JP2011510229A - 静圧型空気軸受 - Google Patents

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Abstract

静圧型空気軸受は、第一の軸受面(28)と、第一の軸受面(28)に対面するように並置された第二の軸受面(32)と、第一と第二の軸受面(28)、(32)の一方に設けられた少なくとも1つの流体供給口(38)とを備える。前記流体供給口(38)に入る、および/またはそこから出る圧縮性流体の流量を制限するための供給口絞り(40)と、少なくとも1つの陥凹部(34)が、第一と第二の軸受面(28、32)の一方に設けられ、1つ又は各々の前記陥凹部(34)は、1つ又は各々の前記流体供給口(38)と流体連通する。また、前記少なくとも1つの陥凹部(34)と流体連通し、圧縮性流体が軸受から出るときの流量を制限する少なくとも1つの排出口絞り(35)も設けられ、少なくとも1つの突出部(42)が、前記少なくとも1つの陥凹部(34)の少なくとも一部を画定する表面上に設けられている。1つの、または各々の突出部(42)は、前記少なくとも1つの陥凹部(34)の中に完全に収容される。

Description

本発明は、静圧型空気軸受に関する。
超精密工作機やプリント配線基板ドリル穴あけ機等の利用分野においては、静圧型空気軸受を使用することがよく知られているが、それは、この種の軸受が高速回転で正確に動作できるからである。
静圧型空気軸受は通常、外部で加圧された流体、特に圧縮空気の供給によって機能し、この流体が軸受面間の摩擦を低減させ、あるいは接触を防止する。静圧型空気軸受の形態は多岐にわたり、たとえば円筒ジャーナル、環状スラスト、円錐、球面滑り、長方形および円形パッド軸受等がある。
一般に、公知の静圧型空気軸受の負荷能力と剛性はどちらも、他のタイプの軸受と比較すると低く、この点によって、静圧型空気軸受の利用分野が限定されるだけでなく、性能も損なわれる。
前記軸受の剛性と負荷能力を改善する試みとして、軸受面の表面形状を、軸受内の気流および圧力分布が改善されるように改変するアイディアが知られている。しかしながら、このように改変すると軸受の全体的性能が劣化することがあり、これは、軸受面の一部を取り除くことによって軸受面の間に流れる流体の量が増大し、したがって軸受の減衰特性が低下して、動特性が不良となるからである。極端な場合では、この改変が自励振動による圧力不安定化現象を引き起こすことさえある。
本発明は、上記の欠点の改善策を模索するものである。
本発明によれば、第一の軸受面と、第一の軸受面と対面するように並置された第二の軸受面と、第一と第二の軸受面の一方に設けられた少なくとも1つの流体供給口と、前記流体供給口に入る、および/またはそこから出る圧縮性流体の流量を制限するための供給口絞りと、第一と第二の軸受面の一方に設けられた少なくとも1つの陥凹部であって、その1つ又は各々が前記1つ又は各々の前記流体供給口と流体連通するような陥凹部と、前記少なくとも1つの陥凹部と流体連通し、圧縮性流体が軸受から出る時の流量を制限する少なくとも1つの排出口絞りと、前記少なくとも1つの陥凹部の少なくとも一部を画定する表面上に設けられた少なくとも1つの突出部であって、その1つ又は複数が前記少なくとも1つの陥凹部の中に完全に収容されるような突出部と、を備える静圧型空気軸受が提供される。
好ましくは、前記少なくとも1つの突出部は、前記少なくとも1つの陥凹部の少なくとも一部を画定する2つの異なる表面の間に延びる。
有利な形としては、前記突出部を複数設ける。
望ましくは、前記少なくとも1つの突出部の高さは、前記少なくとも1つの陥凹部の深さより小さい。これは、使用時に、突出部が対向する軸受面と係合しないようにするためである。
好ましくは、前記少なくとも1つの陥凹部の少なくとも一部を画定する前記表面は、平坦でない凸凹面であり、前記少なくとも1つの突出部はその凸凹形状の一部を形成する。
有利な形としては、1つ又は各々の前記陥凹部によって提供される総表面積は、その陥凹部が設けられた第一または第二の軸受面の総表面積の少なくとも10パーセント(10パーセントを含む)、好ましくは少なくとも50%、特に少なくとも75%である。
好ましくは、前記流体供給口を複数、離間して設ける。こうすることにより、1つの供給口が目詰まりしても、流体を引き続き軸受に供給することができる。
有利な形としては、1つの前記流体供給口を、1つ又は各々の前記陥凹部の中に設ける。
望ましくは、前記流体供給口を、前記少なくとも1つの陥凹部の少なくとも1部を画定し、その上に前記突出部が設けられている前記表面の中または上に設ける。
有利な形としては、供給口絞りは、その上に前記突出部が設けられている前記表面の中または上に設けられた部品を含む。
望ましくは、供給口絞りの前記部品は、流体供給口を取り囲む一段高い平坦部である。
好ましくは、本静圧型空気軸受は、1つ又は各々の流体供給口を1つ又は各々の陥凹部に連結し、これによってその間の流体連通を可能にする連続流体チャネルをさらに備える。
望ましくは、前記排出口絞りは、前記陥凹部の位置に、またはこれに隣接してある。
有利な形としては、1つ又は各々の前記排出口絞りは、前記陥凹部の少なくとも一部を画定する壁と、前記陥凹部に隣接する平坦部を有し、前記壁と平坦部は段状部を形成する。
好ましくは、本静圧型空気軸受は、圧縮性流体用の流体流路をさらに備え、この流体流路は前記少なくとも1つの流体供給口から延び、供給口絞りを通過して、前記少なくとも1つの陥凹部の中に入り、前記少なくとも1つの排出口絞りを通って軸受から出る。
望ましくは、第一の軸受面は、荷重に接続される、または接続され得るロータの一部を形成し、第二の軸受面は、ロータが設置される軸受ハウジングの一部を形成する。
本発明について、例として添付の図面を参照しながらさらに説明する。
先行技術による円柱静圧型空気軸受の、その回転軸に平行な向きの概略断面図である。 図1aに示されるものと同じ軸受の、前記軸受の構成部品に荷重がかかった状態の同じ図である。 本発明による静圧型空気軸受の一部の、使用中の軸受の回転軸に平行に切った概略断面図である。 図2に示される本発明の実施形態の一部を形成する、第一の軸受構成部品の概略斜視図である。 図3aに示される軸受の陥凹部の拡大図である。 図3bに示されるものと同じ陥凹部の、明瞭にするために突出部と溝部を取り除いた状態の同じ図である。 図3bに示される陥凹部の、線X−Xに沿った断面形状を示す図である。 図3bに示される陥凹部の、線X−Xに沿った別の断面形状を示す図である。 図3bに示される陥凹部の、線X−Xに沿ったさらに別の断面形状を示す図である。 本発明の別の実施形態の第一の軸受構成部品の概略斜視図である。 図6aに示される軸受の陥凹部の拡大図である。
図1aにおいて最も明確に見えるように、円柱静圧型空気軸受10の動作の基本となる一般原理は、高圧下で圧縮された流体が、供給口12から供給されることである。流体は、軸受ハウジング16の一部である外側軸受面14と、軸受ロータ20の一部である内側軸受面18の間に流れる。使用中、ロータ20はA−Aと表示された回転軸を有する。流体はその後、ハウジング16とロータ20の間の、軸受10の各端に形成された排出口17を通って軸受から出る。流体は、最も一般的には圧縮空気であるが、他のいかなる圧縮性流体であってもよい。流体は、軸受面14、18の間の摩擦を低減させ、および/または接触を防止する約割を果たす。
図1aに示されているように、ロータ20に荷重がかけられていないと、軸受面14、18の間の隙間は略均一である。図1bは、ロータ20にラジアル荷重Lがかけられたことによって、軸受面14、18の間の隙間が、軸受10のうち、荷重Lがロータ20を押しやる方向の側22において、荷重Lがロータ20を押しやる方向と反対の側24と比較して小さくなっていることを示している。面14、18の間の相対的な隙間が大きい場所では、面14、18の間の流体の相対的な量がより大きくなり、そのため、ロータ20とハウジング16の間の流体の相対的な圧力はより低くなる。このようにして、軸受のうち、荷重Lがロータ20を押しやる方向の側22の流体と、軸受のうち、荷重Lがロータ20を押しやる方向と反対の側24の流体の間には圧力差がある。この圧力差によって、ロータ20には荷重Lと反対の力がかかる。そのため、圧力差が荷重Lを支える。
ロータ20の各端にある排出口17の位置と比較して、供給口12は前記ロータ20の長さに沿って相対的に中央にあるという事実から、供給口12と各排出口17の間では、ロータ20の長さに沿って圧力勾配がある。すなわち、圧力は供給口12の付近で最大となり、排出口17の付近で最小となる。正味の影響は、荷重Lを受けたときに、軸受10は全体の面積の一部、すなわち供給口12の付近でしか、実質的な圧力差を生じさせない、というものである。
上記のような軸受が支持できる理論的な最大荷重は、供給口12における流体圧と軸受面14、18の面積の積で求められる。しかしながら、実際の空気軸受の設計による負荷能力は通常、この30〜40%にすぎない。
図1aに示されるような公知の静圧型空気軸受はまた、供給口12の上流に設置され、供給口での流体圧を調整する絞り(図示せず)を備えていてもよい。絞りは一般にオリフィスからなり、流体はここを通ってから供給口12を通過する。このタイプの軸受構成は、供給口絞り軸受として知られる。
図2は、本発明による環状スラスト軸受25の一実施形態の一部を示す。軸受25は、第一の軸受面28を有する床状の第一の環状構成部品26と、図2に示されるように、第一の軸受面28と対面するように並置された第二の軸受面32を有する第二の環状構成部品30を備える。使用中、第一の構成部品26と第二の構成部品30の間には、図2において矢印Vで示されるような相対的角運動が起こる。
使用中、第一と第二の構成部品26、30のいずれも、荷重に機械的に接続されてもよい。一般には、荷重に機械的に接続され、回転するのは第二の構成部品30であり、第一の構成部品26は静止したままである。静止している構成部品は軸受ハウジングの一部を形成してもよく、回転する構成部品はロータの一部を形成してもよい。
第一の軸受面28は、構成部品26を1周するように角度的に離間された複数の同様の陥凹部34を有する。陥凹部34は、一定した円弧幅を有し、構成部品26を1周するように角度的に等間隔に離間され、第一の環状構成部品26の外周および穴の付近まで伸びるが、これらと交差しない。したがって、陥凹部34は複数の同様の台地状の平坦部によって取り囲まれる。第一の環状構成部品26の外周と穴の位置にあるものは排出口絞り平坦部35とも呼ばれ、隣接する陥凹凸部の間にあるものは側方平坦部36とも呼ばれる。
最適化された軸受の場合、陥凹部の深さは、第二の軸受面32と、排出口絞り平坦部35および側方平坦部36との間の隙間の0.5から5倍の範囲であってもよい。また、各陥凹部34の面積に第一の軸受面28の陥凹部の数を乗じたものは、第一の軸受面の面積の少なくとも10%である。陥凹部34が占める総面積は好ましくは、軸受の用途に応じて第一の軸受面28の面積の50%を超え、特に少なくとも75%である。
陥凹部34の最適な数は一般に、軸受の大きさに応じて8から24の範囲であろう。
圧縮流体、たとえば高圧下のガス、ガス混合物または空気は、好ましくは各陥凹部34の中央付近に位置付けられた供給口38から各陥凹部34に供給される。各供給口38は、一段高くなった台地状の供給絞り平坦部40によって取り囲まれていてもよく、この平坦部40は陥凹部34の外には出ず、すなわち排出口絞り平坦部35と側方平坦部36の高さを越えて延びない。
供給口38は、本発明の一実施形態において、直径0.05mmから1.0mmの範囲である。供給口38は周囲の平坦部40とともに流体の供給速度を制限する。供給口絞り平坦部がない場合には、直径0.05mmから0.3mmという小さな供給口を用いてもよく、これは、直径が小さいほうがそれ自体で十分な効果を持つ供給口絞りとなるからである。反対に、供給穴の直径が大きい場合は、平坦部40が供給口絞りのほとんどの役割を果たす。平坦部はどのような形状でもよく、たとえば、長方形等の円形以外でもよいし、円形でもよい。
各陥凹部34の幅は、軸受面28、32の間にある流体の圧力分布の数値解析により、最大の軸受剛性が達成できるように最適化される。軸受剛性は、軸受にかけられる荷重Lを軸受面28、32の間の隙間の変化量で割ることによって算出される。
軸受25の動作中、側方平坦部36の機能は主として、軸受にかかる荷重を支えることである。これは、流体が側方平坦部36に対して力を及ぼすことによって行われる。排出口絞り平坦部35の機能は主として、陥凹部34から流れ出る流体を制御することである。したがって、陥凹部34の主な機能は、側方平坦部35の上の圧力分布を制御することである。
陥凹部34を利用することによって、陥凹部34のない同様の軸受と比較して、軸受の半径方向の流体の圧力分布は格段に一定となる。そのため、供給口28から排出口平坦部35への流体圧の減衰が、陥凹部34のない同様の軸受より小さい。したがって、陥凹部34を有する軸受全体の圧力が増大し、剛性および負荷能力が高くなる。
図2、3a、3bに示され、図4には示されていないが、各陥凹部34を画定する表面は凸凹形状を有していてもよく、すなわち、非平面または非平坦であってもよい。図3bは好ましいタイプの凸凹形状を示しており、交互に配置された複数の細かい半径方向の突起または突出部42と溝44からなる。溝44は、その深さが異なっていてもよいが、この実施形態においては、すべて同じ深さであり、その深さが陥凹部34の深さを画定する。突出部42もまた、その高さは、側方平坦部36と排出口絞り平坦部35の高さより常に低ければ異なっていてもよいが、この実施形態においてはすべて同じ高さである。
陥凹部34全体にわたる突出部42と溝44の断面形状(図3bの線X−Xで示す)は、製造方法に応じて異なっていてもよい。図5a、5b、5cは、考えられる形状として、a)のこぎり波、b)正弦波または連続曲線、c)方形波があることを示している。断面形状は実際にどのようなパターンでもよく、繰り返しでも、そうでなくてもよい。
半径方向の突出部42と溝44に代わるものも使用できる。たとえば、環状の突起と溝や、半径方向の溝と環状溝を組み合わせたものからなる等方性表面凸凹形状であってもよい。しかしながら、半径方向の突出部42と溝44は、これらは高速軸受でより大きな空気動圧による揚力を発生させることがわかっているために、好ましい。
空気動圧による揚力のプロセスは、図2において最も見やすく、理解できる。2つの軸受面28、32の間のVの方向への相対的運動の影響として、流体は、矢印Fによって示されるように、陥凹部から側方平坦部36へと引き込まれる。側方平坦部36と第二の軸受面32の間の隙間が陥凹部34を画定する表面と第二の軸受面32の間の隙間より小さいという事実から、流体が陥凹部34と側方平坦部36の間の「段状部」を引き上げられると、流体が圧縮され、その圧力が増大する。流体圧の増加によって力が発生し、この力は2つの軸受面28と32の間の隙間を大きくしようとする作用を有し、これは空気動圧による揚力の発生としても知られる。揚力が最大となるのは、陥凹部の幅が側方平坦部の幅に近いときである。
軸受25の動作中、高圧流体は供給口38と各々の供給口絞り平坦部40を通って陥凹部34へと流れる。流体は、陥凹部34が一杯になると、主として半径方向に、軸受構成部品26、30の内側と外側の縁辺に向かって流れ、この部分は大気圧中にある。軸受の縁辺部と、ひいては軸受から外に流れる流体に対する抵抗は、陥凹部34の端部と軸受の縁辺部の間の排出口絞り平坦部35の幅を制御することによって、比較的大きくされる。平坦部35の幅が大きいほど、絞りが大きくなり、したがって軸受から外に流れる流体に対する抵抗が大きくなる。
各陥凹部34の中での流体の流れに対する抵抗は、その深さによって制御される。すなわち、深さが深いほど、流体の流れの抵抗は小さい。各陥凹部34の中での流体の流れに対する抵抗は、供給口38と供給口絞り平坦部40からのそれと比較して小さく、また排出口絞り平坦部35からのそれと比較しても小さい。
供給口38と供給口絞り平坦部40からの流体の流れに対する抵抗は、排出口絞り平坦部35のそれより小さくなるようにする。こうすることにより、軸受25の動作中に、各陥凹部34が確実に流体で満たされるようになる。
軸受面28、32の間の隙間に平行な成分を有する荷重がかけられることに対する軸受の応答時間にとって重要なのは、陥凹部34を流体で満たすことのできる速度である。応答時間は、軸受にかけられる荷重Lが瞬時に段階的に変化した後、軸受の圧力が平衡値に到達するのにかかる時間とみなされる。陥凹部34を満たすことのできる速度に影響を与える2つの要素は、陥凹部34の容積と、各陥凹部34の中に入る方向およびここから出る方向の両方に流体が流れる速度である。各陥凹部34の容量が小さいほど、これを満たすのに必要な流体は少なくなり、したがってその時間も短くなるため、軸受の応答時間は一般により速くなる。陥凹部34の凸凹面により、特定の陥凹部の深さおよび軸受面28、32の面積に関する陥凹部の容量は小さくなり、したがって、一般に応答時間が短縮されるため、有利である。
最適化された軸受では、応答時間は、その軸受が部品として組み込まれているシステムの剛体の振動モードとの相互作用を十分に回避できるように短くなるように選択される。
本発明による静圧型空気軸受の別の実施形態を、図6aと6bに示す。明瞭を期すために記せば、同様の部品には同様の参照番号を付したため、さらに詳しい説明は割愛する。本実施形態の場合、第一の軸受構成要素26の面28は、連続する環状供給チャネル46を有する。環状供給チャネル46は好ましくは、内側と外側の縁辺の中間にある環状面28の上の中央に位置付けられるが、必ずしもそうである必要はない。供給チャネル46の基底部に、等間隔に離間された複数の供給穴(図示せず)があり、ここから圧縮流体が低抵抗供給路を通って軸受に供給される。
本発明の他の実施形態として、チャネル46の基底部に圧縮空気を軸受に供給する供給穴が1つしかないものも想定される。
第一の軸受面28には、構成部品26を1周するように角度的に等間隔で離間された複数の同様の陥凹部34がある。陥凹部34は供給チャネル46で二等分されて、軸受穴に近い陥凹部構成部分34aと、軸受の外側縁辺に近い陥凹部構成部分34bを形成する。陥凹部34は、ほぼ一定の円弧幅を有し、第一の環状構成部品26の外周と穴の付近まで延びるが、これらと交差しない。したがって、陥凹部34は複数の同様の台形状の排出口絞り平坦部35と側方平坦部36によって取り囲まれる。さらに、供給チャネル46の位置またはその付近において、陥凹部構成部分34a、34bの円弧幅は、陥凹部構成部分34a、34bのそれ以外の部分と比較して小さい。このように円弧幅が小さくなっているのは、供給口絞り部48が側方平坦部36の一部として組み込まれているからである。供給口絞り部48および、ひいては陥凹部構成部分34a、34bの円弧幅の縮小は、供給チャネル46から各陥凹部34の中へと流れる流体の流量を制限するように作用する。上記以外のすべての点において、本実施形態は前述の実施形態と同様に機能する。
図6a、6bが示す本実施形態では、陥凹部34に凸凹形状がない。しかしながら、本実施形態では、各陥凹部34を画定する表面に前述の第一の実施形態のものに似た突出部があってもよいと想定される。
上記のどちらの実施形態においても、第二の軸受面32は略平坦である。しかしながら、必ずしもそうである必要はなく、供給口および/または陥凹部を有していてもよい。
前述のように任意で設けられる一段高い台形状の供給口絞り平坦部は、その、または各々の突起または突出部と同じ高さであるが、供給口絞り平坦部は、もしこれを利用した場合、その、または各々の突出部の上側縁辺または表面より高くても、低くてもよい。しかしながら、供給口絞り平坦部は常に陥凹部の最下部、すなわち底面より高いものとする。
突出部自体は高さが同じでも、異なっていてもよい。同様に、溝は深さが同じでも、異なっていてもよい。
複数の突出部が提案されているが、突出部が1つだけであっても利点は確認された。
さらに、特にスラスト軸受の場合、複数の陥凹部の中の1つの陥凹部の円弧幅が第一の軸受面の全部または大部分にわたって延びるようにすることも可能である。この場合、陥凹部の弓形範囲は連続的またはエンドレスであってもよい。したがって、これに限定されないが、任意で陥凹部を1つだけ設けてもよい。このような構成とすることによって、性能を公知のスラスト軸受より高くすることができる。1つの連続的陥凹部では空気動圧による揚力は発生しないが、空気静圧による揚力においては有益な改善が実現されると判断された。
陥凹部に設けられる突出部は、陥凹部と突出部が用いられている静圧型空気軸受の種類に応じて、半径方向、円弧方向、横方向または縦方向に延びるようにすることができる。
突出部または突起の1つまたは複数は、陥凹部の側部から、およびその間に延びていてもよく、あるいは陥凹部の1つまたは複数の側部と接していなくてもよい。
上記の本発明の実施形態には、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更や改変を加えることができることがわかるであろう。たとえば、上記の原理により設計された陥凹部を、円筒ジャーナル、円錐、球面滑り、円形または長方形パッド静圧型空気軸受等、他の形態の軸受にも応用できる。

Claims (22)

  1. 静圧型空気軸受であって、
    第一の軸受面と、
    前記第一の軸受面と対面するように並置された第二の軸受面と、
    前記第一と第二の軸受面の一方に設けられた少なくとも1つの流体供給口と、
    前記流体供給口に入る、および/またはそこから出る圧縮性流体の流量を制限するための供給口絞りと、
    前記第一と第二の軸受面の一方に設けられた少なくとも1つの陥凹部であって、その1つ又は各々が前記1つ又は各々の前記流体供給口と流体連通するような陥凹部と、
    前記少なくとも1つの陥凹部と流体連通し、圧縮性流体が前記軸受を出るときの流量を制限する少なくとも1つの排出口絞りと、
    前記少なくとも1つの陥凹部の少なくとも一部を画定する表面上に設けられた少なくとも1つの突出部であって、その1つ又は複数が前記少なくとも1つの陥凹部の中に完全に収容されるような突出部と、
    を備える静圧型空気軸受。
  2. 前記少なくとも1つの突出部は、前記少なくとも1つの陥凹部の少なくとも一部を画定する2つの異なる表面の間に延びる請求項1に記載の静圧型空気軸受。
  3. 前記少なくとも1つの突出部の高さは、前記少なくとも1つの陥凹部の深さより小さい請求項1または2に記載の静圧型空気軸受。
  4. 前記少なくとも1つの陥凹部の少なくとも一部を画定する前記表面は、平坦でない凸凹面であり、前記少なくとも1つの突出部は、前記凸凹面の一部を形成する請求項1〜3のいずれか一項に記載の静圧型空気軸受。
  5. 前記少なくとも1つの突出部の長手方向にわたる部分は、前記第一または第二の軸受面の回転軸に平行である請求項1〜4のいずれか一項に記載の静圧型空気軸受。
  6. 前記少なくとも1つの突出部の長手方向にわたる部分は、前記第一または第二の軸受面の回転軸に垂直である請求項1〜5のいずれか一項に記載の静圧型空気軸受。
  7. 前記1つ又は各々の前記陥凹部により提供される総表面積は、前記陥凹部が設けられている前記第一または第二の軸受面の総表面積の少なくとも10パーセントである請求項1〜6のいずれか一項に記載の静圧型空気軸受。
  8. 前記1つ又は各々の前記陥凹部により提供される総表面積は、前記陥凹部が設けられている前記第一または第二の軸受面の総表面積の少なくとも50パーセント(50パーセントを含む)である請求項7に記載の静圧型空気軸受。
  9. 前記1つ又は各々の前記陥凹部により提供される総表面積は、前記陥凹部が設けられている前記第一または第二の軸受面の総表面積の少なくとも75パーセント(75パーセントを含む)である請求項8に記載の静圧型空気軸受。
  10. 前記少なくとも1つの流体供給口は、前記1つ又は各々の前記陥凹部の中に設けられている請求項1〜9のいずれか一項に記載の静圧型空気軸受。
  11. 前記流体供給口は、前記少なくとも1つの陥凹部の少なくとも一部を画定し、前記突出部が設けられている前記表面の中または上に設けられている請求項10に記載の静圧型空気軸受。
  12. 前記供給口絞りは、前記突出部が設けられている前記表面の中または上に設けられている部分を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の静圧型空気軸受。
  13. 前記供給口絞りの前記部分は、前記流体供給口を取り囲む、一段高い平坦部である請求項12に記載の静圧型空気軸受。
  14. 前記1つ又は各々の流体取り入れ口を前記1つ又は各々の陥凹部に接続し、その間を流体連通させる連続的流体チャネルをさらに備える請求項1〜9のいずれか一項に記載の静圧型空気軸受。
  15. 前記連続的流体チャネルは、前記1つ又は各々の前記陥凹部を二等分する請求項14に記載の静圧型空気軸受。
  16. 前記供給口絞りは、前記流体チャネルの位置またはその付近で、前記1つ又は各々の前記陥凹部の狭い部分を含む請求項13または14に記載の静圧型空気軸受。
  17. 前記供給口絞りは、前記連続流体チャネルの各側に設けられている請求項13〜16のいずれか一項に記載の静圧型空気軸受。
  18. 前記排出口絞りは、前記陥凹部の位置またはその付近にある請求項1〜17のいずれか一項に記載の静圧型空気軸受。
  19. 前記1つ又は各々の前記排出口絞りは、前記陥凹部の少なくとも一部を画定する壁と、前記陥凹部に隣接する平坦部を有し、前記壁と平坦部は段状部を形成する請求項1〜18のいずれか一項に記載の静圧型空気軸受。
  20. 圧縮性流体のための流体流路をさらに備え、前記流体流路は前記少なくとも1つの流体供給口から延び、前記供給口絞りを通過して、前記少なくとも1つの陥凹部に入り、前記少なくとも1つの排出口絞りを通って、前記軸受から出る請求項1〜19のいずれか一項に記載の静圧型空気軸受。
  21. 前記第一の軸受面は、荷重に接続された、または接続され得るロータの一部を形成し、前記第二の軸受面は、前記ロータが設置されている軸受ハウジングの一部を形成する請求項1〜20のいずれか一項に記載の静圧型空気軸受。
  22. 前記少なくとも1つの陥凹部は前記第二の軸受面の上に設けられている請求項21に記載の静圧型空気軸受。
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