JP2003500997A - 電気モータ、特に車両ユニットのための電気的な変速機付モータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電気モータ、特にウィンドガラスワイパ、ウィンドリフタ等のような車両ユニットを駆動するための電気的な変速機付モータであって、ケーシングカバー（１２）によって閉鎖可能なケーシング、特に変速機ケーシング（１０）と、前記ケーシングカバー（１２）に配置された、接続コネクタによって接触接続可能な、当該電気モータを車両電子装置に接続するためのコネクタ接続部とが設けられている形式のものにおいて、構造的に種々異なって設計された接続コネクタの場合にコネクタ接続部を統一的にかつ単一形式で形成するために、コネクタ接続部に、交換可能なアダプタ（１５′）が装着されており、該アダプタ（１５′）が、コネクタ接続部に適合された第１のグループ（１６）の複数の電気的なコンタクトと、接続コネクタに適合された第２のグループ（１７）の複数の電気的なコンタクトとを有している。両コンタクトグループ（１６，１７）の、差込み舌片（１８，１９）から成るコンタクトが、アダプタ（１５′）の内部で互いに導電接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 背景技術 本発明は、請求項１の上位概念部に記載の形式の電気モータ、特にフロントウ
ィンドガラスワイパ、リヤウインドガラスワイパ、ウィンドリフタ等のような車
両ユニットを駆動するための電気的な変速機付モータから出発する。

【０００２】 整流子モータを備えた、このような形式の電気的な変速機付モータ（ドイツ連
邦共和国特許出願第１９８５８２３３．１号明細書）では既に、整流子（コンミ
テータ）および整流子ブラシを変速機ケーシング内へ置き換え、これによって変
速機ケーシングカバーにコネクタ接続部を形成することが提案されている。この
コネクタ接続部は複数の差込みピンにより形成されており、これらの差込みピン
は変速機カバーに接線方向で突設されたポケット内に配置されている。車両電子
装置への接続コネクタはこのポケット内へ押し込まれ、この場合、この差込みコ
ネクタの、差込みスリーブまたは差込みブッシュとして形成されたコネクタコン
タクトは、コネクタ接続部の差込みピンに機能面で適正に被せ嵌められる。

【０００３】 車両電子装置に対する接続コネクタに関しては、車両メーカごとに種々異なる
構成および差込み位置が規定されているので、変速機付モータの下請け業者は、
車両メーカごとに専用の接続コネクタに適合された変速機ケーシングカバーを設
計し、製作しかつ保管することが必要となる。これにより、変速機付モータを各
車両メーカごとに専用の変速機ケーシングカバーによって閉鎖することができる
ようになる。

【０００４】 発明の利点 本発明による電気モータ、特に車両ユニットを駆動するための電気的な変速機
付モータには、単純化された廉価な製造という利点がある。なぜならば、車両電
子装置に通じた接続コネクタ（「顧客コネクタ」とも呼ばれる）に適合されたア
ダプタによって、コネクタ収容部を備えたケーシングカバーをすべての顧客に対
して統一的に形成することができ、そしてそれぞれの顧客のために小容積のアダ
プタ部分を専用に製作するだけで済むからである。このことはケーシングカバー
の射出成形のためにかかる工具コストを減少させて、ケーシングカバーの、１つ
の工具を用いて製作可能となる個数を著しく増大させるので、個数が増大するに
つれて製作コストが低下する。その上、構成的な手間も減じられる。なぜならば
、アダプタはたしかに顧客の希望に応じてその都度新たに設計されなければなら
ないが、しかしこの場合には、複雑なケーシングカバーを顧客の希望に適合させ
なければならない場合に比べて僅かな要求しか課せられないからである。ケーシ
ングカバーに設けられた接続コネクタの機能、たとえばウインドガラスワイパを
駆動するために変速機付モータが使用される場合には停止位置、妨害防止、コン
タクト位置および検査位置のような機能は、これによって統一的に（ｅｉｎｈｅ
ｉｔｌｉｃｈ）かつ単一形式に（ｅｉｎｍａｌｉｇ）形成され得る。

【０００５】 請求項２以下に記載の手段により、請求項１に記載の電気モータの有利な改良
が可能となる。

【０００６】 実施例の説明 図１に平面図で部分的に示された、一般的な電気モータのための例として挙げ
られた電気的な変速機付モータは、たとえば自動車のウィンドガラスワイパを駆
動するために働く。この変速機付モータは変速機ケーシング１０と、この変速機
ケーシングに取り付けられたモータケーシング１１とを有している。変速機（図
示しない）を収容した変速機ケーシング１０は、ケーシングカバー１２によって
閉鎖された組付け開口を有しており、この場合、ケーシングカバー１２と変速機
ケーシング１０との間には、ダストシールおよび湿分シールのためのパッキンが
設けられている。モータケーシング１１内には、たとえば整流子モータとして形
成された電気モータが受容されており、この電気モータの、コンミテータもしく
は整流子を支持しているロータ軸が変速機ケーシングに突入している。これに対
応して、整流子と協働する整流子ブラシは変速機ケーシング１０内に配置されて
おり、整流子モータへの電流供給および整流子モータの制御のためのコネクタ接
続部１３は変速機カバー１２へ移されている。変速機付モータは、コネクタ接続
部１３に接触接続される接続コネクタ（図示しない）によって車両電子装置に接
続されている。コネクタ接続部１３は単一形式で（ｅｉｎｍａｌｉｇ）、かつ統
一的な電気的機能、たとえば停止位置、妨害防止、まとまったコンタクティング
位置およびチエック位置を備えて形成されている。本実施例ではコネクタ接続部
１３が合計５つの接続コンタクトを有しており、これらの接続コンタクトは差込
みブッシュまたは差込みスリーブ１４として形成されていて、直接にケーシング
カバー１２内に挿入されており、有利にはプラスチックから成るケーシングカバ
ー１２の射出成形時にプラスチック内に一緒に埋め込まれる。差込みスリーブ１
４はケーシングカバー１２の内側に設けられた打抜き格子、個々の導体ストリッ
プまたはプリント配線板に接触接続されている。

【０００７】 変速機付モータが自動車メーカごとに種々異なって設計された接続コネクタと
適合性を有するようにし、そして種々の接続コネクタに合わせたコネクタ接続部
１３の変更を回避し、ひいてはケーシングカバー１２の絶え間ない構造的な変化
を回避するためには、図２に斜視図で示したアダプタ１５が提供される。このア
ダプタ１５はコネクタ接続部１３に適合された第１のグループ１６の電気的なコ
ンタクトと、自動車メーカにより規定された接続コネクタに適合された第２のグ
ループ１７の電気的なコンタクトとを有している。アダプタ１５の内部では、両
コンタクトグループ１６，１７のコンタクトが互いに導電接続されている。アダ
プタ１５はアダプタボディ２０を有しており、このアダプタボディ２０の横断面
は、平行に延びる長辺を有する、扁平に押しつぶされた楕円に相当している。ア
ダプタボディ２０の一方の端面２０１には、中空室形の凹部２２が設けられてい
る。両コンタクトグループ１６，１７のコンタクトはそれぞれ扁平な差込み舌片
１８，１９として形成されており、この場合、第１のコンタクトグループ１６の
差込み舌片１８は、凹部２２とは反対の側の他方の端面２０２の近くでアダプタ
ボディ２０の下側の長辺から突出しており、アダプタボディ２０の凹部２２内の
第２のコンタクトグループ１７の差込み舌片１９は凹部２２の底部から軸方向に
突出していて、凹部２２内で自由に接近可能である。この場合、差込み舌片１８
，１９は、差込み舌片１８がコネクタ接続部１３の差込みスリーブ１４内へ形状
接続的に、つまり嵌合に基づく係合により押込み可能となり、そして差込み舌片
１９が顧客固有の接続コネクタの対応する差込みブッシュ内へ形状接続的に押込
み可能となるように寸法決めされかつ配置されている。図２に破線で示したよう
に、差込み舌片１８と差込み舌片１９との電気的な接続は条片またはウエブ２１
によって行われる。このウエブ２１の端部には、差込み舌片１８；１９が一体に
成形されている。ウエブ２１は規定された相互間隔で軸平行にアダプタボディ２
０内に固定されている。

【０００８】 図３には、アダプタ１５′の別の実施例が示されている。このアダプタ１５′
は変速機付モータに関する顧客固有の接続コネクタの規定の空間的な位置調整を
求める顧客の要求を満たすものである。折り曲げられたアダプタボディ２０′を
備えたアダプタ１５′はやはり斜視図で示されており、この場合、凹部２２内に
内蔵された差込み舌片１９を有する開いた端面２０１と、他方の端面２０２の前
方で下方に向かって直角にアダプタボディ２０′から進出した差込み舌片１８と
が見えている。

【０００９】 図４には、図１に示した変速機付モータの変速機ケーシング１０が示されてい
る。この場合、変速機ケーシングのケーシングカバー１２内の統一型のコネクタ
接続部１３には、図３に示したアダプタ１５′が差し込まれており、その結果、
アダプタボディ２０′の下側から突出した差込み舌片１８は、統一型のコネクタ
接続部１３の差込みスリーブ１４内に押し込まれている。アダプタボディ２０′
の一方の端面２０１において接近可能である差込み舌片１９は、この端面２０１
に設けられた凹部２２内に押し込まれるべき顧客固有の接続コネクタでまだ覆わ
れていない。

【００１０】 図５に示した択一的な構成では、アダプタ１５″が扁平なプラスチックプレー
ト２３として形成されており、両コンタクトグループ１６，１７のコンタクトが
、プラスチックプレート２３に固定された差込み舌片１８，１９から成っている
。この場合、第１のコンタクトグループ１６の差込み舌片１８は一方の側で、つ
まりこの場合にはプラスチックプレート２３の下側で、かつ第２のコンタクトグ
ループ１７の差込み舌片１９は他方の側で、つまりこの場合にはプラスチックプ
レート２３の上側で、それぞれプラスチックプレート２３から直角に突出してい
る。差込み舌片１８，１９はプラスチックプレート２３のそれぞれ他方の側にま
で貫通案内されており、この場合、差込み舌片１８，１９は、差込み舌片１８が
コネクタ接続部１３の差込みスリーブ１４内に形状接続的に押込み可能となり、
かつ差込み舌片１９が顧客固有の接続コネクタに設けられた対応する差込みブッ
シュ内に形状接続的に押込み可能となるように寸法設定されかつ配置されている
。差込み舌片１８と差込み舌片１９との電気的な接続は、差込み舌片１８が突出
している方の側、つまりプラスチックプレート２３の下側で行われる。このよう
な電気的な接続は、プラスチックプレート２３の下側にまで貫通案内された差込
み舌片１９の端面と、差込み舌片１８の端面とを接触接続する複数の導体路とし
て形成されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 統一型のコネクタ接続部を備えた電気的な変速機付モータの部分的な平面図で
ある。

【図２】 図１に示した統一型のコネクタ接続部に差し込むためのアダプタの斜視図であ
る。

【図３】 別の実施例によるアダプタの、図２と同様の図である。

【図４】 統一型のコネクタ接続部に差し込まれた、図３に示したアダプタを備えた、図
１に示した変速機付モータの変速機ケーシングの平面図である。

【図５】 本発明の第３実施例を示す、図２と同様の図である。

【符号の説明】 １０ 変速機ケーシング、 １１ モータケーシング、 １２ ケーシングカ
バー、 １３ コネクタ接続部、 １４ 差込みスリーブ、 １５，１５′，１
５′′ アダプタ、 １６ 第１のグループ、 １７ 第２のグループ、 １８
，１９ 差込み舌片、 ２０，２０′ アダプタボディ、 ２１ ウェブ、 ２
２ 凹部、 ２３ プラスチックプレート、 ２０１，２０２ 端面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハンスヨエルク カルヒャー ドイツ連邦共和国 ビューラータール ビ ューヒェルバッハシュトラーセ ６ (72)発明者 ユルゲン ヘルプ ドイツ連邦共和国 ビュール アム ノイ エン ヴェーク 13 (72)発明者 エリック マウラー ドイツ連邦共和国 ビューラータール ブ ッチェンベルクヴェーク 10 (72)発明者 アンドレアス ヴィーゲルト ドイツ連邦共和国 カッペルローデック ルスハルデヴェーク 28 (72)発明者 ベルント ボック ドイツ連邦共和国 ビューラータール ハ ンスヤコプヴェーク 41 (72)発明者 リヒャルト フルスト ドイツ連邦共和国 オッフェンブルク ゴ ットヴァルトシュトラーセ ８アー Ｆターム(参考） 3D025 AE02 5H605 AA07 BB05 CC06 CC08 EA15 EC05 EC07 EC08 EC14 EC16 EC20 FF06 GG18 5H607 AA12 BB01 CC03 DD10 DD19 EE36 FF13

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気モータ、特にフロントウィンドガラスワイパ、リヤウイ
   ンドガラスワイパ、ウィンドリフタ等のような車両ユニットを駆動するための電
   気的な変速機付モータであって、ケーシングカバー（１２）によって閉鎖可能な
   ケーシング、特に変速機ケーシング（１０）と、前記ケーシングカバー（１２）
   内で接続コネクタによって接触接続可能な、当該電気モータを車両電子装置に接
   続するためのコネクタ接続部（１３）とが設けられている形式のものにおいて、
   コネクタ接続部（１３）に、交換可能なアダプタ（１５；１５′；１５″）が装
   着されており、該アダプタ（１５；１５′；１５″）が、コネクタ接続部（１３
   ）に適合された第１のグループ（１６）の複数の電気的なコンタクトと、接続コ
   ネクタに適合された第２のグループ（１７）の複数の電気的なコンタクトとを有
   しており、両コンタクトグループ（１６，１７）のコンタクトが、アダプタ（１
   ５；１５′，１５″）の内部で互いに導電接続されていることを特徴とする電気
   モータ。
2. 【請求項２】 コネクタ接続部（１３）が複数の差込みスリーブ（１４）を
   有しており、アダプタ（１５；１５′；１５″）の両コンタクトグループ（１６
   ，１７）のコンタクトが複数の差込み舌片（１８，１９）から成っており、これ
   らの差込み舌片のうち、一方の差込み舌片（１８）がコネクタ接続部（１３）の
   差込みスリーブ（１４）内へ、他方の差込み舌片（１９）が接続コネクタの差込
   みスリーブ内へ、それぞれ形状接続的に押込み可能に形成されている、請求項１
   記載の電気モータ。
3. 【請求項３】 コネクタ接続部（１３）の差込みスリーブ（１４）が、直接
   にケーシングカバー（１２）に挿入されており、有利にはケーシングカバー（１
   ２）の射出成形時にケーシングカバー（１２）内に一緒に埋め込まれている、請
   求項２記載の電気モータ。
4. 【請求項４】 アダプタ（１５；１５′）がアダプタボディ（２０；２０′
   ）を有しており、該アダプタボディ（２０；２０′）の一方の端面（２０１）で
   、一方のコンタクトグループ（１７）の、凹部（２２）内に内蔵された差込み舌
   片（１９）が接近可能であり、他方のコンタクトグループ（１６）の差込み舌片
   （１８）が、アダプタボディ（２０；２０′）の他方の端面（２０２）の近くで
   アダプタボディ（２０；２０′）の下側から外方へ突出している、請求項２また
   は３記載の電気モータ。
5. 【請求項５】 一方の差込み舌片（１８）と他方の差込み舌片（１９）との
   間の電気的な接続が、アダプタボディ（２０；２０′）内に内蔵された条片また
   はウエブ（２１）によって形成されており、該条片またはウエブ（２１）の端部
   に前記差込み舌片（１８，１９）が一体成形されている、請求項４記載の電気モ
   ータ。
6. 【請求項６】 アダプタ（１５″）が扁平なプラスチックプレート（２３）
   として形成されており、一方のコンタクトグループ（１６）の差込み舌片（１８
   ）がプラスチックプレート（２３）の一方の側から、他方のコンタクトグループ
   （１７）の差込み舌片（１９）がプラスチックプレートの他方の側から、それぞ
   れ突出している、請求項２または３記載の電気モータ。