JP3855848B2 - 弁装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流路を開閉制御する弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、流体が移動する流路の開閉制御を行う弁装置として、電磁石を利用したものが知られている、その一例として、特開2000−81162号公報に開示された弁装置がある。この弁装置は、バルブ本体の内部に形成された流路と、磁性体による弁体(弁部材)とを備えており、弁体が流路途中に設けられた弁座に当接及び離隔されることにより流路の開閉制御を行うようになっている。そして、バルブ本体には流体の移動方向に沿って弾性変形する膜状部材が備えられ、前記弁体はこの膜状部材に固着されている。
【0003】
また、バルブ本体は、高透磁率を有する磁性材料によって構成され、外周に励磁コイルが巻回されている。そして、励磁コイルを励磁することにより、弁体と弁座との間に斥力を生じさせる。これにより、弁体と弁座とが離隔して流路が開状態となる。
【0004】
一方、励磁コイルへの励磁を停止すると、弁体が膜状部材の弾性復帰及び流体の圧力により移動され、弁体と弁座とが当接されるようになる。これにより、流路が閉状態となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の弁装置では、弁体が磁性体であるとともに、弁座が高透磁率を有する磁性材料によって構成される必要がある。このため、この弁装置では、弁体及び弁座の材質が限られたものとなり、材質の選択に自由度がなく、弁装置の設計を制限する原因となることがあった。また、この弁装置では、バルブ本体の外周に励磁コイルを巻回させる必要があり、装置の構造が複雑化及び大型化するという問題があった。
【0006】
さらに、流路を閉状態とする時には、膜状部材の弾性力により弁体と弁座とを当接するようにしているため、膜状部材の弾性力が劣化してしまった場合には、弁体と弁座とを当接させるのに十分な力が得られず、完全な閉状態とできなくなる畏れがあった。
【0007】
また、流路を開状態とするために必要な弁体と弁座との間の斥力は、前記膜状部材の弾性力を超えた大きさでなくてはならないため、励磁のための通電が大きくなり、エネルギー効率が低下してしまう畏れがあった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされるものであって、その第1の目的は、弁装置の設計の自由度を高めた弁装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、装置の構造を簡略化することができる弁装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の第3の目的は、エネルギー効率の高い弁装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、溝が形成された流路形成部材の前記溝の開口をフィルム材で封止することによって構成された流路ハウジング内に形成され、流体が移動する流路と、該流路内に配置された弁部材と、前記流路内に配置されるとともに、一側部と他側部とを有し、前記一側部と前記他側部との間に有する回転軸心を中心に回転されて前記一側部が前記弁部材に当接又は離間することにより、前記流路を開閉する磁性体からなる開閉部材と、前記フィルム材を挟んで前記開閉部材と対峙するように配置され、前記一側部を吸引する一側部吸引位置と前記他側部を吸引する他側部吸引位置とに移動して、該一側部又は該他側部を吸引することにより前記流路を開閉させる磁石と、前記磁石を前記一側部吸引位置と前記他側部吸引位置とに移動させる磁石移動手段とを備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の弁装置において、請求項1に記載の弁装置において、前記開閉部材は、前記回転軸心に互いに異なる角度で取り付けられている2つの平面を備え、前記一側部及び前記他側部は、それぞれ異なる前記平面上に形成され、前記弁部材は、前記流路に設けられている開口部を囲むようにして突設されている凸部であり、前記開閉部材が当接する前記凸部の上面が、前記回転軸心を通る平面上に位置するように傾斜していることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の弁装置において、前記磁石移動手段は、通電により駆動されるものであり、通電しない時に前記磁石を前記他側部吸引位置に位置させ、通電する時に前記磁石を前記一側部吸引位置に移動させるものであることを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の弁装置において、前記磁石移動手段は、通電により駆動されるものであり、通電しない時に前記磁石を前記一側部吸引位置に位置させ、通電する時に前記磁石を前記他側部吸引位置に移動させるものであることを要旨とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の弁装置において、前記開閉部材は、軸受を一体に備え、該軸受に、前記流路の内壁面に対して回転可能、又は回転不能に固定されている支持軸を回転可能に挿通支持することにより前記回転軸心を中心に回転するものであることを要旨とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の弁装置において、前記開閉部材は、板状部材であることを要旨とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の弁装置において、前記フィルム材は前記流路形成部材に対して熱溶着されていることを要旨とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1つに記載の弁装置において、前記フィルム材は耐ガスバリア性の高い材質によって構成されていることを要旨とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1つに記載の弁装置において、前記開閉部材と前記フィルム材とが当接する部分に、前記開閉部材と前記フィルム材の少なくともいずれか一方に保護手段を設けたことを要旨とする。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の弁装置において、前記保護手段は、前記開閉部材の縁を前記フィルム材に対して反対方向に向かって屈曲させて形成した屈曲部であることを要旨とする。
【0021】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1つに記載の弁装置において、前記磁石は永久磁石であることを要旨とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1つに記載の弁装置において、前記弁部材は弾性体により構成されていることを要旨とする。
【0024】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか1つに記載の弁装置において、前記流体はインクであることを要旨とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれか1つに記載の弁装置において、前記弁装置はインクジェット式記録装置に使用されることを要旨とする。
【0025】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の弁装置において、前記弁装置は、前記インクジェット式記録装置の記録ヘッドに設けられているフィルタの上流側に配置されることを要旨とする。
【0026】
請求項16に記載の発明は、請求項14又は15に記載の弁装置において、前記弁装置は、前記インクジェット式記録装置のチョーククリーニング又は選択クリーニングに使用されることを要旨とする。
【0027】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、磁石移動手段により、流路外の磁石を一側部吸引位置と他側部吸引位置とに移動させ、磁性体による開閉部材の一側部を弁部材に対して当接又は離間することができるようにした。そして、弁部材が開閉を行うようにした。従って、開閉部材が磁性体であれば、流路外の磁石により弁部材の開閉を行うことができるので、弁部材については、どのような材質を選択してもよく、弁装置の設計の自由度を高めることができるようになる。従って、弁部材を励磁させる必要がなく、流路外周に励磁コイルを巻回する必要が無いため、装置の構造を簡略化することができる。また、磁石の移動によって開閉部材が回転軸心を中心に回転するようにした。そしてこれにより、一側部を弁部材に対して当接または離間させ、弁部材を開閉するようにした。従って、開閉部材は、回転によって弁部材の開閉を行うようになり、それ自体の弾性力を使用して弁部材の開閉を行うものではなくなる。その結果、弾性力の劣化等により弁装置の開閉ができなくなってしまうような心配がなくなる。また、弾性力を超えた大きさで弁部材を開閉する必要がないので、エネルギー効率も良好なものとなる。また、流路を形成する流路ハウジングを、溝が形成された流路形成部材とフィルム材とによって構成するようにし、溝の開口をフィルム材によって封止することによって流路を形成するようにした。従って、生産時に開閉部材を流路ハウジング内に収容することが容易となる。また、必要に応じ、溝開口部の広い部分を設け、フィルム材の弾性変形によるコンプライアンスによって、流路内の流体の圧力変動を吸収するダンパとして使用することができる。また、磁石と開閉部材との間の部分はフィルム材により形成されるようにした。従って、磁石と開閉部材とがフィルム材を介して近接するように配置されるため、磁石と開閉部材との距離を短くすることができ、大きな吸引力を得ることができ、エネルギー効率を高めることができる。
【0028】
請求項2に記載の発明によれば、開閉部材に、同開閉部材の回転軸心に対して互いに異なる角度で取り付けられる2つの平面を備え、開閉部材の一側部及び他側部を異なる平面上に設けるようにした。従って、開閉部材を回転させることによって、一側部と他側部とを交互に同一平面上に位置させることができる。その結果、磁石の移動を直線的とすることができ、装置の構造を簡略化することができる。また、開閉部材の一側部を凸部に当接させることにより弁部材を閉状態とするようにした。従って、流路を閉状態とすることが容易となり、シール性を高めることができる。また、弁部材の開閉部材と当接する面は開閉部材の回転軸心を通る平面状に位置するようにした。従って、開閉部材の形状が、回転軸心を通る平面形状であるような場合に、弁部材と開閉部材とを正確に当接させることができ、シール性を高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、磁石移動手段に通電しない時に磁石を他側部吸引位置に移動させて弁部材が閉状態となるようにした。また、通電する時に磁石を一側部吸引位置に移動させて弁部材が開状態となるようにした。従って、この弁装置を備えた装置の全体が電源オフとなり、磁石移動手段に通電されていない状態で、装置が横転などしてしまっても、弁部材が閉状態となっているので、流体が誤って外部に流出してしまうようなことがない。
【0029】
請求項4に記載の発明によれば、磁石移動手段に通電しない時に磁石を一側部吸引位置に移動させて弁部材が開状態となるようにした。また、通電する時に磁石を他側部吸引位置に移動させて弁部材が閉状態となるようにした。従って、この弁装置をインクジェットプリンタのチョーククリーニング又は選択クリーニング等のように、弁部材を閉状態とする時間が開状態とする時間に比較して短いものに適用する場合に、磁石移動手段への通電の時間を短くすることができるので、エネルギー効率を高めることができる。
【0031】
請求項5に記載の発明によれば、開閉部材に一体に備えられている軸受に支持軸を挿通支持することにより、回転軸心を中心に開閉部材を回転させるようにした。従って、開閉部材を簡単な構造で確実に回転させることができる。
【0032】
請求項6に記載の発明によれば、開閉部材を板状部材とした。従って、開閉部材を他側部吸引位置と一側部吸引位置とに移動させるのに適した構造とすることができ、弁部材の開閉を安定して行うことができるようになる。
【0036】
請求項7に記載の発明によれば、フィルム材を流路形成部材に対して熱溶着するようにした。従って、簡易な構成で流路ハウジングの流路を封止することができる。
【0037】
請求項8に記載の発明によれば、フィルム材を耐ガスバリア性の高い材質によって構成するようにした。従って、流路ハウジングの流路内へのガスの流入をより確実に防止することができる。
【0038】
請求項9に記載の発明によれば、開閉部材とフィルム材とが当接する部分に、開閉部材とフィルム材の少なくともいずれか一方に保護手段を設けるようにした。従って、開閉部材とフィルム材との当接による損傷等を防ぐことができる。
【0039】
請求項10に記載の発明によれば、板状部材の縁をフィルム材に対して反対方向に向かって屈曲させ、屈曲部を形成するようにした。従って、板状部材が移動することによって、板状部材の一側部又は他側部がフィルム材に当接しても、縁がフィルム材に対して反対方向に屈曲されているので、フィルム材を損傷させないようにすることができる。
【0040】
請求項11に記載の発明によれば、磁石を永久磁石とするようにした。従って、開閉部材を吸引するために電気等の駆動エネルギーを使用する必要がないので、装置を簡略化するとともに、エネルギー効率を高めることができる。
【0041】
請求項12に記載の発明によれば、弁部材を弾性体により構成するようにした。従って、開閉部材を弁部材に対してより確実に当接させることができ、シール性を高めることができる。
【0044】
請求項13に記載の発明によれば、流体をインクとするようにした。従って、インク流路の開閉の制御において、請求項1〜12のいずれかの作用効果を得ることができる。
【0045】
請求項14に記載の発明によれば、弁装置をインクジェット式記録装置において使用するようにした。従って、インクジェット式記録装置において、請求項1〜13のいずれかの作用効果を得ることができる。
【0046】
請求項15に記載の発明によれば、弁装置をインクジェット式記録装置の記録ヘッドに設けられているフィルタの上流側に配置するようにした。従って、記録ヘッドのフィルタ上に溜まった気泡を排出させるためのクリーニングの際に、この弁装置を効果的に使用することができる。
【0047】
請求項16に記載の発明によれば、弁装置を、インクジェット式記録装置のチョーククリーニング又は選択クリーニングに使用するようにした。従って、弁装置を閉じた状態で、記録ヘッドのノズル側から吸引を行い、高負荷状態でバルブを開けるチョーククリーニング、又は複数色の色ノズルのうち必要なもののみクリーニングを行う選択クリーニングの際に、この弁装置を効果的に使用することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1は、インクジェットプリンタの概念図である。図1に示すように、インクジェット式記録装置としてのインクジェットプリンタ11は、インクカートリッジ12のインクを、インク供給チューブ13を介してキャリッジ14に設けられた圧力ダンパ15に供給し、圧力ダンパ15から記録ヘッド16に移送して印刷を行うものである。
【0049】
詳しくは、記録ヘッド16は、インク滴を吐出すノズル開口(図示しない)を備えており、記録紙等の印刷媒体にインク滴を吐出すことにより画像や文字等の印刷データの記録を行う。なお、本実施形態のインクジェットプリンタ11は、A0判等の大判の記録紙に印刷可能なプリンタであり、インク消費量が多いため、多量のインクを貯留する必要がある。従って、多量のインクを貯留したインクカートリッジをキャリッジ上に搭載させると、キャリッジが重くなり、キャリッジ駆動モータに過大な負荷がかかってしまう。このため、本実施形態では、インクカートリッジ12をキャリッジ14上に搭載させない構成としている。
【0050】
なお、近年、キャリッジ上にインクカートリッジを搭載しないプリンタとして、オフキャリッジにすることによってインクカートリッジのレイアウトに自由度を持たせた、小型化、薄型化されたプリンタが使用されるようになっている。従って、本実施形態では、大判の記録紙に印刷を行うプリンタに具体化するようにしたが、小型化、薄型化されたこれらのプリンタに具体化するようにしてもよい。
【0051】
インクカートリッジ12は、インクジェットプリンタ11の本体側に配置されたインクカートリッジホルダ17内に収容されている。インクカートリッジ12の内部には、インクパック18が設けられており、インクパック18内にはインクが充填されている。
【0052】
インクパック18の一側には針装着部19が形成されており、インクカートリッジホルダ17に設けられた針20が針装着部19に装着するように構成されている。針20はインク供給チューブ13の一側と接続されており、圧力ダンパ15に対してインクを供給できるようになっている。
【0053】
インク供給チューブ13は、例えば、ポリエチレン等の可撓性部材により形成されている。また、インク供給チューブ13は、耐薬品性に優れたポリエチレン系樹脂等の可撓性部材による内装に、気密遮断性に優れた塩化ビニルや金属膜等を外装として覆った二重構造であってもよい。
【0054】
キャリッジ14は、記録紙の幅方向(主走査方向)と同方向に配置されたガイド部材(図示しない)に沿って、往復動可能に取り付けられている。キャリッジ14は、樹脂製材料によって成形されている。そして、キャリッジ14の内部には、前記圧力ダンパ15が取り付けられている。圧力ダンパ15は、キャリッジ14の往復動に伴うインク圧力の変動を抑制するものである。圧力ダンパ15の詳細については後述する。
【0055】
キャリッジ14の下面には記録ヘッド16が設けられており、圧力ダンパ15から記録ヘッド16にインクが供給されるようにインク流路(図示しない)が接続されている。また、記録ヘッド16は、図示しないフィルタ、インク供給管、圧電振動子、流路ユニット及びノズル開口等を備えている。記録ヘッド16は圧電振動子によって圧力室を膨張・収縮させることにより、ノズル開口からインク滴を吐出させるものである。
【0056】
図1において、記録ヘッド16の下方には、キャップ22が設けられている。キャップ22は、有底状に形成されており、その上部開口が記録ヘッド16をキャッピングするようになっている。キャップ22は、インクジェットプリンタ11の非印刷領域に配置されており、非記録時に記録ヘッド16のノズル開口を閉じることにより、インクの水分蒸発を防止するとともに、記録ヘッド16のインクを吸引するクリーニング動作を行う。
【0057】
キャップ22の底部は、吸引チューブ23に連通されており、吸引チューブ23の途中に配設された吸引ポンプ24によって、記録ヘッド16からキャップ22側へインクを強制的に吸引するようになっている。吸引ポンプ24により吸引されたインクは、廃液回収ボックス25に回収される。廃液回収ボックス25内には、複数層のスポンジ26が設けられており、回収されたインクを貯蔵する。
【0058】
なお、図1では1色のインクについてのみの構成を示しているが、インクジェットプリンタ11は、例えば、シアン、マゼンダ、イエロ、ブラック等の複数のインクに対応した構成となっている。従って、前記インクカートリッジ12、インク供給チューブ13、圧力ダンパ15及び記録ヘッド16等はインク数ごとに設けられる。
【0059】
次に、圧力ダンパ15について説明する。
圧力ダンパ15は、インク供給チューブ13から供給されるインクを記録ヘッド16に導く流路ハウジング33と、同流路ハウジング33内の流路を開閉するための弁装置34とを備える。流路ハウジング33は、キャリッジ14に固定されており、内部に流路が形成された流路形成部材35と、フィルム材36とによって構成される。流路形成部材35は、例えばポリプロピレン又はポリエチレン等の樹脂製材料によって成型されており、側面に略直方体状の溝としてのインク室37が凹設されている。図2は、流路形成部材35の側面図であり、同図に示すように、このインク室37の内壁面(主走査方向に直交する面)には円形の2つの第1及び第2の開口部38,39が設けられている。
【0060】
図1に示すように、第1の開口部38は第1のインク流路41の基端部と接続されており、この第1のインク流路41の先端部は前記インク供給チューブ13と接続されている。従って、インク供給チューブ13から供給されるインクは、第1のインク流路41を介して前記インク室37に流入するようになっている。また、第2の開口部39は第2のインク流路42と接続されており、この第2のインク流路42は前記記録ヘッド16と接続されている。従って、インク室37内のインクは、この第2のインク流路42を介して記録ヘッド16に供給されるようになっている。なお、前記第1のインク流路41、インク室37、第2のインク流路42によって、流路ハウジング33の流路を構成している。
【0061】
また、図2及び図3に示すように、この流路形成部材35には、前記インク室37を挟むようにして一対の軸部格納部44が略直方体状に凹設されている。そして、この軸部格納部44からはさらに、半円筒状の内壁面としてのハウジング側軸受45が凹設されている。
【0062】
フィルム材36は、複数の材質からなる層によって形成されており、例えば、ポリエチレン層、ガスバリア層及びナイロン層から形成されている。従って、フィルム材36は耐ガスバリア性の高い材質が使用されている。なお、フィルム材36はその厚さが例えば0.1mm程度に形成されており、磁気抵抗を極力小さくしている。
【0063】
そして、フィルム材36は、図1に示すように、前記流路形成部材35の側面に熱溶着されており、流路形成部材35のインク室37の開口を封止している。フィルム材36は、その大きさによってはインク室37の容積を減少させる方向と増加させる方向に変形可能であり、フィルム材36の弾性変形によるコンプライアンスによって、インク室37内におけるインクの圧力変動が吸収することが可能である。
【0064】
弁装置34は、弁部材としての凸部46、板状部材47、磁石移動手段としてのソレノイド48、磁石49を備えている。凸部46は、図1及び図2に示すように、インク室37の内壁面(主走査方向に直行する面)に設けられ、インク室37の前記第2の開口部39を囲むようにして突設されている。そして、この凸部46の上面46aは記録ヘッド16方向に向かって低くなるように若干傾斜している。この上面46aの傾斜は、後述する板状部材47が回転した時に、板状部材47に当接して、凸部46を封止するような角度となっている。また、この凸部46は、弾性材により構成され、弾性材としては、フッ素ゴム、硬質シリコンゴム、ブチルゴム、エラストマー、CRゴム、NBRゴム又はウレタンゴム等が使用可能である。
【0065】
板状部材47は、図1及び図4に示すように、同じくインク室37内において、前記ハウジング側軸受45に回転可能に取り付けられている。詳しくは、板状部材47は、電磁ステンレス等の磁性体によって図5及び図6に示すように軸部51を頂点とした山型状に形成されている。そして、板状部材47は、中央の軸部51と、その両側の一側部52及び他側部53とを備え、一側部52及び他側部53は、それぞれ軸部51に対して異なる角度で取り付けられている。
【0066】
軸部51の中央部は長方形状の開口51aが形成されているとともに、凸部46を向く側には、半円筒形状の軸受としての板状部材側軸受54が設けられている。そして、板状部材47は、図1に示すように、前記板状部材側軸受54に支持軸55を回転可能に挿通し、その支持軸55の両端を、前記ハウジング側軸受45に回転可能に支持させることにより、ハウジング側軸受45に回転可能に取り付けられている。
【0067】
また、図5及び図6に示すように、板状部材47の一側部52と他側部53のそれぞれの縁は、フィルム材36の反対方向に向かって折れ曲がっており、屈曲部52aと53aが形成されている。従って、板状部材47の一側部52及び他側部53がフィルム材36に当接しても、フィルム材36に損傷等が生じないようになっている。
【0068】
なお、この状態で、板状部材47が図1の反時計回りに回転すると、一側部52がフィルム材36に当接する。また、時計回りに回転すると、図7に示すように、一側部52が前記凸部46の上面46aに当接するとともに、他側部53がフィルム材36に当接する。そして、このとき、凸部46の上面46aは、板状部材47の回転軸心を通る平面上に位置するように傾斜して形成されているので、凸部46(開口部39)が板状部材47によってより確実に封止されるようになっている。
【0069】
ソレノイド48は、図1に示すようにキャリッジ14に固定されており、励磁部56と、励磁部56の下側に突出しているシャフト状の可動部57とによって構成されている。そして、励磁部56はその内部に図示しない励磁コイルが巻回されており、図示しないリード線を介して通電されることにより磁界が発生するようになっている。また、可動部57は、上下方向に移動可能な磁性体となっており、励磁部56の励磁により励磁部56側に引き寄せられるようになっている。そして、可動部57には、その先端に前記磁石49が設けられているとともに、可動部57を囲むようにして、コイルばね58が掛装されている。このコイルばね58によって、磁石49と励磁部56とは離間される方向に付勢されている。
【0070】
磁石49は、永久磁石からなり、フィルム材36を挟んで前記板状部材47と対峙しており、フィルム材36を介して板状部材47に対して磁力を伝達できるようなっている。そして、可動部57の上下方向の移動に伴って、図1に示すように、板状部材47の一側部52と対峙する一側部吸引位置と、図7に示すように、板状部材47の他側部53と対峙する他側部吸引位置とに移動するようになっている。
【0071】
従って、ソレノイド48を通電して励磁させると、図7に示すように、可動部57が励磁部56側に引き寄せられ、磁石49が他側部吸引位置に移動する。そして、フィルム材36を介して板状部材47の他側部53が吸引され、板状部材47が時計回りに回転する。その結果、他側部53がフィルム材36に当接するとともに、一側部52が凸部46の上面46aに当接し、凸部46(開口部39)が閉状態となる。
【0072】
また、図7の状態から、ソレノイド48の通電を停止すると、コイルばね58に蓄積されていた付勢力により、可動部57が励磁部56から引き離され、図1に示すように、磁石49が一側部吸引位置に移動する。そして、フィルム材36を介して板状部材47の一側部52が吸引され、板状部材47が反時計周りに回転する。その結果、一側部52が凸部46から離れ、フィルム材36に接するようになる。そして、凸部46(開口部39)が開状態となる。以上のように、ソレノイド48の通電を行ったり停止したりすることにより、一側部52と凸部46との相対位置が変化し、凸部46を開閉することができる。
【0073】
なお、上記のような弁装置34は、記録ヘッド16のインクを吸引するクリーニング動作に適している。通常のインクジェットプリンタ11では、記録ヘッド16のメンテナンスとしては、吸引によるクリーニングが行われる。このクリーニングでは、記録ヘッド16内のインクに溜まった気泡を吸引するため、吸引ポンプ24によりインクの吸引を行う。しかし、通常のクリーニングでは十分に排出できない気泡がある。特に記録ヘッド16のフィルタ(図示せず)上には気泡の残りが大きく、ノズル抜けや印品質の劣化の原因となることがあった。このような気泡を排出する方法として、いわゆるチョーククリーニングが効果的である。
【0074】
このチョーククリーニングでは、インク流路の上流側の弁を閉じた状態(チョーク状態)とし、ノズル側から吸引ポンプ24により吸引する。そして、記録ヘッド16内を負圧にして気泡を膨張させ、記録ヘッド16のフィルタより下流に気泡を引き込む。この状態で、弁を開いて気泡を排出させるものである。本実施の形態の弁装置34によってインク流路を開閉することによりこのチョーククリーニングの実施が可能である。
【0075】
また、本実施の形態の弁装置34は、複数の記録ヘッド16のうち一色のインクについてのみクリーニングを行う、いわゆる選択クリーニングにも適している。近年のインクジェットプリンタは、高速化の要請に伴うヘッドの多ノズル化(又はハイバンド化ともいう)、及びカラー高画質化の要請に伴う多色化により、消費インク量が増加する傾向にある。このため吸引によるクリーニングで発生する廃液を減少させて、消費インク量を極力減少させる要請がある。
【0076】
これを達成する方法として、クリーニングの必要な色のノズル開口のみを吸引する選択クリーニングを実施することが望ましい。本実施形態によれば、弁装置34を各色のインク流路ごとに設け、クリーニングを行う色のインクだけインク流路を開状態とし、他の色のインクについてはインク流路を閉状態とすることにより、この選択クリーニングの実施が可能である。
【0077】
上記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ソレノイド48により、磁石49を一側部吸引位置と他側部吸引位置とに移動させ、板状部材47の一側部52と凸部46との相対位置を変化させるようにした。そして、凸部46(第2の開口部39)を開閉させるようにした。従って、板状部材47が電磁ステンレス等の磁性体であれば、磁石49により凸部46の開閉を行うことができる。その結果、凸部46の材質については、どのような材質を選択しても良いこととなり、弁装置34の設計の自由度を高めることができる。従って、凸部46を励磁させて板状部材47を凸部46側に吸引させる必要がなく、流路ハウジング33の外周等に励磁コイルを巻回する必要がないため、装置の構造を簡略化することができる。
【0078】
(2)上記実施形態では、磁石49を流路ハウジング33の外側に配置するようにした。従って、磁石49の耐インク性を考慮する必要がなく、設計の自由度を高めることができる。
【0079】
(3)上記実施形態では、ソレノイド48を通電させない時に磁石49を一側部吸引位置に移動させて凸部46が開状態となるようにした。また、ソレノイド48を通電させた時に磁石49を他側部吸引位置に移動させてノズル部が閉状態となるようにした。従って、この装置をインクジェットプリンタのチョーククリーニング又は選択クリーニング等に適用する場合に、クリーニング動作の時にのみソレノイド48を通電させればよいため、インクジェットプリンタ11全体の負荷を少なくすることができる。
【0080】
(4)上記実施形態では、磁石49の移動によって板状部材47が回転軸心を中心に回転するようにした。そしてこれにより一側部52と凸部46との相対位置を変化させ、凸部46を開閉させるようにした。従って、板状部材47は、それ自体の弾性力を使用して凸部46の開閉を行うものではなく、弾性力の劣化等により凸部46の開閉ができなくなってしまうような心配がなくなる。また、弾性力を超えた大きさで凸部46を開閉する必要がないので、エネルギー効率も良好なものとなる。
【0081】
(5)上記実施形態では、板状部材47に一体に備えられている板状部材側軸受54に支持軸55を挿通支持することにより、回転軸心を中心に板状部材47を回転させるようにした。従って、板状部材47を簡単な構造で確実に回転させることができる。
【0082】
(6)上記実施形態では、流路ハウジング33のうち、磁石49と板状部材47との間の部分はフィルム材36により形成されるようにした。従って、磁石49と板状部材47とがフィルム材36を介して近接するように配置されるため、磁石49と板状部材47との距離を短くすることができ、大きな吸引力を得ることができる。さらに、生産時に流路ハウジング33に板状部材47を収容することが容易となる。
【0083】
(7)上記実施形態では、フィルム材36を流路形成部材35に対して熱溶着するようにした。従って、簡易な構成で流路ハウジング33のインク室37を封止することができる。また、フィルム材36を耐ガスバリア性の高い材質によって構成するようにした。従って、流路ハウジング33のインク室37内へのガスの流入をより確実に防止することができる。
【0084】
(8)上記実施形態では、開閉部材として板状部材47を使用するようにし、板状部材47の縁をそれぞれフィルム材36に対して反対方向に屈曲させ、屈曲部52a,53aを形成するようにした。従って、板状部材47が移動することによって、板状部材47の一側部52又は他側部53がフィルム材36に当接しても、屈曲部52a,53aによりフィルム材36を損傷させないようにすることができる。
【0085】
(9)上記実施形態では、磁石49を永久磁石とするようにした。従って、板状部材47を吸引するために電気等の駆動エネルギーを使用する必要がないので、装置を簡略化することができる。
【0086】
(10)上記実施形態では、凸部46は弾性材により形成するようにした。従って、板状部材47の一側部52と凸部46との密着度を高くすることができ、シール性を高めることができる。
【0087】
(11)上記実施形態では、凸部46の上面46aを板状部材47の回転軸心を通る平面状に位置するように傾斜するように形成した。従って、板状部材47が凸部46に当接したときに、凸部46の上面46aの全体が板状部材47の一側部52により確実に当接するようになり、凸部46をより確実に封止することができる。
【0088】
(12)上記実施形態では、弁装置34はインクジェットプリンタ11の記録ヘッド16の上流側に配置される。このため、記録ヘッド16のフィルタ上に溜まった気泡を排出させるためのクリーニングの際に、この弁装置34を効果的に利用することができる。
【0089】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、ソレノイド48を通電させない時に磁石49を一側部吸引位置に移動させて凸部46が開状態となるようにした。また、ソレノイド48を通電させた時に磁石49を他側部吸引位置に移動させてノズル部が閉状態となるようにした。
【0090】
これを、図8に示すように、ソレノイド48の可動部57を、励磁部56の上側に突出するようにして設け、図8(a)に示すように、通電させない時に磁石49を他側部吸引位置に位置させて凸部46が閉状態となるようにしてもよい。そして、図8(b)に示すように、通電させた時に磁石49を一側部吸引位置に位置させて凸部46が開状態となるようにしてもよい。
【0091】
このようにすれば、インクジェットプリンタの装置全体の電源がオフとなり、ソレノイド48が通電されない状態となっているときに装置が横転などしてしまっても、弁装置34が閉状態となっているので、流体が誤って外部に流出してしまうようなことがない。
【0092】
また、このような使用方法においては、弁装置34を、供給チューブ13のキャリッジ14の動作により可動しない部分からインクカートリッジ12までインク供給路の任意の位置に配置してもよい。
【0093】
・上記実施形態では、板状部材47の板状部材側軸受54に支持軸55を挿通支持することによって板状部材47を回転できるようにした。これを、板状部材47に支持軸55を一体に設けるようにしてもよい。また、支持軸55を設けず、板状部材47を流路形成部材35に支持しないようにしてもよい。
【0094】
・上記実施形態では、開閉部材として板状部材47を使用して説明したが、磁石49の移動によって凸部46に当接して凸部46を開閉可能な形状であれば、板状に特に限定されない。
【0095】
・上記実施形態では、板状部材47に保護手段として屈曲部52a,53aを設けるようにしたが、設けないようにしてもよい。また、屈曲部52a,53aのうちの一方のみを設けるようにしてもよい。さらに、保護手段を屈曲部52a,53aではなく、その他の保護手段、例えば、ゴム等の弾性体としてもよい。さらに又、保護手段をフィルム材36に設けるようにしてもよい。
【0096】
・上記実施形態では、磁石49は永久磁石とするようにした。これを、その他の磁石49としてもよい。例えば、図9に示すように、板状部材47の一側部52及び他側部53をそれぞれ吸引可能な位置に、電磁石61,62を設け、電磁石61,62に交互に磁界を発生させることによって板状部材47を回転させるようにしてもよい。このようにすれば、より精度高く板状部材47の位置を制御することができる。
【0097】
・上記実施形態では、弁部材として凸部46を設けるようにした。これを、その他の形状の弁部材を設けるようにしてもよい。また、凸部46は、弾性体により構成されるようにしたが、その他の材料により形成されるようにしてもよい。
【0098】
・上記実施形態では、凸部46の上面46aを傾斜するように形成した。これを、図10に示すように、傾斜しないようにしてもよい。そしてこの場合には、板状部材47の一側部52の形状を、凸部46の上面46aに当接するように屈曲させるようにしてもよい。
【0099】
・上記実施形態では、弁装置34をインクカートリッジ12をキャリッジ14に搭載しないインクジェットプリンタ11に使用したが、インクカートリッジ12をキャリッジ14に搭載するインクジェットプリンタ11に使用してもよい。
【0100】
・上記実施形態では、弁装置34をインクジェットプリンタに応用したが、これに限られず、他の弁装置に応用してもよい。また、流体もインクに限られず、他の流体に応用してもよい。
【0101】
・上記実施形態では、磁石移動手段としてソレノイド48を使用するようにしたが、磁石49を一側部吸引位置と他側部吸引位置とに移動可能なものであれば、その他の移動手段でもよい。例えば、モータとねじ軸等によって構成されるアクチュエータ等を使用して磁石49の位置を直線状に移動させるようにしてもよい。
【0102】
次に上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1) 請求項1〜16のいずれか1つに記載の弁装置において、
前記開閉部材は、前記磁石が前記一側部吸引位置に位置したときに前記弁部材から前記一側部を分離して前記弁部材を開状態とし、前記磁石が前記他側部吸引位置に位置したときに前記弁部材に前記一側部を接するようにして前記弁部材を閉状態とすることを特徴とする弁装置。
【0103】
従って、この(1)に記載の発明によれば、磁石の配置を、磁石、開閉部材、弁部材の順に並ぶように配置させることができ、磁石と弁部材との位置が重ならないようにすることができるので、装置を簡素化することができる。さらに、磁石と開閉部材との距離を短くすることができ、大きな吸引力を得ることができる。
【0104】
【発明の効果】
請求項1〜16に記載の発明によれば、弁装置の設計の自由度を高めることができる。また、装置の構造を簡略化することができる。また、エネルギー効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるインクジェットプリンタの概念図。
【図2】同じく、流路形成部材の側面図。
【図3】同じく、流路形成部材の部分断面図。
【図4】同じく、圧力ダンパの部分分解側面図。
【図5】同じく、板状部材の斜視図。
【図6】同じく、板状部材の斜視図。
【図7】同じく、圧力ダンパの動作の説明図。
【図8】別例における、圧力ダンパの動作の説明図であって、(a)は非通電時、(b)は通電時における図。
【図9】別例における、圧力ダンパの部分断面図。
【図10】別例における、圧力ダンパの部分断面図。
【符号の説明】
11 インクジェット式記録装置としてのインクジェットプリンタ
16 記録ヘッド
33 流路ハウジング
34 弁装置
35 流路形成部材
36 フィルム材
37 流路を構成するインク室
41 流路を構成する第1のインク流路
42 流路を構成する第2のインク流路
45 内壁面としてのハウジング側軸受
46 弁部材としての凸部
46a 上面
47 板状部材
48 磁石移動手段としてのソレノイド
49 磁石
52 一側部
52a,53a 屈曲部
53 他側部
54 軸受としての板状部材側軸受
55 支持軸

Claims (16)

  1. 溝が形成された流路形成部材の前記溝の開口をフィルム材で封止することによって構成された流路ハウジング内に形成され、流体が移動する流路と、
    該流路内に配置された弁部材と、
    前記流路内に配置されるとともに、一側部と他側部とを有し、前記一側部と前記他側部との間に有する回転軸心を中心に回転されて前記一側部が前記弁部材に当接又は離間することにより、前記流路を開閉する磁性体からなる開閉部材と、
    前記流路外に前記フィルム材を挟んで前記開閉部材と対峙するように配置され、前記一側部を吸引する一側部吸引位置と前記他側部を吸引する他側部吸引位置とに移動して、該一側部又は該他側部を吸引することにより前記流路を開閉させる磁石と、
    前記磁石を前記一側部吸引位置と前記他側部吸引位置とに移動させる磁石移動手段と
    を備えたことを特徴とする弁装置。
  2. 請求項1に記載の弁装置において、
    前記開閉部材は、前記回転軸心に互いに異なる角度で取り付けられている2つの平面を備え、
    前記一側部及び前記他側部は、それぞれ異なる前記平面上に形成され、
    前記弁部材は、前記流路に設けられている開口部を囲むようにして突設されている凸部であり、
    前記開閉部材が当接する前記凸部の上面が、前記回転軸心を通る平面上に位置するように傾斜していることを特徴とする弁装置。
  3. 請求項1又は2に記載の弁装置において、
    前記磁石移動手段は、通電により駆動されるものであり、通電しない時に前記磁石を前記他側部吸引位置に位置させ、通電する時に前記磁石を前記一側部吸引位置に移動させるものであることを特徴とする弁装置。
  4. 請求項1又は2に記載の弁装置において、
    前記磁石移動手段は、通電により駆動されるものであり、通電しない時に前記磁石を前記一側部吸引位置に位置させ、通電する時に前記磁石を前記他側部吸引位置に移動させるものであることを特徴とする弁装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の弁装置において、
    前記開閉部材は、軸受を一体に備え、該軸受に、前記流路の内壁面に対して回転可能、又は回転不能に固定されている支持軸を回転可能に挿通支持することにより前記回転軸心を中心に回転するものであることを特徴とする弁装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の弁装置において、前記開閉部材は、板状部材であることを特徴とする弁装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の弁装置において、
    前記フィルム材は前記流路形成部材に対して熱溶着されていることを特徴とする弁装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の弁装置において、
    前記フィルム材は耐ガスバリア性の高い材質によって構成されていることを特徴とする弁装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の弁装置において、
    前記開閉部材と前記フィルム材とが当接する部分に、前記開閉部材と前記フィルム材の少なくともいずれか一方に保護手段を設けたことを特徴とする弁装置。
  10. 請求項9に記載の弁装置において、
    前記保護手段は、前記開閉部材の縁を前記フィルム材に対して反対方向に向かって屈曲させて形成した屈曲部であることを特徴とする弁装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の弁装置において、
    前記磁石は永久磁石であることを特徴とする弁装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の弁装置において、
    前記弁部材は弾性体により構成されていることを特徴とする弁装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1つに記載の弁装置において、前記流体はインクであることを特徴とする弁装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1つに記載の弁装置において、前記弁装置はインクジェット式記録装置に使用されることを特徴とする弁装置。
  15. 請求項14に記載の弁装置において、
    前記弁装置は、前記インクジェット式記録装置の記録ヘッドに設けられているフィルタの上流側に配置されることを特徴とする弁装置。
  16. 請求項14又は15に記載の弁装置において、
    前記弁装置は、前記インクジェット式記録装置のチョーククリーニング又は選択クリーニングに使用されることを特徴とする弁装置。
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