JP2003344330A - 内部空間を有する板材の形状欠陥検査方法及び装置 - Google Patents

内部空間を有する板材の形状欠陥検査方法及び装置

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JP2003344330A JP2002154244A JP2002154244A JP2003344330A JP 2003344330 A JP2003344330 A JP 2003344330A JP 2002154244 A JP2002154244 A JP 2002154244A JP 2002154244 A JP2002154244 A JP 2002154244A JP 2003344330 A JP2003344330 A JP 2003344330A
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利憲 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部空間を有する板材の形状欠陥検査方法及
び装置において、内部空間にまで貫通する孔開き不良
や、表層及び深部において発生する剥離不良などの高精
度の欠陥検査を可能とする。 【解決手段】 内部空間2aを有する板材(検査物)2
の形状欠陥検査装置1は、検査物2を第1温度室3aに
おいて略一様な第1温度T1とされ、搬送コンベア5に
より搬送され、第2温度室3bにおいて第2温度T2の
雰囲気のもとで反射板6を介して赤外線カメラ7により
その赤外線画像が撮像される。画像処理装置8におい
て、板材の内部空間に存在する空気の熱容量の効果、欠
陥内部の空気層の蓄熱現象、及び板材外面における形状
欠陥の種別と形状の相違による赤外線の放射率の違いに
基づいて、赤外線画像処理により欠陥候補箇所の欠陥種
別及び欠陥判定が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部空間を有する
セメント系建材の形状欠陥を赤外線画像を用いて検査す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、軽量化と断熱効果のための内部空
間を有する板材の形状欠陥に起因する外観不良の検査に
おいて、目視検査や通常の可視光検出の撮像カメラによ
る外観検査が行われている。また、ハニカム構造体に限
定し内部空間を有する薄い板状材料の外装面に接着した
接着構造物の非破壊検査において接着構造物を一様温度
に昇温し、冷却過程において表面温度の分布を赤外線画
像により識別して接着部における欠陥を検知する方法が
知られている(例えば、特開平3−24449号公報参
照)。また、物体内部の剥離、亀裂、空洞等の欠陥の存
在を、赤外線映像装置を用いて測定した物体の表面温度
分布図である熱画像の濃淡分布の2階微分による変曲点
をもとに自動検出する方法が知られている(例えば、特
開平2001−50921号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た目視検査や通常の可視光検出の撮像カメラによる外観
検査では、地色と形状欠陥部のコントラストが明瞭でな
い場合、欠陥検出が難しいという問題がある。また、上
記の特開平3−24449号公報に示される方法におい
ては、一定厚さの接着層の有無により赤外線画像の明暗
が明瞭に現れるものが検査対象とされている。また、特
開平2001−50921号公報に示される方法におい
ては、下地コンクリートから剥離したモルタルのような
欠陥であって、欠陥部分が熱絶縁された状態になり欠陥
部分の熱容量が小さくなるため昇温乃至降温の変化が欠
陥周辺部よりも速い状況のもとで温度分布の変化領域を
自動検出できるものが検査対象とされている。従って、
これらの方法では、セメント系の材料からなる内部空間
を有する板状の建材においては、内部空間にまで貫通す
る孔開き不良や、表層より深部において発生する剥離不
良などの検査が難しいという問題がある。
【0004】本発明は、上記の課題を解消するものであ
って、内部空間にまで貫通する孔開き不良や、表層及び
深部において発生する剥離不良の検査を可能とする、内
部空間を有する板材の形状欠陥検査方法及び装置を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、請求項1の発明は、建材などの内部空間を有する
板材の形状欠陥検査方法において、予め板材を第1の温
度雰囲気で第1の温度状態に安定化しておく工程と、前
記板材を第2の温度雰囲気にさらすと共に、板材が第2
の温度状態に変化していく過程にて赤外線カメラで板材
の検査部分の赤外線画像を撮像する工程と、前記赤外線
画像の濃淡変化が、ある閾値以上となる部分を形状欠陥
候補箇所として検出する工程と、検出した形状欠陥候補
箇所の明暗の分布状態に基づいて、その形状欠陥候補箇
所の欠陥の種類を判別する工程とを有するものである。
【0006】上記の形状欠陥検査方法においては、予め
板材を第1の温度状態に安定化しておき、その後、第2
の温度雰囲気にさらして温度変化の過程にて赤外線カメ
ラで板材の検査部分の赤外線画像を撮像するので、板材
の内部空間に存在する空気の熱容量の効果及び欠陥内部
の空気層の蓄熱現象により板材外面における形状欠陥の
種別を反映して濃淡又は明暗の強調された赤外線画像の
撮影が可能となる。そして、得られた赤外線画像は、形
状の相違による赤外線の放射率の違いをも反映してお
り、その画像の濃淡変化データから形状欠陥候補箇所の
濃度閾値判定や明暗の分布状態に基づいた欠陥種別及び
欠陥判定が可能となる。
【0007】請求項2の発明は、請求項1記載の形状欠
陥検査方法において、検出した形状欠陥候補箇所の内側
部分とその外部周辺部分との濃度変化がある閾値以上で
あれば、その形状欠陥候補箇所を内部空間まで貫通する
孔開き不良又は割れ不良と判定するものである。この形
状欠陥検査方法においては、得られた赤外線画像が、形
状の相違による赤外線の放射率の違いを反映しており、
赤外線画像における形状欠陥候補箇所の内側部分とその
外部周辺部分との濃度変化に基づいて内部空間まで貫通
する孔開き不良又は割れ不良であると判定することがで
きる。
【0008】請求項3の発明は、請求項1記載の形状欠
陥検査方法において、検出した形状欠陥候補箇所の輪郭
部分と該輪郭部分の外部周辺部分と該輪郭部分の内部部
分とについて、該外部周辺部分が該輪郭部分よりも第1
の温度側に近い温度を示す明るさであり、該内部部分が
該外部周辺部分よりも第2の温度側に近い温度を示す明
るさであれば、その形状欠陥候補箇所を剥離不良又は浮
き不良と判定するものである。この形状欠陥検査方法に
おいては、得られた赤外線画像が、形状の相違による赤
外線の放射率の違いを反映しており、赤外線画像におけ
る明暗パターンから形成された輪郭を有した形状欠陥候
補箇所について、輪郭外部周辺と輪郭部分と輪郭内部と
における温度(赤外線画像における濃淡又は明暗)を比
較することとしているので剥離不良又は浮き不良である
と判定することができる。
【0009】請求項4の発明は、請求項1記載の形状欠
陥検査方法において、検出した形状欠陥候補箇所の輪郭
部分における温度が、該輪郭部分の外部周辺部分と該輪
郭部分の内部部分とのいずれか低い温度よりもさらに、
許容範囲以上低い温度を示す濃度であれば該輪郭部分を
穴部エッジと判断し、その形状欠陥候補箇所を穴開き不
良と判定する工程を有するものである。この形状欠陥検
査方法においては、得られた赤外線画像が、形状の相違
による赤外線の放射率の違いを反映しており、欠陥候補
箇所の穴あき形状について平面部分から穴になるエッジ
近傍の穴壁面角度が略90゜程度である場合、赤外線の
放射率が低下して形状欠陥候補箇所の正常部と穴内部の
濃淡値よりも暗くなるため、形状欠陥候補箇所における
輪郭部分周辺の温度を比較することとしているので穴開
き不良であると判定することができる。
【0010】請求項5の発明は、請求項4記載の形状欠
陥検査方法において、検査対象物である板材が移動して
いる場合、検出した形状欠陥候補箇所の輪郭部分周辺に
おける前記赤外線画像の濃淡変化パターンをサーチする
方向を前記検査対象物の移動方向と交差する方向とする
ものである。この形状欠陥検査方法においては、検査物
の移動方向と直交する方向について赤外線画像の濃淡パ
ターンを検査することとしているので、シャッタ機能の
ない赤外線カメラを用いて移動する物体を撮像した場合
も、その画像中の濃淡変化を精度よく検出することがで
きる。
【0011】請求項6の発明は、請求項1記載の形状欠
陥検査方法において、検出した形状欠陥候補箇所の内側
部分について、時間差を持たせた複数の赤外線画像間の
濃度変化量が、前記形状欠陥候補箇所の外側部分におけ
る濃度変化量よりも小さいときは、その形状欠陥候補箇
所を内部空間まで貫通する孔開き不良又は割れ不良と判
定するものである。この形状欠陥検査方法においては、
時間差を持たせた赤外線画像について濃度変化を比較す
ることとしているので内部空間まで貫通する孔開き不良
又は割れ不良であると判定することができる。
【0012】請求項7の発明は、請求項1記載の形状欠
陥検査方法において、検出した形状欠陥候補箇所の内側
部分について、時間差を持たせた複数の赤外線画像間の
濃度変化量が、前記形状欠陥候補箇所の輪郭部分におけ
る濃度変化量よりも大きいときは、その形状欠陥候補箇
所を剥離不良又は浮き不良と判定するものである。この
形状欠陥検査方法においては、時間差を持たせた赤外線
画像について濃度変化を比較することとしているので剥
離不良又は浮き不良を同定することができる。
【0013】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7
のいずれかに記載の形状欠陥検査方法において、撮像し
た赤外線画像にぼかし処理を行ったぼかし赤外線画像を
生成し、撮像した赤外線画像からぼかし赤外線画像を減
算した差分画像を生成する工程と、この差分画像に基づ
いて形状欠陥候補箇所を検出する工程と、検出した形状
欠陥候補箇所の差分画像の明暗の分布状態に基づいて、
その形状欠陥候補箇所の欠陥の種類を判別する工程とを
有するものである。この形状欠陥検査方法においては、
ぼかし赤外線画像を生成して差分画像を生成し、この差
分画像に基づいて形状欠陥候補箇所の種類を判別するこ
ととしているので、表面のテクスチャ、面粗さ、正常な
内部空間の赤外線画像の影響を除去することができ、検
査判定精度が向上することができる。
【0014】請求項9の発明は、請求項1乃至請求項7
のいずれかに記載の形状欠陥検査方法において、撮像し
た赤外線画像又は複数の画像間の差分画像に微分処理を
行い、検出した欠陥候補箇所について所定の微分値以上
となる微分値の累積値を求め、この累積値が所定値を超
えたものを孔開き不良又は割れ不良と判定するものであ
る。この形状欠陥検査方法においては、赤外線画像に微
分処理を施してその微分値の累積値により不良判定を行
うこととしているので、孔開き不良又は割れ不良を精度
よく判定することができる。
【0015】請求項10の発明は、請求項1乃至請求項
9のいずれかに記載の形状欠陥検査方法において、検査
対象物である板材の温度を検査直前に計測し、計測され
た温度値に基づいて検査判定用パラメータを切り替える
ものである。この形状欠陥検査方法においては、直前温
度計測値に基づいて検査判定用パラメータを切り替える
こととしているので、検査対象物の温度変化に対応した
検査をすることができる。
【0016】請求項11の発明は、請求項1乃至請求項
10のいずれかに記載の形状欠陥検査方法において、形
状欠陥候補を検出した後、形状欠陥候補部を強制加熱又
は強制冷却して、再度赤外線画像を撮像する工程と、当
該赤外線画像の形状欠陥候補部の濃度変化の大きさに基
づいて、表面部分の欠陥か、これより深い部分の欠陥か
を判別する工程とを有するものである。この形状欠陥検
査方法においては、形状欠陥候補部を強制加熱又は強制
冷却して、再度赤外線画像を撮像して欠陥検査を行うこ
ととしているので、形状欠陥候補部における欠陥の深さ
を判別することができる。
【0017】請求項12の発明は、請求項1乃至請求項
10のいずれかに記載の形状欠陥検査方法において、第
1の温度を常温より高い温度又は低い温度に設定し、第
2の温度を常温としたものである。この形状欠陥検査方
法においては、第1の温度が常温より高い温度の場合
は、例えば検査物の乾燥工程などがあればこれを利用し
て、常温に戻す時に検査をすることができ、また、第1
の温度が常温より低い温度の場合、検査物の昇温過程に
形状欠陥検査を行うので、例えば冷却工程を有する検査
材の製造工程又は評価試験工程等において常温に戻す時
にこの検査方法が活用できる。また、両方の場合におい
て、赤外線カメラなどの検査器具を常温雰囲気において
用いることができる。
【0018】請求項13の発明は、内部空間を有する板
材を検査物として赤外線カメラで検査物の検査部分を撮
像する赤外線カメラを備えた形状欠陥検査装置におい
て、予め検査物を第1の温度雰囲気で第1の温度状態に
安定化しておき、検査時には検査物を第2の温度雰囲気
にさらす検査物温度調節手段と、検査時に検査物が第2
の温度状態に変化していく過程にて前記赤外線カメラで
撮像した赤外線画像をもとに形状欠陥候補箇所の欠陥の
種類を判別する画像処理手段とを備え、この画像処理手
段は、赤外線画像の濃淡変化に基づいて形状欠陥候補箇
所を検出する過程、及び検出した形状欠陥候補箇所の明
暗の分布状態に基づいてその形状欠陥候補箇所の欠陥の
種類を判別する過程とを有するものである。
【0019】上記構成の形状欠陥検査装置においては、
検査物温度調整手段を備えているので、予め検査物を第
1の温度状態に安定化しておき、検査時に、第2の温度
状態に変化していく過程にて検査対象物の赤外線画像と
を計測することができる。また、得られた赤外線画像に
ついて形状欠陥候補箇所の欠陥の種類を赤外線画像の濃
淡変化又は明暗の分布状態に基づいてその形状欠陥候補
箇所の欠陥の種類を判別する画像処理手段を備えること
としているので、得られた赤外線画像の濃淡変化データ
から形状欠陥候補箇所の濃度閾値判定や明暗の分布状態
に基づいた欠陥種別及び欠陥判定が可能となる。
【0020】請求項14の発明は、請求項13記載の形
状欠陥検査装置において、検査物と赤外線カメラの間の
光路上に検査物から発する赤外線を反射させる所定の粗
さの反射面を有する反射板を備えたものである。この構
成の形状欠陥検査装置においては、検査物と赤外線カメ
ラの間の光路上に赤外線を反射させる所定の粗さの反射
面を有する反射板を備えることとしたので、反射板の材
質と面粗さの赤外線放射率の調整による最適画像の撮像
や装置の小型化ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
内部空間を有する板材の形状欠陥検査方法及び装置につ
いて図面を参照して説明する。図面中の共通する部材に
は同一符号を付して重複説明を省略する。図1(a)に
示されるように、内部空間を有する板材(以下、検査
物)の形状欠陥検査装置(以下、検査装置)1は、検査
物2を第1の温度雰囲気にさらして安定な略一様な温度
T1にする第1温度室3aと第2温度雰囲気T2にさら
す第2温度室3bから成る検査物温度調節手段と、第1
温度室3aから第2温度室3bに検査物2を搬送する搬
送コンベア5とを備えている。第2温度室3bには検査
物からの赤外線IRを反射する反射板6と、この反射板
6に反射された赤外線IRを受光して検査物2の赤外線
像を撮像する赤外線カメラ7が備えられており、この赤
外線カメラ7からの画像データは画像処理装置(画像処
理手段)8に送られる。また、検査物2は、図1(b)
に示されるように、内部空間2aを有した板状材であ
り、その面は、建材として凹凸を有する表装面2bと平
坦な施工面2cからなる。この施工面2cにおいて形状
欠陥があると施工時に板材の破損等の問題が発生する。
【0022】そして、上記構成の検査装置1において、
検査対象である検査物2は、第1温度室3aで第1の温
度にされた後、第2温度室3bで第2の温度にさらさ
れ、その温度変化の過程において形状欠陥部分の赤外線
画像が撮像され、その赤外線画像は画像処理装置8にお
ける画像メモリに格納されると共に、画像処理により形
状欠陥候補箇所の選定及びその候補箇所の検査と判定が
行われる。第2の温度を常温とすることにより、第1の
温度が常温より高い温度の場合は、例えば検査物の乾燥
工程などがあればこれを利用して、常温に戻す時に検査
をすることができ、また、第1の温度が常温より低い温
度の場合、検査物の昇温過程に形状欠陥検査を行うの
で、例えば冷却工程を有する検査材の製造工程又は評価
試験工程等において常温に戻す時にこの検査方法が活用
できる。そして、第2の温度を常温とすることにより、
両方の場合において、赤外線カメラなどの検査器具を常
温雰囲気において用いることができる。また、赤外線反
射板6は、ある粗さの金属板であり、検査対象物の表面
テクスチャなどによる微小な赤外線放射変動分を除去す
る機能を有している。
【0023】以下に、赤外線画像の濃度変化に基づいた
形状欠陥の判別及び判定方法について、図2及び図3を
参照して説明する。図2(a)に示されるように、内部
空間2aまで貫通する孔開き不良10又は割れ不良の場
合、第1の温度を常温より30〜50℃高い乾燥工程の
ような高温雰囲気とし第2の温度を常温とすることによ
り、図2(b)に示されるような赤外線画像Gが得られ
る。第1の雰囲気で高温となった検査物2が第2の常温
雰囲気にさらされることにより、板材表面の正常部分1
0aは、急速に冷却されて常温に近づき、図2(b)の
領域11aのように暗くなるが、内部空間に貫通する形
状欠陥部分である孔開き不良10の部分においては、内
部の加熱された空気が蓄熱しているため赤外線画像は領
域11のように明るく見える。従って、このような孔開
き不良の赤外線画像Gにおけるサーチ方向Xについての
赤外線の強度分布Iは、一般に図2(c)に示すものと
なる。この図のように、第1の温度T1から第2の温度
T2に降温する場合、上に凸となる赤外線強度分布部分
が、ある閾値Hを越えるとき、その凸部に対応する検査
物2の表面に孔開き不良があると判定することができ
る。逆に、第1の温度T1から第2の温度T2に昇温す
る場合、孔開き不良がある部分における赤外線の強度分
布Iは、図2(d)に示すようになり、下に凸となる赤
外線強度分布部分が、ある閾値Hを越えているとき、そ
の位置に対応する検査物2の表面に孔開き不良があると
判定することができる。
【0024】また、内部空間までは貫通しないで表面に
現れる剥離不良又は浮き不良は、図3(a)に示される
ように、不良箇所20において剥離物21aが浮き上が
ったような状態であるため、剥離物21aの下部に空間
20bが構成された状態になっている。このため、この
空間20bに存在する空気が第1の温度T1を保持して
おり、正常部20c及び剥離部20aとは異なる赤外線
強度を示すことになる。第1の温度T1から第2の温度
T2に降温する場合、図3(b)に示されるように、剥
離不良20の赤外線画像Gにおいて、剥離物21aに対
応する領域21aが最も暗くなり、正常部20cに対応
する領域21cが次に暗くなり、空間20bに対応する
領域21bが明るくなる。このように、赤外線画像にお
いて検出した形状欠陥候補箇所の輪郭部分が空間20b
に、その輪郭の外部周辺部分が正常部20cに、そして
輪郭部分の内部部分が剥離物21aに対応するため、剥
離不良または浮き不良の場合、欠陥候補箇所の輪郭に沿
った濃淡パターンをもとに当該不良であるとの判定が可
能となる。このような剥離不良または浮き不良の赤外線
画像Gにおけるサーチ方向Xについての赤外線の強度分
布Iは、図3(c)に示すものとなる。この図におい
て、上に凸の領域22bが輪郭部分に、下に凸の領域2
2aが内部部分(剥離物)に、そして両側の領域22c
が正常部に対応する。特に、異物付着が原因で発生する
浮き不良のような場合、第2の温度T2を第1の温度T
1よりも低くすることにより、異物周囲に現れる環状の
濃淡パターンから検出が容易になる。
【0025】次に、形状欠陥が微小なものである場合の
形状欠陥の判別及び判定方法について、図4乃至図8を
参照して説明する。上述の説明は、比較的大きな欠陥の
場合であり、赤外線画像の濃度変化により比較的容易に
形状欠陥の判別と判定が可能であるが、欠陥が微小なも
のである場合、形状欠陥内の温度とその周辺の温度差が
小さく、赤外線画像の濃淡値のみから欠陥の種類を判別
することが難しくなる。また、検査物の構造や正常な表
面状態に起因して現れる赤外線画像の構造と形状欠陥に
よる赤外線画像の構造とが紛らわしい場合には、誤判定
対策の処理を行う必要がある。より詳細な画像処理を行
い、欠陥候補箇所周辺の温度変化(赤外線強度Iからの
換算温度Tの変化)及びその変化の割合に基づいた処理
を行うことにより欠陥部と正常部の判別が可能となる。
その方法として、欠陥候補箇所輪郭近傍の濃淡値分布の
場所による変化率(微分処理)から欠陥部と正常部分の
区別を行うものと、時間変化率から行うものがある。以
下、順に説明する。
【0026】セメント系の建材の検査物における形状欠
陥の中で、問題となる微小欠陥には、図4(a)に示さ
れるような穴部30が施工面2cに略垂直な面(輪郭
部)30aを有して発生するものがある。この微小欠陥
の穴部30、輪郭部30a、そして正常部30bに対応
する温度分布Tは、図4(b)に示されるように、欠陥
輪郭近傍では、正常部分の温度31bから一旦低い温度
31aになり、その後、欠陥部の高温状態31に変化す
る。これは、この微小欠陥の輪郭部分が、図4(a)に
あるように、90°程度の形状変化をしており、この部
分において赤外線の放射率が低下しているからである。
従って、図4(b)における温度変化を検知することに
より、問題の微小欠陥を判別し、判定することができ
る。なお、この穴部30は貫通していても、貫通してい
なくても同様に判定することができる。また、穴の径を
W、穴の深さをDとするればD/Wが3以上のとき欠陥
輪郭近傍の特徴が明瞭となって欠陥と判定し易く、特に
D/Wが5以上であれば、確実な判定ができる。
【0027】上記のような温度変化をとらえるために、
次のような赤外線画像のサーチ処理を行う。計測対象物
が移動している場合、図5(a)に示されるように、撮
影された赤外線画像Gは移動方向に流れた画像となる。
この赤外線画像Gは、検査物の移動方向が矢印Vに示す
上方向であり、このため、微小欠陥40の画像の上下領
域41,42が流れた画像になっている。また、この画
像は第1の温度T1から第2の温度T2への降温状態に
おける画像であり、正常部43が暗く微小欠陥部40が
明るい画像となっている。このように移動している検査
物の赤外線画像において欠陥候補箇所輪郭近傍の濃淡値
の変化から欠陥を識別する場合の欠陥サーチ方向は、移
動方向Vに交差する方向Xとする。サーチ方向Xにおけ
る微小欠陥40周辺の赤外線強度分布Iは、欠陥が微小
であるため、図5(b)に示すように、正常部領域43
aと欠陥部領域40aの差が少ないものになるが、微小
欠陥の判別が可能なパターンが示されている。そこで、
この交差方向の濃淡変化率を計算するため、図6に示す
ような斜め方向微分フィルタを用いて赤外線画像の微分
(差分)処理を行う。図6に示すフィルタによると1回
のフィルタ処理でX方向、Y方向の濃淡変化が捉えら
れ、効率的に所望の微分処理が可能となる。以上のよう
に、検査物の移動方向と交差する方向に形状欠陥のサー
チと共に微分処理を行い、欠陥候補輪郭近傍の濃淡変化
を求めると、欠陥部分では微分値が大きいことから欠陥
部と正常部を判断することが可能となる。
【0028】次に、赤外線強度の時間変化率に基づく検
査方法について説明する。第2の温度雰囲気においた状
態で、ある時間間隔で複数の画像を撮像すると、図7に
示されるように時間t1において、表面近傍にある浅い
欠陥の温度(赤外線強度からの換算温度)は、第2温度
T2と同等となるが、孔開き不良や割れ不良といった内
部空間に到達するような深い欠陥の温度は、なお温度変
化の途中であり、さらに時間経過した時間t2において
も、まだある温度を維持している。赤外線画像の明暗パ
ターンの時間変化を見たとき、時間t1までに消えてし
まうような明暗パターンの場合は、その欠陥については
第1温度T1を維持するための熱量をもった空気層が薄
いということを意味し、その欠陥は表面に現れる剥離不
良または浮き不良と判別することができる。このよう
に、温度変化の緩慢に基づいて深い欠陥と浅い欠陥の種
類の判別ができる。
【0029】また、形状欠陥部候補箇所の周辺における
温度分布の時間変化率に基づく欠陥検査方法において
は、図8(a)に示されるように、検査物を高温の第1
温度T1にした後低温の第2温度T2雰囲気にさらし
て、時間t1と時間経過Δtの時間t2=t1+Δtと
の温度分布が測定される。そして、検出した形状欠陥候
補箇所の内側部分aにおける赤外線画像間の濃度変化量
d1が、外側部分bにおける濃度変化量d2よりも小さ
いときは、その形状欠陥候補箇所を内部空間まで貫通す
る孔開き不良又は割れ不良と判定することができる。ま
た、図8(b)に示されるように、検出した形状欠陥候
補箇所の内側部分aについて、時間差Δtを持たせた複
数の赤外線画像間の濃度変化量d1が、前記形状欠陥候
補箇所の輪郭部分bにおける濃度変化量d2よりも大き
いときは、その形状欠陥候補箇所を剥離不良又は浮き不
良と判定することができる。
【0030】次に、欠陥誤検出の対策について説明す
る。内部空間を有する板材においては、上記のように、
内部空間に存在する空気の熱容量の効果により形状欠陥
検査が可能となっている。しかし、検査物の内部空間や
表面の構造、正常な表面状態などに起因して現れる正常
な赤外線画像の構造が、形状欠陥による赤外線画像の構
造と紛らわしい場合、欠陥誤検出の原因となる。特に、
内部空間が板厚に対し大きい場合、内部空間に第1温度
T1の空気が十分にあるため第2温度T2中に置いて
も、その内部空間外部の表面における赤外線画像は、圧
倒的に第1の温度に近い濃淡値となり、微小な欠陥によ
る濃淡構造がその中に埋もれてしまい、欠陥誤検出又は
欠陥見逃しの原因となる。この問題を解決するために、
検査物の赤外線画像にガウシアンフィルタのようなぼか
し処理を行った後、この画像とぼかし処理を行っていな
い画像との差分を取ることにより欠陥部分を強調した画
像を作成する。この画像に対して形状欠陥の検査判定の
処理を行うことにより検査性能を向上させることができ
る。
【0031】上記の差分を取った画像に対して微分処理
を施すことにより形状欠陥を検出する方法について、図
9に示すフローチャートを参照して説明する。まず、第
2温度T2の雰囲気中で赤外線画像を撮像する(S10
0)。この赤外線画像に対しガウシアンフィルタをかけ
ることにより低周波成分の画像を作成する(S10
1)。このぼかし処理が行われた低周波成分の赤外線画
像には、濃淡変化の緩やかな成分のみが残っており、こ
の画像は、形状欠陥による画像の濃淡変化が除去された
正常な検査物本来の状態を示す赤外線画像と見なせるも
のになっている。そこで、ガウシアンフィルタをかける
前の赤外線画像とフィルタ処理後の赤外線画像の差分を
取ることにより欠陥がない場合の温度分布が除去され、
欠陥部分を強調した画像が得られる(S102)。次
に、形状欠陥部分を抽出する前処理として、この画像に
対して微分フィルタをかけて画像の微分処理を行う(S
103)。微分処理して得られた2次元の微分データに
対し、形状欠陥候補箇所において、ある値以上になった
微分値を抽出して積算しその累積値を求める(S10
4,S105)。微分値の積算を全ての形状欠陥候補に
ついて行う(S106)。最後に、得られた累積値が所
定の閾値以下の場合、その検査物は良品と判定し(S1
07でyes)、そうでない場合は、不良品と判定する
(S107でno)。この判定方法においては、元の赤
外線画像における形状欠陥部分は、既に第2温度T2に
近くなった正常な部分よりも温度が高く(降温過程T1
>T2を仮定)、また、形状欠陥部分においては上記の
微分値の高い部分が連なっているという現象に基づいて
いる。この検査により、ある程度の大きさがある欠陥部
分は自動的に検出が可能である。
【0032】次に、強制加熱又は強制冷却により微小欠
陥を検査する方法について図10と図11を参照して説
明する。微小な欠陥の中には、第2の温度雰囲気中に移
行した後、第1の温度を維持する時間が非常に短く、す
ぐに第2の温度となってしまうため不良の判別が難しい
ものがある。このような場合は、図10に示されるよう
に、検査物2が第2の温度の雰囲気中に置かれた状態で
欠陥候補箇所Pに対し第1の温度雰囲気が強制的に送風
機61を用いて与えられる。このとき、図11示される
ように、欠陥部分が浅い浮き欠陥の場合は、強制加熱に
より欠陥部分が深い浮き欠陥の場合よりも温度上昇の応
答が速く、また、加熱を止めたときの温度下降の応答も
速い。このように、強制的な送風による形状欠陥候補箇
所の温度変化の様子又は赤外線画像の濃淡変化の様子か
ら欠陥の浅い、深いの判別が可能となる。また、欠陥発
生可能箇所のみを局所的に加熱又は冷却することは、そ
の部分のコントラストを上げることになり、検出性能が
向上するため欠陥を精度良く検出することができる効果
がある。
【0033】なお、本発明は、上記構成に限られること
なく種々の変形が可能である。例えば、赤外線カメラに
よるインライン検査を実現するためには撮像素子の感度
変化に対応した検査判定を行わなければならない。その
ため、検査装置直前に検査対象物の温度を計測しその温
度に応じて赤外線カメラの撮像パラメータ、又は検査判
定しきい値を変更する機能を有したシステム構成とする
ことができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
板材の内部空間に存在する空気の熱容量の効果及び欠陥
内部の空気層の蓄熱現象を有効に活用して板材外面にお
ける形状欠陥の種別と形状の相違による赤外線の放射率
の違いをも反映した赤外線画像得ることができ、その画
像の濃淡変化データから形状欠陥候補箇所の濃度閾値判
定や明暗の分布状態に基づいた欠陥種別及び欠陥判定を
精度良く行うことが可能となる。
【0035】また、請求項2の発明によれば、得られた
赤外線画像が、形状の相違による赤外線の放射率の違い
を反映していることに基づいて内部空間まで貫通する孔
開き不良又は割れ不良であると判定することができ、請
求項3の発明によれば、剥離不良又は浮き不良であると
判定することができる。また、請求項4の発明によれ
ば、平面部分から穴になる孔開き欠陥のエッジ近傍の穴
壁面角度が略90゜程度である場合、エッジ部分の赤外
線の放射率が低下することに基づいて穴開き不良である
と判定することができる。
【0036】また、請求項5の発明によれば、シャッタ
機能のない赤外線カメラを用いて移動する物体を撮像し
た場合も、その画像中の濃淡変化を精度良く検出するこ
とができる。また、請求項6及び請求項7の発明によれ
ば、時間差を持たせた赤外線画像について濃度変化を比
較して内部空間まで貫通する孔開き不良又は割れ不良、
及び剥離不良又は浮き不良であると判定することができ
る。
【0037】また、請求項8の発明によれば、ぼかし赤
外線画像を生成して差分画像を生成し、この差分画像に
基づいて形状欠陥候補箇所の種類を判別することがで
き、表面のテクスチャ、面粗さ、及び正常な内部空間の
赤外線画像の影響を除去して精度を向上した検査がで
き、請求項9の発明によれば、さらに、赤外線画像に微
分処理を施してその微分値の累積値により不良判定を精
度良く行うことができる。また、請求項10の発明によ
れば、直前温度計測値に基づいて検査判定用パラメータ
を切り替えて、検査対象物の温度変化に対応した赤外線
画像の撮影や欠陥検査・判定を精度良く行うことができ
る。
【0038】また、請求項11の発明によれば、形状欠
陥候補部を強制加熱又は強制冷却して、再度赤外線画像
を撮像して欠陥検査を行い、形状欠陥候補部における欠
陥の深さを判別することができる。
【0039】また、請求項12の発明によれば、第1の
温度が常温より高い温度の場合は、例えば検査物の乾燥
工程などがあればこれを利用して、常温に戻す時に検査
をすることができ、また、第1の温度が常温より低い温
度の場合、検査物の昇温過程に形状欠陥検査を行うの
で、例えば冷却工程を有する検査材の製造工程又は評価
試験工程等において常温に戻す時にこの検査方法が活用
できる。また、両方の場合において、赤外線カメラなど
の検査器具を常温雰囲気で用いることができ装置が簡便
となる。
【0040】また、請求項13の発明によれば、板材の
内部空間に存在する空気の熱容量の効果及び欠陥内部の
空気層の蓄熱現象を有効に活用して板材外面における形
状欠陥の種別と形状の相違による赤外線の放射率の違い
をも反映した赤外線画像を得ることができ、その画像の
濃淡変化データから形状欠陥候補箇所の濃度閾値判定や
明暗の分布状態に基づいた欠陥種別及び欠陥判定を精度
良く行うことが可能となる。
【0041】また、請求項14の発明によれば、検査物
と赤外線カメラの間の光路上に設けた赤外線反射板によ
り、反射板の材質と面粗さの赤外線放射率の調整による
最適画像の撮像や装置の小型化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の一実施形態による形状欠陥
検査装置の構成図、(b)は同装置を用いて検査される
内部空間を有する板材(検査物)の斜視図。
【図2】 (a)は上記検査物の孔開き不良を示す断面
図、(b)は同検査物の降温過程における孔開き不良部
分の赤外線画像を示す図、(c)は同赤外線画像の1つ
のサーチ方向における赤外線強度分布図、(d)は検査
物の昇温過程における孔開き不良部分の1つのサーチ方
向における赤外線強度分布図。
【図3】 (a)は上記検査物の剥離不良を示す断面
図、(b)は同検査物の降温過程における剥離不良部分
の赤外線画像を示す図、(c)は同赤外線画像の1つの
サーチ方向における赤外線強度分布図。
【図4】 (a)は上記検査物の穴開き不良を示す断面
図、(b)は同検査物の降温過程における穴開き不良部
分の1つのサーチ方向における赤外線強度分布図、
(c)は同昇温過程における赤外線強度分布図。
【図5】 (a)は上記検査物の微小孔開き不良の降温
過程における孔開き不良部分の赤外線画像を示す図、
(b)は同赤外線画像の1つのサーチ方向における赤外
線強度分布図。
【図6】 赤外線画像の微分処理に用いるデジタルフィ
ルタ構成図。
【図7】 降温過程における欠陥部の赤外線強度の時間
変化図。
【図8】 (a)は上記検査物の降温過程における孔開
き不良部分の赤外線強度分布の時間変化図、(b)は同
過程における剥離不良部分の赤外線強度分布の時間変化
図。
【図9】 赤外線画像の微分処理による検査物の良品不
良品判定フロー図。
【図10】 局所送風機を有する本発明の一実施形態に
よる形状欠陥検査装置の構成図。
【図11】 降温過程において強制加熱を行った場合の
形状欠陥部分の赤外線強度の時間変化図。
【符号の説明】
1 形状欠陥検査装置 2 検査物(板材) 3 第1の温度調節装置(検査物温度調節手段) 4 第2の温度調節装置(検査物温度調節手段) 6 反射板 7 赤外線カメラ 8 画像処理装置 61 局所送風機 T1 第1の温度 T2 第2の温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 利憲 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 杭ノ瀬 正治 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 Fターム(参考) 2G040 AA06 AB08 BA26 BA27 CA02 CA05 CA23 DA05 EC09 HA02 2G051 AA90 AB02 BA06 CA04 DA06 EA08 EA11 EB01 EC01 2G066 AC09 BA14 BC21 CA02 CA04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建材などの内部空間を有する板材の形状
    欠陥検査方法において、 予め板材を第1の温度雰囲気で第1の温度状態に安定化
    しておく工程と、 前記板材を第2の温度雰囲気にさらすと共に、板材が第
    2の温度状態に変化していく過程にて赤外線カメラで板
    材の検査部分の赤外線画像を撮像する工程と、 前記赤外線画像の濃淡変化が、ある閾値以上となる部分
    を形状欠陥候補箇所として検出する工程と、 検出した形状欠陥候補箇所の明暗の分布状態に基づい
    て、その形状欠陥候補箇所の欠陥の種類を判別する工程
    とを有することを特徴とする形状欠陥検査方法。
  2. 【請求項2】 検出した形状欠陥候補箇所の内側部分と
    その外部周辺部分との濃度変化がある閾値以上であれ
    ば、その形状欠陥候補箇所を内部空間まで貫通する孔開
    き不良又は割れ不良と判定することを特徴とする請求項
    1記載の形状欠陥検査方法。
  3. 【請求項3】 検出した形状欠陥候補箇所の輪郭部分と
    該輪郭部分の外部周辺部分と該輪郭部分の内部部分とに
    ついて、該外部周辺部分が該輪郭部分よりも第1の温度
    側に近い温度を示す明るさであり、該内部部分が該外部
    周辺部分よりも第2の温度側に近い温度を示す明るさで
    あれば、その形状欠陥候補箇所を剥離不良又は浮き不良
    と判定することを特徴とする請求項1記載の形状欠陥検
    査方法。
  4. 【請求項4】 検出した形状欠陥候補箇所の輪郭部分に
    おける温度が、該輪郭部分の外部周辺部分と該輪郭部分
    の内部部分とのいずれか低い温度よりもさらに、許容範
    囲以上低い温度を示す濃度であれば該輪郭部分を穴部エ
    ッジと判断し、その形状欠陥候補箇所を穴開き不良と判
    定する工程を有することを特徴とする請求項1記載の形
    状欠陥検査方法。
  5. 【請求項5】 検査対象物である板材が移動している場
    合、検出した形状欠陥候補箇所の輪郭部分周辺における
    前記赤外線画像の濃淡変化パターンをサーチする方向を
    前記検査対象物の移動方向と交差する方向とする請求項
    4記載の形状欠陥検査方法。
  6. 【請求項6】 検出した形状欠陥候補箇所の内側部分に
    ついて、時間差を持たせた複数の赤外線画像間の濃度変
    化量が、前記形状欠陥候補箇所の外側部分における濃度
    変化量よりも小さいときは、その形状欠陥候補箇所を内
    部空間まで貫通する孔開き不良又は割れ不良と判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の形状欠陥検査方法。
  7. 【請求項7】 検出した形状欠陥候補箇所の内側部分に
    ついて、時間差を持たせた複数の赤外線画像間の濃度変
    化量が、前記形状欠陥候補箇所の輪郭部分における濃度
    変化量よりも大きいときは、その形状欠陥候補箇所を剥
    離不良又は浮き不良と判定することを特徴とする請求項
    1記載の形状欠陥検査方法。
  8. 【請求項8】 撮像した赤外線画像にぼかし処理を行っ
    たぼかし赤外線画像を生成し、撮像した赤外線画像から
    ぼかし赤外線画像を減算した差分画像を生成する工程
    と、 この差分画像に基づいて形状欠陥候補箇所を検出する工
    程と、 検出した形状欠陥候補箇所の差分画像の明暗の分布状態
    に基づいて、その形状欠陥候補箇所の欠陥の種類を判別
    する工程とを有することを特徴とする請求項1乃至請求
    項7のいずれかに記載の形状欠陥検査方法。
  9. 【請求項9】 撮像した赤外線画像又は複数の画像間の
    差分画像に微分処理を行い、検出した欠陥候補箇所につ
    いて所定の微分値以上となる微分値の累積値を求め、こ
    の累積値が所定値を超えたものを孔開き不良又は割れ不
    良と判定することを特徴とする請求項1乃至請求項7の
    いずれかに記載の形状欠陥検査方法。
  10. 【請求項10】 検査対象物である板材の温度を検査直
    前に計測し、計測された温度値に基づいて検査判定用パ
    ラメータを切り替えることを特徴とする請求項1乃至請
    求項9のいずれかに記載の形状欠陥検査方法。
  11. 【請求項11】 形状欠陥候補を検出した後、形状欠陥
    候補部を強制加熱又は強制冷却して、再度赤外線画像を
    撮像する工程と、 当該赤外線画像の形状欠陥候補部の濃度変化の大きさに
    基づいて、表面部分の欠陥か、これより深い部分の欠陥
    かを判別する工程とを有することを特徴とする請求項1
    乃至請求項10のいずれかに記載の形状欠陥検査方法。
  12. 【請求項12】 第1の温度を常温より高い温度又は低
    い温度に設定し、第2の温度を常温としたことを特徴と
    する請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の形状欠
    陥検査方法。
  13. 【請求項13】 内部空間を有する板材を検査物として
    赤外線カメラで検査物の検査部分を撮像する赤外線カメ
    ラを備えた形状欠陥検査装置において、 予め検査物を第1の温度雰囲気で第1の温度状態に安定
    化しておき、検査時には検査物を第2の温度雰囲気にさ
    らす検査物温度調節手段と、 検査時に検査物が第2の温度状態に変化していく過程に
    て前記赤外線カメラで撮像した赤外線画像をもとに形状
    欠陥候補箇所の欠陥の種類を判別する画像処理手段とを
    備え、 この画像処理手段は、赤外線画像の濃淡変化に基づいて
    形状欠陥候補箇所を検出する過程、及び検出した形状欠
    陥候補箇所の明暗の分布状態に基づいてその形状欠陥候
    補箇所の欠陥の種類を判別する過程とを有することを特
    徴とする形状欠陥検査装置。
  14. 【請求項14】 検査物と赤外線カメラの間の光路上に
    検査物から発する赤外線を反射させる所定の粗さの反射
    面を有する反射板を備えたことを特徴とする請求項13
    記載の形状欠陥検査装置。
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