JP2003342450A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2003342450A
JP2003342450A JP2002154660A JP2002154660A JP2003342450A JP 2003342450 A JP2003342450 A JP 2003342450A JP 2002154660 A JP2002154660 A JP 2002154660A JP 2002154660 A JP2002154660 A JP 2002154660A JP 2003342450 A JP2003342450 A JP 2003342450A
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Japan
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epoxy resin
resin composition
zinc molybdate
semiconductor
ester compound
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JP2002154660A
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Haruhiko Maeda
治彦 前田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン系難燃剤、及びアンチモン化合物を
含まず、成形性、及び難燃性、高温保管特性、及び耐半
田クラック性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物
を提供すること。 【解決手段】 エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂
(B)、硬化促進剤(C)、無機充填材(D)、モリブ
デン酸亜鉛(E)、及びリン酸エステル化合物(F)を
必須成分とし、無機充填材(D)の一部をモリブデン酸
亜鉛(E)で被覆することを特徴とし、半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン系難燃
剤、アンチモン化合物を含まず、難燃性、高温保管特性
に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び半導体
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイオード、トランジスタ、集積
回路等の電子部品は、主にエポキシ樹脂組成物で封止さ
れている。これらのエポキシ樹脂組成物中には、難燃性
を付与するために、通常、ハロゲン系難燃剤、及びアン
チモン化合物が配合されている。ところが、環境・衛生
の点からハロゲン系難燃剤、及びアンチモン化合物を使
用しないで、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物の開発
が要求されている。また、ハロゲン系難燃剤及びアンチ
モン化合物を含むエポキシ樹脂組成物で封止された半導
体装置を高温下で保管した場合、これらの難燃剤成分か
ら熱分解したハロゲン化物が遊離し、半導体素子の接合
部を腐食し、半導体装置の信頼性を損なうことが知られ
ており、この観点からも難燃剤としてハロゲン系難燃剤
とアンチモン化合物を使用せずに難燃グレードがUL−
94のV−0を達成できるエポキシ樹脂組成物が要求さ
れている。これらの要求に対して、従来、難燃剤として
モリブデン酸亜鉛を添加する方法(特開平9−1654
40号公報)が提案されており、比較的多量に添加する
ことによって難燃性を維持し、高温保管特性を向上させ
ることができるが、添加量が多いため成形性、耐半田ク
ラック性が低下するという問題があった。また、難燃剤
としてリン酸エステル化合物が提案されており、前記の
モリブデン酸亜鉛と同様に比較的多量に添加することに
よって難燃グレードV−0を達成できるが、添加量が多
いため耐湿信頼性、耐半田クラック性が低下するという
問題があった。これらの状況より、難燃性を維持し、流
動性や硬化性等のバランスのとれた成形性、高温保管特
性及び耐半田クラック性に優れ、ハロゲン系難燃剤、及
びアンチモン化合物を使用しないエポキシ樹脂組成物が
求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハロゲン系
難燃剤、及びアンチモン化合物を含まず成形性、難燃
性、高温保管特性、及び耐半田クラック性に優れた半導
体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体
素子を封止してなる半導体装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、[1]エポキ
シ樹脂(A)、フェノール樹脂(B)、硬化促進剤
(C)、無機充填材(D)、モリブデン酸亜鉛(E)、
及びリン酸エステル化合物(F)を必須成分とし、無機
充填材(D)の一部をモリブデン酸亜鉛(E)で被覆す
ることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[2]モリブデン酸亜鉛(E)で被覆される一部の無機
充填材(D)が、溶融球状シリカ、タルク、又は酸化亜
鉛である第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組
成物、[3]リン酸エステル化合物(F)が一般式
(1)で示される構造を分子中に有する化合物である第
[1]、又は[2]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物、
【0005】
【化2】 (式中、Rは有機基を示し、互いに同一もしくは異なっ
ていてもよい。)
【0006】[4]一般式(1)で示されるリン酸エス
テル化合物(F)のRが置換又は無置換のアリール基を
有する第[3]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物、[5]第[1]〜[4]項のいずれかに記載の半導
体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止
してなることを特徴とする半導体装置、である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いるエポキシ樹脂
(A)としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有す
るモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を言い、その分
子量、分子構造を特に限定するものではないが、例え
ば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポ
キシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキ
ル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ナフトー
ル型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジ
シクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フ
ェノールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、
ビフェニレン骨格等を有する)等が挙げられ、これらは
単独でも混合して用いても差し支えない。これらのエポ
キシ樹脂の中では、溶融時低粘度を示す一般式(2)の
結晶性エポキシ樹脂がフィラー高充填化による低吸湿
化、難燃化が容易となり好ましい。また、一般式(3)
〜(6)で示されるエポキシ樹脂は樹脂骨格が疎水性を
示すので硬化物が低吸湿性を示すと共に、硬化物の架橋
点間距離が長くなるため半田リフロー温度での弾性率が
低い特長を有し、このため発生する応力が低く密着性に
も優れるため、耐半田リフロー性が良好であり好まし
い。特に一般式(3)〜(5)のエポキシ樹脂は樹脂骨
格に占める芳香族環含有率が高いために、樹脂そのもの
の難燃性も高く、難燃剤の配合量を低く抑えることがで
きるという特長を有する。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】
【化7】
【0013】本発明に用いるフェノール樹脂(B)とし
ては、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する
モノマー、オリゴマー、ポリマー全般を言い、その分子
量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、
フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹
脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペ
ン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、
フェノールアラルキル樹脂やナフトールアラルキル樹脂
(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)等が
挙げられ、これらは単独でも混合して用いても差し支え
ない。特に一般式(7)〜(9)で示されるフェノール
樹脂は、樹脂骨格が疎水性を示すので硬化物が低吸湿性
を示すと共に、硬化物の架橋点間距離が長くなるため半
田リフロー温度での弾性率が低い特長を有し、このため
発生する応力が低く密着性にも優れるため、耐半田リフ
ロー性が良好であり好ましい。またこれらのフェノール
樹脂は樹脂骨格に占める芳香族環含有率が高いために、
樹脂そのものの難燃性も高く、難燃剤の配合量を低く抑
えることができるという特長も有する。
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】
【化10】
【0017】これらの配合量としては、全エポキシ樹脂
(A)のエポキシ基数と全フェノール樹脂(B)のフェ
ノール性水酸基数の比は0.8〜1.3が好ましい。
【0018】本発明に用いる硬化促進剤(C)として
は、エポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促
進させるものであればよく、一般に封止材料に使用する
ものを使用することができる。例えば、1,8−ジアザ
ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニル
ホスフィン、2−メチルイミダゾール、テトラフェニル
ホスホニウム・テトラフェニルボレート等が挙げられ、
これらは単独でも混合して用いても差し支えない。
【0019】本発明に用いる無機充填材(D)として
は、一般に封止材料に使用されているものを使用するこ
とができる。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、タル
ク、アルミナ、窒化珪素等が挙げられ、これらは単独で
も混合して用いても差し支えない。特に、熱膨張係数の
観点より溶融シリカが好ましい。無機充填材(D)の含
有量としては、全エポキシ樹脂組成物中に50〜90重
量%が好ましく、更に好ましくは60〜88重量%であ
る。下限値を下回ると吸水率の上昇に伴い耐半田クラッ
ク性が低下し、上限値を越えるとワイヤースィープ及び
パッドシフト等の成形上の問題が生じるので好ましくな
い。また無機充填材の形状は流動性、金型摩耗性の点よ
り球状が好ましい。
【0020】本発明に用いるモリブデン酸亜鉛(E)
は、難燃剤として作用する。モリブデン酸亜鉛の難燃機
構としては、燃焼時にモリブデン酸亜鉛が、硬化した樹
脂成分の炭化を促進するものであり、空気中の酸素との
遮断が起こり、燃焼が止まり難燃化が達成されると考え
られる。また、モリブデン酸亜鉛を単独で用いて難燃性
を得ようとすると、配合量が多くならざるを得ず、硬化
性が低下する。また、モリブデン酸亜鉛は吸水し易い傾
向があるため、配合量が多くなると半導体装置の吸水率
が高くなり、耐半田クラック性が低下するおそれがあ
る。従って本発明では、コア材として無機系物質、例え
ば、遷移金属化合物、シリカ、アルミナクレー、タル
ク、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、窒化アルミニウム、窒
化珪素、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等を用
い、このコア材をモリブデン酸亜鉛で被覆したものを使
用するものである。コア材としては、特に、溶融球状シ
リカ、タルク、酸化亜鉛が取り扱い易さ、コストの点か
ら好ましい。コア材をモリブデン酸亜鉛(E)で被覆す
ることによって、難燃性向上に寄与するモリブデン酸亜
鉛の比率が増加することになり、モリブデン酸亜鉛を多
量に配合せずに済むので、吸水率の上昇を抑え、成形性
も改良することができる。モリブデン酸亜鉛(E)の被
覆量としては、被覆前のコア材100重量部当たり5〜
50重量部が好ましい。下限値を下回ると難燃性が十分
でなく、上限値を越えるとモリブデン酸亜鉛の添加量が
多くなるため吸水率が上昇する。コア材をモリブデン酸
亜鉛(E)で被覆したものの平均粒径としては、0.5
〜30μm、最大粒径としては75μm以下が流動性の
点で好ましい。本発明のコア材をモリブデン酸亜鉛
(E)で被覆したものは、例えば、以下のようにして得
られる。酸化モリブデンと、コア材とを水に混合してス
ラリーを作り、70℃に加熱し、このスラリーに酸化亜
鉛のスラリーをゆっくり混合し、1時間ほど攪拌する。
濾過して固形物を取り出し、110℃で水分を除去した
後、粉砕する。その後550℃で8時間焼成することに
より得られる。モリブデン酸亜鉛(E)の含有量として
は、全エポキシ樹脂組成物中に0.05〜5重量%が好
ましく、更に好ましくは0.1〜3重量%である。下限
値を下回ると難燃性が得られず、上限値を越えると硬化
性、耐半田クラック性が低下するので好ましくない。コ
ア材をモリブデン酸亜鉛(E)で被覆したもの、及び無
機充填材の合計量としては、成形性と耐半田クラック性
のバランスから、全エポキシ樹脂組成物中に60〜95
重量%が好ましい。下限値を下回ると、吸水率の上昇に
伴う耐半田クラック性が低下し、上限値を越えると、ワ
イヤースィープ及びパッドシフト等の成形性の問題が生
じ、好ましくない。
【0021】本発明に用いるリン酸エステル化合物
(F)は、一般式(10)で示される構造であるが、一
般式(1)で示される構造を有することが好ましい。ま
た、一般式(1)でRは互いに同一もしくは異なる有機
基を示すが、耐熱性、耐湿性の点からRとしては置換ま
たは無置換のアリール基であることがより好ましい。
【化11】 (式中、XはHあるいは有機基を示し、互いに同一もし
くは異なっていてもよいが、少なくとも1つは有機基で
ある。)
【0022】その難燃作用は化合物中のリンによる炭化
促進、即ちエポキシ樹脂組成物の硬化物の表面に不燃性
の炭化層を形成することにより、硬化物表面の保護及び
酸素を遮断することにより、高い難燃性を付与するもの
と推定される。一般式(1)式で示されるリン酸エステ
ル化合物(F)の具体例としては、トリフェニルホスフ
ェート、トリキシレニルホスフェート、トリクレジニル
ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、レゾ
ルシノールビスジフェニルホスフェート、ビスフェノー
ルAビスジフェニルホスフェート等が挙げられる。本発
明に用いるリン酸エステル化合物(F)は、一般式(1
1)で示される複数のリン酸エステル化合物が二価の有
機基を介して結合した形態の化合物も好ましい。リン酸
エステル化合物同士を結合する二価の有機基としては、
ハイドロキノン、4,4’−ビフェノール、ビスフェノ
ールA等の二官能フェノール化合物から2個の水素原子
を除いた基等が好ましい。リン酸エステル化合物は同一
でも異なっていても良い。
【0023】
【化12】
【0024】本発明のリン酸エステル化合物(F)の配
合量は、全エポキシ樹脂組成物中に0.01〜10重量
%が好ましく、更に好ましくは0.1〜5重量%であ
る。下限値を下回ると難燃性が低下し、上限値を越える
と硬化性、耐熱性及び耐湿信頼性が低下し、吸湿率が増
加するので好ましくない。これらのリン酸エステル化合
物は、単独でも混合して用いてもよい。
【0025】リン酸エステル化合物やモリブデン酸亜鉛
は、各々単独でも難燃性を付与する性質があるが、十分
な難燃性を発現させるには、相当量の配合量が必要とな
る。しかし多量に配合すると、流動性や硬化性等の成形
性、及び強度の低下、吸水率の増加を引き起こす傾向に
あり、耐半田クラック性が低下する。これらの諸物性の
低下を防ぐためにも、配合量は極力少なくする必要があ
る。本発明者は、リン酸エステル化合物(F)とモリブ
デン酸亜鉛(E)とを併用することにより、その相乗効
果として更に難燃性が向上し、配合量を低減できること
を見いだした。リン酸エステル化合物と、モリブデン酸
亜鉛を併用すると、燃焼時の吸熱作用に加え、炭化保護
層を形成することによって、樹脂成分の分解を大きく抑
制できるものと考えられる。その相乗効果として、配合
量を少なくしても難燃性を維持し、流動性や硬化性等の
成形性、及び強度の低下、吸水率の増加等を防ぐことが
できる。
【0026】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(F)成分を必須成分とするが、これ以外に必要に応じ
てシランカップリング剤、カーボンブラック等の着色
剤、天然ワックス、合成ワックス等の離型剤、及びシリ
コーンオイル、ゴム等の低応力添加剤等、種々の添加剤
を適宜配合しても差し支えない。耐湿信頼性が要求され
る場合には、イオン捕捉剤を配合することが望ましい。
イオン捕捉剤としては、タイドロタルサイト系化合物
や、酸化ビスマス水和物等の無機イオン交換体が挙げら
れる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(F)
成分、及びその他の添加剤等をミキサー等用いて充分に
均一に混合した後、更に熱ロール又はニーダー等で溶融
混練して、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ
樹脂組成物を用いて、半導体素子等の各種の電子部品を
封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモ
ールド、コンプレッションモールド、インジェクション
モールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよ
い。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。配合割合は重量部とす
る。なお、実施例、及び比較例で用いたエポキシ樹脂、
フェノール樹脂、リン酸エステル化合物、難燃剤につい
て、以下にまとめて示す。 エポキシ樹脂(E−1):式(E−1)で示される構造
を主成分とするエポキシ樹脂(融点105℃、エポキシ
当量190)
【化13】
【0028】エポキシ樹脂(E−2):式(E−2)で
示されるエポキシ樹脂(軟化点60℃、エポキシ当量2
60)
【化14】
【0029】フェノール樹脂(H−1):式(H−1)
で示されるフェノール樹脂(軟化点53℃、水酸基当量
165)
【化15】
【0030】フェノール樹脂(H−2):式(H−2)
で示されるフェノール樹脂(軟化点81℃、水酸基当量
105)
【化16】
【0031】リン酸エステル化合物(P−A):式(P
−A)で示されるリン酸エステル化合物。
【化17】
【0032】リン酸エステル化合物(P−B):式(P
−B)で示されるリン酸エステル化合物。
【化18】
【0033】リン酸エステル化合物(P−C):式(P
−C)で示されるリン酸エステル化合物。
【化19】
【0034】リン酸エステル化合物(P−D):式(P
−D)で示されるリン酸エステル化合物。
【化20】
【0035】難燃剤A:平均粒径18μmの溶融球状シ
リカ8重量部当たり、モリブデン酸亜鉛2重量部を水に
混合してスラリーを作り、70℃に加熱し、このスラリ
ーに酸化亜鉛のスラリーをゆっくり混合し、1時間攪拌
した。濾過により固形物を取り出し、110℃で水分を
除去した後、粉砕した。その後550℃で8時間焼成し
て難燃剤Aを得た。平均粒径24μm、最大粒径74μ
m。 難燃剤B:酸化亜鉛7重量部当たり、モリブデン酸亜鉛
3重量部を用いた他は、難燃剤Aと同様にして難燃剤B
を得た。難燃剤Bの平均粒径0.65μm、最大粒径1
0μm) 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂:大日本インキ
社製エピクロン152S、エポキシ当量365。 実施例1 エポキシ樹脂(E−1) 78重量部 フェノール樹脂(H−1) 67重量部 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという ) 2重量部 溶融球状シリカ(平均粒径18μm) 800重量部 水酸化アルミニウム(平均粒径10μm) 20重量部 難燃剤A 20重量部 エポキシシランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ ン) 5重量部 カーボンブラック 3重量部 カルナバワックス 5重量部 を常温でスーパーミキサーを用いて混合し、70〜10
0℃でロール混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成
物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を以下の方法で
評価した。結果を表1に示す。
【0036】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用金型を用いて、金型温度175℃、圧
力6.9MPa、硬化時間120秒で測定した。 硬化性:(株)オリエンテック・製、JSRキュラスト
メーターIVPSを用いて、ダイスの直径35mm、振
幅角1°、成形温度175℃における5分後のトルクに
対し、90%のトルクに達するまでの時間を硬化性の指
標とした。すなわち、90%に達する時間が遅いほど硬
化が悪いことになる。単位は秒。 難燃性:低圧トランスファー成形機を用いて、成形温度
175℃、圧力6.9MPa、硬化時間120秒で試験
片(127mm×12.7mm×3.2mm)を成形
し、アフターベークとして175℃、8時間加熱処理し
た後、UL−94垂直法に準じてΣF、Fmaxを測定
し、難燃性の判定をした。 熱時強度:低圧トランスファー成形機を用いて、成形温
度175℃、圧力6.9MPa、硬化時間120秒で試
験片(80mm×10mm×4mm)を成形し、アフタ
ーベークとして175℃、8時間加熱処理した後、24
0℃での曲げ強度をJIS K 6911に準じて測定
した。単位はN/mm2。 吸水率:低圧トランスファー成形機を用いて、成形温度
175℃、圧力6.9MPa、硬化時間120秒で円板
(直径50mm、厚さ3mm)を成形し、アフターベー
クとして175℃、8時間加熱処理した後、150℃で
16時間乾燥処理を行い、85℃、相対湿度85%で1
68時間加湿処理を行ったものについて、初期重量に対
する増加重量の百分率を求めた。単位は重量%。
【0037】耐半田クラック性:低圧トランスファー成
形機を用いて、成形温度175℃、圧力6.9MPa、
硬化時間120秒で、80pQFP(厚さ2mm、チッ
プサイズ9.0mm×9.0mm)を成形し、アフター
ベークとして175℃、8時間処理した後、85℃、相
対湿度85%で96時間の加湿処理を行い、IRリフロ
ー処理(240℃、10秒)を行った。超音波探傷機を
用いて、パッケージ内部の剥離、クラック等の不良を観
察した。6個のパッケージ中の不良パッケージ数を示し
た。 高温保管特性:低圧トランスファー成形機を用いて、成
形温度175℃、圧力6.9MPa、硬化時間120秒
で16pDIP(チップサイズ3.0mm×3.5m
m)を成形し、アフターベークとして175℃、8時間
加熱処理した後、高温保管試験(185℃、1000時
間)を行い、配線間の電気抵抗値が初期値に対し20%
増加したパッケージを不良と判定した。15個のパッケ
ージ中の不良率を百分率で示す。単位は%。 実施例2〜9、比較例1〜6 表1の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂
組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
1に示す。比較例1では、コア材を用いずに、モリブデ
ン酸亜鉛を単体で使用した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明に従うと、ハロゲン系難燃剤、及
びアンチモン化合物を含まず、流動性や硬化性等の成形
性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得られ、
これを用いた半導体装置は難燃性、高温保管特性、及び
耐半田クラック性に優れる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31 Fターム(参考) 4J002 CC04X CC05X CC07X CD03W CD05W CD06W CD07W CE00X DE147 DJ007 DJ017 DJ047 EU096 EU116 EW016 EW048 EY016 FB077 FD017 FD020 FD090 FD138 FD156 FD160 GQ05 4J036 AA01 AD04 AD07 AE07 DA02 DA05 DC41 DC46 DD07 FA03 FA04 FA05 FA12 FB06 FB07 GA23 JA07 4M109 AA01 CA21 EB12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂
    (B)、硬化促進剤(C)、無機充填材(D)、モリブ
    デン酸亜鉛(E)、及びリン酸エステル化合物(F)を
    必須成分とし、無機充填材(D)の一部をモリブデン酸
    亜鉛(E)で被覆することを特徴とする半導体封止用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 モリブデン酸亜鉛(E)で被覆される一
    部の無機充填材(D)が、シリカ、タルク、又は酸化亜
    鉛である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 リン酸エステル化合物(F)が一般式
    (1)で示される構造を分子中に有する化合物である請
    求項1、又は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。 【化1】 (式中、Rは有機基を示し、互いに同一もしくは異なっ
    ていてもよい。)
  4. 【請求項4】 一般式(1)で示されるリン酸エステル
    化合物(F)のRが置換又は無置換のアリール基を有す
    る請求項3記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載の半導体封
    止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止して
    なることを特徴とする半導体装置。
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