JPH0712624U - 球面滑り軸受 - Google Patents

球面滑り軸受

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JPH0712624U
JPH0712624U JP6316293U JP6316293U JPH0712624U JP H0712624 U JPH0712624 U JP H0712624U JP 6316293 U JP6316293 U JP 6316293U JP 6316293 U JP6316293 U JP 6316293U JP H0712624 U JPH0712624 U JP H0712624U
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JP
Japan
Prior art keywords
inner ring
film
vapor deposition
spherical
plain bearing
Prior art date
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Pending
Application number
JP6316293U
Other languages
English (en)
Inventor
善紀 古川
武彦 梅本
兆 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水、海水中等の腐食雰囲気で使用される球面
滑り軸受において、防錆能力の向上および製造工数の削
減を図る。 【構成】 この軸受は、球面状の滑り面1a,2aで互
いに接する内輪1および外輪2からなり、内輪1の全面
に窒化チタン(TiN)またはタングステンカーバイド
の気相成長被膜4を設ける。気相成長被膜4は、物理気
相成長法(PVD)または化学気相成長法(CVD)等
の気相成長法で形成される被膜である。外輪2の滑り面
2aは合成樹脂ライナ3で構成される。内輪1は内径面
1bにキー溝5を有し、この溝内にも気相成長被膜4を
施す。内輪1の球面状滑り面1aおよび幅面1cは、ク
ロムめっきとしても良い。内外輪1,2はステンレス製
とし、ライナ3にはポリテトラフルオロエチレン等を使
用することが望ましい。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、水、海水中等の腐食雰囲気で使用される球面滑り軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
滑り軸受の一種である球面滑り軸受は、調心性を持ち、取扱いが容易なことよ り、各種産業で利用されている。球面滑り軸受は、内輪、外輪、およびライナで 構成され、内輪球面部と外輪内径部に貼られたライナとの間で調心し、滑る。 一般には、内外輪は軸受鋼または浸炭鋼で製作され、内輪は耐食性,耐摩耗性 を目的としてクロムめっきが施される。また、外輪は防錆を目的として黒染め, パーカ処理等が施される。ライナには潤滑性の良いPTFE樹脂等が採用されて いる。
【0003】 水、海水等の腐食性の高い雰囲気で使用するものとしては、防錆能力向上のた めに、内外輪をステンレス鋼性とし、内輪の全面に硬質クロムめっきを施したも のが使用されている。 硬質クロムめっきは、防錆能力確保のためには厚く施す必要があり、特に防錆 の必要な内輪外周の滑り面と、内径面との両方に厚く施している。内径面は、軸 との嵌め合いの許容差が厳しいが、めっき層の厚さに大きなばらつきが生じるた め、めっき後に再研削を行うことで対処している。このため内径面にもめっき層 を厚く形成する必要がある。 軸と内輪とは、一般には締まり嵌めで固定されるが、緩み嵌めとする場合もあ り、その場合は動力伝達用のキー溝を内輪内径面に設け、キー溝内面にも前記の 硬質クロムメッキを施す。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
硬質クロムめっきでは、ピンホールを基点として錆が発生し、その錆部より素 材(ステンレス鋼)と硬質クロムめっきの分離が進行し、全体に及んで行く。そ のため、膜厚を厚くしなければ、満足できる耐久性を得ることが難い。
【0005】 また、内輪内径の許容差が厳しいため、前記のようにめっき後に内径を再研削 しているが、これにより加工工数が多くなってコスト高になる。また、この内径 研削時に硬質クロムめっき層に微小クラックが発生し、防錆能力の低下、耐久性 の低下につながる恐れがある。 さらに、内輪内径にキー溝を加工する場合には、次の問題点も生じる。すなわ ち、キー溝は溝幅や溝深さの許容差が厳しいため、キー溝内の硬質クロムめっき 厚さを薄くすることで対処しているが、滑り面や内径面とめっき厚さが異なるた め、別工程でめっきを行う必要がある。そのため工程が増える。また、めっき厚 さが薄いために防錆能力が不足し易い。
【0006】 この考案の目的は、防錆能力の向上および製造工数の削減が図れる球面滑り軸 受を提供することである。 この考案の他の目的は、低コストで防錆能力の向上が図れる球面滑り軸受を提 供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案は、球面状の滑り面で互いに接する内輪および外輪を有する球 面滑り軸受において、内輪の全面に、窒化チタンまたはタングステンカーバイド の気相成長被膜を設けたものである。気相成長被膜は、物理気相成長法(PVD )または化学気相成長法(CVD)等の気相成長法で形成される被膜である。
【0008】 請求項2の考案の球面滑り軸受は、内輪の球面状滑り面および幅面にクロムめ っき被膜を設け、内輪の内周面に前記の窒化チタンまたはタングステンカーバイ ドの気相成長被膜を設けたものである。内周面にキー溝等の加工部分がある場合 は、その加工部分にも気相成長被膜を形成する。
【0009】
【作用】 窒化チタンまたはタングステンカーバイドの気相成長被膜では、ピンホール数 が硬質クロムめっきに比べて少なく、防錆能力が向上し、信頼性の向上につなが る。しかも、この気相成長被膜は、成膜厚さのばらつきが非常に小さく、そのた め内輪内径を成膜後に再研削する必要がなくて製造工数が削減される。また、成 膜厚さのばらつきが小さいため、内輪内周面にキー溝を設ける場合にも、キー溝 部を別工程で成膜処理する必要がない。 窒化チタンまたはタングステンカーバイドの気相成長被膜は、クロムめっきに 比べて一般に高価となるが、請求項2の考案の場合は、精度上の要求の厳しい内 輪内周面にのみ前記気相成長被膜を施し、球面状滑り面および幅面はクロムめっ き被膜とするので、低コストで防錆能力の向上が図れる。
【0010】
【実施例】
この考案の一実施例を図1に基づいて説明する。この球面滑り軸受は、球面状 の滑り面1a,2aで互いに接する内輪1および外輪2からなり、内輪1の全面 に窒化チタン(TiN)またはタングステンカーバイドの気相成長被膜4を設け たものである。内外輪1,2には耐食性の高いステンレス鋼(例えばSUS63 0)等が使用され、外輪2の滑り面2aは合成樹脂ライナ3で構成される。合成 樹脂ライナ3は、高分子材料の自己潤滑性樹脂を、外輪2のステンレス部分の内 面に射出成形で一体にモールドしたものである。この樹脂としては、耐水性を持 ち、かつ水や海水中での潤滑性が良いことから、PTFE(ポリテトラフルオロ エチレン)樹脂やPI(ポリイミド)樹脂が好ましく、この他にナイロン等が使 用できる。内輪1は内径面にキー溝5を有し、このキー溝5内にも気相成長被膜 4が施される。
【0011】 気相成長被膜4は、物理気相成長法(PVD)または化学気相成長法(CVD )等の気相成長法で形成される被膜である。物理気相成長法としては、真空蒸着 、スパッタリング、イオンプレーティング等が採用でき、化学気相成長法として は、常圧CVD、減圧CVD、プラズマCVD等が採用できる。
【0012】 この構成の球面滑り軸受によると次の各利点が得られる。すなわち、内輪1に 施された窒化チタンまたはタングステンカーバイドの気相成長被膜4は、ピンホ ール数が硬質クロムめっきに比べて少なく、そのため防錆能力が向上し、優れた 信頼性が得られる。したがって、この球面滑り軸受は、海水中等の腐食雰囲気で 使用しても、優れた耐久性を得ることができる。この防錆能力の向上は実験によ り確認できた。この防塵能力の向上、および前記PTFE樹脂またはPI樹脂の ライナ3の使用により、船舶(例えば、高速ジェットフォイル用)、水門、水処 理設備等のように水中で無潤滑状態で使用する滑り軸受として効果を発揮するこ とができる。 しかも、この気相成長被膜4は、成膜厚さが薄くて済み(例えば2〜5μm程 度)、したがって厚さのばらつきも非常に小さく、そのため内輪1の内径を成膜 後に再研削する必要がない。また、成膜厚さのばらつきが小さいため、キー溝5 の内面も別工程で成膜処理する必要がなく、内輪1の全体に同時に被膜形成でき る。このように、内径の研削工程や、キー溝5における別工程の被膜形成工程が 不要となるため、製造工数が削減され、コスト低下が図れる。
【0013】 図2はこの考案の他の実施例を示す。この例は、内輪1の球面状滑り面1aお よび幅面1cに硬質クロムめっき被膜6を設け、内周面に窒化チタンまたはタン グステンカーバイドの気相成長被膜4を設けたものである。気相成長被膜4はキ ー溝5内にも施す。その他の構成は前記実施例と同様である。内外輪1,2や合 成樹脂ライナ3の材質、気相成長被膜4の成膜方法も前記実施例と同様である。
【0014】 気相成長被膜4は、クロムめっき被膜6のめっき処理後に行う。クロムめっき 被膜6は、膜厚が例えば20〜50μm程度になるように施す。このめっき処理 に際して、内輪1の内径やキー溝5の公差確保のため、内輪1の内周面にはマス キング(図示せず)を施しておく。
【0015】 この構成の場合も、前記実施例と同様に、内輪1の内周面に窒化チタンまたは タングステンカーバイドの気相成長被膜4を設けたため、防錆能力の向上を図り ながら、内輪内径やキー溝公差のばらつきを小さくすることができる。また、内 輪1の球面状滑り面1aおよび幅面1cはクロムめっきとするため、低コストで 防錆性を確保できる。さらに、この場合も、PTFE樹脂またはPI樹脂の樹脂 ライナ3の使用と相まって、前記の船舶、水門、水処理設備等のように水中で無 潤滑状態で使用する滑り軸受として効果を発揮することができる。
【0016】 なお、前記各実施例では合成樹脂ライナ3を設けたが、このライナ3は必ずし も設けなくても良い。
【0017】
【考案の効果】
請求項1の考案の球面滑り軸受は、内輪の全面に、窒化チタンまたはタングス テンカーバイドの気相成長被膜を設けたため、防錆能力が向上し、信頼性の向上 につながる。そのため、水、海水中等の腐食雰囲気で使用しても優れた耐久性が 得られる。しかも、被膜厚さのばらつきが非常に小さいために、内輪内径を成膜 後に再研削する必要がなく、またキー溝を設ける場合にもその溝部を別工程で成 膜処理する必要がなく、製造工数が削減される。
【0018】 請求項2の考案の球面滑り軸受は、内輪の内周面に窒化チタンまたはタングス テンカーバイドの気相成長被膜を設けたため、この場合も、内周面の防錆能力の 向上を図りながら、内輪内径やキー溝公差のばらつきを小さくすることができる 。また、内輪の球面状滑り面および幅面はクロムめっきとするため、低コストで 防錆性を確保できる。これらにより、水、海水中等の腐食雰囲気下で優れた耐久 性が得られる球面滑り軸受を安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの考案の一実施例の軸方向に沿う断
面図、(B)はそのB−B線断面図である。
【図2】(A)はこの考案の他の実施例の軸方向に沿う
断面図、(B)はそのB−B線断面図である。
【符号の説明】
1…内輪、2…外輪、3…合成樹脂ライナ、4…気相成
長被膜、5…キー溝、6…クロムめっき被膜

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球面状の滑り面で互いに接する内輪およ
    び外輪を有する球面滑り軸受において、前記内輪の全面
    に、窒化チタンまたはタングステンカーバイドの気相成
    長被膜を設けた球面滑り軸受。
  2. 【請求項2】 球面状の滑り面で互いに接する内輪およ
    び外輪を有する球面滑り軸受において、前記内輪の前記
    球面状滑り面および幅面にクロムめっき被膜を設け、か
    つ内周面に窒化チタンまたはタングステンカーバイドの
    気相成長被膜を設けた球面滑り軸受。
JP6316293U 1993-05-31 1993-10-29 球面滑り軸受 Pending JPH0712624U (ja)

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JP3446593 1993-05-31
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