JP2003343757A - 弁装置 - Google Patents

弁装置

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JP2003343757A
JP2003343757A JP2002151259A JP2002151259A JP2003343757A JP 2003343757 A JP2003343757 A JP 2003343757A JP 2002151259 A JP2002151259 A JP 2002151259A JP 2002151259 A JP2002151259 A JP 2002151259A JP 2003343757 A JP2003343757 A JP 2003343757A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁装置の設計の自由度を高めるとともに、装
置の構造を簡略化する。 【解決手段】 インクジェットプリンタ11はインクカ
ートリッジ12のインクを、インク供給チューブ13を
介してキャリッジ14の圧力ダンパ15に供給する。圧
力ダンパ15は流路ハウジング33と弁装置34とを備
え、弁装置34のソレノイド48を通電して励磁させる
とソレノイド48の可動部57が励磁部56側に引き寄
せられ、磁石49が他側部吸引位置に移動する。そし
て、フィルム材36を介して板状部材47の他側部53
が吸引され、板状部材47が支持軸55を中心に時計回
りに回転する。すると一側部52が凸部46の上面46
aに当接し、凸部46が閉状態となる。続いてソレノイ
ド48の通電を停止すると、コイルばね58に蓄積され
ていた付勢力により可動部57が励磁部56から引き離
され、磁石49が一側部吸引位置に移動し、凸部46が
開状態となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流路を開閉制御す
る弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、流体が移動する流路の開閉制御を
行う弁装置として、電磁石を利用したものが知られてい
る、その一例として、特開2000−81162号公報
に開示された弁装置がある。この弁装置は、バルブ本体
の内部に形成された流路と、磁性体による弁体(弁部
材)とを備えており、弁体が流路途中に設けられた弁座
に当接及び離隔されることにより流路の開閉制御を行う
ようになっている。そして、バルブ本体には流体の移動
方向に沿って弾性変形する膜状部材が備えられ、前記弁
体はこの膜状部材に固着されている。
【0003】また、バルブ本体は、高透磁率を有する磁
性材料によって構成され、外周に励磁コイルが巻回され
ている。そして、励磁コイルを励磁することにより、弁
体と弁座との間に斥力を生じさせる。これにより、弁体
と弁座とが離隔して流路が開状態となる。
【0004】一方、励磁コイルへの励磁を停止すると、
弁体が膜状部材の弾性復帰及び流体の圧力により移動さ
れ、弁体と弁座とが当接されるようになる。これによ
り、流路が閉状態となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
弁装置では、弁体が磁性体であるとともに、弁座が高透
磁率を有する磁性材料によって構成される必要がある。
このため、この弁装置では、弁体及び弁座の材質が限ら
れたものとなり、材質の選択に自由度がなく、弁装置の
設計を制限する原因となることがあった。また、この弁
装置では、バルブ本体の外周に励磁コイルを巻回させる
必要があり、装置の構造が複雑化及び大型化するという
問題があった。
【0006】さらに、流路を閉状態とする時には、膜状
部材の弾性力により弁体と弁座とを当接するようにして
いるため、膜状部材の弾性力が劣化してしまった場合に
は、弁体と弁座とを当接させるのに十分な力が得られ
ず、完全な閉状態とできなくなる畏れがあった。
【0007】また、流路を開状態とするために必要な弁
体と弁座との間の斥力は、前記膜状部材の弾性力を超え
た大きさでなくてはならないため、励磁のための通電が
大きくなり、エネルギー効率が低下してしまう畏れがあ
った。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されるものであって、その第1の目的は、弁装置の設計
の自由度を高めた弁装置を提供することにある。また、
本発明の第2の目的は、装置の構造を簡略化することが
できる弁装置を提供することにある。
【0009】また、本発明の第3の目的は、エネルギー
効率の高い弁装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、流体が移動する流路内
に配置される弁部材と、前記流路内に配置されるととも
に、一側部と他側部とを有し、該一側部が前記弁部材に
当接又は離間することにより、前記流路を開閉する磁性
体からなる開閉部材と、前記流路外に配置され、前記一
側部を吸引する一側部吸引位置と前記他側部を吸引する
他側部吸引位置とに移動して、該一側部又は該他側部を
吸引することにより前記流路を開閉させる磁石と、前記
磁石を前記一側部吸引位置と前記他側部吸引位置とに移
動させる磁石移動手段とを備えたことを要旨とする。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の弁装置において、前記磁石移動手段は、通電により駆
動されるものであり、通電しない時に前記磁石を前記他
側部吸引位置に位置させ、通電する時に前記磁石を前記
一側部吸引位置に移動させるものであることを要旨とす
る。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の弁装置において、前記磁石移動手段は、通電により駆
動されるものであり、通電しない時に前記磁石を前記一
側部吸引位置に位置させ、通電する時に前記磁石を前記
他側部吸引位置に移動させるものであることを要旨とす
る。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1つに記載の弁装置において、前記開閉部材
は、前記一側部と前記他側部との間に回転軸心を有し、
前記磁石の移動により前記回転軸心を中心に回転され、
前記一側部を前記弁部材に当接または離間させるもので
あることを要旨とする。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の弁装置において、前記開閉部材は、軸受を一体に備
え、該軸受に、前記流路の内壁面に対して回転可能、又
は回転不能に固定されている支持軸を回転可能に挿通支
持することにより前記回転軸心を中心に回転するもので
あることを要旨とする。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれか1つに記載の弁装置において、前記開閉部材
は、板状部材であることを要旨とする。請求項7に記載
の発明は、請求項4〜6のいずれか1つに記載の弁装置
において、前記開閉部材は、前記回転軸心に互いに異な
る角度で取り付けられている2つの平面を備え、前記一
側部及び前記他側部は、それぞれ異なる前記平面上に形
成されていることを要旨とする。
【0016】請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の
いずれか1つに記載の弁装置において、前記流路は、流
路ハウジング内に形成され、該流路ハウジングは、溝が
形成された流路形成部材と、フィルム材とを備え、前記
溝の開口を前記フィルム材によって封止することによっ
て前記流路を形成していることを要旨とする。
【0017】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の弁装置において、前記フィルム材は、前記磁石と前記
開閉部材との間に設けられていることを要旨とする。請
求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の弁装
置において、前記フィルム材は前記流路形成部材に対し
て熱溶着されていることを要旨とする。
【0018】請求項11に記載の発明は、請求項8〜1
0のいずれか1つに記載の弁装置において、前記フィル
ム材は耐ガスバリア性の高い材質によって構成されてい
ることを要旨とする。
【0019】請求項12に記載の発明は、請求項8〜1
1のいずれか1つに記載の弁装置において、前記開閉部
材と前記フィルム材とが当接する部分に、前記開閉部材
と前記フィルム材の少なくともいずれか一方に保護手段
を設けたことを要旨とする。
【0020】請求項13に記載の発明は、請求項12に
記載の弁装置において、前記保護手段は、前記開閉部材
の縁を前記フィルム材に対して反対方向に向かって屈曲
させて形成した屈曲部であることを要旨とする。
【0021】請求項14に記載の発明は、請求項1〜1
3のいずれか1つに記載の弁装置において、前記磁石は
永久磁石であることを要旨とする。請求項15に記載の
発明は、請求項1〜14のいずれか1つに記載の弁装置
において、前記弁部材は弾性体により構成されているこ
とを要旨とする。
【0022】請求項16に記載の発明は、請求項1〜1
5のいずれか1つに記載の弁装置において、前記弁部材
は前記流路に設けられている開口部を囲むようにして突
設されている凸部であり、前記凸部の上面を前記開閉部
材の前記一側部に当接させることにより、前記開口部を
封止して前記流路を閉状態とすることを要旨とする。
【0023】請求項17に記載の発明は、請求項4〜1
6のいずれか1つに記載の弁装置において、前記弁部材
の前記開閉部材と当接する面は、前記回転軸心を通る平
面上に位置することを要旨とする。
【0024】請求項18に記載の発明は、請求項1〜1
7のいずれか1つに記載の弁装置において、前記流体は
インクであることを要旨とする。請求項19に記載の発
明は、請求項1〜18のいずれか1つに記載の弁装置に
おいて、前記弁装置はインクジェット式記録装置に使用
されることを要旨とする。
【0025】請求項20に記載の発明は、請求項19に
記載の弁装置において、前記弁装置は、前記インクジェ
ット式記録装置の記録ヘッドに設けられているフィルタ
の上流側に配置されることを要旨とする。
【0026】請求項21に記載の発明は、請求項19又
は20に記載の弁装置において、前記弁装置は、前記イ
ンクジェット式記録装置のチョーククリーニング又は選
択クリーニングに使用されることを要旨とする。
【0027】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
磁石移動手段により、流路外の磁石を一側部吸引位置と
他側部吸引位置とに移動させ、磁性体による開閉部材の
一側部を弁部材に対して当接又は離間することができる
ようにした。そして、弁部材が開閉を行うようにした。
従って、開閉部材が磁性体であれば、流路外の磁石によ
り弁部材の開閉を行うことができるので、弁部材につい
ては、どのような材質を選択してもよく、弁装置の設計
の自由度を高めることができるようになる。従って、弁
部材を励磁させる必要がなく、流路外周に励磁コイルを
巻回する必要が無いため、装置の構造を簡略化すること
ができる。
【0028】請求項2に記載の発明によれば、磁石移動
手段に通電しない時に磁石を他側部吸引位置に移動させ
て弁部材が閉状態となるようにした。また、通電する時
に磁石を一側部吸引位置に移動させて弁部材が開状態と
なるようにした。従って、この弁装置を備えた装置の全
体が電源オフとなり、磁石移動手段に通電されていない
状態で、装置が横転などしてしまっても、弁部材が閉状
態となっているので、流体が誤って外部に流出してしま
うようなことがない。
【0029】請求項3に記載の発明によれば、磁石移動
手段に通電しない時に磁石を一側部吸引位置に移動させ
て弁部材が開状態となるようにした。また、通電する時
に磁石を他側部吸引位置に移動させて弁部材が閉状態と
なるようにした。従って、この弁装置をインクジェット
プリンタのチョーククリーニング又は選択クリーニング
等のように、弁部材を閉状態とする時間が開状態とする
時間に比較して短いものに適用する場合に、磁石移動手
段への通電の時間を短くすることができるので、エネル
ギー効率を高めることができる。
【0030】請求項4に記載の発明によれば、磁石の移
動によって開閉部材が回転軸心を中心に回転するように
した。そしてこれにより、一側部を弁部材に対して当接
または離間させ、弁部材を開閉するようにした。従っ
て、開閉部材は、回転によって弁部材の開閉を行うよう
になり、それ自体の弾性力を使用して弁部材の開閉を行
うものではなくなる。その結果、弾性力の劣化等により
弁装置の開閉ができなくなってしまうような心配がなく
なる。また、弾性力を超えた大きさで弁部材を開閉する
必要がないので、エネルギー効率も良好なものとなる。
【0031】請求項5に記載の発明によれば、開閉部材
に一体に備えられている軸受に支持軸を挿通支持するこ
とにより、回転軸心を中心に開閉部材を回転させるよう
にした。従って、開閉部材を簡単な構造で確実に回転さ
せることができる。
【0032】請求項6に記載の発明によれば、開閉部材
を板状部材とした。従って、開閉部材を他側部吸引位置
と一側部吸引位置とに移動させるのに適した構造とする
ことができ、弁部材の開閉を安定して行うことができる
ようになる。
【0033】請求項7に記載の発明によれば、開閉部材
に、同開閉部材の回転軸心に対して互いに異なる角度で
取り付けられる2つの平面を備え、開閉部材の一側部及
び他側部を異なる平面上に設けるようにした。従って、
開閉部材を回転させることによって、一側部と他側部と
を交互に同一平面上に位置させることができる。その結
果、磁石の移動を直線的とすることができ、装置の構造
を簡略化することができる。
【0034】請求項8に記載の発明によれば、流路を形
成する流路ハウジングを、溝が形成された流路形成部材
とフィルム材とによって構成するようにし、溝の開口を
フィルム材によって封止することによって流路を形成す
るようにした。従って、生産時に開閉部材を流路ハウジ
ング内に収容することが容易となる。また、必要に応
じ、溝開口部の広い部分を設け、フィルム材の弾性変形
によるコンプライアンスによって、流路内の流体の圧力
変動を吸収するダンパとして使用することができる。
【0035】請求項9に記載の発明によれば、磁石と開
閉部材との間の部分はフィルム材により形成されるよう
にした。従って、磁石と開閉部材とがフィルム材を介し
て近接するように配置されるため、磁石と開閉部材との
距離を短くすることができ、大きな吸引力を得ることが
でき、エネルギー効率を高めることができる。
【0036】請求項10に記載の発明によれば、フィル
ム材を流路形成部材に対して熱溶着するようにした。従
って、簡易な構成で流路ハウジングの流路を封止するこ
とができる。
【0037】請求項11に記載の発明によれば、フィル
ム材を耐ガスバリア性の高い材質によって構成するよう
にした。従って、流路ハウジングの流路内へのガスの流
入をより確実に防止することができる。
【0038】請求項12に記載の発明によれば、開閉部
材とフィルム材とが当接する部分に、開閉部材とフィル
ム材の少なくともいずれか一方に保護手段を設けるよう
にした。従って、開閉部材とフィルム材との当接による
損傷等を防ぐことができる。
【0039】請求項13に記載の発明によれば、板状部
材の縁をフィルム材に対して反対方向に向かって屈曲さ
せ、屈曲部を形成するようにした。従って、板状部材が
移動することによって、板状部材の一側部又は他側部が
フィルム材に当接しても、縁がフィルム材に対して反対
方向に屈曲されているので、フィルム材を損傷させない
ようにすることができる。
【0040】請求項14に記載の発明によれば、磁石を
永久磁石とするようにした。従って、開閉部材を吸引す
るために電気等の駆動エネルギーを使用する必要がない
ので、装置を簡略化するとともに、エネルギー効率を高
めることができる。
【0041】請求項15に記載の発明によれば、弁部材
を弾性体により構成するようにした。従って、開閉部材
を弁部材に対してより確実に当接させることができ、シ
ール性を高めることができる。
【0042】請求項16に記載の発明によれば、開閉部
材の一側部を凸部に当接させることにより弁部材を閉状
態とするようにした。従って、流路を閉状態とすること
が容易となり、シール性を高めることができる。
【0043】請求項17に記載の発明によれば、弁部材
の開閉部材と当接する面は開閉部材の回転軸心を通る平
面状に位置するようにした。従って、開閉部材の形状
が、回転軸心を通る平面形状であるような場合に、弁部
材と開閉部材とを正確に当接させることができ、シール
性を高めることができる。
【0044】請求項18に記載の発明によれば、流体を
インクとするようにした。従って、インク流路の開閉の
制御において、請求項1〜17のいずれかの作用効果を
得ることができる。
【0045】請求項19に記載の発明によれば、弁装置
をインクジェット式記録装置において使用するようにし
た。従って、インクジェット式記録装置において、請求
項1〜18のいずれかの作用効果を得ることができる。
【0046】請求項20に記載の発明によれば、弁装置
をインクジェット式記録装置の記録ヘッドに設けられて
いるフィルタの上流側に配置するようにした。従って、
記録ヘッドのフィルタ上に溜まった気泡を排出させるた
めのクリーニングの際に、この弁装置を効果的に使用す
ることができる。
【0047】請求項21に記載の発明によれば、弁装置
を、インクジェット式記録装置のチョーククリーニング
又は選択クリーニングに使用するようにした。従って、
弁装置を閉じた状態で、記録ヘッドのノズル側から吸引
を行い、高負荷状態でバルブを開けるチョーククリーニ
ング、又は複数色の色ノズルのうち必要なもののみクリ
ーニングを行う選択クリーニングの際に、この弁装置を
効果的に使用することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図6に従って説明する。図1は、インクジ
ェットプリンタの概念図である。図1に示すように、イ
ンクジェット式記録装置としてのインクジェットプリン
タ11は、インクカートリッジ12のインクを、インク
供給チューブ13を介してキャリッジ14に設けられた
圧力ダンパ15に供給し、圧力ダンパ15から記録ヘッ
ド16に移送して印刷を行うものである。
【0049】詳しくは、記録ヘッド16は、インク滴を
吐出すノズル開口(図示しない)を備えており、記録紙
等の印刷媒体にインク滴を吐出すことにより画像や文字
等の印刷データの記録を行う。なお、本実施形態のイン
クジェットプリンタ11は、A0判等の大判の記録紙に
印刷可能なプリンタであり、インク消費量が多いため、
多量のインクを貯留する必要がある。従って、多量のイ
ンクを貯留したインクカートリッジをキャリッジ上に搭
載させると、キャリッジが重くなり、キャリッジ駆動モ
ータに過大な負荷がかかってしまう。このため、本実施
形態では、インクカートリッジ12をキャリッジ14上
に搭載させない構成としている。
【0050】なお、近年、キャリッジ上にインクカート
リッジを搭載しないプリンタとして、オフキャリッジに
することによってインクカートリッジのレイアウトに自
由度を持たせた、小型化、薄型化されたプリンタが使用
されるようになっている。従って、本実施形態では、大
判の記録紙に印刷を行うプリンタに具体化するようにし
たが、小型化、薄型化されたこれらのプリンタに具体化
するようにしてもよい。
【0051】インクカートリッジ12は、インクジェッ
トプリンタ11の本体側に配置されたインクカートリッ
ジホルダ17内に収容されている。インクカートリッジ
12の内部には、インクパック18が設けられており、
インクパック18内にはインクが充填されている。
【0052】インクパック18の一側には針装着部19
が形成されており、インクカートリッジホルダ17に設
けられた針20が針装着部19に装着するように構成さ
れている。針20はインク供給チューブ13の一側と接
続されており、圧力ダンパ15に対してインクを供給で
きるようになっている。
【0053】インク供給チューブ13は、例えば、ポリ
エチレン等の可撓性部材により形成されている。また、
インク供給チューブ13は、耐薬品性に優れたポリエチ
レン系樹脂等の可撓性部材による内装に、気密遮断性に
優れた塩化ビニルや金属膜等を外装として覆った二重構
造であってもよい。
【0054】キャリッジ14は、記録紙の幅方向(主走
査方向)と同方向に配置されたガイド部材(図示しな
い)に沿って、往復動可能に取り付けられている。キャ
リッジ14は、樹脂製材料によって成形されている。そ
して、キャリッジ14の内部には、前記圧力ダンパ15
が取り付けられている。圧力ダンパ15は、キャリッジ
14の往復動に伴うインク圧力の変動を抑制するもので
ある。圧力ダンパ15の詳細については後述する。
【0055】キャリッジ14の下面には記録ヘッド16
が設けられており、圧力ダンパ15から記録ヘッド16
にインクが供給されるようにインク流路(図示しない)
が接続されている。また、記録ヘッド16は、図示しな
いフィルタ、インク供給管、圧電振動子、流路ユニット
及びノズル開口等を備えている。記録ヘッド16は圧電
振動子によって圧力室を膨張・収縮させることにより、
ノズル開口からインク滴を吐出させるものである。
【0056】図1において、記録ヘッド16の下方に
は、キャップ22が設けられている。キャップ22は、
有底状に形成されており、その上部開口が記録ヘッド1
6をキャッピングするようになっている。キャップ22
は、インクジェットプリンタ11の非印刷領域に配置さ
れており、非記録時に記録ヘッド16のノズル開口を閉
じることにより、インクの水分蒸発を防止するととも
に、記録ヘッド16のインクを吸引するクリーニング動
作を行う。
【0057】キャップ22の底部は、吸引チューブ23
に連通されており、吸引チューブ23の途中に配設され
た吸引ポンプ24によって、記録ヘッド16からキャッ
プ22側へインクを強制的に吸引するようになってい
る。吸引ポンプ24により吸引されたインクは、廃液回
収ボックス25に回収される。廃液回収ボックス25内
には、複数層のスポンジ26が設けられており、回収さ
れたインクを貯蔵する。
【0058】なお、図1では1色のインクについてのみ
の構成を示しているが、インクジェットプリンタ11
は、例えば、シアン、マゼンダ、イエロ、ブラック等の
複数のインクに対応した構成となっている。従って、前
記インクカートリッジ12、インク供給チューブ13、
圧力ダンパ15及び記録ヘッド16等はインク数ごとに
設けられる。
【0059】次に、圧力ダンパ15について説明する。
圧力ダンパ15は、インク供給チューブ13から供給さ
れるインクを記録ヘッド16に導く流路ハウジング33
と、同流路ハウジング33内の流路を開閉するための弁
装置34とを備える。流路ハウジング33は、キャリッ
ジ14に固定されており、内部に流路が形成された流路
形成部材35と、フィルム材36とによって構成され
る。流路形成部材35は、例えばポリプロピレン又はポ
リエチレン等の樹脂製材料によって成型されており、側
面に略直方体状の溝としてのインク室37が凹設されて
いる。図2は、流路形成部材35の側面図であり、同図
に示すように、このインク室37の内壁面(主走査方向
に直交する面)には円形の2つの第1及び第2の開口部
38,39が設けられている。
【0060】図1に示すように、第1の開口部38は第
1のインク流路41の基端部と接続されており、この第
1のインク流路41の先端部は前記インク供給チューブ
13と接続されている。従って、インク供給チューブ1
3から供給されるインクは、第1のインク流路41を介
して前記インク室37に流入するようになっている。ま
た、第2の開口部39は第2のインク流路42と接続さ
れており、この第2のインク流路42は前記記録ヘッド
16と接続されている。従って、インク室37内のイン
クは、この第2のインク流路42を介して記録ヘッド1
6に供給されるようになっている。なお、前記第1のイ
ンク流路41、インク室37、第2のインク流路42に
よって、流路ハウジング33の流路を構成している。
【0061】また、図2及び図3に示すように、この流
路形成部材35には、前記インク室37を挟むようにし
て一対の軸部格納部44が略直方体状に凹設されてい
る。そして、この軸部格納部44からはさらに、半円筒
状の内壁面としてのハウジング側軸受45が凹設されて
いる。
【0062】フィルム材36は、複数の材質からなる層
によって形成されており、例えば、ポリエチレン層、ガ
スバリア層及びナイロン層から形成されている。従っ
て、フィルム材36は耐ガスバリア性の高い材質が使用
されている。なお、フィルム材36はその厚さが例えば
0.1mm程度に形成されており、磁気抵抗を極力小さ
くしている。
【0063】そして、フィルム材36は、図1に示すよ
うに、前記流路形成部材35の側面に熱溶着されてお
り、流路形成部材35のインク室37の開口を封止して
いる。フィルム材36は、その大きさによってはインク
室37の容積を減少させる方向と増加させる方向に変形
可能であり、フィルム材36の弾性変形によるコンプラ
イアンスによって、インク室37内におけるインクの圧
力変動が吸収することが可能である。
【0064】弁装置34は、弁部材としての凸部46、
板状部材47、磁石移動手段としてのソレノイド48、
磁石49を備えている。凸部46は、図1及び図2に示
すように、インク室37の内壁面(主走査方向に直行す
る面)に設けられ、インク室37の前記第2の開口部3
9を囲むようにして突設されている。そして、この凸部
46の上面46aは記録ヘッド16方向に向かって低く
なるように若干傾斜している。この上面46aの傾斜
は、後述する板状部材47が回転した時に、板状部材4
7に当接して、凸部46を封止するような角度となって
いる。また、この凸部46は、弾性材により構成され、
弾性材としては、フッ素ゴム、硬質シリコンゴム、ブチ
ルゴム、エラストマー、CRゴム、NBRゴム又はウレ
タンゴム等が使用可能である。
【0065】板状部材47は、図1及び図4に示すよう
に、同じくインク室37内において、前記ハウジング側
軸受45に回転可能に取り付けられている。詳しくは、
板状部材47は、電磁ステンレス等の磁性体によって図
5及び図6に示すように軸部51を頂点とした山型状に
形成されている。そして、板状部材47は、中央の軸部
51と、その両側の一側部52及び他側部53とを備
え、一側部52及び他側部53は、それぞれ軸部51に
対して異なる角度で取り付けられている。
【0066】軸部51の中央部は長方形状の開口51a
が形成されているとともに、凸部46を向く側には、半
円筒形状の軸受としての板状部材側軸受54が設けられ
ている。そして、板状部材47は、図1に示すように、
前記板状部材側軸受54に支持軸55を回転可能に挿通
し、その支持軸55の両端を、前記ハウジング側軸受4
5に回転可能に支持させることにより、ハウジング側軸
受45に回転可能に取り付けられている。
【0067】また、図5及び図6に示すように、板状部
材47の一側部52と他側部53のそれぞれの縁は、フ
ィルム材36の反対方向に向かって折れ曲がっており、
屈曲部52aと53aが形成されている。従って、板状
部材47の一側部52及び他側部53がフィルム材36
に当接しても、フィルム材36に損傷等が生じないよう
になっている。
【0068】なお、この状態で、板状部材47が図1の
反時計回りに回転すると、一側部52がフィルム材36
に当接する。また、時計回りに回転すると、図7に示す
ように、一側部52が前記凸部46の上面46aに当接
するとともに、他側部53がフィルム材36に当接す
る。そして、このとき、凸部46の上面46aは、板状
部材47の回転軸心を通る平面上に位置するように傾斜
して形成されているので、凸部46(開口部39)が板
状部材47によってより確実に封止されるようになって
いる。
【0069】ソレノイド48は、図1に示すようにキャ
リッジ14に固定されており、励磁部56と、励磁部5
6の下側に突出しているシャフト状の可動部57とによ
って構成されている。そして、励磁部56はその内部に
図示しない励磁コイルが巻回されており、図示しないリ
ード線を介して通電されることにより磁界が発生するよ
うになっている。また、可動部57は、上下方向に移動
可能な磁性体となっており、励磁部56の励磁により励
磁部56側に引き寄せられるようになっている。そし
て、可動部57には、その先端に前記磁石49が設けら
れているとともに、可動部57を囲むようにして、コイ
ルばね58が掛装されている。このコイルばね58によ
って、磁石49と励磁部56とは離間される方向に付勢
されている。
【0070】磁石49は、永久磁石からなり、フィルム
材36を挟んで前記板状部材47と対峙しており、フィ
ルム材36を介して板状部材47に対して磁力を伝達で
きるようなっている。そして、可動部57の上下方向の
移動に伴って、図1に示すように、板状部材47の一側
部52と対峙する一側部吸引位置と、図7に示すよう
に、板状部材47の他側部53と対峙する他側部吸引位
置とに移動するようになっている。
【0071】従って、ソレノイド48を通電して励磁さ
せると、図7に示すように、可動部57が励磁部56側
に引き寄せられ、磁石49が他側部吸引位置に移動す
る。そして、フィルム材36を介して板状部材47の他
側部53が吸引され、板状部材47が時計回りに回転す
る。その結果、他側部53がフィルム材36に当接する
とともに、一側部52が凸部46の上面46aに当接
し、凸部46(開口部39)が閉状態となる。
【0072】また、図7の状態から、ソレノイド48の
通電を停止すると、コイルばね58に蓄積されていた付
勢力により、可動部57が励磁部56から引き離され、
図1に示すように、磁石49が一側部吸引位置に移動す
る。そして、フィルム材36を介して板状部材47の一
側部52が吸引され、板状部材47が反時計周りに回転
する。その結果、一側部52が凸部46から離れ、フィ
ルム材36に接するようになる。そして、凸部46(開
口部39)が開状態となる。以上のように、ソレノイド
48の通電を行ったり停止したりすることにより、一側
部52と凸部46との相対位置が変化し、凸部46を開
閉することができる。
【0073】なお、上記のような弁装置34は、記録ヘ
ッド16のインクを吸引するクリーニング動作に適して
いる。通常のインクジェットプリンタ11では、記録ヘ
ッド16のメンテナンスとしては、吸引によるクリーニ
ングが行われる。このクリーニングでは、記録ヘッド1
6内のインクに溜まった気泡を吸引するため、吸引ポン
プ24によりインクの吸引を行う。しかし、通常のクリ
ーニングでは十分に排出できない気泡がある。特に記録
ヘッド16のフィルタ(図示せず)上には気泡の残りが
大きく、ノズル抜けや印品質の劣化の原因となることが
あった。このような気泡を排出する方法として、いわゆ
るチョーククリーニングが効果的である。
【0074】このチョーククリーニングでは、インク流
路の上流側の弁を閉じた状態(チョーク状態)とし、ノ
ズル側から吸引ポンプ24により吸引する。そして、記
録ヘッド16内を負圧にして気泡を膨張させ、記録ヘッ
ド16のフィルタより下流に気泡を引き込む。この状態
で、弁を開いて気泡を排出させるものである。本実施の
形態の弁装置34によってインク流路を開閉することに
よりこのチョーククリーニングの実施が可能である。
【0075】また、本実施の形態の弁装置34は、複数
の記録ヘッド16のうち一色のインクについてのみクリ
ーニングを行う、いわゆる選択クリーニングにも適して
いる。近年のインクジェットプリンタは、高速化の要請
に伴うヘッドの多ノズル化(又はハイバンド化ともい
う)、及びカラー高画質化の要請に伴う多色化により、
消費インク量が増加する傾向にある。このため吸引によ
るクリーニングで発生する廃液を減少させて、消費イン
ク量を極力減少させる要請がある。
【0076】これを達成する方法として、クリーニング
の必要な色のノズル開口のみを吸引する選択クリーニン
グを実施することが望ましい。本実施形態によれば、弁
装置34を各色のインク流路ごとに設け、クリーニング
を行う色のインクだけインク流路を開状態とし、他の色
のインクについてはインク流路を閉状態とすることによ
り、この選択クリーニングの実施が可能である。
【0077】上記実施形態によれば、以下のような特徴
を得ることができる。 (1)上記実施形態では、ソレノイド48により、磁石
49を一側部吸引位置と他側部吸引位置とに移動させ、
板状部材47の一側部52と凸部46との相対位置を変
化させるようにした。そして、凸部46(第2の開口部
39)を開閉させるようにした。従って、板状部材47
が電磁ステンレス等の磁性体であれば、磁石49により
凸部46の開閉を行うことができる。その結果、凸部4
6の材質については、どのような材質を選択しても良い
こととなり、弁装置34の設計の自由度を高めることが
できる。従って、凸部46を励磁させて板状部材47を
凸部46側に吸引させる必要がなく、流路ハウジング3
3の外周等に励磁コイルを巻回する必要がないため、装
置の構造を簡略化することができる。
【0078】(2)上記実施形態では、磁石49を流路
ハウジング33の外側に配置するようにした。従って、
磁石49の耐インク性を考慮する必要がなく、設計の自
由度を高めることができる。
【0079】(3)上記実施形態では、ソレノイド48
を通電させない時に磁石49を一側部吸引位置に移動さ
せて凸部46が開状態となるようにした。また、ソレノ
イド48を通電させた時に磁石49を他側部吸引位置に
移動させてノズル部が閉状態となるようにした。従っ
て、この装置をインクジェットプリンタのチョーククリ
ーニング又は選択クリーニング等に適用する場合に、ク
リーニング動作の時にのみソレノイド48を通電させれ
ばよいため、インクジェットプリンタ11全体の負荷を
少なくすることができる。
【0080】(4)上記実施形態では、磁石49の移動
によって板状部材47が回転軸心を中心に回転するよう
にした。そしてこれにより一側部52と凸部46との相
対位置を変化させ、凸部46を開閉させるようにした。
従って、板状部材47は、それ自体の弾性力を使用して
凸部46の開閉を行うものではなく、弾性力の劣化等に
より凸部46の開閉ができなくなってしまうような心配
がなくなる。また、弾性力を超えた大きさで凸部46を
開閉する必要がないので、エネルギー効率も良好なもの
となる。
【0081】(5)上記実施形態では、板状部材47に
一体に備えられている板状部材側軸受54に支持軸55
を挿通支持することにより、回転軸心を中心に板状部材
47を回転させるようにした。従って、板状部材47を
簡単な構造で確実に回転させることができる。
【0082】(6)上記実施形態では、流路ハウジング
33のうち、磁石49と板状部材47との間の部分はフ
ィルム材36により形成されるようにした。従って、磁
石49と板状部材47とがフィルム材36を介して近接
するように配置されるため、磁石49と板状部材47と
の距離を短くすることができ、大きな吸引力を得ること
ができる。さらに、生産時に流路ハウジング33に板状
部材47を収容することが容易となる。
【0083】(7)上記実施形態では、フィルム材36
を流路形成部材35に対して熱溶着するようにした。従
って、簡易な構成で流路ハウジング33のインク室37
を封止することができる。また、フィルム材36を耐ガ
スバリア性の高い材質によって構成するようにした。従
って、流路ハウジング33のインク室37内へのガスの
流入をより確実に防止することができる。
【0084】(8)上記実施形態では、開閉部材として
板状部材47を使用するようにし、板状部材47の縁を
それぞれフィルム材36に対して反対方向に屈曲させ、
屈曲部52a,53aを形成するようにした。従って、
板状部材47が移動することによって、板状部材47の
一側部52又は他側部53がフィルム材36に当接して
も、屈曲部52a,53aによりフィルム材36を損傷
させないようにすることができる。
【0085】(9)上記実施形態では、磁石49を永久
磁石とするようにした。従って、板状部材47を吸引す
るために電気等の駆動エネルギーを使用する必要がない
ので、装置を簡略化することができる。
【0086】(10)上記実施形態では、凸部46は弾
性材により形成するようにした。従って、板状部材47
の一側部52と凸部46との密着度を高くすることがで
き、シール性を高めることができる。
【0087】(11)上記実施形態では、凸部46の上
面46aを板状部材47の回転軸心を通る平面状に位置
するように傾斜するように形成した。従って、板状部材
47が凸部46に当接したときに、凸部46の上面46
aの全体が板状部材47の一側部52により確実に当接
するようになり、凸部46をより確実に封止することが
できる。
【0088】(12)上記実施形態では、弁装置34は
インクジェットプリンタ11の記録ヘッド16の上流側
に配置される。このため、記録ヘッド16のフィルタ上
に溜まった気泡を排出させるためのクリーニングの際
に、この弁装置34を効果的に利用することができる。
【0089】なお、上記実施形態は以下のように変更し
てもよい。 ・上記実施形態では、ソレノイド48を通電させない時
に磁石49を一側部吸引位置に移動させて凸部46が開
状態となるようにした。また、ソレノイド48を通電さ
せた時に磁石49を他側部吸引位置に移動させてノズル
部が閉状態となるようにした。
【0090】これを、図8に示すように、ソレノイド4
8の可動部57を、励磁部56の上側に突出するように
して設け、図8(a)に示すように、通電させない時に
磁石49を他側部吸引位置に位置させて凸部46が閉状
態となるようにしてもよい。そして、図8(b)に示す
ように、通電させた時に磁石49を一側部吸引位置に位
置させて凸部46が開状態となるようにしてもよい。
【0091】このようにすれば、インクジェットプリン
タの装置全体の電源がオフとなり、ソレノイド48が通
電されない状態となっているときに装置が横転などして
しまっても、弁装置34が閉状態となっているので、流
体が誤って外部に流出してしまうようなことがない。
【0092】また、このような使用方法においては、弁
装置34を、供給チューブ13のキャリッジ14の動作
により可動しない部分からインクカートリッジ12まで
インク供給路の任意の位置に配置してもよい。
【0093】・上記実施形態では、板状部材47の板状
部材側軸受54に支持軸55を挿通支持することによっ
て板状部材47を回転できるようにした。これを、板状
部材47に支持軸55を一体に設けるようにしてもよ
い。また、支持軸55を設けず、板状部材47を流路形
成部材35に支持しないようにしてもよい。
【0094】・上記実施形態では、開閉部材として板状
部材47を使用して説明したが、磁石49の移動によっ
て凸部46に当接して凸部46を開閉可能な形状であれ
ば、板状に特に限定されない。
【0095】・上記実施形態では、板状部材47に保護
手段として屈曲部52a,53aを設けるようにした
が、設けないようにしてもよい。また、屈曲部52a,
53aのうちの一方のみを設けるようにしてもよい。さ
らに、保護手段を屈曲部52a,53aではなく、その
他の保護手段、例えば、ゴム等の弾性体としてもよい。
さらに又、保護手段をフィルム材36に設けるようにし
てもよい。
【0096】・上記実施形態では、磁石49は永久磁石
とするようにした。これを、その他の磁石49としても
よい。例えば、図9に示すように、板状部材47の一側
部52及び他側部53をそれぞれ吸引可能な位置に、電
磁石61,62を設け、電磁石61,62に交互に磁界
を発生させることによって板状部材47を回転させるよ
うにしてもよい。このようにすれば、より精度高く板状
部材47の位置を制御することができる。
【0097】・上記実施形態では、弁部材として凸部4
6を設けるようにした。これを、その他の形状の弁部材
を設けるようにしてもよい。また、凸部46は、弾性体
により構成されるようにしたが、その他の材料により形
成されるようにしてもよい。
【0098】・上記実施形態では、凸部46の上面46
aを傾斜するように形成した。これを、図10に示すよ
うに、傾斜しないようにしてもよい。そしてこの場合に
は、板状部材47の一側部52の形状を、凸部46の上
面46aに当接するように屈曲させるようにしてもよ
い。
【0099】・上記実施形態では、弁装置34をインク
カートリッジ12をキャリッジ14に搭載しないインク
ジェットプリンタ11に使用したが、インクカートリッ
ジ12をキャリッジ14に搭載するインクジェットプリ
ンタ11に使用してもよい。
【0100】・上記実施形態では、弁装置34をインク
ジェットプリンタに応用したが、これに限られず、他の
弁装置に応用してもよい。また、流体もインクに限られ
ず、他の流体に応用してもよい。
【0101】・上記実施形態では、磁石移動手段として
ソレノイド48を使用するようにしたが、磁石49を一
側部吸引位置と他側部吸引位置とに移動可能なものであ
れば、その他の移動手段でもよい。例えば、モータとね
じ軸等によって構成されるアクチュエータ等を使用して
磁石49の位置を直線状に移動させるようにしてもよ
い。
【0102】次に上記実施形態及び別例から把握できる
技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記
する。 (1) 請求項1〜21のいずれか1つに記載の弁装置
において、前記開閉部材は、前記磁石が前記一側部吸引
位置に位置したときに前記弁部材から前記一側部を分離
して前記弁部材を開状態とし、前記磁石が前記他側部吸
引位置に位置したときに前記弁部材に前記一側部を接す
るようにして前記弁部材を閉状態とすることを特徴とす
る弁装置。
【0103】従って、この(1)に記載の発明によれ
ば、磁石の配置を、磁石、開閉部材、弁部材の順に並ぶ
ように配置させることができ、磁石と弁部材との位置が
重ならないようにすることができるので、装置を簡素化
することができる。さらに、磁石と開閉部材との距離を
短くすることができ、大きな吸引力を得ることができ
る。
【0104】
【発明の効果】請求項1〜21に記載の発明によれば、
弁装置の設計の自由度を高めることができる。また、装
置の構造を簡略化することができる。
【0105】加えて、請求項3〜4,9及び14に記載
の発明によれば、エネルギー効率を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるインクジェットプリンタの
概念図。
【図2】同じく、流路形成部材の側面図。
【図3】同じく、流路形成部材の部分断面図。
【図4】同じく、圧力ダンパの部分分解側面図。
【図5】同じく、板状部材の斜視図。
【図6】同じく、板状部材の斜視図。
【図7】同じく、圧力ダンパの動作の説明図。
【図8】別例における、圧力ダンパの動作の説明図であ
って、(a)は非通電時、(b)は通電時における図。
【図9】別例における、圧力ダンパの部分断面図。
【図10】別例における、圧力ダンパの部分断面図。
【符号の説明】
11 インクジェット式記録装置としてのインクジェッ
トプリンタ 16 記録ヘッド 33 流路ハウジング 34 弁装置 35 流路形成部材 36 フィルム材 37 流路を構成するインク室 41 流路を構成する第1のインク流路 42 流路を構成する第2のインク流路 45 内壁面としてのハウジング側軸受 46 弁部材としての凸部 46a 上面 47 板状部材 48 磁石移動手段としてのソレノイド 49 磁石 52 一側部 52a,53a 屈曲部 53 他側部 54 軸受としての板状部材側軸受 55 支持軸

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が移動する流路内に配置される弁部
    材と、 前記流路内に配置されるとともに、一側部と他側部とを
    有し、該一側部が前記弁部材に当接又は離間することに
    より、前記流路を開閉する磁性体からなる開閉部材と、 前記流路外に配置され、前記一側部を吸引する一側部吸
    引位置と前記他側部を吸引する他側部吸引位置とに移動
    して、該一側部又は該他側部を吸引することにより前記
    流路を開閉させる磁石と、 前記磁石を前記一側部吸引位置と前記他側部吸引位置と
    に移動させる磁石移動手段とを備えたことを特徴とする
    弁装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の弁装置において、 前記磁石移動手段は、通電により駆動されるものであ
    り、通電しない時に前記磁石を前記他側部吸引位置に位
    置させ、通電する時に前記磁石を前記一側部吸引位置に
    移動させるものであることを特徴とする弁装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の弁装置において、 前記磁石移動手段は、通電により駆動されるものであ
    り、通電しない時に前記磁石を前記一側部吸引位置に位
    置させ、通電する時に前記磁石を前記他側部吸引位置に
    移動させるものであることを特徴とする弁装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の弁
    装置において、 前記開閉部材は、前記一側部と前記他側部との間に回転
    軸心を有し、前記磁石の移動により前記回転軸心を中心
    に回転され、前記一側部を前記弁部材に当接または離間
    させるものであることを特徴とする弁装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の弁装置において、 前記開閉部材は、軸受を一体に備え、該軸受に、前記流
    路の内壁面に対して回転可能、又は回転不能に固定され
    ている支持軸を回転可能に挿通支持することにより前記
    回転軸心を中心に回転するものであることを特徴とする
    弁装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つに記載の弁
    装置において、前記開閉部材は、板状部材であることを
    特徴とする弁装置。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか1つに記載の弁
    装置において、 前記開閉部材は、前記回転軸心に互いに異なる角度で取
    り付けられている2つの平面を備え、 前記一側部及び前記他側部は、それぞれ異なる前記平面
    上に形成されていることを特徴とする弁装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1つに記載の弁
    装置において、 前記流路は、流路ハウジング内に形成され、 該流路ハウジングは、溝が形成された流路形成部材と、
    フィルム材とを備え、前記溝の開口を前記フィルム材に
    よって封止することによって前記流路を形成しているこ
    とを特徴とする弁装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の弁装置において、 前記フィルム材は、前記磁石と前記開閉部材との間に設
    けられていることを特徴とする弁装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の弁装置におい
    て、 前記フィルム材は前記流路形成部材に対して熱溶着され
    ていることを特徴とする弁装置。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれか1つに記載
    の弁装置において、 前記フィルム材は耐ガスバリア性の高い材質によって構
    成されていることを特徴とする弁装置。
  12. 【請求項12】 請求項8〜11のいずれか1つに記載
    の弁装置において、 前記開閉部材と前記フィルム材とが当接する部分に、前
    記開閉部材と前記フィルム材の少なくともいずれか一方
    に保護手段を設けたことを特徴とする弁装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の弁装置において、 前記保護手段は、前記開閉部材の縁を前記フィルム材に
    対して反対方向に向かって屈曲させて形成した屈曲部で
    あることを特徴とする弁装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1つに記載
    の弁装置において、 前記磁石は永久磁石であることを特徴とする弁装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1つに記載
    の弁装置において、 前記弁部材は弾性体により構成されていることを特徴と
    する弁装置。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1つに記載
    の弁装置において、 前記弁部材は前記流路に設けられている開口部を囲むよ
    うにして突設されている凸部であり、前記凸部の上面を
    前記開閉部材の前記一側部に当接させることにより、前
    記開口部を封止して前記流路を閉状態とすることを特徴
    とする弁装置。
  17. 【請求項17】 請求項4〜16のいずれか1つに記載
    の弁装置において、前記弁部材の前記開閉部材と当接す
    る面は、前記回転軸心を通る平面上に位置することを特
    徴とする弁装置。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれか1つに記載
    の弁装置において、前記流体はインクであることを特徴
    とする弁装置。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれか1つに記載
    の弁装置において、前記弁装置はインクジェット式記録
    装置に使用されることを特徴とする弁装置。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の弁装置において、 前記弁装置は、前記インクジェット式記録装置の記録ヘ
    ッドに設けられているフィルタの上流側に配置されるこ
    とを特徴とする弁装置。
  21. 【請求項21】 請求項19又は20に記載の弁装置に
    おいて、 前記弁装置は、前記インクジェット式記録装置のチョー
    ククリーニング又は選択クリーニングに使用されること
    を特徴とする弁装置。
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