JPH1138243A - 光分岐導波路 - Google Patents

光分岐導波路

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JPH1138243A
JPH1138243A JP19162097A JP19162097A JPH1138243A JP H1138243 A JPH1138243 A JP H1138243A JP 19162097 A JP19162097 A JP 19162097A JP 19162097 A JP19162097 A JP 19162097A JP H1138243 A JPH1138243 A JP H1138243A
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waveguide
optical
optical waveguide
groove
substrate
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JP19162097A
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Jiro Toyama
二郎 外山
Ichiro Takatsu
一郎 高津
Takeshi Yamada
武司 山田
Yasuhiro Kubota
靖博 久保田
Shinji Ushijima
慎二 牛島
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製作が容易な小型で低コストで、しかも低損失
の光分岐導波路を提供する。 【解決手段】第1の光導波路12と第2の光導波路13
を交差させてなる光分岐導波路10は、交差する直線導
波路の光学薄膜15を挿入する溝14を形成する部分の
光導波路12bの部分Aの導波路幅を、その他の部分よ
りも大きく設定する。これにより、光路の屈折による光
路のずれを緩和でき、光学薄膜支持体、溝空隙を透過し
た後にも、効率良く後続する光導波路、または、光学薄
膜により反射後導波する光導波路に導入できる。その結
果光損失を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば光通信網
や自動車等の光配線部品、あるいは産業用機器の光信号
処理、光制御、光計測の光配線基板として用いられる光
分岐導波路および光導波路回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光分岐導波路は、光ファイバ通信網の家
庭端末配線の重要な光配線部品として、また、光ファイ
バ信号処理技術を応用した自動車の光配線、産業用機器
の光信号処理、光制御、光計測の光配線基板として利用
されている。
【0003】このような光分岐導波路は、一般的に、い
わゆるY分岐として図9に示すように、たとえばニオブ
酸リチウムからなる基板1に、一端側端面から光が入射
される直線状の入力導波路2、および入力導波路1の他
端側に対して所定角度をもって接続された2本の出力導
波路3,4が形成されて構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のY分
岐導波路は、通常シングルモード光を導波させるように
設計される。このため、その接続部の形状、導波路の曲
率、導波路長に設計上の制約があり、その回路長は長く
なる。以下に、Y分岐導波路の回路長が長くなる理由に
ついて、図10に関連付けて説明する。
【0005】たとえば、ニオブ酸リチウムを使用した光
分岐導波路の場合、シングルモードを維持しながら分岐
するための分岐角が約1度と非常に小さく、入力導波路
2と二つの出力導波路3,4とはほとんど直線状に接続
される。また、導波路のコアとクラッドの屈折率の差を
小さくしてシングルモード導波路としていることから、
その1度の勾配を入力導波路2に平行な導波路として矩
形基板1の端面に直交して引き出すためには、光の導波
路外への漏洩を防ぐために、図10に示すように導波路
の曲率Rを50mm以上にする必要がある。このため、曲
率部として5mm〜10mmの長さを必要とする。さらに、
導波路の接続部では導波路幅が一入力導波路側からみて
2倍になり、単純に接続すると、光の反射や伝送モード
の変換により伝送損失が増大する。このため、接続部を
テーパにしてゆるやかに伝送モードを変換するための余
分な長さ数mmが必要になる。また、二分岐導波路側から
直線状の入力導波路へ信号を伝送するためには接続点で
の伝送モードの乱れを緩和するために、直線状の入力導
波路も一定状に長さが必要となる。具体的には3mm以上
が必要になる。したがって、上述したY分岐導波路で
は、全長が約15mm以上になる。この長さでは、基板1
の幅は、その後の加工、部品の変形を配慮すると3mm以
上となる。
【0006】一見この形状は小さく感じられるが、導波
路幅が約5μmと半導体素子レベルであることを考慮す
ると、その幅の3000倍もの曲線を含む複雑な微細加
工が必要であることになり、その加工精度は半導体素子
を加工する以上の均一性が要求され、高いコストを要す
る。さらに、接続部の形状は、分岐特性、損失に影響す
るため、特に分岐中央錐状部は0.1μm程度の加工精
度が必要になり、これもさらに高精度加工が必要とな
り、コストの増大を招く。
【0007】また、コストの低減のためには、一枚の材
料基板から採れる素子数をより多くすることが必要だ
が、このサイズでは通常の半導体素子と比較して非常に
少ない収量になる。一般に、光部品の製作には3インチ
基板が用いられるが、上述した例では一基板から採れる
部品数は百個以下と少なく、生産性が低く、コスト高で
ある。これは同様な工程をとる多くの半導体素子が1mm
角以下であることと比較して考えると、非常に生産性が
悪く、コスト高である。
【0008】また、このY分岐導波路を多段接続して1
×4、1×8、1×16、・・、1×nの分岐回路を形
成するとさらに収量が低下し、コストが上がり、また均
一加工精度がより要求され、歩留りが低下するだけでな
く、基板の大きさの制約により、部品製作が不可能にな
ることにもなる。
【0009】以上説明したように、現在の光分岐導波路
は、家庭端末用部品として実用化するには、その形状の
複雑さ、寸法の大きさの点で生産性、コストの面で大き
な不利益がある。
【0010】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、製作が容易な小型で低コスト
で、しかも低損失の光分岐導波路を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光分岐導波路は、基板と、上記基板に形成
された第1の光導波路と、上記基板に上記第1の光導波
路と所定の角度をもって交差するように形成された第2
の光導波路と、上記第1の光導波路と上記第2の光導波
路との交差領域に設けられ、第1の光導波路を導波され
た入射光の一部を透過させて当該第1の光導波路に導波
させるとともに、上記入射光の一部を反射して上記第2
の光導波路に導波させる光学素子とを有し、少なくとも
一つの光導波路は、上記光学素子と面する導波路幅が他
の部分の導波路幅より大きく設定されている。
【0012】また、本発明の光分岐導波路は、基板と、
上記基板に形成された第1の光導波路と、上記基板に上
記第1の光導波路と所定の角度をもって交差するように
形成された第2の光導波路と、上記基板の少なくとも上
記第1の光導波路と上記第2の光導波路との交差領域に
形成された溝と、少なくとも上記溝の上記第1の光導波
路と上記第2の光導波路との交差領域に挿入され、第1
の光導波路を導波された入射光の一部を透過させて当該
第1の光導波路に導波させるとともに、上記入射光の一
部を反射して上記第2の光導波路に導波させる光学素子
とを有し、少なくとも一つの光導波路は、上記溝と面す
る導波路幅が他の部分の導波路幅より大きく設定されて
いる。
【0013】また、本発明の光分岐導波路は、基板と、
上記基板に形成された第1の光導波路と、上記基板に上
記第1の光導波路と所定の角度をもって交差するように
形成された第2の光導波路と、上記基板の少なくとも上
記第1の光導波路と上記第2の光導波路との交差領域に
形成された溝と、少なくとも上記溝の上記第1の光導波
路と上記第2の光導波路との交差領域に挿入され、第1
の光導波路を導波された入射光の一部を透過させて当該
第1の光導波路に導波させるとともに、上記入射光の一
部を反射して上記第2の光導波路に導波させる光学素子
とを有し、上記溝を挟む光導波路の中心軸が、当該溝部
の平均屈折率による光軸ずれに相当する寸法だけずれて
いる。
【0014】また、本発明では、上記溝と光導波路と
は、上記第1の光導波路から入射された光の上記光学素
子による光反射角度と、上記第2の光導波路が上記第1
の光導波路となす角度とが一致するように形成されてい
る。
【0015】本発明の光分岐導波路によれば、Y分岐導
波路のように複雑なテーパ形状の光導波路部分、大半径
の曲線導波路部分を要せず、光出力端部は光ファイバが
接続できるように分離され、形状は従来の部品に較べ小
型になる。また、比較的大きな交差角で製作されること
から、分岐部の形状は比較的容易に得られる。また、損
失、分岐比といった部品の特性は、部分透過・部分反射
膜に依存することから、特性の管理が容易になる。この
ように、小型で簡単な光導波路形状を実現する手段とし
て非常に有効であるが、光導波路とスネルの法則により
知られる光路の屈折が生じ、溝を交差した後に、接続さ
れている直線導波路に入射する際に光路のずれによる結
合損失を増加させ、光分岐導波路として、必要な挿入損
失特性を劣化させることがある。ところが、本光分岐導
波路は、交差する直線導波路の光学薄膜を挿入する溝を
形成する部分の光導波路の部分の導波路幅が、その他の
部分よりも大きく設定されていることから、光路の屈折
による光路のずれが緩和され、光学薄膜支持体、溝空隙
を透過した後にも、効率良く後続する光導波路、また
は、光学薄膜により反射後導波する光導波路に導入され
る。すなわち、本光分岐導波路によれば、光損失が低減
される。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る光分岐導波
路の一実施形態を示す上面図である。
【0017】図に示すように、本光分岐導波路10は、
たとえば使用波長に透明な基板11に対して、直線状を
なす2本の第1および第2の光導波路12および13
が、所定の角度、たとえば数十から90度の比較的大き
な角度で交差させて形成されている。また、基板11に
は、第1の光導波路12と第2の光導波路13との交差
領域を含むように、光導波路と所定の角度(たとえば4
5度)をなし、幅が約30μm幅で、深さが第1および
第2の光導波路12,13の深さ以上、たとえば10μ
m以上に設定された溝14が形成されている。そして、
溝14には、少なくとも溝14の第1の光導波路12と
第2の光導波路13との交差領域を含むように、第1の
光導波路12aを導波された入射光の一部を透過させて
第1の光導波路12bに導波させるとともに、入射光の
一部を反射して第2の光導波路13に導波させる部分反
射・部分透過機能を有する光学素子15が挿入されてい
る。以降、溝は光学薄膜、接着剤層をすべて含めたもの
とする。
【0018】第1の光導波路12の一端面が基板11の
第1側面11aに臨み、この第1の光導波路12の一端
面により光入射部が構成されている。また、第1の光導
波路12の他端面が基板11の第2側面11bに臨み、
第2の光導波路13の一端面が第1の光導波路12aの
一部と交差し、第2の光導波路13の他端面が基板11
の第3側面11cに臨むように構成されている。そし
て、第1の光導波路12の他端面および第2の光導波路
13の他端面により光出射部が構成されている。
【0019】すなわち、図1に示す光分岐導波路10で
は、第1の光導波路12の図中溝14を境にして左側部
分12aにより入力導波路が構成され、第1の光導波路
12の図中溝14を境にして右側部分12bおよび第2
の光導波路13により出力導波路が構成されている。
【0020】また、第1の光導波路12bは、溝14に
面する導波路の所定領域Aの幅が、第1の光導波路12
aおよび溝14に面していない導波路の幅より大きく設
定されている。そして、第1の光導波路12bにおいて
は、溝14に面した幅の広い導波路と面していない導波
路とは、図1に示すように、階段状に接続されている。
なお、溝14に接する部分の導波路幅は、溝部での屈折
に略相当する寸法を広げた光分岐幅である。導波路の外
周部は光ファイバーや発光受光素子とシングルモード結
合するため最適な導波路幅を必要とするので、図1のよ
うにその間で階段状に導波路幅を変化させている。この
ように、溝14に面する光結合部で一端光導波路に伝送
光を導入することにより、光軸のずれによる結合損失は
大きく低減する。
【0021】なお、溝14と光導波路とは、第1の光導
波路12から入射された光の光学素子15による光反射
角度と、第2の光導波路13が第1の光導波路12とな
す角度とが一致するように形成されている。
【0022】また、部分反射・部分透過機能を有する光
学素子15は、たとえば導波光に対して透明な有機フィ
ルムに光学薄膜が形成されて構成され、あるいは導波光
に対して透明な無機材料からなる薄板に光学薄膜(半透
過反射膜)が形成されて構成される。そして、光学薄膜
は、たとえば多層干渉膜または金属膜により構成され
る。
【0023】次に、上記光分岐導波路10の製造方法に
ついて簡単に説明する。なお、ここでは、光導波路とし
て基板11上に形成したポリマ導波路を用いる場合を示
す。
【0024】本光分岐導波路10は、シリコン等の基板
11に光導波路のバッファ層121となる低屈折率の高
分子を塗布した後、コア層122となる高屈折率の高分
子を塗布し、この高屈折率の高分子をホトリソグラフに
よるレジストパターンでマスクし、RIE等のドライエ
ッチングで図2に示すような、数ミクロンの導波路幅を
もつシングルモード光導波路の導波層を形成する。この
後このコア層122の側面および上面に低屈折率の高分
子を塗布し光導波路回路を作製する。しかる後、光学薄
膜を設置する幅数十ミクロンの溝をダイシングソー等で
形成する。この溝に光学薄膜を接着剤で隙間を充填しな
がら固定し、外部のファイバーと接続できるよう、外周
加工をして完成する。
【0025】コア層122を構成する高屈折率高分子と
して屈折率1.545の日立化成OPI−N1605、
バッファ層121を構成する低屈折率高分子として屈折
率1.530の同OPI−N1405等が利用される。
溝14に挿入充填する接着剤は、溝方向への導波モード
を誘起させないため、バッファ層屈折率以下の材料が好
ましい。光学薄膜は数ミクロンのフィルムに金属や誘電
体の多層膜を形成して通常のハーフミラーとして製作さ
れる。
【0026】なお、この構造で問題になるのが、溝の大
部分を占める低屈折率の接着剤層である。コアを伝送さ
れる導波光はこの接着剤層でスネルの法則に従って、屈
折し、溝の対向する部分に到達、再び光導波路に入射す
る。その際、屈折による光路軸が、本来の直線導波路の
軸からずれ、導波路入射時の結合損を生じる。
【0027】この光軸のずれは幾何光学的に求まり、図
3において、軸の移動量Δxは、次式で示すようにな
る。
【0028】
【数1】 Δx=w(tanφ2・cosφ1−sinφ1), φ2=sin-1(n1sinφ1/n2)
【0029】溝に充填する接着剤と光学薄膜の平均屈折
率を1.5とし、φ1を45°とする直交導波路分岐に
ついて、光軸の移動量を求めると、Δx=1.89μm
となる。シングルモード導波路は約5μmであり、この
光軸のずれは、結合損失を増大し、不都合である。実際
の設計では、溝に充填する材料の屈折率を制御すること
になるが、このずれを完全に無くすることは困難であ
る。そこで、溝14に接する部分の導波路幅は、溝部で
の屈折に略相当する寸法を広げた光分岐幅とする。導波
路の外周部は光ファイバーや発光受光素子とシングルモ
ード結合するため最適な導波路幅を必要とするので、図
1のようにその間で階段状に導波路幅を変化させてい
る。このように、溝14に面する光結合部で一端光導波
路に伝送光を導入することにより、光軸のずれによる結
合損失は大きく低減する。
【0030】なお、あらかじめSi基板に光ファイバの
接続に用いるV溝をエッチングにより形成させておくこ
とにより、ファイバの位置合わせ、部品作製工程減を図
れ、接続工程の簡素化が可能となる。
【0031】工業的に生産する場合には、たとえば3イ
ンチの基板全面に、たとえば1mmピッチの直交する網状
の光導波路を形成した後、その光導波路に格子の交点を
通る導波路に45度をなす溝を全面に加工し、その溝の
それぞれに細長い半透過反射膜リボンを挿入して接着固
定し、これをダイシング用支持膜に張りつけ、ダイシン
グソーで格子の中間点を通る導波路に直角(平行)直線
で切断して多数個の光分岐導波路を得ることができる。
【0032】また、半透過反射膜は、たとえばポリイミ
ドフィルムや硝子フィルム等に多層干渉反射膜等の光学
薄膜を蒸着、スパッタ等膜形成技術により形成すること
ができる。半透過反射膜の形成には、空間光学系におけ
るハーフミラーの作製技術が利用される。
【0033】なお、上記した例の工程は、本素子作製の
一つの例であり、固定順の変更、接着剤の塗布方法、導
波路の材料、導波路形成方法はそれぞれの材料、目的仕
様により変更しても、本発明の主旨を損なうものではな
い。
【0034】以上のようにして製造される光分岐導波路
10においては、入射光INが第1の光導波路12aに
導波される。この入射光は、第1の光導波路12aを伝
搬して溝14に挿入されている光学素子15に到達す
る。光学素子15では、導波光の一部が透過して再度第
1の光導波路12bに導波され、その他端面から第1の
分岐光DO1として出射される。また、残りの導波光の
一部あるいは全部は、光学素子15で反射されて第2の
光導波路13に導波され、その他端面から第2の分岐光
DO2として出射される。このとき、溝14に面する導
波路12bの幅が大きくされていることから、光路の屈
折による光路のずれが緩和され、光学薄膜15、溝空隙
を透過した後にも、効率良く後続する光導波路12b、
または、光学薄膜により反射後導波する光導波路13に
導入される。
【0035】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、使用波長に透明なSi基板11に対して、直線状を
なす2本の第1および第2の光導波路12および13
を、所定の角度で交差させて形成し、第1の光導波路1
2と第2の光導波路13との交差領域を含むように、光
導波路と所定の角度をなし、深さが第1および第2の光
導波路12,13の深さ以上に設定した溝14を形成
し、溝14には、少なくとも溝14の第1の光導波路1
2と第2の光導波路13との交差領域を含むように、第
1の光導波路12aを導波された入射光の一部を透過さ
せて第1の光導波路12bに導波させるとともに、入射
光の一部を反射して第2の光導波路13に導波させる部
分反射・部分透過機能を有する光学素子15を挿入した
ので、Y分岐導波路のように複雑なテーパ形状の光導波
路部分、大半径の曲線導波路部分を要せず、光出力端部
は光ファイバが接続できるように分離され、形状は従来
の部品に較べ小型になる。
【0036】また、本光分岐導波路10は、交差する直
線導波路の光学薄膜15を挿入する溝14を形成する部
分の光導波路12bの部分Aの導波路幅が、その他の部
分よりも大きく設定されていることから、光路の屈折に
よる光路のずれを緩和でき、光学薄膜支持体、溝空隙を
透過した後にも、効率良く後続する光導波路、または、
光学薄膜により反射後導波する光導波路に導入できる。
その結果光損失を低減できる利点がある。
【0037】また、反射膜を挿入する溝は約30μm幅
であり、導波路幅5〜10μm、光ファイバ径125μ
mとすれば、その作業性を考慮しても、1mm角以下の部
品とすることができる。極限として、接続する光ファイ
バの径に相当する125μm角の小型の部品とすること
ができる。これは、従来の分岐基板の1/100以下の
大きさとなり、一枚の材料基板から製作される部品数は
その逆数倍になり、一個当たりのコストは大きく低減す
る。また、比較的大きな交差角で製作されることから、
分岐部の形状は比較的容易に得られる。また、損失、分
岐比といった部品の特性は、部分透過・部分反射膜に依
存することから、特性の管理が容易になる。
【0038】また、外部回路との接続は、上記のように
光ファイバを直接接続することが可能であり、さらに、
基板端面の導波路開口に直接受光素子や発光素子を接着
することも可能である。また、本基板は比較的小さいこ
とから、取り扱いを容易にするために、この基板を支え
るこの基板より大きく安価な支持基板にこの基板を固定
して、その支持基板にV溝を設けて光ファイバを接続し
たり、その支持基板に受光素子や発光素子を固定して、
導波路と固定することも可能である。勿論、その支持基
板に電気配線を設けて受発光ユニットとすることもでき
る。
【0039】さらに、本光分岐導波路は、その機能の基
本となる1×2の光分岐導波路回路として用いられるこ
とは当然であるが、この機能を基板上に複数配置した1
×Nの光分岐導波路回路、他の光導波路回路と複合した
光導波路回路、これに電気光学効果、圧電効果、表面弾
性波効果を利用した光機能デバイスにも利用できる。
【0040】なお、上述した実施形態にあっては、溝1
4に面した幅の広い導波路と溝に面していない導波路と
は、その幅を階段状に変化させて接続した場合を例に説
明したが、たとえば図4あるいは図5に示すように、テ
ーパ状に導波路幅を変化させて接続するようにしても良
く、この場合も上述した効果と同様の効果を得ることが
できる。
【0041】また、上述した導波路幅の拡大は、図6に
示すように、逆方向からの光伝送に備え、溝14の両側
の導波路に適用することもできる。さらに、導波路の対
称性を確保するために、図7に示すように、導波路の両
側共拡大することも可能である。
【0042】さらに、上述した説明では、溝14に面す
る導波路幅を他の部分の導波路幅より大きく設定した構
成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。
たとえば図8に示すように、出力導波路としての第1の
光導波路12bの光軸を、溝を狭む入力導波路としての
第1の光導波路12aの光軸に対し、溝部の部材による
光軸ずれに相当する寸法だけ、平行に移動した構成とす
ることも可能である。
【0043】この場合、入力導波光の透過光軸は溝部材
で屈折した後、溝をはさんだ出力導波路の光軸と一致す
るので光軸ずれによる結合損失が生じない。この場合に
おいても、溝部材の屈折率のばらつきによる光軸の移動
を緩和するために溝に接する光導波路先端部の幅を広く
することも可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の光分岐導波路に較べ小さくでき、ひいては光導波
路部品の小型化を実現できる。その結果、従来と略同一
のプロセスで高い収量が得られ、また設備の一素子当た
りの稼働効率が向上し、低コスト化を実現できる。ま
た、小型化によりプロセスの均一性の要求度が、従来の
分岐に比較して低下し、その結果歩留りが向上し、この
点でも低コスト化を実現できる。また、鋭い屈曲部、曲
線部がないことから、ホトリソグラフィ工程の加工精度
が緩和され、設備の低価格化、歩留りの向上によりコス
トを低減できる。さらに、分岐特性が導波路の複雑な形
状に依存せず、別プロセスで製作される光学薄膜に依存
するので、特性の管理が容易で、特性の均一化、性能の
向上を図れる利点がある。
【0045】また、本発明によれば、光路の屈折による
光路のずれを緩和でき、光学薄膜支持体、溝空隙を透過
した後にも、効率良く後続する光導波路、または、光学
薄膜により反射後導波する光導波路に導入できる。その
結果光損失を低減できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光分岐導波路の一実施形態を示す
上面図である。
【図2】本発明に係る光分岐導波路の製造方法の説明図
である。
【図3】本発明に係る光分岐導波路の溝による光軸移動
の幾何学構造を説明するための図である。
【図4】テーパ状に接続された本発明に係る光分岐導波
路の導波路交差部の拡大図である。
【図5】テーパ状に接続された本発明に係る光分岐導波
路の導波路交差部の他の例を示す拡大図である。
【図6】溝の両側の光導波路の幅を大きく設定した本発
明に係る光分岐導波路の導波路交差部の拡大図である。
【図7】溝の両側の光導波路の幅を大きく設定した本発
明に係る光分岐導波路の導波路交差部の他の例を示す拡
大図である。
【図8】導波路の光軸を移動させた本発明に係る光分岐
導波路の導波路交差部の拡大図である。
【図9】Y分岐導波路の構成例を示す図である。
【図10】Y分岐導波路の長さ特性を説明するための図
である。
【符号の説明】
10…光分岐導波路 11…基板 12,12a,12b…第1の光導波路 13…第2の光導波路 14…溝 15…部分反射・部分透過機能を有する光学素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 靖博 茨城県つくば市和台25 エヌオーケー株式 会社内 (72)発明者 牛島 慎二 茨城県つくば市和台25 エヌオーケー株式 会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 上記基板に形成された第1の光導波路と、 上記基板に上記第1の光導波路と所定の角度をもって交
    差するように形成された第2の光導波路と、 上記第1の光導波路と上記第2の光導波路との交差領域
    に設けられ、第1の光導波路を導波された入射光の一部
    を透過させて当該第1の光導波路に導波させるととも
    に、上記入射光の一部を反射して上記第2の光導波路に
    導波させる光学素子とを有し、 少なくとも一つの光導波路は、上記光学素子と面する導
    波路幅が他の部分の導波路幅より大きく設定されている
    光分岐導波路。
  2. 【請求項2】 基板と、 上記基板に形成された第1の光導波路と、 上記基板に上記第1の光導波路と所定の角度をもって交
    差するように形成された第2の光導波路と、 上記基板の少なくとも上記第1の光導波路と上記第2の
    光導波路との交差領域に形成された溝と、 少なくとも上記溝の上記第1の光導波路と上記第2の光
    導波路との交差領域に挿入され、第1の光導波路を導波
    された入射光の一部を透過させて当該第1の光導波路に
    導波させるとともに、上記入射光の一部を反射して上記
    第2の光導波路に導波させる光学素子とを有し、 少なくとも一つの光導波路は、上記溝と面する導波路幅
    が他の部分の導波路幅より大きく設定されている光分岐
    導波路。
  3. 【請求項3】 上記溝と光導波路とは、上記第1の光導
    波路から入射された光の上記光学素子による光反射角度
    と、上記第2の光導波路が上記第1の光導波路となす角
    度とが一致するように形成されている請求項2記載の光
    分岐導波路。
  4. 【請求項4】 幅の広い光導波路と他の導波路部分とが
    階段状に接続されている請求項1または2記載の光分岐
    導波路。
  5. 【請求項5】 幅の広い光導波路と他の導波路部分とが
    テーパ状に接続されている請求項1または2記載の光分
    岐導波路。
  6. 【請求項6】 基板と、 上記基板に形成された第1の光導波路と、 上記基板に上記第1の光導波路と所定の角度をもって交
    差するように形成された第2の光導波路と、 上記基板の少なくとも上記第1の光導波路と上記第2の
    光導波路との交差領域に形成された溝と、 少なくとも上記溝の上記第1の光導波路と上記第2の光
    導波路との交差領域に挿入され、第1の光導波路を導波
    された入射光の一部を透過させて当該第1の光導波路に
    導波させるとともに、上記入射光の一部を反射して上記
    第2の光導波路に導波させる光学素子とを有し、 上記溝を挟む光導波路の中心軸が、当該溝部の平均屈折
    率による光軸ずれに相当する寸法だけずれている光分岐
    導波路。
  7. 【請求項7】 上記溝と光導波路とは、上記第1の光導
    波路から入射された光の上記光学素子による光反射角度
    と、上記第2の光導波路が上記第1の光導波路となす角
    度とが一致するように形成されている請求項6記載の光
    分岐導波路。
JP19162097A 1997-04-30 1997-07-16 光分岐導波路 Pending JPH1138243A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009041571A1 (ja) * 2007-09-27 2009-04-02 Alps Electric Co., Ltd. 交差型導光路

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