JP2003343705A - 無段変速機の作動油漏れ量算出装置及びそれを含む無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の作動油漏れ量算出装置及びそれを含む無段変速機の制御装置

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JP2003343705A JP2002154355A JP2002154355A JP2003343705A JP 2003343705 A JP2003343705 A JP 2003343705A JP 2002154355 A JP2002154355 A JP 2002154355A JP 2002154355 A JP2002154355 A JP 2002154355A JP 2003343705 A JP2003343705 A JP 2003343705A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機の油室における漏れ流量を正確に
算出する。 【解決手段】 流量制御弁の非作動時に、チェック弁を
通過してプライマリ油室へ流入する流量Qcheck(n)を
物理モデルを用いて算出する(S106)。プライマリ
油室内において流入出した全体の流量Q1realを変速比
γ(n)の変化量に基づいて算出する(S109)。そし
て、Qcheck(n)の平均値とQ1realとの差から漏れ流
量Qdrainを算出する(S111)。さらに、シール隙
間面積Apを物理モデルを用いて算出することで、製造
ばらつきを持っているシール隙間面積Apを精度よく算
出することができ、漏れ流量特性を正確かつ容易に把握
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機の制御
装置に関し、特に無段変速機の油室における作動油の漏
れ量を算出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
自動車等の変速機として、無段変速機が利用されてい
る。この無段変速機では、ベルト式においては、エンジ
ン側のプライマリシーブと車輪側のセカンダリシーブと
にVベルトが掛け回され、プライマリシーブ及びセカン
ダリシーブの溝幅を変更することで変速比を連続的に変
更している。
【0003】この無段変速機において変速比を変更する
ための駆動力については、一般的に油圧アクチュエータ
からの油圧によって発生させる。そして、油圧アクチュ
エータの一例として、アップシフト用の増速用流量制御
弁とダウンシフト用の減速用流量制御弁を別々に備えて
いる流量制御装置が用いられている。アップシフト時に
は、増速用流量制御弁を通ってプライマリシーブの油室
に作動油が流入することで、Vベルトがプライマリシー
ブに巻きかかる部分の回転半径が増大してアップシフト
が行われる。一方、ダウンシフト時には、減速用流量制
御弁を通ってプライマリシーブの油室から作動油が流出
することで、Vベルトがプライマリシーブに巻きかかる
部分の回転半径が減少してダウンシフトが行われる。ま
た、増速用流量制御弁及び減速用流量制御弁がともに非
作動となる状態において、プライマリシーブの油室の圧
力を補償するためにバイパス油路が設けられている。
【0004】上記のように、無段変速機の変速比はプラ
イマリシーブの油室における作動油の流入出によって変
化するが、プライマリシーブの油室には漏れ流量が存在
し、その漏れ経路の一例としてはシャフト部におけるシ
ールリングの隙間から外へ作動油が漏れる経路が挙げら
れる。したがって、流量制御装置によって変速比を正確
に制御するためには、この漏れ流量も考慮に入れる必要
があるが、無段変速機ユニットの製造ばらつきにより漏
れ流量もばらつきを持つため、所望の流量と実際の流量
との間に誤差が発生し、所望の変速比に対する実際の変
速比の追従性が悪化してしまう。特に、増速用流量制御
弁及び減速用流量制御弁の両方を非作動として変速比固
定制御を行う場合においては、この漏れ流量のばらつき
が原因で変速比を固定したいにもかかわらず変速比が変
化してしまう。したがって、変速比を正確に制御するた
めには、無段変速機ユニット固有の漏れ流量を正確に把
握することが必要となってくる。
【0005】特開平4−248060号公報において
は、オイルポンプの吐出圧と作動油温度に基づいて油圧
回路の漏れ流量を算出する車両用無段変速機の圧力制御
装置が開示されている。この従来の装置においては、漏
れ流量はオイルポンプの吐出圧に比例し、作動油粘度の
増加に伴い減少する関係にあることから、吐出圧と作動
油温度に基づいて漏れ流量を算出している。
【0006】しかしながら、この従来の装置において
は、油圧回路の漏れ流量をオイルポンプの吐出圧と作動
油温度に基づいて経験的に算出しているにすぎず、無段
変速機ユニットの製造ばらつきが考慮されていないた
め、無段変速機ユニット固有の漏れ流量を正確に算出す
ることができない。したがって、所望の変速比に対する
実際の変速比の追従性が悪化してしまうという課題があ
った。
【0007】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、無段変速機ユニット固有の漏れ流量を正確に算出
することができる無段変速機の作動油漏れ量算出装置を
提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、所望の変速比に対する変
速比の追従性を向上させる無段変速機の制御装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、第1の本発明に係る無段変速機の作動油漏れ
量算出装置は、油室における作動油の流入出によって駆
動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を
有する無段変速機の該油室における作動油の漏れ量を算
出する装置であって、前記油室へ作動油を供給するため
の油圧を発生させる油圧源と、該油圧源から前記油室に
供給される作動油の量を調整する変速制御手段と、無段
変速機の変速比を検出する変速比検出手段と、前記変速
制御手段の非作動時における変速比の変化に基づいて、
前記油室における作動油の漏れ量を算出する漏れ量算出
手段と、を有することを特徴とする。
【0010】このように、変速制御手段の非作動時にお
ける変速比の変化に基づいて、油室における作動油の漏
れ量を算出するので、無段変速機ユニット固有の作動油
の漏れ量を外乱なく精度よく算出することができる。
【0011】第2の本発明に係る無段変速機の作動油漏
れ量算出装置は、油室における作動油の流入出によって
駆動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構
を有する無段変速機の該油室における作動油の漏れ量を
算出する装置であって、前記油室へ作動油を供給するた
めの油圧を発生させる油圧源と、該油圧源から前記油室
に供給される作動油の量を調整する変速制御手段と、該
油圧源と前記油室の間に設けられ、前記油室における圧
力を補償する圧力補償手段と、前記変速制御手段の非作
動時の第1の所定時間中に、前記油室における作動油の
量の変化を検出する第1の油量変化検出手段と、前記第
1の所定時間中に、前記圧力補償手段を通って前記油室
へ流入した作動油の量を算出する補償量算出手段と、前
記第1の油量変化検出手段の検出値及び前記補償量算出
手段の算出値に基づいて前記油室における作動油の漏れ
量を算出する漏れ量算出手段と、を有することを特徴と
する。
【0012】第3の本発明に係る無段変速機の作動油漏
れ量算出装置は、第2の本発明に記載の装置であって、
前記補償量算出手段は、前記油圧源の圧力及び前記油室
の圧力を検出する手段を有し、前記油圧源の圧力と前記
油室の圧力との差に基づいて前記圧力補償手段を通って
前記油室へ流入した作動油の量を算出することを特徴と
する。
【0013】第4の本発明に係る無段変速機の作動油漏
れ量算出装置は、第3の本発明に記載の装置であって、
前記漏れ量算出手段は、前記第1の油量変化検出手段の
検出値及び前記補償量算出手段の算出値に基づいて算出
した漏れ量及び該漏れ量の算出に用いた油室の圧力を、
それぞれ基準漏れ量及び基準圧力として記憶し、該基準
漏れ量、該基準圧力及び前記油室の圧力に基づいて前記
油室における作動油の漏れ量を算出することを特徴とす
る。
【0014】このように、変速制御手段の非作動時にお
ける油室における作動油の量の変化及び圧力補償手段を
通って前記油室へ流入した作動油の量に基づいて算出し
た漏れ量と、この漏れ量の算出に用いた油室の圧力を、
それぞれ基準漏れ量及び基準圧力として記憶し、基準漏
れ量、基準圧力及び油室の圧力に基づいて油室における
作動油の漏れ量を算出するので、油室の圧力に応じた漏
れ量を容易に算出することができる。
【0015】第5の本発明に係る無段変速機の作動油漏
れ量算出装置は、第4の本発明に記載の装置であって、
前記漏れ量算出手段は、前記基準漏れ量及び前記基準圧
力に基づいて前記油室の漏れ開口面積を算出し、該漏れ
開口面積及び前記油室の圧力に基づいて前記油室におけ
る作動油の漏れ量を算出することを特徴とする。
【0016】第6の本発明に係る無段変速機の作動油漏
れ量算出装置は、第3〜5の本発明のいずれか1に記載
の装置であって、前記変速機構は、原動機からの駆動ト
ルクが入力されるプライマリシーブと、該駆動トルクを
負荷へ出力するセカンダリシーブと、プライマリシーブ
及びセカンダリシーブに掛け回されたベルトと、を備
え、前記変速制御手段は、プライマリシーブの油室に供
給される作動油の量を調整することで変速比を連続的に
変化させ、前記油圧源は、セカンダリシーブの油室へ油
圧を供給する無段変速機の作動油漏れ量算出装置におい
て、プライマリシーブの回転速度を検出する入力回転速
度検出手段と、セカンダリシーブの回転速度を検出する
出力回転速度検出手段と、プライマリシーブへの入力ト
ルクを検出する入力トルク検出手段と、セカンダリシー
ブの油室における作動油の圧力を検出するセカンダリ圧
力検出手段と、をさらに有し、前記補償量算出手段は、
前記入力回転速度検出手段の検出値、前記出力回転速度
検出手段の検出値、前記入力トルク検出手段の検出値及
び前記セカンダリ圧力検出手段の検出値に基づいてプラ
イマリシーブの油室における作動油の圧力を検出するこ
とを特徴とする。
【0017】このように、プライマリシーブの回転速
度、セカンダリシーブの回転速度、プライマリシーブへ
の入力トルク及びセカンダリシーブの油室における作動
油の圧力に基づいてプライマリシーブの油室における作
動油の圧力を検出するので、プライマリシーブの油室に
おける作動油の圧力を検出するための圧力センサを省略
することができ、コスト削減が図れる。
【0018】第7の本発明に係る無段変速機の作動油漏
れ量算出装置は、第2〜5の本発明のいずれか1に記載
の装置であって、無段変速機の変速比を検出する変速比
検出手段を有し、前記第1の油量変化検出手段は、前記
第1の所定時間における変速比の変化に基づいて前記油
室における作動油の量の変化を検出することを特徴とす
る。
【0019】第8の本発明に係る無段変速機の作動油漏
れ量算出装置は、第2〜7の本発明のいずれか1に記載
の装置であって、前記圧力補償手段は、前記油圧源の圧
力と前記油室の圧力との差が閾値以上の場合に前記油圧
源から前記油室への作動油の流入を許容するチェック弁
であることを特徴とする。
【0020】第9の本発明に係る無段変速機の制御装置
は、第1〜8の本発明のいずれか1に記載の装置を含む
無段変速機の制御装置であって、前記変速制御手段の油
圧制御信号−流量制御出力特性に基づいて所望の変速比
を得るための流量制御出力に対応した油圧制御信号を算
出して前記変速制御手段へ出力する油圧制御信号算出手
段と、前記変速制御手段の作動時の第2の所定時間中
に、前記油室における作動油の量の変化を検出する第2
の油量変化検出手段と、前記第2の所定時間中に、前記
油室における作動油の量の変化を前記油圧制御信号及び
前記油室における作動油の漏れ量に基づいて推定する油
量変化推定手段と、前記第2の油量変化検出手段の検出
値と前記油量変化推定手段の推定値との偏差に基づいて
前記変速制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性を
補正する補正手段と、をさらに有することを特徴とす
る。
【0021】このように、第2の油量変化検出手段の検
出値と油量変化推定手段の推定値との偏差に基づいて変
速制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性を補正
し、その際に油室における作動油の量の変化を油圧制御
信号及び油室における作動油の漏れ量に基づいて推定し
ているので、電子制御装置内に記憶されている油圧制御
信号−流量制御出力特性マップと変速制御手段の実際の
油圧制御信号−流量制御出力特性との特性差を精度よく
学習補正することができる。したがって、所望の変速比
に対する実際の変速比の追従性を改善することができ
る。
【0022】第10の本発明に係る無段変速機の制御装
置は、第1の本発明に記載の装置を含む無段変速機の制
御装置であって、変速比固定制御を実行する変速比固定
制御手段をさらに有し、前記変速比固定制御手段は、前
記油室における作動油の漏れ量に基づいて油圧制御信号
を算出し、該油圧制御信号を前記変速制御手段へ出力す
ることを特徴とする。
【0023】このように、油室における作動油の漏れ量
に基づいて油圧制御信号を算出して変速制御手段へ出力
するので、変速比固定制御時に油室における作動油の量
の変化によって変速比が変化するのを確実に防止でき、
変速比固定制御を精度よく行うことができる。
【0024】第11の本発明に係る無段変速機の制御装
置は、第2〜8の本発明のいずれか1に記載の装置を含
む無段変速機の制御装置であって、変速比固定制御を実
行する変速比固定制御手段をさらに有し、前記補償量算
出手段は、変速比固定制御実行時に前記圧力補償手段を
通って前記油室へ流入する作動油の量を算出し、前記変
速比固定制御手段は、変速比固定制御実行時に算出され
た前記補償量算出手段の算出値及び前記油室における作
動油の漏れ量に基づいて油圧制御信号を算出し、該油圧
制御信号を前記変速制御手段へ出力することを特徴とす
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0026】(1)第1実施形態 本発明の第1実施形態に係る図1は、本発明をベルト式
無段変速機の制御に適用した全体構成図を示し、エンジ
ン出力軸22に連結されるトルクコンバータ10、前後
進切換装置12、ベルト式無段変速機14、変速機14
の変速比を制御する油圧制御装置40、油圧制御装置4
0の油圧を制御する電子制御装置42を備えている。原
動機としてのエンジンから出力される駆動トルクは、ト
ルクコンバータ10、前後進切換装置12、ベルト式無
段変速機14及び図示しない差動歯車装置を経て図示し
ない駆動輪へ伝達される。
【0027】トルクコンバータ10は、エンジン出力軸
22に連結されたポンプ翼車10aと、トルクコンバー
タ出力軸24に連結され流体を介してポンプ翼車10a
から駆動トルクが伝達されるタービン翼車10bと、ワ
ンウェイクラッチ10eを介して位置固定のハウジング
10fに固定された固定翼車10cと、ポンプ翼車10
aとタービン翼車10bとをダンパを介して締結するロ
ックアップクラッチ10dを備えている。
【0028】前後進切換装置12は、ダブルプラネタリ
式歯車装置を備え、サンギヤ12s、キャリア12c及
びリングギヤ12rを有している。サンギヤ12sは、
トルクコンバータ出力軸24に連結されている。キャリ
ア12c群は、クラッチ28を介してトルクコンバータ
出力軸24に連結されると共に、ベルト式無段変速機入
力軸26に連結されている。リングギヤ12rは、ブレ
ーキ12bに連結されている。
【0029】ベルト式無段変速機14は、入力軸26に
連結されたプライマリシーブ30、出力軸36に連結さ
れたセカンダリシーブ32及びプライマリシーブ30と
セカンダリシーブ32とに掛け回されたV字型断面のV
ベルト34を備え、入力軸26からプライマリシーブ3
0へ伝達されたトルクをVベルト34及びセカンダリシ
ーブ32を介して出力軸36へ伝達する。
【0030】プライマリシーブ30は、入力軸26方向
に移動可能なプライマリ可動側シーブ半体30aとプラ
イマリ固定側シーブ半体30bで構成されている。同様
にセカンダリシーブ32は、出力軸36方向に移動可能
なセカンダリ可動側シーブ半体32aとセカンダリ固定
側シーブ半体32bで構成されている。プライマリ可動
側シーブ半体30aは、プライマリ油室30cに供給さ
れる油圧によって入力軸26方向に移動する。これによ
ってVベルト34がプライマリシーブ30及びセカンダ
リシーブ32に巻きかかる部分の回転半径が変化し、ベ
ルト式無段変速機14の変速比が連続的に変化する。ま
た、セカンダリ可動側シーブ半体32aに設けられたセ
カンダリ油室32cへ供給される油圧によってVベルト
34にベルト挟圧力が与えられる。これによって、シー
ブとVベルト34との間に発生する滑りを抑制してい
る。
【0031】ベルト式無段変速機14のプライマリ油室
30cとセカンダリ油室32cに供給される油圧は、油
圧制御装置40によって供給され、それらの油圧は電子
制御装置42によって制御される。
【0032】電子制御装置42には、スロットル開度T
Aを検出するスロットル開度センサ76、エンジン回転
速度Neを検出するエンジン回転速度センサ78、入力
軸26の回転速度Ninを検出する入力軸回転速度センサ
80、出力軸36の回転速度Noutを検出する出力軸回
転速度センサ82、油圧制御装置40内の作動油の油温
OILを検出する油温センサ88及びセカンダリ油室3
2c内の作動油圧力Po utを検出する圧力センサ74等
からの信号が入力される。電子制御装置42は、上記入
力信号を処理し、その処理結果に基づいて、ベルト式無
段変速機14のプライマリ油室30c及びセカンダリ油
室32cに供給する油圧をそれぞれ制御する。
【0033】次に油圧制御装置40の主な構成について
図2を用いて説明する。
【0034】ライン圧制御装置90は、図示しないリニ
アソレノイド弁を備えており、エンジンによって回転駆
動される油圧源としてのポンプ52の出力油圧がライン
圧PLとなるようにリニアソレノイド弁によって調圧
し、このライン圧PLを油路R1に出力する。ここで、
リニアソレノイド弁への制御指令値は入力軸26トルク
に基づいて決定され、入力軸26トルクに応じてライン
圧PLが制御される。セカンダリ圧制御装置60は、油
路R1内のライン圧PLに応じて調圧されたベルト挟圧
力を油路R3を通じてセカンダリ油室32cへ供給す
る。このベルト挟圧力はライン圧PLを制御するための
リニアソレノイド弁によって制御される。また、油路R
1にはライン圧PLを常に一定の油圧となるように調圧
して出力するための一定圧制御装置70が設けられてい
る。一定圧制御装置70によって一定に維持された油圧
は、油路R7を通じて後述する増速用電磁弁66及び減
速用電磁弁68に供給される。
【0035】変速制御手段としての流量制御装置50
は、プライマリシーブ30のプライマリ油室30cに流
入出する作動油の流量を制御し、増速用流量制御弁62
及び減速用流量制御弁64と、増速用流量制御弁62及
び減速用流量制御弁64にそれぞれ制御圧を供給する増
速用電磁弁66及び減速用電磁弁68を備えている。増
速用流量制御弁62は、4つのポート62a、62b、
62c、62d、図2の上下方向に移動するスプール6
2s、スプール62sを図2の下方に押圧するばね62
f及び制御圧が供給される制御圧室62hを有してい
る。増速用電磁弁66は、3つのポート66a、66
b、66cを有している。増速用電磁弁66がオンのと
き(図2の右側)、ポート66aと66bとが連通す
る。そして、増速用電磁弁66はオンとオフを繰り返す
デュ−ティ制御により油路R7内の一定に調圧された油
圧を大気圧からこの一定圧の間で制御し、制御圧として
増速用流量制御弁62のポート62aから制御圧室62
hに供給する。また、増速用電磁弁66がオフのとき
(図2の左側)、ポート66bと66cとが連通し、制
御圧室62hの油圧がポート66cから排出され、大気
圧まで減圧される。
【0036】増速用流量制御弁62のポート62aから
増速用電磁弁66からの制御圧が制御圧室62hに供給
されると、この制御圧によってスプール62sは図2の
上方に押圧される。一方、ばね62fによってスプール
62sは図2の下方に押圧されており、これらの力のバ
ランスにより油路R4を通じてポート62cから供給さ
れたライン圧PLが調圧され、ポート62dから油路R
5を介してプライマリ油室30cへ供給される。
【0037】減速用流量制御弁64は、5つのポート6
4a、64b、64c、64d、64e、図2の上下方
向に移動するスプール64s、スプール64sを図2の
下方に押圧するばね64f及び制御圧が供給される制御
圧室64hを有している。減速用電磁弁68は、3つの
ポート68a、68b、68cを有している。減速用電
磁弁68がオンのとき(図2の右側)、ポート68aと
68bとが連通する。そして、減速用電磁弁68はオン
とオフを繰り返すデュ−ティ制御により油路R7内の一
定に調圧された油圧を大気圧からこの一定圧の間で制御
し、制御圧として減速用流量制御弁64のポート64a
から制御圧室64hに供給する。また、減速用電磁弁6
8がオフのとき(図2の左側)、ポート68bと68c
とが連通し、制御圧室64hの油圧がポート68cから
ドレインされ、大気圧まで減圧される。
【0038】減速用流量制御弁64のポート64aから
減速用電磁弁68からの制御圧が制御圧室64hに供給
されると、この制御圧によってスプール64sは図2の
上方に押圧される。一方、ばね64fによってスプール
64sは図2の下方に押圧されており、これらの力のバ
ランスによりポート64cとポート64dとの連通状態
が制御され、プライマリ油室30cへ供給されている油
圧が油路R5を通じてポート64dから排出される。ま
た、減速用電磁弁68からの制御圧が制御圧室64hに
供給されていないときに、ポート64eとポート64c
とが連通する。
【0039】油路R1と減速用流量制御弁64のポート
64eとが油路R2によって接続され、油路R2には圧
力補償手段としてのチェック弁72が設けられている。
チェック弁72は、減速用流量制御弁64のポート64
eとポート64cとが連通し、かつライン圧PLとプラ
イマリ油室30cの圧力との差が所定値以上のときのみ
開放し、このとき減速用流量制御弁64のポート64
e、64cを通ってプライマリ油室30cへ作動油が供
給される。ここで、プライマリ油室30cには漏れ流量
が存在し、漏れ経路としては、図示しないシャフト部に
おけるシールリングの隙間から外へ作動油が漏れる経
路、増速用流量制御弁62及び減速用流量制御弁64を
通過する漏れ経路等が挙げられる。したがって、増速用
流量制御弁62及び減速用流量制御弁64の両方が作動
していない状態でもこの漏れ流量によってプライマリ油
室30cの圧力が低下する場合があるが、この場合はチ
ェック弁72が開放してプライマリ油室30cへ作動油
が供給されることでプライマリ油室30cの圧力が補償
される。
【0040】次に、図2における電子制御装置42内の
主な構成について説明する。
【0041】電子制御装置42内には、増速用電磁弁6
6及び減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値のデ
ュ−ティ比を算出する油圧制御信号算出手段124が設
けられている。油圧制御信号算出手段124は、電子制
御装置42内に記憶された流量制御装置50の油圧制御
信号−流量制御出力特性としてのデュ−ティ比−オリフ
ィス面積特性に基づいて所望の入力軸26回転速度を得
るためのオリフィス面積に対応したデュ−ティ比を算出
し、このデュ−ティ比のデュ−ティ制御指令値を増速用
電磁弁66または減速用電磁弁68へ出力する。さらに
本実施形態においては、電子制御装置42は、増速用流
量制御弁62及び減速用流量制御弁64の非作動時にプ
ライマリ油室30cにおける作動油の量の変化を検出す
る第1の油量変化検出手段130、増速用流量制御弁6
2及び減速用流量制御弁64の非作動時にチェック弁7
2を通ってプライマリ油室30cへ流入した作動油の量
を算出する補償量算出手段132、プライマリ油室30
cにおける作動油の漏れ量を算出する漏れ量算出手段1
34、増速用流量制御弁62または減速用流量制御弁6
4の作動時にプライマリ油室30cにおける作動油の量
の変化を検出する第2の油量変化検出手段136、増速
用流量制御弁62または減速用流量制御弁64の作動時
にプライマリ油室30cにおける作動油の量の変化を推
定する油量変化推定手段138及び電子制御装置42内
に記憶されたデュ−ティ比−オリフィス面積特性を補正
する補正手段126を備えている。
【0042】次に電子制御装置42内で実行される漏れ
流量算出ルーチンについて図3に示すフローチャートを
用いて説明する。この漏れ流量算出ルーチンの実行はあ
る所定時間おきごとに繰り返される。
【0043】まずステップ(以下Sとする)101にお
いて、現サンプル時刻nにおいて変速比γ(n)(入力軸
26回転速度Nin(n)/出力軸36回転速度N
out(n))が演算可能か否かが判定される。具体的に
は、入力軸26回転速度Nin(n)及び出力軸36回転速
度Nout(n)の値がともに所定値以上であり、かつそれ
らの時間変化量がともに所定値以下であるか否かが判定
される。S101の判定結果がNOの場合は、変速比γ
(n)の演算誤差が大きいと判断して本ルーチンの実行を
終了する。一方、S101の判定結果がYESの場合は
S102に進む。S102では、増速用流量制御弁62
及び減速用流量制御弁64がともに非作動、すなわち増
速用電磁弁66へのデューティ制御指令値のデューティ
比DS1(n)及び減速用電磁弁68へのデューティ制御
指令値のデューティ比DS2(n)がともに0であるか否
かが判定される。S102の判定結果がNOの場合は、
後述するS107へ進む。一方、S101の判定結果が
YESの場合はS103に進む。
【0044】S103では、DS1(n)=DS2(n)=
0である時間を計測するためのカウンタCDS0をスタ
ートさせる。次にS104に進み、カウンタCDS0の
値が閾値α以上であるか否かが判定される。ここでの閾
値αは、デューティ制御指令値の出力をオフにしてから
プライマリ可動側シーブ半体30aが移動しなくなるま
での時間遅れに基づいて実験により設定され、作動油温
度TOIL(n)の関数である。S104の判定結果がNO
の場合は、本ルーチンの実行を終了する。一方、S10
4の判定結果がYESの場合はS105に進み、CDS
0≧αとなった時刻n1での変速比RATIOS1の値
を記憶してS106に進む。
【0045】S106では、補償量算出手段132にお
いて、時刻nでのチェック弁72を通過してプライマリ
油室30cへ流入する流量Qcheck(n)を以下に示す物
理モデルを用いて算出して本ルーチンの実行を終了す
る。ここで、Qcheck(n)は(1)式で表される。
【0046】
【数1】 Qcheck(n)=C1×Ac×(2×(PL(n)−Pin(n))/ρ)0.5 (1) ここで、C1は流量係数、Acはチェック弁72のオリ
フィス面積、ρは作動油の密度、PL(n)はライン圧、
in(n)はプライマリ油室30cの圧力である。流量係
数C1は、オリフィス面積Ac、作動油温度TOIL(n)
等から実験により設定される。オリフィス面積Acにつ
いては、PL(n)−Pin(n)≧γ(所定値)の場合はA
cは一定値であり、PL(n)−Pin(n)<γの場合はA
c=0である。ライン圧PL(n)は、セカンダリ油室3
2cの圧力Pout(n)(圧力センサ74により検出)か
ら算出することができる。あるいはライン圧を制御する
ためのリニアソレノイド弁への制御指令値及びリニアソ
レノイド弁の動特性(作動油温度TOIL(n)の関数)に
基づいてライン圧PL(n)を算出してもよい。また、プ
ライマリ油室30cの圧力Pin(n)は、圧力センサを用
いない場合は、(2)式から算出することができる。
【0047】
【数2】 Pin(n)=(Win(n)−kin×Nin(n)2)/Sin (2) ここで、kinはプライマリシーブ遠心油圧係数、Sin
プライマリ可動側シーブ半体30aの受圧面積である。
in(n)は時刻nでのプライマリ可動側シーブ半体30
aの推力であり、(3)式で表される。
【0048】
【数3】 Win(n)=Wout(n)/ (a+b×log10γ(n)+c×Tin(n)+d×Nin(n)) (3) ここで、係数a、b、c、dは実験により求められる。
in(n)は時刻nでの入力軸26トルクであり、エンジ
ントルクTe(n)、トルクコンバータ10のトルク比t
(n)及び入力慣性トルク等から算出することができる。
ここで、エンジントルクTe(n)は例えばスロットル開
度TA(n)及びエンジン回転速度Ne(n)から算出する
ことができ、トルク比t(n)は(Nin(n)/Ne(n))
の関数であり、入力慣性トルクは入力軸26回転速度N
in(n)の時間変化量から算出することができる。W
out(n)は時刻nでのセカンダリ可動側シーブ半体32
aの推力であり、(4)式で表される。
【0049】
【数4】 Wout(n)=Pout(n)×Sout+kout×Nout(n)2 (4) ここで、koutはセカンダリシーブ遠心油圧係数、Sout
はセカンダリ可動側シーブ半体32aの受圧面積であ
る。
【0050】S107では、カウンタCDS0の値が閾
値β以上であるか否かが判定される。S107の判定結
果がNOの場合は、DS1(n)=DS2(n)=0である
時間が短いため、漏れ流量の演算誤差が大きいと判断し
て本ルーチンの実行を終了する。一方、S107の判定
結果がYESの場合はS108に進む。S108では、
デューティ制御指令値の出力がオンとなった時刻n2で
の変速比RATIOE1の値を記憶してS109に進
む。ただし、ここでもデューティ制御指令値の出力をオ
ンにしてからプライマリ可動側シーブ半体30aが移動
するまでの時間遅れを考慮し、時刻n2からさらに所定
時間(例えば作動油温度TOIL(n)に基づいて設定)経
過後の変速比の値をRATIOE1として記憶してもよ
い。
【0051】S109では、第1の油量変化検出手段1
30において、時刻n2での変速比RATIOE1の値
と時刻n1での変速比RATIOS1の値との差からプ
ライマリ可動側シーブ半体30aの移動量を算出し、こ
の移動量及び(β−α)の値に基づいてプライマリ油室
30c内において流入出した全体の流量Q1real(流入
側を正)を算出する。次にS110に進み、補償量算出
手段132において、チェック弁72を通過してプライ
マリ油室30cへ流入する流量Qcheck(n)の時刻n1
から時刻n2までにおける平均値Q0checkを算出す
る。次にS111に進み、漏れ量算出手段134におい
て、漏れ流量Qdrainを算出して本ルーチンの実行を終
了する。ここで、Qdrainは(5)式で表される。
【0052】
【数5】 Qdrain=Q0check−Q1real (5) なお、漏れ流量Qdrainの値は、実際は作動油温度TOIL
(n)、プライマリ油室30c内の圧力Pin(n)、変速比
γ(n)に応じて変化する。したがって、漏れ流量Q
drainについては、作動油温度TOIL(n)、プライマリ油
室30c内の圧力P in(n)、変速比γ(n)に応じた特性
を把握することが好ましい。ここで、漏れ経路としてシ
ールリング隙間が支配的とみなせる場合は、時刻nでの
漏れ流量Qdr ain(n)を以下に示す(6)式によりモデ
ル化して考えることができる。
【0053】
【数6】 Qdrain(n)=C2×Ap×(2×Pin(n)/ρ)0.5 (6) (6)式において、Apはシール隙間をオリフィスでモ
デル化したときのオリフィス面積で、変速比γ(n)の関
数である。また、C2は流量係数(オリフィス面積A
p、作動油温度TOIL(n)等から実験により設定)であ
る。ここで、プライマリシーブ30の製造ばらつきによ
りApの値がばらつきを持つために、漏れ流量Qdrain
の値がばらつきを持つ。本実施形態では、漏れ量算出手
段134において、TOIL、Pin、γ(例えばいずれも
時刻n1から時刻n2までにおける平均値を用いる)及
びS111で算出したQdrainを基準値として(6)式
に代入してApの値を算出することで、製造ばらつきを
持っていたシール隙間面積を正確に算出することができ
る。そして、シール隙間面積Apが正確に把握できてい
るので、作動油温度TOIL(n)、プライマリ油室30c
内の圧力Pin(n)、変速比γ(n)の値が変化しても、こ
れらの値、基準値を用いて算出したApの値及び(6)
式から漏れ流量Qdrain(n)の値を漏れ量算出手段13
4において算出することができる。このように、漏れ流
量をモデル化して考えることで、漏れ流量特性の正確な
把握が容易となる。
【0054】次に電子制御装置42内で実行される流量
特性学習補正ルーチンについて図4に示すフローチャー
トを用いて説明する。この流量特性学習補正ルーチンの
実行はある所定時間おきごとに繰り返される。ただし、
ここではダウンシフトの場合についてのみ説明し、アッ
プシフトの場合については説明を省略するが、アップシ
フトの場合も同様のルーチンで実現できる。
【0055】まずS201において、減速用流量制御弁
64が作動しているか否か、すなわち減速用電磁弁68
へのデュ−ティ制御指令値を出力しているか否かが判定
される。S201の判定結果がNOの場合は、後述する
S209に進む。一方、S201の判定結果がYESの
場合はS202に進み、現サンプル時刻nでのデュ−テ
ィ制御指令値のデュ−ティ比の値をメモリDS2(n)に
記憶する。次にS203に進み、デュ−ティ制御指令値
を出力している場合のデュ−ティ比の最大値DS2ma
x及び最小値DS2minを更新する。具体的には、デ
ュ−ティ比DS2(n)の値が現在のDS2maxの値よ
り大きい場合はDS2maxの値をDS2(n)の値に更
新し、デュ−ティ比DS2(n)の値が現在のDS2mi
nの値より小さい場合はDS2minの値をDS2(n)
の値に更新する。
【0056】S204では、減速用電磁弁68へのデュ
−ティ制御指令値を出力し始めてから所定時間t1経過
したか否かが判定される。ここでの所定時間t1はデュ
−ティ制御指令値を出力し始めてからプライマリ可動側
シーブ半体30aが移動し始めるまでの時間遅れに基づ
いて実験により設定され、作動油温度TOIL(n)の関数
である。S204の判定結果がNOの場合は、ダウンシ
フトが開始されていないと判断して本ルーチンの実行を
終了する。一方、S204の判定結果がYESの場合は
S205に進み、ダウンシフトが開始されたと判断して
FLAG1の値を1に設定して、S206に進む。
【0057】S206では、ダウンシフト開始時刻n3
での変速比RATIOS2の値を記憶する。次にS20
7に進み、油量変化推定手段138において、時刻nで
のプライマリ油室30cから流出している流量推定値Q
out(n)を以下に示す物理モデルを用いて算出する。こ
こで、プライマリ油室30cから流出している流量とし
て、減速用流量制御弁64を通る流量分と漏れ流量分と
があるため、流量推定値Qout(n)は(7)式で表され
る。
【0058】
【数7】 Qout(n)=C3×Ar(n)×(2×δP(n)/ρ)0.5+ C2×Ap×(2×Pin(n)/ρ)0.5 (7) ここで、C3は流量係数、Ar(n)は時刻nでの減速用
流量制御弁64内のオリフィス面積、ρは油の密度、δ
P(n)は時刻nでの減速用流量制御弁64通過前後にお
ける作動油の圧力差である。流量係数C3は、オリフィ
ス面積Ar(n)、作動油温度TOIL(n)等から実験によ
り設定される。δP(n)は、ダウンシフト時は時刻nで
のプライマリ油室30cの圧力Pin(n)となる。オリフ
ィス面積Ar(n)については、減速用電磁弁68へのデ
ュ−ティ制御指令値のデュ−ティ比DS2(n)と減速用
流量制御弁64内のオリフィス面積Ar(n)との間の動
特性を考慮した特性モデルを用いて算出することができ
る。例えば、デュ−ティ比DS2(n)とオリフィス面積
Ar(n)との間の動特性は、時定数t0の1次遅れモデ
ルで考える。ここで、t0の値については、実験により
設定され、作動油温度TOIL(n)の関数である。そし
て、デュ−ティ比−オリフィス面積特性マップは、例え
ば特性のばらつきの中央値の特性を用いる。また、プラ
イマリ油室30cの圧力Pin(n)は、圧力センサを用い
ない場合は、(2)〜(4)式を用いて算出することが
できる。
【0059】S208では、油量変化推定手段138に
おいて、S207で算出された流量推定値Qout(n)の
値を積算していくことで、ダウンシフト開始時刻n3か
ら時刻nまでにおけるプライマリ油室30c内の作動油
容量の変化量推定値Qmodel(n)を算出して本ルーチン
の実行を終了する。ここで、推定値Qmodel(n)は
(8)式で表される。
【0060】
【数8】 Qmodel(n)=Qmodel(n−1)+Qout(n) (8) S201の判定結果がNOの場合は、S209に進み、
FLAG1の値が1であるか否かが判定される。S20
9の判定結果がNOの場合は、ダウンシフトが行われて
いないと判断して本ルーチンの実行を終了する。一方、
S209の判定結果がYESの場合は、ダウンシフト中
であると判断してS210に進む。
【0061】S210では、減速用電磁弁68へのデュ
−ティ制御指令値の出力をオフにしてから所定時間t2
経過したか否かが判定される。ここでの所定時間t2は
デュ−ティ制御指令値の出力をオフにしてからプライマ
リ可動側シーブ半体30aが移動しなくなるまでの時間
遅れに基づいて実験により設定され、作動油温度T
OI L(n)の関数である。S210の判定結果がNOの場
合は、ダウンシフトが終了していないと判断してS20
7に進み、プライマリ油室30cから流出している流量
推定値Qout(n)を算出する。一方、S210の判定結
果がYESの場合はS211に進み、ダウンシフトが終
了したと判断してダウンシフト終了時刻n4での変速比
RATIOE2の値を記憶する。
【0062】S212では、第2の油量変化検出手段1
36において、ダウンシフト終了時刻n4での変速比R
ATIOE2の値とダウンシフト開始時刻n3での変速
比RATIOS2との値の差からプライマリ可動側シー
ブ半体30aの移動量を算出し、この移動量に基づいて
ダウンシフト開始時刻n3からダウンシフト終了時刻n
4までにおけるプライマリ油室30c内の作動油容量の
変化量検出値Q2realを算出する。次にS213に進
み、この検出値Q2realとダウンシフト開始時刻n3か
らダウンシフト終了時刻n4までにおけるプライマリ油
室30c内の作動油容量の変化量推定値Qmodel(n4)
との偏差δQ=Q2real−Qmodel(n4)を算出する。
【0063】S214では、補正手段126において、
減速用電磁弁68及び減速用流量制御弁64のデュ−テ
ィ比−オリフィス面積特性マップを学習補正する。具体
的には、図5に示すようにDS2minからDS2ma
xまでのデュ−ティ比の範囲においてオリフィス面積の
値をδA=K1×δQ分補正する。図5ではδQの値が
負でオリフィス面積の値を減らす方向に補正する場合に
ついて示している。ここでK1の値については実験によ
り設定され、学習補正を短時間で行う場合はK1の値を
大きくし、学習補正を時間をかけて正確に行う場合はK
1の値を小さくする。最後にS215において、FLA
G1の値を0に設定して、本ルーチンの実行を終了す
る。
【0064】なお、S214における学習補正は繰り返
し行い、δQの絶対値が閾値以下になった時点で学習補
正を終了する。そして、学習補正の途中の段階では、図
5に示すようにデュ−ティ比−オリフィス面積特性マッ
プに段差が生じる場合(特にK1の値が大きい場合)も
あるため、学習補正を行うデュ−ティ比の範囲をDS2
min〜DS2maxだけでなく、図5に示すようにD
S2min〜DS2max以外のデュ−ティ比について
もオリフィス面積の値をK2×δA(0<K2<1)分
学習補正することで、デュ−ティ比−オリフィス面積特
性マップの段差を抑えるようにしてもよい。
【0065】本実施形態においては、DS1(n)=DS
2(n)=0、すなわち増速用流量制御弁62及び減速用
流量制御弁64の両方が作動していない状態において、
まずチェック弁72を通過してプライマリ油室30cへ
流入する流量Qcheck(n)を(1)式に示す物理モデル
を用いて算出する。一方、プライマリ油室30c内にお
いて流入出した全体の流量Q1realを変速比γ(n)の変
化量に基づいて算出する。そして、Qcheck(n)の平均
値Q0checkとQ1realとの差から漏れ流量Qdr ainを算
出している。このように、増速用流量制御弁62及び減
速用流量制御弁64の両方の非作動時に、チェック弁7
2の物理モデルを用いて漏れ流量Qdrai nを算出してい
るので、無段変速機ユニット固有の漏れ流量Qdrain
外乱なく精度よく算出することができる。さらに、漏れ
流路であるシール隙間面積Apを(6)式に示す物理モ
デルを用いて算出することにより、製造ばらつきを持っ
ているシール隙間面積Apを精度よく算出することがで
き、作動油温度TOIL(n)、プライマリ油室30c内の
圧力Pin(n)及び変速比γ(n)に応じて変化する漏れ流
量特性を正確かつ容易に把握することができる。
【0066】そして、流量制御弁のデュ−ティ比−オリ
フィス面積特性マップの学習補正の際には、流量制御弁
を通る流量推定値とプライマリ油室30c内における作
動油容量の全体の変化量だけでなく、漏れ流量特性も用
いている。このように、(7)式に示す漏れ流量も考慮
に入れた物理モデルを用いて流量制御弁の学習補正を行
うので、流量制御弁の学習補正の精度を向上させること
ができる。したがって、所望の変速比に対する実際の変
速比の追従性を向上させることができる。
【0067】また、漏れ流量算出及び流量制御弁の学習
補正の際に用いるプライマリ油室30c内の作動油圧力
in(n)については、(2)〜(4)式に示す物理モデ
ルを用いて求めているので、プライマリ油室30c内の
作動油圧力を検出するための圧力センサを省略すること
ができ、コスト削減が図れる。
【0068】本実施形態においては、変速開始時から変
速終了時までにおける作動油容量の変化量検出値と作動
油容量の変化量推定値を用いて流量制御弁の学習補正を
しているが、変速動作中の所定時間における作動油容量
の変化量検出値と作動油容量の変化量推定値を用いて流
量制御弁の学習補正を行ってもよい。あるいは所定時刻
における作動油流量検出値と作動油流量推定値を用いて
流量制御弁の学習補正を行ってもよい。そして、漏れ流
量特性の作動油温度TOIL(n)、プライマリ油室30c
内の圧力Pin(n)及び変速比γ(n)に応じた変化量が小
さい場合は、S207での流量推定値Qout(n)算出に
用いる漏れ流量として、S111で算出した漏れ流量を
用いてもよい。また、本実施形態における漏れ流量の算
出については、製造ばらつきを考慮した漏れ流量特性の
把握だけでなく、経時劣化を考慮した漏れ流量特性の把
握においても有効である。
【0069】(2)第2実施形態 図6は、本発明の第2実施形態において電子制御装置4
2内で実行される制御ルーチンを示すフローチャートで
ある。このルーチンの実行はある所定時間おきごとに繰
り返される。なお、図示はしていないが電子制御装置4
2には、後述する変速比固定制御手段が第1実施形態か
らさらに追加されている。その他の油圧制御装置40等
の全体構成については第1実施形態と同様であるので説
明を省略する。
【0070】まずS301において漏れ流量を算出する
か否かが判定される。ここでは、例えば漏れ特性がまだ
把握できていない場合や一旦は把握したものの経時劣化
によって漏れ特性が変化した場合はS301の判定結果
はYESとなり、S302に進み、図3に示す漏れ流量
算出ルーチンを実行して本ルーチンの実行を終了する。
漏れ流量算出ルーチンについては、第1実施形態と同様
のため説明を省略する。一方、S301の判定結果がN
Oの場合はS303に進み、後述する変速比固定制御ル
ーチンを実行して本ルーチンの実行を終了する。
【0071】次に電子制御装置42内で実行される変速
比固定制御ルーチンについて図7に示すフローチャート
を用いて説明する。この変速比固定制御ルーチンの実行
については、S301の判定結果がNoの場合に、ある
所定時間おきごとに繰り返される。
【0072】まずS401において、変速比固定制御を
行うか否かが判定される。S401の判定結果がNOの
場合は本ルーチンの実行を終了する。一方、S401の
判定結果がYESの場合はS402に進み、例えば出力
軸36回転速度Nout(n)の値により車両が停止してい
るか否かが判定される。S402の判定結果がYESの
場合は本ルーチンの実行を終了する。一方、S402の
判定結果がNOの場合はS403に進む。
【0073】S403では、補償量算出手段132にお
いて、チェック弁72を通過してプライマリ油室30c
へ流入する流量Qcheck(n)を物理モデルを用いて算出
する。ここで物理モデルについては第1実施形態の
(1)〜(4)式と同様であるため説明を省略する。次
にS404に進み、漏れ量算出手段134において、漏
れ流量Qdrain(n)を算出する。漏れ流量Qdrain(n)は
第1実施形態の(6)式を用いて算出することができ
る。このとき(6)式におけるApの値については漏れ
流量算出ルーチンに基づいて算出された値を用いる。
【0074】次にS405に進み、変速比固定制御手段
において、減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値
のデュ−ティ比DS2(n)を算出し、デュ−ティ制御指
令値を減速用電磁弁68へ出力して本ルーチンの実行を
終了する。ここで、デュ−ティ比DS2(n)の値につい
ては、プライマリ油室30cへ流入した全体の流量(Q
check(n)−Qdrain(n))によってアップシフトするの
を抑えるために、(Q check(n)−Qdrain(n))の値に
基づいて算出される。具体的な一例としては、まず以下
の(9)式による物理モデルを用いて減速用流量制御弁
64において(Qcheck(n)−Qdrain(n))の流量が発
生するオリフィス面積Ar(n)を算出する。
【0075】
【数9】 Qcheck(n)−Qdrain(n)=C3×Ar(n)× (2×Pin(n)/ρ)0.5 (9) ここで、プライマリ油室30cの圧力Pin(n)は第1実
施形態の(2)〜(4)式を用いて算出することができ
る。次に、オリフィス面積Ar(n)とデュ−ティ比−オ
リフィス面積特性マップからデュ−ティ比DS2(n)の
値を算出する。このときデュ−ティ比DS2(n)とオリ
フィス面積Ar(n)との間の動特性(作動油温度T
OIL(n)の関数)も考慮してデュ−ティ比DS2(n)の
値を算出することが好ましい。ただし、ここではモデル
の精度を考慮して(Qcheck(n)−Qd rain(n))の値が
閾値以下の場合は、DS2(n)=0としてもよい。
【0076】本実施形態では、変速比固定制御時におい
て、チェック弁72を通過してプライマリ油室30cへ
流入する流量Qcheck(n)及び漏れ流量Qdrain(n)を物
理モデルを用いて算出し、(Qcheck(n)−Q
drain(n))の値に基づいて減速用電磁弁68へのデュ
−ティ制御指令値のデュ−ティ比DS2(n)を算出して
いる。ここで、変速比固定制御を行うために、DS1
(n)=DS2(n)=0としてもプライマリ油室30cに
は漏れ流量Qdrain(n)が存在するため、プライマリ油
室30cの圧力Pin(n)が低下する。その場合はチェッ
ク弁72が開放してプライマリ油室30cへ作動油が流
入することでプライマリ油室30cの圧力Pin(n)の補
償が行われる。しかし、プライマリシーブ30には製造
ばらつきがあるため、シール隙間面積Apがばらつき、
Apの値が小さいものについては変速比γ(n)を固定し
たいにもかかわらずアップシフトしてしまう場合があ
る。しかし本実施形態では、(1)〜(4)、(6)式
に示す物理モデルを用いることでプライマリ油室30c
へ流入した全体の流量(Qcheck(n)−Qdrain(n))を
精度よく算出することができる。さらに、この(Q
check(n)−Qdrain(n))の値に基づいてデュ−ティ比
DS2(n)を算出しているので、変速比固定制御時にア
ップシフトするのを確実に防止でき、精度よく変速比固
定制御を行うことができる。
【0077】本実施形態においても、漏れ流量特性の作
動油温度TOIL(n)、プライマリ油室30c内の圧力P
in(n)及び変速比γ(n)に応じた変化量が小さい場合
は、S404で算出する漏れ流量として、S111で算
出した漏れ流量を用いてもよい。
【0078】各実施形態における圧力補償手段は、チェ
ック弁72に限るものではなく、油室における圧力を補
償することができる手段であるならば本発明を適用可能
である。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
変速制御手段の非作動時における変速比の変化に基づい
て、油室における作動油の漏れ量を算出するので、無段
変速機ユニット固有の作動油の漏れ量を外乱なく精度よ
く算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る無段変速機の制御装
置を含む車両用動力伝達装置の構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施形態における油圧制御装置及び
電子制御装置の構成の概略を示す図である。
【図3】 本発明の第1実施形態における漏れ流量算出
ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】 本発明の第1実施形態における流量特性学習
補正ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】 本発明の第1実施形態におけるデュ−ティ比
−オリフィス面積特性マップの学習補正を説明する図で
ある。
【図6】 本発明の第2実施形態における電子制御装置
内で実行される制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図7】 本発明の第2実施形態における変速比固定制
御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 トルクコンバータ、12 前後進切換装置、14
ベルト式無段変速機、30 プライマリシーブ、32
セカンダリシーブ、34 Vベルト、40油圧制御装
置、42 電子制御装置、50 流量制御装置、60
セカンダリ圧制御装置、62 増速用流量制御弁、64
減速用流量制御弁、66 増速用電磁弁、68 減速
用電磁弁、72 チェック弁、90 ライン圧制御装
置、124 油圧制御信号算出手段、126 補正手
段、130 第1の油量変化検出手段、132 補償量
算出手段、134 漏れ量算出手段、136 第2の油
量変化検出手段、138 油量変化推定手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 63:06 F16H 63:06 (72)発明者 松尾 賢治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 寺島 正人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 近藤 宏紀 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J552 MA07 MA12 NA01 NB01 PA54 QA24C QA42C QC09 VA07Z VA18W VA32W VA37W VC01Z VC03W

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油室における作動油の流入出によって駆
    動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を
    有する無段変速機の該油室における作動油の漏れ量を算
    出する装置であって、 前記油室へ作動油を供給するための油圧を発生させる油
    圧源と、 該油圧源から前記油室に供給される作動油の量を調整す
    る変速制御手段と、 無段変速機の変速比を検出する変速比検出手段と、 前記変速制御手段の非作動時における変速比の変化に基
    づいて、前記油室における作動油の漏れ量を算出する漏
    れ量算出手段と、 を有することを特徴とする無段変速機の作動油漏れ量算
    出装置。
  2. 【請求項2】 油室における作動油の流入出によって駆
    動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を
    有する無段変速機の該油室における作動油の漏れ量を算
    出する装置であって、 前記油室へ作動油を供給するための油圧を発生させる油
    圧源と、 該油圧源から前記油室に供給される作動油の量を調整す
    る変速制御手段と、 該油圧源と前記油室の間に設けられ、前記油室における
    圧力を補償する圧力補償手段と、 前記変速制御手段の非作動時の第1の所定時間中に、前
    記油室における作動油の量の変化を検出する第1の油量
    変化検出手段と、 前記第1の所定時間中に、前記圧力補償手段を通って前
    記油室へ流入した作動油の量を算出する補償量算出手段
    と、 前記第1の油量変化検出手段の検出値及び前記補償量算
    出手段の算出値に基づいて前記油室における作動油の漏
    れ量を算出する漏れ量算出手段と、 を有することを特徴とする無段変速機の作動油漏れ量算
    出装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の無段変速機の作動油漏
    れ量算出装置であって、 前記補償量算出手段は、前記油圧源の圧力及び前記油室
    の圧力を検出する手段を有し、前記油圧源の圧力と前記
    油室の圧力との差に基づいて前記圧力補償手段を通って
    前記油室へ流入した作動油の量を算出することを特徴と
    する無段変速機の作動油漏れ量算出装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の無段変速機の作動油漏
    れ量算出装置であって、 前記漏れ量算出手段は、 前記第1の油量変化検出手段の検出値及び前記補償量算
    出手段の算出値に基づいて算出した漏れ量及び該漏れ量
    の算出に用いた油室の圧力を、それぞれ基準漏れ量及び
    基準圧力として記憶し、 該基準漏れ量、該基準圧力及び前記油室の圧力に基づい
    て前記油室における作動油の漏れ量を算出することを特
    徴とする無段変速機の作動油漏れ量算出装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の無段変速機の作動油漏
    れ量算出装置であって、 前記漏れ量算出手段は、 前記基準漏れ量及び前記基準圧力に基づいて前記油室の
    漏れ開口面積を算出し、 該漏れ開口面積及び前記油室の圧力に基づいて前記油室
    における作動油の漏れ量を算出することを特徴とする無
    段変速機の作動油漏れ量算出装置。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか1に記載の無段
    変速機の作動油漏れ量算出装置であって、 前記変速機構は、原動機からの駆動トルクが入力される
    プライマリシーブと、該駆動トルクを負荷へ出力するセ
    カンダリシーブと、プライマリシーブ及びセカンダリシ
    ーブに掛け回されたベルトと、を備え、 前記変速制御手段は、プライマリシーブの油室に供給さ
    れる作動油の量を調整することで変速比を連続的に変化
    させ、 前記油圧源は、セカンダリシーブの油室へ油圧を供給す
    る無段変速機の作動油漏れ量算出装置において、 プライマリシーブの回転速度を検出する入力回転速度検
    出手段と、 セカンダリシーブの回転速度を検出する出力回転速度検
    出手段と、 プライマリシーブへの入力トルクを検出する入力トルク
    検出手段と、 セカンダリシーブの油室における作動油の圧力を検出す
    るセカンダリ圧力検出手段と、 をさらに有し、 前記補償量算出手段は、前記入力回転速度検出手段の検
    出値、前記出力回転速度検出手段の検出値、前記入力ト
    ルク検出手段の検出値及び前記セカンダリ圧力検出手段
    の検出値に基づいてプライマリシーブの油室における作
    動油の圧力を検出することを特徴とする無段変速機の作
    動油漏れ量算出装置。
  7. 【請求項7】 請求項2〜5のいずれか1に記載の無段
    変速機の作動油漏れ量算出装置であって、 無段変速機の変速比を検出する変速比検出手段を有し、 前記第1の油量変化検出手段は、前記第1の所定時間に
    おける変速比の変化に基づいて前記油室における作動油
    の量の変化を検出することを特徴とする無段変速機の作
    動油漏れ量算出装置。
  8. 【請求項8】 請求項2〜7のいずれか1に記載の無段
    変速機の作動油漏れ量算出装置であって、 前記圧力補償手段は、前記油圧源の圧力と前記油室の圧
    力との差が閾値以上の場合に前記油圧源から前記油室へ
    の作動油の流入を許容するチェック弁であることを特徴
    とする無段変速機の作動油漏れ量算出装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1に記載の無段
    変速機の作動油漏れ量算出装置を含む無段変速機の制御
    装置であって、 前記変速制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性に
    基づいて所望の変速比を得るための流量制御出力に対応
    した油圧制御信号を算出して前記変速制御手段へ出力す
    る油圧制御信号算出手段と、 前記変速制御手段の作動時の第2の所定時間中に、前記
    油室における作動油の量の変化を検出する第2の油量変
    化検出手段と、 前記第2の所定時間中に、前記油室における作動油の量
    の変化を前記油圧制御信号及び前記油室における作動油
    の漏れ量に基づいて推定する油量変化推定手段と、 前記第2の油量変化検出手段の検出値と前記油量変化推
    定手段の推定値との偏差に基づいて前記変速制御手段の
    油圧制御信号−流量制御出力特性を補正する補正手段
    と、 をさらに有することを特徴とする無段変速機の制御装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の無段変速機の作動油
    漏れ量算出装置を含む無段変速機の制御装置であって、 変速比固定制御を実行する変速比固定制御手段をさらに
    有し、 前記変速比固定制御手段は、前記油室における作動油の
    漏れ量に基づいて油圧制御信号を算出し、該油圧制御信
    号を前記変速制御手段へ出力することを特徴とする無段
    変速機の制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項2〜8のいずれか1に記載の無
    段変速機の作動油漏れ量算出装置を含む無段変速機の制
    御装置であって、 変速比固定制御を実行する変速比固定制御手段をさらに
    有し、 前記補償量算出手段は、変速比固定制御実行時に前記圧
    力補償手段を通って前記油室へ流入する作動油の量を算
    出し、 前記変速比固定制御手段は、変速比固定制御実行時に算
    出された前記補償量算出手段の算出値及び前記油室にお
    ける作動油の漏れ量に基づいて油圧制御信号を算出し、
    該油圧制御信号を前記変速制御手段へ出力することを特
    徴とする無段変速機の制御装置。
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JP2009097472A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Toyota Motor Corp 油圧システムの制御装置及びバルブタイミング制御装置
CN114033564A (zh) * 2021-11-22 2022-02-11 潍柴动力股份有限公司 一种发动机转速控制方法、装置、系统及存储介质
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