JP2003342512A - ボールペン用油性インキ組成物 - Google Patents

ボールペン用油性インキ組成物

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JP2003342512A
JP2003342512A JP2002157891A JP2002157891A JP2003342512A JP 2003342512 A JP2003342512 A JP 2003342512A JP 2002157891 A JP2002157891 A JP 2002157891A JP 2002157891 A JP2002157891 A JP 2002157891A JP 2003342512 A JP2003342512 A JP 2003342512A
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ink composition
same
resin
ball
ink
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JP2002157891A
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Atsushi Kanazawa
淳 金澤
Katsuji Arisawa
克二 有澤
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Pentel Co Ltd
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Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャップなしで放置後も書き始めに筆記面に
インキがスムーズに流出してきれいな描線が描ける保存
安定性の優れたボールペン用インキ組成物を提供する。 【解決手段】 着色剤と有機溶剤と樹脂と1,1'メチ
レン−ビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)ポリア
ルキレングリコール共重合体とから少なくともなるボー
ルペン用油性インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色剤と有機溶剤
と樹脂とを含有するボールペン用油性インキに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ボールペン用インキは着色剤、有
機溶剤、樹脂等から構成されており、特に、ボールペン
のキャップをはずしたまま長時間放置した場合、有機溶
剤の蒸発により、樹脂や着色剤が析出し、ボールペン先
端部のインキ組成が崩れ、インキの固化あるいは流動性
低下が起こり、筆記開始時に筆跡にカスレが生じるとい
う欠点を有していた。その対策として特開平7−196
971号公報では平均分子量200〜4000000の
ポリエチレングリコールの添加によってペン先において
ポリエチレングリコールが僅かに析出することによって
析出した部分が被膜となり、ペン先での溶剤の蒸発を妨
げ、インキの乾燥、固化による書き出しカスレを防止す
る試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の筆跡のカスレを
防止しようとした従来のインキでは、ペン先に形成され
る被膜は、添加剤同士の疎水性相互作用などによる弱い
結合で形成されており、不均一で、隙間だらけの被膜で
あると考えられる。そのため、経時的な溶剤の蒸発を防
ぐことはできない。経時的な溶剤の蒸発により着色剤や
樹脂が析出するため、インキが固化し通常の筆圧では破
れにくくなったり、あるいはインキが流動性低下を引き
起こし、インキ吐出量が減少したりして書き出しカスレ
防止の効果は不十分であった。本発明の目的は、これら
の従来のボールペン用油性インキの問題点を解決するこ
とであり、キャップなしで放置後も書き始めに筆記面に
インキがスムーズに流出してきれいな描線が描ける保存
安定性の優れたボールペン用インキ組成物を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、着色剤
と有機溶剤と樹脂と1,1'メチレン−ビス(4−イソ
シアナトシクロヘキサン)ポリアルキレングリコール共
重合体とから少なくともなるボールペン用油性インキ組
成物を要旨とする。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する着色剤としては、染料または顔料等、使用する
目的に応じて限定なく使用することができる。顔料とし
ては、PRINTEX150T、同95、同75、同5
5、同45、同35、同P、同XE2、同V、同U、S
pecial Black4、同4A、同5、同25
0、同350、同550(以上、デグサジャパン(株)
製)、#2400B、#1000、#MCF88、MA
100、MA7、MA11、#50、#40、#30、
#20B、CF9(以上、三菱化成工業(株)製)、R
AVEN7000、同2000、同1200、同100
0、同500、同410、同14(以上、コロンビアカ
ーボン日本(株)製)等のカーボンブラック、P25
(日本アエロジル(株)製)等の酸化チタン、黒色酸化
鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、コバルトブルー、
クロムグリーン、酸化クロム等の無機顔料や、ハンザイ
エロー10G、同5G、同3G、同4、同GR、同A、
ベンジンイエロー、パーマネントイエローNCG、ター
トラジンレーキ、キノリンイエロー、スダーン1、パー
マネントオレンジ、インダスレンブルー、インダスレン
ブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンF
G、パラブラウン、パーマネントレッド4R、ファイヤ
ーレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー5B、
チオインジゴレッド、ジケトピロロピロール、ファース
トバイオレットB、ジオキサンバイオレット、アルカリ
ブルーレーキ、フタロシアニンブルーやアゾ系、キナク
リドン系、アントラキノン系、インジゴ系等の有機顔
料、FUJI AS BLACK 810、FUJI
AS RED 575、FUJI AS BLUE 6
50(冨士色素(株)製)、PN−VB602 ブル
ー、PN−VB 109 レッド(日弘ビックス(株)
製)等の加工顔料等が挙げられる。また、染料として
C.Iソルベントブラック3、同7、同20、同24、
同123、C.I.ソルベントレッド8、同49、C.
I.ソルベントブルー2、同5、同25、同38、同4
4、同55、同64、同70、C.Iソルベントグリー
ン3、C.Iソルベントイエロー21、同34、同4
7、同61、同82、C.I.ソルベントオレンジ2
5、同37、C.I.ソルベントバイオレット8、同
9、同21等の油性染料、C.I.ベーシックブルー
1、同7、同8、C.I.ベーシックバイオレット3、
C.I.ベーシックレッド1などの塩基性染料、C.
I.アシッドイエロー23、同36などから選ばれる酸
性染料との造塩染料等が挙げられる。また、これらは単
独、あるいは混合して使用することができる。配合の割
合は、筆跡の濃度や、乾燥性あるいはインキの安定性等
を考慮して、インキ全量に対し5.0〜50.0重量%
が好ましい。
【0006】本発明に使用する有機溶剤は、特に限定す
ることなく使用することができる。例えば、ベンジルア
ルコール、フェニルエチルアルコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、ベンジルグリコール等の
アルコール系及びフェニルセロソルブ等のセロソルブ
系、フェニルカービトール等のカービトール系、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系などが
使用可能である。これら有機溶剤は、単独で使用しても
良いし、2種以上を混合して用いても良い。
【0007】本発明に使用する樹脂は、通常のボールペ
ン用油性インキ組成物に慣用されている樹脂、例えばケ
トン樹脂、マレイン酸樹脂、エステルガム、キシレン樹
脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ロジン、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂
などが用いられる。これらの樹脂は単独で用いても良い
し、2種以上混合して用いてもよく、その配合量は、イ
ンキ組成物全量に対して、0.1〜40重量%の範囲で
ある。これらの樹脂はインキ組成物の粘度を調整した
り、着色剤の固着性、耐水性や分散安定性などを向上さ
せる作用をする。特に、ポリビニルピロリドンと1,
1'メチレン−ビス(4−イソシアナトシクロヘキサ
ン)ポリアルキレングリコール共重合体を併用した場合
には、書き出しカスレ防止効果が大きくなる。
【0008】本発明の骨子である1,1'メチレン−ビ
ス(4−イソシアナトシクロヘキサン)ポリアルキレン
グリコール共重合体は、下記一般式(式1)にて示され
るものである。
【0009】
【式1】
【0010】1,1'メチレン−ビス(4−イソシアナ
トシクロヘキサン)ポリアルキレングリコール共重合体
としては、ポリオールプレポリマー−2、同14、同1
5(ベルテックファーマシューティカル(株)製)など
が挙げられる。そして、この1,1'メチレン−ビス
(4−イソシアナトシクロヘキサン)ポリアルキレング
リコール共重合体は、あらかじめインキ溶剤と混合して
使用しても、インキの他の組成物を混合した後から添加
する方法で用いても良い。その添加量はインキの溶剤の
種類や着色剤、樹脂、各種添加剤の種類によって影響さ
れるので、一義的ではないが、0.1重量%以下の添加
ではその他のインキ組成物に効果を薄められてしまい、
40重量%以上の添加では他のインキ組成物との相溶性
が不安定になり、その結果インキ中の成分の分離を招く
ことになるので通常0.1〜40重量%の添加が望まし
い。
【0011】本発明のボールペン用油性インキ組成物に
は必要に応じて上記成分以外に、各種添加剤、界面活性
剤が使用できる。一例を挙げると、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、防錆剤その他、筆記性、運筆性改良等に用いら
れる各種界面活性剤、例えば、脂肪酸塩類、高級アルコ
ール硫酸エステル塩類、脂肪酸硫酸エステル塩類、アル
キルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、デ
カグリセリン脂肪酸エステル、ヘキサグリセリン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレン硬化ヒマシ油などの非イオン系界面活性剤等
が挙げられる。
【0012】本発明のボールペン油性インキ組成物にお
いて、着色剤として顔料を使用する場合、各種顔料分散
剤が使用できる。一例を挙げると、EFKA4008、
同4009、同4046、同4047、同4080、同
4520、同4010、同4015、同4050、同4
055、同4060、同4400、同4401、同44
02、同4403、同4406、同4500、同451
0、同4530、同4540、同4550、同456
0、同5010、同5044、同5244、同505
4、同5063、同5064、同5065、同506
6、同5070、同5207(エフカアディティブス
製)、ソルスパース3000、同5000、同900
0、同12000、同13240、同13650、同1
3940、同17000、同18000、同2000
0、同21000、同22000、同24000SC、
同24000GR、同26000、同27000、同2
8000、同31845、同32000、同3250
0、同32600、同33500、同34750、同3
5200、同36600、同38500、同4100
0、同41090、同53095(アビシア(株)
製)、ディスパロン DA−375、同DA−325
(楠本化成(株)製)、ジョンクリル67、同678、
同586、同587、同611、同680、同682、
同683、同690、HPD−671(ジョンソンポリ
マー(株)製)、デンカブチラール#2000L(電気
化学工業(株)製)、エスレックBL−1、同BL−
2、同BL−3、同BL−S、同BX−L(積水化学
(株)製)、PVP K−15、PVP K−30(ア
イエスピージャパン(株)製)等が挙げられる。
【0013】本発明のボールペン用油性インキ組成物の
製造方法としては、従来知られている通常の方法によっ
て製造することができ、その製造方法において何ら限定
されるものではない。例えば、着色剤として染料を使用
する場合は、各成分を混合溶解することにより得ること
ができ、顔料を使用する場合、有機溶剤に分散剤を溶解
させた後、これに顔料及び補助添加剤を加え、適宜混練
粉砕機等にて撹拌、粉砕して、顔料と分散剤を溶液中に
一様に分散させたミルベースを調製し、このミルベース
に、必要に応じて任意成分を添加することにより得るこ
とができる。
【0014】
【作用】本発明のボールペン用油性インキに使用される
上記一般式で示される1,1'メチレン−ビス(4−イ
ソシアナトシクロヘキサン)ポリアルキレングリコール
共重合体は、ポリマー中に存在するアミド基同士の水素
結合などの分子間相互作用により会合体を形成し、それ
がファンデアワールス力などの相互作用によって束にな
って網目状に絡まって相互に運動を妨げあって流動性を
失い、その中に溶媒を抱き込んでゲル化を起こし、いわ
ゆるオイルゲル化剤の役割を果たす。ペン先における僅
かな溶剤の蒸発によりペン先での上記添加剤の濃度が高
くなると、オイルゲル化剤としての作用が高まり、ペン
先付近にゲル状の層が形成される。この層は、ゲル状で
あり溶剤を保持しているため、層自体が軟らかく、液状
物の存在のために隙間が形成されず、着色剤や樹脂の析
出も起こりにくいものである。そのため、長時間放置し
てもこのゲル状の層は乾燥固化せず、小さな力で崩れ、
書き出しがスムーズに書けるものと考えられる。特に、
樹脂としてポリビニルピロリドンを併用した場合には、
ポリビニルピロリドン中に存在するアミド基と1,1'
メチレン−ビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)ポ
リアルキレングリコール共重合体中に存在するアミド基
との相互作用により、両者の親和性からポリビニルピロ
リドンが析出がし難くなる。また、ポリビニルピロリド
ンは塗膜レベリング性を持っており、ゲル状の層中にポ
リビニルピロリドンが均一に存在することにより、ゲル
状の層はペン先により均一に存在することとなり、溶剤
の蒸発をより効果的に防止することができる。
【0015】
【実施例】次に、実施例、比較例により本発明を更に詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制
約されるものではない。なお、各実施例、比較例におけ
る配合量は重量部である。インキの評価テストは、内径
1.7mmのポリプロピレンチューブ、ステンレスチッ
プ(ボールは、超硬合金で、直径0.7mmである)を
有するボールペンリフィルに実施例、比較例で得られた
インキを充填し、下記の試験を行った。
【0016】初筆性:25℃65±5%の恒温室にて、
荷重150g、筆記速度7cm/sec、筆記角度70
°で直線を30cm筆記し、書きはじめにおける描線の
カスレ長さを測定した。条件は下記の通りである。 初期テスト:インキを充填直後に筆記した 加熱促進テスト:温度50℃、湿度30%の恒温槽に1
80日放置後筆記した。 多湿促進テスト:温度60℃、湿度80%の恒温槽に1
80日放置後筆記した。
【0017】 実施例1 Special Black4〔カーボンブラック、デグサジャパン(株)製〕 25 部 ソルスパース20000〔アビシア(株)製〕 10部 ベンジルアルコール 43部 ケトン樹脂 15部 ポリビニルピロリドン 2部 ポリオールプレポリマー−2〔1,1'メチレン−ビス(4−イソシアナトシク ロヘキサン)ポリアルキレングリコール共重合体、ベルテックファーマシューテ ィカル(株)製〕 5部 上記成分中、カーボンブラック、ポリビニルブチラール
及びベンジルアルコールをサンドミルにて1時間分散
後、残りの各成分を混合攪拌し、70℃にて加圧濾過し
て黒色油性インキを調製した。
【0018】 実施例2 C.I.ソルベントレッド49 22 部 C.I.ソルベントイエロー21 6 部 ベンジルアルコール 30部 フェニルグリコール 14部 ケトン樹脂 18部 ポリオールプレポリマー−14〔1,1'メチレン−ビス(4−イソシアナトシ クロヘキサン)ポリアルキレングリコール共重合体、ベルテックファーマシュー ティカル(株)製〕 10部 上記成分を加熱撹拌(80℃、5時間)し、赤色油性イ
ンキを調製した。
【0019】 実施例3 FUJI AS BLUE 650(冨士色素(株)製) 30部 ベンジルアルコール 30部 プロピレングリコールモノブチルエーテル 26部 ケトン樹脂 10部 ポリビニルピロリドン 1.5部 ポリオールプレポリマー−15〔1,1'メチレン−ビス(4−イソシアナトシ クロヘキサン)ポリアルキレングリコール共重合体、ベルテックファーマシュー ティカル(株)製〕 2 .5部 上記成分を加熱撹拌(90℃、5時間)し、青色油性イ
ンキを調製した。
【0020】比較例1 実施例1において、ポリオールプレポリマー−2とポリ
ビニルピロリドンを除き、その量だけベンジルアルコー
ルを加えた以外は実施例1と同様にして油性インキを調
製した。
【0021】比較例2 実施例2においてポリオールプレポリマー−14を除
き、その量だけポリエチレングリコールを加えた以外は
実施例2と同様にして油性インキを調製した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明のボールペン用インキ組成物は、
ボールペンをキャップなしで放置しても、書き出しがス
ムースでカスレを生じない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤と有機溶剤と樹脂と1,1'メチ
    レン−ビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)ポリア
    ルキレングリコール共重合体とから少なくともなるボー
    ルペン用油性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 樹脂がポリビニルピロリドンである請求
    項1記載のボールペン用油性インキ組成物。
JP2002157891A 2002-05-30 2002-05-30 ボールペン用油性インキ組成物 Pending JP2003342512A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010031189A (ja) * 2008-07-31 2010-02-12 Pentel Corp 鉛筆芯

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