JP2003344678A - 光デバイス - Google Patents

光デバイス

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JP2003344678A JP2002244254A JP2002244254A JP2003344678A JP 2003344678 A JP2003344678 A JP 2003344678A JP 2002244254 A JP2002244254 A JP 2002244254A JP 2002244254 A JP2002244254 A JP 2002244254A JP 2003344678 A JP2003344678 A JP 2003344678A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動的に分岐比または結合比を変えることがで
き、小型化が可能で容易に作成することができる光デバ
イスを提供する。 【解決手段】 屈折率が異なる複数の物質が周期的に配
置されることで、周期的屈折率分布を有している第1フ
ォトニック結晶7と、屈折率が異なる複数の物質が周期
的に配置され、第1フォトニック結晶7とは異なる周期
的屈折率分布を有する第2フォトニック結晶8とが接合
された複合フォトニック結晶6と、複合フォトニック結
晶6の入射端に配置された入力側光導波路10と、複合
フォトニック結晶6の出射端に配置された出力側光導波
路11、12と、第1フォトニック結晶7と第2フォト
ニック結晶8とが接合されている接合面13と、入力側
光導波路10の光軸14とのずれ量を制御する外部駆動
部9とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトニック結晶
を用いた光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光デバイスであるMMI(Mul
ti−Mode Interference)型非対称
Y分岐を利用した光分岐器について図21を用いて説明
する。光分岐器は、入力側光導波路120と、MMI装
置121と、出力側光導波路122から構成されてい
る。出力側光導波路122は、光が導かれる第1出力部
123と第2出力部124とに分岐されている。この光
分岐器は、MMI装置121の出射端における出力側光
導波路122の第1出力部123と第2出力部124と
の間隔gと、MMI装置121の入射端の幅の変化量Δ
をパラメーターとして分岐特性を制御することができ
る。
【0003】入力側光導波路120により伝送されたシ
ングルモード光は、MMI装置121によって、0次の
モード(シングルモード)と2次のモード(マルチモー
ド)に分解される。さらに、0次のモードと2次のモー
ドの伝搬速度の差を調整し、0次のモードと2次のモー
ドの波形の真中の腹の部分同士が相殺し合うように、M
MI装置121の長さhを最適化してある。それによ
り、MMI装置121の出射端では2次のモードの腹の
部分だけが残り、それらの間隔は数μmであるが、出力
側光導波路122によって、実用的な分離距離(>10
0μm)まで分離される。ここで、MMI装置121が
対称形である場合、すなわち変化量Δ=0の場合は、こ
の光分岐器の分岐比=1の等分岐である。また、MMI
装置121を非対称形(変化量Δ>0)にすると、MM
I装置121が減少した側、すなわち、第2出力部12
4側に分布する光量が減るので、第1出力部123中を
伝搬する光量が増え、第2出力部124中を伝搬する光
量はその分減少する。このように変化量Δを制御するこ
とにより分岐比を制御することができる。図22に、変
化量Δに対する透過ロスおよび分岐比の関係を示す。な
お、分岐比は、第1出力部123の出力/第2出力部1
24の出力とする。図22からわかるように、変化量Δ
を0〜5μmの範囲で変化させることで、分岐比は1〜
3の範囲となり、そのときの透過ロスは、0.2dB付
近である。
【0004】次に、従来の光結合器について図23を用
いて説明する。Y分岐導波路を利用した従来の光結合器
は、第1入力側光ファイバー131と、第2入力側光フ
ァイバー132と、基板133上にY形状のコア134
を形成された結合部137および出力側光ファイバー1
36で構成されている。
【0005】第1入力側光ファイバー131と第2入力
側光ファイバー132にそれぞれ同位相の入射光を入射
した場合は、第1入力側光ファイバー131と第2入力
側光ファイバー132から結合部137へ結合された2
個の入射光は、それぞれコア134の形状に沿って0次
モードに結合し、出力側光ファイバー136から出射さ
れる。このとき、出射される光のパワーは、第1入力側
光ファイバー131と第2入力側光ファイバー132か
ら入射されたそれぞれの入射光が加算されたパワーであ
り、結合器として正しく機能する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の光分岐器の分岐
比は、上述したように、MMI装置121の形状で決定
されるため、光分岐器を作成した後、つまり、デバイス
化後においては、必要に応じて分岐比を動的に変えるこ
とはできない。
【0007】また、分岐比もせいぜい3までしか変化さ
せることができない。さらに、MMI装置121の出力
端での数μm程度の分離距離を、出力側光導波路122
で実用的な分離距離まで広げるにはセンチメートルのオ
ーダーの長さが必要であり、出力側光導波路122での
損失の増大やデバイス化時の大型化は避けられない。
【0008】一方、光結合器においても、光分岐器と同
様に動的に結合比を変えることができない。また、分岐
角度と同様に、結合角度はせいぜい2°程度なので、結
合器長を短くできず、大型化してしまう。
【0009】また、従来の光結合器の第1入力側光ファ
イバー131あるいは第2入力側光ファイバー132の
どちらか一方のみに光を入射させた場合には、入射光の
0次モードが、Y字型の付け根135において0次モー
ドと1次モードを励振し、出力側において1次モードは
放射されるため、出力側光ファイバー136から、入射
光の0次モードの半分のパワーしか出射されないという
問題もある。
【0010】さらに、従来の光分岐器や光結合器は、光
導波路を用いて構成するので、光ファイバーと前記光導
波路間で高度な光軸合わせとモード形状のマッチングが
必要となり、アセンブリに熟練を要するという問題もあ
る。
【0011】本発明は、かかる問題に鑑みてなされたも
のであって、デバイス化後も動的に分岐比または結合比
を変えることができる光分岐器または光結合器等の、小
型化が可能で容易に作成することができる光デバイスを
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光デバイスは、
屈折率が異なる複数の物質が周期的に配置されること
で、周期的屈折率分布を有している第1フォトニック結
晶と、屈折率が異なる複数の物質が周期的に配置され、
第1フォトニック結晶とは異なる周期的屈折率分布を有
する第2フォトニック結晶とが接合された複合フォトニ
ック結晶と、前記複合フォトニック結晶の入射端に配置
された入力側光導波路と、前記複合フォトニック結晶の
出射端に配置された出力側光導波路と、前記第1フォト
ニック結晶と前記第2フォトニック結晶とが接合されて
いる接合面と、前記入力側光導波路と前記出力側光導波
路とのうち少なくとも一つの光軸とのずれ量を制御する
外部駆動部とを備えている。それにより、作成に高精度
が要求される光導波路を用いる必要がなく、動的に分岐
比または結合比を変えることができる光デバイスが実現
できる。さらに、低損失の伝送が可能である。
【0013】また、好ましくは、前記入力側光ファイバ
ーの光軸は、前記第1フォトニック結晶と前記第2フォ
トニック結晶とが接合している前記接合面近傍となるよ
うに配置され、前記出力側光導波路の内、第1出力側光
導波路は、第1フォトニック結晶の出射端に配置され、
前記出力側光導波路の内、第2出力側光導波路は、第2
フォトニック結晶の出射端に配置される構成とする。そ
れにより、分岐角度が大きい光分岐器が実現できる。そ
のため、光分岐器を小型化することができる。
【0014】また、好ましくは、前記出力側光ファイバ
ーの光軸は、前記第1フォトニック結晶と前記第2フォ
トニック結晶とが接合している前記接合面近傍となるよ
うに配置され、前記入力側光導波路の内、第1入力側光
導波路は、第1フォトニック結晶の入射端に配置され、
前記入力側光導波路の内、第2入力側光導波路は、第2
フォトニック結晶の入射端に配置されている構成とす
る。それにより、結合角度が大きい光結合器が実現でき
る。そのため、光結合器を小型化することができる。
【0015】また、好ましくは、前記外部駆動部は、全
ての前記入力側光導波路と出力側光導波路のみ、前記入
力側光導波路のみ、前記出力側光導波路のみ、および前
記複合フォトニック結晶のみのいずれかを移動させる。
それにより、分岐比または結合比を動的に変化させるこ
とができるという効果を有する。
【0016】また、好ましくは、前記出力側光導波路中
を伝搬する光量をモニターして信号化するモニター部
と、前記モニター部から前記光量を示す信号を受信し、
前記光量をもとに演算処理し、各前記出力側光導波路に
伝搬する光量が所望の値となるように外部駆動部を制御
する演算制御部とを備えている。それにより、フィード
バック制御を用いて、高精度な制御ができ、所望とする
分岐比または結合比を維持することができる。
【0017】また、前記第1出力側光導波路および前記
第2出力側光導波路中を伝搬する光量をモニターして信
号化するモニター部と、前記モニター部から前記光量を
示す信号を受信し、所望とする光の分岐比と前記光量と
をもとに演算処理し、前記第1出力側光導波路および前
記第2出力側光導波路中に伝搬する光量が所望の分岐比
となるように外部駆動部を制御する演算制御部とを備え
ていることとしてもよい。
【0018】また、前記出力側光導波路中を伝搬する光
量をモニターして信号化するモニター部と、前記モニタ
ー部から前記光量を示す信号を受信し、所望とする光の
結合比と前記光量とをもとに演算処理し、前記出力側光
導波路に伝搬する光量が所望の結合比となるように外部
駆動部を制御する演算制御部とを備えていることとして
もよい。
【0019】また、前記第1フォトニック結晶および前
記第2フォトニック結晶は、それぞれ共に、複数の異な
る屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元
または3次元格子構造を有し、かつ、基本格子ベクトル
で構成される一組の2次元格子構造が3回よりも大きい
数の回転対称軸を持たない格子構造であって、前記第1
フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルと前記第2フ
ォトニック結晶の第1基本格子ベクトルの方向は平行で
あって、かつ前記第1フォトニック結晶と前記第2フォ
トニック結晶とが接合された接合面に平行であり、前記
第1フォトニック結晶の第2基本格子ベクトルと前記第
2フォトニック結晶の第2基本格子ベクトルの方向は前
記接合面に対して対称であることとしてもよい。
【0020】また、前記第1フォトニック結晶および前
記第2フォトニック結晶は、それぞれ共に、屈折率の異
なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状物質
の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に第1物
質中に配列されている2次元格子構造を有し、前記第1
フォトニック結晶および前記第2フォトニック結晶の各
基本格子ベクトル間の角度は共に、90°以下の方の角
度が60°よりも大きく90°よりも小さい角度であっ
て、前記第1フォトニック結晶の第1基本格子ベクトル
と前記第2フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルの
方向は平行であって、かつ前記第1フォトニック結晶と
前記第2フォトニック結晶とが接合された接合面に平行
であり、前記第1フォトニック結晶の第2基本格子ベク
トルと前記第2フォトニック結晶の第2基本格子ベクト
ルの方向は前記接合面に対して対称であることとしても
よい。
【0021】また、前記外部駆動部は、全ての前記入力
側光導波路と出力側光導波路のみ、前記入力側光導波路
の内の少なくとも一つのみ、および前記複合フォトニッ
ク結晶のみのいずれかを移動させることとしてもよい。
【0022】また、好ましくは、前記出力側光導波路を
入力側とし、前記出力側光導波路を出力側とした場合と
して用いた場合に、前記外部駆動部は、光の入出力方向
を検知し、最適なずれ量を制御する。それにより、一つ
の光デバイスを、分岐器と結合器の両方に使用すること
ができる。
【0023】また、本発明の他の光デバイスは、屈折率
が異なる複数の物質が周期的に配置されることで、周期
的屈折率分布を有しているフォトニック結晶と、前記フ
ォトニック結晶の入射端にお互いに平行になるように配
置された第1入力側光導波路と第2入力側光導波路と、
前記フォトニック結晶の出射端に配置され、前記第1入
力側光導波路と同一の光軸を持つ出力側光導波路と、前
記第2入力側光導波路を、光軸と垂直方向に移動させる
外部駆動部とを備えている。それにより、簡単な構成
で、動的に光量を変化させることができるAdd装置が
実現される。
【0024】また、本発明の他の光デバイスは、屈折率
が異なる複数の物質が周期的に配置されることで、周期
的屈折率分布を有しているフォトニック結晶と、前記フ
ォトニック結晶の入射端にお互いに平行になるように配
置された第1入力側光導波路と第2入力側光導波路と、
前記フォトニック結晶の出射端に配置された出力側光導
波路と、前記第1入力側光導波路を、光軸と垂直方向に
移動させる外部駆動部とを備え、前記第1入力側光導波
路の光軸は、前記出力側光導波路の光軸の近傍にある。
【0025】また、前記第1入力側光導波路には複数の
光を伝搬させ、前記第2入力側光導波路には前記フォト
ニック結晶中で偏向する固有の光のみを伝搬させてもよ
い。
【0026】また、前記第2入力側光導波路の光軸と、
前記第1入力側光導波路の光軸との距離は、前記フォト
ニック結晶の長さに略比例することとしてもよい。
【0027】また、前記フォトニック結晶は、複数の異
なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次
元または3次元格子構造を有し、かつ、基本格子ベクト
ルで構成される一組の2次元格子構造が3回よりも大き
い数の回転対称軸を持たない格子構造を有し、前記光軸
は、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトルと平行で
あることとしてもよい。
【0028】また、前記フォトニック結晶は、屈折率の
異なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状物
質の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に第1
物質中に配列されている2次元格子構造を有し、前記フ
ォトニック結晶の基本格子ベクトル間の角度は共に、9
0°以下の方の角度が60°よりも大きく90°よりも
小さい角度であって、前記光軸は、前記フォトニック結
晶の基本格子ベクトルと平行であることとしてもよい。
【0029】また、好ましくは、前記出力側光導波路中
を伝搬する光量をモニターして信号化するモニター部
と、前記モニター部から前記光量を示す信号を受信し、
所望とする光の結合比と前記光量とをもとに演算処理
し、前記出力側光導波路に伝搬する光量が所望の結合比
となるように外部駆動部を制御する演算制御部とを備え
る。それにより、それにより、フィードバック制御を用
いて、高精度な制御ができる。
【0030】また、本発明の他の光デバイスは、第1フ
ォトニック結晶および第2フォトニック結晶が接合面で
接合されて構成されている複合フォトニック結晶と、前
記複合フォトニック結晶の入射端側に配置された入力側
光導波路と、前記複合フォトニック結晶の出射端側に配
置された複数の出力側光導波路とを備え、前記第1フォ
トニック結晶および前記第2フォトニック結晶は、それ
ぞれ共に、屈折率の異なる第1物質と柱状物質とを備
え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるように周期的
に第1物質中に配列されている2次元格子構造を有し、
前記第1フォトニック結晶および前記第2フォトニック
結晶の各基本格子ベクトル間の角度は共に、90°以下
の方の角度が60°よりも大きく90°よりも小さい角
度であって、前記第1フォトニック結晶の第1基本格子
ベクトルと前記第2フォトニック結晶の第1基本格子ベ
クトルの方向は平行であって、かつ前記第1フォトニッ
ク結晶と前記第2フォトニック結晶とが接合された接合
面に平行であり、前記入力側光導波路は、前記複合フォ
トニック結晶の前記接合面近傍に設置され、前記入力側
光導波路の光軸は、前記接合面に含まれている。それに
より、光分岐器が実現できる。
【0031】また、前記第1フォトニック結晶の第2基
本格子ベクトルと前記第2フォトニック結晶の第2基本
格子ベクトルの方向は前記接合面に対して対称である構
成としてもよい。
【0032】また、前記第1フォトニック結晶の柱状物
質と前記第2フォトニック結晶の柱状物質とは同一種類
の材料であって、前記第1フォトニック結晶の柱状物質
と前記第2フォトニック結晶の柱状物質とは共に、前記
接合面上に設置されていてもよい。
【0033】また、本発明の他の光デバイスは、屈折率
の異なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状
物質の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に第
1物質中に配列されている2次元格子構造を有したフォ
トニック結晶と、前記フォトニック結晶の入射端に配置
された入力側光導波路と、前記フォトニック結晶の出射
端に配置された出力側光導波路と、前記フォトニック結
晶、前記入力側光導波路および前記出力側光導波路のう
ち少なくとも一つを移動させる外部駆動部とを備えてい
る。
【0034】また、前記フォトニック結晶の格子定数
は、用いる光の波長の0.4〜0.6の大きさとしてもよ
い。
【0035】また、前記柱状物質の断面形状は、用いる
光の波長の0.08〜0.3の半径を有する円形状として
もよい。
【0036】また、本発明の他の光デバイスは、屈折率
の異なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状
物質の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に第
1物質中に配列されている2次元格子構造を有したフォ
トニック結晶を備えた光デバイスであって、前記フォト
ニック結晶の厚み方向での、前記第1物質および前記柱
状物質の屈折率分布は、極大点を有し、前記フォトニッ
ク結晶の上下端に近づくほど屈折率が低下する。それに
より、複合フォトニック結晶内の光の閉込め効果が増
し、損失が減少する。
【0037】また、好ましくは、前記第1物質および前
記柱状物質の前記屈折率分布は、極大点の位置から上下
方向に非対称である。それにより、フォトニック結晶の
厚み方向の光の分布を調整できる。
【0038】また、前記フォトニック結晶は、上下のい
ずれかに基板を有し、前記極大点から前記フォトニック
結晶の上下方向への前記第1物質および前記柱状物質の
前記屈折率の低下率は、前記基板側の方が高い構成とし
てもよい。
【0039】また、好ましくは、前記極大点は、前記フ
ォトニック結晶の厚み方向の中点ではない。それによ
り、フォトニック結晶の厚み方向の光の集中する位置を
調整できる。
【0040】また、本発明の他の光デバイスは、屈折率
の異なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状
物質の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に第
1物質中に配列されている2次元格子構造を有したフォ
トニック結晶を備えた光デバイスであって、前記フォト
ニック結晶の厚み方向での、前記第1物質の屈折率分布
は、極大点を有し、上下端に近づくほど屈折率が低下
し、かつ、前記柱状物質は空気であって屈折率は一定で
ある。
【0041】また、前記フォトニック結晶は基板を備
え、前記基板の屈折率は、前記フォトニック結晶の前記
第1物質よりも低く、前記柱状物質よりも低いか同一で
あることとしてもよい。
【0042】また、好ましくは、前記フォトニック結晶
の前記柱状物質は空気であって、前記基板には、前記柱
状物質と同一の形状および配列の柱状の空孔が前記基板
の厚さ方向に、前記柱状物質の延長として形成され、前
記空孔は基板を貫通していない。それにより、複合フォ
トニック結晶内の光の閉込め効果が増す。
【0043】また、本発明の他の光デバイスは、第1物
質に前記第1物質とは異なる屈折率を有する柱状物質を
周期的に配列されたフォトニック結晶を備え、前記フォ
トニック結晶は第1基板上で形成され、前記第1基板と
は反対側に第2基板が配置された後、第1基板が除去さ
れて製造される。それにより、フォトニック結晶のモジ
ュール化が容易である。そのため、容易に光デバイスを
作成することができる。
【0044】また、好ましくは、前記第2基板は、光フ
ァイバー固定用のV溝を備えている。それにより、第2
基板に光ファイバーを固定することができ、光ファイバ
ーの位置合わせが容易である。
【0045】また、好ましくは、気体または液体である
充填物質が充たされた気密容器を備え、前記第2基板を
配置された前記フォトニック結晶は、前記気密容器中に
配置されている。それにより、屈折率の低い充填物質を
用いることで、フォトニック結晶の厚さ方向の屈折率差
を大きくすることが可能であり、フォトニック結晶の厚
さ方向の光の閉じ込めを強くすることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1に係る光デバイスについて、図1を用いて説明す
る。実施の形態1における光デバイスは、分岐比可変光
分岐器である。図1に示すように、実施の形態1におけ
る光デバイスは、入力側光ファイバー10が複合フォト
ニック結晶6の片端に設置され、複合フォトニック結晶
6の他端には、第1出力側光ファイバー11および第2
出力側光ファイバー12が設置されている。また、複合
フォトニック結晶6には駆動部9が備えられ、入力側光
ファイバー10の光軸14に対して、垂直方向に複合フ
ォトニック結晶6を駆動させることができる。
【0047】複合フォトニック結晶6は、第1フォトニ
ック結晶7と第2フォトニック結晶8とが、接合面13
で接合されて構成されている。
【0048】フォトニック結晶とは、光の波長程度の屈
折率の周期性を持つ人工的な多次元周期構造体である。
この周期性を変化させることで、所望とする光学特性を
有するフォトニック結晶を作成することができる。
【0049】第1フォトニック結晶7および第2フォト
ニック結晶8は、2次元構造のフォトニック結晶であっ
て、第1物質1に円柱状の柱状物質2が周期的に配置さ
れた構造である。それぞれの柱状物質10の中心軸は、
すべて平行に配置されている。第1フォトニック結晶7
と第2フォトニック結晶8における第1物質1と柱状物
質2は同じ材料である。第1フォトニック結晶7と第2
フォトニック結晶の格子構造は、接合面13に対して鏡
面対称となっている。
【0050】第1フォトニック結晶7の基本格子ベクト
ル(a1,a2)と第2フォトニック結晶8の基本格子ベ
クトル(a1′,a2′)を用いて、第1フォトニック結
晶7および第2フォトニック結晶8の具体的な格子構造
の一例について説明する。第1フォトニック結晶7と第
2フォトニック結晶8の基本格子ベクトルa1、a1
は、複合フォトニック結晶6の接合面13と平行であ
り、第1フォトニック結晶7の第2基本格子ベクトルa
2と第2フォトニック結晶8の第2基本格子ベクトル
2′とは、接合面13に対して対称である。
【0051】第1フォトニック結晶7と第2フォトニッ
ク結晶8は、どちらも対称性の悪い斜交格子構造であっ
て、接合面13で対称であるので、基本格子ベクトルa
1と基本格子ベクトルa2とのなす角度と基本格子ベクト
ルa1′と基本格子ベクトルa2′とのなす角度は等し
く、その角度の90°よりも小さい方の角度(180−
θa)°、(180−θa′)°が60°よりも大きく9
0°よりも小さい。
【0052】柱状物質2間の距離である格子定数aが入
射光波長の0.4〜0.6の大きさで、前記第1と第2フ
ォトニック結晶7、8を構成する柱状物質2の半径rが
入射光波長の0.08〜0.3である。この入射光とは、
フォトニック結晶中で偏向させようとする所定の光のこ
とである。なお、2次元フォトニック結晶の構成として
は、例えば、ポリマーやガラス等の第1物質1に空孔を
設ければよい。それにより、柱状物質2が空気である2
次元フォトニック結晶が構成される。他の構成として
は、例えば、SiやGaAsやTi25等の、屈折率が
3程度の第1物質1に、ポリマーやガラス等の、屈折率
が1.5程度の柱状物質2を分布させてもよい。ポリマ
ー材料としては、アクリル系(PMMA、UVアクリル
レートポリマー等)、エポキシ系、ポリイミド系、シリ
コーン系、カーボネート系(ポリカーボネート)等が挙
げられる。
【0053】また、フォトニック結晶の特性の決定に
は、第1物質1および柱状物質2の屈折率が重要なの
で、上述した材料以外の、固体(例えば、酸化物など誘
電体全般)でも液体(例えば、水やエチレングリコール
等)でも気体(例えば、空気や不活性ガス等)でも、上
述した屈折率の条件を満足する材料を用いれば、所望と
するフォトニック結晶を作成することができる。
【0054】なお、複合フォトニック結晶6に基板やク
ラッド層を設けてもよく、その屈折率は、第1物質1に
比べて低く、柱状物質2に比べて同一または低いことと
すればよい。
【0055】入力側光ファイバー10の光軸14は、第
1フォトニック結晶7および第2フォトニック結晶8の
基本格子ベクトルa1、a1′の方向と同一で、接合面1
3付近に設置される。第1出力側光ファイバー11は、
第1フォトニック結晶7の端面に設置され、第2出力側
光ファイバー12は、第2フォトニック結晶8の端面に
設置されている。
【0056】ところで、対称性の悪い格子構造のフォト
ニック結晶に、基本格子ベクトル方向に入射させた前述
の所定の光は、フォトニック結晶中で偏向するというこ
とがわかっている(信学技報 TECHNICAL REPORT OF IEI
CE.OPE 2001-107 (2001-12)「スラブ導波路型低屈折率
変調フォトニック結晶を応用した光機能デバイス」参
照)。対称性の悪い格子構造とは、2次元結晶格子の場
合は、上述した第1フォトニック結晶7および第2フォ
トニック結晶8のように、その基本格子ベクトル同士の
角度の90°よりも小さい方の角度が60°よりも小さ
く、90°よりも大きいようなフォトニック結晶であ
る。このようなフォトニック結晶は、強い波長分散特性
を有し、入射光は、波長にもよるが10°程度偏向する
ことが知られている。
【0057】なお、基本格子ベクトルで構成される一組
の2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を
持たない格子構造のフォトニック結晶であれば、2次元
格子構造でも3次元格子構造でも、偏向分散特性を有す
るので、同様に用いて光デバイスを形成することができ
る。
【0058】第1フォトニック結晶7に、所定の波長
で、基本格子ベクトルa1方向の所定の光を入射した場
合には、その光は、進行方向17で示す方向に偏向し、
同様に、第2フォトニック結晶に入射した所定の波長の
光は、進行方向18で示す方向に偏向する。第1フォト
ニック結晶7と第2フォトニック結晶8は、それぞれ、
上記所望とする特性を得るように、フォトニック結晶の
構造を調整して作成されている。
【0059】複合フォトニック結晶6は、第1フォトニ
ック結晶7と第2フォトニック結晶8とを接合面13で
接合したものであるので、接合面13に入力側光ファイ
バー10によって、所定の波長の光を入射すると、第1
フォトニック結晶7側と第2フォトニック結晶8側に、
それぞれ、半分ずつ入射されることになり、入射光16
は進行方向17、18とに分離して、複合フォトニック
結晶6中を伝搬し、端面より出射される。このように、
光分岐器が形成され、フォトニック結晶で10°程度偏
向するので、分岐角度は、20°程度となる。すなわ
ち、長さが、数百μm程度であっても、従来の分岐器で
従来の10倍以上の分離距離となる。したがって、従来
の分岐器に比べて、さらに小型化が可能である。
【0060】第1出力側光ファイバー11は、第1フォ
トニック結晶7中を伝搬してきた光が出射される箇所に
配置され、同様に、第2出力側光ファイバー12は、第
2フォトニック結晶8中を伝搬してきた光が出射される
箇所に配置されている。
【0061】また、入力側光ファイバー10の光軸14
が接合面13に含まれている場合には、等分岐であった
が、図1に示しているように、光軸14と接合面13が
ずれている場合には、そのずれ度合いに応じて、光の分
岐比が異なる。すなわち、光軸14が接合面13よりも
第2フォトニック結晶8側にある場合には、第1出力側
光ファイバー11に比べて、第2出力側光ファイバー1
2の方が出力が高くなる。
【0062】実施の形態1における光デバイスは、複合
フォトニック結晶6を接合面13に対して垂直方向に駆
動させる外部駆動部9を備えている。外部駆動部9で、
複合フォトニック結晶6を駆動させて、光軸14を接合
面13からずらすことで、光の分岐比を制御できる。分
岐比は、第1フォトニック結晶7側と第2フォトニック
結晶8側に入射する入射光の部分比で決まる。したがっ
て、複合フォトニック結晶6の移動量にあたる光軸14
と接合面13間の距離dは、入力側光ファイバ10のコ
ア半径rf(例えば、約4μm)以上である必要はない
ので、外部駆動部9は、コア半径rfだけ駆動領域があ
ればよく、この範囲で駆動可能なものであればよい。外
部駆動部9は、例えば、MEMSや圧電素子やモーター
系(ステップモーターや超音波モーター等)等を用いて
構成すればよい。
【0063】このように、外部駆動部9により、複合フ
ォトニック結晶6の接合面13と入射側ファイバーの光
軸14の相対位置を制御することで、第1フォトニック
結晶7側に入射する成分と第2フォトニック結晶8に入
射する光の成分の割合を制御することができる。したが
って、入射光を、20°程度の分岐角で分岐させること
ができる上に、分岐比を動的に変えることができる。
【0064】図2に、実施の形態1における光デバイス
のシミュレーション結果を示す。光軸14が、第2出力
側光ファイバー12側にずれている場合である。図2
(a)は、複合フォトニック結晶6の移動量dと入力側
光ファイバ10のコア半径rfの関係が、d/rf=0.
5の場合である。左側の入力側光ファイバーから直進し
てきた光が、複合フォトニック結晶中で分岐して、右側
の上下にある各出力側光ファイバーで再び直進している
ことがわかる。また、上方の、第2出力側光ファイバー
の方が高出力であることがわかる。一方、図2(b)
は、d/rf=1.0の場合である。左側の入力側光フ
ァイバーから直進してきた光が、複合フォトニック結晶
中で上方に偏向し、右側の第2出力側光ファイバーで再
び直進していることがわかる。下方の第1出力側光ファ
イバーには、光が伝搬していないことがわかる。
【0065】さらに、従来の分岐比可変光分岐器の分岐
比がせいぜい3程度であるのに対し、実施の形態1にお
ける分岐比可変光分岐器は、実施の形態1における分岐
比可変光分岐器は、従来と同程度の透過ロスを維持しな
がら、3以上の分岐比を可能とする。
【0066】また、第1フォトニック結晶7と第2フォ
トニック結晶8とは格子構造は異なっているが、接合面
に対して対称であるため、例えば、第1フォトニック結
晶7を反転させることで第2フォトニック結晶8と同一
の格子構造になる。したがって、一種類のフォトニック
結晶を作成することで、第1フォトニック結晶7と第2
フォトニック結晶8が作成されるため、作成の手間が省
ける。また、分岐比が異なる任意のシステムにも対応可
能であり、同じシステムでも必要に応じて分岐比をダイ
ナミック変化できるので、従来のMMIを使用した分岐
比可変分岐器では非常に困難であった動的な分岐比可変
光分岐器を簡単な構成で実現することができる。
【0067】なお、2次元構造のフォトニック結晶につ
いて述べたが、3次元構造のフォトニック結晶を用いて
もよい。
【0068】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
係る光デバイスについて、図3を用いて説明する。実施
の形態2における光デバイスは、実施の形態1における
光デバイスに、複合フォトニック結晶6を移動させる外
部駆動部9の代りに、入力側光ファイバー10を光軸1
4に対して垂直方向に移動させる外部駆動部41を備え
ている。
【0069】実施の形態2における光デバイスは、外部
駆動部41で、入力側光ファイバー1を移動させること
で、光軸14と接合面13とにずれを生じさせ、光の分
岐比を制御する。分岐比は、第1フォトニック結晶7側
と第2フォトニック結晶8側に入射する入射光の部分比
で決まる。実施の形態1と同様に、複合フォトニック結
晶6の接合面13と光軸14の距離dは、コア半径rf
だけあればよく、外部駆動部41は、例えば、MEMS
や圧電素子やモーター系(ステップモーターや超音波モ
ーター等)等を用いて構成すればよい。
【0070】図4に、実施の形態1における光デバイス
と実施の形態2における光デバイスとの分岐比と透過ロ
スの関係を示す。破線が、実施の形態1における光デバ
イスであり、一点鎖線が実施の形態2における光デバイ
スを示していて、入力側光ファイバー1の半径rfで規
格化された、入力側光ファイバー1の光軸14と複合フ
ォトニック結晶6の接合面13との距離dであるd/r
fの変化に対する透過ロスの関係を示している。また、
実線は、d/rfに対する分岐比を示している。
【0071】図4よりわかるように、透過ロスは、実施
の形態1における光デバイスは、d/rfによらず、−
0.4[dB]以上の良好な特性を示すのに対して、実施
の形態2における光デバイスは、d/rfが0.3より
も大きくなったところで、急激に透過ロスが増してい
る。
【0072】これは、実施の形態1においては、複合フ
ォトニック結晶6が駆動するため、入力側光ファイバー
10と、各第1、第2出力側光ファイバー11、12と
の位置関係は変化しないが、実施の形態2においては、
入力側光ファイバー10が駆動するため、入力側光ファ
イバー10と、各第1、第2出力側光ファイバー11、
12との位置関係が変化することが原因である。すなわ
ち、複合フォトニック結晶6の出力側の端面での出射位
置は、入力側光ファイバー1の移動に応じて移動するた
め、実施の形態2における光デバイスは、複合フォトニ
ック結晶6と第1、第2出力側光ファイバー11、12
間での結合が上手くいっていないためである。これを改
善するためには、入力側光ファイバー1と同時に第1の
出力側光ファイバー11と第2の出力側光ファイバー1
2も駆動させればよく、このようにすれば、透過ロスが
増加することはない。
【0073】なお、従来のMMIを使用した分岐比可変
分岐器の分岐比である3程度であれば、実施の形態2に
おける光デバイスであっても、透過ロスは十分低く、実
施の形態1における光デバイスと同等の透過ロスであ
る。
【0074】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
係る光デバイスについて、図5を用いて説明する。実施
の形態3における光デバイスは、実施の形態1における
光デバイスに、第1モニター部31、第2モニター部3
2および演算制御部33を加えて、出力側の光量をモニ
ターすることで、フィードバックを用いて、分岐制御の
精度を高めるものである。
【0075】第1出力側光ファイバー11中を伝搬する
光の光量をモニターする第1モニター部31が、第1出
力側光ファイバー11に設置され、第2出力側光ファイ
バー12中を伝搬する光の光量をモニターする第2モニ
ター部32が、第2出力側光ファイバー12に設置され
ている。また、第1モニター部31および第2モニター
部32は、それぞれ、モニターした第1、第2出力側光
ファイバー11、12中を伝搬する光の光量を信号化し
て演算制御部33に送る。
【0076】演算制御部33は、外部駆動部9を制御す
るものであって、光の分岐比が所望の値となるように、
外部駆動部9に複合フォトニック結晶6の駆動量を指示
する。演算制御部33の指示に従って、外部駆動部9
は、複合フォトニック結晶6を駆動させて、光軸14と
接合面13間の距離dを適当な値となるようにする。第
1、第2モニター部31、32からのそれぞれの第1、
第2出力側光ファイバー11、12の光量を指示する信
号に基づいて、光量が所望とする分岐比となるように、
演算制御部33は、外部駆動部9を制御する。
【0077】例えば、外部環境の変化等により分岐比が
変化し、所望とする分岐比とは異なってしまうことがあ
り得る。しかし、分岐された光の光量は、第1モニター
部31および第2モニター部32でモニターされ、演算
制御部33にその信号が送られているため、その変化量
を演算制御部33は演算して、所望とする分岐比に光が
分岐されるように、外部駆動部9に移動量の補正をする
指示を送り、所望とする分岐比となるように、光軸14
と接合面13間の距離dを調整する。このような、フィ
ードバック制御によって、所望とする分岐比が維持され
るため、分岐比の精度が向上され、外部環境変化に依ら
ず分岐比を一定に維持することができる。
【0078】以上のように、実施の形態3の光デバイス
によれば、容易に光分岐器が構成される上、その分岐比
は可変であって、フィードバック制御によって高精度の
分岐制御がなされている。
【0079】なお、第1モニター部31と第2モニター
部32は、分岐されたそれぞれの光量の関係が分かれば
いいので、第1出力側光ファイバー11と第2出力側光
ファイバー12中を伝搬する光を直接モニターする必要
はなく、第1出力側光ファイバー11と第1モニター3
1との間、または、第2出力側光ファイバー12と第2
モニター32との間に他の光システムが介在していても
良い。
【0080】(実施の形態4)本発明の実施の形態4に
係る光デバイスについて、図6を用いて説明する。実施
の形態4における光デバイスは、実施の形態1における
光デバイスと同一の構成であるが、光スイッチとして用
いている。
【0081】図4に示している、規格化移動量d/rf
と分岐比および透過ロスの関係から、d/rf>1の場
合には、分岐比は20以上が得られていることがわか
る。ここで、消光比は10×log(分岐比)で表わす
ことができるので、このときの消光比は、10×log
20=13[dB]以上であることがわかる。消光比が1
3[dB]以上であれば、一方の出力側光ファイバーから
のみ光が出力され、片方の出力光ファイバーからは光が
出力されていないとみなされる。d/rf>1、つまり
光軸14と接合面13間の距離dを入力側光ファイバ1
0のコア半径rfよりも大きくすることで、いずれか一
方の出力側光ファイバーのみ光が伝搬させることが可能
である。図6に示すように、光軸14が接合面13から
ずれる方向によって、光が伝搬する出力側光ファイバー
を選択することができるので、この光デバイスをスイッ
チとして用いることができる。
【0082】具体的には、図6(a)に示すように、光
軸14が接合面13に対して、第2出力側光ファイバー
12側に、d/rf>1となるだけずれていれば、入射
光16は進行方向19に偏向され、第2出力側光ファイ
バー12にのみ入射される。逆に、図6(b)に示すよ
うに、光軸14が接合面13に対して、第1出力側光フ
ァイバー11側に、d/rf>1となるだけずれていれ
ば、入射光16は進行方向20に偏向され、第1出力側
光ファイバー11にのみ入射される。
【0083】なお、d/rfは、大きければ大きいほど
良好なスイッチ機能(大きな消光比)を示すので、スイ
ッチのみの機能を利用するのであれば、複合フォトニッ
ク結晶6の駆動量が小さい場合であっても光ファイバー
のコア径rfがそれに応じて小さければ、十分な消光比
が得られる。
【0084】なお、光スイッチでは、複合フォトニック
結晶6の駆動回数および駆動量が、光分岐器に比べて多
くなるので、入力側光ファイバー10、第1の出力側光
ファイバー11および第2の出力側光ファイバー12の
各光ファイバーと複合フォトニック結晶6との接触部分
には、わずかな間隙を設けたほうが駆動によるトラブル
が少なくてよい。
【0085】(実施の形態5)本発明の実施の形態5に
係る光デバイスについて、図7を用いて説明する。実施
の形態5における光デバイスは、所望とする波長の光の
一部を分離するものであって、いわゆるDrop装置で
ある。
【0086】実施の形態5における光デバイスは、図7
に示すように、入力側光ファイバー10aが、複合フォ
トニック結晶6aの片端に設置され、複合フォトニック
結晶6aの他端には、第1出力側光ファイバー11a、
第2出力側光ファイバー12aおよび第3出力側光ファ
イバー15が設置されている。
【0087】複合フォトニック結晶6aは、第1フォト
ニック結晶7aと第2フォトニック結晶8aとが、境界
線13aで接合されて構成されている。第1フォトニッ
ク結晶7aおよび第2フォトニック結晶8aは、2次元
構造のフォトニック結晶であって、第1物質1a、1b
に円柱状の柱状物質2a、2bが周期的に配置された構
造である。それぞれの柱状物質10a、10bの中心軸
は、すべて平行に配置されている。第1フォトニック結
晶7aの第1物質1aと第2フォトニック結晶8aの第
1物質1bとは同一材料であり、柱状物質2aと柱状物
質2bとは同一材料である。
【0088】第1フォトニック結晶7aの基本格子ベク
トル(a1a,a2a)と第2フォトニック結晶8aの基本
格子ベクトル(a1a′,a2a′)を用いて、第1フォト
ニック結晶7aおよび第2フォトニック結晶8aの具体
的な格子構造の一例について説明する。第1フォトニッ
ク結晶7aと第2フォトニック結晶8aの基本格子ベク
トルa1a、a1a′の方向は、入力側光ファイバー10の
接合面13aと平行であり、第1フォトニック結晶7a
の第2基本格子ベクトルa2aの方向と第2フォトニック
結晶8aの第2基本格子ベクトルa2a′の方向とは、接
合面13aに対して対称である。
【0089】すなわち、第1フォトニック結晶7aの基
本格子ベクトル(a1a,a2a)の角度θbと、第2フォト
ニック結晶8aの基本格子ベクトル(b1′,b2′)の
角度θb′とは等しく、θb、θb′はともに、60°よ
りも大きく90°よりも小さい角度である。
【0090】接合面13a上には、柱状物質1a、1b
が共に存在している。図7では、接合面13aにおい
て、柱状物質1a、1b同士が重なっている部分も示し
ているが、共に同じ材料で形成されているため、重なっ
ている部分では一体となっていて、その箇所は、円柱で
はない。
【0091】円柱状の柱状物質1aの半径はraで、柱
状物質1bの半径はrbである。また、柱状物質1b同
士の距離はbであって、柱状物質1c同士の距離はcで
ある。実施の形態1では、ra=rbで、b=cであった
が、実施の形態5ではra>rbであり、b>cである。
このように、第1フォトニック結晶7aと第2フォトニ
ック結晶8aの格子構造が異なるようにして、それぞ
れ、偏向させる光の波長が異なるものであることとし、
波長がf1、f2のは、第1、第2フォトニック結晶7
a、8aでそれぞれ偏向するように格子構造を形成す
る。なお、格子定数bおよびcは、波長f1およびf2
0.4〜0.6の大きさであり、raおよびrbは、f1
よびf2の0.08〜0.3である。
【0092】例えば、波長がf1の光は、第1フォトニ
ック結晶7a中を伝搬することで6°偏向し、波長がf
2の光は、第2フォトニック結晶8a中を伝搬すること
で、6°偏向するように、格子構造を形成してある。
【0093】入力側光ファイバー10aの光軸14a
は、第1フォトニック結晶7aおよび第2フォトニック
結晶8aの基本格子ベクトルa1a、a1a′の方向と同一
で、接合面13aに含まれている。第1出力側光ファイ
バー11aは、第1フォトニック結晶7aの端面に設置
され、第2出力側光ファイバー12aは、第2フォトニ
ック結晶8aの端面に設置されている。第3出力側光フ
ァイバー15は、光軸14aを中心軸として複合フォト
ニック結晶6aの端面に設置されている。
【0094】波長f1の光の進行方向21と、波長f2
光の進行方向22について説明する。入力側光ファイバ
ー10aから波長がf1、f2の2種類の光が複合フォト
ニック結晶に入射されると、進行方向21に示すように
波長f1の光の内、接合面13aよりも第1フォトニッ
ク結晶7aよりに入射された光は、偏向されて、第1の
出力側光ファイバー11aに結合する。また、波長f1
の光の内、接合面13aよりも第2フォトニック結晶8
aよりに入射された光は、そのまま直進して、第3の出
力側光ファイバー71に結合する。
【0095】一方、進行方向22に示すように波長f2
の光の内、接合面13aよりも第2フォトニック結晶8
aよりに入射された光は、偏向されて、第2の出力側光
ファイバー12aに結合する。また、波長f2の光の
内、接合面13aよりも第1フォトニック結晶7aより
に入射された光は、そのまま直進して、第3出力側光フ
ァイバー15に結合する。
【0096】なお、第1出力側光ファイバー11a、第
2出力側光ファイバー12aの設置位置は、複合フォト
ニック結晶6で偏向された光が結合するように決定す
る。
【0097】なお、接合面13a上には、第1フォトニ
ック結晶7aの柱状物質2aのみが存在することとして
もよいし、第2フォトニック結晶8aの柱状物質2bの
みが存在することとしてもよい。
【0098】以上のように、実施の形態5の光デバイス
によれば、異なる2つの波長f1、f2の光の合成光から
波長f1の光の一部と、波長f2の光の一部とを分離する
ことができる。また、この光デバイスは、小型化するこ
とが可能である。
【0099】(実施の形態6)本発明の実施の形態6に
係る光デバイスについて、図8を用いて説明する。実施
の形態6における光デバイスは、結合比可変光結合器で
ある。図8に示すように、実施の形態6における光デバ
イスは、第1入力側光ファイバー41および第2入力側
光ファイバー42が、複合フォトニック結晶46の片端
に設置され、複合フォトニック結晶46の他端には、出
力側光ファイバー40が設置されている。また、複合フ
ォトニック結晶46には外部駆動部49が備えられ、出
力側光ファイバー40の光軸44に対して、垂直方向に
複合フォトニック結晶46を駆動させることができる。
【0100】複合フォトニック結晶46は、第1フォト
ニック結晶47と第2フォトニック結晶48とが接合面
53で接合され、それぞれの格子構造は、接合面53に
対して鏡面対称である。
【0101】第1フォトニック結晶47と第2フォトニ
ック結晶48は、実施の形態1の第1および第2フォト
ニック結晶と同様に、対称性の悪い斜交格子構造を有し
ている。複合フォトニック結晶46は、実施の形態1で
用いた複合フォトニック結晶と同様の構造であるが、入
射端と出射端を逆にした構造である。すなわち、複合フ
ォトニック結晶46の入射端側から基本格子ベクトルc
1、c1′方向に、所定の波長の光を入射させると、複合
フォトニック結晶46中を光が、その接合面53に近づ
く方向(進路57、58)に偏向するような構造であ
る。
【0102】第1フォトニック結晶47と第2フォトニ
ック結晶の具体的な構造について説明する。第1フォト
ニック結晶47の基本格子ベクトルc1と基本格子ベク
トルc2とのなす角度および第2フォトニック結晶48
の基本格子ベクトルc1′と基本格子ベクトルc2′のな
す角度は等しく、その角度のうち90°よりも小さい方
の角度θc、θc′が60°よりも大きく90°よりも小
さい。
【0103】第1物質中にその中心軸が平行に配列され
ている円柱状の柱状物質2間の距離である格子定数aが
偏向する入射光波長の0.4〜0.6の大きさで、第1と
第2フォトニック結晶47、48を構成する柱状物質2
の半径rが偏向する入射光波長の0.08〜0.3であ
る。なお、2次元フォトニック結晶の構成としては、例
えば、ポリマーやガラス等の第1物質1に空孔を設けれ
ばよい。それにより、柱状物質2が空気である2次元フ
ォトニック結晶が構成される。他の構成としては、例え
ば、SiやGaAsやTi25等の、屈折率が3程度の
第1物質1に、ポリマーやガラス等の、屈折率が1.5
程度の柱状物質2を分布させてもよい。ポリマー材料と
しては、アクリル系(PMMA、UVアクリルレートポ
リマー等)、エポキシ系、ポリイミド系、シリコーン
系、カーボネート系(ポリカーボネート)等が挙げられ
る。
【0104】また、フォトニック結晶の特性の決定に
は、第1物質1および柱状物質2の屈折率が重要なの
で、上述した材料以外の、固体(例えば、酸化物など誘
電体全般)でも液体(例えば、水やエチレングリコール
等)でも気体(例えば、空気や不活性ガス等)でも、上
述した屈折率の条件を満足する材料を用いれば、所望と
するフォトニック結晶を作成することができる。
【0105】なお、複合フォトニック結晶46に基板や
クラッド層を設けてもよく、その屈折率は、第1物質1
に比べて低く、柱状物質2に比べて同一または低いこと
とすればよい。
【0106】出力側光ファイバー40の光軸54は、第
1フォトニック結晶47および第2フォトニック結晶4
8の基本格子ベクトルc1、c1′の方向と同一で、接合
面53付近に設置される。第1入力側光ファイバー41
は、第1フォトニック結晶47の端面に設置され、第2
入力側光ファイバー42は、第2フォトニック結晶48
の端面に設置されている。出力側光ファイバー40の光
軸54に対して対称となる位置に、第2入力側光ファイ
バー42と第1入力側光ファイバー41が設置されてい
る。第1入力側光ファイバー41および第2入力側光フ
ァイバー42から複合フォトニック結晶46に入射され
る光は、第1フォトニック結晶47および第2フォトニ
ック結晶48の基本格子ベクトルc1、c1′方向に入射
される。
【0107】第1入力側光ファイバー41から入射され
る光は、第1フォトニック結晶47中で偏向する所定の
光であり、第2入力側光ファイバー42から入射される
光は、第2フォトニック結晶48中で偏向する所定の光
である。
【0108】光軸54が接合面53上に含まれる状態
で、第1入力側光ファイバー41および第2入力側光フ
ァイバー42から、第1フォトニック結晶47および第
2フォトニック結晶48に光が入射すると、それらの光
は進行方向57および進行方向58で示す方向に偏向し
て進行する。2つの光は接合面53に近づいていき、接
合面53上で結合される。それぞれの光の結合比は、
1:1であり、等比率で結合される。結合光は複合フォ
トニック結晶46から出力側光ファイバー40に入射さ
れる。このときの進行方向57、58とのなす角度が結
合角であって20°程度であり、従来の結合器に比べて
10倍以上の結合角が得られるため、光結合器の長さを
小さくすることが可能である。
【0109】実施の形態6の光デバイスは、複合フォト
ニック結晶56を接合面53に対して垂直方向に駆動さ
せる外部駆動部49を備えている。外部駆動部49によ
って複合フォトニック結晶56を垂直方向に駆動して、
光軸54が接合面53からずラスことにより、そのずれ
度合いに応じて結合比が異なる。具体的には、接合面5
3との距離が離れている側の入力側光ファイバーからの
光の比率が高くなる。図8では、接合面53と第1入力
側光ファイバー41の距離の方が、接合面53と第2入
力側光ファイバー42との距離よりも大きい。したがっ
て、第1入力側光ファイバー41からの光の比率が高い
結合比で結合した結合光が出力側光ファイバー40から
出力される。外部駆動部49により、このずれ量を制御
することで、所望とする結合比を実現できる。
【0110】複合フォトニック結晶46の移動量にあた
る光軸54と接合面53間の距離d 1は、出力側光ファ
イバー40のコア半径rf1(例えば、約4μm)以上の
場合には、出力側光ファイバー40に結合光が入射され
なくなるので、外部駆動部49は、コア半径rf1だけ駆
動領域があればよく、この範囲で駆動可能なものであれ
ばよい。外部駆動部49は、例えば、MEMSや圧電素
子やモーター系(ステップモーターや超音波モーター
等)等を用いて構成すればよい。
【0111】このように、実施の形態6の光デバイスに
よれば、外部駆動部49により、複合フォトニック結晶
46の接合面53と出力側光ファイバー40の光軸54
の相対位置を制御することで、第1フォトニック結晶4
7側を伝搬する成分と第2フォトニック結晶48側を伝
搬する光成分の結合割合を制御することができる。それ
により、入射光を20°程度の結合角で結合させること
ができる上に、結合比を動的に変えることができる光デ
バイスが実現できる。また、導波路ではなくフォトニッ
ク結晶を用いて構成しているので、容易に製造すること
もできる。
【0112】(実施の形態7)本発明の実施の形態7に
係る光デバイスについて、図9を用いて説明する。実施
の形態7における光デバイスは、実施の形態6における
光デバイスに、複合フォトニック結晶46を移動させる
外部駆動部49の代りに、出力側光ファイバー40を光
軸54に対して垂直方向に移動させる外部駆動部50を
備えている。
【0113】実施の形態7における光デバイスは、外部
駆動部50を用いて出力側光ファイバー40を移動させ
ることで、光軸54と接合面53とにずれを生じさせ、
光の結合比を制御する。結合比は、光軸54と接合面5
3間の距離d1によって決定される。また、距離d1はコ
ア半径rf1だけあればよく、外部駆動部50は、例え
ば、MEMSや圧電素子やモーター系(ステップモータ
ーや超音波モーター等)等を用いて構成すればよい。
【0114】このようにすることで、実施の形態6の光
デバイスと同様に、結合比を動的に変えることができる
光デバイスが実現できる。
【0115】(実施の形態8)本発明の実施の形態8に
係る光デバイスについて、図10を用いて説明する。実
施の形態8における光デバイスは、実施の形態6におけ
る光デバイスに、モニター部61aおよび演算制御部6
3を加えて、出力側の光量をモニターすることで、フィ
ードバックを用いて、結合制御の精度を高めるものであ
る。
【0116】出力側光ファイバー40中を伝搬する光の
光量をモニターするモニター部61aが出力側光ファイ
バー40に設置されている。また、モニター部61a
は、モニターした出力側光ファイバー40中を伝搬する
光の光量を信号化して演算制御部63に送る。
【0117】演算制御部63は、外部駆動部49を制御
するものであって、出力側光ファイバー40を伝搬する
光の結合比が所望の値となるように、外部駆動部49に
複合フォトニック結晶46の駆動量を指示する。演算制
御部63の指示に従って、外部駆動部49は、複合フォ
トニック結晶46を駆動させて、光軸54と接合面53
間の距離d1を適当な値にする。モニター部61aから
の出力側光ファイバー40中のの光量を指示する信号に
基づいて、現在の結合比を求め、所望とする結合比とな
るように、演算制御部63は、外部駆動部49を制御す
る。
【0118】外部環境の変化等により結合比が変化し、
所望とする結合比とは異なってしまうことがあり得る。
しかし、結合光の光量は、モニター部61aでモニター
され、演算制御部33にその信号が送られているため、
その変化量を演算制御部33は演算して、所望とする結
合比に結合されるように、外部駆動部49に複合フォト
ニック結晶46の移動量の補正をする指示を送り、光軸
54と接合面53間の距離d1を調整する。このよう
に、実施の形態8の光デバイスは、フィードバック制御
によって、所望とする結合比が維持されるため、結合比
の精度が向上され、外部環境変化に依らず結合比を一定
に維持することができる。それにより、高精度の結合制
御がなされ得る。
【0119】なお、モニター部61aでは、結合光の光
量が分かればいいので、出力側光ファイバー40中を伝
搬する光を直接モニターする必要はなく出力側光ファイ
バー40とモニター61との間に他の光システムが介在
していても良い。
【0120】(実施の形態9)本発明の実施の形態9に
係る光デバイスについて、図11を用いて説明する。実
施の形態9における光デバイスは、実施の形態6におけ
る光デバイスと同一の構成であるが、光スイッチとして
用いている。
【0121】実施の形態9における光デバイスの規格化
移動量d1/rf1>1、つまり光軸54と接合面53間
の距離d1を出力側光ファイバ40のコア半径rf1より
も大きくすることで、いずれか一方の入力側光ファイバ
ーから入射された光のみを出力側光ファイバー40に伝
搬させることが可能である。
【0122】図11に示すように、実施の形態9の光デ
バイスは、光軸54が接合面53からずれる方向によっ
て、第1入力側光ファイバーもしくは第2入力側光ファ
イバーからの光の内のどちらかを選択して出力側光ファ
イバー40から出力する光スイッチとして用いることが
できる。
【0123】具体的には、図11(a)に示すように、
接合面53が光軸54に対して第2入力側光ファイバー
42側に、d1/rf1>1となるだけずれていれば、第
1入力側光ファイバー41からの入射光のみが、出力側
光ファイバー40に入射されることになる。第2入力側
光ファイバー42からの入射光は、第2フォトニック結
晶48で偏向するが、複合フォトニック結晶46の出射
端に到達する前に、接合面53に到達するため、出力側
光ファイバー40には入射されない。
【0124】逆に、図11(b)に示すように、接合面
53が光軸54に対して第1入力側光ファイバー41側
に、d1/rf1>1となるだけずれていれば、出力側光
ファイバー40には、第2入力側光ファイバー42から
の入射光のみが、入射されることになる。
【0125】また、Y分岐導波路を用いた光結合器のど
ちらか一方だけの入力側光ファイバーから光を入射した
場合には、出力側光ファイバーには、入射光の半分のパ
ワーの光しか伝搬しない。しかし、実施の形態9の光ス
イッチでは、第1入力側光ファイバー41または第2入
力側光ファイバー42のどちらか一方だけの入射光を出
力側光ファイバー40に伝搬させるにもかかわらず、減
衰することなく入射光の全パワーの光が伝搬される。
【0126】なお、d1/rf1は、大きければ大きいほ
ど良好なスイッチ機能(大きな消光比)を示す。スイッ
チのみの機能を利用するのであれば、複合フォトニック
結晶46の駆動量が小さい場合であれば、光ファイバー
のコア径rf1をそれに応じて小さくすることで、十分な
消光比が得られる。
【0127】また、入力側光ファイバーのどちらか一方
を取り除き、入射光を1個にしてd 1/rf1>1とする
ことで、最大透過率100%の減衰器とすることもでき
る。
【0128】なお、光スイッチでは、複合フォトニック
結晶46の駆動回数および駆動量が、光結合器として用
いるよりも多くなるので、第1入力側光ファイバー4
1、第2の入力側光ファイバー42および出力側光ファ
イバー50の各光ファイバーと複合フォトニック結晶4
6との接触部分には、わずかな間隙を設けたほうが駆動
によるトラブルが少なくてよい。
【0129】以上、実施の形態6〜9に示した光結合器
は、実施の形態1〜4に示した光分岐器の入出力側を逆
にした構成ではあるが、分岐器の場合には、入射光のパ
ワーが損失なく分岐するのに対して、結合器の場合に
は、光軸54と接合面53での相対的ずれ量により、結
合光のパワーに損失が生じる。つまり、光結合器と光分
岐器との入出力特性は可逆というわけではない。したが
って、光デバイスに分岐器および結合器の両方の機能を
持たせるためには、光の入出力方向を検知して、その検
知結果に基づいて、光の進行方向に応じて所望の機能を
発揮できるように複合フォトニック結晶6、46の接合
面13、53と光軸14、54の相対位置を外部駆動部
49で動的に制御する必要がある。
【0130】(実施の形態10)本発明の実施の形態1
0に係る光デバイスについて、図12を用いて説明す
る。実施の形態10における光デバイスは、所望とする
波長の光を他の光に合成するものであって、いわゆるゲ
イン可変光Add装置である。
【0131】図12に示すように、実施の形態10にお
ける光デバイスは、第1入力側光ファイバー41aおよ
び第2入力側光ファイバー42aが、フォトニック結晶
47aの片端に設置され、フォトニック結晶47aの他
端には、出力側光ファイバー40aが設置されている。
第1入力側光ファイバー41aの光軸は、出力側光ファ
イバー40aの光軸54aと等しいように設置されてい
て、第1入力側光ファイバー41aの光軸は光軸54a
と平行である。
【0132】また、第2入力側光ファイバー42aには
外部駆動部60aが備えられ、光軸54aに対して垂直
方向に第1入力側光ファイバー41aを駆動させること
ができる。
【0133】実施の形態10のフォトニック結晶47a
は、実施の形態6のフォトニック結晶47と同様に、対
称性の悪い斜交格子構造を有している。フォトニック結
晶47aの基本格子ベクトルd1方向に、光を入射させ
ると、フォトニック結晶47中を光が偏向するような構
造である。
【0134】フォトニック結晶47aの具体的な構造に
ついて説明する。フォトニック結晶47aの基本格子ベ
クトルd1と基本格子ベクトルd2とのなす角度のうち9
0°よりも小さい方の角度θdが60°よりも大きく9
0°よりも小さい。
【0135】第1物質中にその中心軸が平行に配列され
ている円柱状の柱状物質2間の距離である格子定数aが
偏向する入射光波長の0.4〜0.6の大きさで、フォト
ニック結晶47aを構成する柱状物質2の半径rが偏向
する入射光波長の0.08〜0.3である。なお、2次元
フォトニック結晶の構成としては、例えば、ポリマーや
ガラス等の第1物質1に空孔を設ければよい。それによ
り、柱状物質2が空気である2次元フォトニック結晶が
構成される。他の構成としては、例えば、SiやGaA
sやTi25等の、屈折率が3程度の第1物質1に、ポ
リマーやガラス等の、屈折率が1.5程度の柱状物質2
を分布させてもよい。ポリマー材料としては、アクリル
系(PMMA、UVアクリルレートポリマー等)、エポ
キシ系、ポリイミド系、シリコーン系、カーボネート系
(ポリカーボネート)等が挙げられる。
【0136】また、フォトニック結晶の特性の決定に
は、第1物質1および柱状物質2の屈折率が重要なの
で、上述した材料以外の、固体(例えば、酸化物など誘
電体全般)でも液体(例えば、水やエチレングリコール
等)でも気体(例えば、空気や不活性ガス等)でも、上
述した屈折率の条件を満足する材料を用いれば、所望と
するフォトニック結晶を作成することができる。
【0137】なお、フォトニック結晶46aに基板やク
ラッド層を設けてもよく、その屈折率は、第1物質1に
比べて低く、柱状物質2に比べて同一または低いことと
すればよい。また、このフォトニック結晶46aの基本
格子ベクトルd1方向に入射された場合に、偏向する光
の波長をfdとする。
【0138】第1入力側光ファイバー41a中には波長
dの光が伝搬し、フォトニック結晶56aに入射され
る。また、第2入力側光ファイバー42a中には、波長
がf d以外の波長の光が複数伝搬していて、フォトニッ
ク結晶56aに入射される。
【0139】第1入力側光ファイバー41aおよび第2
入力側光ファイバー42aの光軸はどちらも基本格子ベ
クトルd1と同一の方向である。したがって、フォトニ
ック結晶56aには、基本格子ベクトルd1と同一の方
向に光が入射される。
【0140】第1入力側光ファイバー41aから入射さ
れた波長fdの光は、フォトニック結晶中47aで進行
方向58aに偏向して光軸54aに近づいていく。第2
入力側光ファイバー42aから入射された光は、光軸5
4aに沿って進行方向57aで直進する。第1入力側光
ファイバー41aと第2入力側光ファイバー42aとの
距離は、フォトニック結晶47aの光軸54a方向の長
さとフォトニック結晶47a中で偏向する光の偏向角の
正接との積とすることで、偏向した波長fdの光と光軸
54aに沿って直進している光とが、1:1の割合でフ
ォトニック結晶47aの出射端で結合して出力側光ファ
イバー40aに出射される。また、このときの第2入力
側光ファイバー42aの光軸である基準光軸62と第2
入力側光ファイバー42aの実際の光軸61との距離を
2とすると、第1入力側光ファイバー41aと第2入
力側光ファイバー42aを伝搬している光が、1:1の
割合で結合する条件はd2=0の場合である。
【0141】さらに、外部駆動部60aによって、第2
入力側光ファイバー42aを基準光軸62に対して垂直
方向に移動させて、基準光軸62と光軸61とをずら
す。それにより、波長fdの光のフォトニック結晶47
aからの出射位置が、出力側光ファイバー40aの光軸
54aからずれる。それにより、偏向した波長fdの光
の、それ以外の光との結合量が減少する。つまり、第2
入力側光ファイバー42aを移動させて、基準光軸62
と光軸61とをずらすことで、波長fdの光の受光比が
変化し、波長fd以外の光にAddする波長fdの光のゲ
インを動的に変えることができる。
【0142】図13に入射光と出射光のスペクトルを示
す。図13(a)は第2入力側光ファイバー42aを伝
搬している入射光のスペクトルを示していて、波長fd
の光のみである。図13(b)は第1入力側光ファイバ
ー41aを伝搬している入射光のスペクトルを示してい
て、波長fd以外の光である。図13(c)および
(d)は出力側光ファイバー40aを伝搬する出射光の
スペクトルを示している。図13(c)と図13(d)
では、波長fdの光をAddする量が異なっている。第
2入力側光ファイバー42aの移動量を外部駆動部60
aで制御することで、Addする光のゲインを制御でき
る。
【0143】また、第2入力側光ファイバー42aの移
動量に当たる基準光軸62と光軸61の距離d2は、出
力側光ファイバー40aのコア半径rfd(約4μm)程
度まで変化できれば良いので、外部駆動部60aとして
はMEMSや圧電素子やモーター系(ステップモーター
や超音波モーターなど)などを利用すればよい。
【0144】(実施の形態11)本発明の実施の形態1
1に係る光デバイスについて、図14を用いて説明す
る。実施の形態11における光デバイスは、実施の形態
10における光デバイスに、第2入力側光ファイバー4
2aを移動させる外部駆動部60aの代りに、第1入力
側光ファイバー41aを光軸54aに対して垂直方向に
移動させる外部駆動部60bを備えている。
【0145】また、第2入力側光ファイバー42aの光
軸61と出力側光ファイバー40aの光軸54aの距離
は、フォトニック結晶47aの光軸54a方向の長さと
フォトニック結晶47a中で偏向する光の偏向角の正接
との積である。
【0146】第2入力側光ファイバー42aから波長f
dの光が、第1入力側光ファイバー41aから波長fd
光以外の複数の光が、フォトニック結晶56aに入射
し、波長fdの光は、進行方向58aに偏向し、波長fd
以外の光は進行方向57aに直進する。第1入力側光フ
ァイバー41aの光軸64が、光軸54aと同一であっ
た場合には、フォトニック結晶47aの出射端で波長f
dの光と波長fdの光以外の複数の光が全て結合されて出
力側光ファイバー40aに出射される。
【0147】しかし、外部駆動部60bを用いて、第1
入力側光ファイバー41aを移動させて、光軸64と光
軸54aとにずれを生じさせると、第2入力側光ファイ
バーから入射される波長fdの光以外の複数の光のフォ
トニック結晶47aからの出射位置が光軸54aからず
れる。それにより、波長fdの光以外の複数の光は、全
て出力側光ファイバー40aに伝搬しない。つまり、第
1入力側光ファイバー41aを移動させることで、波長
dとそれ以外の光の受光比が変化する。そのため、A
ddする光のゲインを動的に変えることができる。
【0148】図15に入射光と出射光のスペクトルを示
す。図15(a)は第2入力側光ファイバー42aを伝
搬している入射光のスペクトルを示していて、波長fd
の光のみである。図15(b)は第1入力側光ファイバ
ー41aを伝搬している入射光のスペクトルを示してい
て、波長fd以外の光である。図15(c)および
(d)は出力側光ファイバー40aを伝搬する出射光の
スペクトルを示している。図15(c)と図15(d)
では、波長fd以外の光をAddする量が異なってい
る。図15(c)は、光軸64と光軸54aが同一の位
置にある場合で、この時は、全ての光が結合されれてい
る。図15(d)は、光軸64と光軸54aとがずれて
いる場合であって、同図より波長fd以外の光がAdd
される量が減少していることが分かる。
【0149】したがって、第1入力側光ファイバー41
aの移動量を外部駆動部60bで制御することで、Ad
dする波長fd以外の光のゲインを制御できる。
【0150】なお、第1入力側光ファイバー41aの移
動量に当たる光軸54aと光軸64の距離d3は、出力
側光ファイバー40aのコア半径rfd(約4μm)程度
まで変化できれば良いので、外部駆動部60bとしては
MEMSや圧電素子やモーター系(ステップモーターや
超音波モーターなど)などを利用すればよい。
【0151】(実施の形態12)本発明の実施の形態1
2に係る光デバイスについて、図16を用いて説明す
る。実施の形態12における光デバイスは、実施の形態
10における光デバイスに、モニター部31aおよび演
算制御部33aを加えて、出力側の光量をモニターする
ことで、フィードバックを用いてゲインを調整し、制御
の精度を高めるものである。
【0152】出力側光ファイバー40a中を伝搬する光
の光量をモニターするモニター部31aが、出力側光フ
ァイバー40aに設置されている。また、モニター部3
1aは、モニターした出力側光ファイバー40a中を伝
搬する光の光量を信号化して演算制御部33aに送る。
【0153】演算制御部33aは、外部駆動部60aを
制御するものであって、Addされる光のゲインが所望
の値となるように、外部駆動部60aに第2入力側光フ
ァイバー42aの移動量を指示する。演算制御部33a
の指示に従って、外部駆動部60aは、第2入力側光フ
ァイバー42aを移動させて、基準光軸62と第2入力
側光ファイバー42aの光軸61間の距離d2を適当な
値にする。モニター部31aからの出力側光ファイバー
40aの光量を指示する信号に基づいて、Addする光
が所望のゲインとなるように、演算制御部33aは、外
部駆動部60aを制御する。
【0154】なお、モニター部33aは、出力側光ファ
イバー40a中を伝搬する光を直接モニターする必要は
なく、出力側光ファイバー40aとモニター33aとの
間に他の光システムが介在していても良い。
【0155】以上のように、出力側光ファイバー40a
の出射光の光量をモニターして外部駆動部60aへフィ
ードバックすることで、Addする入射光のゲインを調
整し、出射光での波長fdの光の割合を自由に調整する
ことができる。また、同じシステムでも必要に応じてA
ddする光のゲインをダイナミック変化できるので、従
来のMMIなどで設計した合波比可変合波器では非常に
困難であった動的なAdd回路を簡単な構成で実現する
ことができる。
【0156】以上説明した実施の形態1〜12におい
て、光ファイバーの代りに光導波路を用いて構成しても
よい。また、光結合器においては、出力側光ファイバー
を一本として説明しているが、複数であっても構わな
い。
【0157】以上説明した実施の形態1〜12における
光デバイスに用いるフォトニック結晶は、スラブ形状と
すればよく、その厚さ方向の屈折率分布を変化させるこ
とで、厚さの中心部分への光の閉込め効果が高くなる。
なお、以下の説明は、フォトニック結晶で説明している
が、複合フォトニック結晶は、フォトニック結晶で構成
されているので、複合フォトニック結晶でも同様の効果
がある。
【0158】図17にフォトニック結晶の側断面図を示
している。フォトニック結晶の用い方は、図17(a)
に示しているように、基板を用いず、第1物質83と空
気である柱状物質82で構成されているフォトニック結
晶80のみの場合、図17(b)に示しているように、
基板81上にフォトニック結晶80が形成され、空気で
ある柱状物質82を基板81の厚さ方向の途中まで形成
している場合、図17(c)に示しているように、基板
81上にフォトニック結晶80が形成されている場合等
がある。
【0159】フォトニック結晶と、フォトニック結晶を
上下から挟んでいる物質との屈折率差が大きくなると、
光の閉込め効果が高くなる。例えば、図17(a)に示
す場合は、フォトニック結晶は、空気で上下から挟まれ
ていることになり、空気の屈折率は低いので、この場合
の閉込め効果は高い。また、図17(b)、図17
(c)に示す場合は、フォトニック結晶は、上からは空
気で下からは基板で挟まれ、さらに図17(b)の基板
は、空気である箇所が存在する基板である。基板に屈折
率の低い空気の箇所がある図17(b)の場合の方が図
17(c)の場合に比べて閉込め効果が高い。
【0160】また、フォトニック結晶80の厚さ方向の
屈折率分布によって、光の閉込め効果を高めたり、フォ
トニック結晶中を伝搬する光の、フォトニック結晶の厚
さ方向の分布を制御することができる。
【0161】例えば、フォトニック結晶80の厚さ方向
の屈折率分布を、図18(a)に示すフォトニック結晶
の屈折率分布のように、フォトニック結晶の厚さ方向の
中点近傍に屈折率の極大点を有し、極大点から離れるに
したがって対称に屈折率が小さくなるようにする。こう
することで、屈折率分布が均一の場合に比べ、フォトニ
ック結晶80の厚さ方向への光の閉込め効果が高くな
る。また、屈折率の極大点に光は集中して伝搬するた
め、極大点の位置によって光の集中する位置を制御でき
る。
【0162】また、図17(b)、図17(c)のよう
に下側に基板を有する場合は、フォトニック結晶の屈折
率分布が均一であれば、その上下の屈折率が異なるた
め、フォトニック結晶の中点に光が集中しない。例え
ば、図18(b)に示す屈折率分布のように、厚さ方向
の中点近傍に屈折率の極大点を有し、前記極大点から基
板方向に離れるに従って非対称に屈折率が小さくなり、
基板81側の屈折率の低下率が大きくなるような屈折率
分布であれば、中点に光を集中させ、さらに光の閉込め
効果が高くなる。
【0163】以上のように、フォトニック結晶の屈折率
分布を調整することで、フォトニック結晶中を伝搬する
光を、所望とする分布にできる。
【0164】なお、基板81の方が空気よりも屈折率が
高いので、極大点の位置は、厚さ方向の中点ではなく、
基板81の反対側にずれている方が、フォトニック結晶
の中点に伝搬光が集中するため望ましい。
【0165】なお、フォトニック結晶の厚さ方向の屈折
率分布を形成するには、第1物質83にイオンを注入し
て第1物質83の屈折率を変えて所望とする屈折率分布
を形成する方法や、屈折率の異なる物質を所望とする屈
折率分布に従って積層して多層膜で第1物質83を形成
する方法がある。また、柱状物質82が空気でない場合
も同様であるが、その場合は、柱状物質82の屈折率分
布も、第1物質83と同様に調整すればよい。
【0166】また、実施の形態1〜12におけるフォト
ニック結晶のモジュール化について説明する。この場合
は、図19(a)に示すように、まず、第1基板である
基板100上にスラブ型フォトニック結晶101を形成
する。フォトニック結晶101を形成するためには、基
板100は必要であったが、モジュール化においては、
基板として光ファイバーの位置決め用の複数のV溝10
2が一体形成されているV溝付基板103を用いるとよ
い。そこで、図19(b)に示すように、フォトニック
結晶101を第2基板であるV溝付基板103に接合し
た後基板100を除去し、一体化されたV溝付基板10
3とフォトニック結晶101とを気密容器104に収容
し、図19(c)に示すように、気体や液体などの充填
物質105を充填する。それにより、基板103で光フ
ァイバーの位置合わせをすることができる。また、フォ
トニック結晶101と基板との接触箇所が少ないので、
フォトニック結晶101は、充填物質105で大部分が
囲まれることとなり、例えば空気のように、屈折率の低
い充填物質105を用いることで、厚さ方向の屈折率差
を大きくすることが可能である。そのため、厚さ方向の
光の閉じ込めを強くすることができる。
【0167】また、V溝付基板103の代りに、図20
に示すように、コの字型基板110を用いてもよく、図
19で示した手順と同様にモジュール化する。コの字型
基板110の両端部にある凸部分111のみでフォトニ
ック結晶101が支持されているため、フォトニック結
晶101中の光の伝搬には影響のない箇所で支持されて
いる。それにより、フォトニック結晶101の、光の伝
搬に影響のある箇所は、充填物質105と接触すること
となる。充填物質105には、コの字型基板110より
も屈折率が低い材料を用いることができるので、フォト
ニック結晶101の厚さ方向の屈折率差を大きくするこ
とが可能であり、厚さ方向の光の閉じ込めを強くするこ
とができる。
【0168】
【発明の効果】本発明の光デバイスによれば、従来の1
0倍以上の分岐角度あるいは結合角度を有する。また、
外部制御により動的に分岐比あるいは結合比を変えるこ
とができる光デバイスを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る光デバイスの構
成を示す平面図
【図2】 本発明の実施の形態1に係る光デバイスの測
定結果を示す図
【図3】 本発明の実施の形態2に係る光デバイスの構
成を示す平面図
【図4】 本発明の実施の形態1および2に係る光デバ
イスの分岐比と透過ロスの関係を示す図
【図5】 本発明の実施の形態3に係る光デバイスの構
成を示す平面図
【図6】 本発明の実施の形態4に係る光デバイスを説
明するための平面図
【図7】 本発明の実施の形態5に係る光デバイスの構
成を示す平面図
【図8】 本発明の実施の形態6に係る光デバイスの構
成を示す平面図
【図9】 本発明の実施の形態7に係る光デバイスの構
成を示す平面図
【図10】 本発明の実施の形態8に係る光デバイスの
構成を示す平面図
【図11】 本発明の実施の形態9に係る光デバイスの
構成を示す平面図
【図12】 本発明の実施の形態10に係る光デバイス
の構成を示す平面図
【図13】 本発明の実施の形態10に係る光デバイス
の入射光と出射光のスペクトル図
【図14】 本発明の実施の形態11に係る光デバイス
の構成を示す平面図
【図15】 本発明の実施の形態11に係る光デバイス
の入射光と出射光のスペクトル図
【図16】 本発明の実施の形態12に係る光デバイス
の構成を示す平面図
【図17】 本発明の実施の形態に係る光デバイスのフ
ォトニック結晶と基板の構成を示す側断面図
【図18】 本発明の実施の形態に係る光デバイスのフ
ォトニック結晶の屈折率分布図
【図19】 本発明の実施の形態に係る光デバイスのフ
ォトニック結晶のモジュール化の構成図
【図20】 本発明の実施の形態に係る光デバイスのフ
ォトニック結晶のモジュール化の他の構成図
【図21】 従来の光分岐器の構成を示す平面図
【図22】 従来の光分岐器における分岐比と透過ロス
の関係を示す図
【図23】 従来の光結合器の構成を示す平面図
【符号の説明】
とにY形状のコア134を形成された結合部137およ
び出力側光ファイバー 1、1a、1b、83 第1物質 2、2a、2b、82 柱状物質 6、6a、46 複合フォトニック結晶 7、7a、47 第1フォトニック結晶 8、8a、48 第2フォトニック結晶 9、30、49、50、60a、60b 外部駆動部 10、10a 入力側光ファイバー 11、11a 第1出力側光ファイバー 12、12a 第2出力側光ファイバー 15 第3出力側光ファイバー 13、13a、53 接合面 14、14a、54、54a、61、64 光軸 16 入射光 17、18、19、20、21、22、57、57a、
58、58a 進行方向 31 第1モニター部 32 第2モニター部 33、33a、63 演算制御部 21、22 進路 40、40a、136 出力側光ファイバー 41、41a、131 第1入力側光ファイバー 42、42a、132 第2入力側光ファイバー 47a フォトニック結晶 31a、61a モニター部 62 基準光軸 80、101 フォトニック結晶 81、100、133 基板 102 V溝 103 V溝付基板 104 気密容器 105 充填物質 110 コの字型基板 111 凸部分 120 入力側光導波路 121 MMI装置 122 出力側光導波路 123 第1出力部 124 第2出力部 134 コア 135 Y字型の付け根 137 結合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H037 AA01 BA24 CA34 DA02 DA04 DA18 2H041 AA02 AA26 AB21 AC01 AC08 AC10 AZ05 AZ08 2H047 KA03 LA12 MA05 NA10 TA01

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率が異なる複数の物質が周期的に配
    置されることで、周期的屈折率分布を有している第1フ
    ォトニック結晶と、屈折率が異なる複数の物質が周期的
    に配置され、第1フォトニック結晶とは異なる周期的屈
    折率分布を有する第2フォトニック結晶とが接合された
    複合フォトニック結晶と、 前記複合フォトニック結晶の入射端に配置された入力側
    光導波路と、 前記複合フォトニック結晶の出射端に配置された出力側
    光導波路と、 前記第1フォトニック結晶と前記第2フォトニック結晶
    とが接合されている接合面と、前記入力側光導波路と前
    記出力側光導波路とのうち少なくとも一つの光軸とのず
    れ量を制御する外部駆動部とを備えたことを特徴とする
    光デバイス。
  2. 【請求項2】 前記入力側光ファイバーの光軸は、前記
    第1フォトニック結晶と前記第2フォトニック結晶とが
    接合している前記接合面近傍となるように配置され、 前記出力側光導波路の内、第1出力側光導波路は、第1
    フォトニック結晶の出射端に配置され、 前記出力側光導波路の内、第2出力側光導波路は、第2
    フォトニック結晶の出射端に配置されていることを特徴
    とする請求項1に記載の光デバイス。
  3. 【請求項3】 前記出力側光ファイバーの光軸は、前記
    第1フォトニック結晶と前記第2フォトニック結晶とが
    接合している前記接合面近傍となるように配置され、 前記入力側光導波路の内、第1入力側光導波路は、第1
    フォトニック結晶の入射端に配置され、 前記入力側光導波路の内、第2入力側光導波路は、第2
    フォトニック結晶の入射端に配置されていることを特徴
    とする請求項1に記載の光デバイス。
  4. 【請求項4】 前記外部駆動部は、全ての前記入力側光
    導波路と出力側光導波路のみ、前記入力側光導波路の
    み、前記出力側光導波路のみ、および前記複合フォトニ
    ック結晶のみのいずれかを移動させることを特徴とする
    請求項1に記載の光デバイス。
  5. 【請求項5】 前記出力側光導波路中を伝搬する光量を
    モニターして信号化するモニター部と、 前記モニター部から前記光量を示す信号を受信し、前記
    光量をもとに演算処理し、各前記出力側光導波路に伝搬
    する光量が所望の値となるように外部駆動部を制御する
    演算制御部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載
    の光デバイス。
  6. 【請求項6】 前記第1出力側光導波路および前記第2
    出力側光導波路中を伝搬する光量をモニターして信号化
    するモニター部と、 前記モニター部から前記光量を示す信号を受信し、所望
    とする光の分岐比と前記光量とをもとに演算処理し、前
    記第1出力側光導波路および前記第2出力側光導波路中
    に伝搬する光量が所望の分岐比となるように外部駆動部
    を制御する演算制御部とを備えたことを特徴とする請求
    項2に記載の光デバイス。
  7. 【請求項7】 前記出力側光導波路中を伝搬する光量を
    モニターして信号化するモニター部と、 前記モニター部から前記光量を示す信号を受信し、所望
    とする光の結合比と前記光量とをもとに演算処理し、前
    記出力側光導波路に伝搬する光量が所望の結合比となる
    ように外部駆動部を制御する演算制御部とを備えたこと
    を特徴とする請求項3に記載の光デバイス。
  8. 【請求項8】 前記第1フォトニック結晶および前記第
    2フォトニック結晶は、それぞれ共に、複数の異なる屈
    折率を有する物質が周期的に配列されている2次元また
    は3次元格子構造を有し、かつ、基本格子ベクトルで構
    成される一組の2次元格子構造が3回よりも大きい数の
    回転対称軸を持たない格子構造であって、 前記第1フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルと前
    記第2フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルの方向
    は平行であって、かつ前記第1フォトニック結晶と前記
    第2フォトニック結晶とが接合された接合面に平行であ
    り、 前記第1フォトニック結晶の第2基本格子ベクトルと前
    記第2フォトニック結晶の第2基本格子ベクトルの方向
    は前記接合面に対して対称であることを特徴とする請求
    項1に記載の光デバイス。
  9. 【請求項9】 前記第1フォトニック結晶および前記第
    2フォトニック結晶は、それぞれ共に、屈折率の異なる
    第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状物質の軸
    が平行となるように前記柱状物質が周期的に第1物質中
    に配列されている2次元格子構造を有し、 前記第1フォトニック結晶および前記第2フォトニック
    結晶の各基本格子ベクトル間の角度は共に、90°以下
    の方の角度が60°よりも大きく90°よりも小さい角
    度であって、 前記第1フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルと前
    記第2フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルの方向
    は平行であって、かつ前記第1フォトニック結晶と前記
    第2フォトニック結晶とが接合された接合面に平行であ
    り、 前記第1フォトニック結晶の第2基本格子ベクトルと前
    記第2フォトニック結晶の第2基本格子ベクトルの方向
    は前記接合面に対して対称であることを特徴とする請求
    項1に記載の光デバイス。
  10. 【請求項10】 前記外部駆動部は、全ての前記入力側
    光導波路と出力側光導波路のみ、前記入力側光導波路の
    内の少なくとも一つのみ、および前記複合フォトニック
    結晶のみのいずれかを移動させることを特徴とする請求
    項1に記載の光デバイス。
  11. 【請求項11】 前記外部駆動部は、前記出力側光導波
    路を入力側とし、前記出力側光導波路を出力側とした場
    合として用いた場合に、光の入出力方向を検知し、最適
    なずれ量を制御することを特徴とする請求項1に記載の
    光デバイス。
  12. 【請求項12】 屈折率が異なる複数の物質が周期的に
    配置されることで、周期的屈折率分布を有しているフォ
    トニック結晶と、 前記フォトニック結晶の入射端にお互いに平行になるよ
    うに配置された第1入力側光導波路と第2入力側光導波
    路と、 前記フォトニック結晶の出射端に配置され、前記第1入
    力側光導波路と同一の光軸を持つ出力側光導波路と、 前記第2入力側光導波路を、光軸と垂直方向に移動させ
    る外部駆動部とを備えたことを特徴とする光デバイス。
  13. 【請求項13】 屈折率が異なる複数の物質が周期的に
    配置されることで、周期的屈折率分布を有しているフォ
    トニック結晶と、 前記フォトニック結晶の入射端にお互いに平行になるよ
    うに配置された第1入力側光導波路と第2入力側光導波
    路と、 前記フォトニック結晶の出射端に配置された出力側光導
    波路と、 前記第1入力側光導波路を、光軸と垂直方向に移動させ
    る外部駆動部とを備え、 前記第1入力側光導波路の光軸は、前記出力側光導波路
    の光軸の近傍にあることを特徴とする光デバイス。
  14. 【請求項14】 前記第1入力側光導波路には、複数の
    光を伝搬させ、 前記第2入力側光導波路には、前記フォトニック結晶中
    で偏向する固有の光のみを伝搬させることを特徴とする
    請求項12または請求項13に記載の光デバイス。
  15. 【請求項15】 前記第2入力側光導波路の光軸と、前
    記第1入力側光導波路の光軸との距離は、前記フォトニ
    ック結晶の長さに略比例していることを特徴とする請求
    項12または請求項13に記載の光デバイス。
  16. 【請求項16】 前記フォトニック結晶は、複数の異な
    る屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元
    または3次元格子構造を有し、かつ、基本格子ベクトル
    で構成される一組の2次元格子構造が3回よりも大きい
    数の回転対称軸を持たない格子構造を有し、 前記光軸は、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル
    と平行であることを特徴とする請求項12または請求項
    13に記載の光デバイス。
  17. 【請求項17】 前記フォトニック結晶は、屈折率の異
    なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状物質
    の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に第1物
    質中に配列されている2次元格子構造を有し、 前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル間の角度は共
    に、90°以下の方の角度が60°よりも大きく90°
    よりも小さい角度であって、 前記光軸は、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル
    と平行であることを特徴とする請求項12または請求項
    13に記載の光デバイス。
  18. 【請求項18】 前記出力側光導波路中を伝搬する光量
    をモニターして信号化するモニター部と、 前記モニター部から前記光量を示す信号を受信し、所望
    とする光の結合比と前記光量とをもとに演算処理し、前
    記出力側光導波路に伝搬する光量が所望の結合比となる
    ように外部駆動部を制御する演算制御部とを備えたこと
    を特徴とする請求項12または請求項13に記載の光デ
    バイス。
  19. 【請求項19】 第1フォトニック結晶および第2フォ
    トニック結晶が接合面で接合されて構成されている複合
    フォトニック結晶と、 前記複合フォトニック結晶の入射端側に配置された入力
    側光導波路と、 前記複合フォトニック結晶の出射端側に配置された複数
    の出力側光導波路とを備え、 前記第1フォトニック結晶および前記第2フォトニック
    結晶は、それぞれ共に、屈折率の異なる第1物質と柱状
    物質とを備え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるよ
    うに周期的に第1物質中に配列されている2次元格子構
    造を有し、 前記第1フォトニック結晶および前記第2フォトニック
    結晶の各基本格子ベクトル間の角度は共に、90°以下
    の方の角度が60°よりも大きく90°よりも小さい角
    度であって、 前記第1フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルと前
    記第2フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルの方向
    は平行であって、かつ前記第1フォトニック結晶と前記
    第2フォトニック結晶とが接合された接合面に平行であ
    り、 前記入力側光導波路は、前記複合フォトニック結晶の前
    記接合面近傍に設置され、前記入力側光導波路の光軸
    は、前記接合面に含まれていることを特徴とする光デバ
    イス。
  20. 【請求項20】 前記第1フォトニック結晶の第2基本
    格子ベクトルと前記第2フォトニック結晶の第2基本格
    子ベクトルの方向は前記接合面に対して対称であること
    を特徴とする請求項19に記載の光デバイス。
  21. 【請求項21】 前記第1フォトニック結晶の柱状物質
    と前記第2フォトニック結晶の柱状物質とは同一種類の
    材料であって、 前記第1フォトニック結晶の柱状物質と前記第2フォト
    ニック結晶の柱状物質とは共に、前記接合面上に設置さ
    れていることを特徴とする請求項19に記載の光デバイ
    ス。
  22. 【請求項22】 屈折率の異なる第1物質と柱状物質と
    を備え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるように前
    記柱状物質が周期的に第1物質中に配列されている2次
    元格子構造を有したフォトニック結晶と、 前記フォトニック結晶の入射端に配置された入力側光導
    波路と、 前記フォトニック結晶の出射端に配置された出力側光導
    波路と、 前記フォトニック結晶、前記入力側光導波路および前記
    出力側光導波路のうち少なくとも一つを移動させる外部
    駆動部とを備えたことを特徴とする光デバイス。
  23. 【請求項23】 前記フォトニック結晶の格子定数は、
    用いる光の波長の0.4〜0.6の大きさであることを特
    徴とする請求項22に記載の光デバイス。
  24. 【請求項24】 前記柱状物質の断面形状は、用いる光
    の波長の0.08〜0.3の半径を有する円形状であるこ
    とを特徴とする請求項22に記載の光デバイス。
  25. 【請求項25】 屈折率の異なる第1物質と柱状物質と
    を備え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるように前
    記柱状物質が周期的に第1物質中に配列されている2次
    元格子構造を有したフォトニック結晶を備えた光デバイ
    スであって、 前記フォトニック結晶の厚み方向での、前記第1物質お
    よび前記柱状物質の屈折率分布は、極大点を有し、前記
    フォトニック結晶の上下端に近づくほど屈折率が低下す
    ることを特徴とする光デバイス。
  26. 【請求項26】 前記第1物質および前記柱状物質の前
    記屈折率分布は、極大点の位置から上下方向に非対称で
    あることを特徴とする請求項25に記載の光デバイス。
  27. 【請求項27】 前記フォトニック結晶は、上下のいず
    れかに基板を有し、 前記極大点から前記フォトニック結晶の上下方向への前
    記第1物質および前記柱状物質の前記屈折率の低下率
    は、前記基板側の方が高いことを特徴とする請求項26
    に記載の光デバイス。
  28. 【請求項28】 前記極大点は、前記フォトニック結晶
    の厚み方向の中点ではないことを特徴とする請求項27
    に記載の光デバイス。
  29. 【請求項29】 屈折率の異なる第1物質と柱状物質と
    を備え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるように前
    記柱状物質が周期的に第1物質中に配列されている2次
    元格子構造を有したフォトニック結晶を備えた光デバイ
    スであって、 前記フォトニック結晶の厚み方向での、前記第1物質の
    屈折率分布は、極大点を有し、上下端に近づくほど屈折
    率が低下し、かつ、前記柱状物質は空気であって屈折率
    は一定であることを特徴とする光デバイス。
  30. 【請求項30】 前記フォトニック結晶は基板を備え、 前記基板の屈折率は、前記フォトニック結晶の前記第1
    物質よりも低く、前記柱状物質よりも低いか同一である
    ことを特徴とする請求項25または請求項29に記載の
    光デバイス。
  31. 【請求項31】 前記フォトニック結晶の前記柱状物質
    は空気であって、 前記基板には、前記柱状物質と同一の形状および配列の
    柱状の空孔が前記基板の厚さ方向に、前記柱状物質の延
    長として形成され、前記空孔は基板を貫通していないこ
    とを特徴とする請求項30に記載の光デバイス。
  32. 【請求項32】 第1物質に前記第1物質とは異なる屈
    折率を有する柱状物質を周期的に配列されたフォトニッ
    ク結晶を備え、 前記フォトニック結晶は第1基板上で形成され、前記第
    1基板とは反対側に第2基板が配置された後、第1基板
    が除去されて製造されることを特徴とする光デバイス。
  33. 【請求項33】 前記第2基板は、光ファイバー固定用
    のV溝を備えていることを特徴とする請求項32に記載
    の光デバイス。
  34. 【請求項34】 気体または液体である充填物質が充た
    された気密容器を備え、 前記第2基板および前記フォトニック結晶は、前記気密
    容器中に配置されていることを特徴とする請求項32ま
    たは請求項33に記載の光デバイス。
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