JP2002361883A - 記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクタンクを交換するときインク供給路に
混入した気泡の捕集及び除去効果を高めることができる
とともに、廃インクの量を少なくすることができ、さら
に、小形化を図ることができるようにする。 【解決手段】 インクタンク６が交換されるときインク
供給路５へ混入した気泡を捕集する気泡捕集部８を外部
から加えられる力によって体積可変とし、体積を変えて
気泡捕集部８が捕集した気泡をインクタンク６へ除去す
る気泡除去部材９と、前記気泡捕集部８及びヘッド１間
のインク供給路５を開閉する開閉部材７とを設けてあ
り、該開閉部材７がインク供給路５を閉じた状態で気泡
除去部材９が気泡捕集部の体積を変えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、紙等の記録媒体に
文字等の画像データを記録する記録装置に係り、特に、
インク供給路に侵入した気泡を除去する手段を有するイ
ンクジェット方式の記録装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】インクジェットプリンタ等のインクジェ
ット方式の記録装置は、レーザープリンタ等の電子写真
方式の記録装置と比べて軽量、静音であり、さらに、普
通紙に対して特別な定着処理を施すことなく、高速記録
が行えると言う特徴を有している。近年、ＯＡ機器のデ
ィジタル化の急速な進展に伴い、カラー画像出力の需要
が増してきたことにより、安価なカラーインクジェット
プリンタが広く一般に普及し、種々のタイプのものが商
品化されている。

【０００３】インクジェット方式の記録装置は、インク
を吐出する吐出部を有し、記録媒体に画像データを記録
するインクジェット式のヘッドと、前記吐出部にインク
供給路を介して連通し、画像データを記録する前のイン
クを一時貯留するインクタンクとを具備している。

【０００４】このような記録装置では、インクタンク内
のインクが残り少なくなり、新しいインクタンクと交換
するとき、インク供給路のインクタンクとの連通部から
インク供給路へ気泡（空気）が混入して、インクタンク
から吐出部へのインク供給路が遮断されてしまうため、
混入した気泡をインク供給路から外部へ除去する必要が
あり、混入気泡除去機構が必要である。この混入気泡除
去機構は、予め記録装置内に組み込まれたり、インク供
給路内に設けられたりしている。

【０００５】記録装置内に組み込まれた混入気泡除去機
構は、インクを吐出する吐出部の乾燥を防ぐべくヘッド
に設けられているキャップ内に吸引管を介して連通する
ポンプ等の吸引機構が記録装置内の記録域外に配設され
ており、前記キャップを通じてインク供給路の混入気泡
を強制的に外部へ除去するように構成されている。

【０００６】また、インク供給路の近傍に設けられた混
入気泡除去機構は、インク供給路の途中に、該インク供
給路に混入した気泡を捕集するエリアが設けられてお
り、このエリアを利用して気泡を捕集し、インク供給路
外部へ除去するように構成されている。また、特開２０
００−１０３７４公報では、インクタンクとヘッドとに
接続されたインク供給用のチューブ及び気泡排出用のチ
ューブと、前記インク供給用のチューブの途中に配置さ
れたインク循環用のポンプとを備え、該ポンプの駆動に
よりヘッド内の気泡をインクタンクへ排出することによ
り、気泡が吐出部へ侵入しないようにしたものが開示さ
れている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、ポンプ等の
吸引機構が用いられたものにあっては、気泡とともにイ
ンクの一部が吸引されるため、廃インクの量が増加する
ことになるとともに、廃インクを収容するための収容部
を必要とし、さらに、この収容部を配置するためのスペ
ースが必要であった。また、混入気泡除去機構がインク
供給路内に設けられたものにあっては、インクタンクを
交換するときに混入した気泡の捕集及び除去効果を高め
ることが要望されていた。また、インク循環用のポンプ
が用いられたものにあっては、ポンプ及び複数のチュー
ブを必要とするため、インク供給系の全体が、チューブ
のはいまわしスペース等で大型化し、コスト高の要因と
なる。また、ポンプを用いてインクを循環させているた
め、インクの供給がポンプ自体の脈動等の特性によって
吐出部でのインクの吐出が不安定になると言う問題があ
った。

【０００８】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、主たる目的はインクタンクを交換するときにイ
ンク供給路へ混入した気泡を捕集するための気泡捕集部
を体積可変とし、該気泡捕集部の体積を変えて気泡捕集
部が捕集した気泡をインクタンク側へ除去する気泡除去
手段を有する構成とすることにより、インクタンクを交
換するときに混入した気泡の捕集及び除去効果を高める
ことができるとともに、廃インクの量を少なくすること
ができ、さらに、気泡除去手段が必要とするスペースを
比較的小さくすることができる記録装置を提供すること
にある。

【０００９】また、他の目的は気泡捕集部が捕集した気
泡を除去しているとき開閉手段がインク供給路を閉じる
ように構成することにより、気泡捕集部で捕集された気
泡がヘッド側へ流入することを禁止することができる記
録装置を提供することにある。

【００１０】さらに、他の目的は気泡捕集部の上部をイ
ンクタンクと連通させ、下部を吐出部と連通させること
により、気泡捕集部での捕集を良好にできるとともに、
捕集された気泡がヘッド側へ流入し難くすることがで
き、また、捕集された気泡を該気泡の浮力によってイン
クタンク側へより一層排出させ易くすることができる記
録装置を提供することにある。

【００１１】また、他の目的はインクタンクを交換する
とき開閉手段及び気泡除去手段を動作させるための動作
連動手段を有している構成とすることにより、インクタ
ンクの交換時には捕集された気泡がヘッド側へ流入する
ことを禁止することができるとともに、捕集された気泡
を良好に除去することができる記録装置を提供すること
にある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明に係る記録装置
は、インクを吐出する吐出部を有し、記録媒体に印字す
るためのヘッドと、前記吐出部にインク供給路を介して
連通する交換が可能なインクタンクと、前記インクタン
クが交換されるとき前記インク供給路へ混入した気泡を
捕集する気泡捕集部とを備えた記録装置において、前記
気泡捕集部は外部から加えられる力によって体積を可変
としてあり、該体積を変えて気泡捕集部が捕集した気泡
を前記インクタンク側へ除去する気泡除去手段と、前記
気泡捕集部及びヘッド間のインク供給路を開閉する開閉
手段とを有していることを特徴とする。

【００１３】この発明にあっては、開閉手段がインク供
給路を閉じ、気泡除去手段が気泡捕集部の体積を外部か
ら変えるため、インクタンクを交換するときインク供給
路に混入した気泡の捕集及び除去効果を高めることがで
きるとともに、廃インクの量を少なくすることができ
る。さらに、気泡除去手段は気泡捕集部の体積を変える
構造であるため、気泡除去手段が必要とするスペースを
比較的小さくすることができ、小形化を図ることができ
る。

【００１４】また、本発明に係る記録装置は、前記開閉
手段は、前記気泡捕集部が捕集した気泡を除去している
とき前記インク供給路を閉じるようにしてあることを特
徴とする。

【００１５】この発明にあっては、気泡捕集部が捕集し
た気泡を気泡除去手段によって除去しているとき気泡捕
集部及びヘッド間のインク供給路を開閉手段が閉じてい
るため、気泡捕集部で捕集された気泡がヘッド側へ流入
することを禁止することができ、気泡の捕集効果を高め
ることができる。

【００１６】さらに、本発明に係る記録装置は、前記気
泡捕集部は上部が前記インクタンクと連通し、下部が前
記吐出部と連通していることを特徴する。

【００１７】この発明にあっては、気泡捕集部での気泡
捕集を良好にできるとともに、捕集された気泡のヘッド
側への流入を難しくすることができ、また、捕集された
気泡を該気泡の浮力によってインクタンク側へより一層
良好に排出させることができる。

【００１８】また、本発明に係る記録装置は、前記イン
クタンクを交換するときの交換動作に連動する動作連動
手段を備え、該動作連動手段が前記開閉手段及び気泡除
去手段を動作させるようにしてあることを特徴とする。

【００１９】この発明にあっては、インクタンクの交換
動作によって開閉手段及び気泡除去手段を動作させるこ
とができるため、開閉手段及び気泡除去手段専用の操作
手段を設けることなく、気泡捕集部への気泡捕集及び除
去と、インク供給路の開閉とを行うことができ、構造を
より一層簡単にでき、コストの低減を図ることができ
る。

【００２０】また、本発明に係る記録装置は、前記イン
クタンクを保持するタンク保持部材を有しており、前記
動作連動手段は離間して枢着された２つの転動輪と、該
転動輪間に掛設された無端帯と、一方の転動輪にその長
手方向途中が結合された回動杆とを有しており、該回動
杆の一端に前記気泡除去手段が、また、他端に前記開閉
手段が夫々連結されているとともに、他方の転動輪に前
記タンク保持部材が結合されていることを特徴とする。

【００２１】この発明にあっては、インクタンクを交換
すべくタンク保持部材をインクタンクとともに揺動させ
ることにより、該タンク保持部材に結合されている転動
輪、無端帯及び転動輪を介して回動杆が回動し、気泡除
去手段及び開閉手段が動作する。気泡除去手段の動作に
より気泡捕集部の体積が大きくなり、インク供給路に混
入した気泡を気泡捕集部で捕集することができ、また、
開閉手段の動作によりインク供給路の途中を一時的に閉
じることができる。

【００２２】インクタンクを交換した後、タンク保持部
材をインクタンクとともに揺動させることにより、該タ
ンク保持部材に結合されている転動輪、無端帯及び転動
輪を介して回動杆が回動し、気泡除去手段及び開閉手段
が動作する。気泡除去手段の動作により気泡捕集部の体
積が小さくなり、気泡捕集部に捕集されている気泡をイ
ンクタンク内へ排出することができ、また、開閉手段の
動作によりインク供給路を開くことができる。

【００２３】

【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図１は本発明に係る記録装
置の要部を示す斜視図、図２はヘッド及びインクタンク
部分の拡大斜視図、図３はヘッド及びインクタンク部分
の拡大断面図、図４はインクタンクのインク供給路との
接続部を示す概略斜視図、図５はインク供給系の構成を
示す模式図である。

【００２４】図１の記録装置はインクジェット式のカラ
ープリンタであり、記録用液体としてのインクを吐出す
る複数の吐出部１ａを有するヘッド１と、該ヘッド１を
保持し、矢印Ａで示す主走査方向への移動が可能なヘッ
ド保持体２と、該ヘッド保持体２の移動を案内する案内
杆３と、モータによって駆動され、前記ヘッド保持体２
を移動させるためのタイミングベルト４と、紙等の記録
媒体Ａを前記主走査方向と直交する副走査方向（矢印
Ｂ）へ搬送するための搬送手段とを備え、ヘッド保持体
２を主走査方向へ移動させつつ吐出部１ａから記録媒体
Ａに向けてインクを吐出することにより文字等の画像デ
ータを記録媒体Ａに記録するように構成されている。

【００２５】ヘッド１は一側に前記吐出部１ａを有する
複数の箱状のヘッド本体１１と、該ヘッド本体１１内に
収容され、異なる色のインクが貯留された加圧室１２
と、該加圧室１２内のインクに圧力を加えて該インクを
前記吐出部１ａから吐出させるための加圧手段１３とを
有する。前記吐出部１ａは主走査方向に配列されてい
る。

【００２６】加圧手段１３は前記加圧室１２の一側に結
合された撓み可能な振動板１４と、該振動板１４に積層
されたピエゾ素子である圧電体１５とを有し、画像信号
に応じた電圧が圧電体１５に印加されることにより振動
板１４を前記加圧室１２内へ湾曲させ、加圧室１２の体
積を減少させ、加圧室１２内のインクを前記吐出部１ａ
から外部へ吐出するようにしてある。

【００２７】吐出部１ａは前記加圧室１２と連通し、記
録媒体Ａと向き合うように穿設された吐出口を有するプ
レートを用いてなり、該プレートが前記ヘッド本体１１
の一側に取付けられている。また、このプレートと前記
振動板１４との間に断面エ字形の前記加圧室１２が配置
されている。

【００２８】ヘッド保持体２は、複数の前記ヘッド本体
１１と、該ヘッド本体１１を貫通してその一端が前記加
圧室１２に接続された複数のインク供給路５と、該イン
ク供給路５の他端に接続され、前記ヘッド本体１１より
も上側から前記吐出部１ａへインクを供給するための交
換が可能な複数のインクタンク６と、前記インク供給路
５を開閉する複数の開閉手段７と、前記インクタンク６
が個別に交換されるとき前記インク供給路５へ侵入した
気泡を一時的に捕集する複数の気泡捕集部８と、該気泡
捕集部８の体積を変えて気泡捕集部８が捕集した気泡を
前記インクタンク６へ除去する気泡除去手段９と、前記
インクタンク６を保持するための揺動が可能な複数のタ
ンク保持部材１０と、該タンク保持部材１０の揺動に連
動して前記開閉手段７及び気泡除去手段９を動作させる
ための複数の動作連動手段３０とが装着されている。
尚、ヘッド保持体２に装着されたヘッド本体１１、イン
クタンク６等の各組の構成は同じであるため、以下１つ
の組について説明する。

【００２９】インク供給路５は、内径寸法が４．０mm、
外形寸法が６．０mmの伸縮が可能で、耐インク性を有す
るタイゴンチューブ、又は、バイトンチューブを用いて
なる。このインク供給路５は前記加圧室１２に連通する
第１路５ａと、インク供給針５０を介して前記インクタ
ンク６に連通する第２路５ｂとに分割されており、この
第１路５ａ及び第２路５ｂの分割端間に前記気泡捕集部
８がエポキシ樹脂系の接着剤によって接続されている。
また、第２路２ｂにおけるインクタンク６の近傍には前
記インク供給針５０からインク供給路５へ侵入したごみ
を捕集するためのフィルタ５１が設けられている。

【００３０】インク供給針５０は、外形寸法が２．０m
m、長さが２．０cmの大きさであり、中心部に穿設され
た針孔５０ａと、一側から前記針孔５０ａへ貫通する円
形のインク導入口５０ｂとを有しており、インク供給針
５０を前記インクタンク６の底部に突き刺すことによ
り、インクタンク６内のインクをインク導入口５０ｂ及
び針孔５０ａを介してインク供給路５へ供給することが
できるようにしてある。

【００３１】気泡捕集部８は前記インクタンク６の近
傍、換言すれば前記インク供給針５０の近傍に配置され
ており、伸縮が可能で、形状復元性を有するポリエチレ
ン樹脂製の容器からなる。さらに、この気泡捕集部８は
体積を１ｃｃ程度にしてあり、該気泡捕集部８の上部が
前記第２路５ｂを介して前記インクタンク６に連通して
おり、また、下部が前記第１路５ａを介して前記吐出部
１ａに連通している。気泡捕集部８の底部には気泡捕集
部８の体積を変化させるための体積０．５ｃｃ程度で蛇
腹形状の体積変化部８ａを有しており、該体積変化部８
ａの底面に前記気泡除去手段９が結合されている。

【００３２】この気泡除去手段９は断面積が１平方セン
チメートル程度の合成樹脂製の円板９１と、該円板９１
の中心部にその一端が結合された棒体９２とを備え、前
記円板９１が前記体積変化部８ａの底面に接着剤で結合
されており、また、前記棒体９２の他端が前記動作連動
手段３０に結合されており、動作連動手段３０の動作に
より体積変化部８ａを伸縮させ、気泡捕集部８の体積を
変えることができるようにしてある。

【００３３】開閉手段７はインク供給路５におけるヘッ
ド本体１１及び気泡捕集部８の間、換言すれば前記第１
路５ａの途中を外側から加圧し、そのチューブを押し潰
してチューブ内面を密着させることによりインク供給路
５を一時的に閉じるようにしてある。また、この開閉手
段７は一端に山形の尖部を有する棒体７１からなる。
尚、インク供給路５の前記開閉手段７と反対側には開閉
手段７による前記インク供給路５の撓みを制限する制限
部材４０が配設されており、また、前記棒体７１の両側
には、該棒体７１の昇降を案内するステンレス製の案内
部材４１が配置されている。この案内部材４１は例えば
前記制限部材４０に結合されている。

【００３４】インクタンク６は、Ｃ（シアン）、Ｍ（マ
ゼンタ）、Ｙ（イエロー）、Ｋ（ブラック）の４色が収
容された４個を備えており、各色のインクタンク６に連
通する吐出部１ａが記録媒体Ａと向き合うようにしてあ
る。このインクタンク６はポリエチレン樹脂からなる厚
さ１５０μｍの透光性フィルムで成形された伸縮可能な
複数の袋６１と、底板６２ａを有し、前記袋６１を収容
する外装ケース６２と、該外装ケース６２の内側及び前
記袋６１の両側面間に介在されたステンレス製で断面が
Ｕ字形の板ばね６３を備えている。

【００３５】この板ばね６３はインクの漏れを防ぐため
の負圧調整手段であり、インクタンク６内の負圧を初期
状態で−２０ｍｍＡｑ（水頭圧）に保持し、インクタン
ク６の交換時には−１００ｍｍＡｑ（水頭圧）となるよ
うに設定されている。

【００３６】また、袋６１はその開口縁が前記底板６２
ａに熱融着されている。また、外装ケース６２の底板６
２ａはポリエチレン樹脂からなる厚さ２．０mmの矩形板
からなり、該底板６２ａに貫通孔が穿設されている。こ
の貫通孔には前記インク供給針５０を前記袋６１に突き
刺すための直径２．０mmの突刺孔を有する弾性封止材と
してのフッ素樹脂製の栓部材６４が固着されており、突
刺孔に前記インク供給針５０を突刺したとき、インク供
給針５０のインク導入口５０ｂが袋６１内に開口するよ
うにしてある。尚、インクタンク６の個数は特に制限さ
れるものでなく、前記４色のインクタンク６にＬＣ（薄
いシアン）、ＬＭ（薄いマゼンタ）の２色のインクタン
ク６を加えて合計６色のインクタンク６を有する構成と
してもよい。

【００３７】タンク保持部材１０は、前記外装ケース６
２の平面及び底面と向き合う制限片１０ａ，１０ａを上
下端に有する合成樹脂製の］形板からなり、下端部が後
記すの転動輪を介して前記ヘッド保持体２に揺動可能に
枢支されている。

【００３８】動作連動手段３０は前記気泡捕集部８の両
側方位置に枢支された２つの転動輪３１，３２と、該転
動輪３１，３２間に掛設された無端帯３３と、一方の転
動輪３１にその長手方向途中が結合された回動杆３４と
を備え、該回動杆３４の一端に前記気泡除去手段９とし
ての棒体９２が連結されており、他端に前記開閉手段７
としての棒体７１の他端が連結されている。さらに、他
方の転動輪３２が前記タンク保持部材１０の下端に結合
されている。尚、前記転動輪３２は前記タンク保持部材
１０と合成樹脂により一体成形されており、また、前記
転動輪３１、回動杆３４、棒体７１，９２及び円板９１
が合成樹脂により一体成形されている。

【００３９】このように構成された動作連動手段３０
は、タンク保持部材１０の揺動に連動して転動輪３２、
無端帯３３、転動輪３１及び回動杆３４が動作し、気泡
除去手段９としての棒体９２及び開閉手段７としての棒
体７１を昇降させ、気泡捕集部８の体積を変えるととも
に、インク供給路５を開閉する。

【００４０】以上の如く構成された記録装置は、インク
タンク６内のインクが自然落下によりインク供給路５を
経てヘッド本体１１の加圧室１２に供給される。そし
て、画像信号に応じた電圧が圧電体１５に印加されるこ
とにより振動板１４が加圧室１２内へ湾曲され、加圧室
１２の体積が減少し、加圧室１２内のインクが吐出部１
ａから記録媒体Ａに向けて吐出される。圧電体１５への
電圧の印加が終了すると、振動板１４の湾曲が復元し復
元した体積に相当するする量のインクがインク供給路５
から加圧室１２に供給され、初期の状態に戻る。上の動
作を繰り返すことにより、画像信号に応じた画像が記録
媒体に記録される。

【００４１】図６はインクタンクを交換するときの状態
を示す模式図である。記録媒体への記録によってインク
の残量がすくなくなったインクタンク６を交換する場
合、タンク保持部材１０を図５の時計回りに約９０度揺
動させる（図６参照）。このタンク保持部材１０の揺動
に連動して転動輪３２が回転し、該転動輪３２の回転が
無端帯３３を介して転動輪３１に伝達され、該転動輪３
１と一体の回動杆３４が図５の時計回りに回動し、該回
動杆３４の一端に結合された気泡除去手段９の棒体９２
が下降し、体積変化部８ａが伸長して該体積変化部８ａ
の体積が大きくなり、気泡捕集部８が負圧となり、該気
泡捕集部８内に吸引力が発生するとともに、回動杆３４
の他端に結合された開閉手段７の棒体７１が上昇してイ
ンク供給路５における気泡捕集部８とヘッド１との間の
チューブを押し潰し、インク供給路５が棒体によって一
時的に閉じられる。この状態はインクタンク６の交換が
完了するまで継続される。

【００４２】このようにタンク保持部材１０を揺動させ
た状態で、インクタンク６をタンク保持部材１０から取
り出したときインク供給針５０が栓部材６４から抜け出
るため、気泡捕集部８内の前記吸引力によって外気がイ
ンク供給針５０のインク導入口５０ｂからインク供給路
５に混入することになり、この混入した気泡がフィルタ
５１を経て気泡捕集部８の上部に捕集される。このと
き、インク供給路５における気泡捕集部８とヘッド１と
の間は開閉手段７によって閉じられているため、気泡捕
集部８に捕集された気泡はヘッド１へ侵入しない。

【００４３】新規のインクタンク６をタンク保持部材１
０に載置保持し、該タンク保持部材１０を図６の反時計
回りに約９０度揺動させることにより、インク供給針５
０がインクタンク６の栓部材６４に突き刺さり、インク
タンク６の交換が完了する。

【００４４】また、タンク保持部材１０の揺動に連動し
て転動輪３２が回転し、該転動輪３２の回転が無端帯３
３を介して転動輪３１に伝達され、該転動輪３１と一体
の回動杆３４が図６の反時計回りに回動し、該回動杆３
４の一端に結合された棒体９２が上昇し、体積変化部８
ａが収縮して該体積変化部８ａの体積が小さくなり、気
泡捕集部８内に押出力が発生する。この押出力により気
泡捕集部８の上部に捕集されている気泡がフィルタ５１
を経てインクタンク６内へ排出される。この気泡が排出
されているとき、インク供給路５における気泡捕集部８
とヘッド１との間は開閉手段７によって未だ閉じられて
いるため、気泡はヘッド１へ侵入しない。また、気泡捕
集部８はインクタンク６の近傍で、該インクタンク６よ
りも下側に設けられているため、気泡捕集部８の上部で
捕集された気泡を該気泡の浮力によってインクタンク６
側へより一層良好に排出させることができる。

【００４５】さらに、前記回動杆３４の他端に結合され
た開閉手段７の棒体７１が下降してインク供給路５のチ
ューブを復元させ、インク供給路５が開かれ、該インク
供給路５がインクで満たされ、記録媒体への記録が可能
な状態に復帰する。このとき、インクタンク６は前記板
ばね６３を負圧発生部材として用いているため、インク
タンク６内に排出された気泡はインクタンク６内の負圧
によりインクタンク６内の上部に引き込まれる。因っ
て、インクタンク６内に排出された気泡はインク供給針
５０の付近に溜らないため、インクタンク６交換後のイ
ンク供給及び記録媒体への記録に支障を来さない。ま
た、インクタンク６の交換動作と連動させて気泡捕集部
８への気泡捕集及び除去と、インク供給路５の開閉とを
行うことができるため、これらの動作に別途、専用の機
構を設ける必要がない。

【００４６】

【発明の効果】本発明によれば、開閉手段がインク供給
路を閉じ、気泡除去手段が気泡捕集部の体積を外部から
変えるため、インクタンクを交換するときインク供給路
に混入した気泡の捕集及び除去効果を高めることができ
るとともに、廃インクの量を少なくすることができ、し
かも、気泡除去手段は気泡捕集部の体積を変える構造で
あるため、気泡除去手段が必要とするスペースを比較的
小さくすることができ、小形化を図ることができる。

【００４７】また、本発明によれば、気泡捕集部が捕集
した気泡を気泡除去手段によって除去しているとき気泡
捕集部及びヘッド間のインク供給路を開閉手段が閉じて
いるため、気泡捕集部で捕集された気泡がヘッド側へ流
入することを禁止することができ、気泡の捕集効果を高
めることができる。

【００４８】さらに、本発明によれば、気泡捕集部での
気泡捕集を良好にできるとともに、捕集された気泡のヘ
ッド側への流入を難しくすることができ、また、捕集さ
れた気泡を該気泡の浮力によってインクタンク側へより
一層良好に排出させることができる。

【００４９】また、本発明によれば、インクタンクの交
換動作によって開閉手段及び気泡除去手段を動作させる
ことができるため、開閉手段及び気泡除去手段専用の操
作手段を設けることなく、気泡捕集部への気泡捕集及び
除去と、インク供給路の開閉とを行うことができ、構造
をより一層簡単にでき、コストの低減を図ることができ
る。

【００５０】また、本発明によれば、インクタンクを交
換すべくタンク保持部材をインクタンクとともに揺動さ
せることにより、タンク保持部材の動作に連動して動作
連動手段が動作し、気泡捕集部への気泡捕集及びインク
供給路の閉鎖と、気泡捕集部で捕集された気泡の除去及
びインク供給路の開放とを確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る記録装置の要部を示す斜視図であ
る。

【図２】本発明に係る記録装置のヘッド及びインクタン
ク部分の拡大斜視図である。

【図３】本発明に係る記録装置のヘッド及びインクタン
ク部分の拡大断面図である。

【図４】本発明に係る記録装置のインクタンクのインク
供給路との接続部を示す概略斜視図である。

【図５】本発明に係る記録装置のインク供給系の構成を
示す模式図である。

【図６】本発明に係る記録装置のインクタンクを交換す
るときの状態を示す模式図である。

【符号の説明】

１ ヘッド １ａ 吐出部 ５ インク供給路 ６ インクタンク ７ 開閉手段 ８ 気泡捕集部 ９ 気泡除去手段 ３０ 動作連動手段

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクを吐出する吐出部を有し、記録媒
   体に印字するためのヘッドと、前記吐出部にインク供給
   路を介して連通する交換が可能なインクタンクと、前記
   インクタンクが交換されるとき前記インク供給路へ混入
   した気泡を捕集する気泡捕集部とを備えた記録装置にお
   いて、前記気泡捕集部は外部から加えられる力によって
   体積を可変としてあり、該体積を変えて気泡捕集部が捕
   集した気泡を前記インクタンク側へ除去する気泡除去手
   段と、前記気泡捕集部及びヘッド間のインク供給路を開
   閉する開閉手段とを有していることを特徴とする記録装
   置。
2. 【請求項２】 前記開閉手段は、前記気泡捕集部が捕集
   した気泡を除去しているとき前記インク供給路を閉じる
   ようにしてある請求項１記載の記録装置。
3. 【請求項３】 前記気泡捕集部は上部が前記インクタン
   クと連通し、下部が前記吐出部と連通している請求項１
   又は２記載の記録装置。
4. 【請求項４】 前記インクタンクを交換するときの交換
   動作に連動する動作連動手段を備え、該動作連動手段が
   前記開閉手段及び気泡除去手段を動作させるようにして
   ある請求項１から３のいずれかに記載の記録装置。
5. 【請求項５】 前記インクタンクを保持するタンク保持
   部材を有しており、前記動作連動手段は離間して枢着さ
   れた２つの転動輪と、該転動輪間に掛設された無端帯
   と、一方の転動輪にその長手方向途中が結合された回動
   杆とを有しており、該回動杆の一端に前記気泡除去手段
   が、また、他端に前記開閉手段が夫々連結されていると
   ともに、他方の転動輪に前記タンク保持部材が結合され
   ている請求項４記載の記録装置。