JP2003346371A - 記録再生装置とその制御方法 - Google Patents

記録再生装置とその制御方法

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JP2003346371A
JP2003346371A JP2002149389A JP2002149389A JP2003346371A JP 2003346371 A JP2003346371 A JP 2003346371A JP 2002149389 A JP2002149389 A JP 2002149389A JP 2002149389 A JP2002149389 A JP 2002149389A JP 2003346371 A JP2003346371 A JP 2003346371A
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heat
recording
pickup
semiconductor laser
light source
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Masao Tahira
理雄 田平
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体レーザから光を照射して光ピックアッ
プ装置を用いて記録再生を行う光ディスク装置におい
て、短時間で十分に半導体レーザを冷却することができ
るようにする。 【解決手段】 記録再生中に、記録再生における移動範
囲の外側にある退避位置に光ピックアップ装置12が移
動し、光ピックアップ装置12のハウジング10と、メ
インシャーシ21に取り付けられた、炭素シートで構成
された熱伝導体31とが面接触して、半導体レーザ1を
メインシャーシ21に熱的に結合させ、冷却する。これ
により、短いレーザ停止時間で大幅に半導体レーザ1を
冷却し、その温度上昇による劣化を抑制することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録再生装置にお
いて光ディスク等の光記録媒体を記録・再生するのに用
いられる光源の温度上昇を低減する記録再生装置とその
制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、再生専用のコンパクトディスク
(CD)や、追記型のコンパクトディスクレコーダブル
(CD−R)や、書き換え可能の相変化ディスク(CD
−RW)等の光ディスクがある。光ディスクは、信号記
録面を持ち、オーディオ信号やその他のデータに基づく
デジタル信号が、ピットとして記録されている。
【0003】光ピックアップ装置について、以下その動
作について説明する。図5は、従来の光ピックアップ装
置112の主要断面図である。半導体レーザ101より
出射されたレーザ光は、コリメートレンズ102を通過
することにより発散光から平行光に変わり、反射ミラー
103により反射され、対物レンズ104を介して集光
され、光ディスク111の信号記録面上の所定の位置に
照射される。対物レンズ104は、レンズホルダ105
に固定され、レンズホルダ105は、光ディスク111
上の集光スポットを、レーザの対物レンズの焦点深度内
に追従させるフォーカスアクチュエータと、トラックに
追従させるトラッキングアクチュエータを備えた対物レ
ンズアクチュエータ106に搭載されている。また、こ
のような光ピックアップ装置112において、上述した
半導体レーザ101、コリメートレンズ102、反射ミ
ラー103、対物レンズアクチュエータ106等の光学
系素子は、ハウジング110と呼ばれる枠体に収容さ
れ、支持されている。
【0004】次に、光ピックアップ装置112の送り動
作について説明する。図6は、従来の光ディスク装置の
構成をディスク面方向からみた概略図である。説明しや
すいように、ディスク111の外径を破線で示す。ま
た、ディスク111の記録領域の最内周111aと最外
周111bを一点鎖線で示す。矢印Rをラジアル方向と
呼ぶ。メインシャーシ121は、金属製でプレス加工さ
れた装置全体の枠組みである。メインシャーシ121
は、下面側に、ガイド軸122、サブガイド軸123、
送りモータ124、及びディスク111を回転駆動させ
る図示しないスピンドルモータを固定保持している。デ
ィスク111は、スピンドルモータの回転軸に設けられ
た図示しないターンテーブルとクランプ部128とに挟
まれ、メインシャーシ121の上面側に固定される。メ
インシャーシ121には、カット部121aが設けられ
ており、対物レンズ104から出射されたレーザ光は、
カット部121aを通って、ディスク111に照射され
る。
【0005】ハウジング110は、ガイド軸122とサ
ブガイド軸123により、光ディスク111のラジアル
方向に移動可能なように保持される。送りモータ124
は、ギア127a,127bを介して、送りネジ125
を回転駆動させる。送りネジ125とハウジング110
の送りネジ受け部126とが螺合されており、送りモー
タ124の回転駆動により、送りネジ125が回転し、
ハウジング110がラジアル方向に移動する。このよう
に、レーザ照射位置を、所望のディスクトラック位置と
なるように、光ピックアップ装置112を移動させるこ
とをシーク動作と呼ぶ。
【0006】さらに精密なディスクトラックの追従は、
対物レンズアクチュエータにより行う。
【0007】一方、近年、光ディスク装置の商品応用と
して、動画像の記録・再生などがある。動画像のシーム
レスな記録・再生を行うため、光ピックアップ装置の転
送レートを増加し、そのため、光ディスク111の回転
速度も増加するという傾向がある。回転速度の増加した
光ディスク111に対してより安定した書き込みを行う
ため、半導体レーザを高出力化する傾向がある。
【0008】半導体レーザを高出力で駆動させるため
に、半導体レーザ自身の消費電力が増大し、発熱量が増
大する。
【0009】これに対して、光ディスク装置の小型化の
要請から、光ピックアップ装置も小型化となる傾向があ
る。小型光ピックアップ装置では、ハウジング表面から
の熱伝達による放熱性能が低下し、ハウジング、及び半
導体レーザの上昇温度が増大してしまい、半導体レーザ
が劣化しやすくなるという問題がある。
【0010】このような問題を解決する方法として、例
えば、ファン等によってハウジングあるいは半導体レー
ザを強制的に冷却することが考えられる。
【0011】また、半導体レーザチップを装着するヒー
トシンク、ステム、放熱フィン等を取り付け、さらに、
これらの伝熱特性を最適化する方法がある。
【0012】また、特開平4−254983号公報に
は、光ディスクドライブ装置の駆動中にシャーシに取り
付けられたスピンドルモータ等の駆動部から発生する熱
を,シャーシに伝熱的に密着させたヒートパイプによっ
て吸熱し,さらにカートリッジケースの上部に近接する
ように配置されたヒートコレクタによって収集してそれ
に密着させたヒートパイプによって吸熱し,その熱をヒ
ートシンクへ送って筺体の外部へ放散させる技術が開示
されている。
【0013】特開平6−28701号公報では、半導体
レーザ自身あるいはその周辺温度に応じて半導体レーザ
のON・OFFを制御するディスク再生装置が提案され
ている。これによれば、サーミスタなどの温度検出法に
より半導体レーザまたは周囲空気の温度を検出し、予め
設定した温度より大きい温度が一定時間継続した場合に
は、半導体レーザをOFFにすることで、半導体レーザ
の高温での動作を回避し、半導体レーザの故障率を低下
させるというものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各従来技術には以下のような課題があった。
【0015】ファン等によって強制冷却する方法では、
レーザ光線の経路は、サブミクロンの揺らぎしか許され
ないので、ファン等による風は半導体レーザの冷却には
直接は用いることができない。
【0016】また、フィン、ステム等の放熱素子を取り
付ける方法では、半導体レーザを搭載したハウジングが
高速で移動するため、大型の部材を取り付けることはで
きず、冷却が困難である。
【0017】特開平4−254983号公報の方法で
は、冷却の対象物がカートリッジケースのような静止物
に対しては有効な方法ではあるが、シーク動作時等にお
いて光ディスクのラジアル方向に高速に移動するハウジ
ングに対しては、そのままでは適用できない。
【0018】特開平6−28701号公報の方法では、
データのシームレスな記録・再生を行う光ディスク装置
で、半導体レーザをOFF状態にする場合には、データ
を半導体メモリ等の記憶手段に一時的に記憶しなければ
ならず、その記憶手段の記憶容量の制限から、OFF状
態にすることのできる時間には制限がある。この制限さ
れたOFF状態の時間に半導体レーザを冷却しなければ
ならないが、上述したハウジング表面からの熱伝達によ
る放熱性能の低下により、短時間で半導体レーザの温度
を十分に下げることはできない場合がある。このため、
半導体レーザを長時間OFFにして記録・再生動作を継
続する場合には、大容量の記憶手段が必要になるが、半
導体メモリを増設した場合、コストの点から好ましくな
い。
【0019】以上のことから、制限されたレーザOFF
時間内に十分にレーザを冷却することが必要となる。
【0020】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的は、光源からの光で情報を記録再生す
る記録再生装置であって、光源の熱を効率よく放熱し、
迅速に光源を冷却して寿命の低下を抑えることができる
記録再生装置とその制御方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の記録再生装置は、媒体に対して情報を記録
または再生するための光を照射する光源を有するピック
アップが、媒体に光が当たる記録再生位置と媒体に光が
当たらない退避位置とに移動する記録再生装置におい
て、ピックアップが退避位置に移動してきたときに、ピ
ックアップと接触し、上記光源由来の熱をピックアップ
から受け取る熱伝導部材を備えたことを特徴としてい
る。
【0022】また、本発明の記録再生装置の制御方法
は、媒体に対して情報を記録または再生するための光を
照射する光源を有するピックアップが、媒体に光が当た
る記録再生位置と媒体に光が当たらない退避位置とに移
動する記録再生装置に対し、ピックアップが退避位置に
移動してきたときに、ピックアップと熱伝導部材とを接
触させ、上記光源由来の熱をピックアップから熱伝導部
材へ伝えることを特徴としている。
【0023】上記の構成により、ピックアップが退避位
置に移動してきたときに、ピックアップと熱伝導部材と
を接触させ、ピックアップの熱を熱伝導部材へ伝える。
熱伝導部材からその熱が、記録再生装置の外などのよう
にピックアップの外へ放出される。
【0024】したがって、熱伝導部材がピックアップと
接触するのはピックアップが退避位置にあるときだけな
ので、記録再生動作中のピックアップと熱伝導部材とが
衝突して記録再生動作に支障が出るというような恐れが
ない。また、ピックアップのシーク動作時には、ピック
アップと熱伝導部材とは接続されていないため、熱伝導
部材による負荷がなく、安定したシーク動作が行える。
【0025】また、退避位置でピックアップから別の部
材(熱伝導部材)へ熱を伝えるようにしているため、ピ
ックアップまたはピックアップと付随して記録再生時に
移動する部材(ピックアップを包むハウジングなど)の
みの表面から放熱させるのと異なり、熱伝導部材として
は、ピックアップの移動中にピックアップの周囲の他の
部材(媒体や、ピックアップの移動範囲を決める枠材な
ど)と衝突する恐れを考慮する必要がない。そのため、
熱伝導部材、あるいは、熱伝導部材からさらに熱を受け
取って記録再生装置の外へ放出する部材としては、放熱
に効果的な十分大きな表面積を持ったものを採用するこ
とができる。それゆえ、光源の熱を効率よく放熱し、迅
速に光源を冷却して光源の寿命低下を抑えることができ
る。
【0026】ピックアップと接触する上記熱伝導部材自
体は大きくなくてもよく、熱伝導部材に接触して熱伝導
部材から熱を伝えられて記録再生装置の外部へ熱を放出
する放熱部材を別途設けることができる。例えば、放熱
部材としては、記録再生装置自身の筐体(メインシャー
シ)を利用することができる。なお、熱伝導部材から熱
を伝えられて記録再生装置の外部へ熱を放出するもので
あって、筐体とは別の、大きな表面積を持つ専用部材を
設けてもよい。
【0027】ピックアップを退避させたときの何回かに
1回、例えば毎回、熱伝導部材と接触させて放熱させれ
ばよい。間欠的に光源をON・OFFする構成に適用し
た場合には、OFFしたときの何回かに1回、例えば毎
回、ピックアップを退避させて放熱させればよい。
【0028】また、本発明の記録再生装置は、上記の構
成に加えて、間欠的に上記光源をON・OFFする光源
制御手段と、上記光源のOFF時には、記録すべきデー
タを一時蓄えておいてON時に出力する記憶部とを備え
たことを特徴としている。
【0029】上記の構成により、ピックアップが退避位
置に来たときに効率よくピックアップから光源由来の熱
を伝達でき、それにより迅速に光源を冷却できる。それ
ゆえ、上記の構成による効果に加えて、記録すべきデー
タを一時蓄えておくための容量を増やさずに済む。
【0030】また、本発明の記録再生装置は、上記の構
成に加えて、上記熱伝導部材は、ピックアップと接触
し、ピックアップに押されるとピックアップと接触する
面積が増える方向へ変形することを特徴としている。
【0031】上記の構成により、ピックアップが熱伝導
部材と接触しながら接触方向に進むにつれ、熱伝導部材
は、ピックアップと接触する面積が増加するように変形
する。それゆえ、上記の構成による効果に加えて、ピッ
クアップから熱伝導部材への熱伝達効率を向上させるこ
とができる。
【0032】また、本発明の記録再生装置は、上記の構
成に加えて、上記熱伝導部材が、炭素を含有するシート
状の形態であることを特徴としている。
【0033】上記の構成により、上記熱伝導部材が、炭
素を含有するシート状の形態である。それゆえ、上記の
構成による効果に加えて、熱伝導部材の放熱特性および
熱伝達特性をいっそう向上させることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0035】本実施の形態は、半導体レーザの駆動を間
欠的に行う光ディスク装置において、メモリの記憶容量
を増大させることなく、移動体であるハウジングに蓄熱
される熱を有効に放熱することができるものである。
【0036】図1は本実施の形態に係る光ディスク装置
(記録再生装置)の構成をディスク面方向からみた概略
図を示すものである。ディスク(媒体)11の外径を破
線で示す。また、ディスク11の記録領域の最内周11
aと最外周11bを一点鎖線で示す。矢印Rをラジアル
方向(径方向)と呼ぶ。メインシャーシ21は、金属製
でプレス加工された装置全体の枠組みである。メインシ
ャーシ21は、下面側に、ガイド軸22、サブガイド軸
23、送りモータ24、及びディスク11を回転駆動さ
せる図示しないスピンドルモータを固定保持している。
ディスク11は、スピンドルモータの回転軸に設けられ
た図示しないターンテーブルとクランプ部28とに挟ま
れ、メインシャーシ21の上面側に固定される。メイン
シャーシ21には、メインシャーシ21の一部をくり抜
いた穴であるカット部21aが設けられており、対物レ
ンズ4から出射されたレーザ光は、カット部21aを通
って、ディスク11に照射される。
【0037】光ピックアップ装置12は、半導体レーザ
1等がハウジング10内に格納された構造を有してい
る。ハウジング10は、ガイド軸22とサブガイド軸2
3により、光ディスク11のラジアル方向に移動可能な
ように保持される。送りモータ24は、ギア27a,2
7bを介して、送りネジ25を回転駆動させる。送りネ
ジ25とハウジング10の送りネジ受け部26とが螺合
されており、送りモータ24の回転駆動により、送りネ
ジ25が回転し、ハウジング10がラジアル方向に移動
する。このように、レーザ照射位置を、所望のディスク
トラック位置となるように、光ピックアップ装置12を
移動させることをシーク動作と呼ぶ。
【0038】さらに精密なディスクトラックの追従は、
対物レンズアクチュエータにより行う。
【0039】また、記録再生装置の筐体としてのメイン
シャーシ(放熱部材)21の、光ピックアップ装置(ピ
ックアップ)12上部に設けられたカット部21aの一
辺に、熱伝導体(熱伝導部材)31が取り付けられてい
る。
【0040】また、本実施の形態では、従来技術の項で
説明した、図5で示した部材は基本的にすべて用いるこ
とができる。そのためそれらの説明は省略する。
【0041】それに加えて、上記熱伝導体31や、後述
の押さえ金具32、ネジ33を用いている。光ピックア
ップ装置12が退避位置(後述)へ移動するにつれて、
ハウジング10とメインシャーシ21のカット部21a
の一辺とが、熱伝導体31を介して接触する。このこと
を考慮して、カット部21aは、光ピックアップ装置1
2の移動方向(図1中、Rで示す)に大きく空くように
形成されている。すなわち、光ピックアップ装置12が
退避位置まで移動しても、ディスク11の軸方向からみ
てハウジング10とカット部21aの一辺とが重ならな
いようにしてある。上記熱伝導体31、押さえ金具3
2、ネジ33、およびメインシャーシ21によって放熱
装置が構成されている。
【0042】図2は、図1に示した熱伝導体31の取り
付け方法を示した概略図である。本実施の形態で用いら
れる熱伝導体31は、炭素で構成されるシート状のもの
であり、厚さは例えば0.1mmであり、ほぼ600W
/(m・K)の熱伝導率を得ることができる。この炭素
シートは、熱伝導性および可撓性に優れた材質である。
すなわち、光ピックアップ装置12が熱伝導体31と接
触しながら接触方向に進むにつれ、熱伝導体31は、光
ピックアップ装置12のハウジング10に押されて、光
ピックアップ装置12と接触する面積が増加するように
変形する。
【0043】炭素シートの片面側には、例えば厚さ30
μmのポリイミドテープが張り合わせてあり、このポリ
イミドテープのようなテープにより、可撓性を損なうこ
となく、炭素シートの機械強度を向上させている。熱伝
導体31は、例えば幅1cmであり、内側がポリイミド
テープとなるように、折り目をつけずに畳まれ、重なっ
た両端部分が押さえ金具32によりメインシャーシ21
に押さえつけられることで、熱伝導体31がメインシャ
ーシ21に固定されている。押さえ金具32は、メイン
シャーシ21にネジ33で固定されている。
【0044】このように、熱伝導体31が折り目をつけ
ずに畳まれていることにより、図1に示した光ピックア
ップ装置12と熱伝導体31とが接触する場合には、そ
の接触部分が点接触や線接触でなく面接触となり、熱を
通過させる場合において、良好な接触状態となる。その
結果、光ピックアップ装置12から熱伝導体31への熱
伝導の伝達効率がよい。
【0045】本実施の形態では、記録再生中に、記録再
生における移動範囲の外側にある退避位置に光ピックア
ップ装置12が移動し、光ピックアップ装置12のハウ
ジング10とメインシャーシ21に取り付けられた、炭
素シートで構成された熱伝導部材31とが面接触して、
半導体レーザ(光源)1をメインシャーシ21に熱的に
結合させ、冷却することにより、短いレーザ停止時間で
半導体レーザ1を大幅に冷却し、温度上昇による半導体
レーザ1の劣化を防止するようにしている。これによ
り、レーザ照射を一時停止して半導体レーザ1の温度上
昇を低減させる光ピックアップ装置12を備えた光ディ
スク装置において、レーザ照射の停止時間が短い場合で
も、十分に半導体レーザ1を冷却することができる光デ
ィスク装置を提供することができる。ここで、熱的に結
合するとは、一方から他方へ熱を伝達できる状態となる
ことである。このことについて以下に詳述する。
【0046】以下に、熱伝導体31による放熱作用につ
いて、図1を用いて説明する。熱伝導体31による放熱
を行う場合、光ピックアップ装置12はディスク外周側
へ移動している。この位置は、光ピックアップ装置12
からのレーザ照射位置が、ディスク11の記録領域最外
周11bより外側になる。このときのハウジング10の
位置を退避位置と呼ぶ。これに対し、光ピックアップ装
置12からのレーザ照射位置が、ディスク11の記録領
域最外周11bより内側になるときのハウジング10の
位置を記録再生位置と呼ぶ。光ピックアップ装置12が
退避位置に移動したとき、ハウジング10が熱伝導体3
1を押さえつけ、ハウジング10と熱伝導体31とは面
接触し、ハウジング10の熱はメインシャーシ21に熱
伝導により伝えられる。
【0047】次に、熱伝導体31による放熱の経路を以
下に説明する。半導体レーザ1から発生した熱はハウジ
ング10へ伝わる。そして、ハウジング10に伝達され
た熱は熱伝導体31を介してメインシャーシ21へ伝わ
り、メインシャーシ21を放熱板として、その表面から
外気へ逃がすことができる。このため、ハウジング10
を熱伝導体31と接触させた場合では、ハウジング10
の表面からの放熱だけの場合と比べて、半導体レーザ1
を短い時間で大幅に冷却することができる。
【0048】次に、ハウジング10が退避位置に移動す
るタイミングについて説明する。
【0049】まず、以下に、光ピックアップ装置のON
・OFF動作(間欠駆動)について説明する。図3は、
光ディスク装置の記録時におけるデータのやりとりを示
したブロック図である。以下の例としては、動画を取り
扱う光ディスク装置に関するものであり、動画の転送レ
ートa=4Mbps(バイト/秒)とし、ディスクの読
み取り・書き込みの転送レートはb=2・a=8Mbp
sとしている。また、信号変換回路基板41内に容量が
c=64Mバイトの半導体メモリ43を搭載している。
【0050】実線矢印はレーザがON状態のときの信号
の経路を示し、また、破線矢印はレーザがOFF状態の
ときの信号経路を示している。矢印61は、信号変換回
路42から半導体メモリ43へ転送されるデータであ
る。矢印62は、信号変換回路42からレーザドライバ
IC(光源制御手段)44へ転送されるデータである。
矢印63は、半導体メモリ43からレーザドライバIC
44へ転送されるデータである。矢印64は、レーザド
ライバIC44から半導体レーザ1へ転送されるデータ
である。矢印65は、半導体レーザ1からディスク11
へ転送されるデータである。
【0051】まず、半導体メモリ(記憶部)43に記録
されているデータが空の状態からスタートする。最初は
半導体レーザ1はOFF状態であり、動画データは、信
号変換回路基板41内の信号変換回路42から半導体メ
モリ43にa=4Mbpsで送られる(矢印61)。こ
の動画データは半導体メモリ43の容量がほぼ一杯にな
るまで、一時的に記憶される。半導体メモリ43が空の
状態から一杯の状態になるまでの時間dは、d=c/a
=64/4=16秒である。これがOFF時間である。
【0052】次に、半導体メモリ43内のデータが一杯
になったとき、そこに記憶されたデータを、ディスク1
1に書き込むため、レーザドライバIC44に送る。こ
のときの転送レート及び転送時間は以下に説明される。
【0053】レーザドライバIC44から半導体レーザ
1へ(矢印64)、及び半導体レーザ1からディスク1
1へ(矢印65)は、b=8Mbpsの転送レートでデ
ータが送られる。レーザドライバIC44に送られるデ
ータは、信号変換回路43から送られるリアルタイムの
データ(矢印62)と、半導体メモリ43から送られる
レーザOFF時に記憶されたデータ(矢印63)の2種
類がある。矢印62を通って送られるデータはa=4M
bpsなので、矢印63を通って送ることのできるデー
タは、b−a=8−4=4Mbpsとなる。このため、
半導体メモリ43が一杯の状態から空の状態になるまで
の時間eは、e=c/(b−a)=64/4=16秒で
ある。これがON時間である。すなわち、ここでは、O
N時間とOFF時間とが等しい。半導体メモリ43が空
になったら、またレーザをOFF状態にし、動画データ
を半導体メモリ43へ送る。
【0054】このようにして、レーザは、16秒のON
動作(e)、16秒のOFF動作(d)を繰り返す間欠
駆動で、4Mbpsの転送レートのデータを、シームレ
スで記録動作することが可能となる。実際には、余裕を
みて、ON・OFF状態のメモリ残量及び時間を設定す
る。また、光ピックアップ装置12のシーク動作時や、
光ディスク装置全体に加わる衝撃などの外乱によるディ
スクへの書き込みが困難な場合にも、レーザはOFF状
態となり、データは半導体メモリ43に書き込まれる。
【0055】次に、図1において、レーザを間欠駆動さ
せる場合の光ピックアップ装置の動作について説明す
る。
【0056】ON時間にディスクの読み込み・書き込み
を行う。OFF動作開始時には、送りモータ24によ
り、光ピックアップ装置12を退避位置に移動させ、ハ
ウジング10を熱伝導体31に接続する。これにより、
熱伝導体31を介した急速な冷却が行われる。OFF時
間終了より少し前の時間に、送りモータ24により、光
ピックアップ装置12をディスク内周方向に移動させ、
記録再生データトラック位置へレーザ照射位置が合うよ
うにする。
【0057】このようなレーザのON・OFFを繰り返
した間欠動作の場合の半導体レーザの温度の変化を、図
4にグラフで示す。このグラフの横軸はレーザを間欠駆
動させ始めてからの経過時間であり、縦軸は半導体レー
ザの温度である。一点鎖線(a)は、レーザを常にON
状態にした場合での半導体レーザの温度を示している。
破線(b)は、レーザがOFF動作時でも光ピックアッ
プ装置12は移動せず、ハウジング10の表面からの放
熱のみの場合での半導体レーザの温度を示している。実
線(c)は、レーザOFF動作時に光ピックアップ装置
12を移動させ、ハウジング10を熱伝導体31に接触
させて放熱を行う場合での半導体レーザの温度を示して
いる。
【0058】ここでは、実線、破線ともに、レーザをO
N動作16秒、OFF動作16秒で駆動している。すな
わち、レーザのON動作時間とOFF動作時間とが等し
い。実線・破線の傾きは、半導体レーザをON状態にし
たときは上りになっており、OFF状態にしたときは下
りになっている。半導体レーザの駆動開始からしばらく
時間が経過すると、実線・破線ともに、一定温度範囲内
で上下しており、この状態を定常状態とみなすことがで
きる。実線と破線とを比較すると、定常状態では、破線
の温度より実線の温度のほうが低い値で上下している。
これは、同じOFF時間長さで光ピックアップ装置12
の冷却を行う場合、熱伝導体31に接触させた場合のほ
うが、させない場合に比べて、冷却効果が大きいことに
よる。
【0059】これにより、長時間の記録・再生を行う場
合でも、半導体レーザOFF時間に光ピックアップ装置
12を熱伝導体31に接触させることにより、レーザの
上昇温度は低減され、半導体レーザの劣化を防ぐことが
できる。
【0060】さらに、半導体レーザがON状態のときに
は、熱伝導体31はハウジング10と接触していないの
で、熱伝導体31自身がハウジング10の送り動作の負
荷にはならず、安定した送り動作を行うことができる。
【0061】ここでは、レーザがOFF状態になると必
ず、すなわちレーザがOFF状態になるたびに光ピック
アップ装置12を退避位置へ移動させ、熱伝導体31に
接触させている。しかしながら、レーザがOFF状態の
ときに光ピックアップ装置12を退避位置へ移動させる
のは、常に、すなわちレーザがOFF状態になると必ず
行うものとはせずに、光ディスク装置内に設置された温
度検出手段(図示せず)により検出された温度が、所定
の値以上になった場合に行うものとしてもよい。
【0062】熱伝導体31は炭素シートに限らず、シリ
コンシート等を用いてもよい。
【0063】また、熱伝導部材は、ハウジング10から
の熱輸送を行うのに十分な接触状態であるならば、シー
ト状に限るものではない。
【0064】より短時間での冷却を行うため、熱伝導体
31の代わりに、熱伝導部材としてヒートパイプを用い
てもよい。
【0065】なお、本発明は、半導体レーザを搭載した
光ピックアップと、該半導体レーザの光照射のON/O
FF制御を行うレーザドライバと、該レーザドライバに
出力するデータを一時的に記憶する記憶手段とを有し、
該記憶手段から出力される情報量を制御することによ
り、データの連続記録再生動作時に半導体レーザの駆動
/停止を繰り返す光ディスク装置において、上記光ピッ
クアップ装置の退避位置に、該光ピックアップ装置に蓄
熱された熱を放熱あるいは他の放熱部材に伝達するため
の熱伝導性部材(熱的結合手段)が配設されているよう
に構成してもよい。
【0066】ここで、退避位置とは、光ピックアップ装
置からのレーザ照射位置が、光ディスクの記録領域最外
周より外側となるときの光ピックアップ装置の位置であ
る。
【0067】光ピックアップ装置の放熱部材であるハウ
ジングが熱伝導性部材を押さえつけ、ハウジングと熱伝
導性部材と接触、好ましくは面接触することで、ハウジ
ングの熱はメインシャーシなどの光ディスク装置の放熱
部材に伝えられる。
【0068】上記の構成によれば、光ピックアップ装置
が退避位置に移動したときに、ハウジングはメインシャ
ーシに熱的に結合されることができ、熱源である半導体
レーザから外気までの熱抵抗が大幅に低減され、光ピッ
クアップ装置ひいては半導体レーザを急速に冷却するこ
とができる。この結果として、半導体レーザが劣化する
ことを防ぐことが可能となる。すなわち、半導体レーザ
の駆動を間欠的に行う光ディスク装置において、メモリ
の記憶容量を増大させることなく、移動体であるハウジ
ングに蓄熱される熱を有効に放熱することが可能とな
る。
【0069】上記構成において、上記熱的結合手段は、
可撓性に優れた熱伝導性部材であるように構成してもよ
い。
【0070】上記構成によれば、熱的結合手段は可撓性
を有するため、光ピックアップ装置等の被冷却部材を面
接触させることが可能となり、光ピックアップ装置から
熱的結合手段への熱伝達率を向上させることができる。
また、熱的結合手段は優れた熱伝導性部材であるため、
光ピックアップ装置に蓄熱された熱を効率よく熱的結合
手段へ伝達することができる。
【0071】上記構成において、上記熱的結合手段は、
炭素を含有するシート状の形態であるように構成しても
よい。
【0072】上記構成によれば、上述した効果に加え
て、より放熱特性及び熱伝達特性を向上ならしめること
ができる。
【0073】本発明は、半導体レーザを搭載した光ピッ
クアップと、該半導体レーザの光照射のON/OFF制
御を行うレーザドライバと、該レーザドライバに出力す
るデータを一時的に記憶する記憶手段とを有し、該記憶
手段から出力される情報量を制御することにより、デー
タの連続記録再生動作時に半導体レーザの駆動/停止を
繰り返す光ディスク装置の制御方法において、上記光ピ
ックアップ装置が退避位置に移動したときに、該退避位
置に光ピックアップ装置と接触するように配設された熱
伝導性部材と光ピックアップとが、熱的に結合すること
により、該光ピックアップ装置を冷却するように構成し
てもよい。
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明の記録再生装置
は、ピックアップが退避位置に移動してきたときに、ピ
ックアップと接触し、上記光源由来の熱をピックアップ
から受け取る熱伝導部材を備えた構成である。
【0075】また、本発明の記録再生装置の制御方法
は、ピックアップが退避位置に移動してきたときに、ピ
ックアップと熱伝導部材とを接触させ、上記光源由来の
熱をピックアップから熱伝導部材へ伝える構成である。
【0076】これにより、熱伝導部材がピックアップと
接触するのはピックアップが退避位置にあるときだけな
ので、記録再生動作中のピックアップと熱伝導部材とが
衝突して記録再生動作に支障が出るというような恐れが
ない。それゆえ、光源の熱を効率よく放熱し、迅速に光
源を冷却して光源の寿命低下を抑えることができるとい
う効果を奏する。
【0077】また、本発明の記録再生装置は、上記の構
成に加えて、間欠的に上記光源をON・OFFする光源
制御手段と、上記光源のOFF時には、記録すべきデー
タを一時蓄えておいてON時に出力する記憶部とを備え
た構成である。
【0078】これにより、迅速に光源を冷却できる。そ
れゆえ、上記の構成による効果に加えて、記録すべきデ
ータを一時蓄えておくための容量を増やさずに済むとい
う効果を奏する。
【0079】また、本発明の記録再生装置は、上記の構
成に加えて、上記熱伝導部材は、ピックアップと接触
し、ピックアップに押されるとピックアップと接触する
面積が増える方向へ変形する構成である。
【0080】これにより、ピックアップが熱伝導部材と
接触しながら接触方向に進むにつれ、熱伝導部材は、ピ
ックアップと接触する面積が増加するように変形する。
それゆえ、上記の構成による効果に加えて、ピックアッ
プから熱伝導部材への熱伝達効率を向上させることがで
きるという効果を奏する。
【0081】また、本発明の記録再生装置は、上記の構
成に加えて、上記熱伝導部材が、炭素を含有するシート
状の形態である構成である。
【0082】これにより、上記の構成による効果に加え
て、熱伝導部材の放熱特性および熱伝達特性をいっそう
向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の一形態に係る光ディスク装置の概略の
構成を示す平面図である。
【図2】熱伝導体の取り付け方法を示す斜視図である。
【図3】光ディスク装置の記録時の信号のやりとりを示
すブロック図である。
【図4】本実施の一形態に係る半導体レーザの温度変化
を示すグラフである。
【図5】従来の光ピックアップ装置の主要部の概略の構
成を示す断面図である。
【図6】従来の光ディスク装置の概略の構成を示す平面
図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ(光源) 4 対物レンズ 10 ハウジング 11 ディスク(媒体) 11a ディスク記録領域最内周 11b ディスク記録領域最外周 12 光ピックアップ装置(ピックアップ) 21 メインシャーシ(放熱部材) 21a メインシャーシのカット部 22 ガイド軸 23 サブガイド軸 24 送りモータ 25 送りネジ 26 送りネジ受け部 27a,27b ギア 28 ディスククランプ 31 熱伝導体(熱伝導部材) 32 押さえ金具 33 ネジ 41 信号変換回路基板 42 信号変換回路 43 半導体メモリ(記憶部) 44 レーザドライバIC(光源制御手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】媒体に対して情報を記録または再生するた
    めの光を照射する光源を有するピックアップが、媒体に
    光が当たる記録再生位置と媒体に光が当たらない退避位
    置とに移動する記録再生装置において、 ピックアップが退避位置に移動してきたときに、ピック
    アップと接触し、上記光源由来の熱をピックアップから
    受け取る熱伝導部材を備えたことを特徴とする記録再生
    装置。
  2. 【請求項2】間欠的に上記光源をON・OFFする光源
    制御手段と、上記光源のOFF時には、記録すべきデー
    タを一時蓄えておいてON時に出力する記憶部とを備え
    たことを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
  3. 【請求項3】上記熱伝導部材は、ピックアップと接触
    し、ピックアップに押されるとピックアップと接触する
    面積が増える方向へ変形することを特徴とする請求項1
    記載の記録再生装置。
  4. 【請求項4】上記熱伝導部材が、炭素を含有するシート
    状の形態であることを特徴とする請求項1記載の記録再
    生装置。
  5. 【請求項5】媒体に対して情報を記録または再生するた
    めの光を照射する光源を有するピックアップが、媒体に
    光が当たる記録再生位置と媒体に光が当たらない退避位
    置とに移動する記録再生装置に対し、ピックアップが退
    避位置に移動してきたときに、ピックアップと熱伝導部
    材とを接触させ、上記光源由来の熱をピックアップから
    熱伝導部材へ伝えることを特徴とする記録再生装置の制
    御方法。
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