JP2002070870A - 軸受装置 - Google Patents
軸受装置Info
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Abstract
を長くできると共に、製作コストを低減できる軸受装置
を提供する。 【解決手段】 この軸受装置は、内周の支持面4 で回転
軸1 を支持する軸受メタル3 を備え、その軸受メタル3
の支持面4 にDLC皮膜14を形成したものである。
Description
り軸受装置等の軸受装置に関し、軸受メタルの内周の支
持面にDLC皮膜を形成したものである。
の主軸装置には、従来、静圧軸受装置を使用したものが
ある。この主軸装置は、主軸と、この主軸を回転自在に
支持するケルメット等の銅合金製の静圧軸受メタルとを
備え、その静圧軸受メタルの内周の支持面に周方向に複
数個の静圧ポケットを形成し、その静圧ポケットに加圧
流体源から絞りを介して圧力流体を供給して、その圧力
流体の静圧により大きな負荷容量を確保するようにして
いる。
静圧軸受メタルにケルメット等の銅合金製のものを使用
しているため、停電等で加圧流体源が停止する等の異常
が発生した場合に、主軸が静圧軸受メタルの支持面に直
接接触して、静圧軸受メタルが焼き付きを起こす原因と
なっている。また静圧軸受メタルは、現状では鋳造品で
あるため、製作コストが高くなる問題がある。
み、軸受メタルの焼き付きを防止でき、軸受寿命を長く
できると共に、製作コストを低減できる軸受装置を提供
することを目的とする。
で回転軸を支持する軸受メタルを備えた軸受装置におい
て、前記軸受メタルの前記支持面にDLC皮膜を形成し
たものである。
に基づいて詳述する。図1及び図2は本発明を研削盤の
静圧軸受装置式の主軸装置に採用した第1の実施形態を
例示する。図1において、1 は研削盤のベッド上に設け
られた主軸台、2 は主軸台1 に保持された主軸である。
数個の静圧軸受メタル3 を介して回転自在に支持され、
一端側に研削砥石(図示省略)が装着されている。な
お、主軸2 には、SCM435材を高周波焼き入れした
焼き入れ材等、HRC48〜54程度の硬さの材料が使
用されている。
れている。静圧軸受メタル3 の内周には、図2に展開図
で示すように、主軸2 を支持する支持面4 側に周方向に
所定間隔を置いて複数個の静圧ポケット5 と、その静圧
ポケット5 間に軸方向に配置された複数個の排出溝6
と、これら静圧ポケット5 及び排出溝6 の軸方向の両側
に周方向に配置された排出溝7 とが形成されている。
溝8 が形成されると共に、その環状溝8 と各静圧ポケッ
ト5 とを連通する通路9 に絞り10が設けられている。環
状溝8 は主軸台1 側の通路11を介して圧力流体源(図示
省略)に接続されている。排出溝6,7 は、排出通路12を
介して圧力流体を外部へと排出するようになっている。
S55Cの焼き入れ材等、HRCが50〜60程度の硬
い材料が使用されている。なお、静圧軸受メタル3 に
は、超硬合金、工具鋼、金型鋼、ステンレス鋼等を使用
することも可能である。
粗さ0.8S以下の金属光沢面となるように平滑状に研
磨され、その内周面の内、少なくとも静圧ポケット5 、
排出溝6,7 等の凹部を除く部分、即ち静圧軸受メタル3
の内周の支持面4 の全面に単層構造のDLC(ダイヤモ
ンドライクカーボン)皮膜14が形成されている。
度、好ましくは2〜3μm程度の薄膜であり、また支持
面4 のDLC皮膜14と主軸2 の外周面との間は、20〜
25μm程度の微小隙間となっている。
ラズマで炭化水素ガスを分解し、プラズマ中のイオンや
励起分子を静圧軸受メタル3 の内周面に電気的に加速し
ぶつけることにより形成されている。なお、処理温度は
100〜200°C、好ましくは150°C程度であ
る。
の加圧流体を絞り10、通路11等を経て静圧ポケット5 に
供給し、その加圧流体の静圧により主軸2 の高圧負荷を
支持する。従って、主軸2 と静圧軸受メタル3 の支持面
4 との間には常時所定の微小隙間があり、主軸2 は静圧
軸受メタル3 に対して非接触状態でその軸心廻りに回転
する。
が発生した場合には、加圧流体の供給が停止するため、
主軸2 が静圧軸受メタル3 の支持面4 に接触して、静圧
軸受メタル3 の支持面4 上を摺動するが、その支持面4
にDLC皮膜14を使用しているので、主軸2 との間の摩
擦熱による静圧軸受メタル3 の焼き付きを未然に防止で
きる。
ス構造のため、その表面は非常に滑らかで結晶粒界がな
く、他の硬質薄膜コーティングと比べて圧倒的に低い摩
擦係数と優れた耐凝着性、耐摩耗性、低攻撃性を有す
る。このため仮に主軸2 が静圧軸受メタル3 の支持面4
に接触しても、このDLC皮膜14の低摩擦係数、耐凝着
性、耐摩耗性、低攻撃性により、静圧軸受メタル3 の焼
き付きを未然に防止でき、静圧軸受メタル3 の寿命が向
上する。
材、S55Cの焼き入れ材等、HRCが50〜60程度
の硬い材料を使用し、内周面を研磨等で平滑状に仕上げ
た後、その内周側の支持面4 にDLC皮膜14を形成する
ことにより製作できるため、機械加工により静圧軸受メ
タル3 を製作することが可能である。従って、従来の鋳
造品に比較して製作が容易であり、製作コストを低減で
きる。更にDLC皮膜14を形成しているため、このDL
C皮膜14によりその部分の防錆効果を期待できる。
んだり、金属元素を添加することにより、DLC皮膜14
の膜特性の制御が可能であり、これらによって複合多層
のDLC皮膜14を形成しても良い。例えば、炭化物と炭
素の複合膜又は複合多層膜を形成すれば、応力の緩和と
厚膜化が可能である。
この実施形態では、静圧軸受メタル3 の内周面に、異な
る材質の皮膜14〜16を積層状に形成し、その静圧軸受メ
タル3 側の皮膜15を静圧軸受メタル3 に対して密着性の
良い材質とすると共に、内周の皮膜14,16 ほど硬度の高
い材質として、最内周の支持面4 側をDLC皮膜14とし
たものである。なお、13は軸受キャップである。他の構
成は、第1の実施形態と同一である。
膜14〜16がPVD法、CVD法等により積層状に形成さ
れている。そして、静圧軸受メタル3 側には、静圧軸受
メタル3 の母材に対して密着性の良いCr−N皮膜15が
形成され、このCr−N皮膜15の内周面にWC−N皮膜
16が、WC−N皮膜16の内周面にDLC皮膜14が夫々積
層状に形成されている。Cr−N皮膜15、WC−N皮膜
16及びDLC皮膜14の各皮膜14〜16は、内周側になる
程、その硬度が高いものとなっている。なお、各皮膜14
〜16の膜厚は約1μm前後であり、また全体として2〜
4μm程度である。
なる材質の皮膜14〜16を積層状に形成しても良い。この
場合、静圧軸受メタル3 側に密着性の良い材質、例えば
Cr−N皮膜15を使用することにより、静圧軸受メタル
3 の内周面に皮膜全体を確実に形成できる。
静圧軸受メタル3 に対する密着性を重視した材質を使用
するにも拘わらず、その内周側に、順に硬度の高い材質
の皮膜14,16 を積層し、最内周の支持面4 をDLC皮膜
14としているため、皮膜全体の損傷を防止できると共
に、静圧軸受メタル3 の焼き付きを防止できる。
下地の変形に対する追従性が劣るため、使用面圧に対し
て母材である静圧軸受メタル3 の変形が最小となるよう
に、なるべく母材硬度を高くする必要があるが、静圧軸
受メタル3 の内周面にCr−N皮膜15を形成し、このC
r−N皮膜15の内周面に、これよりも硬いWC−N皮膜
16を形成し、このWC−N皮膜16を介してDLC皮膜14
を形成しているため、追従性の問題も解消できる。
〜16を設けているが、Cr−N皮膜15の内周にDLC皮
膜14を形成して2層構造にしても良いし、Cr−N皮膜
15とWC−N皮膜16との間、又はWC−N皮膜16とDL
C皮膜14との間に他の材質の皮膜を形成する等によっ
て、4層以上の多層構造にしても良い。また最内周のD
LC皮膜14を除く各皮膜15,16 には、この実施形態で例
示する材質以外のものを使用しても良い。
この実施形態では、主軸2 の外周面の少なくとも静圧軸
受メタル3 のDLC皮膜14に対応する部分に、滑り摩擦
係数が小さくDLC皮膜14に馴染む材質の皮膜17を設け
ている。
圧軸受メタル3 のDLC皮膜14に対応する部分を含むよ
うに、静圧軸受メタル3 に内嵌する内嵌部分に、その周
方向の全周に亘ってPVD法等により皮膜17が形成され
ている。DLC皮膜14に馴染む材質の皮膜17としては、
例えばDLC皮膜等がある。
が小さくDLC皮膜14に馴染む材質の皮膜17、例えばD
LC皮膜を設けることにより、主軸2 は勿論のこと、D
LC皮膜14側の損傷を更に少なくできる。なお、他の構
成は、第1の実施形態と同様にしても良いし、第2の実
施形態と同様にしても良い。
この実施形態では静圧軸受メタル3の内周側の全面、即
ち支持面4 、静圧ポケット5 、排出溝6,7 、その他を含
む内周側の略全面に、第1の実施形態と同様の単層構造
のDLC皮膜14を形成している。
即ち支持面4 、静圧ポケット5 、排出溝6,7 、その他を
含む内周側の全面に、第2の実施形態と同様の積層構造
のCr−N皮膜15、WC−N皮膜16及びDLC皮膜14を
形成しても良い。
全周面にDLC皮膜14等を設けても良く、この場合に
は、DLC皮膜14によって静圧軸受メタル3 の内周側の
略全面を防錆できる利点がある。なお、他の構成は、第
1〜3の実施形態の何れかと同様にすれば良い。
この実施形態では、静圧軸受メタル3 の全面にDLC皮
膜14を形成している。なお、主軸2 の外周面には、第3
の実施形態と同様に皮膜17を形成しても良い。この場合
には、DLC皮膜14によって静圧軸受メタル3 の全周を
防錆できる。なお、皮膜17は、膜厚1〜5μm程度、好
ましくは2〜3μm程度の薄膜である。
たが、本発明はこの各実施形態に限定されるものではな
い。例えば、実施形態では研削盤の主軸装置について例
示しているが、他の工作機械の主軸装置は勿論のこと、
工作機械以外の機械器具類の回転軸装置においても同様
に実施可能である。従って、主軸2 は回転軸の一例に過
ぎない。
主軸(回転軸)2 を間接的に回転自在に支持する静圧軸
受メタル3 を備えた静圧軸受について例示しているが、
静圧軸受以外の各種の軸受、例えば内周の支持面4 側で
主軸(回転軸)2 を直接的に回転自在に支持する軸受メ
タルを備えた滑り軸受の場合にも同様に実施可能であ
る。
厚、主軸2 と静圧軸受メタル3 の間隔は何れも例示に過
ぎず、各実施形態の数値に限定されるものではない。ま
たDLC皮膜14以外の各皮膜15〜17の材質、主軸(回転
軸)2 の材質、静圧軸受メタル(軸受メタル)3 の材質
も、実施形態に例示の材質に限定されるものではない。
皮膜14を形成する他、軸受キャップ13、その他の軸受装
置の主要な構成部材、又は全構成部材の全周又は錆が問
題となる主要周面にDLC皮膜14を形成しても良い。
持する軸受メタルを備えた軸受装置において、軸受メタ
ルの支持面にDLC皮膜を形成しているので、軸受メタ
ルの焼き付きを防止でき、軸受寿命を長くできると共
に、製作コストを低減でき、しかもDLC皮膜によって
防錆効果が向上する。
皮膜を積層状に形成し、軸受メタル側の皮膜を軸受メタ
ルに対して密着性の良い材質とし、内周の皮膜ほど硬度
の高い材質とし、最内周の支持面をDLC皮膜としてい
るため、軸受メタルの内周面に皮膜全体を確実に形成で
きると共に、皮膜全体の損傷も防止でき、DLC皮膜の
軸受メタルの変形に対する追従性の問題も解消できる。
とし、該Cr−N皮膜とDLC皮膜との間の皮膜をWC
−N皮膜として、軸受メタルの内周面に3層構造の皮膜
を積層状に形成しているので、軸受メタルの内周面に皮
膜全体を確実に形成できると共に、皮膜全体の損傷も防
止でき、DLC皮膜の軸受メタルの変形に対する追従性
も向上する。
する外周面に、滑り摩擦係数が小さくDLC皮膜に馴染
む材質の皮膜を設けているので、回転軸は勿論のこと、
軸受メタル側のDLC皮膜の損傷を少なくできる。
けることにより、軸受メタルの略全面を防錆できる。
図である。
の内周側の展開図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 内周の支持面で回転軸を支持する軸受メ
タルを備えた軸受装置において、前記軸受メタルの前記
支持面にDLC皮膜を形成したことを特徴とする軸受装
置。 - 【請求項2】 前記軸受メタルの内周面に、異なる材質
の皮膜を積層状に形成し、前記軸受メタル側の前記皮膜
を前記軸受メタルに対して密着性の良い材質とし、内周
の前記皮膜ほど硬度の高い材質とし、最内周の前記支持
面を前記DLC皮膜としたことを特徴とする請求項1に
記載の軸受装置。 - 【請求項3】 前記軸受メタル側の前記皮膜をCr−N
皮膜とし、該Cr−N皮膜と前記DLC皮膜との間の皮
膜をWC−N皮膜として、前記軸受メタルの内周面に3
層構造の皮膜を積層状に形成したことを特徴とする請求
項2に記載の軸受装置。 - 【請求項4】 前記回転軸の少なくとも前記DLC皮膜
に対応する外周面に、滑り摩擦係数が小さく前記DLC
皮膜に馴染む材質の皮膜を設けたことを特徴とする請求
項1〜3の何れかに記載の軸受装置。 - 【請求項5】 前記軸受メタルの略全面に前記DLC皮
膜を設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記
載の軸受装置。 - 【請求項6】 滑り軸受又は静圧軸受であることを特徴
とする請求項1〜5の何れかに記載の軸受装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000257550A JP2002070870A (ja) | 2000-08-28 | 2000-08-28 | 軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000257550A JP2002070870A (ja) | 2000-08-28 | 2000-08-28 | 軸受装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002070870A true JP2002070870A (ja) | 2002-03-08 |
JP2002070870A5 JP2002070870A5 (ja) | 2007-07-12 |
Family
ID=18745992
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000257550A Pending JP2002070870A (ja) | 2000-08-28 | 2000-08-28 | 軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002070870A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2000
- 2000-08-28 JP JP2000257550A patent/JP2002070870A/ja active Pending
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