JP2003343570A - 転がり軸受用保持器及びその製造方法 - Google Patents

転がり軸受用保持器及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐磨耗性及び摺動特性を向上でき、吸湿等に
よる寸法変化等を防止でき、更に生産効率向上及びコス
ト削減を図ることができる転がり軸受用保持器を提供す
る。 【解決手段】 本発明は、軸受1の内輪2及び外輪3間
に転動自在に収容されるボール5を保持するための転が
り軸受用保持器10を対象とする。周方向に所定の間隔
おきにボール5を保持するための複数のポケット22が
設けられた環状の合成樹脂製保持器本体20を具備す
る。この保持器本体20の外表面に非晶性硬質炭素膜
(DLC膜)30を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、転がり軸受の内
輪及び外輪間に、ボール等の転動体を転動自在に保持し
た状態に組み込まれる転がり軸受用保持器及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受は、内輪及び外輪間に、ボー
ル等の複数の転動体が転動自在に保持されるものである
が、これらの複数のボールを周方向に等間隔おきに保持
するために保持器が用いられる。
【0003】この保持器としては、例えば鋼板のプレス
成形により得られる金属製保持器の他に、合成樹脂の熱
成形により得られる樹脂製保持器等が周知である。
【0004】樹脂製保持器は、射出成形等の周知の熱成
形によって量産できて、コスト的に有利である上、柔軟
性、耐摩耗性、耐食性等の物性に優れるとともに、軽量
化も図ることができるため、多くの点で、軸受の性能向
上に貢献することができ、自動車、電気、産業機械等の
各種技術分野において広く用いられている。
【0005】このような樹脂製保持器として多用される
ものに、例えば冠形のものがある。この保持器は、環状
の保持器本体における軸心方向の一方側に、その一方側
に向けて開口する複数のポケットが周方向に所定の間隔
おきに形成されている。
【0006】そしてこの保持器が、ポケット内にボール
を転動自在に保持した状態で内輪及び外輪間に組み込ま
れて、軸受が形成されるものである。
【0007】
【発明の背景】上記従来の冠形保持器は、例えば66ナ
イロン等のポリアミド樹脂を主成分とし、ガラス繊維等
の強化剤が含有された樹脂成形材料の射出成形品により
構成され、軸受に組み込んだ状態においては、保持器の
ポケットや各ポケットの空間部に、グリース等の潤滑剤
を注入して、内輪及び外輪に対する摩擦抵抗を減少させ
て、耐磨耗性の向上を図るようにしている。
【0008】しかしながら、近年における各種機器の高
性能化に伴って、軸受に対し要求される特性も日増しに
厳しくなっている。このため、高速回転で軸受が使用さ
れるような過酷な環境下においては、上記従来の樹脂製
保持器が組み込まれた軸受が採用されていても、潤滑剤
の取り込みが不十分となる場合があり、保持器における
ポケットとボールとの滑り摩擦抵抗が増大して、回転ト
ルクの増大や、ノイズ等の音響問題が発生する恐れがあ
る。
【0009】また樹脂製保持器は、吸水吸湿による寸法
変化や、摩擦熱の影響による変形等が生じ易く、例えば
その変形によって、ボールの保持位置精度が低下し、安
定した回転状態を得ることが困難になる恐れがある。
【0010】一方、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)樹脂等のフッ素樹脂材料や、この樹脂に二硫化モ
リブデン等の固体潤滑剤を添加した高分子材料等の低摩
擦材料を用いて保持器を形成して、耐磨耗性及び摺動特
性を向上させるようにした技術も一部で実施されてい
る。
【0011】しかしながら、これらの低摩擦材料は、高
価である上、射出成形等の熱成形を行うことができず、
切削加工等の機械加工が必要となり、量産することがで
きず、生産効率の低下及びコストの増大を来すという問
題を抱えている。
【0012】この発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、摩擦抵抗を低減できて、耐磨耗性及び摺動特性
を向上できるとともに、吸湿や摩擦熱の影響を回避でき
て、寸法安定性に優れ、更に生産効率の向上及びコスト
の削減を図ることができる転がり軸受用保持器及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、転がり軸受
用保持器、特に樹脂製の保持器に関して、綿密な実験、
研究を行った結果、上記の目的を達成可能な特有の構成
を見出し、本発明をなすに至った。
【0014】すなわち本第1発明は、軸受の内輪及び外
輪間に転動自在に収容される転動体を保持するための転
がり軸受用保持器であって、周方向に間隔をおいて前記
転動体を保持するための複数の転動体保持部が設けられ
た環状の合成樹脂製保持器本体を具備し、前記保持器本
体における前記転動体保持部の表面に非晶性硬質炭素膜
が形成されてなるものを要旨としている。
【0015】本第1発明の転がり軸受用保持器において
は、保持器表面に非晶性硬質炭素膜(DLC膜)を形成
するものであるため、転動体との摩擦抵抗を低減できる
とともに、摺動特性を向上させることができる。
【0016】更に非晶性硬質炭素膜の遮水バリア効果に
より、保持器本体への吸湿を防止できるため、吸湿によ
る寸法変化を防止できて、転動体の保持特性を向上させ
ることができる。
【0017】また摩擦抵抗の低減により、摩擦熱の発生
を抑制でき、保持器本体の熱変形を防止することができ
る。
【0018】また保持器本体は、射出成形等の量産可能
な熱成形によって製作できるとともに、保持器材料とし
て、例えば高価なフッ素樹脂系の低摩擦材料を使用する
必要もない。
【0019】本第1発明においては、上記の摺動特性等
をより確実に得るために、前記非晶性硬質炭素膜の膜厚
が、0.5〜5.0μmに設定されてなる構成を採用す
るのが好ましい。
【0020】また本第1発明は、冠形の保持器として好
適に採用することができる。
【0021】すなわち本第1発明においては、前記転動
体保持部が、前記保持器本体における軸心方向の一方側
に向けて開口するポケットにより形成され、前記保持器
本体が、冠形の形状を有する構成を採用するのが望まし
い。
【0022】一方、本第2発明は、上記第1発明の転が
り軸受用保持器の製造プロセスの一態様を特定するもの
である。
【0023】すなわち本第2発明は、軸受の内輪及び外
輪間に転動自在に収容される転動体を保持するための転
がり軸受用保持器の製造方法であって、周方向に間隔を
おいて前記転動体を保持するための複数の転動体保持部
が設けられた環状の合成樹脂製保持器本体を得る工程
と、前記保持器本体における前記転動体保持部の表面に
非晶性硬質炭素膜を蒸着により形成する工程とを含むも
のを要旨としている。
【0024】またこの第2発明においては、保持器本体
への熱の悪影響を回避するために、前記非晶性硬質炭素
膜を、高周波プラズマCVD法により形成する構成を採
用するのが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施形態である
転がり軸受用樹脂製保持器(10)を示す斜視図、図2
はその保持器(10)が適用された転がり軸受(1)の
上側部を示す断面図である。
【0026】両図に示すように、この保持器(10)
は、冠形のものであり、合成樹脂製の保持器本体(2
0)を具備し、その保持器本体(20)の表面に非晶性
硬質炭素膜(30)がコーティング被覆されて構成され
ている。
【0027】保持器本体(20)は、環状の樹脂成形品
からなり、その軸心方向の一方側に、その一方側に向け
て開口する複数のポケット(22)が、周方向に所定の
間隔おきに形成されている。このポケット(22)は、
転動体保持部を構成するものであり、転動体としてのボ
ール(5)を転動自在に収容保持できるよう構成されて
いる。
【0028】保持器本体(20)は、射出成形等の熱成
形により得られる樹脂成形品をもって構成されている。
この成形材料は、特に限定されるものではないが、例え
ば66ナイロン、46ナイロン等のポリアミド樹脂、ポ
リアセタール(POM)樹脂、ポリフェニレンサルフィ
ド(PPS)樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等
を好適に用いることができ、中でも特に、汎用性、成形
性の他、物性等を考慮して、66ナイロンを好適に用い
ることができる。
【0029】更に本実施形態においては、必要に応じ
て、上記の樹脂材料に、ガラス繊維、カーボン繊維等の
補強剤を添加したものを成形材料として使用することが
できる。
【0030】本実施形態の保持器本体(20)は、66
ナイロンを主材とし、ガラス繊維が含有された成形材料
を、射出成形して得られる樹脂成形品をもって構成され
ている。
【0031】一方、保持器本体(20)の表面にコーテ
ィング被覆される非晶性硬質炭素膜(30)は、DLC
(ダイヤモンドライクカーボン)膜からなるもので、ダ
イヤモンドやグラファイトと同様に炭素元素により構成
され、その結晶構造は、緻密なアモルファス(非晶質)
構造を有する硬質の膜である。
【0032】このDLC膜(30)は、例えばメタン
(CH4)、ベンゼン(C6H6)、エタン(C2H
5)、プロパン(C3H8)等の炭素系のガスを原料と
して、基板としての保持器本体(20)の表面に蒸着に
より被膜化するものである。
【0033】この蒸着法としては、例えば高周波プラズ
マCVD法、イオンプレーティング法、イオン化蒸着法
等を好適に採用することができ、中でも特に、高周波プ
ラズマCVD法は、炭化水素ガス等のガス状元素をプラ
ズマ化によって分解、イオン化して基板表面に堆積する
ものであり、保持器本体(20)等の基板に熱履歴等の
熱の悪影響を与えずに被膜化できるため、好適に採用す
ることができる。
【0034】本実施形態の保持器(10)において、D
LC膜(30)は、高周波プラズマCVD法によって形
成されている。
【0035】なお本実施形態においては、DLC膜(3
0)を形成する前に、上記の樹脂成形品からなる保持器
本体(20)を、脱脂洗浄後、CVD装置の真空室にセ
ットして、前処理を行う。
【0036】この前処理では、真空室を排気装置により
所定の圧力まで減圧し、フッ素ガス、水素ガス等の前処
理用ガスを導入し、電極に高周波電圧を印加して、前処
理用ガスをプラズマ化する。これにより保持器本体(2
0)の表面を、活性化させるとともに、水素ラジカルに
より暴露してエッチングを行う。
【0037】こうして保持器本体(20)の表面におけ
る未結合表面原子をフッ素、水素により被覆して、不純
物が付着するのを防止し、DLC膜堆積時の炭素イオン
の密着性を向上させる。
【0038】その後、成膜用原料ガスとして、メタン、
ベンゼン、エタン、プロパン等の炭化水素ガスを真空室
に導入して、電極に変調高周波電圧を印加して、炭化水
素ガスを、プラズマ化によって分解、イオン化して、保
持器本体(20)の外表面に堆積させて、DLC膜(3
0)を形成する。
【0039】ここで、変調高周波プラズマ法を用いて、
プラズマを断続的に発生させることにより、保持器本体
(20)の温度上昇を抑制して、100℃以下の低温
で、均質な成膜処理が可能となる。
【0040】本実施形態において、DLC膜(30)の
膜厚は、0.5〜5.0μmに設定するのが良く、より
好ましくは膜厚の下限値を1.0μm以上、上限値を
3.0μmに設定するのが良い。すなわち、膜厚が薄過
ぎる場合には、耐磨耗性が不十分となり、良好な摺動特
性を得ることが困難になる恐れがある。逆に膜厚が厚過
ぎる場合には、膜内の残留応力が大きくなり、その応力
により膜(30)の剥離やチッピングが生じる恐れがあ
る。
【0041】こうして得られた保持器(10)は、図2
に示すように、各ポケット(22)内にボール(5)が
転動自在に保持された状態で内輪(2)及び外輪(3)
間に組み込まれることにより、転がり軸受(1)が組み
立てられる。
【0042】この軸受(1)においては、保持器(1
0)の外表面に、低摩擦抵抗のDLC膜(30)を形成
するものであるため、ポケット(22)のボール(5)
に対する摺動特性が向上し、ボール(5)とポケット
(22)との摩擦抵抗が低減する。従って回転トルクの
増大を防止できるとともに、ノイズ等の音響問題が生じ
るのを防止することができる。しかも摩擦抵抗が小さ
く、耐磨耗性が向上するため、耐久性を向上できて、軸
受寿命を延ばすことができる。
【0043】また、DLC膜(30)の遮水バリア効果
により、保持器本体(20)の吸湿吸水を防止できるた
め、吸湿による寸法変化を防止できて、保持器(10)
によるボール(5)の保持位置精度を向上できて、良好
な玉保持性を得ることができる。従って、安定した回転
状態を長期間にわたって維持しつつ、より一層耐久性を
向上させることができる。特に本実施形態の保持器本体
(20)を構成する66ナイロン等の樹脂は、吸湿性、
吸水性が高く、その吸湿による寸法安定性の低下が懸念
されるところであるが、DLC膜(30)によって吸湿
を確実に防止できるため、66ナイロン製の保持器にお
いては、非常に有益である。
【0044】なお、本実施形態において、DLC膜(3
0)は、保持器本体(20)の少なくともポケット(2
2)の表面に形成されていれば良いが、DLC膜(3
0)を広範囲に形成する場合には、上記遮水バリア効果
による寸法安定性を、より一層向上させることができ
る。
【0045】また本実施形態の軸受(1)においては、
摩擦抵抗が小さく、摩擦熱の発生を低減できるため、保
持器本体(20)の熱変形を防止でき、良好な玉保持性
を維持することができ、より一層安定した回転状態を維
持できるとともに、一段と耐久性を向上させることがで
きる。
【0046】更に本実施形態の保持器(10)は、その
保持器本体(20)を樹脂により構成するものであるた
め、樹脂製保持器の利点、例えば弾力性による耐衝撃荷
重性や、柔軟性、耐食性等の諸物性に優れ、軽量化及び
量産による低コスト化を図ることができる。
【0047】更にPTFE等の高価なフッ素樹脂系の低
摩擦材料を使用するものではなく、材料費を削減でき
て、一段とコストの削減を図ることができる。
【0048】また本実施形態の保持器(10)は、DL
C膜(30)の形成により、保持器自体の摺動特性が向
上するため、例えばグリース等の潤滑剤の使用が困難な
特殊環境下においても、使用することができる。
【0049】なお、上記実施形態においては、冠形の保
持器を例に挙げて説明したが、本発明はそれだけにかぎ
られず、例えばアンギュラ軸受、スラスト軸受、円筒こ
ろ軸受、円錐ころ軸受、針状ころ軸受用の保持器にも適
用することができる。
【0050】
【実施例】上記実施形態と同様にして、保持器本体にD
LC膜を形成して保持器(♯6207)を作製し、この
保持器を用いて、実施例としての転がり軸受を作製し
た。
【0051】DLC膜を形成しない点を除き、上記実施
例と同様にして、比較例(従来品)としての転がり軸受
を作製した。
【0052】これらの軸受に対しそれぞれ回転テストを
行い、各軸受における回転時間(分)と軸受外輪におけ
る温度(℃)との関係を測定した。なお、回転速度は、
12000rpmで行った。
【0053】その結果、図3のグラフに示すように、本
発明に関連した実施例の軸受は、比較例の軸受に対し、
温度上昇が抑制されているのが判る。例えば比較例の軸
受においては、外輪温度が、回転開始後10分余りで1
00℃前後まで上昇しているが、本発明に関連した実施
例の軸受においては、外輪温度が、回転開始後50分経
過しても70℃前後にまでしか上昇していなかった。
【0054】このように本発明に関連した実施例の軸受
は、温度上昇が小さく、つまり摩擦抵抗が小さく、耐磨
耗性及び摺動特性に優れているものであった。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本第1発明の転がり軸受
用保持器によれば、保持器表面に非晶性硬質炭素膜を形
成するものであるため、転動体との摩擦抵抗を低減でき
るとともに、摺動特性を向上させることができ、回転ト
ルクの増大を防止できるとともに、ノイズ等の音響問題
が生じるのを防止することができる。更に非晶性硬質炭
素膜のバリア効果により、保持器本体への吸湿を防止で
きるため、吸湿による寸法変化を防止できて、転動体の
保持特性を向上でき、安定した回転状態を維持すること
ができるとともに、摩擦抵抗の低減により、摩擦熱の発
生を抑制でき、保持器本体の熱変形を防止でき、より一
層安定した回転状態を維持することができる。また保持
器本体は、射出成形等の量産可能な熱成形により製作で
きるとともに、保持器材料として、例えば高価な低摩擦
材料を用いる必要もないので、生産効率の向上及びコス
トの削減を図ることができるという効果がある。
【0056】本発明において、非晶性硬質炭素膜の膜厚
を所定の範囲に特定した場合や、特定の保持器に採用し
た場合には、上記の効果をより確実に得ることができる
という利点がある。
【0057】本第2発明は、上記保持器の製造プロセス
を一態様を特定するものであるため、上記の効果を有す
る転がり軸受用保持器を確実に得ることができる。
【0058】本第2発明において、非晶性硬質炭素膜を
高周波プラズマCVD法により形成する場合には、非晶
性硬質炭素膜を低温で形成することができ、保持器本体
への熱の悪影響を回避することができるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である冠形の転がり軸受用
保持器を示す斜視図である。
【図2】実施形態の保持器が組み込まれた転がり軸受の
上側部を示す断面図である。
【図3】実施例及び比較例の軸受における回転時間と外
輪温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…転がり軸受 2…内輪 3…外輪 5…ボール(転動体) 10…保持器 20…保持器本体 22…ポケット(転動体保持部) 30…DLC膜(非晶性硬質炭素膜)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受の内輪及び外輪間に転動自在に収容
    される転動体を保持するための転がり軸受用保持器であ
    って、 周方向に間隔をおいて前記転動体を保持するための複数
    の転動体保持部が設けられた環状の合成樹脂製保持器本
    体を具備し、 前記保持器本体における前記転動体保持部の表面に非晶
    性硬質炭素膜が形成されてなることを特徴とする転がり
    軸受用保持器。
  2. 【請求項2】 前記非晶性硬質炭素膜の膜厚が、0.5
    〜5.0μmに設定されてなる請求項1記載の転がり軸
    受用保持器。
  3. 【請求項3】 前記転動体保持部が、前記保持器本体に
    おける軸心方向の一方側に向けて開口するポケットによ
    り形成され、 前記保持器本体が、冠形の形状を有する請求項1又は2
    記載の転がり軸受用保持器。
  4. 【請求項4】 軸受の内輪及び外輪間に転動自在に収容
    される転動体を保持するための転がり軸受用保持器の製
    造方法であって、 周方向に間隔をおいて前記転動体を保持するための複数
    の転動体保持部が設けられた環状の合成樹脂製保持器本
    体を得る工程と、 前記保持器本体における前記転動体保持部の表面に非晶
    性硬質炭素膜を蒸着により形成する工程とを含む転がり
    軸受用保持器の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記非晶性硬質炭素膜を、高周波プラズ
    マCVD法により形成するものとした請求項4記載の転
    がり軸受用保持器の製造方法。
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Cited By (3)

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