JP2003343542A

JP2003343542A - クランクシャフト

Info

Publication number: JP2003343542A
Application number: JP2002157762A
Authority: JP
Inventors: Nobumine Takeuchi; 信峯竹内; Isao Yoshida; 功吉田; Yuichi Yano; 裕一矢野; Akihide Okuyama; 晃英奥山
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 2002-05-30
Filing date: 2002-05-30
Publication date: 2003-12-03

Abstract

(57)【要約】【課題】クランク始動時にクランクジャーナルにオイ
ルを供給し、クランク始動時にクランクジャーナルとベ
アリングメタルとの間で焼付くことを防止できる、クラ
ンクシャフトの提供。【解決手段】（１）クランクジャーナル１１にクラン
クアーム１３が連結されたクランクシャフト１０におい
て、クランクアーム１３に該クランクアーム１３のクラ
ンクジャーナル側の側面１３ｂに開口するオイル溜まり
２０を設けたことを特徴とするクランクシャフト１０。
（２）オイル溜まり２０は有底穴からなる。（３）オイ
ル溜まり２０は１つのクランクアーム１３につき複数設
けられており、そのうちの一部はクランクシャフト１０
が止まっているときに上方に向って開口し、クランクシ
ャフト１０が止まっている状態からクランクシャフト１
０の回転に伴ってクランクジャーナル１１より上方に動
いたときに受入れたオイルをクランクジャーナル１１に
向けて流出させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のクラン
クシャフトに関し、とくに、始動時のクランクジャーナ
ルとベアリングメタルとの間の焼付きを防ぐクランクシ
ャフトに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、クランクシャフトのクランクジャ
ーナルとベアリングメタルとの間は、オイルポンプで吸
い上げられたオイルをクランクジャーナルとベアリング
メタルとの間に供給することにより行っている（たとえ
ば、実開平６−１７０８号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のクラン
クシャフトには、つぎの問題点（課題）がある。クラン
ク始動時、オイルポンプで汲み上げられたオイルがクラ
ンクジャーナルとベアリングメタルとの間に供給される
までに、クランクシャフトはすでに数回転する。その数
回転の間は、オイルポンプからのオイルがクランクジャ
ーナルに十分には供給されていないため、クランクジャ
ーナルとベアリングメタルとの間で焼付きが発生するお
それがある。とくに、マイルドハイブリッドシステムの
クランク始動時は、クランクシャフトの回転速度が速い
ため、焼付きが発生するおそれが高まる。本発明の目的
は、クランク始動時にクランクジャーナルにオイルを供
給し、クランク始動時にクランクジャーナルとベアリン
グメタルとの間で焼付くことを防止できる、クランクシ
ャフトを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。（１）クランクジャーナルにクランクアームが連結さ
れたクランクシャフトにおいて、前記クランクアームに
該クランクアームのクランクジャーナル側の側面に開口
するオイル溜まりを設けたことを特徴とするクランクシ
ャフト。（２）前記オイル溜まりは有底穴からなる（１）記載
のクランクシャフト。（３）前記オイル溜まりは１つのクランクアームにつ
き複数設けられており、そのうちの一部はクランクシャ
フトが止まっているときに上方に向って開口する、
（２）記載のクランクシャフト。（４）前記オイル溜まりは、クランクシャフトが止ま
っている状態からクランクシャフトの回転に伴ってクラ
ンクジャーナルより上方に動いたときに受入れたオイル
をクランクシャフトのクランクジャーナルに向けて流出
させる、（３）記載のクランクシャフト。

【０００５】上記（１）〜（４）のクランクシャフトで
は、クランクアームにオイル溜まりを設けたので、クラ
ンクシャフトが止まっているときにミスト化していたオ
イルをオイル溜まりで受入れ、クランク始動時には、オ
イル溜まりがクランクシャフトの回転に伴ってクランク
ジャーナル１１より上方に動き、受け入れたオイルをク
ランクシャフトのクランクジャーナルに向けて流出させ
る（オイルを垂らす）ことができる。その結果、クラン
ク始動時にクランクジャーナルとベアリングメタルとの
間で焼付くことを、オイル溜まりが設けられていない場
合に比べて、防止できる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に、本発明実施例のクランク
シャフトを、図１〜図７を参照して、説明する。本発明
実施例のクランクシャフト１０は、マイルドハイブリッ
ドシステムに使われると効果的である。マイルドハイブ
リッドシステムでは、クランクシャフトのクランクプー
リの近傍にクラッチが設けられており、信号待ち等で車
両が止まっているときには、燃費を抑えるためにクラン
クシャフトが止まりクランクプーリだけが回転する。そ
れは、アイドルで止まっているときに車室内のエアコン
を効かすためである。車両が動きだすときには、クラン
クシャフトとクランクプーリが急激につながり、クラン
クシャフトとクランクプーリが一体になって回りはじめ
る。ただし、クランクシャフト１０は、マイルドハイブ
リッドシステム以外に使われていてもよい。本発明実施
例のクランクシャフト１０は、図７に示すように、クラ
ンクジャーナル１１と、図示略のコネクティングロッド
を取り付けるためのクランクピン１２と、クランクジャ
ーナル１１とクランクピン１２とをつなぐクランクアー
ム１３とを、有する。

【０００７】図示略のシリンダブロックのジャーナル軸
受け部には、ベアリングメタル４０が装着される。クラ
ンクジャーナル１１とベアリングメタル４０との間に
は、図示略のオイルポンプで汲み上げられたオイルが供
給されて、表面に適当な油膜をつくって焼付きを防止す
る。クランク始動時、オイルポンプで汲み上げられたオ
イルがクランクジャーナル１１とベアリングメタル４０
との間に供給されるまでに、クランクシャフト１０はす
でに数回転する。したがって、その数回転の間にクラン
クジャーナル１１とベアリングメタル４０との間で焼付
きが発生することを防止する必要がある。

【０００８】クランクアーム１３には、クランクシャフ
ト１０のバランス率を向上させるために、カウンターウ
エイト部１３ａが形成されていてもよい。カウンターウ
エイト部１３ａは、クランクアーム１３が複数からなる
場合、全てのクランクアーム１３に形成されていてもよ
く、一部のクランクアーム１３にのみ形成されていても
よい。カウンターウエイト部１３ａはクランクアーム１
３の一部を構成する。

【０００９】クランクアーム１３（カウンターウエイト
部１３ａであってもよい。以下、同じ）には、図１、図
２に示すように、オイル溜まり２０と凹部３０が設けら
れている。ただし、凹部３０は設けられていなくてもよ
い（図１、図２では、凹部３０が設けられている場合を
示している）。オイル溜まり２０は、クランクアーム１
３が複数からなる場合、全てのクランクアーム１３に設
けられていてもよく、一部のクランクアーム１３のみに
設けられていてもよい。クランクシャフト１０と直交す
る方向にベルト張力がかかる部位の近傍のクランクアー
ム１３にはオイル溜まり２０が設けられることが望まし
い。

【００１０】オイル溜まり２０は、クランクアーム１３
の側面のうち該クランクアーム１３が連結されるクラン
クジャーナル１１側の側面（以下、ジャーナル側側面と
いう）１３ｂに開口する開口２０ａを有する。また、オ
イル溜まり２０は、クランクアーム１３内に底２０ｂを
有する有底穴である。オイル溜まり２０は、クランクシ
ャフト１０の回転方向と同方向に開口している。オイル
溜まり２０は、クランクジャーナル１１中心を中心とす
る円の接線方向から傾けられており、底２０ｂの方が開
口２０ａよりも円から外周側に位置するように傾けられ
ている。

【００１１】オイル溜まり２０は、１つのクランクアー
ム１３に複数設けられており、そのうちの一部がクラン
クシャフト１０が止まっているときに上方に開口してオ
イルを受け入れる（図示例では、オイル溜まり２０が４
個設けられている場合を示しており、図３〜図６に示す
ように、クランクシャフト１０が止まっているときに
の位置にあるオイル溜まり２０が上方に開口してオイル
を受け入れる）。クランクシャフト１０が止まっている
ときに上方に開口してオイルを受け入れたオイル溜まり
２０（図３〜図６に示す、の位置にあるオイル溜ま
り）は、クランクシャフト１０が止まっている状態から
クランクシャフト１０の回転に伴ってクランクジャーナ
ル１１より上方に動き（図３〜図６に示す、の位置か
らの位置に動き）、クランクシャフト１０が止まって
いたときに受け入れたオイルをクランクジャーナル１１
に向けて流出させる（たらす）。

【００１２】凹部３０は、図２に示すように、クランク
アーム１３のジャーナル側側面１３ｂに設けられてい
る。凹部３０は、オイル溜まり２０の開口２０ａとその
近傍に設けられており、オイル溜まり２０に連なってい
る。この凹部３０は、ジャーナル側側面１３ｂに沿って
下にたれていくオイルをオイル溜まり２０に導くための
ものである。

【００１３】つぎに、本発明実施例の作用を説明する。
クランクアーム１３にオイル溜まり２０を設けたので、
クランクシャフト１０が止まっているときにミスト化し
ていたオイルをオイル溜まり２０で受入れ、クランク始
動時には、オイル溜まり２０がクランクシャフト１０の
回転に伴ってクランクジャーナル１１より上方に動き、
受け入れたオイルをクランクシャフト１０のクランクジ
ャーナル１１に向けて流出させる（オイルを垂らす）こ
とができる。その結果、クランク始動時にクランクジャ
ーナル１１とベアリングメタル４０との間で焼付くこと
を、オイル溜まり２０が設けられていない場合に比べ
て、防止できる。また、オイル溜まり２０は、１つのク
ランクアーム１３のジャーナル側側面１３ｂに複数設け
られているので、図３〜図６に示すように、クランクシ
ャフト１０がどの姿勢で止まっても、少なくとも１個の
オイル溜まり２０（図のの位置にあるオイル溜まり）
が上方に開口してオイルを受け入れることができる。

【００１４】

【発明の効果】請求項１〜請求項４記載のクランクシャ
フトによれば、クランクアームにオイル溜まりを設けた
ので、クランクシャフトが止まっているときにミスト化
していたオイルをオイル溜まりで受入れ、クランク始動
時には、オイル溜まりがクランクシャフトの回転に伴っ
てクランクジャーナル１１より上方に動き、受け入れた
オイルをクランクシャフトのクランクジャーナルに向け
て流出させる（オイルを垂らす）ことができる。その結
果、クランク始動時にクランクジャーナルとベアリング
メタルとの間で焼付くことを、オイル溜まりが設けられ
ていない場合に比べて、防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例のクランクシャフトの、オイル溜
まりが設けられたクランクアームの正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】本発明実施例のクランクシャフトの、オイル溜
まりが設けられたクランクアームの正面図である。

【図４】本発明実施例のクランクシャフトの、オイル溜
まりが設けられたクランクアームの、図３の状態と異な
る姿勢をとったときの正面図である。

【図５】本発明実施例のクランクシャフトの、オイル溜
まりが設けられたクランクアームの、図３、図４の状態
と異なる姿勢をとったときの正面図である。

【図６】本発明実施例のクランクシャフトの、オイル溜
まりが設けられたクランクアームの、図３〜図５の状態
と異なる姿勢をとったときの正面図である。

【図７】本発明実施例のクランクシャフトの概略断面図
である。

【符号の説明】

１０クランクシャフト１１クランクジャーナル１２クランクピン１３クランクアーム１３ａカウンターウエイト部１３ｂジャーナル側側面２０オイル溜まり２０ａオイル溜まりの開口２０ｂオイル溜まりの底３０凹部４０ベアリングメタル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者矢野裕一愛知県豊田市トヨタ町１番地トヨタ自動車株式会社内 (72)発明者奥山晃英愛知県豊田市トヨタ町１番地トヨタ自動車株式会社内Ｆターム(参考） 3G013 BA01 BC01 BD27 3J033 AA02 AB03 BA01 BA12 CB01

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】クランクジャーナルにクランクアームが
連結されたクランクシャフトにおいて、前記クランクアームに該クランクアームのクランクジャ
ーナル側の側面に開口するオイル溜まりを設けたことを
特徴とするクランクシャフト。
【請求項２】前記オイル溜まりは有底穴からなる請求
項１記載のクランクシャフト。
【請求項３】前記オイル溜まりは１つのクランクアー
ムにつき複数設けられており、そのうちの一部はクラン
クシャフトが止まっているときに上方に向って開口す
る、請求項２記載のクランクシャフト。
【請求項４】前記オイル溜まりは、クランクシャフト
が止まっている状態からクランクシャフトの回転に伴っ
てクランクジャーナルより上方に動いたときに受入れた
オイルをクランクシャフトのクランクジャーナルに向け
て流出させる、請求項３記載のクランクシャフト。