JP2003347710A - 配線基板 - Google Patents

配線基板

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JP2003347710A
JP2003347710A JP2002158233A JP2002158233A JP2003347710A JP 2003347710 A JP2003347710 A JP 2003347710A JP 2002158233 A JP2002158233 A JP 2002158233A JP 2002158233 A JP2002158233 A JP 2002158233A JP 2003347710 A JP2003347710 A JP 2003347710A
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Junro Yoneda
淳郎 米田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタライズ層の表面に被着される金属メッキ
層に、メッキ液がガス化した内部ガスに起因する突起が
発生するのを防止することにより、メタライズ層に金属
メッキ層が信頼性良く強固に被着された配線導体層を有
する配線基板を提供すること。 【解決手段】 セラミック基板2の主面に、WまたはM
o−Mn合金から成る焼結体3および焼結体3中の隙間
に存在するガラス7から成るメタライズ層4ならびにメ
タライズ層4の表面に被着された金属メッキ層8から成
る配線導体層が形成されており、メタライズ層4は、金
属メッキ層8側の表面の算術平均粗さが200〜600nmで
あり、かつその表面から深さ10μmまでの表層5におけ
る焼結体3の体積比が75体積%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック基板の
主面にメタライズ層およびその上に被着された金属メッ
キ層から成る配線導体層を有する配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミック基板の主面にメタライ
ズ層および金属メッキ層から成る配線導体層を有する配
線基板は以下のようにして作製される。例えばアルミナ
(Al 23)を主成分とし、これに二酸化珪素(SiO
2),酸化カルシウム(CaO),酸化マグネシウム
(MgO)などの焼結助材が添加されたセラミック粉末
およびバインダ等からなるセラミックグリーンシート上
に、例えばタングステン(W)粉末を主成分とする金属
ペーストを印刷して印刷導体層を形成し、これをセラミ
ックグリーンシートと同時焼成することによりメタライ
ズ層を形成し、そのメタライズ層の表面にニッケル(N
i),金(Au)等から成る金属メッキ層を被着させて
配線導体層を形成することにより、配線基板が作製され
る。
【0003】図2の(a)に従来の配線基板の部分拡大
断面図を示すように、上記のようにして作製された配線
基板11の表面のメタライズ層14は、W粉末が焼結した網
目状の焼結体13の内部に、上記の焼結助材を主成分とす
るガラス17がセラミックグリーンシートから拡散した状
態となっている。そして、ガラス17は、焼結体13の保形
性を向上させるとともにメタライズ層14とセラミック基
板12との間の接合媒体として作用している。
【0004】また、図2の(b)の部分拡大断面図に示
すように、焼成されたセラミック基板12に、例えばモリ
ブデン(Mo)−マンガン(Mn)合金の粉末とAl2
3,SiO2,CaO,MgO等とからなる金属ペース
トを印刷して印刷導体層を形成し、次いで焼成して焼き
付けることによって、メタライズ層14をセラミック基板
12の表面に形成することもできる。
【0005】このようにして得られたメタライズ層14に
は上記の焼結助材からなるガラスが含まれ、このガラス
により焼結体13aとなっているMo−Mn合金の粒子同
士の接合をより強固にするとともに、メタライズ層14か
らセラミック基板12の内部へとガラス17が拡散し、この
ガラス17を介してメタライズ層14とセラミック基板12と
が接合することにより、メタライズ層14がセラミック基
板12の表面に強固に接合される。
【0006】そして、この配線基板11において、メタラ
イズ層14の表面にニッケル(Ni)メッキ層などの金属
メッキ層を信頼性良く被着させることを目的として、例
えばエッチングによりメタライズ層14の表層部分に存在
するガラス17を除去することが行われる。エッチングに
より表面処理されたメタライズ層14の表面に、Niメッ
キ層18aもしくはAuメッキ層18bから成る金属メッキ
層18またはNiメッキ層18a,Auメッキ層18bが順次
被着された金属メッキ層18を形成することにより、メタ
ライズ層14の腐食を防ぎ、また配線導体にリード端子を
ロウ付けする際のロウ材の濡れ性を良好なものとしてリ
ード端子の接合強度を向上させ、さらに導体抵抗を小さ
くすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の配線基板においては、焼結体13の上部付近に存在す
るガラス17の塊が、メタライズ層14の表面に数μm〜十
数μmの径でその一部が露出することがあり、このガラ
ス17が露出する部位を起点としてガラスの塊がエッチン
グによって除去されると、エッチング後に内面が粗面と
された窪みが残ってしまう。そして、金属メッキ層18を
メタライズ層14の表面に形成するに際して、窪みにおけ
る開口部付近の内面の表面が粗いためメッキ液が窪みに
溜まって外部に排出され難くなり、メッキ液が窪みに残
った状態で窪みの上方が金属メッキ層で覆われることに
なり、このときメッキ液は窪みの中に閉じ込められてし
まう。
【0008】また、上記のように、セラミックグリーン
シートに金属ペーストを印刷塗布して乾燥後に同時焼成
するか、またはセラミック基板に金属ペーストを印刷塗
布して乾燥させ焼成することによりメタライズ層を形成
する際に、乾燥時に除去しきれなかった金属ペーストの
有機溶剤が焼成時にメタライズ層の表面から飛散すると
きに、焼成前のW等の金属粒子の平均粒径の十数倍〜数
十倍の径、すなわち数十〜数百μmの径を有する窪みが
発生する場合がある。この場合、メタライズ層14の表面
にNiメッキ層18aなどの金属メッキ層を形成する際
に、窪みの開口部付近の内面が金属とガラスとから成る
粗面になっていることから、窪みからメッキ液を完全に
除去することが困難であり、よって窪みの内部にメッキ
液が閉じ込められた状態で窪みを覆うように金属メッキ
層が被着されることになる。
【0009】そして、これらの理由により、窪みの中に
閉じ込められたメッキ液が、例えば配線導体にリード端
子をロウ付けする際の加熱により気化してガス状とな
り、このガスが内側から金属メッキ層18を局部的に膨ら
ませ、外観的には金属メッキ層18の表面に突起となって
現われるといった不具合が発生していた。この突起が例
えば配線導体のリード端子の接合部に発生した場合、突
起部の金属メッキ層18はメタライズ層14に密着していな
いことから、突起を起点としてリード端子が小さな外力
で剥れてしまったり、また半導体素子等の電子部品を載
置接合する導体層から成る載置部にこの突起が発生した
場合、載置接合された電子部品が上記と同様の理由によ
り小さな外力で剥れてしまうことがあるという不具合を
招来していた。
【0010】従って、本発明は上記問題点に鑑み完成さ
れたもので、その目的は、メタライズ層の表面に被着さ
れる金属メッキ層に、メッキ液がガス化した内部ガスに
起因する突起が発生するのを防止することにより、メタ
ライズ層に金属メッキ層が信頼性良く強固に被着された
配線導体層を有する配線基板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の配線基板は、セ
ラミック基板の主面に、WまたはMo−Mn合金から成
る焼結体および該焼結体中の隙間に存在するガラスから
成るメタライズ層ならびに該メタライズ層の表面に被着
された金属メッキ層から成る配線導体層が形成されてい
る配線基板において、前記メタライズ層は、前記金属メ
ッキ層側の表面の算術平均粗さが200〜600nmであり、
かつ前記表面から深さ10μmまでの表層における前記焼
結体の体積比が75体積%以上であることを特徴とする。
【0012】本発明の配線基板は、メタライズ層は金属
メッキ層側の表面の算術平均粗さが200〜600nmであ
り、かつその表面から深さ10μmまでの表層における焼
結体の体積比が75体積%以上であることから、メタライ
ズ層の表面に、ガラスの塊がエッチングにより除去され
たり、あるいは金属ペーストの有機溶剤が焼成時にメタ
ライズ層の表面から飛散することで窪みが形成されたと
しても、エッチング処理前にメタライズ層表面にサンド
ブラスト処理を施すことにより、メタライズ層表面が非
常に滑らかで緻密な金属膜で覆われる状態になるととも
に、窪みについてはメタライズ層表面の焼結体が面方向
に延ばされて窪みの少なくとも上部が埋められて平坦化
された状態、または窪みの内面を構成する焼結体がサン
ドブラスト処理により面方向に延ばされて窪みの内面に
隙間がなく滑らかになった状態となる。従って、メッキ
液が窪みに残留するのを有効に防ぐことができ、その結
果金属メッキ層の表面にメッキ液に起因する突起が発生
しない信頼性の高い配線導体層を形成できる。
【0013】メタライズ層表面にエッチング処理を施す
前にサンドブラスト処理等を施すことにより、メタライ
ズ層の表層付近に存在するガラスの塊はメタライズ層表
面に露出することがなくなり、その結果、メッキ処理前
にメタライズ層表面をエッチングする際にエッチング液
とガラスが直接接触することが無いため、ガラスが溶解
されることがほとんど無くなる。従って、メタライズ層
の表面に金属メッキ層を被着する際に、メッキ液がメタ
ライズ層の窪みと金属メッキ層との間に残留することが
有効に防止され、その結果、メッキ液に起因する突起が
発生しない信頼性の高い配線導体層を形成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の配線基板について以下に
詳細に説明する。図1は本発明の配線基板について実施
の形態の一例を示し、配線導体の部分断面図である。図
1において、1は配線基板、2はセラミック基板、3は
焼結体、4はメタライズ層、4aは偏平な金属粒子、5
はメタライズ層4の表層、6は窪み、7はガラス、8は
金属メッキ層、8aはNiメッキ層、8bはAuメッキ
層をそれぞれ示す。
【0015】本発明の配線基板1は、セラミック基板2
の主面に、WまたはMo−Mn合金から成る焼結体3お
よび焼結体3中の隙間に存在するガラス7から成るメタ
ライズ層4ならびにメタライズ層4の表面に被着された
金属メッキ層8から成る配線導体層が形成されており、
メタライズ層4は、金属メッキ層8側の表面の算術平均
粗さが200〜600nmであり、かつその表面から深さ10μ
mまでの表層5における焼結体3の体積比が75体積%以
上である。
【0016】なお、配線導体のメタライズ層4はWまた
はMo−Mn合金から成るが、本実施の形態ではWから
成るメタライズ層4をセラミックグリーンシートに同時
焼成した例について以下に説明する。
【0017】本発明の配線基板1は、例えばセラミック
基板2がAl23からなる場合、以下のようにして作製
される。まずAl23の粉末と、焼結助材としてのSi
2,CaO,MgO等の粉末と、適当なバインダーお
よび溶剤とを混合してこれをスラリー状となす。次に、
このスラリーを用いて従来周知のドクターブレード法等
のテープ成形法によって所定厚みのセラミックグリーン
シートに成形する。次に、セラミックグリーンシートに
Wを主成分とする金属ペーストを所定パターンに印刷塗
布し、しかる後、セラミックグリーンシートを所望の枚
数積層し所定の大きさに切断した後、1500〜1600℃程度
の温度で焼成して、セラミック基板2の表面にメタライ
ズ層4が形成される。さらに、メタライズ層4の表面に
金属メッキ層8を被着させることにより、メタライズ層
4および金属メッキ層8から成る配線導体層を有する配
線基板1が作製される。
【0018】本発明において、メタライズ層4は、金属
メッキ層8側の表面の算術平均粗さが200〜600nmであ
り、かつその表面から深さ10μmまでの表層5における
焼結体3の体積比が75体積%以上であるが、この構成
は、メタライズ層4の表面に例えば研磨材を噴射して異
物等を除去するいわゆるサンドブラスト法等を施すこと
により形成される。サンドブラスト法等により、メタラ
イズ層4の表面からガラス7が除去されるとともに、メ
タライズ層4の表面が偏平な金属粒子4aが連続した表
層5で覆われ、メタライズ層4の表面にガラス7の塊の
一部が露出しない状態となる。
【0019】メタライズ層4の金属メッキ層8側の表面
の微細な凹凸の算術平均粗さが200nm未満では、ロウ
材を用いて例えばリード端子を配線導体層に接合する際
に、アンカー効果が小さくなり、リード端子が小さな力
で剥れ易くなる。また600nmを超えると、メッキ液が
溜まり易くなる。
【0020】メタライズ層4における焼結体3の体積比
が75体積%未満では、表層5の隙間が多くなりメッキ液
が残留し易くなる。好ましくは80体積%以上がよく、よ
り好ましくは90体積%以上がよい。
【0021】サンドブラスト法により上部が潰されて面
方向に延ばされた金属粒子4aは、粒子全体が偏平では
なく上部のみが偏平となっていてもよい。金属粒子4a
の平面視における面積がもとの面積よりも大きくなって
いれば、本発明の目的が達せられる。
【0022】本発明では、表面が滑らかで緻密な表層5
を形成するために、50μm程度の平均粒径を有するガラ
スビーズ、または鉄(Fe)等から成る金属粒子を、10
mm程度の距離、噴射圧力0.3MPa/cm2、噴射量10
0g/分、15秒程度の条件で、メタライズ層4の表面に
衝突させると良い。これにより、メタライズ層4の表面
のガラス7を除去できるとともに、偏平な金属粒子4a
が互いに密着した表層5が形成される。
【0023】このとき、金属粒子4aの元の平面視にお
ける面積に対して、1.5〜3.0倍の面積とすることがで
き、これにより、ガラス7がメタライズ層4に露出する
部位をなくし、また金属ペーストの有機溶剤がガス化し
て抜けることにより形成された窪み6の少なくとも上部
を表層5で覆うことができる。特に、金属ペーストの有
機溶剤に起因する窪み6の場合、窪み6が残ったとして
もメッキ液の排除に際して障害となる開口部付近の内面
の凹凸が激減し、メッキ液を完全に排除することがで
き、メタライズ層4上に金属メッキ層8を高い信頼性で
被着できる。
【0024】また本発明では、メタライズ層4の表層5
が略面方向(厚さ方向に垂直な方向)が偏平な金属粒子
4aからなり緻密になっていることにより、Niメッキ
層8a,Auメッキ層8bを強固にメタライズ層4表面
に被着させることができる。その結果、メタライズ層4
に酸化や腐食が発生せず、信頼性の高い配線導体層を有
する配線基板1とすることができる。このようなメタラ
イズ層4はサンドブラスト法によって形成でき、さらに
メタライズ層4の表面は非常に滑らかになる。従って、
メタライズ層4の表面に被着される金属メッキ層8の接
合の信頼性が極めて高くなり、配線導体層に接合された
リード端子等の接合性を良好に保持するとともに、メタ
ライズ層4の導体抵抗を改善することができる。
【0025】メタライズ層4の表面のガラス7を除去す
るとともに偏平な金属粒子4aからなる表層5を形成す
るには、上述したようにガラスビーズなどを研磨材とし
て使用するサンドブラスト法が好適であるが、ガラスビ
ーズ以外に金属粒子(金属球体)を使用しても良い。そ
の際、金属粒子の硬度はメタライズ層4の金属よりも小
さくても良い。高速で吹き付ける研磨材の運動エネルギ
ーがメタライズ層4の金属粒子に対する衝撃力となり、
よって金属粒子を全面的あるいは部分的に偏平にするこ
とができる。メタライズ層4がWから成る場合、Wのビ
ッカース硬度(360Hv)以上の硬度を有する球体を使
用すればより短時間で効果的に本発明の目的が達せられ
る。
【0026】また、本発明において、メタライズ層4の
表面の算術平均粗さは、金属メッキ層8を被着する前に
レーザ光を用いる表面粗さ計を用いて測定したり、配線
導体層の断面の顕微鏡写真を観察することによって測定
できる。また、表層5の厚さは配線導体層の断面の顕微
鏡写真を観察することによって測定できる。
【0027】
【実施例】本発明の配線基板の実施例を以下に説明す
る。
【0028】まず、本発明の配線基板を以下のようにし
て作製した。本発明の配線基板1上に1mm角のメタラ
イズ層4を形成したものを準備した。このメタライズ層
4を形成するための金属ペーストに用いたW粉末の平均
粒径は約3μmであった。
【0029】そして、金属の焼結体の全体の体積比が最
初に60体積%であるメタライズ層4に対して、その表面
にサンドブラスト処理を施すことにより、表面から深さ
10μmまでの表層5における焼結体の体積比を60,65,
70,73,75,80(体積%)とした6種のものを各20個ず
つ作製した。サンドブラスト条件は、吹き付けるガラス
ビーズ粒子の平均粒径を80μm、10mm上方から噴射圧
力0.3MPa/cm2、噴射量を100g/分とし、噴射時
間を5秒(65体積%),10秒(70体積%),13秒(73体
積%),15秒(75体積%),20秒(80体積%)として、
メタライズ層4の表面の算術平均粗さを1200nm(60体
積%),1000nm(65体積%),800nm(70体積
%),680nm(73体積%),600nm(75体積%),40
0nm(80体積%)とした。
【0030】このようにして作製したサンプルを、弗化
アンモニウムによりエッチングして、メタライズ層4の
表面のガラス7を除去し、次にメタライズ層4上に幅0.
6mm、厚さ0.2mmのリード端子を銀ロウを用いて850
℃の温度でロウ付けした。このリード端子の端を上方に
引張って垂直方向に折り曲げるテスト方法(ピール法)
で接合強度を評価した。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1より、表層5における焼結体3の体積
比が75体積%未満では、表層5でガラス7の露出部が完
全に塞がれていないため、金属メッキ層8に突起が発生
し、リード端子の接合強度が低下した。
【0033】次に、サンドブラスト処理により金属の焼
結体の全体の体積比が最初に60体積%であるメタライズ
層4に対して、サンドブラスト処理の時間を変えて、表
面の算術平均粗さを100,150,180,200,400,600,620,
650,700,800,1000nmとしたサンプルを各20個ずつ用意
し、ピール法による引張り強度、および突起の発生状態
を評価した。評価結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2の結果から、本発明では、メタライズ
層の表面の微細な凹凸の算術平均粗さが600nmを超え
ると突起の発生が見られた。これは、窪みの開口部付近
の内面が粗な状態となり、これによりメッキ液が容易に
外部に排出されなくなり、その結果窪みに残留したメッ
キ液がメッキ皮膜の下に閉じ込められ、これが突起の原
因となっているからである。また、この算術平均粗さが
200nm未満になるとメタライズ層に対するロウ材のア
ンカー効果が小さくなり、接合強度が小さくなってしま
う。よって、メタライズ層の表面の微細な凹凸の算術平
均粗さは200〜600nmとする必要がある。
【0036】これらのテストにより、本発明のメタライ
ズ層は金属メッキ層側の表面の算術平均粗さが200〜600
nmであり、かつ焼結体の体積比が75%以上である場合
に、メッキ皮膜の突起を解消でき、よってリードの接合
強度を充分なものとすることができる有効なものである
ことが判明した。
【0037】なお、本発明は上記実施の形態および実施
例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種
々の変更を行うことは何等支障ない。例えば、上記実施
の形態ではセラミックグリーンシートにメタライズ層4
形成用の金属ペーストを塗布し同時焼成する場合につい
て説明したが、セラミック基板2上にMo−Mn合金形
成用の金属ペーストを塗布し焼成することによりメタラ
イズ層を形成することもできる。
【0038】
【発明の効果】本発明の配線基板は、セラミック基板の
主面に、WまたはMo−Mn合金から成る焼結体および
焼結体中の隙間に存在するガラスから成るメタライズ層
ならびにメタライズ層の表面に被着された金属メッキ層
から成る配線導体層が形成されており、メタライズ層
は、金属メッキ層側の表面の算術平均粗さが200〜600n
mであり、かつその表面から深さ10μmまでの表層にお
ける焼結体の体積比が75体積%以上であることにより、
メタライズ層の表面にガラスの塊がエッチング除去され
たり金属ペーストの有機溶剤が焼成時にメタライズ層の
表面から飛散することにより窪みが形成されたとして
も、メタライズ層表面にサンドブラスト処理等を施すこ
とにより、メタライズ層表面が非常に滑らかで隙間のな
い緻密な状態になるとともに、窪みについてはメタライ
ズ層表面の焼結体が面方向に延ばされて窪みの少なくと
も上部が埋められて平坦化された状態またはメタライズ
層表面の焼結体が面方向に延ばされて窪みの内面が隙間
がなく滑らかになった状態となる。従って、メッキ液が
窪みに残留するのを有効に防ぐことができ、その結果金
属メッキ層の表面にメッキ液に起因する突起が発生しな
い信頼性の高い配線導体層を形成できる。
【0039】また、メタライズ層表面にエッチング処理
を施す前にサンドブラスト処理等を施すことにより、メ
タライズ層の表層付近に存在するガラスの塊はメタライ
ズ層表面に露出することがなくなり、その結果、メッキ
処理前にメタライズ層表面をエッチングする際にエッチ
ング液とガラスが直接接触することが無いため、ガラス
が溶解されることが無くなる。従って、メタライズ層の
表面に金属メッキ層を被着する際に、メッキ液がメタラ
イズ層の窪みと金属メッキ層との間に残留することが有
効に防止され、その結果、メッキ液に起因する突起が発
生しない信頼性の高い配線導体層を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板について実施の形態を示す配
線導体層の部分拡大断面図である。
【図2】(a)は従来の配線基板の一例を示し、Wから
成るメタライズ層を有する配線導体層の部分拡大断面
図、(b)は従来の他の例を示し、Mo−Mnから成る
メタライズ層を有する配線導体層の部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1:配線基板 2:セラミック基板 3:焼結体 4:メタライズ層 7:ガラス 8:金属メッキ層
フロントページの続き Fターム(参考) 4E351 AA07 BB01 BB23 BB24 BB31 BB33 BB38 CC06 CC12 CC22 DD06 DD17 DD19 DD52 DD60 GG13 GG14 GG15 5E338 AA18 CC01 CD03 EE26 5E343 AA02 AA23 AA39 BB12 BB16 BB23 BB39 BB40 BB44 BB71 BB72 DD02 DD43 ER35 GG01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板の主面に、WまたはMo
    −Mn合金から成る焼結体および該焼結体中の隙間に存
    在するガラスから成るメタライズ層ならびに該メタライ
    ズ層の表面に被着された金属メッキ層から成る配線導体
    層が形成されている配線基板において、前記メタライズ
    層は、前記金属メッキ層側の表面の算術平均粗さが200
    〜600nmであり、かつ前記表面から深さ10μmまでの
    表層における前記焼結体の体積比が75体積%以上である
    ことを特徴とする配線基板。
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