JP2003343171A - 扉開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 扉の下降時（扉閉時）に扉の落下を防止して
安定した扉開閉動作を実現できる扉開閉装置を提供する
こと 【解決手段】 開口部に複数の扉を上下に設け、開口部
の左右両側に上下に並んだ各扉を垂下状態で上下にガイ
ドするガイドレール３を設けると共に、各扉をそれぞれ
垂下状態でガイドレール３に沿って上下に昇降させる昇
降手段と、昇降手段による引き上げで開口部の上部に達
した扉を上から順に前方に突出するように回転させて開
くための回転手段と、扉の下降時に各扉が下から順に間
隔をあけて下降するように扉２の落下を防止するための
落下防止手段２８とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばクローゼッ
ト、キャビネット等の収納部に用いられる扉開閉装置に
関し、詳しくは扉の下降時（扉閉時）に扉の落下を防止
して安定した扉開閉動作を実現するための技術に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、クローゼット扉、キャビネット扉
としては、横方向に開閉する開き戸、複数枚の扉をつづ
ら折れ状にした折れ戸、引き戸等が知られている。とこ
ろが、従来の開き戸や折れ戸は開くときに前方に障害物
が置いてあると当ってしまい、開けることができなくな
ることがある。また開けた状態では開き戸や折れ戸が邪
魔になって開けたままで作業をすることができなくな
る。なお引き戸の場合は、前方に障害物があっても開け
ることができるが、戸袋のない場合は、半分しか開ける
ことができない。またフルオープンにするためには戸袋
スペースを別途設ける必要がある。

【０００３】一方、上下に昇降させる扉として、ロール
スクリーンやシャッター等が知られているが、これらは
デザイン的に内装部材として不適格であり、とくにロー
ルスクリーンにあっては簡易目隠しとしての用途に限ら
れてしまう。またいずれの場合も、収納スペースの上部
に戸袋（天袋）を別途設置しているため収納スペースが
狭められてしまうという問題もある。

【０００４】そこで、本発明者らは上記従来の課題を解
決すべく鋭意研究の末、扉を昇降させて上部で開閉する
ことで、扉の開閉の挙動が周りのものに影響を与えてし
まうことがなく、設置場所に制約を受けることがなく、
しかも戸袋を設置する必要のない扉開閉装置を開発する
に至った。

【０００５】その構成の概略を図１８〜図２１を参照し
て説明する。扉軸８は、扉板２ａの左右両側にそれぞれ
突出しており、最下段の扉軸８には駆動ベルト３２に結
合されるスライドシュー２５、他の扉軸８には駆動ベル
ト３２には結合されないスライドシュー２５ａがそれぞ
れ取り付けられている。各スライドシュー２５，２５ａ
はガイドレール３に沿って昇降自在となっている。

【０００６】収納部４側には、最下段の扉２をモータに
よって上下に駆動させる左右の駆動ベルトが設けられ、
左右の駆動ベルト３２には最下段の扉２の扉軸８に設け
られたスライドシュー２５が結合されている。各扉２の
扉軸８は、複数の縦長のジョイントプレート９を介して
相互に連結されている。

【０００７】上記各扉２の扉軸８を相互に連結する複数
のジョイントプレート９は、ガイドレール３に設けた通
路部６０にスライド自在に保持されている。各ジョイン
トプレート９は、通路部６０の上部で互いに重なり合え
るように左右に所定ピッチずれて配置されている。

【０００８】各ジョイントプレート９は、図１８に示す
ように、ジョイントプレート９は縦長形状をし且つ下端
には前後両側に突出した下端フランジ部９ａ，９ｂが設
けられている。ジョイントプレート９には上下方向に長
い長孔６１が穿設され、長孔６１の下端には長孔６１と
連通し且つ長孔６１と直交するコ字状のロック溝６２が
穿設されている。ジョイントプレート９の上部には長孔
６１とは連通しない軸孔６３が穿設されている。

【０００９】次に、回転手段６は、図２１に示すよう
に、上下複数の扉２側に設けたトリガー１２と、収納部
４の上端部より垂下した扉跳ね上げ用のトリガー当て部
材１３とで構成される。トリガー１２は、扉フレーム１
５よりも後方で且つ斜め上に向かって突出している。ト
リガー１２の角度は任意に設定される。トリガー当て部
材１３の下端縁は斜め後ろに屈曲させてある。そして、
開口部１は全閉状態にあるときは、上下複数のジョイン
トプレート９は図１９（ａ）に示すように、上下に一列
に長く延びており且つ各扉２の扉軸８が各ジョイントプ
レート９のロック溝６２にそれぞれ係止している。この
状態から開口部１を開くときは駆動ベルト３２を回転さ
せる。このとき、扉軸８はジョイントプレート９のロッ
ク溝６２に係止しているため、図１９（ｂ）→（ｄ）、
図２０（ａ）→（ｄ）に示すように、各ジョイントプレ
ート９がそれぞれ上昇し、これに追随してすべての扉２
が上昇する。そして、各扉２が上方に引き上げられる
と、各扉２に設けたトリガー１２がトリガー当て部材１
３に当たることによって、図２１（ａ）→（ｋ）に示す
ように、上から順に扉２が前方Ｆに突出するように回転
して開き、最終的には図２１（ｌ）に示すように、すべ
ての扉２が上下に重なった状態で保持されるようになっ
ている。

【００１０】この構成によれば、上下複数の扉２を垂下
状態のままで上下に昇降させることによって、扉２の前
方Ｆに障害物があっても扉２が当ってしまうことがな
く、扉２の開閉の挙動が周りの物に影響を与えないもの
となる。また、回転手段６により開口部１の上部で各扉
２が回転して開くので、扉２と扉２とが干渉しない状態
で、開閉をスムーズに行なうことができる。従って、扉
２の前方Ｆのスペースが狭い場合でも設置可能となると
共に、扉２は開口部１の上部で回転して開くので、戸袋
を設置する必要もなく、収納スペースを有効に使用でき
る。しかも各扉２は開口部１の下部では回転しないた
め、開いたままでの作業に支障をきたすこともないもの
である。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
扉開閉装置にあっては、すべての扉２が前方に回転して
開いた状態では、各扉２のトリガー１２がトリガー当て
部材１３に当っているにすぎないため、扉２を下降させ
る時（扉閉時）には、各扉２が落下（ずり落ち）してし
まい、下から順に各扉５を下降させるという正規の扉開
閉動作ができなくなるという不具合がある。

【００１２】本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて
発明したものであって、その目的とするところは、扉の
開閉の挙動が周りのものに影響を与えてしまうことがな
く、設置場所に制約を受けることがなくなると共に戸袋
を設置する必要がなく、そのうえ、扉の下降時（扉閉
時）に扉の落下を防止して安定した扉開閉動作を実現で
きるようにした扉開閉装置を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は開口部１に複数の扉２を上下に設け、開口部
１の左右両側に上下に並んだ各扉２を垂下状態で上下に
ガイドするガイドレール３を設けると共に、各扉２をそ
れぞれ垂下状態でガイドレール３に沿って上下に昇降さ
せる昇降手段５と、昇降手段５による引き上げで開口部
１の上部１ａに達した扉２を上から順に前方に突出する
ように回転させて開くための回転手段６と、扉２の下降
時に各扉２が下から順に間隔をあけて下降するように扉
２の落下を防止するための落下防止手段２８とを設けた
ことを特徴としており、このように構成することで、扉
２の下降時（扉閉時）には落下防止手段２８により各扉
２が下から順に間隔をあけて下降するので、扉２の落下
を防止して安定した扉２開閉動作が行なわれる。

【００１４】また上記落下防止手段２８は、開口部１の
上部１ａで扉２が開いたときに該扉２の構成部品に対し
て引掛かる突部２９で構成されているのが好ましく、こ
の場合、突部２９によって物理的に扉２の下降を妨げる
ので、扉２の落下防止に対する信頼性が高められる。

【００１５】また上記落下防止手段２８は、開口部１の
上部１ａで扉２が開いたときに該扉２の構成部品に弾発
的に押し付けられて扉２の落下を摩擦力で防止する摩擦
手段５６で構成されているのが好ましく、この場合、摩
擦手段５６が扉２の構成部品に押し当てられることで発
生する扉２の構成部品と摩擦手段５６間の摩擦力によっ
て、扉２は下降できず、その位置で保持される。この状
態から、昇降手段５により下降させる力が加わったとき
には、扉２は摩擦力に抗して下降可能となる。

【００１６】また上記落下防止手段２８は、開口部１の
上部１ａで扉２が開いたときに該扉２の構成部品を磁気
吸着して扉２の落下を磁力で防止するための磁石６５で
構成されているのが好ましく、この場合、扉２の構成部
品と磁石６５との間に発生する磁力によって任意の位置
で扉２の落下を防止できるものであり、また磁石６５の
配置する位置を調整することによって、任意のポイント
での磁力の強弱を設定できると共に、任意の位置で各扉
２の落下をそれぞれ防止できるようになる。

【００１７】また上記回転手段は、扉２に設けたトリガ
ー１２と、扉２が開口部１の上部１ａに達したときにト
リガー１２に当たって扉２を前方に回転させて開くため
のトリガー当て部材１３とで構成され、上記落下防止手
段２８はトリガー当て部材１３のトリガー１２との接触
面に設けられたトリガー引掛け用凸部７０で構成されて
いるのが好ましく、この場合、トリガー１２はトリガー
引掛け用凸部７０によって物理的に落下防止され、扉２
はその位置で保持されると共に、この状態から昇降手段
５により下降させる力が加わったときには、トリガー１
２がトリガー引掛け用凸部７０から外れて下降できるよ
うになる。またトリガー引掛け用凸部７０によって物理
的に扉２の下降を妨げるので、扉２の落下防止に対する
信頼性がより高められる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づいて説明する。

【００１９】図１０は本例の扉開閉装置Ａを前方斜め下
から見た斜視図、図１１は後方斜め下から見た斜視図、
図１２は扉２を省略した正面図、図１３はモータ３０付
近の斜視図、図１４は開口フレーム８０の内部構造を説
明する断面図である。

【００２０】本例の扉開閉装置Ａは、例えばクローゼッ
ト、キャビネット等の収納部４に使用されるものであ
り、収納部４の開口部１には複数の扉２が上下に設けら
れ、開口部１の左右両側には、図１４に示すように、上
下方向に延びた開口フレーム８０が設けられ、各開口フ
レーム８０には、上下に並んだ各扉２を垂下状態で上下
にガイドするガイドレール３が設けられている。

【００２１】上下複数の扉２は、同じ構造をしており、
扉板２ａの上端部に扉フレーム１５を介して扉軸８が回
転自在に取り付けて構成される。扉フレーム１５は、例
えばアルミニウム製からなる。図２４に示すように、扉
フレーム１５の下部には扉板２ａの上端部が嵌合する扉
板取付用凹溝１６が設けられ、扉フレーム１５の上部に
は、抜止金具１７の嵌合片１８が嵌合する嵌合溝１９
と、扉軸８を回転自在に支持する軸受け部２０とが設け
られている。扉フレーム１５は、図２５に示すように、
扉板２ａの左右２箇所に配置され、各扉フレーム１５間
には連結軸２１が配置され、扉軸８の一端部が連結軸２
１の端部に挿入されていると共に規制用ネジ２２にてそ
の挿入量が規制されている。

【００２２】上記扉フレーム１５には、図２４（ａ）、
（ｃ）に示す抜止金具１７が取り付けられている。抜止
金具１７は、扉フレーム１５の下部にネジ止めされるネ
ジ止め部２３と、扉フレーム１５の嵌合溝１９に嵌合す
る嵌合片１８と、軸受け部２０を閉じて扉軸８の抜け止
めを行なう抜け止め部２４と、軸受け部２０よりも斜め
後方に向かって突出するトリガー１２とが一体に形成さ
れている。扉フレーム１５の扉板取付用凹溝１６に接着
剤を塗布して扉板２ａの上端部を接合し、且つ、抜止金
具１７の嵌合片１８を扉フレーム１５の嵌合溝１９に嵌
合させた状態で、抜止金具１７のネジ止め部２３からネ
ジを扉板取付用凹溝１６内の扉板２ａに螺入することに
よって、扉板２ａと扉フレーム１５と抜止金具１７とが
一体に固定されている。このとき扉板取付用凹溝１６の
奥の隙間が接着剤溜まり部２７となる。また抜止金具１
７の抜け止め部２４によって扉軸８が扉フレーム１５の
軸受け部２０に回転自在に保持された状態となってい
る。

【００２３】扉軸８は、扉板２ａの左右両側にそれぞれ
突出しており、最下段の扉軸８には後述する駆動ベルト
３２に結合されるスライドシュー２５、他の扉軸８には
駆動ベルト３２には結合されないスライドシュー２５ａ
がそれぞれ取り付けられている。各スライドシュー２
５，２５ａには、図１４に示すように、ガイドレール３
に設けた平面視Ｔ形のガイドリブ２６にスライド嵌合す
る凹部が設けられており、ガイドリブ２６によってスラ
イドシュー２５，２５ａの前後左右の動きが規制され、
上下方向のみに移動可能となっている。

【００２４】一方、収納部４側には、図１２、図１３に
示すように、各扉２をそれぞれ垂下状態でガイドレール
３に沿って上下に昇降させる昇降手段５と、昇降手段５
による引き上げで開口部１の上部１ａに達した扉２を上
から順に下部を前方Ｆに突出するように回転させて開く
ための回転手段６とが設けられている。

【００２５】先ず、昇降手段５は、最下段の扉２を上下
に駆動する駆動手段７と、各扉２の扉軸８を相互に連結
する複数の縦長のジョイントプレート９と、扉２が開口
部１の上部１ａに達するまでは最下段の扉２の駆動力を
ジョイントプレート９を介して他の扉２に伝わるように
扉２の扉軸８とジョイントプレート９とをロックするロ
ック手段１０と、扉２が開口部１の上部１ａに達したと
きに扉２の扉軸８とジョイントプレート９とのロックを
解除するロック解除手段１１とを備えている。

【００２６】ここで、駆動手段７は図１２に示すよう
に、正逆回転可能なモータ３０と、水平方向に延びた中
継軸３１と、左右一対の駆動ベルト３２等で構成され
る。モータ３０は収納部４の上部に配置され、モータ３
０の出力軸が歯車列３３，３４を介して中継軸３１に伝
達される。中継軸３１はブラケット７９を介して収納部
４側に回転自在に支持されてと共に、中継軸３１の長手
方向の両端部は、カップリング３５を介して、左右両側
の歯付きプーリーからなるベルト駆動プーリー３６のプ
ーリー軸３７にそれぞれ連結されている。収納部４の下
部両側には歯付きプーリーからなる従動プーリー３８が
それぞれ配置されている。右側のベルト駆動プーリー３
６と従動プーリー３８間、左側のベルト駆動プーリー３
６と従動プーリー３８間には、それぞれ、無端環状のタ
イミングベルトからなる駆動ベルト３２が巻き掛けられ
ている。本例では左右の駆動ベルト３２には、それぞ
れ、最下段の扉２の扉軸８に設けられたスライドシュー
２５のみが結合されている。結合方法の一例として、図
１４に示すように、駆動ベルト３２の一部にベルト固定
金具３９を重ね、ベルト固定金具３９から略Ｕ字状に突
設した突片４０をスライドシュー２５に設けた係止溝４
１に係止させた状態で、ベルト固定金具３９を駆動ベル
ト３２にネジ止めしてある。なお図１４中の５０はベル
ト駆動プーリー３６を固定する固定リブ、５１は配線部
品５２を収納する空間、５３はカバー部材である。

【００２７】上記各扉２の扉軸８を相互に連結する複数
のジョイントプレート９は、ガイドレール３に設けた通
路部６０にスライド自在に保持されている。各ジョイン
トプレート９は、図１４に示すように、通路部６０の上
部で互いに重なり合えるように左右に所定ピッチずれて
配置されている。

【００２８】各ジョイントプレート９は、図１７（ａ）
に示すように、縦長形状をし且つ下端には前後両側に突
出した下端フランジ部９ａ，９ｂが設けられている。ジ
ョイントプレート９には上下方向に長い長孔６１が穿設
され、長孔６１の下端には長孔６１と連通し且つ長孔６
１と直交するコ字状のロック溝６２が穿設されている。
ジョイントプレート９の上部には長孔６１とは連通しな
い軸孔６３が穿設されている。

【００２９】本例では図１８に示すように、最上段の扉
軸８は、上から２段目のジョイントプレート９の軸孔６
３を貫通して最上段のジョイントプレート９の長孔６１
内に挿入されている。上から２段目の扉軸８は、上から
３段目のジョイントプレート９の軸孔６３を貫通して上
から２段目のジョイントプレート９の長孔６１内に挿入
されている。同様にして、上から３段目の扉軸８は、上
から４段目のジョイントプレート９の軸孔６３を貫通し
て上から３段目のジョイントプレート９の長孔６１内に
挿入されている。最下段の扉軸８は最下段のジョイント
プレート９の長孔６１内に挿入されている。また本例で
は図１８〜図２１に示すように、最上段のジョイントプ
レート９の上下長さが他のジョイントプレート９よりも
短く形成されている。これは最上段のジョイントプレー
ト９に連結される最上段の扉２の昇降距離を短くして、
扉２の閉時において収納部４の天面部４ａと最上段の扉
２との間の隙間をできるかぎり小さくするためである。
なお図１５〜図２１の例では、扉２を５枚、ジョイント
プレート９を４枚としたが、これらの枚数に限定される
ものではなく、例えば図２２、図２３に示すように、扉
２を６枚、ジョイントプレート９を５枚としてもよく、
それらの枚数は任意に変更自在である。

【００３０】ここで、ジョイントプレート９は扉２を上
昇させていく際には、扉２及び扉軸８の荷重や各種の摺
動抵抗などが加わり、これらに抗して扉２を押し上げる
こととなる。特に最下段のジョイントプレート９はそれ
より上部にあるすべての荷重を受けて押し上げることと
なるため、それを支えるだけの強度が必要となる。これ
らを勘案してジョイントプレート９の材質、強度が設定
されている。

【００３１】また、扉軸８がジョイントプレート９のロ
ック溝６２から外れて長孔６１内に移動するとき、下側
のジョイントプレート９が該扉軸８によって引き上げら
れる際にその下側のジョイントプレート９の上端が上側
のジョイントプレート９の下端フランジ部９ａ又は９ｂ
に当たって引っ掛る場合が考えられる。これを防止する
ために本例ではジョイントプレート９の長孔６１に沿っ
て縦方向にシボ加工（絞り加工）が施されている。ここ
ではジョイントプレート９の縦方向に沿ってジョイント
プレート９の厚みよりも大きな出代を持った湾曲突起６
４が形成されており、この湾曲突起６４によってジョイ
ントプレート９間に必要な間隙Ｓが確保されるようにな
っている。

【００３２】次に、ロック手段１０及びロック解除手段
１１について説明する。ロック手段１０は、扉２が開口
部１の上部１ａに達するまでは最下段の扉２の駆動力を
ジョイントプレート９を介して他の扉２に伝わるように
扉２の扉軸８とジョイントプレート９とをロックするた
めのものであり、本例では、図１９（ａ）に示すよう
に、通路部６０の一側壁から所定の厚みで突出した上下
２つのロック手段１０ａ，１０ｂで構成されている。こ
こでは下側のロック手段１０ｂは通路部６０の下端から
通路部６０の上部手前まで延びており、上側のロック手
段１０ａは下側のロック手段１０ｂの上方に離れて設け
られている。上側のロック手段１０ａは最上段のジョイ
ントプレート９をロックするものであり、下側のロック
手段１０ｂは上から２番目以降のジョイントプレート９
をロックするものである。上下のロック手段１０ａ，１
０ｂの各上端面１０ｃはそれぞれテーパー面となってお
り、ジョイントプレート９のロック動作或いはロック解
除動作がスムーズにできるようにしてある。本例では、
図１９（ａ）に示すように、下側のロック手段１０ｂ
は、上昇するジョイントプレート９をロック解除位置に
切り替えたり或いは下降するジョイントプレート９をロ
ック位置に切り替えたりするためのロック切替部材９６
と、ジョイントプレート９をロック位置で保持するため
のロック保持用板材９７とで構成されている。ロック保
持用板材９７は、上下に細長い板形状をしており、ガイ
ドレール３から突設した凸リブ６６（図１４）に挟持さ
れて支持されている。凸リブ６６は、ジョイントプレー
ト９と扉軸８とをロックさせた後に、何かの原因（振
動、衝撃等）が加わったときでも、ロック保持用板材９
７を保持してジョイントプレート９のロックが解除され
るおそれをなくすと共に、ロック保持用板材９７の反り
などの影響をなくし、数点の固定だけで安定したジョイ
ントプレート９との距離を確保してロック保持を行なえ
るようにするためのものである。

【００３３】さらに、各扉２が開口部１の上部１ａに達
したときにはロック解除手段１１によって、上から順に
扉２の扉軸８とジョイントプレート９とのロックが解除
される。本例では、ロック解除手段１１は、通路部６０
の他側壁から突設された上下２つのロック解除手段１１
ａ，１１ｂにて構成されている。上側のロック解除手段
１１ａは上側のロック手段１０ａよりも上方に位置し、
下側のロック解除手段１１ｂは上下のロック手段１０
ａ，１０ｂの中間に位置している。各ロック解除手段１
１ａ，１１ｂの下端面１１ｃはそれぞれテーパー面とな
っており、ジョイントプレート９のロック動作或いはロ
ック解除動作がスムーズにできるようにしてある。

【００３４】次に、回転手段６の原理を説明する。回転
手段６は、図２１に示すように、上下複数の扉２側に設
けたトリガー１２と、収納部４の上端部より垂下した扉
跳ね上げ用のトリガー当て部材１３とで構成される。ト
リガー１２は、扉フレーム１５よりも後方で且つ斜め上
に向かって突出している。トリガー１２の角度は任意に
設定される。トリガー当て部材１３の下端縁は斜め後ろ
に屈曲させてある。そして、開口部１は全閉状態にある
ときは、上下複数のジョイントプレート９は図１９
（ａ）に示すように、上下に一列に長く延びており且つ
各扉２の扉軸８が各ジョイントプレート９のロック溝６
２にそれぞれ係止しており、この状態から開口部１を開
くときは駆動ベルト３２を回転させると、扉軸８はジョ
イントプレート９のロック溝６２に係止しているため、
図１９（ｂ）→（ｄ）、図２０（ａ）→（ｄ）に示すよ
うに、各ジョイントプレート９がそれぞれ上昇し、これ
に追随してすべての扉２が上昇する。そして、各扉２が
上方に引き上げられると、各扉２に設けたトリガー１２
がトリガー当て部材１３に当たることによって、図２０
（ａ）→（ｋ）に示すように、上から順に扉２が前方Ｆ
に突出するように回転して開き、最終的には図２１
（ｌ）に示すように、すべての扉２が上下に重なった状
態で保持されるようになっている。

【００３５】次に、扉２の下降時に各扉２が下から順に
間隔をあけて下降するように扉２の落下を防止するため
の落下防止手段２８について説明する。ちなみに、落下
防止のために補助アクチュエーター等を用いることも考
えられるが、高価で且つ構成が複雑化するという問題が
ある。そこで、本発明では、図１〜図３に示すように、
落下防止手段２８として、開口部の上部で扉２が開いた
ときに該扉２の構成部品に対して引掛かる突部２９で構
成したものである。ここでは、細長い板金５５に切り起
こし加工を施してバネ弾性を有する突部２９を間隔をあ
けて複数形成し、各突部２９を左右の開口フレーム８０
の扉軸８が通る部位に位置するように板金５５を開口フ
レーム８０にネジ止めしている。

【００３６】次に、動作を説明する。

【００３７】先ず図１５に示すように、各扉２が開口部
１の上部１ａよりもそれぞれ下方に位置している際に
は、上述のように各扉２はそれぞれ自重により垂下状態
にあり、開口部１は全閉状態にある。このとき上下複数
のジョイントプレート９は図１９（ａ）に示すように、
上下に一列に長く延びており且つ各扉２の扉軸８が各ジ
ョイントプレート９のロック溝６２にそれぞれ係止して
いる。この状態から開口部１を開くときは、スイッチ操
作にてモータ３０を正回転させる。すると、中継軸３１
を介して駆動ベルト３２が一方向に回転し、図１９
（ａ）、（ｂ）に示すように、駆動ベルト３２に結合さ
れている最下段の扉２のみが押し上げられると共に最下
段の扉２の扉軸８にロックされている最下段のジョイン
トプレート９が押し上げられる。このとき各扉２の扉軸
８が各ジョイントプレート９のロック溝６２に係止して
おり、且つジョイントプレート９は上下のロック手段１
０ａ、１０ｂによって上下に連なった状態で保持されて
いるため、最下段のジョイントプレート９が押し上げら
れると、すべてのジョイントプレート９がそれぞれ上昇
し、これに追随してすべての扉２が上昇する。このと
き、各ジョイントプレート９はロック手段１０ａ、１０
ｂによって横方向の動きが規制されているため、各扉軸
８と各ジョイントプレート９とが確実にロックされ、最
下段の扉２からの駆動力が各ジョイントプレート９を介
して各扉軸８に確実に伝えられる。つまり図１９（ａ）
〜（ｄ）に示すように、最上段のジョイントプレート９
の下端フランジ部９ａ，９ｂが、上側のロック手段１０
ａの上端面１０ｃから上方に抜け出して上側のロック解
除手段１１ａに当たることで、最上段のジョイントプレ
ート９のみが通路部６０の一側壁がわに押し戻されて、
最上段の扉２の扉軸８が最上段のジョイントプレート９
のロック溝６２から外れて長孔６１内を上昇し、最上段
の扉軸８と２番目の扉軸８との距離が縮まる。以下同様
にして、上の扉２から順に開口部１の上部１ａに達して
いくことにより、図２０（ａ）〜（ｄ）に示すように、
各扉軸８間の距離が順に縮められると共に、各ジョイン
トプレート９が通路部６０の上部で相互に重なり合った
状態となる。

【００３８】一方、上下に並んだ扉２が上から順に開口
部１の上部１ａに達すると、最上段の扉２のトリガー１
２がトリガー当て部材１３に当たることで扉軸８を中心
に前方Ｆに回転する力が加わり、図２６に示すように、
扉２が前方Ｆに突出するように回転して開く。続いて上
から２段目の扉２のトリガー１２がトリガー当て部材１
３の下端縁に当たることによって２段目以降の各扉２も
前方Ｆに回転して開く。またこのときトリガー１２とト
リガー当て部材１３との距離などによって決定される角
度まで扉２が回転すると、扉軸８が更に上昇してもそれ
以上は扉２は回転せず、その角度を保持したまま上昇し
ていくこととなる（図２１（ｂ）〜（ｋ））。最終的
に、図２１（ｌ）及び図１６に示すように、すべての扉
２が前方Ｆに跳ね上げられて上下に重なりあったフルオ
ープン状態となる。このとき、図２、図３に示すよう
に、扉２の扉軸８がバネ弾性を有する突部２９を越えて
引掛かることによって、扉２の自重だけでは扉軸８はバ
ネ弾性を有する突部２９を越えることができず、これに
より扉２はその位置で保持される。

【００３９】次に、開口部１を閉鎖するときはモータ３
０を逆回転することにより、上記と逆の動作で各扉２が
下降していく。最初に駆動ベルト３２に結合されている
最下段の扉２のみが下降し、その扉軸８が最下段のジョ
イントプレート９の長孔６１内を下降して最下段のジョ
イントプレート９を押し下げる。これにより図２１
（ｌ）→（ｋ）→（ｊ）→（ｉ）のように、最下段の扉
２側のトリガー１２がトリガー当て部材１３の下端縁か
ら離れ、最下段の扉２はその自重で垂下状態に戻る。以
下同様にして、上から順に各扉２がジョイントプレート
９のロック溝６２にロックされてすべてのジョイントプ
レート９が上下に一列に長く延びた状態となることによ
り、図１９（ａ）、図２１（ａ）のようにすべての扉２
が垂下状態に戻る。このとき、駆動手段７により下降さ
せる力が加わったときには、扉軸８が突部２９を弾性変
形させながらこれを越えることによって、扉２が一度に
落下するのを防止できるようになる。

【００４０】しかして、扉２の自重だけでは扉軸８はバ
ネ弾性を有する突部２９を越えることができず、これに
より扉２はその位置で保持されるものであり、その後、
駆動手段７により下降させる力が加わったときには、扉
軸８が突部２９を越えることができ、これにより扉２は
下降可能となるため、各扉２の下降時（扉閉時）には落
下防止手段２８により各扉２が下から順に間隔をあけて
下降するようになる。従って、扉２の落下（ずり落ち）
を防止して安定した扉２開閉動作が行なわれる。また本
例では、突部２９付き板金５５によって落下防止を図る
ことができるため、補助アクチュエーター等を用いて落
下防止を図る場合と比較して、安価で且つ容易に構成で
きる。さらに突部２９によって物理的に扉軸８の下降を
妨げるので、扉２の落下防止に対する信頼性が高い。そ
のうえ板金５５によってより安価に構成できると共に、
突部２９の形状を変える（例えば突部２９の下面に扉軸
８を滑り易くするための傾斜をつけるなど）ことによっ
て、扉軸８の上昇時における突部２９のバネ弾性力を下
降時よりも小さくすることができ、扉軸８の上昇時にお
ける駆動手段７の負荷を小さくすることができる。

【００４１】落下防止手段２８の他の例を図４〜図６に
示す。本例では、開口部１の上部１ａで扉２が開いたと
きに該扉２の構成部品に弾発的に押し付けられて扉２の
落下を摩擦力で防止する摩擦手段５６で構成されてい
る。ここでは、細長いバネケース５７内に圧縮バネ等の
バネ体５８を間隔をあけて複数配置し、バネケース５７
の開口側に薄板板金からなる摩擦プレート５９を取り付
け、摩擦プレート５９が左右の開口フレーム８０の扉軸
８が通る部位に位置するように、バネケース５７を開口
フレーム８０にネジ止めする。しかして、摩擦プレート
５９がバネ体５８の弾性力によって扉軸８に押し当てら
れることで発生する扉軸８と摩擦プレート５９間の摩擦
力によって、扉軸８は下降できず、これにより扉２はそ
の位置で保持される。この状態から、駆動手段７により
下降させる力が加わったときには、扉軸８は摩擦プレー
ト５９との摩擦力に抗して下降可能となっている。ま
た、バネケース５７によって落下防止を図ることができ
るため、補助アクチュエーター等を用いて落下防止を図
る場合と比較して、安価で且つ容易に構成できる。

【００４２】落下防止手段２８の更に他の例を図７、図
８に示す。本例では、開口部１の上部１ａで扉２が開い
たときに該扉２の構成部品を磁気吸着して扉２の落下を
磁力で防止するための磁石６５で構成されている。ここ
では、左右の開口フレーム８０の扉軸８が通る部位、或
いはトリガー当て部材１３等に磁石６５を取り付けるこ
とで、扉２の構成部品である扉軸８やトリガー１２間に
発生する磁力によって任意の位置で扉２の落下を防止す
るものであり、駆動手段７により下降させる力が加わっ
たときには、扉２は磁力に抗して下降可能となってい
る。しかして、小型の磁石６５をトリガー当て部材１３
の背後に上下に間隔をあけて配置することで、任意の位
置で各扉２の落下をそれぞれ防止できるだけでなく、磁
石６５の配置する位置を調整することによって、任意の
ポイントでの磁力の強弱を設定することができる。な
お、磁石６５に吸引される部材として、トリガー１２或
いは扉軸８に限らず、要は扉２の構成部品であればよ
い。また、磁石６５により落下防止を図ることができる
ため、補助アクチュエーター等を用いて落下防止を図る
場合と比較して、安価で且つ容易に構成できる。

【００４３】図９及び図２７〜図２９は更に他の実施形
態を示している。本例では、収納部４の天面部４ａと最
上段の扉２との間の隙間Ｗ（図２７）を隠すために回転
扉７１が設けられている。この回転扉７１の回転軸７２
は蝶番７３を介して収納部４の天面部４ａに回転自在に
固定されている。一方、最上段のジョイントプレート９
の上端部には、図２７に示すように、回転扉用トリガー
８２と跳ね上げ用金具７４とが一体に設けられている。
さらに、収納部４側には回転扉用トリガー８２が当る回
転扉用トリガー当て部材１３ａが設けられており、回転
扉用トリガー当て部材１３ａの下端は扉２のトリガー当
て部材１３の下端よりも上方に位置している。しかし
て、扉２の開時に、最上段のジョイントプレート９が上
昇すると、回転扉用トリガー８２が回転扉用トリガー当
て部材１３ａに当って跳ね上げ用金具７４が前方に回転
して回転扉７１が開く。これにより、開口部１をフルオ
ープン状態にすることができる。その後、扉２の閉時に
は最上段のジョイントプレート９が下降することで跳ね
上げ用金具７４が後退し、回転扉７１はその自重によっ
て垂下状態に戻り、回転扉７１によって最上段の扉２と
収納部４の天面部４ａとの隙間Ｗが隠されるようにな
る。また図９の例では回転扉用トリガー当て部材１３ａ
及びトリガー当て部材１３に、それぞれ扉２の落下防止
を図るためのトリガー引掛け用凸部７０が設けられてい
る。トリガー当て部材１３に設けたトリガー引掛け用凸
部７０は、扉２の開時にはその開放状態を保持する働き
をし且つ扉２の下降時（扉閉時）には扉２のずり落ちを
防止して、下から順に扉２が下降できるように正規の扉
開閉動作の安定化を図るものである。また回転扉用トリ
ガー当て部材１３ａに設けたトリガー引掛け用凸部７０
は、回転扉７１の開時にはその開放状態を保持する等の
働きをする。

【００４４】ここで、上記図９において、トリガー当て
部材１３及び回転扉用トリガー当て部材１３ａにはそれ
ぞれ、落下防止手段２８が設けられている。この落下防
止手段２８は、トリガー当て部材１３のトリガー１２と
の接触面に設けられたトリガー引掛け用凸部７０で構成
されている。ここでは、トリガー当て部材１３のトリガ
ー１２との接触する面に、なだらかなトリガー引掛け用
凸部７０を間隔をあけて複数設けることにより、トリガ
ー１２はトリガー引掛け用凸部７０によって物理的に落
下防止され、扉２はその位置で保持されるようになって
いる。さらにこの状態から、駆動手段７により下降させ
る力が加わったときには、トリガー１２及び回転扉用ト
リガー８２が順にトリガー引掛け用凸部７０を越えて下
降できるようになっている。またトリガー引掛け用凸部
７０を利用して落下防止を図ることができるため、補助
アクチュエーター等を用いて落下防止を図る場合と比較
して、安価で且つ容易に構成できる。さらにトリガー引
掛け用凸部７０によって物理的に扉軸８の下降を妨げる
ので、扉２の落下防止に対する信頼性が高められると共
に、例えばトリガー引掛け用凸部７０の形状を変える
（例えば、トリガー引掛け用凸部７０の下面に扉軸８を
滑り易くするための傾斜をつけるなど）ことにより、扉
軸８の上昇時におけるトリガー引掛け用凸部７０の抵抗
力を下降時よりも小さくすることができ、扉軸８の上昇
時における駆動手段７の負荷を小さくすることができ
る。

【００４５】なお、前記実施形態では、モータ３０によ
り扉２を駆動させる電動式を例示しているが、電動式に
限らず、手動式で駆動させるようしてもよい。例えばベ
ルト駆動プーリー３６等にワイヤケーブルを連結し、該
ワイヤケーブルを手で巻き取りあるいは巻き戻すことに
より、駆動ベルト３２を手動で回転させて扉２を昇降さ
せることも可能である。

【００４６】

【発明の効果】上述のように請求項１記載の発明にあっ
ては、開口部に複数の扉を上下に設け、開口部の左右両
側に上下に並んだ各扉を垂下状態で上下にガイドするガ
イドレールを設けると共に、各扉をそれぞれ垂下状態で
ガイドレールに沿って上下に昇降させる昇降手段と、昇
降手段による引き上げで開口部の上部に達した扉を上か
ら順に前方に突出するように回転させて開くための回転
手段と、扉の下降時に各扉が下から順に間隔をあけて下
降するように扉の落下を防止するための落下防止手段と
を設けたので、各扉をそれぞれ垂下状態で昇降させると
共に開口部の上部で回転手段により扉を前方に突出する
ように回転させて開くことで、扉の開閉の挙動が周りの
ものに影響を与えてしまうことがなく、設置場所に制約
を受けることがなくなると共に戸袋を設置する必要がな
くなる。そのうえ、扉の下降時（扉閉時）には落下防止
手段により各扉が下から順に間隔をあけて下降するの
で、扉の落下を防止して安定した扉開閉動作を実現でき
るものである。

【００４７】また請求項２記載の発明は、請求項１記載
の効果に加えて、上記落下防止手段は、開口部の上部で
扉が開いたときに該扉の構成部品に対して引掛かる突部
で構成されているので、突部を扉の通過経路に面して配
置するだけで、突部によって扉をその位置で保持できる
ようになり、また突部は扉の構成部品に引掛けられてい
るにすぎないため、昇降手段により下降させる力が加わ
ったときには扉は突部から外れて下降可能となる。従っ
て、補助アクチュエーター等を用いて落下防止を図る場
合と比較して、安価で且つ容易に構成できる。さらに突
部によって物理的に扉の下降を妨げるので、扉の落下防
止に対する信頼性が高められる。

【００４８】また請求項３記載の発明は、請求項１記載
の効果に加えて、上記落下防止手段は、開口部の上部で
扉が開いたときに該扉の構成部品に弾発的に押し付けら
れて扉の落下を摩擦力で防止する摩擦手段で構成されて
いるので、摩擦手段が扉の構成部品に押し当てられるこ
とで発生する扉の構成部品と摩擦手段間の摩擦力によっ
て、扉は下降できず、その位置で保持される。この状態
から、昇降手段により下降させる力が加わったときに
は、扉は摩擦力に抗して下降可能となる。従って、補助
アクチュエーター等を用いて落下防止を図る場合と比較
して、安価で且つ容易に構成できる。

【００４９】また請求項４記載の発明は、請求項１記載
の効果に加えて、上記落下防止手段は、開口部の上部で
扉が開いたときに該扉の構成部品を磁気吸着して扉の落
下を磁力で防止するための磁石で構成されているので、
扉の通過経路に面して磁石を設けることにより、扉の構
成部品と磁石との間に発生する磁力によって任意の位置
で扉の落下を防止できるものであり、また昇降手段によ
り下降させる力が加わったときには、扉は磁力に抗して
下降可能となる。また磁石の配置する位置を調整するこ
とによって、任意のポイントでの磁力の強弱を設定でき
ると共に、任意の位置で各扉の落下をそれぞれ防止でき
るようになる。従って、補助アクチュエーター等を用い
て落下防止を図る場合と比較して、安価で且つ容易に構
成できる。

【００５０】また請求項５記載の発明は、請求項１記載
の効果に加えて、上記回転手段は、扉に設けたトリガー
と、扉が開口部の上部に達したときにトリガーに当たっ
て扉を前方に回転させて開くためのトリガー当て部材と
で構成され、上記落下防止手段はトリガー当て部材のト
リガーとの接触面に設けられたトリガー引掛け用凸部で
構成されているので、トリガーはトリガー引掛け用凸部
によって物理的に落下防止され、扉はその位置で保持さ
れると共に、この状態から昇降手段により下降させる力
が加わったときには、トリガーがトリガー引掛け用凸部
から外れて下降できるようになる。従って、補助アクチ
ュエーター等を用いて落下防止を図る場合と比較して、
安価で且つ容易に構成できる。またトリガー引掛け用凸
部によって物理的に扉の下降を妨げるので、扉の落下防
止に対する信頼性がより高められる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態の落下防止手段を説明する
平面図である。

【図２】同上の側面図である。

【図３】同上の正面図である。

【図４】他の実施形態の平面図である。

【図５】同上の側面図である。

【図６】同上の正面図である。

【図７】更に他の実施形態の平面図である。

【図８】同上の側面図である。

【図９】更に他の実施形態であり、トリガー当て部材に
トリガー引掛け用凸部を設けた場合の説明図である。

【図１０】同上の扉開閉装置を前方斜め下から見た斜視
図である。

【図１１】同上の扉開閉装置を後方斜め下から見た斜視
図である。

【図１２】同上の扉を省略した正面図である。

【図１３】同上のモータ付近の斜視図である。

【図１４】同上のガイドレールの断面図である。

【図１５】同上の各扉が閉じられた状態の斜視図であ
る。

【図１６】同上の各扉が開いた状態の斜視図である。

【図１７】（ａ）はジョイントプレートの正面図、
（ｂ）は（ａ）のＢ−Ｂ線断面図である。

【図１８】同上の扉軸による連結状態の説明図である。

【図１９】（ａ）〜（ｄ）は同上のジョイントプレート
の上昇動作の説明図である。

【図２０】（ａ）〜（ｄ）は同上のジョイントプレート
の上昇動作の説明図である。

【図２１】（ａ）〜（ｌ）は同上の扉の回転動作の説明
図である。

【図２２】（ａ）〜（ｃ）は同上の扉が６枚、ジョイン
トプレートが５枚の場合において、扉が垂下状態の説明
図である。

【図２３】（ａ）〜（ｃ）は同上の扉が６枚、ジョイン
トプレートが５枚の場合において、扉が開いた状態の説
明図である。

【図２４】（ａ）は同上の扉フレームと抜止金具の組み
立て後の側面図、（ｂ）は扉フレームの側面図、（ｃ）
は抜止金具付き扉の側面図である。

【図２５】（ａ）は同上の扉の一部省略した平面図、
（ｂ）は一部省略した正面図である。

【図２６】同上の扉の回転状態の説明図である。

【図２７】同上の最上段の扉と収納部の上端間の隙間を
隠すための回転扉を説明する側面図である。

【図２８】同上の回転扉を跳ね上げ途中の説明図であ
る。

【図２９】同上の回転扉を跳ね上げ状態の説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 開口部 １ａ 上部 ２ 扉 ３ ガイドレール ４ 収納部 ５ 昇降手段 ６ 回転手段 １２ トリガー １３ トリガー当て部材 ２８ 落下防止手段 ２９ 突部 ５６ 摩擦手段 ６５ 磁石 ７０ トリガー引掛け用凸部 Ｆ 前方

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新山 哲二 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 奥村 勝之 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 松下 芳朗 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口部に複数の扉を上下に設け、開口部
   の左右両側に上下に並んだ各扉を垂下状態で上下にガイ
   ドするガイドレールを設けると共に、各扉をそれぞれ垂
   下状態でガイドレールに沿って上下に昇降させる昇降手
   段と、昇降手段による引き上げで開口部の上部に達した
   扉を上から順に前方に突出するように回転させて開くた
   めの回転手段と、扉の下降時に各扉が下から順に間隔を
   あけて下降するように扉の落下を防止するための落下防
   止手段とを設けたことを特徴とする扉開閉装置。
2. 【請求項２】 上記落下防止手段は、開口部の上部で扉
   が開いたときに該扉の構成部品に対して引掛かる突部で
   構成されていることを特徴とする請求項１記載の扉開閉
   装置。
3. 【請求項３】 上記落下防止手段は、開口部の上部で扉
   が開いたときに該扉の構成部品に弾発的に押し付けられ
   て扉の落下を摩擦力で防止する摩擦手段で構成されてい
   ることを特徴とする請求項１記載の扉開閉装置。
4. 【請求項４】 上記落下防止手段は、開口部の上部で扉
   が開いたときに該扉の構成部品を磁気吸着して扉の落下
   を磁力で防止するための磁石で構成されていることを特
   徴とする請求項１記載の扉開閉装置。
5. 【請求項５】 上記回転手段は、扉に設けたトリガー
   と、扉が開口部の上部に達したときにトリガーに当たっ
   て扉を前方に回転させて開くためのトリガー当て部材と
   で構成され、上記落下防止手段はトリガー当て部材のト
   リガーとの接触面に設けられたトリガー引掛け用凸部で
   構成されていることを特徴とする請求項１記載の扉開閉
   装置。