JPH1114845A - 光分岐導波路およびその製造方法、並びに光導波路回路 - Google Patents

光分岐導波路およびその製造方法、並びに光導波路回路

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JPH1114845A
JPH1114845A JP16618997A JP16618997A JPH1114845A JP H1114845 A JPH1114845 A JP H1114845A JP 16618997 A JP16618997 A JP 16618997A JP 16618997 A JP16618997 A JP 16618997A JP H1114845 A JPH1114845 A JP H1114845A
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JP
Japan
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optical
waveguide
optical waveguide
substrate
light
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Application number
JP16618997A
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English (en)
Inventor
Ichiro Takatsu
一郎 高津
Jiro Toyama
二郎 外山
Takeshi Yamada
武司 山田
Yasuhiro Kubota
靖博 久保田
Shinji Ushijima
慎二 牛島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製作が容易な小型で低コストの光分岐導波路お
よび光導波路回路を提供する。 【解決手段】基板11に対して、直線状をなす2本の第
1の光導波路12および第2の光導波路13を、所定の
角度で交差させて形成し、第1の光導波路12と第2の
光導波路13との交差領域を含むように、光導波路と所
定の角度をなし、深さが第1および第2の光導波路1
2,13の深さ以上に設定した溝14を形成し、溝14
の一側壁14aには、少なくとも溝14の第1の光導波
路12と第2の光導波路13との交差領域を含むよう
に、第1の光導波路12aを導波された入射光の一部を
透過させて第1の光導波路12bに導波させるととも
に、入射光の一部を反射して第2の光導波路13に導波
させる部分反射・部分透過機能を有する光学素子15を
形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば光通信網
や自動車等の光配線部品、あるいは産業用機器の光信号
処理、光制御、光計測の光配線基板として用いられる光
分岐導波路および光導波路回路、並びに光分岐導波路の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光分岐導波路は、光ファイバ通信網の家
庭端末配線の重要な光配線部品として、また、光ファイ
バ信号処理技術を応用した自動車の光配線、産業用機器
の光信号処理、光制御、光計測の光配線基板として利用
されている。
【0003】このような光分岐導波路は、一般的には、
いわゆるY分岐として図7に示すように、たとえばニオ
ブ酸リチウムからなる基板1に、一端側端面から光が入
射される直線状の入力導波路2、および入力導波路1の
他端側に対して所定角度をもって接続された2本の出力
導波路3,4が形成されて構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のY分
岐導波路は、通常シングルモード光を導波させるように
設計される。このため、その接続部の形状、導波路の曲
率、導波路長に設計上の制約があり、その回路長は長く
なる。以下に、Y分岐導波路の回路長が長くなる理由に
ついて、図8に関連付けて説明する。
【0005】たとえば、ニオブ酸リチウムを使用した光
分岐導波路の場合、シングルモードを維持しながら分岐
するための分岐角が約1度と非常に小さく、入力導波路
2と二つの出力導波路3,4とはほとんど直線状に接続
される。また、導波路のコアとクラッドの屈折率の差を
小さくしてシングルモード導波路としていることから、
その1度の勾配を入力導波路2に平行な導波路として矩
形基板1の端面に直交して引き出すためには、光の導波
路外への漏洩を防ぐために、図8に示すように導波路の
曲率Rを50mm以上にする必要がある。このため、曲率
部として5mm〜10mmの長さを必要とする。さらに、導
波路の接続部では導波路幅が一入力導波路側からみて2
倍になり、単純に接続すると、光の反射や伝送モードの
変換により伝送損失が増大する。このため、接続部をテ
ーパにしてゆるやかに伝送モードを変換するための余分
な長さ数mmが必要になる。また、二分岐導波路側から直
線状の入力導波路へ信号を伝送するためには接続点での
伝送モードの乱れを緩和するために、直線状の入力導波
路も一定以上の長さが必要となる。具体的には3mm以上
が必要になる。したがって、上述したY分岐導波路で
は、全長が約15mm以上になる。この長さでは、基板1
の幅は、その後の加工、部品の変形を配慮すると3mm以
上となる。
【0006】一見この形状は小さく感じられるが、導波
路幅が約5μmと半導体素子レベルであることを考慮す
ると、その幅の3000倍もの曲線を含む複雑な微細加
工が必要であることになり、その加工精度は半導体素子
を加工する以上の均一性が要求され、高いコストを要す
る。さらに、接続部の形状は、分岐特性、損失に影響す
るため、特に分岐中央錐状部は0.1μm程度の加工精
度が必要になり、これもさらに高精度加工が必要とな
り、コストの増大を招く。
【0007】また、コストの低減のためには、一枚の材
料基板から採れる素子数をより多くすることが必要だ
が、このサイズでは通常の半導体素子と比較して非常に
少ない収量になる。一般に、光部品の製作には3インチ
基板が用いられるが、上述した例では一基板から採れる
部品数は百個以下と少なく、生産性が低く、コスト高で
ある。これは同様な工程をとる多くの半導体素子が1mm
角以下であることと比較して考えると、非常に生産性が
悪く、コスト高である。
【0008】また、このY分岐導波路を多段接続して1
×4、1×8、1×16、・・、1×nの分岐回路を形
成するとさらに収量が低下し、コストが上がり、また均
一加工精度がより要求され、歩留りが低下するだけでな
く、基板の大きさの制約により、部品製作が不可能にな
ることにもなる。
【0009】以上説明したように、現在の光分岐導波路
は、家庭端末用部品として実用化するには、その形状の
複雑さ、寸法の大きさの点で生産性、コストの面で大き
な不利益がある。
【0010】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、製作が容易な小型で低コストの
光分岐導波路および光導波路回路を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光分岐導波路は、基板と、上記基板に形成
された第1の光導波路と、上記基板に上記第1の光導波
路と所定の角度をもって交差するように形成された第2
の光導波路と、上記基板の少なくとも上記第1の光導波
路と上記第2の光導波路との交差領域に形成された溝
と、少なくとも上記溝の上記第1の光導波路と上記第2
の光導波路との交差領域における一側面に設けられ、第
1の光導波路を導波された入射光の一部を透過させて当
該第1の光導波路に導波させるとともに、上記入射光の
一部を反射して上記第2の光導波路に導波させる光学素
子とを有する。
【0012】また、本発明では、上記溝と光導波路と
は、上記第1の光導波路から入射された光の上記光学素
子による光反射角度と、上記第2の光導波路が上記第1
の光導波路となす角度とが一致するように形成されてい
る。
【0013】また、本発明では、上記光学素子は、導波
光に対して透明な有機フィルムに光学薄膜が形成されて
構成されている。あるいは、上記光学素子は、導波光に
対して透明な無機材料からなる薄板に光学薄膜が形成さ
れて構成されている。そして、上記光学薄膜は、多層干
渉膜または金属膜により構成される。また、上記光学素
子の光を透過および反射させる光分岐比が1:1であ
る。
【0014】また、本発明では、上記基板は、電気光学
効果を有する部材、あるいは圧電効果を有する部材によ
り構成される。
【0015】本発明の光導波路回路は、上述した光分岐
導波路を少なくとも一組有し、その入力部または出力部
の少なくとも一つの光導波路に他の光分岐導波路の光導
波路が接続されている。
【0016】また、本発明の光導波路回路は、基板とし
て電気光学効果を有する光分岐導波路を少なくとも一組
有し、光導波路の一部に電気光学効果を発現させる電界
を印加するための電極を有する。
【0017】また、本発明の光導波路回路は、基板とし
て圧電効果を有する光分岐導波路を少なくとも一組有
し、光導波路の一部に圧電効果を発現させる電界を印加
するための電極を有する。
【0018】本発明の光分岐導波路の製造方法では、多
層干渉膜または金属膜により構成される光学素子は、溝
形成後、当該溝の一側面に形成されるように上記基板を
傾斜させて蒸着またはスパッタリングを行うことにより
形成する。
【0019】本発明の光分岐導波路の製造方法では、多
層干渉膜または金属膜により構成される光学素子の形成
に際し、あらかじめ基板の表面に剥離可能な膜を形成
し、上記溝を形成した後、上記溝の一側面に光学素子が
形成されるように上記基板を傾斜させて蒸着またはスパ
ッタリングを行い、その後、基板表面の上記剥離可能な
膜を剥離除去することで、基板表面に形成された蒸着ま
たはスパッタリング膜を除去する。
【0020】本発明の光分岐導波路によれば、Y分岐導
波路のように複雑なテーパ形状の光導波路部分、大半径
の曲線導波路部分を要せず、光出力端部は光ファイバが
接続できるように分離され、形状は従来の部品に較べ小
型になる。また、比較的大きな交差角で製作されること
から、分岐部の形状は比較的容易に得られる。また、損
失、分岐比といった部品の特性は、部分透過・部分反射
機能を有する光学素子に依存することから、特性の管理
が容易になる。さらに、本光分岐導波路は、その機能の
基本となる1×2の光分岐導波路回路として用いられる
ことは当然であるが、この機能を基板上に複数配置した
1×Nの光分岐導波路回路、他の光導波路回路と複合し
た光導波路回路、これに電気光学効果、圧電効果、表面
弾性波効果を利用した光機能デバイスとして利用可能で
ある。
【0021】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明に係る
光分岐導波路の一実施形態を示す図であって、図1は実
体構成を示す斜視図、図2は上面図である。
【0022】図に示すように、本光分岐導波路10は、
たとえば使用波長に透明な基板11に対して、直線状を
なす2本の第1の光導波路12および第2の光導波路1
3が、所定の角度、たとえば数十から90度の比較的大
きな角度で交差させて形成されている。また、基板11
には、第1の光導波路12と第2の光導波路13との交
差領域を含むように、光導波路と45度の角度をなし、
幅が約30μm幅で、深さが第1および第2の光導波路
12,13の深さ以上、たとえば10μm以上に設定さ
れた溝14が形成されている。そして、溝14には、少
なくとも溝14の第1の光導波路12と第2の光導波路
13との交差領域における一側面14aに、第1の光導
波路12aを導波された入射光の一部を透過させて第1
の光導波路12bに導波させるとともに、入射光の一部
を反射して第2の光導波路13に導波させる部分反射・
部分透過機能を有する光学素子15が形成されている。
【0023】第1の光導波路12の一端面が基板11の
第1側面11aに臨み、この第1の光導波路12の一端
面により光入射部が構成されている。また、第1の光導
波路12の他端面が基板11の第2側面11bに臨み、
第2の光導波路13の一端面が第1の光導波路12aの
一部と交差し、第2の光導波路13の他端面が基板11
の第3側面11cに臨むように構成されている。そし
て、第1の光導波路12の他端面および第2の光導波路
13の他端面により分岐光DO1,DO2の光出射部が
構成されている。
【0024】すなわち、図1および図2に示す光分岐導
波路10では、第1の光導波路12の図中溝14を境に
して左側部分12aにより入力導波路が構成され、第1
の光導波路12の図中溝14を境にして右側部分12b
および第2の光導波路13により分岐導波路が構成され
ている。
【0025】なお、溝14と光導波路とは、第1の光導
波路12から入射された光の光学素子15による光反射
角度と、第2の光導波路13が第1の光導波路12とな
す角度とが一致するように形成されている。
【0026】また、部分反射・部分透過機能を有する光
学素子15は、たとえば導波光に対して透明な有機フィ
ルムに光学薄膜が形成されて構成され、あるいは導波光
に対して透明な無機材料からなる薄板に光学薄膜(半透
過反射膜)が形成されて構成される。そして、光学薄膜
は、たとえば多層干渉膜または金属膜により構成され
る。
【0027】次に、上記光分岐導波路10の製造方法に
ついて簡単に説明する。なお、ここでは、光導波路とし
て基板上に形成したポリマ導波路を用いる場合を示す。
【0028】まず、Siウエハ上にたとえば図3に示す
ようにクラッド層121aとしてコア層122より屈折
率の低いポリマ、およびコア層のポリマをスピンコート
等により塗布する。それぞれの膜厚は最終的な導波路幅
と膜厚の関係からシングルモード導波路となるように設
計する。たとえば、コア層2μm、クラッド層3μmに
設定される。この上に十字に交差した3〜6μm好まし
くは4〜5μm幅のレジストパターニングをホトリソグ
ラフィ工法により形成し、これを酸素ガス中でRIE処
理してコア層のみをエッチングしてレジスト形状幅とコ
ア層膜厚の矩形形状の光導波路を形成する。その後、そ
の表面に再びクラッド層121bをスピンコート等によ
り形成する。
【0029】次に、ダイシングソーで約30μmのメタ
ルブレードを使用し直交する光導波路と45度の角度で
基板に垂直な深さ10μm以上の溝14を形成する。
【0030】次に、溝14の一方の側壁14aに、それ
ぞれの光導波路に対して所望の光分岐比を得るために、
多層干渉膜、金属膜等の光学薄膜からなる部分反射・部
分透過膜15を形成する。この部分反射・部分透過膜1
5の形成に際しては、部分反射・部分透過膜15が溝1
4の一方の側壁14aに形成されるように、図3に示す
ように、光導波路基板11を傾斜させて、多層干渉膜、
金属膜等の光学薄膜を蒸着またはスパッタリングする。
その後、導波路に直角に交差点を含む矩形状にダイシン
グソーを用いて光導波回路を切り出す。
【0031】なお、あらかじめSi基板に光ファイバの
接続に用いるV溝をエッチングにより形成させておくこ
とにより、ファイバの位置合わせ、部品作製工程減を図
れ、接続工程の簡素化が可能となる。
【0032】工業的に生産する場合には、たとえば3イ
ンチの基板全面に、たとえば1mmピッチの直交する網状
の光導波路を形成した後、その光導波路に格子の交点を
通る導波路に45度をなす溝を全面に加工する。そし
て、部分反射・部分透過膜が溝の一方の側壁に形成され
るように、光導波路基板を傾斜させて、多層干渉膜、金
属膜等の光学薄膜を蒸着またはスパッタリングする。し
かる後、これをダイシング用支持膜に張りつけ、ダシシ
ングソーで格子の中間点を通る導波路に直角(平行)直
線で切断して多数個の光分岐導波路を得ることができ
る。
【0033】また、45度半透過反射膜の形成には、空
間光学系におけるハーフミラーの作製技術が利用され
る。
【0034】なお、上記した例の工程は、本素子作製の
一つの例であり、工程順に変更、接着剤の塗布方法、導
波路の材料、導波路形成方法はそれぞれの材料、目的仕
様により変更しても、本発明の主旨を損なうものではな
い。
【0035】以上のようにして製造される光分岐導波路
10においては、入射光INが第1の光導波路12aに
導波される。この入射光は、第1の光導波路12aを伝
搬して溝14に挿入されている光学素子15に到達す
る。光学素子15では、導波光の一部が透過して再度第
1の光導波路12bに導波され、その他端面から第1の
分岐光DO1として出射される。また、残りの導波光の
一部あるいは全部は、光学素子15で反射されて第2の
光導波路13に導波され、その他端面から第2の分岐光
DO2として出射される。
【0036】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、使用波長に透明な基板11に対して、直線状をなす
2本の第1および第2の光導波路12,13を、所定の
角度で交差させて形成し、第1の光導波路12と第2の
光導波路13との交差領域を含むように、光導波路と所
定の角度をなし、深さが第1および第2の光導波路1
2,13の深さ以上に設定した溝14を形成し、溝14
の一側壁14aには、少なくとも溝14の第1の光導波
路12と第2の光導波路13との交差領域を含むよう
に、第1の光導波路12aを導波された入射光の一部を
透過させて第1の光導波路12bに導波させるととも
に、入射光の一部を反射して第2の光導波路13に導波
させる部分反射・部分透過機能を有する光学素子15を
形成したので、Y分岐導波路のように複雑なテーパ形状
の光導波路部分、大半径の曲線導波路部分を要せず、光
出力端部は光ファイバが接続できるように分離され、形
状は従来の部品に較べ小型になる。
【0037】また、反射膜を挿入する溝は約30μm幅
であり、導波路幅5〜10μm、光ファイバ径125μ
mとすれば、その作業性を考慮しても、1mm角以下の部
品とすることができる。極限として、接続する光ファイ
バの径に相当する125μm角の小型の部品とすること
ができる。これは、従来の分岐基板の1/100以下の
大きさとなり、一枚の材料基板から製作される部品数は
その逆数倍になり、一個当たりのコストは大きく低減す
る。また、比較的大きな交差角で製作されることから、
分岐部の形状は比較的容易に得られる。また、損失、分
岐比といった部品の特性は、部分透過・部分反射膜に依
存することから、特性の管理が容易になる。
【0038】また、外部回路との接続は、上記のように
光ファイバを直接接続することが可能であり、さらに、
基板端面の導波路開口に直接受光素子や発光素子を接着
することも可能である。また、本基板は比較的小さいこ
とから、取り扱いを容易にするために、この基板を支え
るこの基板より大きく安価な支持基板にこの基板を固定
して、その支持基板にV溝を設けて光ファイバを接続し
たり、その支持基板に受光素子や発光素子を固定して、
導波路と固定することも可能である。勿論、その支持基
板に電気配線を設けて受発光ユニットとすることもでき
る。
【0039】さらに、本光分岐導波路は、その機能の基
本となる1×2の光分岐導波路回路として用いられるこ
とは当然であるが、この機能を基板上に複数配置した1
×Nの光分岐導波路回路、他の光導波路回路と複合した
光導波路回路、これに電気光学効果、圧電効果、表面弾
性波効果を利用した光機能デバイスにも利用できる。
【0040】また、この技術の最も効果的な実施形態
は、直交導波路とこれに45度に交差する半透過・半反
射膜からなる光3dB分岐基板である。この場合、入出
力の光ファイバが接続される辺は直交または平行な正方
形(矩形)となり、光ファイバの接続も容易である。
【0041】なお、上述した実施形態においては、1×
2の光分岐導波路について述べたが、たとえば図4に示
すような1×4の光分岐導波路20、あるいは図5に示
すようなマッハツェンダ型光変調器30、あるいは他の
従来の光導波路回路と一枚の基板の中で組み合わせた光
導波路回路を構成することができる。
【0042】図4に示す1/4光分岐導波路20におい
て、21は基板、22a,22b,22c、23a−
1,23a−2,23a−3,23a−4、23b−
1,23b−2は光導波路、24a〜24eは溝、およ
び25a〜25cは光学素子としての半透過反射膜、2
5d,25eは光学素子としての反射膜をそれぞれ示し
ている。この1/4光分岐導波路20では、光導波路の
交差角は90度で、溝24a〜24eは直交導波路と4
5度の角度をもって形成されている。
【0043】この1/4光分岐導波路20においては、
入射光INが光導波路22aに導波される。この入射光
は、光導波路22aを伝搬して溝24aに挿入されてい
る光学素子としての半透過反射膜25aに到達する。半
透過反射膜25aでは、導波光の一部が透過して(直進
して)光導波路22bに導波され、残りの導波光の一部
または全部は反射されて光導波路23a−1に導波され
る。半透過反射膜25aを透過した導波光は光導波路2
2bを伝搬して溝24bに挿入されている半透過反射膜
25bに到達する。そして、半透過反射膜25bでは、
導波光の一部が透過して(直進して)光導波路22cに
導波され、その他端面から第1の分岐光DO1として出
射される。また、光導波路22bの残りの導波光の一部
または全部は半透過反射膜25bで反射されて光導波路
23b−1に導波され、溝24eに挿入されている反射
膜25eに到達し、ここで反射されて光導波路23b−
2に導波されて、その他端面から第2の分岐光DO2と
して出射される。
【0044】また、半透過反射膜25aで反射され光導
波路23a−1に導波された光は、溝24cに挿入され
ている半透過反射膜25cに到達する。そして、半透過
反射膜25cでは、導波光の一部が透過して(直進し
て)光導波路23a−2に導波され、その他端面から第
3の分岐光DO3として出射される。また、光導波路2
3a−1の残りの導波光の一部または全部は半透過反射
膜25cで反射されて光導波路23a−3に導波され、
溝24dに挿入されている反射膜25dに到達し、ここ
で反射されて光導波路23a−24に導波されて、その
他端面から第4の分岐光DO4として出射される。
【0045】以上のように、本発明に係る光分岐導波路
を用いて、小型化を実現でき、従来と略同一のプロセス
で高い収量が得られ、また設備の一素子当たりの稼働効
率が向上し、さらには歩留りを向上でき、低コスト化を
実現できる等の利点を有する1/4光分岐導波路20を
構成することができる。
【0046】また、図5に示すマッハツェンダ型光変調
器30において、31はたとえば電気光学効果を有する
基板、32a,32b、33a〜33dは光導波路、3
4a〜34dは溝、35a,35dは光学素子としての
半透過反射膜、35b,35cは光学素子としての反射
膜、および36a〜36cは電極をそれぞれ示してい
る。このマッハツェンダ型光変調器30においても、光
導波路の交差角は90度で、溝34a〜34dは直交導
波路と45度の角度をもって形成されている。
【0047】マッハツェンダ型光変調器30において
は、入射光INが光導波路32aに導波される。この入
射光は、光導波路32aを伝搬して溝34aに挿入され
ている光学素子としての半透過反射膜35aに到達す
る。半透過反射膜35aでは、導波光の一部が透過して
(直進して)光導波路32bに導波され、残りの導波光
の一部または全部は反射されて光導波路33aに導波さ
れる。半透過反射膜35aを透過した導波光は、光導波
路32bを伝搬して溝34bに挿入されている反射膜3
5bに到達し、ここで反射されて光導波路33bに導波
され、光導波路33bを伝搬して半透過反射膜35dに
到達する。また、半透過反射膜35aで反射され光導波
路33aに導波された光は、光導波路33aを伝搬して
溝34cに挿入されている反射膜35cに到達し、ここ
で反射されて光導波路33cに導波され、光導波路33
cを伝搬して半透過反射膜35dに到達する。そして、
半透過反射膜35dでは、光導波路33bの伝搬光の一
部が反射されて光導波路33dに導波され、また光導波
路33cの伝搬光の一部が透過して(直進して)光導波
路33dに導波される。すなわち、光導波路33bの伝
搬光と光導波路33cの伝搬光とが合波される。
【0048】ところで、マッハツェンダ型光変調器30
では、たとえば電極36aと電極36bとの間、または
電極36cと電極36bとの間に所定の電圧が印加され
る。これにより、基板31において電気光学効果が発現
され、光導波路32bまたは光導波路33cの屈折率が
変化して半透過反射膜35aで2つに分岐された光に対
して、半透過反射膜35dに到達するまでの光路差、す
なわち位相差が与えられる。この位相差が与えられた2
つの光が半透過反射膜35dで合波されて、変調光MO
として出射される。
【0049】以上のように、本発明に係る光分岐導波路
を用いてマッハツェンダ型光変調器30が構成できる。
【0050】なお、以上説明した実施形態においては、
光導波路基板表面にも光学薄膜が形成されることになる
が、図5のマッハツェンダ型光変調器のように、基板表
面に電極36等を有する場合には、光導波路基板表面の
光学薄膜を除去しておかなければならない場合がある。
このような場合には、従来のように薬品を用いる湿式エ
ッチングやプラズマによる乾式エッチングによりエッチ
ング除去する方法を採することができるが、この場合、
導波路基板へのダメージが危惧される。
【0051】しかし、以下に示す方法により導波路基板
へダメージを与えることなく、基板表面の光学薄膜除去
を確実に行うことができる。
【0052】すなわち、光学薄膜を、蒸着またはスパッ
タリングによって形成する際、あらかじめ光導波路基板
の表面に剥離可能な膜を形成しておく。次いで、溝加工
を行った後、図6(a)に示すように、光学薄膜が溝1
4の側面14aに形成されるように、光導波路基板11
を傾斜させてこれを蒸着またはスパッタリングする。し
かる後、図6(b)に示すように、光導波路基板表面の
膜をその上の光学薄膜とともに剥離除去する。このと
き、剥離する膜として、たとえば水溶性の有機膜等を用
いれば、水洗による剥離が可能で、基板に与える影響も
ほとんど考慮することなく、光学薄膜の除去が可能とな
る。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の光分岐導波路に較べ小さくでき、ひいては光導波
路部品の小型化を実現できる。その結果、従来と略同一
のプロセスで高い収量が得られ、また設備の一素子当た
りの稼働効率が向上し、低コスト化を実現できる。ま
た、小型化によりプロセスの均一性の要求度が、従来の
分岐に比較して低下し、その結果歩留りが向上し、この
点でも低コスト化を実現できる。また、鋭い屈曲部、曲
線部がないことから、ホトリソグラフィ工程の加工精度
が緩和され、設備の低価格化、歩留りの向上によりコス
トを低減できる。さらに、分岐特性が導波路の複雑な形
状に依存せず、別プロセスで製作される光学薄膜に依存
するので、特性の管理が容易で、特性の均一化、性能の
向上を図れる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光分岐導波路の実体構成を示す斜
視図である。
【図2】本発明に係る光分岐導波路の実体構成を示す上
面図である。
【図3】本発明に係る製造方法を説明するための図であ
る。
【図4】本発明に係る光分岐導波路の応用例を示す図
で、1×4光分岐導波路の一例を示す図である。
【図5】本発明に係る光分岐導波路の応用例を示す図
で、マッハツェンダ型光変調器の構成例を示す図であ
る。
【図6】本発明に係る他の製造方法を説明するための図
である。
【図7】Y分岐導波路の構成例を示す図である。
【図8】Y分岐導波路の長さ特性を説明するための図で
ある。
【符号の説明】 10…光分岐導波路 11…基板 12,12a,12b…第1の光導波路 13…第2の光導波路 14…溝 15…部分反射・部分透過機能を有する光学素子 20…1/4光分岐導波路 21…基板 22a,22b,22c、23a−1,23a−2,2
3a−3,23a−4、23b−1,23b−2…光導
波路 24a〜24e…溝 25a〜25c…光学素子としての半透過反射膜 25d,25e…反射膜 30…マッハツェンダ型光変調器 31…基板 32a,32b、33a〜33d…光導波路 34a〜34d…溝 35a,35d…光学素子としての半透過反射膜 35b,35c…反射膜 36a〜36c…電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 靖博 茨城県つくば市和台25 エヌオーケー株式 会社内 (72)発明者 牛島 慎二 茨城県つくば市和台25 エヌオーケー株式 会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(11)と、 上記基板(11)に形成された第1の光導波路(12)
    と、 上記基板(11)に上記第1の光導波路(12)と所定
    の角度をもって交差するように形成された第2の光導波
    路(13)と、 上記基板(11)の少なくとも上記第1の光導波路(1
    2)と上記第2の光導波路(13)との交差領域に形成
    された溝(14)と、 少なくとも上記溝(14)の上記第1の光導波路(1
    2)と上記第2の光導波路(13)との交差領域におけ
    る一側面(14a)に設けられ、第1の光導波路(12
    a)を導波された入射光の一部を透過させて当該第1の
    光導波路(12b)に導波させるとともに、上記入射光
    の一部を反射して上記第2の光導波路(13)に導波さ
    せる光学素子(15)とを有する光分岐導波路。
  2. 【請求項2】 上記溝と光導波路とは、上記第1の光導
    波路から入射された光の上記光学素子による光反射角度
    と、上記第2の光導波路が上記第1の光導波路となす角
    度とが一致するように形成されている請求項1記載の光
    分岐導波路。
  3. 【請求項3】 上記光学素子は、導波光に対して透明な
    有機フィルムに光学薄膜が形成されて構成されている請
    求項1または2記載の光分岐導波路。
  4. 【請求項4】 上記光学素子は、導波光に対して透明な
    無機材料からなる薄板に光学薄膜が形成されて構成され
    ている請求項1または2記載の光分岐導波路。
  5. 【請求項5】 上記光学薄膜は、多層干渉膜または金属
    膜である請求項4または5記載の光分岐導波路。
  6. 【請求項6】 上記基板は、電気光学効果を有する部材
    からなる請求項1〜5のいずれかに記載の光分岐導波
    路。
  7. 【請求項7】 上記基板は、圧電効果を有する部材から
    なる請求項1〜6のいずれかに記載の光分岐導波路。
  8. 【請求項8】 上記光学素子の光を透過および反射させ
    る光分岐比が1:1である請求項1〜7のいずれかに記
    載の光分岐導波路。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に記載の光分岐導波路を少
    なくとも一組有し、その入力部または出力部の少なくと
    も一つの光導波路に他の光分岐導波路の光導波路を接続
    した光導波路回路。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の光分岐導波路を少な
    くとも一組有し、光導波路の一部に電気光学効果を発現
    させる電界を印加するための電極を有する光導波路回
    路。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の光分岐導波路を少な
    くとも一組有し、光導波路の一部に圧電効果を発現させ
    る電界を印加するための電極を有する光導波路回路。
  12. 【請求項12】 請求項5に記載の光分岐導波路の製造
    方法であって、 上記光学素子は、溝形成後、当該溝の一側面に形成され
    るように上記基板を傾斜させて蒸着またはスパッタリン
    グを行うことにより形成する光分岐導波路の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項5に記載の光分岐導波路の製造
    方法であって、 あらかじめ基板の表面に剥離可能な膜を形成し、 上記溝を形成した後、 当該溝の一側面に光学素子が形成されるように上記基板
    を傾斜させて蒸着またはスパッタリングを行い、 その後、基板表面の上記剥離可能な膜を剥離除去するこ
    とで、基板表面に形成された蒸着またはスパッタリング
    膜を除去する光分岐導波路の製造方法。
JP16618997A 1997-04-30 1997-06-23 光分岐導波路およびその製造方法、並びに光導波路回路 Pending JPH1114845A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6813433B2 (en) 2002-07-15 2004-11-02 Omron Corporation Method for manufacturing optical waveguide and optical waveguide device, optical waveguide device and optical waveguide, and optical communication apparatus using optical waveguide device
JP2008233700A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Ngk Insulators Ltd 光表面実装用導波路基板の製造方法

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