JP3940051B2 - 光デバイスおよびフォトニック結晶の製造方法 - Google Patents

光デバイスおよびフォトニック結晶の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信に使用される光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光デバイスであるY分岐導波路を利用した光合波器の例を図19に示す。従来の光合波器206は、Y形状のコア203が基板204上に形成されている構成である。第1入力側光ファイバー201と第2入力側光ファイバー202が光合波器206の一方の端面に、出力側光ファイバー205が、他方の端面に設置され、それぞれ、Y形状のコア203の端面付近に配置されている。
【0003】
第1入力側光ファイバー201および第2入力側光ファイバー202を介して光が光合波器206に入射され、それら各光は、コア203を伝搬して合波され、出射されて出力側光ファイバー205中を伝搬する。なお、合波される光同士は同位相であることが必要である。
【0004】
一方、光分岐器は、前述した光合波器の入力側と出力側とを逆にして用いればよい。すなわち、出力側光ファイバー205に入射光を伝搬させれば、分岐して、第1入力側光ファイバー201および第2入力側光ファイバー202にそれぞれ入射される。
【0005】
前述した光合波器206のような光デバイスは、コア203と第1、第2入力側光ファイバー201、202および出力側光ファイバー205間で光が結合されるようにするために、高度な光軸合わせとモード形状のマッチングが必要で、そのため、アセンブリに熟練を要するという問題がある。その上、光合波器206の合波角度は、小さいので、小型化することができないという問題もある。
【0006】
また、従来の光デバイスにおいて、複数の光を合成もしくは分波するWDM送受信モジュールは、光導波路および多層膜フィルター等を用いて構成されている。それにより、部品点数が多くなり、低コスト化が難しかった。
【0007】
以上の問題を解決するために、フォトニック結晶を用いて光デバイスを構成することが、近年注目されている。なお、この明細書において、「フォトニック結晶」とは光の波長程度の周期性を持つ人工的な多次元周期構造体を意味する。
【0008】
フォトニック結晶中を伝搬する所定の周波数の光は、偏向することが知られている。すなわち、フォトニック結晶は、通常の光学結晶にない強い偏向の波長分散特性を有している。そのため、この特性を用いて、WDM用のデバイス等の光デバイスにフォトニック結晶が用いられている。
【0009】
例えば、2次元三角格子のフォトニック結晶を利用した波長分波回路がある。(例えば、特許文献1参照)。この波長分波回路は、フォトニック結晶への光の入射面を格子ベクトルに対して非垂直にするか、格子ベクトル方向に垂直な入射面に対して傾けて光を入射させている。これは、正方格子、三角格子等の対称性の高いフォトニック結晶を用いているためである。この構造だと、フォトニック結晶作製時の加工精度に、さらに高度な光学系の入射角精度が必要となり、モジュール化は難しい。
【0010】
また、格子ベクトル方向に光を入射することができ、高精度を必要とせずに作製できる光デバイスもある(例えば、非特許文献1参照)。しかし、このような光デバイスにおいて、例えば光フィルターでは、2種類の波長の光しか扱えず、パワー分岐用の光デバイスでは、1種類の波長の光しか扱えなかった。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−271541号公報
【0012】
【非特許文献1】
信学技報 TECHNICAL REPORT OF IEICE.OPE 2001-107 (2001-12)「スラブ導波路型低屈折率変調フォトニック結晶を応用した光機能デバイス」
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑み、3波以上の種類の波長を波長分離するWDM用光フィルターやADD−DROP装置、2波以上の波長をパワー分離するWDM用分岐器および光合波器等の、容易に製造でき、小型化が可能な光デバイスおよびフォトニック結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の光デバイスは、屈折率が異なる複数の物質が周期的に配置され、2個の基本格子ベクトル間の角度の内90°以下の方の角度が、90°よりも小さく60°よりも大きい角度を有する複数のフォトニック結晶が共通の基本格子ベクトル方向に連続して縦列された多段フォトニック結晶と、前記多段フォトニック結晶に光を入射させる入力側光導波路と、前記多段フォトニック結晶から出射される光を受光する出力側光導波路とを備え、前記各フォトニック結晶は、前記各フォトニック結晶中で偏向する光の固有の波長で決まる屈折率周期を有し、前記固有の波長は前記各フォトニック結晶ごとに異なることを特徴とする。それにより、光通信に用いる光デバイスが容易に製造できる。また、複数の波長の光を扱うことができる。
【0015】
また、前記各フォトニック結晶は、前記複数の物質の屈折率あるいは屈折率の周期構造の少なくとも一つが前記フォトニック結晶ごとに異なる構成としてもよい。
【0016】
また、前記各フォトニック結晶は、2次元フォトニック結晶としてもよい。
【0017】
また、好ましくは、複数の前記各フォトニック結晶の2個の基本格子ベクトル方向がそれぞれ平行で、どちらか一方が光軸に一致するような構成とする。それにより、フォトニック結晶中で偏向特性を示す光(選択光)が存在し、その光を制御することができる。
【0018】
また、前記フォトニック結晶は、第1のクラッドと第2のクラッドで挟まれている構造としてもよい。
【0019】
また、好ましくは、前記第1のクラッドまたは前記第2のクラッドの少なくともどちらかの屈折率が1であることとする。それにより、クラッドを空気としてもよく、部品点数を削減できる。
【0020】
また、好ましくは、光ファイバーである前記入力側光導波路および前記出力側光導波路を位置決めする溝を有することとする。それにより、高度な光軸合わせとモード形状のマッチングが不要で、容易に光ファイバーの位置決めができる。
【0021】
また、前記溝は、前記各フォトニック結晶と直接あるいは間接的に一体化してもよい。
【0022】
また、好ましくは、前記多段フォトニック結晶全てが気密ケースで覆われ、前記気密ケース内はガスが充填されているか、あるいは真空とする。それにより、外部環境の変化によって、気体である柱状物質の屈折率が変化することがない。そのため、安定した光デバイスを実現できる。
【0024】
また、前記各フォトニック結晶の縦列順序は、前記各フォトニック結晶の固有の波長に基づいて決定すればよい。
【0025】
また、好ましくは、前記フォトニック結晶は、屈折率の異なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に前記第1物質中に配列されている2次元格子構造を有し、前記基本ベクトルの内の一方である第1基本格子ベクトルの方向に連続して縦列して、前記多段フォトニック結晶を形成し、前記入力側光導波路には、前記多段フォトニック結晶の最初の段に当たるフォトニック結晶に設置され、前記第1基本格子ベクトル方向に前記各フォトニック結晶の固有の波長の光以外の光を、前記多段フォトニック結晶に入射させる第1入力側光導波路と、前記各フォトニック結晶ごとに設置され、前記各フォトニック結晶に固有の波長の光を入射する第2入力側光導波路とがあり、前記出力側光導波路は、前記第1入力側光導波路と同一の光軸を有するように設置されている構成とする。それにより、容易に製造でき、複数の波長の光を任意の順序で合成することができる光デバイスを実現できる。
【0026】
また、前記第2入力側光導波路は、前記各フォトニック結晶の側面に設置される構成としてもよい。
【0027】
また、好ましくは、前記フォトニック結晶の端面が、前記フォトニック結晶ごとに順次大きくなっていき、前記第2入力側光導波路が、前記各フォトニック結晶の端面に設置される構成とする。それにより、前記第2入力側光導波路が横方向から前記フォトニック結晶に設置されないので、横幅の小さい光デバイスが実現できる。
【0028】
また、少なくとも最終段のフォトニック結晶以外のフォトニック結晶は、縦列接続する出射側の端面の一部に、前記端面に対して一定の角度を有するミラーを備え、前記第2入力側光導波路からの光が前記ミラーに反射して、次段のフォトニック結晶に入射されることとしてもよい。
【0029】
また、好ましくは、前記フォトニック結晶は、屈折率の異なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に前記第1物質中に配列されている2次元格子構造を有し、前記基本ベクトルの内の一方である第1基本格子ベクトルの方向に連続して縦列して、前記多段フォトニック結晶を形成し、前記入力側光導波路は、前記多段フォトニック結晶に、前記第1基本格子ベクトル方向に光を入射させ、前記出力側光導波路には、前記多段フォトニック結晶の最終段に当たるフォトニック結晶に設置され、前記第1基本格子ベクトル方向に出射される光を受光する第1出力側光導波路と、前記各フォトニック結晶ごとに設置されている第2出力側光導波路とがある。それにより、容易に製造でき、複数の波長の光を任意の順序で分離できる光デバイスを実現できる。
【0030】
また、前記各フォトニック結晶ごとに設置された前記第2出力側光導波路は、前記各フォトニック結晶内で偏向して出射される前記固有の波長の光を受光する構成とする。
【0031】
また、前記各フォトニック結晶のそれぞれの格子定数が、前記フォトニック結晶ごとの前記固有の波長の0.4〜0.6の大きさとしてもよい。
【0032】
また、前記第2出力側光導波路は、前記各フォトニック結晶の側面に設置される構成としてもよい。
【0033】
また、好ましくは、前記多段フォトニック結晶の最終段に当たるフォトニック結晶に接続される第2出力側光導波路のみが、前記フォトニック結晶の端面に設置される構成とする。それにより、前記最終段のフォトニック結晶の長さを短くすることができるため、光デバイス全体を小型化することができる。
【0034】
また、好ましくは、前記フォトニック結晶の端面が、前記フォトニック結晶ごとに順次小さくなっていき、前記第2出力側光導波路が、前記端面に設置される構成とする。それにより、横幅を小さくすることができる光デバイスが実現できる。
【0035】
また、少なくとも最初の段のフォトニック結晶以外のフォトニック結晶は、縦列接続する入射側の端面の一部に、前記端面に対して一定の角度を有するミラーを備え、前段のフォトニック結晶から出射された前記固有の波長の光が前記ミラーに反射した反射光を受光する位置に前記第2出力側光導波路を有する構成としてもよい。
【0036】
また、本発明の他の光デバイスは、各基本格子ベクトル間の角度が共に、90°以下の方の角度が60°よりも大きく90°よりも小さい角度である第1フォトニック結晶および第2フォトニック結晶が接合された複数の複合フォトニック結晶が各境界面が同一平面上にあるように、連続して縦列接合されて構成された多段複合フォトニック結晶と、前記多段複合フォトニック結晶に光を入射させる入力側光導波路と、前記多段複合フォトニック結晶から出射される光を受光する出力側光導波路とを備え、前記各複合フォトニック結晶の格子構造はそれぞれ異なっており、前記各複合フォトニック結晶ごとに偏向する光の波長が異なることを特徴とする。それにより、容易に光デバイスを製造することができ、低コスト化を図ることができる。
【0037】
また、前記多段複合フォトニック結晶は、前記第1のクラッドと前記第2のクラッドで挟まれている構造としてもよい。
【0038】
また、前記第1のクラッドまたは前記第2のクラッドの少なくともどちらかの屈折率が1としてもよい。
【0039】
また、光ファイバーである前記入力側光導波路および出力側光ファ導波路を位置決めする溝を有する構成としてもよい。請求項31に記載の光デバイス。
【0040】
また、前記溝は、前記多段複合フォトニック結晶と直接あるいは間接的に一体化されていてもよい。
【0041】
また、前記多段複合フォトニック結晶全てが気密ケースで覆われ、前記気密ケース内はガスが充填されているか、あるいは真空であるとしてもよい。
【0042】
また、好ましくは、前記第1フォトニック結晶および前記第2フォトニック結晶は、それぞれ共に、屈折率の異なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に前記第1物質中に配列されている2次元格子構造を有し、前記第1フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルと前記第2フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルの方向は平行であって、前記第1フォトニック結晶と前記第2フォトニック結晶とが接合された境界面に平行であり、前記第1フォトニック結晶と第2フォトニック結晶との格子構造は、前記境界面に対して対称であり、出力側光導波路は、前記多段複合フォトニック結晶の最終段に当たる複合フォトニック結晶の端面に設置されている。それにより、容易に製造でき、複数の波長の光を任意の順序で合成することができる光デバイスを実現できる。
【0043】
また、前記各第1フォトニック結晶および前記各第2フォトニック結晶内で偏向して出射されるそれぞれに固有の波長の光が、前記各第1フォトニック結晶および前記各第2フォトニック結晶の端面から出射されるように、前記各第1複合フォトニック結晶の長さが設定されることとしてもよい。
【0044】
また、前記各第1フォトニック結晶および前記各第2フォトニック結晶内で偏向されるそれぞれに固有の波長の光が、前記各フォトニック結晶端で交わるように、前記各第1複合フォトニック結晶の長さが設定されている。
【0045】
また、好ましくは、前記第1フォトニック結晶および前記第2フォトニック結晶は、それぞれ共に、屈折率の異なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に前記第1物質中に配列されている2次元格子構造を有し、前記第1フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルと前記第2フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルの方向は平行であって、前記第1フォトニック結晶と前記第2フォトニック結晶とが接合された境界面に平行であり、前記第1フォトニック結晶と第2フォトニック結晶との格子構造は、前記境界面に対して対称であり、前記出力側光導波路には、前記多段複合フォトニック結晶の最終段に当たる第1フォトニック結晶に設置され、前記第1基本格子ベクトル方向に出射される光を受光する第1出力側光導波路と、前記各第1複合フォトニック結晶ごとに設置され、前記各第1フォトニック結晶および前記各第2フォトニック結晶中で偏向して出射されるそれぞれに固有の波長の光を受光する第2出力側光導波路とがある構成とする。それにより、容易に製造でき、複数の波長の光を任意の順序で分離することができる光デバイスを実現できる。
【0046】
また、前記第1物質の屈折率と前記柱状物質の屈折率の差が1.0以上としてもよい。
【0047】
また、前記第1物質はポリマー材料であり、前記柱状物質は気体としてもよい。
【0048】
また、前記第1のフォトニック結晶および前記第2フォトニック結晶の格子定数が、前記固有の波長の0.4〜0.6の大きさとしてもよい。
【0049】
また、前記柱状物質の断面形状が、前記各固有の波長の0.08〜0.3の半径を有する円としてもよい。
【0060】
また、前記第1入力側光導波路、前記第2入力側光導波路および前記出力側光導波路は、光ファイバーとしてもよい。
【0061】
また、前記第1入力側光導波路と前記第2入力側光ファイバーとの距離は、前記フォトニック結晶の長さに比例していることとしてもよい。
【0062】
また、本発明のフォトニック結晶の製造方法は、屈折率が異なる複数の物質が周期的に配置され、2個の基本格子ベクトル間の角度の内90°以下の方の角度が、90°よりも小さく60°よりも大きい角度を有することで、周期的屈折率分布を有している複数のフォトニック結晶が共通の基本格子ベクトル方向に連続して縦列された多段フォトニック結晶を構成する各フォトニック結晶の製造方法であって、前記フォトニック結晶は、前記各フォトニック結晶中で偏向する光の固有の波長で決まる屈折率周期を有し、前記固有の波長は前記各フォトニック結晶ごとに異なっており、基板上に形成した第1物質上に、所望とする柱状物質の配置箇所に、シングルイオンを照射して前記第1物質中にトラックを形成した後、前記基板および第1物質をアルカリ溶液に浸漬することで、前記トラック部分を侵食し、柱状穴を形成することを特徴とする。それにより、容易にフォトニック結晶を製造することができる。
【0063】
また、前記シングルイオンは、少なくとも1個照射することとしてもよい。
【0064】
また、好ましくは、前記シングルイオンのエネルギーは、1MeV以上とする。それにより、イオンが深く侵入する。
【0065】
また、前記柱状穴に、前記第1物質とは異なる屈折率を有する物質を充填することとしてもよい。
【0066】
また、前記第1物質はポリマー材料とし、前記柱状穴には気体を充填することとしてもよい。
【0067】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る光デバイスについて、図1を用いて説明する。実施の形態1における光デバイスは、波長が同一の2つの光を1つの光に合波するための光合波器である。入力側光ファイバー1、2が、複合フォトニック結晶4の片側端面と設置され、複合フォトニック結晶4の反対側端面には、出力側光ファイバー3が設置されている。複合フォトニック結晶4は、2種類のフォトニック結晶5、6が境界面7で接合されて構成されている。
【0068】
フォトニック結晶5、6の格子構造は、2次元構造であって、第1物質9中に円柱状の柱状物質10が周期的に配置された構造である。それぞれの柱状物質10の中心軸は、すべて平行に配置されている。例えば、第1物質9の屈折率は、1.5〜1.7程度とし、SiO2や、アクリル系樹脂(PMMA、UVアクリルレート樹脂など)、エポキシ系樹脂、ポリイミド系、シリコーン樹脂、カーボネート系のポリカーボネート等の樹脂とし、柱状物質10は空気とすればよい。このような構造であれば、SiO2基板に穴を空けるだけで作成できるので、容易にフォトニック結晶を作成することができる。
【0069】
フォトニック結晶5、6が顕著に偏向分散特性を示すためには、柱状物質10の格子定数a(柱状物質同士の距離)は、伝搬させる光の波長の0.4〜0.6が好ましい。柱状物質10の半径rは、伝搬させる光の波長の0.08〜0.3(格子定数aの0.2〜0.5)が好ましい。
【0070】
実施の形態1におけるフォトニック結晶5は、対称性の低い斜交格子である。図2に、対称性の低い斜交格子の格子構造およびブリルアンゾーンの平面図を示す。柱状物質10が格子を形成している。図2(a)に示しているように、対称性の低い斜交格子の格子ベクトル(a1,a2)同士のなす角の内、90°以下の角度である内角θは、60°よりも大きく90°よりも小さい値をとる。なお、内角θは、。
【0071】
図2(b)には、この格子構造でのブリルアンゾーンを示している。ブリルアンゾーン21の重要な対称点は、(H1,H2,H3)の3点となる。この場合に、基本格子ベクトル(a1,a2)方向の入射光は、ブリルアンゾーン21の重要な対称点方向と一致していないため、偏向分散を示す。したがって、基本格子ベクトル(a1,a2)に対して垂直な入射面に光を垂直入射させたときに、対称性の低い斜交格子構造のフォトニック結晶は、強い偏向分散特性を起こす。つまり、対称性の低い斜交格子構造のフォトニック結晶の、基本格子ベクトルa1方向に入射した光は偏向するという特性を有する。なお、全ての光が偏向するのではなく、任意の波長の光にだけが偏向する(以下、偏向する光を選択光という)。どの波長の光がどちらの方向に偏向するかは、格子構造によって決定される。
【0072】
以上に説明したように、対称性の低い斜交格子の構造を有するフォトニック結晶に、基本格子ベクトルa1もしくはa2方向に入射した選択光は、偏向するという特性を示す。
【0073】
ここでは、2次元格子構造のフォトニック結晶について説明したが、3次元格子構造のフォトニック結晶であっても、対称性の低い斜交格子の構造であれば、偏向分散特性を示し、その基本格子ベクトル方向に光を入射させれば、その光は偏向する。
【0074】
フォトニック結晶5、6は、上述した対称性の低い斜交格子の構造を有し、偏向分散特性を有する。フォトニック結晶5と、フォトニック結晶6における格子構造は、その境界面7に対して対称な構造である。すなわち、それぞれ、第1物質9に、半径rの円柱状の柱状物質10が、その中心軸が平行で、格子定数aになるように配列されている。なお、格子定数aは、隣接する各柱状物質10間の距離である。また、フォトニック結晶5とフォトニック結晶6の各柱状物質10の配列は、境界面7に対して、対称に配列されていて、フォトニック結晶5の基本格子ベクトル(a1,a2)同士の内角θと、フォトニック結晶6の基本格子ベクトル(a1′,a2′)同士の内角θ′とは等しい値となる。
【0075】
例えば、フォトニック結晶5、6は、ガラスやポリマーなどの第1物質9である薄膜コアに伝搬させる光の波長の0.14の半径rの柱状物質10である空孔が光の波長の0.54の格子定数aで周期的に配列する2次元結晶格子であり、フォトニック結晶5の基本格子ベクトル(a1,a2)同士の内角θと、フォトニック結晶6の基本格子ベクトル(a1′,a2′)同士の内角θ′は共に80°である。
【0076】
また、入力側光ファイバー1、2および出力側光ファイバー3のそれぞれの光軸とフォトニック結晶5の基本格子ベクトル(a1,a2)と、フォトニック結晶6の基本格子ベクトル(a1′,a2′)とは、同一平面状にあり、かつ、フォトニック結晶5の第1基本格子ベクトルa1とフォトニック結晶6の第1基本格子ベクトルa1′とは共通である。
【0077】
フォトニック結晶5、6が接合されて、複合フォトニック結晶4を構成している。各入力側光ファイバー1および2は、各フォトニック結晶5および6の所定の位置に、境界面7に対して対称に設置されていて、出力側光ファイバー3は、その光軸が境界面7に含まれる位置に設置されている。
【0078】
複合フォトニック結晶4と入力側光ファイバー1、2とが接する箇所は、フォトニック結晶5、6の基本格子ベクトルa1と垂直である。
【0079】
フォトニック結晶5に偏向特性を示す波長の光すなわち選択光を基本格子ベクトルa1方向に入射させると、進行方向8aに偏向する。また、フォトニック結晶6は、フォトニック結晶5の構造と境界面7に対して対称であるので、同様に、同一波長の選択光を基本格子ベクトルa1′方向に入射させると境界面7に対して、進行方向8aと対称方向である進行方向8bに偏向する。例えば、選択光の入射方向と偏向方向とのなす角度(偏向角度)は10度である。このとき、合波角は、20度となり、これは、従来のY分岐導波路による合波器の合波角に比べて大きい。
【0080】
進行方向8a、8bはともに、境界面7に向かっている。したがって、入力側光ファイバー1を伝搬してきた光と入力側光ファイバー2を伝搬してきた光とが、交わる位置が、複合フォトニック結晶4の丁度端面となるように複合フォトニック結晶4の寸法は決められている。交わった光同士は合波されて、複合フォトニック結晶4の端面から出射される。出射された光は、出力側光ファイバー3に入射され、出力側光ファイバー3中を伝搬していく。なお、合波される光同士の位相は等しい。
【0081】
前述したように、選択光の偏向角度もしくは選択光の波長は、フォトニック結晶5、6の構造を変化させることで制御できる。例えば、柱状物質10同士の距離aを変化させたり、柱状物質10および第1物質9を変更するなどして、選択光の波長および偏向角度等を制御することができる。
【0082】
このように、フォトニック結晶を用いて光デバイスを構成すると、Y分岐導波路を用いることがないので、高度な光軸合わせとモード形状のマッチングを必要としない。それにより、光合波器を容易に製造することができる。また、さらに従来のY分岐導波路を用いた合波器よりも大きな合波角を有する合波器を実現することができる。それにより、短い距離で十分、光を合波することができるので、光デバイスを小型化することができる。
【0083】
なお、上記に記載の第1物質9とするポリマー材料として、アクリル系ポリマー(PMMA、UVアクリルレートポリマー等)、エポキシ系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリカーボネードなどが挙げられる。
【0084】
さらに、フォトニック結晶を構成する第1物質9と柱状物質10の屈折率は、その相対屈折率差が1.0以上でも良く、第1物質9としてSiやGaAsやTi25などの高屈折材料を使用し、柱状物質にSiO2などの低屈折率材料を使用しても良い。また、フォトニック結晶は構成材料の屈折率により特性が変化するので、その選択は重要であり、上記材料以外でも上記屈折率の条件を満足する材料であれば固体(酸化物など誘電体全般)でも液体(水やエチレングリコールなど)でも気体(空気やガスなど)でもよい。
【0085】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る光デバイスについて、図3を用いて説明する。実施の形態2の光デバイスは波長が同一の3つの光を1つの光に合波するための3合波器である。
【0086】
実施の形態2の光デバイスは、入力側光ファイバー1、2、11と出力側光ファイバー3と複合フォトニック結晶14とからなる。複合フォトニック結晶14は、フォトニック結晶5およびフォトニック結晶6とが直接接合されているのではなく、それらの間にフォトニック結晶12を介して接合されている。つまり、フォトニック結晶5、6は、それぞれフォトニック結晶12と接合されている。
【0087】
フォトニック結晶12は、フォトニック結晶5、6と同様に、円柱状の柱状物質10が第1物質中9にその中心軸が平行な状態で配列されていて、格子定数aもフォトニック結晶5、6と同一である。しかし、フォトニック結晶12は、対称性の高い構造であって、基本格子ベクトル同士の内角は90°である。このような構造のフォトニック結晶12中にその基本格子ベクトル方向に所定の光を入射させても光は偏向せず、フォトニック結晶12中を直進する。
【0088】
入力側光ファイバー1中を伝搬してきた光が、フォトニック結晶5に入射されるように、入力側光ファイバー1はフォトニック結晶5の端面に配置されている。また、入力側光ファイバー2中を伝搬してきた光が、フォトニック結晶6に入射されるように、入力側光ファイバー2はフォトニック結晶6の端面に配置されている。さらに、入力側光ファイバー11中を伝搬してきた光は、フォトニック結晶12に入射されるように、入力側光ファイバー11はフォトニック結晶12の端面に配置されている。
【0089】
出力側光ファイバー3は、複合フォトニック結晶14において入力側光ファイバー1、2、11が配置されている端面とは逆の端面に配置されている。また、出力側光ファイバー3は、複合フォトニック結晶14から出射される光と結合するようにその光軸がフォトニック結晶12中に含まれ、その光軸は、入力側光ファイバー11の光軸13と同一であるよう配置されている。
【0090】
入力側光ファイバー1と入力側光ファイバー2は、入力側光ファイバー11の光軸13に対して、対象になる位置に配置されている。なお、光軸13は、フォトニック結晶12の中心位置にあるのが好ましい。
【0091】
入力側光ファイバー1を介して複合フォトニック結晶14(フォトニック結晶5)に入射された選択光は、進行方向8aに偏向する。また、入力側光ファイバー2を介して複合フォトニック結晶14(フォトニック結晶6)に入射された選択光は、進行方向8bに偏向する。さらに、入力側光ファイバー11を介して、複合フォトニック結晶14(フォトニック結晶12)に入射された選択光は直進するので、光軸13に沿って進行方向8cに進行する。複合フォトニック結晶14の寸法は、これらの3種類の光が交わる位置が端面となるように決定されている。そうすることで、3種類の光が複合フォトニック結晶14の端面で交わり、合波され、出射される。複合フォトニック結晶14から出射される合成光は、出力側光ファイバー3に入射して伝搬する。
【0092】
以上のように、フォトニック結晶5、6、12を接合した複合フォトニック結晶14を用いて光デバイスを構成することで、光軸合わせとモード形状のマッチングの難しさから、製造することが非常に困難であった3合波波器を簡単な構成で実現することができる。
【0093】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る光デバイスについて図4を用いて説明する。実施の形態3の光デバイスはWDM用パワー合波器である。
【0094】
実施の形態3は、実施の形態1の複合フォトニック結晶4と同じように、境界面に対して対称な格子構造を有する複合フォトニック結晶4a1〜4anが縦列に複数個接合されて構成されている。すなわち、複合フォトニック結晶4と同様に、境界面に対して対称の格子構造を有する複合フォトニック結晶4a1〜4anが縦列に接合され、それらの境界面7a1〜7anは、同一面に形成されるように基板15a上に配置されている。なお、各複合フォトニック結晶4a1〜4anの格子構造は、それぞれ異なっていて、各複合フォトニック結晶4a1〜4anごとに、偏向する光(選択光)の波長が異なる。
【0095】
各複合フォトニック結晶4a1〜4anは、境界面7a1〜7anに対して対称な格子構造をもつ、フォトニック結晶5a1〜5an、6a1〜6anから構成されている。各複合フォトニック結晶4a1〜4anの一つの基本格子ベクトルの方向は、全て出射側光ファイバー3aの光軸と同一の方向である。
【0096】
複合フォトニック結晶4a1は、基本格子ベクトル方向に選択光を伝搬させた場合に、選択光は境界面7a1に近づいていくように偏向するような格子構造とする。同様に、他の複合フォトニック結晶4ak中の基本格子ベクトル方向に選択光を伝搬させた場合に、境界面7akに近づくように偏向する。ただし、1≦k≦nである。
【0097】
入力側光ファイバー1a、2aは、複合フォトニック結晶4a1の端面に配置されている。また、出力側光ファイバー3aは、複合フォトニック結晶4anの端面に配置され、その光軸13aは境界面7a1〜7anに含まれる。
【0098】
全ての複合フォトニック結晶波4a1〜4anの選択光が合成された光がそれぞれ入力側光ファイバー1a、2aを伝搬して、複合フォトニック結晶4a1にその基本格子ベクトルと同一方向に入射される。入力側光ファイバー1aから入射された光のうち、波長f4a1の光は複合フォトニック結晶4a1のフォトニック結晶5a1中を偏向し、その進行方向は、境界面7a1に近づく方向である。また、入力側光ファイバー2aから入射された光のうち、波長f4a1の光は複合フォトニック結晶4a1のフォトニック結晶6a1中を偏向し、その進行方向は、境界面7a1に近づく方向である。境界面7a1付近で両方の光は合波され、次段の複合フォトニック結晶4a2に境界面7a2に沿って入射される。
【0099】
選択光以外の光は、複合フォトニック結晶4a1中で、入力側光ファイバー1a、2aの光軸に沿って直進して、複合フォトニック結晶4a2にその基本格子ベクトル方向に入射される。
【0100】
以下同様にして、順々に、複合フォトニック結晶4akでは、入力側光ファイバー1a、2aの光軸に沿って進行する光から選択光が偏向して分離され、その境界面7akに沿って進行する合成光に合成される。最終段にある複合フォトニック結晶4anには、入力側光ファイバー1aおよび2aの光軸に沿って入射する光は、複合フォトニック結晶4anの選択光のみである。この選択光は、複合フォトニック結晶4anのフォトニック結晶5anおよび6an中を境界面7anに近づく方向に偏向する。境界面7an付近で、波長f4anの光と、境界面7an付近を進行している合成光とが合成され、複合フォトニック結晶4anの端面から出射され、出力側光ファイバー3aに入射され、伝搬していく。なお、出力側光ファイバー3aの光軸は、境界面7anに含まれ、複合フォトニック結晶4anからの光と結合するような位置に配置されている。
【0101】
上述の複合フォトニック結晶4a1〜4anは、1.3〜2.0程度の屈折率を有する、例えばガラスやポリマーである第1物質9である薄膜コアに、80°の内角θを有する2個の基本格子ベクトル方向に、各選択光の波長の0.14の半径rを有する円柱状の空孔9を、選択光の波長の0.54の格子定数aで、周期的に配列されている。
【0102】
このように、固有波長を選択偏向できるフォトニック結晶を、その基本格子ベクトル方向が、境界面に含まれるようにミラー対称接合することで、基本格子ベクトル方向に入射された選択光は境界面に対称となる方向に偏向する。このような構成の複合フォトニック結晶を縦列接合することで、複数波長を取扱うWDM用パワー合波器が実現できる。
【0103】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る光デバイスについて図5を用いて説明する。実施の形態4の光デバイスは、光合波器である。
【0104】
実施の形態4の光デバイスは、複数の格子構造を持つ複合フォトニック結晶を用いずに、単一の格子構造を有するフォトニック結晶6bを用いて構成されていて、フォトニック結晶6bは、実施の形態1のフォトニック結晶6と同じように、偏向分散特性を有する。
【0105】
フォトニック結晶6bの片側端面には、入力側光ファイバー1b、2bが設置され、他方端面には、出力側光ファイバー3bが設置されている。また、入力側光ファイバー1bと出力側光ファイバー3bとの光軸13bは、同一である。
【0106】
入力側光ファイバー1bには、複数の波長の光が伝搬しているが、フォトニック結晶6bの選択光は伝搬していない。入力側光ファイバー2bには、フォトニック結晶6bの選択光が伝搬している。入力側光ファイバー1b、2bからフォトニック結晶6bにその基本格子ベクトル方向に光が入射される。入力側光ファイバー1bから入射された光は、フォトニック結晶6b中では、偏向しないので、光軸13bに沿ってそのまま直進する。
【0107】
一方、入力側光ファイバー2bから入射された光は、フォトニック結晶6b中で偏向する。偏向方向は、光軸13bへと近づく方向である。したがって、入力側光ファイバー1bからフォトニック結晶6bに入射された光と、入力側光ファイバー2bからフォトニック結晶6bに入射された光は、フォトニック結晶6中で交わり合成される。フォトニック結晶6bの光の伝搬方向の長さをこれらの光が交わる位置までにしておけば、合成光がフォトニック結晶6bの端面から出射される。入力側光ファイバー1bと出力側光ファイバー3bの光軸は同一であるので、フォトニック結晶6bから出射された光は、出力側光ファイバー3bに入射し、伝搬していく。
【0108】
なお、入力側光ファイバー1b、2bの間の距離を広くすると、その距離に比例して、フォトニック結晶6bの光の伝搬方向の長さを長くしなければならない。
【0109】
以上のようにフォトニック結晶を用いて光合波器を構成することができる。このような構成の光合波器は、高度な光軸合わせとモード形状のマッチングを必要としない。それにより、光合波器を容易に製造することができる。
【0110】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る光デバイスについて図6を用いて説明する。実施の形態5の光デバイスは、WDM用波長合波器である。
【0111】
実施の形態5の光デバイスは、実施の形態4のフォトニック結晶6bと同じように偏向分散特性を有するフォトニック結晶が縦列に複数個接合されて構成されている。フォトニック結晶6c1〜6cnは縦列に接合されて、基板15c上に配置されている。各フォトニック結晶6c1〜6cnの格子構造は、それぞれ異なっていて、偏向する光の波長(選択光)はそれぞれ異なる。
【0112】
入力側光ファイバー1cが、フォトニック結晶6c1の端面に設置されていて、フォトニック結晶6c1の他端には、フォトニック結晶6c2(図示せず)が接合されるというように、フォトニック結晶6c1〜6cnは順々に縦列に接合されていて、最終段に当たるフォトニック結晶6cnの端面には、出力側光ファイバー3cが設置されている。入力側光ファイバー1cと出力側光ファイバー3cとの光軸13cは同一である。また、各フォトニック結晶6c1〜6cnの側面には、入力側光ファイバー2c1〜2cnがそれぞれ設置されている。
【0113】
入力側光ファイバー1c中を伝搬している光が、フォトニック結晶6c1に基本格子ベクトル方向に入射される。入力側光ファイバー1c中を伝搬している光は、波長が異なる複数の光の合成波であるが、各フォトニック結晶6c1〜6cnのいずれにおいても偏向特性を示さないものである。そのため、入力側光ファイバー1cからフォトニック結晶1cに入射された光波は、光軸13cに沿って直進する。
【0114】
また、入力側光ファイバー2c1中を伝搬している光も、フォトニック結晶6c1の側面から基本格子ベクトル方向に入射されるが、入力側光ファイバー2c1中を伝搬している光は、フォトニック結晶6c1の選択光である。そのため、光軸13cに対して、約10°傾いて偏向する。それにより、入力側光ファイバー1cから入射された光と入力側光ファイバー2c1から入射された光が、フォトニック結晶6c1中で交わり合成される。合成された光は、光軸13cに沿って進行し、次段のフォトニック結晶6c2(図示せず)に入射される。
【0115】
なお、図6において、入力側光ファイバー2c1の光軸方向は、フォトニック結晶6c1中の基本格子ベクトル方向とは異なるが、入射の際の屈折によって、基本格子ベクトル方向に入射されるようにすればよい。
【0116】
フォトニック結晶6c1の光の伝搬方向の長さは、この光が交わる箇所を端面となるように決定しておく。選択光は基本格子ベクトル方向(光軸13cに一致)に対して偏向(偏向角は約10°)するので、フォトニック結晶6c1の光の伝搬方向の長さが、光軸13cから側面までの距離をtan(偏向角)で除した値よりも大きくなるようにすればよい。
【0117】
以下同様に、入力側光ファイバー2ck中を伝搬している光は、フォトニック結晶6ckの側面から基本格子ベクトル方向に入射され、その光は、フォトニック結晶6ckの選択光である。入射側光ファイバー2ckからフォトニック結晶6ckに入射された光は偏向し、光軸13c方向へと進む。前段のフォトニック結晶6ck-1からフォトニック結晶6ckに入射された合成波は、光軸13cに沿って進行する。これらの光は、フォトニック結晶6ck中で合成され、次段のフォトニック結晶6ck+1に光軸13cに沿って入射される。つまり、各フォトニック結晶6c1〜6cnでは、前段から光軸13cに沿って入射された光に、各フォトニック結晶6c1〜6cnの選択光が合成されていく。最終段であるフォトニック結晶6cnの端面から、全ての合成光が出射され、出力側光ファイバー3cに入射して伝搬する。
【0118】
以上のように、フォトニック結晶を用いて構成されたWDM用波長合波器は、高度な光軸合わせとモード形状のマッチングを必要としない。それにより、容易に製造することができる。
【0119】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6に係る光デバイスについて図7を用いて説明する。実施の形態6の光デバイスは、WDM用波長合波器であって、実施の形態5とは選択光を入射する光ファイバーの設置位置が異なるが基本的な構成は同様である。
【0120】
実施の形態6の光デバイスは、実施の形態4のフォトニック結晶6bと同じように偏向分散特性を有するフォトニック結晶が縦列に複数個接合されて構成されている。フォトニック結晶6d1〜6dnは縦列に接合されて、基板15d上に配置されている。各フォトニック結晶6d1〜6dnの格子構造は、それぞれ異なっていて、偏向する光の波長(選択光)はそれぞれ異なる。
【0121】
入力側光ファイバー1dが、フォトニック結晶6d1の端面に設置されていて、フォトニック結晶6d1の他端には、フォトニック結晶6d2(図示せず)が接合され、というように、フォトニック結晶6d1〜6dnは順々に縦列に接合されていて、最終段に当たるフォトニック結晶6dnの端面には、出力側光ファイバー3dが設置されている。入力側光ファイバー1dと出力側光ファイバー3dとの光軸13dは同一である。また、各フォトニック結晶6d1〜6dnは、それぞれ、後段に進むに従い、光軸13dに対して垂直方向の長さが、大きくなる。さらに、フォトニック結晶6d1〜6dnの片方の側面は、全て同一面とされる。それにより、フォトニック結晶6dkの端面の内、その前段のフォトニック結晶6dk-1とは、接していない部分ができる。その部分には、入力側光ファイバー2dkが設置される。ただし、フォトニック結晶6d1は、最初の段であるので、入力側光ファイバー1d、2d1が配置されている。
【0122】
入力側光ファイバー2d1〜2dnは、光軸13dと平行に配置されるので、実施の形態6の光デバイスは、横幅を小さくすることができる。
【0123】
入力側光ファイバー1d中を伝搬している光が、フォトニック結晶6d1に基本格子ベクトル方向に入射される。入力側光ファイバー1d中を伝搬している光は、各フォトニック結晶6d1〜6dnのいずれにおいても偏向特性を示さない波長を有する。そのため、入力側光ファイバー1dからフォトニック結晶1dに基本格子ベクトル方向に入射された光波は、光軸13dに沿って直進する。
【0124】
また、入力側光ファイバー2d1中を伝搬している光も、フォトニック結晶6d1に、基本格子ベクトル方向に入射されるが、入力側光ファイバー2d1中を伝搬している光は、フォトニック結晶6d1の選択光である。そのため、光は光軸13dに対して偏向する。それにより、入力側光ファイバー1d1から入射された光と入力側光ファイバー2d1から入射された光が、フォトニック結晶6d1中で合成される。合成された光は、光軸13dに沿って進行し、次段のフォトニック結晶に入射される。
【0125】
フォトニック結晶6d1の光の伝搬方向の長さは、この光が交わる箇所を端面となるように決定しておく。選択光は基本格子ベクトル方向(光軸13dに一致)に対して偏向(偏向角は約10°)するので、フォトニック結晶6d1の光の伝搬方向の長さが、光軸13cから入力側光ファイバー2d1の設置位置までの距離をtan(偏向角)で除した値よりも大きくなるようにすればよい。
【0126】
入力側光ファイバー2dk中を伝搬している光は、フォトニック結晶6dkの側面から基本格子ベクトル方向に入射され、その光は、フォトニック結晶6dkの選択光である。入射側光ファイバー2dkからフォトニック結晶6dkに入射された光は偏向し、光軸13d方向へと進む。前段のフォトニック結晶6dk-1からフォトニック結晶6dkに入射された合成波は、光軸13dに沿って進行する。これらの光は、フォトニック結晶6dk中で合成され、次段のフォトニック結晶6dk+1に光軸13dに沿って入射される。つまり、各フォトニック結晶6d1〜6dnでは、前段から光軸13dに沿って入射された光に、各フォトニック結晶6d1〜6dnの選択光が合成されていく。最終段であるフォトニック結晶6dnの端面から、全ての合成光が出射され、出力側光ファイバー3dに入射して伝搬する。
【0127】
以上のように、フォトニック結晶を用いて構成されたWDM用波長合波器は、高度な光軸合わせとモード形状のマッチングを必要としない。それにより、容易に製造することができる。
【0128】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7に係る光デバイスについて図8を用いて説明する。実施の形態7の光デバイスは、WDM用波長合波器であって、実施の形態5とは選択光を入射する光ファイバーの設置位置が異なるが基本的な構成は同様である。
【0129】
実施の形態7の光デバイスは、実施の形態5の光デバイスと同様に、異なる偏向分散特性を有するフォトニック結晶6e1〜6enを多段で用いて、各フォトニック結晶ごとに、異なる波長の光を合成するものである。また、各フォトニック結晶6e2〜6enに、入力側光ファイバー2e2〜2enより光を入射する際に、ミラーを用いて入射する構成である。
【0130】
実施の形態7の光デバイスは、実施の形態4のフォトニック結晶6bと同じように偏向分散特性を有する各フォトニック結晶6e1〜6enが縦列に複数個接合され、基板15e上に設置されて構成されている。各フォトニック結晶6e1〜6enの格子構造は、それぞれ異なっていて、偏向する光の波長(選択光)はそれぞれ異なる。
【0131】
入力側光ファイバー1eが、フォトニック結晶6e1の端面に設置されていて、フォトニック結晶6e1の他端には、フォトニック結晶6e2(図示せず)が接合され、というように、フォトニック結晶6e1〜6enは順々に縦列に接合されていて、最終段に当たるフォトニック結晶6enの端面には、出力側光ファイバー3eが設置されている。入力側光ファイバー1eと出力側光ファイバー3eとの光軸13eは同一である。入力側光ファイバー2e1は、フォトニック結晶6e1の端面に設置される。
【0132】
フォトニック結晶6e1〜6en-1は、光軸13eに対して略45度の角度となるように、出力側の端面の一角が落とされた面取り部17e1〜17en-1を有する。面取り部17e1〜17en-1には、ミラーが設置されている。入力側光ファイバー2e2〜2enは、光軸13eに対して垂直に設置されている。入力側光ファイバー2e2〜2enは、そこから出力された光が、ミラーで反射して、各フォトニック結晶6e2〜6enに基本格子ベクトル方向に入射するような位置に配置され、それらの光は、入力側光ファイバー2e1の光軸13e2に沿って進行する。
【0133】
このように、実施の形態7の光デバイスは、入力側光ファイバー2e2〜2enが、垂直に設置されていても、ミラーによって、各フォトニック結晶6e2〜6enの基本格子ベクトル方向に、選択光を入射できる。なお、面取り部17e1〜17en-1周辺の屈折率と、フォトニック結晶6e1〜6en-1の屈折率とを全反射がおこる条件とすることで、ミラーを用いずに、損失の低い全反射を利用することもできる。
【0134】
入力側光ファイバー1e中を伝搬している光が、フォトニック結晶6e1に入射される。入力側光ファイバー1e中を伝搬している光は、各フォトニック結晶6e1〜6enのいずれにおいても偏向特性を示さない波長を有する。そのため、入力側光ファイバー1eからフォトニック結晶1eに基本格子ベクトル方向に入射された光波は、光軸13eに沿って直進する。
【0135】
また、入力側光ファイバー2e1中を伝搬している光も、フォトニック結晶6e1に、基本格子ベクトル方向に入射されるが、入力側光ファイバー2e1中を伝搬している光は、フォトニック結晶6e1の選択光である。そのため、光は光軸13eに近づく方向に偏向する。それにより、入力側光ファイバー1e1から入射された光と入力側光ファイバー2e1から入射された光が、フォトニック結晶6e1中で合成される。合成された光は、光軸13e1に沿って進行し、次段のフォトニック結晶6e2(図示せず)に入射される。
【0136】
フォトニック結晶6e1の光の伝搬方向の長さは、この光が交わる箇所を端面となるように決定しておく。選択光は基本格子ベクトル方向(光軸13e2に一致)に対して偏向(偏向角は約10°)するので、フォトニック結晶6e1の光の伝搬方向の長さが、光軸13e2から入力側光ファイバー2e1の設置位置までの距離をtan(偏向角)で除した値よりも大きくなるようにすればよい。
【0137】
同様にして、入力側光ファイバー2ekからはフォトニック結晶6ekの選択光が出射され、フォトニック結晶6ek-1の面取り部17ek-1のミラーで反射され、フォトニック結晶6ekに基本格子ベクトル方向に光軸13e2に沿って入射し、フォトニック結晶6ek中で偏向して、直進しているフォトニック結晶6ekに光軸13e1に沿って入射された前段からの合成光と合成されて出射される。
【0138】
このように、各フォトニック結晶6e1〜6enごとに順次選択光が合成されていき、最終段のフォトニック結晶6enから合成光が出射されて、出力側光ファイバー3eに入射してその中を伝搬する。
【0139】
以上のように、フォトニック結晶を用いて構成されたWDM用波長合波器は、高度な光軸合わせとモード形状のマッチングを必要としない。それにより、容易に製造することができる。
【0140】
上述した、実施の形態5〜7のWDM用波長合波器によれば、各フォトニック結晶において、偏向する光の固有波長(選択波長)は、フォトニック結晶の屈折率周期構造で決まる。そのため、各複合フォトニック結晶の選択光を制御することができ、さらに、その複合フォトニック結晶の縦列順序によって、合波波長順序を自由に制御できる。したがって、複数波長を取扱うWDMにおいて任意の波長を任意の順序で合波・追加できる。
【0141】
また、複数の複合フォトニック結晶を縦列に接合するとしたが、1つの第1部質に、光の伝搬方向に一定の距離ごとに、半径および周期構造を変化させた柱状物質を形成して、異なる周期構造を形成することで、実施の形態5〜7に示した光デバイスを形成してもよい。
【0142】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8に係る光デバイスについて、図9を用いて説明する。実施の形態8の光デバイスは、WDM用光フィルターである。実施の形態8の光デバイスは、実施の形態5と同様に、偏向分散特性の異なるフォトニック結晶を多段で接合して、複数の波長成分を持つ光を波長ごとに分波する。
【0143】
実施の形態8の光デバイスは、実施の形態4のフォトニック結晶6bと同じように偏向分散特性を有するフォトニック結晶が縦列に複数個接合され、基板15f上に設置されて構成されている。各フォトニック結晶6f1〜6fnの格子構造は、それぞれ異なっていて、偏向する光の波長(選択光)はそれぞれ異なる。
【0144】
フォトニック結晶6f1の端面には入力側光ファイバー1fが設置され、最終段のフォトニック結晶6fnの端面には出力側光ファイバー3fが設置されている。入力側光ファイバー1fと出力側光ファイバー3fとの光軸13fは、各フォトニック結晶6f1〜6fnの基本格子ベクトルと同一方向である。各フォトニック結晶6f1〜6fnの側面には、分離された光が伝搬するための出力側光ファイバー31f1〜31fnが設置されている。
【0145】
入力側光ファイバー1f中から複数の異なる波長の光の合成波が伝搬しており、それらには、各フォトニック結晶6f1〜6fnの選択光が含まれている。合成波が、入力側光ファイバー1fからフォトニック結晶6f1に、光軸13fに沿って入射されると、合成波中のフォトニック結晶6f1の選択光は、光軸13fに対して進行方向13fに偏向する。残りの合成波は、光軸13fに沿って進行方向に直進する。
【0146】
偏向した選択光は、フォトニック結晶6f1の側面から出射され、出力側光ファイバー31f1に入射する。選択光以外の残りの合成波は、次段のフォトニック結晶に光軸13fに沿って入射される。
【0147】
同様にして、フォトニック結晶6fkで、フォトニック結晶6fkの選択光が分離され、出力側光ファイバー31fkに入射して伝搬し、残りの光は次段のフォトニック結晶に、光軸13fに沿って入射される。これを最終段のフォトニック結晶6fnまで続ける。
【0148】
なお、各フォトニック結晶6f1〜6fnにおける選択光と非選択光の出射位置に関して、非選択光は光軸13f上を伝搬するので光軸13f上の出射端に出力側光ファイバー3fを接続すれば良いが、選択光は第1の基本格子ベクトル(光軸に一致)から約10°偏向するので各フォトニック結晶6f1〜6fnの光の伝搬方向の長さで出射位置が決まり、側面から出射させる場合はフォトニック結晶6f1〜6fnを選択光が縦列接続面に到達しない程度の長さにすれば良い。
【0149】
また、図10に示すように、最終段のフォトニック結晶6fnにおいては、出力側光ファイバー31fnを、側面ではなく端面に設置し分離した選択光を端面から出射してもよい。この場合、フォトニック結晶6fnを他の2次元フォトニック結晶よりも短くすることができる。
【0150】
このように、複合フォトニック結晶を構成する各フォトニック結晶6f1〜6fnの縦列順序に従って1波長ずつ分離でき、分離波長順序も自由に制御できるため、複数波長を取扱うWDMにおいて任意の波長を任意の順序で分離できる。
【0151】
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9に係る光デバイスについて、図11を用いて説明する。実施の形態9の光デバイスは、WDM用光フィルターであって、実施の形態8とは、選択光を出射する光ファイバーの設置位置が異なるが基本的な構成は同様である。
【0152】
実施の形態9の光デバイスは、実施の形態4のフォトニック結晶6bと同じように偏向分散特性を有するフォトニック結晶が縦列に複数個接合されて構成されている。フォトニック結晶6g1〜6gnは縦列に接合されて、基板15g上に配置されている。各フォトニック結晶6g1〜6gnの格子構造は、それぞれ異なっていて、偏向する光の波長(選択光)はそれぞれ異なる。
【0153】
入力側光ファイバー1gが、フォトニック結晶6g1の端面に設置されていて、フォトニック結晶6g1の他端には、フォトニック結晶6g2(図示せず)が接合され、同様にして、フォトニック結晶6g1〜6gnは順々に縦列に接合されていて、最終段に当たるフォトニック結晶6gnの端面には、出力側光ファイバー3gが設置されている。入力側光ファイバー1gと出力側光ファイバー3gとの光軸13gは各フォトニック結晶6g1〜6gnの基本格子ベクトル方向と同一である。
【0154】
また、各フォトニック結晶6g1〜6gnは、それぞれ、後段に進むに従い、光軸13gに対して垂直方向の長さが小さくなる。さらに、フォトニック結晶6g1〜6gnの片方の側面は、全て同一面とされる。それにより、フォトニック結晶6gkの端面の内、その後段のフォトニック結晶とは、接していない部分ができる。その部分には、出力側光ファイバー31gkが設置される。ただし、フォトニック結晶6gnは、最終の段であるので、その端面には出力側光ファイバー3g、31gnが配置されている。
【0155】
入力側光ファイバー1gから複数の異なる波長の光の合成波がフォトニック結晶6g1に基本格子ベクトル方向に入射されると、合成波中のフォトニック結晶6g1の選択光は、光軸13gに対して偏向する。残りの合成波は、光軸13gに沿って直進する。
【0156】
偏向した光は、フォトニック結晶6g1の端面から出射され、出力側光ファイバー31g1に入射し伝搬していく。選択光以外の残りの合成波は、次段のフォトニック結晶に光軸13gに沿って入射される。
【0157】
同様にして、フォトニック結晶6gkで、フォトニック結晶6gkの選択光が分離され、出力側光ファイバー31gkに入射して伝搬し、残りの光は次段のフォトニック結晶6gk+1に、光軸13fに沿って入射される。これを最終段のフォトニック結晶6fnまで続ける。
【0158】
なお、フォトニック結晶を構成する第1物質9の屈折率は、1.5〜1.7程度とする。フォトニック結晶は、例えばSiOやポリマー製のスラブ中に、65〜85°の内角θを有する2個の基本格子ベクトル方向に、選択光の波長の0.08〜0.3の半径r19を有する円柱状の空気円孔である柱状物質10を、選択光の波長の0.4〜0.6の格子定数aで、周期的に配列して作成する。
【0159】
なお、選択光は基本格子ベクトル方向(光軸に一致)から約10°偏向するのでフォトニック結晶6g1〜6gnの光の伝搬方向の長さで出射位置が決まる。したがって、出射側光ファイバー31g1〜31gnは、それをもとに設置位置を決定する。
【0160】
(実施の形態10)
本発明の実施の形態10に係る光デバイスについて図12を用いて説明する。実施の形態10の光デバイスは、WDM用光フィルターであって、実施の形態8とは、選択光を出射する光ファイバーの設置位置が異なるが基本的な構成は同様である。
【0161】
実施の形態10の光デバイスは、実施の形態8の光デバイスと同様に、異なる波長分散特性を有するフォトニック結晶6h1〜6hnを多段で用いて、各フォトニック結晶ごとに、異なる波長の光を取り出すものである。また、各フォトニック結晶6h1〜6hnより取り出した光を、フォトニック結晶6h1〜6hnに備えたミラーを用いて出力側光ファイバー31h1〜31hnに入射させる構成である。
【0162】
実施の形態10の光デバイスは、実施の形態4のフォトニック結晶6bと同じように偏向分散特性を有する各フォトニック結晶6h1〜6hnが縦列に複数個接合され、基板15h上に設置されて構成されている。各フォトニック結晶6h1〜6hnの格子構造は、それぞれ異なっていて、偏向する光の波長(選択光)はそれぞれ異なる。
【0163】
入力側光ファイバー1hが、フォトニック結晶6h1の端面に設置されていて、フォトニック結晶6h1の他端には、フォトニック結晶6h2(図示せず)が接合され、同様にして、フォトニック結晶6h1〜6hnは順々に縦列に接合されていて、最終段に当たるフォトニック結晶6hnの端面には、出力側光ファイバー3hと出力側光ファイバー31hnが設置されている。入力側光ファイバー1hと出力側光ファイバー3hとの光軸13hは各フォトニック結晶6h1〜6hnの基本格子ベクトル方向と同一である。
【0164】
実施の形態10のフォトニック結晶6h2〜6hnは、光軸13hに対して略45度の角度となるように、入力側の端面の一角が落とされた面取り部17h1〜17hn-1を有する。面取り部17h1〜17hn-1には、ミラーが設置されている。出力側光ファイバー31h1〜31hn-1は、光軸13hに対して垂直に設置されている。フォトニック結晶6h1〜6hn-1の端面から出射される、偏向された光が、面取り部17h1〜17hn-1のミラーで反射され、出力側光ファイバー31h1〜31hn-1に入射される。
【0165】
入力側光ファイバー1hから複数の波長の光を含む合成波がフォトニック結晶6h1に基本格子ベクトル方向に入射されると、合成波中のフォトニック結晶6h1の選択光は、光軸13hに対して偏向する。残りの合成波は、光軸13hに沿って直進する。
【0166】
偏向した光は、フォトニック結晶6h1の端面から出射され、面取り部17h1のミラーで反射して、出力側光ファイバー31h1に入射する。選択光以外の残りの合成波は、次段のフォトニック結晶に光軸13hに沿って入射される。フォトニック結晶6h2(図示せず)中で選択光が偏向して合成波から分離され、残りの合成波は直進して、次のフォトニック結晶に入射される。
【0167】
同様にして、フォトニック結晶6hk-1の端面から出射された偏向した選択光は、面取り部17hk-1のミラーで反射して、出力側光ファイバー31hk-1に入射する。選択光以外の残りの合成波は、フォトニック結晶6hkに光軸13hに沿って入射し、フォトニック結晶6hk中で選択光が偏向して合成波から分離され、残りの合成波は直進して、次のフォトニック結晶に入射される。
【0168】
このように、各フォトニック結晶6h1〜6hnごとに順次選択光が分離されていき、最終段のフォトニック結晶6hnから出射された偏向した選択光は出力側光ファイバー31hnに直接入射される。
【0169】
このように、実施の形態10の光デバイスは、出力側光ファイバー31h1〜31hn-1が、光軸13hに対して、垂直に設置されていても、ミラーによって、各フォトニック結晶6h2〜6hnの基本格子ベクトル方向に、選択光を入射できる。なお、面取り部17h1〜17hn-1周辺の屈折率と、フォトニック結晶6h2〜6hnの屈折率とを全反射がおこる条件とすることで、ミラーを用いずに、損失の低い全反射を利用することもできる。
【0170】
(実施の形態11)
本発明の実施の形態11に係る光デバイスについて、図13を用いて説明する。実施の形態11の光デバイスは、WDM用分岐機能付光フィルターであって、フォトニック結晶が接合して構成された複合フォトニック結晶を、さらに縦列に多段に接合して構成されている。
【0171】
各複合フォトニック結晶4i1〜4inは、各フォトニック結晶6i1〜6inと各フォトニック結晶5i1〜5inとが各境界面7i1〜7inで接合されて構成されている。さらに、各複合フォトニック結晶4i1〜4inは、基板15i上に形成されている。各フォトニック結晶5i1〜5inおよび各フォトニック結晶6i1〜6inは、異なる波長分散特性を有するフォトニック結晶である。それぞれ、フォトニック結晶5ikとフォトニック結晶6ikとは、境界面7ikで接合されて複合フォトニック結晶4ikを形成している。フォトニック結晶5ikとフォトニック結晶6ikとは、選択光の波長が同一であるが、選択光の偏向方向は境界面7ikに対して対称であるような格子構造である。したがって、複合フォトニック結晶4ikの格子構造は、境界面7ik上に柱状物質10が形成され、かつ、境界面7ikに対して対称となるように、その他の柱状物質10は配置されている。なお、フォトニック結晶5ikの基本格子ベクトルa1と基本格子ベクトルa2との角度の内小さい方の角度およびフォトニック結晶6ikの基本格子ベクトルa1′と基本格子ベクトルa2′との角度の内小さい方の角度は等しく、その値は90度よりも小さくて60度よりも大きい。
【0172】
また、各複合フォトニック結晶4i1〜4inは、境界面7i1〜7inが同一平面となるように、多段で接合され、その両側側面には出力側光ファイバー31i1〜31in、32i1〜32inが設置されている。
【0173】
入力側光ファイバー1iは、複合フォトニック結晶4i1の端面に、光軸13iが境界面7i1〜7in上にあるように設置されている。なお、光軸13iは、最終段の複合フォトニック結晶4inの端面に設置された出射側光ファイバー3iの光軸でもある。入力側光ファイバー1iを介して、波長の異なる複数の光の合成光が複合フォトニック結晶4i1に基本格子ベクトル方向に入射されると、選択光はフォトニック結晶5i1、6i1中を偏向して進行する。複合フォトニック結晶4i1に入射された合成光のうち半分はフォトニック結晶5i1中を伝搬し、半分はフォトニック結晶6i1中を伝搬するので、選択光の内半分がフォトニック結晶5i1側に分岐され、選択光の内半分がフォトニック結晶6i1側に分岐される。つまり、合成光より選択光を2つに分岐させて分離することができる。
【0174】
偏向した光は、出力側光ファイバー31i1、32i1に入射される。なお、出力側光ファイバー31i1、32i1は、偏向した光が入射する位置に設置されている。
【0175】
複合フォトニック結晶4i1の選択光以外の光は、直進して、次段の複合フォトニック結晶4i2(図示せず)に入射する。同様にして、複合フォトニック結晶4i1〜4inごとに選択光が分離され、かつ分岐される。なお、各複合フォトニック結晶4i1〜4inの選択光はそれぞれ異なる。最終段の複合フォトニック結晶5inの端面には、出力側光ファイバー3iが、境界面7inに光軸13iが含まれるように設置されていて、各複合フォトニック結晶4i1〜4inで分離されなかった残りの光が、出力側光ファイバー3iに入射される。
【0176】
なお、フォトニック結晶を構成する第1物質9の屈折率は、1.5〜1.7程度とする。フォトニック結晶は、例えばSiOやポリマー製のスラブ中に、65〜85°の内角θを有する2個の基本格子ベクトル方向に、選択光の波長の0.08〜0.3の半径r19を有する円柱状の空気円孔である柱状物質10を、選択光の波長の0.4〜0.6の格子定数aで、周期的に配列して作成する。
【0177】
また、最終段の複合フォトニック結晶4inに設置する出力側光ファイバー31gn、32gnは、側面ではなく端面に設置してもよい。そうすることで、最終段の複合フォトニック結晶4inを短くすることができる。
【0178】
このように、固有波長を選択偏向できるフォトニック結晶をミラー対称接合した複合フォトニック結晶を多段で縦列接合することで、選択光を基本格子ベクトルに対して対称方向に偏向させることができる。それにより、複数波長を取扱うWDMにおいて任意の波長を2個ずつ任意の順序で分離することができる。
【0179】
(実施の形態12)
本発明の実施の形態12に係る光デバイスについて、図14を用いて説明する。実施の形態12の光デバイスは、WDM用パワー分岐器である。実施の形態11と同様に、フォトニック結晶が接合して構成された複合フォトニック結晶を、縦列に多段に接合して構成されている。
【0180】
実施の形態12の光デバイスの基本構成は、実施の形態11の光デバイスと同様である。つまり、各複合フォトニック結晶4j1〜4jnが基板15j上で縦列で接合されていて、複合フォトニック結晶4j1〜4jnは、各フォトニック結晶6j1〜6jnと各フォトニック結晶5j1〜5jnとが境界面7j1〜7jnで接合されて構成されている。各フォトニック結晶6j1〜6jnおよび各フォトニック結晶5j1〜5jnの格子構造は、実施の形態11の各フォトニック結晶6i1〜6inと各フォトニック結晶5i1〜5inと同一であるが、光が伝搬する方向(光軸13j方向)の長さは、実施の形態12の各フォトニック結晶の方が短く、端面から選択光がその境界面に沿って入射した場合に、偏向して側面からは出射されずに、逆方向の端面から出射される長さとする。したがって、実施の形態11の各複合フォトニック結晶4i1〜4inに比べて、実施の形態12の複合フォトニック結晶4j1〜4jnは短くすることができる。それにより、光デバイスの小型化が可能となる。
【0181】
このような複合フォトニック結晶4j1〜4jnが、それらの境界面7j1〜7jnが、同一平面となるように接合されている。最初の段である複合フォトニック結晶4j1の端面には、境界面7j1と光軸13jが重なるように、入力側光ファイバー1jが設置され、最終段である複合フォトニック結晶4jnの端面には、出力側光ファイバー31j、32jとが設置されている。なお、光軸13j方向は、基本格子ベクトル方向でもある。
【0182】
入力側光ファイバー1jを介して、波長の異なる複数の光の合成光が、複合フォトニック結晶4j1に基本格子ベクトル方向に入射されると、フォトニック結晶5j1、6j1中を、選択光は偏向して進行する。複合フォトニック結晶4j1に入射された合成光のうち半分はフォトニック結晶5j1中を伝搬し、半分はフォトニック結晶6j1中を伝搬するので、選択光の内半分がフォトニック結晶5i1側に偏向し、選択光の内半分がフォトニック結晶6i1側に偏向する。非選択光は、光軸13jに沿って直進するので、光は三つに分岐されて、複合フォトニック結晶4j1の端面から出射され、複合フォトニック結晶4j2(図示せず)に入射される。
【0183】
複合フォトニック結晶4jkには、光軸13jに沿って入射される光と、その光の両側を進行する複合フォトニック結晶4jk-1における選択光とが入射される。各複合フォトニック結晶4j1〜4jnにおける選択光は異なるので、複合フォトニック結晶4jk-1における選択光は、複合フォトニック結晶4jk中では直進する。また、光軸13jに沿って、複合フォトニック結晶4jkに入射する光は合成光であり、その内の複合フォトニック結晶4jkの選択光はフォトニック結晶5jk、6jk側に偏向し、合成光より分岐して分離する。そして、直進する複合フォトニック結晶4j1からの合成光と合成され、複合フォトニック結晶4jkより出射される。選択光が除かれた合成光は、光軸13jに沿って直進し、フォトニック結晶4jkより出射される。
このように、各フォトニック結晶4jkにおける選択光が、両端の光と合成され、逆に、光軸13jに沿って直進している合成光からは、各選択光が除去されていく。
【0184】
最終段であるフォトニック結晶4jnは、入力側光ファイバー1jから入力された合成光が完全に二つに分岐されて、第1出力側光ファイバー31jと第2の出力側光ファイバー32jに出力される。
【0185】
このように、従来は、合成光を波長ごとに分離たものを分岐して、それらを合波することで、行なっていた複数波長を取扱うWDMにおけるパワー分岐を、固有波長を選択偏向できるフォトニック結晶をミラー対称接合した各複合フォトニック結晶を縦列接合するという簡単な構成の光デバイスで実現できる。
【0186】
(実施の形態13)
本発明の実施の形態13に係る光デバイスについて、図15を用いて説明する。実施の形態13の光デバイスは光3分岐器である。
【0187】
実施の形態13の光デバイスは、入力側光ファイバー1mと、出力側光ファイバー31mと、出力側光ファイバー32mと、出力側光ファイバー33mと複合フォトニック結晶4mとからなる。複合フォトニック結晶4mは、フォトニック結晶5mおよびフォトニック結晶6mとが直接接合されているのではなく、それらの間にフォトニック結晶12mを介して接合されている。つまり、フォトニック結晶5m、6mは、それぞれフォトニック結晶12mと接合されている。
【0188】
フォトニック結晶5m、6mの格子構造は、実施の形態1のフォトニック結晶5、6と同様である。すなわち、対称性の低い構造であって所定の波長の光が、フォトニック結晶5m、6m中を基本ベクトル方向に伝搬すると、その光は、偏向する。フォトニック結晶5m、6mの基本ベクトルの方向は同一であって、入力側光ファイバー1mの光軸13mと同一方向であり、フォトニック結晶5m、6mの格子構造は、光軸13mに対して対称である。
【0189】
フォトニック結晶12mは、フォトニック結晶5m、6mと同様に、円柱状の柱状物質10が第1物質中9にその中心軸が平行な状態で配列されていて、格子定数aもフォトニック結晶5m、6mと同一である。しかし、フォトニック結晶12mは、対称性の高い構造であって、基本格子ベクトル同士の内角は90°である。このような構造のフォトニック結晶12m中にその基本格子ベクトル方向に所定の光を入射させても光は偏向せず、フォトニック結晶12m中を直進する。
【0190】
入力側光ファイバー1mは、複合フォトニック結晶4mの端面に設置され、その光軸13mは、フォトニック結晶12m中に存在し、好ましくは、その中心位置にある。複合フォトニック結晶4mの逆側の端面には、出力側光ファイバー31m、32m、33mが設置され、出力側光ファイバー33mの光軸は、入力側光ファイバーの光軸13mと同一である。
【0191】
入力側光ファイバー1m中を伝搬してきた選択光が、複合フォトニック結晶5mに基本格子ベクトル方向に入射する際に、各フォトニック結晶5m、6m、12mにそれぞれ入射する。その内フォトニック結晶5mに入射した光は、光軸13mから離れる方向に偏向し、フォトニック結晶6mに入射した光もまた、光軸13mから離れる方向に偏向する。また、フォトニック結晶12mに入射された光は直進する。出力側光ファイバー31mは、フォトニック結晶5mの出射端面に設置され、出力側光ファイバー32mは、フォトニック結晶6mの出射端面に設置され、出力側光ファイバー33mは、フォトニック結晶12mの出射端面に設置されている。各出力側光ファイバー31m、32m、33mは、複合フォトニック結晶4mから出射された光が入射されるように、配置されている。
【0192】
このように、従来の合波器では非常に困難であった3合波を簡単な構成で実現することができる。
【0193】
なお、フォトニック結晶を構成する第1物質9の屈折率は、1.5〜1.7程度とする。フォトニック結晶は、例えばSiOやポリマー製のスラブ中に、65〜85°の内角θを有する2個の基本格子ベクトル(a,a)方向に、選択光の波長の0.08〜0.3の半径r19を有する円柱状の空気円孔である柱状物質10を、選択光の波長の0.4〜0.6の格子定数aで、周期的に配列して作成する。
【0194】
(実施の形態14)
本発明の実施の形態14に係る光デバイスについて、図16を用いて説明する。実施の形態14の光デバイスは、Add−Drop装置である。
【0195】
実施の形態14の光デバイスは、フォトニック結晶6p1とフォトニック結晶6p2とが、光ファイバーを介して接続されている構成である。入力側光ファイバー1pがフォトニック結晶6p1の端面に接続されている。フォトニック結晶6p1の逆側の端面には出力側光ファイバー31pが接続されている。また、出力側光ファイバー31pが設置されている端面には、DROP用光ファイバー32pが設置されている。
【0196】
出力側光ファイバー31pと結合している入力側光ファイバー2pは、フォトニック結晶6p2の端面に設置されている。その逆側の端面には出力側光ファイバー3pが設置されている。また、入力側光ファイバー2p側の端面には、ADD用光ファイバー33pも設置されている。
【0197】
入力側光ファイバー1pから選択光と非選択光が、フォトニック結晶6p1に基本格子ベクトル方向に入力されると、選択光は偏向し、非選択光は直進する。直進した非選択光は、フォトニック結晶6p1の端面から出射され、出力側光ファイバー31p中を伝搬していく。一方、選択光は、偏向して、フォトニック結晶6p1の端面から出射されて、DROP用光ファイバー32pに入射される。
【0198】
DROP用光ファイバー32pは、偏向した選択光がフォトニック結晶6p1端面から出射される位置にあらかじめ設置されている。出力側光ファイバー31pとDROP用光ファイバー32pとの距離は、フォトニック結晶6p1の長さに比例している。
【0199】
出力側光ファイバー31p中を伝搬している光は、入力側光ファイバー2pに結合し、フォトニック結晶6p2に入力される。また、ADD用光ファイバー33p中を選択光が伝搬し、フォトニック結晶6p2に基本ベクトル方向に入射される。
【0200】
非選択光は直進し、選択光は非選択光に近づくように偏向する。フォトニック結晶6p2の長さは、その端面にて選択光および非選択光が合成されるようにあらかじめ調節しておく。これらの合成光が出力される箇所に出力側光ファイバー3pを設置しておく。端面から出射された選択光と非選択光の合成光は、出力側光ファイバー3p2に入射される。
【0201】
このような構成の光デバイスは、Drop用光ファイバー32pより取り出された光を外部で変調するなど、加工した後に、再び、Add用光ファイバー33pで入射させることができる。
【0202】
このように、簡単な構成で、WDMなど波長多重伝送途上に、特定の波長のみを外部に取り出して加工した後に、再び追加することができる、簡単な構成の光デバイスで実現できる。
【0203】
以上の実施の形態1〜14において、前記2次元フォトニック結晶を構成するスラブ導波路と円孔の屈折率は、その相対屈折率差が1.0以上でも良く、スラブ導波路にSiやGaAsやTiなどの高屈折材料を使用し、円孔部分にSiOなどの低屈折率材料を使用しても良い。
【0204】
また、フォトニック結晶の両面がクラッドで挟まれている構造としてもよいが、クラッドを設置せずに、気体中にフォトニック結晶を設置することで、その気体をクラッドとしてもよい。例えば、空気中に設置することで、屈折率が1のクラッドが形成されていることになる。なお、両面とも同一のクラッドである必要はなく、異なる材料を適宜組み合わせればよい。
【0205】
また、各フォトニック結晶への光の受け渡しに光ファイバーを用いる場合は、図17に示すように、光ファイバーの固定方法としてフォトニック結晶74のクラッドの役割をする基板75を大きめにして基板75上に光ファイバー位置決め固定用のV溝81、82、83を設けて、光ファイバー71、72、73の位置決めを行なうか、クラッドの下にSiなどの基板を別に設け、この基板に位置決め固定用のV溝を設ければよい。一方、光導波路を用いる場合は、クラッドの役割をする基板上にコアを形成すればよい。
【0206】
また、柱状物質が円孔で構成されるフォトニック結晶を使用する場合は、外部環境によって空気の屈折率が変化するので、フォトニック結晶を気密性のあるケースで封じ込めて、内部にガス(Ar、Nなど)を充填するか、真空にすることで、柱状物質が安定する。
【0207】
(実施の形態15)
本発明の実施の形態15に係るフォトニック結晶の製造方法について、図18(a)、図18(b)、図18(c)、図18(d)を用いて説明する。実施の形態15の製造方法は、高エネルギーイオンで作製したトラックを侵食して柱状物質である円孔110を設ける方法である。まず、ガラス基板111上にスパッタなどで薄膜を蒸着するか、ポリマーを塗布してスピンコートで作製するか、または、溶剤で溶かした樹脂を用いてキャスティングすることで作製した第1物質であるポリマースラブ112に対して、イオン注入器113を使用してポリマースラブ112上で円孔110を設けたい位置に、H、O、Ar、Kr、Xe、Pb、Znイオンなどのシングルイオン114を照射して貫通させる。イオンのエネルギーは1MeV以上とし、イオン種はポリマースラブ112の密度や膜厚に応じて決定する。エネルギーを1MeV以上とすることで、イオンが深く侵入する。
【0208】
ポリマースラブ112中でシングルイオンが貫通した部分にはトラック115(分子結合が切れた跡)ができる。このポリマースラブ112を、NaOHなどの強アルカリ116に浸漬することで、トラック115部分が侵食されて円孔110となり、ポリマースラブ112に所望のフォトニック結晶を作製することができる。
【0209】
イオン注入器113から発射されたシングルイオン114は、外部電界で入射位置を制御することができるので、どのような結晶構造であっても外部電界を制御することで作製することができる。また、同じ位置に注入するイオンの個数も任意に設定できるので再現性のある加工ができる。
【0210】
なお、前記イオン注入器113とターゲットであるポリマースラブ112のいずれかを動かすことでもイオン注入位置を制御することが可能である。また、フォトトニック結晶118は、円孔112を周期配列させたが、円孔112にポリマースラブ112の屈折率とは異なる屈折率を有する物質を充填してもよい。
【0211】
また、フォトニック結晶には基板が設置されていなくてもよく、ガラス基板111上にポリマースラブ112を形成した後に、ガラス基板111を取り除き、ポリマースラブ112のみにしてから、上述のように高エネルギーイオンを照射し、エッチングしてフォトニック結晶を製造してもよい。
【0212】
【発明の効果】
本発明によれば、製造するのに高精度が必要とされた光デバイスが、容易に作成することができる上、小型化も可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図2】 対称性の低い斜交格子の格子構造およびブリルアンゾーンを示し、図2(a)が対称性の低い斜交格子の格子構造の平面図であり、図2(b)はブリルアンゾーンの平面図
【図3】 本発明の実施の形態2に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図4】 本発明の実施の形態3に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図5】 本発明の実施の形態4に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図6】 本発明の実施の形態5に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図7】 本発明の実施の形態6に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図8】 本発明の実施の形態7に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図9】 本発明の実施の形態8に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図10】 本発明の実施の形態8に係る他の光デバイスの構成を示す平面図
【図11】 本発明の実施の形態9に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図12】 本発明の実施の形態10に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図13】 本発明の実施の形態11に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図14】 本発明の実施の形態12に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図15】 本発明の実施の形態13に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図16】 本発明の実施の形態14に係る光デバイスの構成を示す平面図
【図17】 本発明の光ファイバの固定方法を示す斜視図
【図18】 本発明の実施の形態15に係るフォトニック結晶の製造方法を示す工程図
【図19】 従来の光合波器の構成を示す平面図
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、1j、1m、2a、2b、2c1〜2cn、2d1〜2dn、2e1〜2en、2p、11 入力側光ファイバー
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h、3i、3p、31f1〜31fn、31g1〜31gn、31h1〜31hn、31i1〜31in、31j、31m、31p、32i1〜32in、32j、32m、33m 出力側光ファイバー
4、4a1〜4an、4i1〜4in、4j1〜4jn、4m、14 複合フォトニック結晶
5、5a1〜5an、5i1〜5in、5j1〜5jn、5m、6、6a1〜6an、6b、6c1〜6cn、6d1〜6dn、6e1〜6en、6f1〜6fn、6g1〜6gn、6h1〜6hn、6i1〜6in、6j1〜6jn、6m、6p1、6p2、12、12m、74 フォトニック結晶
7、7a1〜7an、7b、7c、7i1〜7in、 境界面
8a、8b 進行方向
9 第1物質
10 柱状物質
13、13a、13b、13c、13d、13e1、13e2、13f、13g、13h、13i、13j、13m 光軸
15、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15p、75 基板
17e1〜17en-1、17h1〜17hn-1 面取り部
21 ブリルアンゾーン
32p DROP用光ファイバー
33p ADD用光ファイバー
71、72、73 光ファイバー
81、82、83 V溝
110 円孔
111 ガラス基板
112 ポリマースラブ
113 イオン注入器
114 シングルイオン
115 トラック部分
116 強アルカリ
201 第1入力側光ファイバー
202 第2入力側光ファイバー
203 コア
204 基板
205 出力側光ファイバー
206 光合波器

Claims (41)

  1. 屈折率が異なる複数の物質が周期的に配置され、2個の基本格子ベクトル間の角度の内90°以下の方の角度が、90°よりも小さく60°よりも大きい角度を有する複数のフォトニック結晶が共通の基本格子ベクトル方向に連続して縦列された多段フォトニック結晶と、
    前記多段フォトニック結晶に光を入射させる入力側光導波路と、
    前記多段フォトニック結晶から出射される光を受光する出力側光導波路とを備え
    前記各フォトニック結晶は、前記各フォトニック結晶中で偏向する光の固有の波長で決まる屈折率周期を有し、前記固有の波長は前記各フォトニック結晶ごとに異なることを特徴とする光デバイス。
  2. 前記各フォトニック結晶は、前記複数の物質の屈折率あるいは屈折率の周期構造の少なくとも一つが前記フォトニック結晶ごとに異なる請求項1に記載の光デバイス。
  3. 前記各フォトニック結晶は、2次元フォトニック結晶である請求項1に記載の光デバイス。
  4. 複数の前記各フォトニック結晶の2個の基本格子ベクトル方向がそれぞれ平行で、どちらか一方が光軸に一致する請求項1に記載の光デバイス。
  5. 前記フォトニック結晶は、第1のクラッドと第2のクラッドで挟まれている請求項1に記載の光デバイス。
  6. 前記第1のクラッドまたは前記第2のクラッドの少なくともどちらかの屈折率が1である請求項5に記載の光デバイス。
  7. 光ファイバーである前記入力側光導波路および前記出力側光導波路を位置決めする溝を有する請求項1に記載の光デバイス。
  8. 前記溝は、前記各フォトニック結晶と直接あるいは間接的に一体化されている請求項7に記載の光デバイス。
  9. 前記多段フォトニック結晶全てが気密ケースで覆われ、前記気密ケース内はガスが充填されているか、あるいは真空である請求項1に記載の光デバイス。
  10. 前記各フォトニック結晶の縦列順序は、前記各フォトニック結晶の固有の波長に基づいて決定される請求項に記載の光デバイス。
  11. 前記フォトニック結晶は、屈折率の異なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に前記第1物質中に配列されている2次元格子構造を有し
    記基本ベクトルの内の一方である第1基本格子ベクトルの方向に連続して縦列して、前記多段フォトニック結晶を形成し、
    前記入力側光導波路には、前記多段フォトニック結晶の最初の段に当たるフォトニック結晶に設置され、前記第1基本格子ベクトル方向に前記各フォトニック結晶の固有の波長の光以外の光を、前記多段フォトニック結晶に入射させる第1入力側光導波路と、
    前記各フォトニック結晶ごとに設置され、前記各フォトニック結晶に固有の波長の光を入射する第2入力側光導波路とがあり、
    前記出力側光導波路は、前記第1入力側光導波路と同一の光軸を有するように設置されている請求項に記載の光デバイス。
  12. 前記第2入力側光導波路は、前記各フォトニック結晶の側面に設置される請求項11に記載の光デバイス。
  13. 前記フォトニック結晶の端面が、前記フォトニック結晶ごとに順次大きくなっていき、前記第2入力側光導波路が、前記各フォトニック結晶の端面に設置される請求項11に記載の光デバイス。
  14. 少なくとも最終段のフォトニック結晶以外のフォトニック結晶は、縦列接続する出射側の端面の一部に、前記端面に対して一定の角度を有するミラーを備え、前記第2入力側光導波路からの光が前記ミラーに反射して、次段のフォトニック結晶に入射される請求項11に記載の光デバイス。
  15. 前記フォトニック結晶は、屈折率の異なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に前記第1物質中に配列されている2次元格子構造を有し
    記基本ベクトルの内の一方である第1基本格子ベクトルの方向に連続して縦列して、前記多段フォトニック結晶を形成し、
    前記入力側光導波路は、前記多段フォトニック結晶に、前記第1基本格子ベクトル方向に光を入射させ、
    前記出力側光導波路には、前記多段フォトニック結晶の最終段に当たるフォトニック結晶に設置され、前記第1基本格子ベクトル方向に出射される光を受光する第1出力側光導波路と、
    前記各フォトニック結晶ごとに設置されている第2出力側光導波路とがある請求項に記載の光デバイス。
  16. 前記各フォトニック結晶ごとに設置された前記第2出力側光導波路は、前記各フォトニック結晶内で偏向して出射される前記固有の波長の光を受光する請求項15に記載の光デバイス。
  17. 前記各フォトニック結晶のそれぞれの格子定数が、前記フォトニック結晶ごとの前記固有の波長の0.4〜0.6の大きさである請求項11または15に記載の光デバイス。
  18. 前記第2出力側光導波路は、前記各フォトニック結晶の側面に設置される請求項15に記載の光デバイス。
  19. 前記多段フォトニック結晶の最終段に当たるフォトニック結晶に接続される第2出力側光導波路のみが、前記フォトニック結晶の端面に設置される請求項18に記載の光デバイス。
  20. 前記フォトニック結晶の端面が、前記フォトニック結晶ごとに順次小さくなっていき、前記第2出力側光導波路が、前記端面に設置される請求項15に記載の光デバイス。
  21. 少なくとも最初の段のフォトニック結晶以外のフォトニック結晶は、縦列接続する入射側の端面の一部に、前記端面に対して一定の角度を有するミラーを備え、前段のフォトニック結晶から出射された前記固有の波長の光が前記ミラーに反射した反射光を受光する位置に前記第2出力側光導波路を有する請求項15に記載の光デバイス。
  22. 各基本格子ベクトル間の角度が共に、90°以下の方の角度が60°よりも大きく90 °よりも小さい角度である第1フォトニック結晶および第2フォトニック結晶が接合された複数の複合フォトニック結晶が各境界面が同一平面上にあるように、連続して縦列接合されて構成された多段複合フォトニック結晶と、
    前記多段複合フォトニック結晶に光を入射させる入力側光導波路と、
    前記多段複合フォトニック結晶から出射される光を受光する出力側光導波路とを備え
    前記各複合フォトニック結晶の格子構造はそれぞれ異なっており、前記各複合フォトニック結晶ごとに偏向する光の波長が異なることを特徴とする光デバイス。
  23. 前記多段複合フォトニック結晶は、前記第1のクラッドと前記第2のクラッドで挟まれている請求項22に記載の光デバイス。
  24. 前記第1のクラッドまたは前記第2のクラッドの少なくともどちらかの屈折率が1である請求項23に記載の光デバイス。
  25. 光ファイバーである前記入力側光導波路および前記出力側光導波路を位置決めする溝を有する請求項22に記載の光デバイス。
  26. 前記溝は、前記多段複合フォトニック結晶と直接あるいは間接的に一体化されている請求項25に記載の光デバイス。
  27. 前記多段複合フォトニック結晶全てが気密ケースで覆われ、前記気密ケース内はガスが充填されているか、あるいは真空である請求項22に記載の光デバイス。
  28. 前記第1フォトニック結晶および前記第2フォトニック結晶は、それぞれ共に、屈折率の異なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に前記第1物質中に配列されている2次元格子構造を有し
    記第1フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルと前記第2フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルの方向は平行であって、前記第1フォトニック結晶と前記第2フォトニック結晶とが接合された境界面に平行であり、
    前記第1フォトニック結晶と第2フォトニック結晶との格子構造は、前記境界面に対して対称であり、
    出力側光導波路は、前記多段複合フォトニック結晶の最終段に当たる複合フォトニック結晶の端面に設置されている請求項22に記載の光デバイス。
  29. 前記各第1フォトニック結晶および前記各第2フォトニック結晶内で偏向して出射されるそれぞれに固有の波長の光が、前記各第1フォトニック結晶および前記各第2フォトニック結晶の端面から出射されるように、前記各第1複合フォトニック結晶の長さが設定されている請求項28に記載の光デバイス。
  30. 前記各第1フォトニック結晶および前記各第2フォトニック結晶内で偏向されるそれぞれに固有の波長の光が、前記各フォトニック結晶端で交わるように、前記各第1複合フォトニック結晶の長さが設定されている請求項28に記載の光デバイス。
  31. 前記第1フォトニック結晶および前記第2フォトニック結晶は、それぞれ共に、屈折率の異なる第1物質と柱状物質とを備え、複数の前記柱状物質の軸が平行となるように前記柱状物質が周期的に前記第1物質中に配列されている2次元格子構造を有し
    記第1フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルと前記第2フォトニック結晶の第1基本格子ベクトルの方向は平行であって、前記第1フォトニック結晶と前記第2フォトニック結晶とが接合された境界面に平行であり、
    前記第1フォトニック結晶と第2フォトニック結晶との格子構造は、前記境界面に対して対称であり、
    前記出力側光導波路には、前記多段複合フォトニック結晶の最終段に当たる第1フォトニック結晶に設置され、前記第1基本格子ベクトル方向に出射される光を受光する第1出力側光導波路と、
    前記各第1複合フォトニック結晶ごとに設置され、前記各第1フォトニック結晶および前記各第2フォトニック結晶中で偏向して出射されるそれぞれに固有の波長の光を受光する第2出力側光導波路とがある請求項22に記載の光デバイス。
  32. 前記第1物質の屈折率と前記柱状物質の屈折率の差が1.0以上である請求項11、請求項15、請求項28、請求項31のいずれかに記載の光デバイス。
  33. 前記第1物質はポリマー材料であり、前記柱状物質は気体である請求項11、請求項15、請求項28、請求項31のいずれかに記載の光デバイス。
  34. 前記第1フォトニック結晶および前記第2フォトニック結晶の格子定数が、前記固有の波長の0.4〜0.6の大きさである請求項28または請求項31に記載の光デバイス。
  35. 前記柱状物質の断面形状が、前記各固有の波長の0.08〜0.3の半径を有する円である請求項11、請求項15、請求項28、請求項31のいずれかに記載の光デバイス。
  36. 前記入力側光導波路および前記出力側光導波路は、光ファイバーである請求項1または請求項22に記載の光デバイス。
  37. 屈折率が異なる複数の物質が周期的に配置され、2個の基本格子ベクトル間の角度の内90°以下の方の角度が、90°よりも小さく60°よりも大きい角度を有することで、周期的屈折率分布を有している複数のフォトニック結晶が共通の基本格子ベクトル方向に連続して縦列された多段フォトニック結晶を構成する各フォトニック結晶の製造方法であって、
    前記フォトニック結晶は、
    前記各フォトニック結晶中で偏向する光の固有の波長で決まる屈折率周期を有し、前記固有の波長は前記各フォトニック結晶ごとに異なっており、
    基板上に形成した第1物質上に、所望とする柱状物質の配置箇所に、シングルイオンを照射して前記第1物質中にトラックを形成した後、
    前記基板および第1物質をアルカリ溶液に浸漬することで、前記トラック部分を侵食し、柱状穴を形成することを特徴とするフォトニック結晶の製造方法。
  38. 前記シングルイオンは、少なくとも1個照射する請求項37に記載のフォトニック結晶の製造方法。
  39. 前記シングルイオンのエネルギーは、1MeV以上である請求項37に記載のフォトニック結晶の製造方法。
  40. 前記柱状穴に、前記第1物質とは異なる屈折率を有する物質を充填する請求項37に記載のフォトニック結晶の製造方法。
  41. 前記第1物質はポリマー材料とし、
    前記柱状穴には気体を充填する請求項37に記載のフォトニック結晶の製造方法。
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