JP2003342392A - ポリエステル系軟質フィルム - Google Patents

ポリエステル系軟質フィルム

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JP2003342392A
JP2003342392A JP2002157746A JP2002157746A JP2003342392A JP 2003342392 A JP2003342392 A JP 2003342392A JP 2002157746 A JP2002157746 A JP 2002157746A JP 2002157746 A JP2002157746 A JP 2002157746A JP 2003342392 A JP2003342392 A JP 2003342392A
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polyester
acid
ether glycol
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JP2002157746A
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Shigeo Uchiumi
滋夫 内海
Yoshio Meguro
義男 目黒
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Mitsubishi Polyester Film Corp
Original Assignee
Mitsubishi Polyester Film Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来困難と考えられてきた塩化ビニルフィルム
並の強度と伸びを示すポリエステル系フィルムを提供す
る。 【解決手段】50モル%以上がテレフタル酸またはナフ
タレンジカルボン酸であるジカルボン酸成分(A)及び
50モル%以上がエチレングリコールであるジオール成
分(B)から形成され、更に、共重合成分またはブレン
ド成分としてポリアルキレンエーテルグリコール成分
(C)を含有し、その割合が成分(A)〜(C)の合計
量に対する値として10重量%以上50重量%以下である
ポリエステル樹脂から成るフィルムであって、上記フィ
ルムの少なくとも1方向のヤング率(E)が0.1〜
2.0(GPa)及び伸び(S)が150〜400
(%)であるポリエステル系軟質フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル系軟質フ
ィルムに関し、詳しくは、主としてポリエステルから成
り、塩化ビニルフィルム並の強度と伸びを示すポリエス
テル系軟質フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塩化ビニル樹脂は、種々の分野に
おいて、可塑剤の問題、塩素含有の問題から、その代替
が求められている。しかしながら、軟質塩化ビニルフィ
ルムは他のフィルムの追随を許さない優れたフィルムで
あり、ポリエステル系での代替も種々試みられていた
が、その代替は極めて難しいと考えられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、従来困難と考え
られてきた塩化ビニルフィルム並の強度と伸びを示すポ
リエステル系フィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、ある特定の成分の組み合わせにより、上
記の目的を容易に達成し得るとの知見を得、本発明の完
成に到った。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、50モル%以
上がテレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸である
ジカルボン酸成分(A)及び50モル%以上がエチレン
グリコールであるジオール成分(B)から形成され、更
に、共重合成分またはブレンド成分としてポリアルキレ
ンエーテルグリコール成分(C)を含有し、その割合が
成分(A)〜(C)の合計量に対する値として10重量
%以上50重量%以下であるポリエステル樹脂から成るフ
ィルムであって、上記フィルムの少なくとも1方向のヤ
ング率(E)(GPa)及び伸び(S)(%)がそれぞ
れ次の(i)式および(ii)式を満足することを特徴と
するポリエステル系軟質フィルムに存する。
【0006】
【数2】0.1<E<2.0 ・・・(i) 150<S<400 ・・・(ii)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル系軟質フィルム(単に「フィル
ム」と略記する)は、50モル%以上がテレフタル酸ま
たはナフタレンジカルボン酸であるジカルボン酸成分
(A)及び50モル%以上がエチレングリコールである
ジオール成分(B)から形成され、更に、共重合成分ま
たはブレンド成分としてポリアルキレンエーテルグリコ
ール成分(C)を含有するポリエステル樹脂から成る。
【0008】すなわち、本発明で使用するポリエステル
樹脂において、ポリアルキレンエーテルグリコール成分
(C)は、後述する高濃度で含有されていることが重要
であり、共重合成分またはブレンド成分の何れの形で含
有されていてもよい。本発明の好ましい態様において
は、ポリアルキレンエーテルグリコール成分(C)が共
重合成分の形で含有されている共重合ポリエステルが好
ましい。従って、以下の説明は主として共重合ポリエス
テルに基づいて行なう。
【0009】ジカルボン酸成分(A)としては、テレフ
タル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、ジフュニルエーテルジカルボ
ン酸などの一種または二種以上が挙げられる。本発明に
おいて、(A)成分中の50モル%以上は、テレフタル
酸またはナフタレンジカルボン酸とされるが、テレフタ
ル酸であることが好ましい。
【0010】ジオール成分(B)としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ジェチレングリコール、ポリアルキレングリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペン
チルグリコール等の脂肪族ジオール及び/又は脂環式ジ
オールの一種または二種以上が挙げられる。本発明にお
いて、(B)成分中の50モル%以上はエチレングリコ
ールとされる。
【0011】本発明において、ポリエステル樹脂中に
は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、更に、
例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、2,2
−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロ
パン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(4−βーヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸な
どの芳香族ジオール、グリコール酸、p−ヒドロキシ安
息香酸、p−βーヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒ
ドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリ
ン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、安
息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸など
の単官能成分、トリカルバリル酸、ヘキサントリカルボ
ン酸、トリメリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカル
ボン酸、1,2,6−ヘキサントリオール、没食子酸、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリ
セロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペ
ンタエリスリトール、ポリグリセロール等の3官能以上
の多官能成分が含まれていてもよい。
【0012】ポリアルキレンエーテルグリコール成分
(C)としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリトリメチレンエーテルグ
リコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポ
リヘキサメチレンエーテルグリコール、エチレンオキサ
イドとプロピレンオキサイドのブロック又はランダム共
重合体などが挙げられる。これらは2種以上組み合わせ
て使用することも出来る。これらの中では、ポリエチレ
ングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール
が好ましく、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが
特に好ましい。
【0013】また、ポリアルキレンエーテルグリコール
成分(C)の数平均分子量は、通常300〜10000
0、好ましくは400〜3000、更に好ましくは50
0〜1500である。数平均分子量が300未満の場合
は、フィルムの耐熱性が劣ったり、低分子量物が析出し
たりし、数平均分子量が10000を超える場合は、フ
ィルムの透明性が劣る。分子量の異なるポリアルキレン
エーテルグリコール成分(C)を複数併用する場合は、
数平均分子量の平均値が上記の範囲であればよい。な
お、上記の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー等の一般的な方法により測定することが
出来る。
【0014】ポリアルキレンエーテルグリコール成分
(C)は、ポリエステル樹脂中に10重量%以上50重
量%以下(成分(A)〜(C)の合計量に対する値)含
まれていなければならない。ポリアルキレンエーテルグ
リコール成分(C)の含有量が10重量%未満の場合は
フィルムの柔軟性が劣り、50重量%を超える場合はフ
ィルム化自体が困難である。ポリアルキレンエーテルグ
リコール成分(C)の含有量は、好ましくは15重量%
以上40重量%以下、更に好ましくは20重量%以上3
5重量%以下である。
【0015】上記のポリエステル樹脂は、ポリエステル
樹脂の慣用の製造方法(直接重合法、エステル交換法な
ど)に従い、回分式または連続式に製造される。ポリア
ルキレンエーテルグリコール成分(C)及びテレフタル
酸およびエチレングリコール以外の任意成分は、重縮合
反応過程の任意の段階で添加することが出来る。
【0016】また、上記のポリエステル樹脂は、予め、
ジカルボン酸成分(A)及びジオール成分(B)から成
る低重合度のオリゴマーを製造し、当該オリゴマーとポ
リアルキレンエーテルグリコール成分(C)とを重縮合
することにより得ることも出来る。
【0017】重縮合反応により得られた樹脂は、通常、
重縮合反応槽の底部に設けられた抜き出し口からストラ
ンド状に抜き出され、水冷しながら又は水冷後にカッタ
ーで切断されてペレット状とされる。更に、この重縮合
後のペレットを加熱処理して固相重縮合させることによ
り、更に高重合化度させ得ると共に、反応副生物のアセ
トアルデヒドや低分子オリゴマー等を低減化することも
出来る。
【0018】上記の製造方法において、エステル化反応
は、必要に応じ、例えば、三酸化二アンチモンの他、ア
ンチモン、チタン、マグネシウム、カルシウム等の有機
酸塩や有機金属化合物などのエステル化触媒の存在下に
行なうことが出来る。また、エステル交換反応は、必要
に応じ、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、カルシウム、マンガン、チタン、亜鉛など
の有機酸塩や有機金属化合物などのエステル交換触媒の
存在下に行なうことが出来る。
【0019】また、重縮合反応は、例えば、正燐酸、亜
燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸、これらのエステルや有機酸
塩などの燐化合物の存在下、および、例えば、三酸化二
アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム
等の金属酸化物、或いは、アンチモン、ゲルマニウム、
亜鉛、チタン、コバルト等の有機酸塩や有機金属化合物
などの重縮合触媒の存在下に行なうことが出来る。特に
重縮合触媒としては、テトラブトキシチタネート、三酸
化アンチモン、二酸化ゲルマニウムから選択される1種
以上が好適に使用される。更には、重縮合過程での消泡
を促進するため、シリコーンオイル等の消泡剤を添加す
ることが好ましい。
【0020】以上、ポリアルキレンエーテルグリコール
成分(C)が共重合成分の形で含有されている共重合ポ
リエステルについて説明したが、ポリアルキレンエーテ
ルグリコール成分(C)がブレンド成分の形で含有され
ているポリエステルの場合のポリアルキレンエーテルグ
リコール成分(C)のブレンドは、溶融押出機を使用し
て溶融混錬する方法によって行なうことが出来る。
【0021】上記のポリエステル樹脂の固有粘度(フェ
ノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比
=1/1)の混合溶媒中30℃で測定した値)は、通常
0.4以上1.5dl/g以下、好ましくは0.5以上
1.2dl/g以下、更に好ましくは0.6以上1.0
dl/g以下である。固有粘度が0.4dl/g未満の
場合はフィルムの強度が劣り、1.5dl/gを超える
場合はの製膜が困難となる傾向がある。
【0022】上記のポリエステル樹脂には、延伸フィル
ムとした際、耐ブロッキング性、易滑性などを付与する
ため、無機または有機粒子を含有させるのが好ましい。
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、燐酸カルシウ
ム、弗化カルシウム、カーボンブラックの他、ポリエス
テル重合時のアルカリ金属、アルカリ土類金属、燐化合
物の触媒に起因する析出物が挙げられる。また、有機粒
子としては、例えば、各種架橋ポリマー等が挙げられ
る。
【0023】粒子の平均粒子径は、通常0.001μm
以上10μm以下、好ましくは0.005μm以上4μ
m以下、更に好ましくは0.01μm以上3μm以下で
ある。粒子の粒子径は、例えば、レーザー回折法、動的
光散乱法などの電磁波散乱法、遠心沈降法などの光透過
法で測定される。なお、平均粒子径とは、上記の方法で
測定した50%体積平均粒子径(d50)である。
【0024】粒子の添加は、通常、樹脂の重縮合過程で
行なわれるが、触媒に起因する析出物以外の粒子は、樹
脂の成形過程で添加してもよい。粒子の含有量は、フィ
ルムに対し、通常0.005重量%以上10重量%以
下、好ましくは0.01重量%以上1.0重量%以下、
更に好ましくは0.02重量%以上0.5重量%以下で
ある。
【0025】また、本発明で使用するポリエステル樹脂
は、本発明の効果を損なわない範囲で各種の添加材を含
有していてもよい。
【0026】上記の添加材としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、これらの無水マレイン酸変性物、アイオ
ノマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂などの他の
熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーの他、ポリエステ
ル樹脂に共重合されないポリアルキレンエーテルグリコ
ール等が挙げられる。
【0027】更に、上記の添加材としては、ヒンダード
フェノール系、亜燐酸エステル系、チオエーテル系など
の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、ベンゾエート系、ヒンダードアミン系、シアノアク
リレート系などの光安定剤、無機系および有機系の結晶
核剤、分子量調整剤、耐加水分解剤、帯電防止剤、滑
剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、発泡剤、着色
剤、分散助剤などの添加剤、ガラス繊維、カーボンファ
イバー、マイカ、チタン酸カリファイバー等の強化材が
挙げられる。
【0028】上記の添加材は、樹脂の重縮合過程で添加
してもよいが、樹脂の成形過程で添加してもよい。
【0029】本発明のフィルムは、少なくとも1方向の
ヤング率(E)(GPa)及び伸び(S)(%)がそれ
ぞれ次の(i)式および(ii)式を満足することを特徴
とする。
【0030】
【数3】0.1<E<2.0 ・・・(i) 150<S<400 ・・・(ii)
【0031】上記のヤング率(E)は、好ましくは0.
1Gpa以上1.5Gpa以下、更に好ましくは0.2
Gpa以上1.0GPa以下である。また、フィルムの
全方向におけるヤング率が上記の範囲であることが好ま
しい。ヤング率(E)が0.1Gpa未満の場合はフィ
ルム自体の成形が困難となり、1.5Gpaを超える場
合はフィルムの柔軟性が劣る。
【0032】上記の伸び(S)は、好ましくは200%
以上400%以下、更に好ましくは250%以上350
%以下である。また、フィルムの全方向における伸び
(S)が上記の範囲であることが好ましい。伸び(S)
が150%未満の場合は、フィルムの柔軟性が劣り、4
00%を超える場合は柔らか過ぎてフィルムとしての機
能が損なわれる。
【0033】本発明のフィルムの厚さは、特に制限され
ないが、通常1μm以上500μm以下である。また、
本発明のフィルムの100℃で30分処理後における熱
収縮率は10.0%以下であることが好ましい。
【0034】次に、本発明のフィルムの製造方法につい
て説明する。先ず、原料ポリエステルチップを必要に応
じて乾燥した後、押出機により200〜300℃の温度
で溶融押出した後、キャスティングドラム上に急冷して
未延伸シートを得る。ポリエステルチップの乾燥には、
ホッパードライヤー、パドルドライヤー、真空乾燥機な
どを使用することも出来るが、斯かる乾燥を行なわず
に、TSX等のベント付き押出機を使用することが好ま
しい。押出に際してはTダイ法が好適である。また、キ
ャスティングに際しては、いわゆる静電密着法を使用す
ることにより、厚さむらの少ないシートを得ることが出
来る。
【0035】次いで、得られた未延伸シートを、引き続
く延伸工程において(Tgmin−10℃)以上(Tcmax
−5℃)以下の温度範囲で少なくトも縦および/または
横共に2.0倍以上延伸する。ここに、「Tgmin」
は、原料ポリエステルのTgの最小値、「Tcmax」
は、原料ポリエステルのTcの最大値を表す。但し、T
gを示さないポリエステルについては、結晶性を有する
含有量での値を外挿することによって求めた値とする。
【0036】次いで、得られた一軸または二軸延伸フィ
ルムを、引き続く熱固定工程において150℃〜240
℃の温度で熱固定する。熱固定は、一般的には緊張固定
下で行なわれるが、熱固定時および/または熱固定後の
冷却時にフィルムの長手方向および/または幅方向に2
0%以下弛緩を行ったり、または、巾出しを行なうこと
も出来る。
【0037】上記の延伸工程中または延伸前もしくは延
伸後、フィルムの片面または両面にコロナ放電処理、薬
液処理、火炎処理などの各種表面処理を施し、フィルム
の接着性などを向上させることも出来る。更には、上記
の延伸工程中または延伸前もしくは延伸後、フィルムの
片面または両面に塗布を行ない、フィルムの接着性、帯
電防止性、易滑性などを向上させることも可能である。
【0038】上記の様にして得られたフィルムは巻き取
られて各種用途に供される。すなわち、医療用途、ダイ
シングテープ等の工業用途、表示用途など種々の用途に
使用される。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、評価方法およ
び原料ポリエステルの製造方法は以下の通りである。ま
た、「部」とあるのは「重量部」を示す。
【0040】(1)極限粘度[η]:ポリマー1gをフ
ェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)
の混合溶媒100ml中に溶解し30℃で測定する。
【0041】(2)ヤング率(E):(株)インテスコ
製「引張試験機インテスコモデル2001型」を使用
し、温度23℃、湿度50%RHに調節された長さ30
0mm、幅20mmの試料フィルムを、10%/minのひず
み速度で引っ張り、引張応力−ひずみ曲線の初めの直線
部分を使用して次の(iii)式により計算した。
【0042】
【数4】 E=(Δσ/Δε)×9.807・・・(iii) E:ヤング率(引張弾性率)(MPa) Δσ:直線上の2点間の元の平均断面積による応力差 Δε:同じ2点間のひずみ差
【0043】(3)伸び(S):(株)インテスコ製
「引張試験機インテスコモデル2001型」を使用し、
温度23℃、湿度50%RHに調節された長さ50mm、
幅15mmの試料フィルムを、200mm/minの速度で引
っ張り、引張応力−ひずみ曲線より、次の(iv)式に示
す値を求めた。
【0044】
【数5】S=(L−L。)/L。×100・・・(iv) S:伸び(引張破壊伸度)(%) L:破壊時の標点間距離(mm) L。:元の標点間距離(mm)
【0045】(4)融点(Tm)、二次転移温度(T
g)、結晶化温度(Tc):試料片10mgから、ティ
ー・エイ・インスツルメント株式会社製「MDSC29
20」を使用して常法により測定した。融点は(Tm)
は20℃から300℃の範囲を20℃/minの速度で昇
温し、融解吸熱ピークの頂点温度を融点(Tm)とし
た。二次転移温度(Tg)は20℃から290℃間で2
0℃/minの速度で昇温させ、290℃で3分間溶融保
持した後、20℃以下間で急冷し、次いで20℃から2
00℃の範囲を20℃/minの速度で再度昇温させた際
のガラス転移による変位温度を二次転移温度(Tg)と
した。更に、結晶化温度(Tc)は20℃から290℃
まで20℃/minの速度で昇温させ、290℃で3分間
溶融保持し後、20℃以下間で急冷し、次いで20℃か
ら200℃の範囲を20℃/minの速度で再度昇温させ
た際の結晶化ピークの頂点温度を結晶化温度(Tc)と
した。
【0046】実施例1 テレフタル酸30.3kg、エチレングリコール12.
2L、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均
分子量1000)15.0kgを原料とし、触媒および
助触媒として、テトラブトキシチタネートと正燐酸およ
び酢酸コバルトを使用し、平均粒径2.4μmの無定形
シリカ(富士シリシア社製「サイリシア320」)をポ
リエステルに対して0.15重量となる様に添加し、2
70℃、400Paでの直接重縮合法により共重合ポリ
エステル樹脂を得た。
【0047】重合槽より共重合ポリエステル樹脂をスト
ランド状に抜き出し、冷却後、ペレタイザーでカットす
ることによりペレット形状で回収した。得られた共重合
ポリエステル樹脂チップの固有粘度は0.79であっ
た。このチップを風乾して、ベント付き2軸押出し機
(TSX)に供給し、255℃で押出し、キャスティン
グドラム上で急冷し、未延伸樹脂シートを得た。
【0048】上記の未延伸樹脂シートを、ロール延伸機
により50℃で縦方向に3.5倍延伸した後、テンター
延伸機により70℃で横方向に3.6倍延伸し、引き続
き、テンター内にて200℃で熱固定し、25μmの2
軸延伸フィルムを得た。
【0049】得られたフィルムのヤング率(E)と伸び
(S)を測定したところ、それぞれ、0.5Gpaおよ
び300%と極めて柔軟性に富んだフィルムであった。
常法で得られたポリエチレンテレフタレート単体のフィ
ルム(比較例1)と比較したところ、ヤング率は1/1
0、伸びは約2.3倍であり、これまでにない柔軟なポ
リエステル系フィルムであることが判明した。
【0050】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、塩化ビニ
ルフィルムに近い柔軟性を示すポリエステルフィルム系
フィルムが得られる。斯かる本発明のフィルムは、特
に、医療用、工業材料用途に好適に使用されることが期
待される。
フロントページの続き (72)発明者 目黒 義男 滋賀県坂田郡山東町井之口347番地 三菱 化学ポリエステルフィルム株式会社中央研 究所内 Fターム(参考) 4F071 AA44 AA76 AA88 AF20Y AF21Y AF26 AH04 BA01 BB06 BB07 BB08 BC01 4J029 AA03 AB07 AC02 AE03 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA10 BB09A BB13A BD07A BF09 BF19 BF25 BF28 CA02 CA03 CA04 CA06 CB04A CB06A CF08 DB02 DB13 EA03 EB05A EB06A FA02 FA06 FB02 FB07 FB11 FC03 FC04 FC05 FC08 FC12 FC36 FC43 JE182

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50モル%以上がテレフタル酸またはナ
    フタレンジカルボン酸であるジカルボン酸成分(A)及
    び50モル%以上がエチレングリコールであるジオール
    成分(B)から形成され、更に、共重合成分またはブレ
    ンド成分としてポリアルキレンエーテルグリコール成分
    (C)を含有し、その割合が成分(A)〜(C)の合計
    量に対する値として10重量%以上50重量%以下である
    ポリエステル樹脂から成るフィルムであって、上記フィ
    ルムの少なくとも1方向のヤング率(E)(GPa)及
    び伸び(S)(%)がそれぞれ次の(i)式および(i
    i)式を満足することを特徴とするポリエステル系軟質
    フィルム。 【数1】0.1<E<2.0 ・・・(i) 150<S<400 ・・・(ii)
  2. 【請求項2】 ポリアルキレンエーテルグリコール成分
    (C)が共重合成分として含有されている請求項1に記
    載のポリエステル系軟質フィルム。
  3. 【請求項3】 ポリアルキレンエーテルグリコール成分
    (C)が数平均分子量300〜100000のポリテト
    ラメチレンエーテルグリコールである請求項1に記載の
    ポリエステル系軟質フィルム。
JP2002157746A 2002-05-30 2002-05-30 ポリエステル系軟質フィルム Withdrawn JP2003342392A (ja)

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