしている核酸配列を含んでいる一つまたはそれ以上の
ヘルパー構築物、およびまたAAVとは異種でありおよびITR配列が隣接して
いる一つまたはそれ以上の核酸を含んでいるベクター構築物が適した細胞内へ導
入される。
【0008】 ここでrepおよびcap遺伝子は一つおよび同一のヘルパープラスミド上に
、または複数のヘルパープラスミド上に位置しているであろう(例えば、一つの
ヘルパープラスミドは少なくとも一つのRepタンパク質をコードしており、第
二のヘルパープラスミドはCapタンパク質をコードしている)。複数のヘルパ
ープラスミドを使用する利点は、望まれないwtAAVを与えるにはすべてのプ
ラスミドの組換えに複数の組換え(例えば、ヘルパープラスミド間および組換え
ヘルパーおよびベクタープラスミド間の別の組換え)が必要とされることである
。複数の必要とされる組換えはrAAVベクターのパッケージング間の望まれな
いwtAAVの発生をさらにより起こりそうもないようにしている。
【0009】 適した細胞は一般的には該構築物に許容的である細胞であり、好適には哺乳類
細胞、例えば、COS−7、ヒーラー、C33aまたは293細胞である。構築
物を導入するために適した方法は、例えば、古典的または修飾形(Chen,C
.& Okayama,H.(1987)Mol.Cell.Biol.,7(
8),2745)のリン酸カルシウムトランスフェクション法である。修飾リン
酸カルシウムトランスフェクション法の利点は、本発明の方法と組み合わせると
100%に及ぶトランスフェクトされた細胞が得られる非常に高いトランスフェ
クション効率を再現性よく達成することが可能であることである。
【0010】 本発明では、核酸とは一般的に、AAVカプシドの形にパッケージングするこ
とができ、および適した細胞内へ導入されるのに都合がよいDNAまたはRNA
およびそれらの変異体を意味している。変異体の例は、例えば、Uhlmann
,E.& Peyman,A.(1990)Chemical Reviews
,90,543−584,No.4、に掲げられている。
【0011】 好適な態様において、細胞は第一の構築物を導入した後、および第二の構築物
を導入する前に精製される。精製は例えば、培地を交換することによる簡単な様
式で実施されるであろう。しかしながら、内部移行されていない第一の構築物の
残りを実質的に完全に除去するため、第二工程の前に細胞を溶液、例えば、PB
S緩衝液(リン酸−緩衝化塩化ナトリウム溶液)ですすぐほうが好都合である。
【0012】 rAAV粒子はその後、例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシ
ニアウイルスのような適したヘルパーウイルスを添加することによりまたはそれ
らのヘルパー遺伝子の存在下で生成される。アデノウイルスのヘルパー遺伝子は
E1A、E1B、E4、E2AおよびVAである。もしくは、例えば、構成的に
E1A細胞を発現する293細胞のように、ヘルパー遺伝子産物を構成的に発現
する細胞を使用することも可能である。ここで遺伝子産物E1BおよびE4はA
AV mRNA蓄積を促進するために働き、遺伝子産物E2AおよびVAはAA
V mRNAスプライシングおよび翻訳を促進するために働いている。個々のヘ
ルパー遺伝子の代わりにヘルパーウイルス(例えば、アデノウイルスAd−5)
を使用することは、ヘルパーウイルス存在下でのAAV増殖の本来の状態へおそ
らく対応しており、それ故、組換え体AAV粒子のパッケージングが非常に効率
がよいので特に都合がよい。
【0013】 個々の工程間の時間間隔は、好適にはおよびお互いに独立して、少なくとも約
1時間、好適には少なくとも約12時間、特には少なくとも約1日、とりわけ約
1から2日である。その後、rAAV粒子がDMEMのような無血清培地中でr
AAVを損失することなく都合よく製造でき、その結果、本質的にタンパク質の
夾雑がないので、例えば、10%血清分画からの、rAAV粒子のさらなる精製
における精製工程を省くことができる。
【0014】 細胞の生成時間は約4から6日であり、アデノウイルス媒介細胞溶解のため、
rAAVベクターは約3日後から上清中に放出される。しかしながら、細胞中に
rAAV粒子の一部が観察される可能性も常に存在する。培地中に放出されるr
AAVカプシドの比率は一般に90%までであり、少なくとも約10%は細胞中
に残存している。それ故、細胞および上清の両方からrAAV粒子を採取および
精製するのが有利である。
【0015】 続いての精製は、例えば、CsCl濃度勾配により(Chiorini,J.
A.et al.(1995),上記文献)または好適には濾過の助けをかりて
(WO 98/3920を参照されたい)実施されるであろう。精製後、本質的
にヘルパーウイルスを含んでいないrAAV粒子の調製試料が得られる。rAA
V粒子は次に限外濾過法により濃縮でき、保存される。
【0016】 本発明の方法に使用するためのヘルパー構築物(単数または複数)はRepタ
ンパク質および/またはCapタンパク質の少なくとも一つをコードしている核
酸配列を含んでいる。既知のRepタンパク質はRep78、Rep68、Re
p52およびRep40である。既知のCapタンパク質はVP1、VP2およ
びVP3である。それらの遺伝子およびITR配列は野生型AAVから単離でき
、それらは一般にクローンの形で入手可能である。例えば、クローンpSM62
0はSamulski,R.J.et al.(1982)Proc.Natl
.Acad.Sci.USA,79,2077に、クローンpAV1はLaug
hlin,C.A.et al.(1983)Gene,23,65に、または
クローンsub201はSamulski,R.J.(1987)J.Viro
l.61,3096に記載されている。
【0017】 本発明の好適な態様において、repおよびcap遺伝子はそれらの天然のプ
ロモーターp5、p19およびp40により制御されている。天然に存在するA
AVプロモーターがRep結合部位を含んでいるのみでなく、Rep結合部位は
また構築物の別の部分、例えば、ベクターpUC19またはベクターpBR32
2のベクター主鎖中に存在することもわかっており(McCarty,D.M.
et al.(1994)J.Virol.,68,4988)、その結合部位
が非相同的組み換え、従って野生型AAVの形成の原因となっているのであろう
【0018】 大きなRepタンパク質、例えば、Rep78およびRep68はタンパク質
複合体を形成することができ、それは同時に複数のRBS配列を結合することが
できる。Repのエンドヌクレアーゼおよびヘリカーゼ活性のため、RBS部位
領域中の二つの核酸配列の組み換えが可能である。
【0019】 従って本発明は、少なくとも一つのRepタンパク質およびCapタンパク質
をコードしている核酸配列を含んでいる一つまたはそれ以上の(好適には二つ)
ヘルパー構築物、および好適には少なくとも一つのRepタンパク質(好適には
Rep78および/またはRep68)が本質的に特異的に結合できる核酸配列
を含んでいない(AAVプロモーターを除いて)ヘルパー構築物(単数または複
数)にも関している。RBS共通配列は例えば、McCarty,D.M.et
al.(1994),上記文献、に記載されており、CGCTTCCTCGC
TCACTGAである。
【0020】 Rep結合部位(RBS)へのRepタンパク質の結合は、例えば、repプ
ロモーターp5およびp19における三つの既知のRBSが、個々にまたは種々
の組み合わせで突然変異を起こされることにより(好適にはこの結果としてRe
pアミノ酸配列を変えることなしに)減少または防止される。
【0021】 特に好適な態様において、Repタンパク質はRep68、Rep52および
Rep40であるが、Rep78ではなく、なぜなら、驚くべきことにRep5
2、Rep40および三つのCapタンパク質VP1、VP2およびVP3タン
パク質のほかにRep68のみの追加の発現がAAVベクターのパッケージング
十分であることが発見されている。該Rep78欠失ヘルパー構築物の利点は、
細胞のパッケージングに最も毒性があるこのRepタンパク質が全く発現されな
いことである。さらに、Rep78はRepタンパク質の間でも例えば、転写の
ような細胞過程を阻害する最も強い活性を持っていることが発見された。それ故
、このヘルパー構築物を使用すると、Rep78が欠けているため、パッケージ
ング効率を増加させることが可能である。同様に、RepおよびCapタンパク
質を発現する安定な細胞株の生成が、最も毒性のあるタンパク質Rep78が発
現されないので単純化される。Rep68およびRep78の両方が天然の系で
はプロモーターp5により発現される。このRep78欠失ヘルパー構築物の使
用は、Rep78と比較して、Rep68がアデノウイルス感染細胞においてA
AVプロモーターp19およびp40のより強いトランス活性化を示すのでさら
に都合がよい(Horer et al.(1995)J.Virol.69,
5485−5496;Weger et al.(1997)J.Virol.
71,8437−8447)。その結果、このRep78欠失ヘルパー構築物を
使用すると、より小さいRepタンパク質Rep40およびRep52およびそ
のカプシドタンパク質の発現が増加し、所望のより高いパッケージング効率が得
られる。最後に、Rep78欠失ヘルパー構築物のクローニングに必要とされる
rep遺伝子またはrep遺伝子の一部の重複のため、AAV遺伝子の過大な大
きさは、ベクター構築物での組換え後にwtAAVの形成を防止する。
【0022】 本発明の範囲内で、トランスフェクトされた細胞の溶解および死を生じる過渡
的なトランスフェクション実験だけでなく、宿主細胞のゲノム内へのヘルパー構
築物の標的化または無作為組み込みにより達成されるCapおよびRepタンパ
ク質の永続的な(=安定な)発現にも本発明のヘルパー構築物、特にRep78
欠失ヘルパー構築物を使用することが可能である。ここでも再び、Rep78の
毒作用のため、タンパク質Rep68、Rep52およびRep40を発現する
ことに特別な優越性が得られる。
【0023】 すでに説明した過渡的および安定なトランスフェクションのほかに宿主細胞内
へ本発明のヘルパー構築物を導入する別の可能性は、ヘルパー構築物担体(vehi
cle:ビヒクルともいう)としてウイルスを使用する感染である。このためには
、ウイルスは宿主細胞とその細胞表面を経て相互作用し(付着)、その後ウイル
ス中にパッケージングされている核酸、特に本発明のヘルパー構築物および特に
好適にはRep78欠失ヘルパー構築物が宿主細胞内へ取り込まれる(挿入)。
例えば、E1A捕捉細胞中でE1A領域を本発明のヘルパー構築物と置き換える
ことにより組換えアデノウイルスを生成させることが可能である。
【0024】 さらに好適な態様において、ヘルパー構築物(単数または複数)は、少なくと
も一つのRepタンパク質をコードしている核酸配列およびCapタンパク質を
コードしている核酸配列間に、AAVカプシド内へのヘルパー構築物のパッケー
ジングを害する追加の核酸配列を含んでいる。ここで追加の核酸配列はAAV構
築物の全体の長さを増加するように働き、その結果、効率的なパッケージングが
害され、またはさらには妨げられる。パッケージングの阻害は一般に、もし46
80塩基対の野生型AAV DNAサイズを著しく超過した場合に達成される。
このことは、もし追加の核酸配列が少なくとも約300ヌクレオチド、特に少な
くとも約500ヌクレオチド、特別には少なくとも約600から約700ヌクレ
オチド長であれば好適に達成される。
【0025】 野生型AAV中でのrepおよびcap遺伝子の重複のため、該追加の核酸を
持っているヘルパー構築物の調製試料は例えば以下のように調製できる:第一の
工程において、Rep C末端および、cap配列およびp40に必須なすべて
の制御配列を含んでいるAAV p40プロモーターを含む1691から232
8までのAAV配列が複製され、スプライスされたrep体のための終止コドン
の後ろにクローン化される(2329位)。その後、rep遺伝子中のp40プ
ロモーターがRepアミノ酸配列を変化させることなく破壊される。このことは
p40 TATAボックスの突然変異により保証されうる。全体として、Rep
およびCapアミノ酸配列を変化させることなく以下のAAVヌクレオチドがク
ローニング工程のために改変できる:1693(T→A)、1694(T→G)
、2330(G→C)、2331(G→T)、2332(G→A)、1625(
C→T)、1628(A→G)、1826(A→C)、1827(A→T)およ
び1828(G→C)。
【0026】 rAAV生成間の野生型AAV形成の可能性をさらに減少させるためには、ベ
クター構築物に相同的であり、相同的組換えを可能にする核酸配列を含んでいな
いヘルパー構築物を調製するのが好都合である。このことは、例えば、ポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)法により野生型AAVからAAVヌクレオチド190か
ら1060を増幅することにより実施されるであろう。これに関連して、5’プ
ライマーは、199位に単一のXbaI切断部位が導入されるように選択される
べきである。そうするとPCR断片をXbaIおよびBamHIで切断し、同様
に切断されているベクター(例えば、pUC19)内へクローン化することが可
能である。AAVゲノム中の199位は、すべての重要なp5プロモーター要素
がヘルパープラスミド中に存在することを保証する。その後、野生型AAVはB
amHIおよびSnaBIで切断され、挿入断片は次に中間体のBamHIおよ
びSmaI位内へクローン化される。この方法で、例えば、pUC”Rep/C
ap”と称されるヘルパー構築物を製造することが可能である。このヘルパー構
築物はAAV配列の201から4497を含んでおり、一方ベクター構築物はA
AV配列の1から191(左ITR)および4498から4671(右ITR)
を有する。このようにして、もはや構築物中では相同的AAV配列重複は存在し
ない。
【0027】 さらに好適な態様において、例えばpUC”Rep/Cap”において、AA
V repおよびcap遺伝子の至適発現に必要とされないAAVゲノム3’末
端の約37塩基まで(好適にはAAV−2塩基4461−4497)を欠失させ
ることが可能である。本発明に従うと、生じたヘルパー構築物はpUC”Rep
/Cap”Δ37と称され、201から4460位の最小化AAV配列を含んで
いる。
【0028】 Rep78−欠失ヘルパー構築物pUC”Rep68,52,40Cap”(
RBS)Δ37(図6参照)はイントロン配列の欠失を含んでいるヌクレオチド
201からヌクレオチド4497まで、およびヌクレオチド658からヌクレオ
チド4460までのAAV配列を細菌発現プラスミドpUC19内へクローニン
グすることにより調製され、その過程において本配列のRepタンパク質のため
の結合部位が削除された。この戦略を応用することにより、転写終止のための自
身のポリ(A)配列を持っている二つのrep遺伝子およびまた少なくとも二つ
のcap遺伝子が、各々場合において、交互に配置される。第一の部分(AAV
配列ヌクレオチド201からヌクレオチド4497)から出発するとRepタン
パク質Rep68およびRep40、およびまたCapタンパク質VP2および
VP3が発現でき、一方、第二の部分(AAV配列ヌクレオチド658からヌク
レオチド4460)から出発するとRepタンパク質Rep52およびRep4
0、およびまたCapタンパク質VP1、VP2およびVP3が発現される。従
って、全体として、Rep78を除くすべてのAAV 2−タンパク質がコード
化されている。
【0029】 同様に、Rep78−欠失ヘルパー構築物pUC”ΔRep78Cap”(R
BS)Δ37(図7参照)は該AAV配列(nt 201−2310;nt 6
58−4460、イントロン配列の欠失を含んでいる)の細菌発現プラスミドp
UC19内への同様なクローニングにより調製された。その過程においてプラス
ミド配列中のRepタンパク質のための結合部位が再び削除された。この方法に
おいて、rep遺伝子は部分的に二重にされた。この方法により得られたヘルパ
ー構築物はただ一つのポリ(A)配列しか含んでいないので、すべてのmRNA
転写体は同一の3’末端を持っている。第一の部分(AAV配列ヌクレオチド2
01からヌクレオチド2310)から出発するとRepタンパク質Rep68お
よびRep40が発現でき、一方、第二の部分(AAV配列ヌクレオチド658
からヌクレオチド4460)から出発するとRepタンパク質Rep52および
Rep40、およびまたCapタンパク質VP1、VP2およびVP3が発現さ
れる。このベクター構築物もまた、全体として、Rep78を除くすべてのAA
V 2−タンパク質をコードしている。
【0030】 本発明に従うと、RepおよびCapタンパク質の発現を制御している同種の
AAVプロモーターを異種のプロモーターおよび/またはエンハンサーで、お互
いに独立して置き換えることも可能である。以下により詳細に説明されるように
、一般的に、ベクター構築物(導入遺伝子)中の異種核酸配列の発現も制御する
同一のプロモーターまたはエンハンサーを使用することが可能である。特にヒー
ラーおよびC33a細胞で特に高い活性を持っているHPV18エンハンサーが
特に他より優位である(Butz,K.& Hoppe−Seyler,F.(
1993)J.Virol.,67,6476−6486;Hoppe−Sey
ler,F.& Butz,K.(1994)Mol.Carcinog.,1
0,134−141)。
【0031】 本発明に従うと、本発明の方法に最適化され、および第一に複製タンパク質を
コードしているrep遺伝子および第二に外殻(coat:コ−トともいう)タンパ
ク質をコードしているcap遺伝子を含むヘルパー構築物が得られる。本発明の
特に好適なヘルパー構築物は、ITR配列を含んでいないので複製不適格である
。加えて、ヘルパー構築物は前に記載された都合の良い修飾のため、野生型AA
Vの形成を減少または本質的に防止することが可能なように最適化されている。
しかしながら、一般的にはAAVプロモーターからのITR配列の分離はヘルパ
ー構築物におけるrepおよびcap発現の脱制御を導く。
【0032】 都合がよいことに、ベクター構築物中の修飾は、本質的にベクター構築物のパ
ッケージング効率に負の影響を及ぼすことができないように、しかし逆にベクタ
ー構築物を安定化するように実施され、望ましくない組換えを減少または本質的
に避け、および/または組み込まれた導入遺伝子の発現率の増加を導いている。
【0033】 145塩基対の長さであるAAV−2 ITR配列は、大きなパリンドローム
(A)および二つのより小さい内部パリンドローム(BおよびC)から成ってい
ることが知られている。ITR配列の最初の125塩基はT形のヘアピン構造を
形成している(例えば、Muzyczka,N.(1992),上記文献、を参
照されたい)。末端配列は二つの内の一つのコンフィギュレーションで存在する
であろう。第一のコンフィギュレーションは”フリップ”とも称され、Bパリン
ドロームが3’末端により近く、および第二のコンフィギュレーションは”フロ
ップ”とも称され、Cパリンドロームが3’末端により近い(Srivasta
va,A.et al.(1983)J.Virol.45(2),555も参
照されたい)。
【0034】 驚くことに、ベクター構築物中の両方のITR配列のフロップ−フロップ配向
がフリップ−フロップまたはフリップ−フリップ配向よりも明白により安定であ
ることが発見された。加えて、フロップ−フロップ配向はフリップ−フロップ配
向よりも望ましくない組換えをより起こしにくい。
【0035】 それ故本発明はさらに、AAVに対して異種であり、およびITR配列(IT
R配列はフロップ配向で存在している)が隣接している一つまたはそれ以上の核
酸を含んでいるベクター構築物に関している。
【0036】 好適な態様において、異種核酸の発現はAAVに対して異種であるプロモータ
ーにより制御されている。驚くべきことに、発現率は3’に位置しているITR
配列に向かっている異種プロモーターの配向により増加できることが発見された
【0037】 適したプロモーターはAAVに対して同種、および好適には異種であるすべて
のプロモーターである。AAVに対して同種のプロモーターはプロモーターp5
、p19および/またはp40であり、AAVに対して異種の適したプロモータ
ーは真核細胞、好適には哺乳類細胞中で活性であるすべての構成的に活性なまた
は誘導可能なプロモーターである。例えば、これらにはSV40−プロモーター
(Samulski,R.J.(1989)J.Virol.63,3822)
、SV40ori−エンハンサー、CMV−プロモーター/エンハンサー(Vi
ncent,K.A.et al.(1990)Vaccine,90,353
)またはLTR−プロモーター(Lebkowski,J.S.(1988)M
ol.Cell.Biol.8,3988)が含まれる。特に好適であるのはC
MV−プロモーター/エンハンサーである。
【0038】 ヘルパー構築物の助けによるAAVカプシド内へのベクター構築物の有効なパ
ッケージングのためには、ベクター構築物の大きさは実質的に約4700塩基対
±5%以下でも以上でもないものが都合がよい。例えば、プラスミドpAV2(
Laughlin,C.A.et al.(1983)上記文献)を制限エンド
ヌクレアーゼBglIIで切断し、これにより得られたAAV配列をベクターp
UC19(Yannish−Perron,C.et al.(1985)Ge
ne,33,103)内へサブクローンすることが可能である。このことは例え
ば、pUC19をBamHIで切断し、それをpAV2のBglII断片と直接
的に結合することにより実施される。ITRの対照配列決定は、左ITRは2位
での塩基交換(T→G)を除いて完全に無傷であるが、一方、右ITRは8つの
末端塩基が欠けていることを示している。しかしながら、この欠陥は構築物が2
つの無傷のITRを有することができるようにAAVゲノムの複製の間に修復で
きるので、構築物の複製能力に不利な影響を及ぼさない。
【0039】 その後、AAV配列192から4497が除去でき、CMVポリA発現カセッ
トで置き換えられうる。この目的のためには、例えば、ベクターpCI(Pro
mega GmbH,Mannheim,Germany)のCMV−プロモー
ター/エンハンサーの前またはポリA部位の後ろに、二本鎖突然変異発生により
PpuMIおよびEcoRV切断部位を導入し、CMVポリA発現カセットを切
り出し、PpuMIおよびSnaBIで切断したベクター構築物内へ直接的にク
ローン化する。発現カセットの最適な配向は、例えば、ルシフェラーゼレポータ
ー遺伝子の助けを借りて決定できる。すでに前に説明したように、異種プロモー
ター(特にCMV−プロモーター/エンハンサー)が右ITRに向いて、即ち3
’に位置しているITR配列に向いているならば、発現率が最も高い。
【0040】 本発明のヘルパー構築物および/またはベクター構築物は、本発明の方法にお
ける組換えたAAV粒子の製造に特に良好に適している。以下の方法は特に好都
合であることが証明された: 第一に、適した細胞、例えばヒーラー細胞を約1−2x108細胞の好適な量で
約10%の血清を含む培地に播種する。好適には次の日、特にリン酸カルシウム
トランスフェクション法により細胞をヘルパー構築物でトランスフェクトする。
細胞は次に、好適には次の日、緩衝液(例えば、PBS緩衝液)ですすぎ、約1
0%の血清を含む新しい培地を加える。同時にまたはすぐその後、細胞を好適に
は同量のベクター構築物でトランスフェクトする。しばらくした後、好適には次
の日、細胞にヘルパーウイルス(好適にはアデノウイルス、例えば、Ad−5)
を感染させる。好適には次の日、培地を無血清培地に再び置き換える。次に細胞
および培地上清からrAAV粒子を採取する前に細胞をインキュベートする(例
えば、さらに3日)。
【0041】 本発明の方法の重要な利点は、偽野生型AAVを与える両方の構築物の組換え
の実質的減少および1.5−3倍が達成できるパッケージング効率の改良である
。rAAV粒子の収量は約1012から1013であり、導入rAAV粒子の収量は
少なくとも109−1010である。本発明の方法の別の重要な利点は、特に混合
物中に望まれないタンパク質分画を含む血清含有培地が本質的に存在しないので
(無血清培地との交換による)、続いてのrAAV粒子の精製が実質的により容
易であることである。
【0042】 本発明に従うと、本質的に任意のコードおよびまた非コード核酸配列の異種核
酸配列を使用することが可能である:例えば、医薬として活性なタンパク質、例
えば、エリスロポエチン(例えば、EP 0 148 605 B1を参照され
たい)またはインシュリン(例えば、EP 0 001 929 B1を参照さ
れたい)をコードしている遺伝子または血液凝固因子、インターフェロン、サイ
トカイン、ホルモン、増殖因子、例えば、IL−2、IL−4、IL−12、p
53またはγインターフェロン(例えば、WO94/16716を参照されたい
)、抗生物質などをコードしている遺伝子、または非コード核酸の例としては”
アンチセンスオリゴヌクレオチド”。複製不全ベクター構築物内へ一つまたはそ
れ以上の異種核酸配列(単数または複数)を導入することは他よりも優位である
。複製不全ベクターを使用することは、細胞においてヘルパーおよびベクター構
築物の飽和濃度近くで働かせることを含んでいる。ヘルパーおよびベクター構築
物の好適な量の例は約2−3x108細胞に対して約3.5−4mgの構築物で
ある。
【0043】 しかしながら、例えば上記のタンパク質のような医薬として活性なタンパク質
をコードしている遺伝子を使用する場合、一般的に、特にヘルパープラスミドと
して、例えば、SV40oriを有する自己複製構築物を使用することが可能で
ある(好適には選択されたトランスフェクション法では個々の構築物での飽和が
不可能である場合)。SV40ori核酸配列(Mellon et al.(
1981)Cell,27,279−288)およびSV40 T抗原をコード
している核酸配列(Gerard,R.D.& Gluzman,Y.(198
5)Mol.Cel.Biol.,5,3231−3240)の両方を含んでい
る構築物を使用するのが特に好適であり、その結果、例えば、COS−7のよう
な安定にT抗原を発現している細胞から独立して複製が達成される。同様に、例
えば、EBV(エプスタインバールウイルス)のウイルス複製開始点oriPま
たはEBV複製タンパク質EBNAのための発現カセットのようなプラスミド複
製のための他の既知配列もまたヘルパーおよび/またはベクタープラスミド内へ
取り込ませることが可能である。
【0044】 例えば、WO98/06746は、例えば、GM−CSFを発現している遺伝
子修飾されたメラノーマ細胞株がワクチンとして使用できたことを開示している
。WO94/16716は少なくとも一つのサイトカイン、例えば、GM−CS
FまたはB7および/または腫瘍関連抗原を使用する癌治療における組換え体ウ
イルスの使用を開示している。ここでB7遺伝子とは”B7.1”遺伝子を意味
している。WO94/04196は、サイトカインおよびさらにB7(ここでも
B7.1を意味している)をコード化した、腫瘍治療のためのDNA構築物を開
示している。WO92/00092はB7.1をコードする核酸配列を開示して
おり、WO94/03408およびWO95/06738はB7.2をコードす
る核酸配列を開示しており、およびEP−B1−0 188 479はGM−C
SFのための核酸配列を開示している。
【0045】 本発明のベクター構築物に関連し、インビトロ研究では、B7.2と対照的に
、インターフェロン−ガンマまたはIL−12はTリンパ球の活性化に対してB
7.1と関連して阻害効果を持っていることが示されているので(Rudy e
t al.(1997)Int.Immunol,9,853)、B7.2の使
用が特に好都合である。GM−CSFをコードしている第二の導入遺伝子の存在
下、B7分子(B7.1またはB7.2)の腫瘍破壊作用が増強できる。
【0046】 本発明はそれ故さらに、GM−CSFおよびB7.2をコードする異種核酸配
列が導入されている腫瘍細胞(好適にはメラノーマ細胞)、および特に癌(特に
メラノーマのような悪性癌)の処置のための医薬としてのそれらの使用に関して
いる。
【0047】 より容易な操作のため、GM−CSFをコードしている核酸配列およびB7.
2をコードしている核酸配列の両方を含んでいる”二重ベクター”は特に他より
も優位である。二重ベクターの使用は特にパッケージング過程の数を減少させる
。驚くことに、本発明の二重ベクターは両方の導入遺伝子の有効な発現を可能に
し、それは二つの単一ベクターの同時感染に匹敵している。
【0048】 好適には、原発腫瘍、特に新しく単離された原発腫瘍、または確立された増殖
性腫瘍細胞株に本発明に従った組換え体AAV構築物が導入される。腫瘍ワクチ
ンとしての使用に先立って、好適には導入前に、その必須の免疫刺激特性を失わ
ない程度に腫瘍細胞を破壊するために通常腫瘍細胞を照射する(例えば、約10
0Gyから300Gyの総線量で)。その後、好適には3回、約1x106から
約1x109腫瘍細胞(好適にはメラノーマ細胞)、特に約1x106から約1x
107腫瘍細胞、例えば、約3x106腫瘍細胞が患者に投与される。腫瘍細胞(
原発腫瘍または腫瘍細胞株)は処置される患者から(自己由来)、または他の患
者から(同種異系)のものであろう。
【0049】 本発明の構築物はまた一般的には任意の障害、好適には、例えば、前により詳
細にすでに説明した悪性メラノーマに加えて卵巣、乳房、結腸、前立腺、気管支
、頭部および/または頚部のような腫瘍の処置にも使用されるであろう。適した
治療遺伝子は例により上で説明された遺伝子である。患者から取り出された細胞
(例えば、腫瘍細胞のような)の生体外(ex vivo)修飾の他さらに、好適には本
発明の方法に従った本発明の構築物を使用し、本発明の構築物の助けによって患
者がインビボでも処置されるであろう(例えば、U.S.5,858,351ま
たはU.S.5,846,528を参照されたい)。
【0050】 以下の図および実施例は本発明をさらに詳細に例示することが意図されたもの
であり、本発明を制限するものではない。 実施例 1.ヒーラー−t細胞の再活性化 ヒーラー−t細胞のボトル(ボトルml当たり5x106細胞)を37℃にて
水浴で融解した。細胞はすぐ約10mlの冷DMEM培地(ダルベッコ改良イー
グル培地)上にピペットで加え、200gで5分間遠心分離した。細胞ペレット
は10mlのDMEMに再懸濁し、細胞を200gで再びペレットとした。最後
に、細胞を20mlのDMEM(10%FCS(ウシ胎児血清)、pen/st
rep(ペニシリン/ストレプトマイシン)およびグルタミンを補給)に懸濁し
、NuncT80ボトル中、37℃、5%CO2、で培養した。
【0051】 2.ヒーラー−t細胞の前培養および培養 ヒーラー−t細胞を増殖させおよびボトルサイズを保つため、コンフルエント
培養ボトルを1:10(再びコンフルエントになるまで3日)から1:20(再
びコンフルエントになるまで4日)に分割した。T80からT175ボトルへ移
す場合は細胞を1:5から1:10に分割した。これは細胞が剥がれるまで約5
分間、37℃で細胞をトリプシンで処理することにより実施された。剥がれた細
胞は過剰の培地(約5容量)に懸濁し、200gで6分間遠心分離し、必要なら
新鮮培地にとり、新しい培養ボトル内へ分配した。コンフルエントT80ボトル
を使用する場合(新しく融解した細胞の第一継代)、細胞を最初にトリプシンで
処理し、1:10で5つのT175ボトルへ分配した(各々の場合50mlの培
地)。3日後、細胞はボトル中で再びコンフルエントまで増殖した。次に、5つ
すべてのT175ボトルの細胞をトリプシンで処理し、積み重ねトレー(10レ
ベル、6320cm2の培養領域、900mlの培地)(約1−2x108ヒーラ
ー−t細胞)に播種した。この目的のため、積み重ねトレーはチューブシステム
により滅菌ガラス容器と連結され、積み重ねトレーへの供給チューブは最初は閉
じられている。ガラス容器は900mlのDMEM細胞懸濁液で満たされた。懸
濁液はクランプを開けることにより積み重ねトレーへ移された。圧力は空気フィ
ルターを使用することにより釣り合いが保たれた。
【0052】 3.トランスフェクション溶液の調製 (1)CaCl2保存溶液 3モルCaCl2保存溶液が調製され、使用前に260mMに希釈され、
濾過滅菌された。
【0053】 (2)2xBBSトランスフェクション緩衝液 2倍のトランスフェクション緩衝液は以下のように構成されている: 280mM NaCl、50mM BES、0.75mM Na2HPO4 および0.75mM NaH2PO4(pH7.8−8.0)。
【0054】 4.ベクタープラスミドの調製 出発プラスミドは修飾pBR322ベクター中にAAVゲノムを含むプラスミ
ドpAV2(ATCC 37216;Laughlin,L.A.et al.
(1983)Gene,23(1),65)である。AAV ITRの完全性は
配列決定により検査された。pAV2をBglIIで加水分解後、AAV配列を
pUC19内へサブクローン化することが可能になった。この目的のために、p
CU19はBamHIで切断され,pAV2のAAV含有BglII断片と直接
的に結合された。それらから得られたプラスミドはpUCAV2と名付けられた
。pUCAV2およびpAV2中のITRの配列決定から、左ITRは2位の一
つの塩基交換(T→G)を除いて完全に無傷であるが、一方、右ITRにおいて
は8つの末端塩基が失われていることが明らかにされた。
【0055】 その後、pUCAV2はPpuMIおよびSnaBIで切断され、その結果、
AAV発現カセットに相当するAAV配列192から4497が除去された。こ
れらの配列はpCIからのCMV ポリA発現カセット(Promega Gm
bH,Mannheim,Germany)により置き換えられた。このために
は、最初にpCIのCMVプロモーターの前およびポリA切断部位の後ろに二本
鎖突然変異発生によりPpuMIおよびEcoRV切断部位が導入され、これは
両方の配向で行われた(CMVの前のPpuMIおよびポリAの後ろのEcoR
Vおよび逆もまた同様に)。発現カセットが次にPpuMIおよびEcoRVに
よる二つの加水分解によりpCIから切り出され、PpuMI、SnaBIで切
断されたpUCAV2ベクター断片内へ両方の配向で直接クローン化された(各
々のpCI配列:配向1(右ITRのCMV):(4002から4008)+(
1から1351+5新規塩基)および各々配向2(左ITRのCMV):(40
01から4008)+(1から1351+7新規塩基)。異なった導入遺伝子は
次にこれらの基礎ベクター内へクローン化された。
【0056】 発現カセットの最適配向はルシフェラーゼレポーター遺伝子の助けを借りて決
定された。結果は、配向はベクター構築物のパッケージング効率には明らかに何
の影響も与えなかったことを示した;しかしながら、もしCMVプロモーターが
右ITRに向かって配向されていると発現カセットはより活性であった。すべて
のクローニングおよび配列決定において、ベクタープラスミドにおける両方のI
TR構造のフロップ−フロップ配向はフリップ−フロップ配向よりも明白に安定
であることが観察された。フロップ−フロップ配向は細菌においてずっとより安
定であり、フリップ−フロップ配向よりも望まれない組換えをより起こしにくか
った。理論的に可能なフリップ−フリップ配向はどのクローンにも観察されなか
った。この理由としては、すべての導入遺伝子が、そのITRがフロップ−フロ
ップ配向を持つ基礎ベクター内へクローン化されたからである(図4)。
【0057】
【表1】 *=6μgのベクタープラスミドが4x105ヒーラー−t細胞内へトランスフェ
クトされた。トランスフェクションして40時間後、細胞を溶解し、プロモータ
ー活性がルシフェラーゼを計数することにより決定された。相対プロモーター活
性(1=2x108カウント)で示されている。** =4μgのベクタープラスミドが12μgのヘルパープラスミド(pUC”r
ep/cap”)と一緒に1x106ヒーラー−t細胞内へトランスフェクトさ
れた。2日後、細胞をAdV−5(MOI=2)に感染させた。感染3日後、凍
結−融解溶解により細胞を培地中で破壊し、細胞破片はペレット化し、rAAV
溶解物を60℃で10分間熱不活性化した。3x105照射ヒーラー−t細胞(
100Gy)を10%溶解物で感染させた。細胞をrAAVで感染させて40時
間後、細胞を溶解し、ルシフェラーゼ活性が決定された。相対的活性(1=1x
106カウント)が与えられている。
【0058】 カラム4(構築物の過渡的トランスフェクション後の相対プロモーター活性)
は直接的におよびカラム5は間接的にAAVゲノム内位置の相対関係としてCM
Vプロモーター活性を反映している。表から推測できるように、該プロモーター
が3’ITRに位置している場合に約1.5−3倍プロモーター活性が増加する
。種々のクローンをパッケージングした後に得られたrAAV力価はおおよそ一
致している(ゲノム力価はドットブロット分析により決定された)。このことは
、ITRの配向(フリップ−フロップ)またはITRに対するCMVプロモータ
ーの配向は、γAAV粒子内へパッケージングされるべき構築物の能力には何ら
役割を持っていないことを意味している。ITRのフリップ−フロップ配向を持
つクローン(1、3bおよび11)はフロップ−フロップ配向を持つクローンよ
りも非常により稀であると観察されたことをさらに触れておかなければならない
【0059】 5.ヘルパープラスミドの調製 AAV塩基190から1060はPCR法により野生型AAV DNAから増
幅された。これに関連して、5’プライマーは199位に単一のXbaI切断部
位が導入されるように選択された。PCR断片は次にXbaIおよびBamHI
で切断され、同様に切断されているベクターpUC19内へクローン化された。
AAVゲノム中の199位は、すべての重要なp5プロモーター要素がヘルパー
プラスミド中に存在することを確実にするために選択された。対照配列決定後、
野生型AAV DNAはBamHIおよびSnaBIで切断され、挿入断片は続
いて中間体のBamHIおよびSmaI位内へクローン化された。このように基
礎ヘルパープラスミドpUC”rep/cap”が得られた(図2)。このヘル
パープラスミドはAAV配列201から4497を含んでおり、一方、上記のベ
クタープラスミドはAAV配列1から191および、各々1−60/83−19
1(左ITR)および4498から4671(右ITR)を有する。このように
、プラスミド中に相同的AAV配列重複が存在しないことを確実にした。その後
、AAV repおよびcap遺伝子の最適発現には必要とされない、pUC”
rep/cap”中のAAVゲノムの3’末端のΔ37塩基が削除された。得ら
れたヘルパープラスミドはpUC”rep/cap”Δ37と表示され、201
から4460位の最小化されたAAV配列を含んでいる(図2)。
【0060】 続いて、その位置での非相同的組換えを避けるため、pUC19ベクター主鎖
中のRep結合部位(RBS)(684から708を含んで;配列:
【0061】
【化1】 )が削除された。このプラスミドはpUC”rep/cap”(RBS)Δ37
と称された。いくつかのプラスミドにおいて、rep遺伝子中の3つのRBS(
p5およびp19プロモーター)はさらに個々におよび種々の組み合わせで、R
epタンパク質のアミノ酸配列を変化させることなく突然変異された(図2)。
【0062】 638塩基対の長さの”機能的分離”配列(fs)が別のヘルパープラスミド
のrepおよびcap遺伝子間に導入された。この目的のためには、最初に、r
epC末端およびcap配列およびp40に必須なすべての制御配列を含んでい
るAAV p40プロモーターを含むAAV配列1691から2328を複製し
、スプライスされたrep体のための終結コドン後(2329位)にクローン化
した。その結果、cap遺伝子を制御するAAV p40プロモーターが二重に
され、rep遺伝子の後ろに挿入された。その後、rep遺伝子中のp40プロ
モーターがRepアミノ酸配列を変化させることなく破壊された。このことはp
40 TATAボックスを突然変異させることにより確実にされた。全体として
、以下のAAVヌクレオチドがRepおよびCapアミノ酸配列を変化させるこ
となくクローニング工程に必要なように修飾された:1693(T→A)、16
94(T→G)、2330(G→C)、2331(G→T)、2332(G→A
)、1625(C→T)、1628(A→G)、1826(A→C)、1827
(A→T)および1828(G→C)。生じたヘルパープラスミドはpUC”r
ep/fs/cap”Δ37と表示される(図2)。
【0063】 同様に、追加の配列がpUC”rep/cap” (RBS)Δ37内へ挿入
されてpUC”rep/fs/cap”(RBS)Δ37と表示されるヘルパー
プラスミドが得られた(図2)。
【0064】 別のRep78欠失ヘルパー構築物はヘルパー構築物pUC”rep/cap
”(RBS)Δ37(図2参照)AAVヌクレオチド1907から2227(r
epイントロンに対応する)を二本鎖突然変異発生により削除することにより調
製され、その結果、プラスミドpUCAAVSpleissが中間体として得ら
れた。プラスミドpUCAAVSpleissは制限酵素NdeIで直線化され
、例えば、ヤエナリヌクレアーゼ(Boehringer Mannheim,
Germany)のようなエキソヌクレアーゼで処理し、次に制限酵素SphI
を加えた。このようにして得られた4222bp長の断片は、連結反応によりベ
クター断片と連結され、Rep78欠失ヘルパー構築物pUC”Rep68,5
2,40Cap”(RBS)Δ37(10657bp)が得られた(図6参照)
。該ベクター断片は、例えば、pUC”rep/cap”(RBS)Δ37を使
用することにより得ることができ、制限酵素NruIおよびSphIで処理後、
6435bpの長さとして得られる。
【0065】 同一のベクター断片は別のRep78欠失ヘルパー構築物pUC”ΔRep7
8Cap”(RBS)Δ37を調製するためにさらに使用できる(図7参照)。
このためには、中間体pUCAAVSpleissを制限酵素AseI、Bsr
BIおよびSphIで処理した。1808bp BsrBI−SphI断片を連
結反応により6435bpベクター断片へ連結すると、全体の長さが8243b
pの該ヘルパー構築物pUC”ΔRep78Cap”(RBS)Δ37が得られ
た。このクローニング戦略は、両方のRep78欠失ヘルパー構築物中のrep
遺伝子を部分的に複製し、そのため、両方のrep遺伝子からのRepタンパク
質Rep68、Rep52およびRep40の増加した発現が可能にされる。
【0066】 すべての前記ヘルパープラスミドは図2に概略が描かれており、ほとんど同等
のパッケージング能力を持っている。 コトランスフェクション実験の構成内で、1x106のヒーラー−t細胞内へ
4μgのベクタープラスミド(pAAV−GFP)が12μgのヘルパープラス
ミドと一緒にコトランスフェクトされた。(seq)で示された実験の場合のみ
、最初に16μgのヘルパープラスミド、および次の日に16μgのベクタープ
ラスミドが連続的にトランスフェクトされた。(第一の)トランスフェクション
の2日後、細胞をAdV−5 (MOI=2)に感染させた。3日後、凍結/融
解溶解により細胞を培地中で破壊し、細胞破片はペレット化し、rAAV溶解物
を60℃で10分間熱不活性化した。3x105照射ヒーラー−t細胞(100
Gy)を種々の希釈の溶解物で感染させた。細胞をrAAVで感染させて40時
間後、細胞をGFP発現についてFACSフロー[lacuna]で分析し、こ
れから導入rAAV粗溶解物力価が決定された。各々のヘルパープラスミドは少
なくとも5回の独立した実験でアッセイされた。表は平均値を掲げている。
【0067】
【表2】 下記の実験1から3のパッケージングおよび力価決定は前記のように実施され
た。実験1および3は連続的トランスフェクションであり、実験2はヘルパー構
築物およびベクター構築物のコトランスフェクションである。
【0068】 ヘルパー構築物およびベクター構築物の連続的トランスフェクションにおいて
(実験1および3、下記の表に記載されている)、Rep78欠失ヘルパー構築
物はRep78コードヘルパー構築物と比較してかなり均一に良好なパッケージ
ング効率を示している。すべての導入力価は同一の対数領域であった。実験2に
おいてはコトランスフェクションが実施され、その結果、別の実験条件が選択さ
れ、パッケージング効率に関して実験2と実験1および3を比較することは不可
能である。これらの実験の結果は次の表に示されている。
【0069】
【表3】 6.組換え体AAVベクターのパッケージング 1日目:積み重ねトレーでのヒーラー−t細胞の播種 前により詳細に説明したように、1つのNunc積み重ねトレー(10レベル
、6320cm2の培養領域)を900mlのDMEMに加えた約2x108のヒ
ーラー−t細胞で満たし、37℃、5%CO2で一夜培養した。
【0070】 2日目:Chen,T.& Okayama,H.(1987)、上記文献、
に従った、ヘルパープラスミドでのヒーラー−t細胞のリン酸カルシウムトラン
スフェクション: 1800μgのヘルパープラスミドを45mlの滅菌260mM CaCl2
と混合し、45mlの滅菌2xBBSを加え、注意深く混合し、室温で15分間
インキュベートした。培地は次に積み重ねトレーから1から2lの大きさの滅菌
容器へ移し、ピペッティングによりトランスフェクション混合物を加え、培地を
再び積み重ねトレーに戻した。トランスフェクションは35℃、3%CO2で一
夜実施された。
【0071】 3日目:ベクタープラスミドによるヒーラー−t細胞のトランスフェクション
: ヘルパープラスミドによるトランスフェクションの18時間後、細胞を37℃
、5%CO2に調節し、さらに3から5時間後、培地を新しい培地(10%FC
S、グルタミンおよびpen/strepを含む900mlのDMEM)に置き
換え、前記ヘルパープラスミドでより詳細にすでに説明したように、新鮮培地内
へベクタープラスミドを移した。
【0072】 4日目:アデノウイルスによるヒーラー−t細胞の感染: ベクタープラスミドによるトランスフェクションの18時間後、細胞を再び3
7℃、5%CO2に調節し、さらに3から5時間後、アデノウイルスに感染させ
た。このためには、培養培地を900mlのDMEM培地(10%FCS、グル
タミンおよびpen/strepを含むDMEM)に置き換え、それに2から3
x109(MOI=5)アデノウイルス(Ad−5)を加えた。培養は37℃、
5%CO2で一夜実施された。
【0073】 5日目:培地の交換 次の日、培養培地を900mlのDMEM培地(グルタミン、pen/str
epおよびゲンタマイシンを含むが、FCSは含まれていない)に置き換えた。
【0074】 8日目:rAAV粒子の採取 8日目、rAAV粒子が採取された。rAAV粒子は全部の積み重ねトレーを
−20℃で凍結させおよび4℃で再び融解させることを連続的に3回繰り返すこ
とにより採取する。溶解物は滅菌遠心ビーカーに移し、5000gで遠心分離す
ることにより細胞破片を除去する。透明な溶解物が続いての精製工程の出発物質
である。
【0075】 7.B7.2導入メラノーマ細胞によるT細胞の活性化 メラノーマ細胞株Me163を照射し(100Gy)、rAAV−B7.2を
導入した。48時間後、導入メラノーマ細胞Me163−rAAV−B7.2、
ウェル当たり104)を健康な供与者の抹消血リンパ球(ウェル当たり105)と
インキュベートした。リンパ球増殖は5日目における放射性チミジン取り込み法
により測定された。B7.2導入はT細胞活性化を起こしたが、一方、Tリンパ
球は刺激無し(培地)または非修飾Me163細胞(Me163)とのインキュ
ベーション後では増殖しない。該反応は、Tリンパ球をメラノーマ細胞株Me1
63のB7.1+およびB7.2+安定発現変異体とインキュベートした後に観察
された反応と同じくらい強かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はrAAV粒子を製造するための個々の進行工程、およびメ
ラノーマ処置のための自己由来ワクチンを製造するためのその使用の大要を示し
ている。
【図2】 図2は本発明のヘルパー構築物の選択を図式で示している。
【図3】 図3は野生型AAV(wtAAV)、ヘルパー構築物(=ヘルパ
ープラスミド)およびベクター構築物(=ベクタープラスミド)のゲノム構造の
比較を示している。
【図4】 図4は単および二重発現ベクターを図式で示している。
【図5】 図5はフリップおよびフロップコンフィグレーションを持つAA
Vベクター構築物の5’に位置しているITR配列を図式で示している。
【図6】 図6はRep78欠失ヘルパープラスミドpUCRep68,5
2,40Cap”(RBS)Δ37を図式で示している。
【図7】 図7は別のRep78欠失ヘルパープラスミドpUC”ΔRep
78Cap”(RBS)Δ37を図式で示している。
【図8】 図8はB7.1、B7.2およびGFPをコードしている種々の
構築物を含む導入Me163細胞による、T細胞増殖の結果を示している。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年4月6日(2001.4.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 C12N 15/00 ZNAA C12N 5/10 5/00 B 7/00 A61K 37/02 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 DA03 EA02 EA04 FA02 FA06 GA11 HA20 4B065 AA93X AA95Y AB01 BA02 CA44 4C084 AA02 AA13 BA01 BA08 DA01 DA19 MA02 MA66 ZB262 4C087 AA01 AA02 BB65 BC83 MA02 MA66 NA14 ZB26

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組換え体アデノ随伴ウイルス(rAAV)を製造するための
    方法であって、少なくとも一つのRepタンパク質および/またはCapタンパ
    ク質をコードしている核酸配列を含んでいる一つまたはそれ以上のヘルパー構築
    物(第一の構築物)、およびまたAAVとは異種でありおよびITR配列が隣接
    している一つまたはそれ以上の核酸配列を含んでいるベクター構築物(第二の構
    築物)が適した細胞内へ異なった時間に導入され、最初にヘルパー構築物を適し
    た細胞内へ導入することが優位であることで特徴付けられる前記方法。
  2. 【請求項2】 該第一の構築物を導入した後、および該第二の構築物を導入
    する前に細胞が精製されることで特徴付けられる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 別の工程においてヘルパーウイルスが異なった時間に加えら
    れることで特徴付けられる請求項1−2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】 個々の工程間の時間の差がお互いに独立して少なくとも約1
    時間、好適には少なくとも約12時間、特には少なくとも約1日、とりわけ約1
    −2日であることで特徴付けられる請求項1−3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 遺伝子修飾された細胞が無血清培地で培養されることで特徴
    付けられる請求項1−4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも一つのRepタンパク質およびCapタンパク質
    をコードしている核酸配列を含んでいるヘルパー構築物であって、ヘルパー構築
    物が、好適にはAAVプロモーターを除いて、少なくとも一つのRepタンパク
    質が本質上特異的に結合できる核酸配列を含んでいないことで特徴付けられるヘ
    ルパー構築物。
  7. 【請求項7】 構築物がベクター主鎖中に式CGCTTCCTCGCTCA
    CTGAの配列を含んでいないことで特徴付けられる請求項6に記載のヘルパー
    構築物。
  8. 【請求項8】 Repタンパク質がRep68、Rep52およびRep4
    0、特にはRep68およびRep52であること、およびそれと独立して、C
    apタンパク質がVP1、VP2およびVP3であることで特徴付けられる請求
    項6または7に記載のヘルパー構築物。
  9. 【請求項9】 少なくとも一つのRepタンパク質をコードしている核酸配
    列を含むヘルパー構築物であって、Repタンパク質はRep68、Rep52
    および/またはRep40であり、および特に、Rep78ではないことで特徴
    付けられるヘルパー構築物。
  10. 【請求項10】 AAVカプシド内へのヘルパー構築物のパッケージングを
    害する追加の核酸配列が、RepおよびCapをコードしている核酸配列間に取
    り込まれていることで特徴付けられる請求項6−9のいずれか1項に記載のヘル
    パー構築物。
  11. 【請求項11】 追加の核酸配列が少なくとも約300ヌクレオチド、好適
    には少なくとも約500ヌクレオチド、特には少なくとも約600−700ヌク
    レオチドの長さであることで特徴付けられる請求項10に記載のヘルパー構築物
  12. 【請求項12】 ヘルパー構築物が、ベクター構築物に相同的でありおよび
    相同的組換えを可能にする核酸配列を含んでいないことで特徴付けられる請求項
    6−11のいずれか1項に記載のヘルパー構築物。
  13. 【請求項13】 AAV−2塩基4461−4497が欠失されていること
    で特徴付けられる請求項6−12のいずれか1項に記載のヘルパー構築物。
  14. 【請求項14】 Repタンパク質および/またはCapタンパク質の発現
    がAAVプロモーターまたは異種プロモーターおよび/またはエンハンサーで制
    御されることで特徴付けられる請求項6−13のいずれか1項に記載のヘルパー
    構築物。
  15. 【請求項15】 AAVに対して異種でありおよびITR配列が隣接してい
    る一つまたはそれ以上の核酸を含んでいるベクター構築物であって、ITR配列
    がフロップ配向で存在していることで特徴付けられるベクター構築物。
  16. 【請求項16】 異種核酸の発現がAAVに対して異種であるプロモーター
    および/またはエンハンサーで制御されることで特徴付けられる請求項15に記
    載のベクター構築物。
  17. 【請求項17】 異種プロモーターおよび/またはエンハンサーが3’に位
    置しているITR配列に向かって配向していることで特徴付けられる請求項16
    に記載のベクター構築物。
  18. 【請求項18】 構築物が複製不全であることで特徴付けられる請求項6−
    17のいずれか1項に記載の構築物。
  19. 【請求項19】 構築物が自己複製することで特徴付けられる請求項6−1
    7のいずれか1項に記載の構築物。
  20. 【請求項20】 構築物がSV40ori核酸配列およびSV40 T抗原
    をコードしている核酸配列の両方を含むか、または、代替的に、EBV ori
    P核酸配列およびEBV EBNA配列の両方を含んでいることで特徴付けられ
    る請求項19に記載の構築物。
  21. 【請求項21】 rAAVを製造するための、請求項6−14のいずれか1
    項に記載の少なくとも一つのヘルパー構築物および/または請求項15−17の
    いずれか1項に記載のベクター構築物および/または請求項18−20のいずれ
    か1項に記載の構築物の使用。
  22. 【請求項22】 請求項1−5のいずれか1項に記載の方法における請求項
    21に記載の使用。
  23. 【請求項23】 GM−CSFおよびB7.2をコードしている一つまたは
    それ以上の異種核酸配列が腫瘍細胞内に導入されていることで特徴付けられる腫
    瘍細胞、好適にはメラノーマ細胞。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の腫瘍細胞を含んでいる医薬。
  25. 【請求項25】 GM−CSFおよびB7.2をコードしている一つまたは
    それ以上の核酸配列が腫瘍細胞内に導入されていることで特徴付けられる、請求
    項23に記載の腫瘍細胞を製造するための方法。
  26. 【請求項26】 該核酸配列が、請求項1−5のいずれか1項に記載した方
    法に従って製造できる組換え体アデノ随伴ウイルスの助けによって導入されるこ
    と、および腫瘍細胞は好適には放射線照射で処理されることで特徴付けられる請
    求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 癌、特には悪性癌、好適にはメラノーマ、の処置のための
    請求項23に記載の腫瘍細胞の使用。
  28. 【請求項28】 障害、好適には腫瘍、特に悪性メラノーマおよび卵巣、乳
    房、結腸、前立腺、気管支、頭部および/または頸部の腫瘍の処置のための請求
    項6−20のいずれか1項に記載の構築物の使用。
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