JP2003342150A - エラスチン様作用剤及びこれを含む化粧料 - Google Patents

エラスチン様作用剤及びこれを含む化粧料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】動物エラスチンに類似した化学組成・構造と有
効性を具えると共に生体安全性にすぐれた植物由来のエ
ラスチン様作用剤、並びに該作用剤を含み皮膚の老化や
肌荒れの予防、改善に有効で安全性の高い化粧料を提供
すること。 【解決手段】アオサ科アオサ属に属する海藻のエキス及
びアブラナ科ブラシカ属に属する植物のエキスから選ば
れた1種又は2種以上を有効成分としてなるエラスチン
様作用剤、並びに該作用剤を含有する化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エラスチン様作用
剤及びこれを含む化粧料に関し、詳しくは真皮マトリッ
クス成分のエラスチンに類似した組成・構造からなる蛋
白質を含み、エラスチンと同様の皮膚老化防止作用並び
に美肌化作用を示す剤及びこれを含む化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚の老化は、加齢に伴う細胞増殖・分
化の不活性化、ホルモン分泌の低下などの内的要因と、
日光(紫外線)暴露により誘発される活性酸素に基づく
細胞・組織の損傷或いは炎症の発生などの外的要因が複
雑に絡み合って生ずる現象である。それらのうち内的要
因に基づく皮膚の老化は、真皮線維芽細胞の増殖能の低
下により、該細胞の産生するコラーゲン、エラスチン、
ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分の量が減少
して皮膚組織が柔軟性や弾力性を失うことや、表皮基底
細胞の不活性化により、皮膚表面の角質層のバリア機
能、皮脂分泌機能、水分保持機能等が低下することによ
って生じ、形態的・生理的変化としては、シワ、たるみ
の発生や肌のかさつき、肌荒れなどとして現れる。
【0003】この皮膚の老化を予防或いは改善し、皮膚
を若々しくハリのある状態に保持するため、従来より真
皮マトリックスの構成成分であるコラーゲンやエラスチ
ンなどの膠原線維や弾性線維を化粧料に配合し、それら
成分の減少を補うようにすることが行われており、それ
ら成分はまた水分保持機能をも併せ持つため、これによ
って皮膚の老化防止、肌荒れ改善に一定の効果が得られ
ている。
【0004】この化粧料配合用のコラーゲンやエラスチ
ンとしては、これまで牛や豚などの皮及び靱帯から抽
出、採取したものが主として用いられて来ているが、最
近人体に対する安全上の観点から、それらほ乳動物から
得られる原料を使用することの問題点が指摘されてお
り、ほ乳動物由来のコラーゲン、エラスチンに代替し得
る新たな、そして安全性のより高い化粧料配合原料が求
められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
如き従来技術の問題点に鑑み、真皮弾性線維、特にエラ
スチンに類似した皮膚老化防止作用及び保湿作用を有す
る成分を、安全性の高い植物に求めるべく、抗エラスチ
ン抗体を用いたELISA法により、種々の植物について、
動物エラスチンに組成、構造の似た蛋白質の探索を行っ
た結果、アオサ科アオサ属の海藻及びアブラナ科ブラシ
カ属の植物中に特異的にそのような蛋白質が存在し、し
かも該蛋白質が機能乃至生理活性の面でも動物エラスチ
ンと同様の特性を有することを見出し、本発明を完成し
た。
【課題を解決するための手段】
【0006】即ち、本発明は第一に、アオサ科アオサ属
に属する海藻のエキス及びアブラナ科ブラシカ属に属す
る植物のエキスから選ばれた1種又は2種以上を有効成
分としてなるエラスチン様作用剤に関するものである。
本発明は第二に、アオサ科アオサ属に属する海藻のエキ
ス及びアブラナ科ブラシカ属に属する植物のエキスから
選ばれた1種又は2種以上を有効成分としてなるエラス
チン様作用剤を含有する化粧料に関するものである。な
お本明細書に於いて、化粧料なる文言は、所謂化粧料の
ほかに医薬部外品をも含む意味で用いる。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のエラスチン様作用剤の調製に用いるアオサ科アオ
サ属の海藻としては、例えばアナアオサ(Ulva pertus
a)、ヤブレグサ(Ulva Japonica)、ナガアオサ(Ulva
arasaka)、リボンアオサ(Ulva fasciata)などが、
又アブラナ科ブラシカ属の植物としては、例えば白芥
(Brassica alba)の種子(白芥子)、黄芥(Brassica
juncea)の種子(黄芥子)、黒芥(Brassica nigra)の
種子(黒芥子)、アブラナ(Brassica ropa)など挙げ
られる。それらのうちでも、アオサ科アオサ属の海藻と
してはアナアオサが、又アブラナ科ブラシカ属の植物と
しては白芥子が、それぞれ顕著なエラスチン様作用を示
し最も好ましい。
【0008】本発明のエラスチン様作用剤で有効成分と
して用いるアオサ科アオサ属の海藻及びアブラナ科ブラ
シカ属の植物のエキスとしては、当該エキス中にエラス
チン様蛋白質を含むものであれば特に剤形、製法等に制
限はなく、例えばそれら海藻や植物をそのまま乾燥、粉
砕して微粉末状としたもの、或いは海藻や植物を適宜の
溶媒で抽出して抽出物の形としたものなど、任意の剤
形、製法のものが使用できるが、化粧料への配合性、取
り扱いの容易さ等の観点からは抽出物が最も好ましい。
又、それら海藻或いは植物のエキスは、いずれか一種を
単独で用いても或いは二種以上の混合物として用いても
よく、又二種以上の混合物とする場合は、海藻エキス同
士或いは植物エキス同士の組み合わせのほか、海藻エキ
スと植物エキスを組み合わせるようにしてもよい。
【0009】エキスとして抽出物を用いる場合、抽出物
の調製は、アオサ科アオサ属の海藻或いはアブラナ科ブ
ラシカ属の植物を、必要ならば予め水洗、乾燥した後、
好ましくはさらに細断或いは粉砕した上、浸漬法、向流
抽出法など適宜の手段により抽出溶媒と接触せしめるこ
とによって行うことができる。
【0010】抽出溶媒としては、水;メタノール、エタ
ノール、プロパノールなどの低級アルコール類、オレイ
ルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカ
ノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸
ブチル、プロピオン酸メチル、トリオクタン酸グリセリ
ルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル
などのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホ
ルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単
独でもしくは二種以上混合して用いられる。それら抽出
溶媒のうちでも、エラスチン様蛋白質の抽出効率の観
点、さらには化粧料への幅広い適用が可能であるという
点から、水、低級アルコール類及び多価アルコール類か
ら選ばれた一種又は二種以上の混合溶媒、就中水もしく
は水とエチルアルコール、1,3−ブチレングリコー
ル、プロピレングリコールのいずれかとの混合溶媒を用
いることが特に好ましい。
【0011】混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば
水とエチルアルコールとの混合溶媒であれば、重量比
(以下同じ)で95:5〜50:50、水と1,3−ブ
チレングリコールとの混合溶媒であれば90:10〜5
0:50、又水とプロピレングリコールとの混合溶媒で
あれば、95:5〜70:30の範囲とすることが好ま
しい。
【0012】抽出物の調製に際して、抽出液のpHは5
〜12の範囲に保持されることが好ましく、かかる意味
で、必要ならば上記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、
炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整
剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤
等を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
【0013】抽出温度、時間等の抽出条件は、用いる溶
媒の種類、植物の抽出部位・細切度等によっても異なる
が、例えば浸漬法の場合であれば、抽出温度は、一般に
0〜80℃、好ましくは4〜60℃の範囲であり、又抽
出時間は、室温抽出の場合で1時間〜1週間、特に1時
間〜24時間が好適である。
【0014】ここに得られる抽出物溶液は、一般にはp
Hを4〜8に調整した上、これをそのままもしくは減圧
濃縮等により適宜の濃度として用いてもよく、又場合に
よっては、スプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従
って粉末化してもよい。
【0015】以上の如きアオサ科アオサ属の海藻或いは
アブラナ科ブラシカ属の植物のエキスを有効成分として
なる本発明のエラスチン様作用剤は、後に試験例に示す
通り、ELISA法を用いたエラスチン様蛋白質検出試験に
於いて強い陽性を示し、エラスチンに組成、構造の類似
した蛋白質を含むことが確認されている。又、作用効果
の面でも、エラスチンと同様のすぐれた水分保持機能、
保湿効果を有するばかりでなく、それに加えて、マウス
を用いた塗布試験に於いて紫外線による皮膚損傷を抑制
する効果のあることが示されており、植物由来であるこ
とに基づく高い生体安全性と相俟って、本発明のエラス
チン様作用剤は、皮膚の老化や肌荒れの予防、改善等を
目的とする化粧料用の配合成分として用いて極めて有用
である。
【0016】従って、本発明はまた、このエラスチン様
作用剤を含有し、皮膚の老化防止や保湿、肌荒れの改善
に有効な化粧料を提供するものでもある。本発明のエラ
スチン様作用剤を含む化粧料としては、例えば乳液、ク
リーム、ローション、エッセンス、美容液、パック、洗
顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リク
イドファンデーション、メイクアッププレスパウダーな
どのメイクアップ化粧料、ヘアーシャンプー、ヘアーリ
ンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛
料、整髪料などの頭髪化粧料、浴剤などが挙げられる
が、勿論これらに限定されるものではない。
【0017】本発明の化粧料に於けるエラスチン様作用
剤の配合量は、該作用剤の剤形、化粧料の種類、適用部
位等によっても異なるが、例えば作用剤として抽出物を
用いる場合であれば、固形分配合量で、基礎化粧料につ
いては、一般に0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜1重
量%の範囲、メイクアップ化粧料ついては、一般に0.01
〜5重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲、又頭髪
化粧料については、一般に0.01〜20重量%、好ましくは
0.1〜5重量%の範囲とするのがよい。
【0018】本発明の化粧料には、上記のエラスチン様
作用剤のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば
油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌
剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、
生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができ
る。
【0019】ここで、油性成分としては、例えばオリー
ブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、
ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シア
ーバター、ティーツリー油、植物由来スクワランなどの
植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由
来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワック
ス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリ
ン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素
類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸類;ラウリルア
ルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高
級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチ
ン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキ
シルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステ
アリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及
び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0020】界面活性剤としては,例えばポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチ
レンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活
性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪
酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四
級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリ
アルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウ
ム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエ
チルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォ
ルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩な
どのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アル
キル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,
N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカル
ボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,
N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモ
ニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用する
ことができる。又、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処
理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘
導体、乳酸菌醗酵米等を配合することもできる。
【0021】保湿剤としては、例えばグリセリン、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−
ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビ
トール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウ
ム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵
米、ヒアルロン酸及びその誘導体、NMF関連物質、乳
酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、ビャッキュウ
抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種ア
ミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0022】増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒
天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅
藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカス
トビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガ
ム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の
セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・
メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸
及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体等が
挙げられる。
【0023】防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラ
オキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パ
ラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル
などのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタ
ノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸ク
ロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、
エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマー
ル(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジ
オール、樹皮乾留物等がある。
【0024】粉体成分としては、例えばセリサイト、酸
化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜
鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコ
ニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパ
ウダー、シルクパウダー、穀類(米、麦、トウモロコ
シ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)の
パウダー等がある。
【0025】紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ
安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘ
キシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキ
シ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシ
ベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホ
ン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾ
イルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸
エチル、アロエ抽出物等がある。
【0026】抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキ
シアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プ
ロピル、ビタミンE及びその誘導体、ビャッキュウ抽出
物、イネ抽出物等がある。
【0027】生理活性成分としては、例えば美白成分と
して、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘
導体、アスコルビン酸及びその誘導体、アルブチン及び
その誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール
誘導体、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽
出物、米糠抽出物の加水分解物、白芥子加水分解抽出
物、ムラサキシキブ抽出物、コンブ等の海藻の抽出物、
アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体も
しくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、
2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、皮膚老化防
止・肌荒れ改善成分として、動物又は魚由来のコラーゲ
ン、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及び
その誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘
導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその
誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプ
ロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒ
ドロキシ酪酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトム
ギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエ
キスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、米糠
抽出物加水分解物、米醗酵エキス、ミツイシコンブ抽出
物、ソウハクヒエキス等がある。
【0028】上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコ
ウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウ
ジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコ
ウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グル
コシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘
導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸
エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸
エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸
エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エ
ステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩
類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α
−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−
アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グ
ルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコル
ビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位
アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイ
ル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトラ
イソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトラ
ラウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂
肪酸エステル類等が、レゾルシノール誘導体としては、
例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミル
レゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘
導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、
2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロ
キシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン
酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン
酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビ
タミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等が、α
−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハ
ク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0029】次に、実施例、処方例(化粧料の実施例)
及び試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、
以下に於いて、部はすべて重量部を、又%はすべて重量
%を意味する。
【0030】実施例1.エラスチン様作用剤の調製(1) アナアオサを水洗、乾燥後細切したもの70gに精製水10
00gを混合し、20℃で24時間抽出を行った後ろ過し、緑
褐色透明のアナアオサ抽出物溶液700gを得た(固形分
濃度7.0%)。
【0031】実施例2.エラスチン様作用剤の調製(2) アナアオサを水洗、乾燥後細切したもの70gに、30%
1,3−ブチレングリコール水溶液1000gを混合し、20
℃で24時間抽出を行った後ろ過し、緑褐色透明のアナア
オサ抽出物溶液600gを得た(固形分濃度5.2%)。
【0032】実施例3.エラスチン様作用剤の調製(3) アナアオサを水洗、乾燥後細切したもの70gに、20%エ
タノール水溶液1000gを混合し、20℃で24時間抽出を行
った後ろ過し、緑褐色透明のアナアオサ抽出物溶液700
gを得た(固形分濃度5.0%)。
【0033】実施例4.エラスチン様作用剤の調製(4) 実施例1と同様にして得られたアナアオサ抽出物溶液10
00gを凍結乾燥し粉砕してアナアオサ抽出物末70gを得
た。
【0034】実施例5.エラスチン様作用剤の調製(5) アナアオサを水洗、乾燥後粉砕機で粉砕し、ここに得ら
れた粉砕物を200メッシュの篩で篩別してアナアオサ微
粉末を調製した。
【0035】実施例6.エラスチン様作用剤の調製(6) ヤブレグサを水洗、乾燥後細切したもの70gに精製水10
00gを混合し、20℃で24時間抽出を行った後ろ過し、緑
褐色透明のヤブレグサ抽出物溶液720gを得た(固形分
濃度6.1%)。
【0036】実施例7.エラスチン様作用剤の調製(7) 白芥子の粉砕物50gに精製水1000gを混合し、30℃で6
時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色透明の白芥子抽出物
溶液820gを得た(固形分濃度0.96%)。
【0037】実施例8.エラスチン様作用剤の調製(8) 白芥子の粉砕物50gに、30%1,3−ブチレングリコ
ール水溶液1000gを混合し、30℃で6時間抽出を行った
後ろ過し、淡黄色透明の白芥子抽出物溶液800gを得た
(固形分濃度0.94%)。
【0038】実施例9.エラスチン様作用剤の調製(9) 黄芥子の粉砕物50gに精製水1000gを混合し、40℃で2
時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色透明の黄芥子抽出物
溶液850gを得た(固形分濃度0.94%)。
【0039】実施例10.エラスチン様作用剤の調製(10) 実施例7と同様にして得られた白芥子抽出物溶液1000g
を凍結乾燥し粉砕して白芥子抽出物末9.5gを得た。
【0040】試験例1.エラスチン様蛋白質の確認試験 実施例で得られた抽出物溶液について、ELISA法により
エラスチン様蛋白質の確認試験を行った。 [試料] (1) 実施例1で得られた抽出物溶液 (2) 実施例7で得られた抽出物溶液
【0041】[試験方法]試料溶液又は標準液として適
当な濃度に希釈したウシ由来エラスチン溶液を96穴エ
ライザプレート(Iwaki製)のウェルに入れ、37℃で
2時間放置した後溶液を除去した。次に、ウェルをよく
洗浄し、これに試薬溶液を添加して37℃で1又は2時
間放置した後、試薬溶液を除去することからなる一連の
操作を、試薬溶液として1%BSA(放置時間:1時
間)、適当な濃度に希釈した抗エラスチン抗体溶液(放
置時間:2時間)及びペルオキシダーゼを結合させた抗
IgG抗体を適当な濃度に希釈した溶液(放置時間:2時
間)を用いて順次行った。この操作を終わった後ウェル
をよく洗浄し、これに4−クロロ−1−ナフトールと過
酸化水素を含む溶液を加えて37℃で20分間放置し、
415nmの吸光度を測定した。ウシ由来エラスチン溶液を
用いて得られた吸光度とエラスチン濃度との関係から各
試料溶液のエラスチン様蛋白質含量を算出した。
【0042】[結果]結果を表1に示す。なお、本発明
のアオサ科アオサ属の海藻及びアブラナ科ブラシカ属の
植物以外の海藻或いは植物、例えばヒトエグサなどの緑
藻類、アサクサノリなどの紅藻類、コンブなどの褐藻
類、アンズなどのバラ科植物、カミツレなどのキク科植
物、イネなどのイネ科植物、マグワなどのクワ科植物、
さらには各種生薬類、米、米糠等のエキスについても同
様の試験を行ったが、いずれの場合も抗エラスチン抗体
と反応するエラスチン様蛋白質の存在は認められなかっ
た。
【0043】
【表1】
【0044】試験例2.水分保持機能(保湿作用) 本発明のエラスチン様作用剤の保湿作用を、代表的な保
湿剤であるヒアルロン酸と比較した。 [試料] (1)実施例2の抽出物溶液を30%1,3−ブチレング
リコール水溶液で希釈して固形分濃度を1.6%とした液
(本発明試料) (2)ヒアルロン酸を30%1,3−ブチレングリコール
水溶液に溶解して固形分濃度を0.2%とした溶液(比較
試料)
【0045】[試験方法]健常な成人男女5名を被験者
とし、その左右の前腕内側部に1.5cm×1.5cmの塗布部を
それぞれ2ヶ所設定した。左右前腕のいずれか一方の塗
布部2ヶ所に、本発明試料と対照として30%1,3−
ブチレングリコール水溶液を、又他方の2ヶ所に比較試
料と対照として30%1,3−ブチレングリコール水溶
液を、1日1回3週間にわたって塗布した。その間、1
週間毎にインピーダンスメーター[SKICON-200、アイ・
ビー・エス(IBS)社製]を用いて、塗布部の表皮角層
水分量を測定した。
【0046】[結果]結果を表2に示す。なお、表皮角
質層水分量は試料塗布部のコンダクタンス(μS)を以
て示した。
【表2】
【0047】表2に示す通り、本発明試料を塗布した試
験部位は、塗布期間の経過と共に、対照部位(1,3−
ブチレングリコール水溶液塗布部位)に比べて有意に表
皮角層水分量が上昇している。しかもその効果はヒアル
ロン酸よりも強く、本発明のエラスチン様作用剤がすぐ
れた保湿効果を有し、肌に潤いを与えるものであること
が判る。
【0048】試験例3.紫外線損傷抑制作用 [試料] (1)後記処方例6のローション(本発明ローション) (2)後記処方例6に於いて、実施例3の抽出物溶液の代
わりに精製水を用いて得られたローション(比較ローシ
ョン)
【0049】[試験方法]ヌードマウス(BALB/C AJcl-
nu)6匹を3匹ずつ2群に分け、一方の群のマウスの背
部に本発明ローションを、又他方の群のマウスの背部に
比較ローションをそれぞれ一日2回朝夕塗布すると共
に、塗布部にUV-A(1.5mW/cm2)を一日1回、朝の塗布前
に照射した。又対照として、背部に比較試料を塗布する
が、紫外線照射は行わないマウス(3匹)も設定した。
ローションの塗布と紫外線照射を2ヶ月間続けた後、塗
布部の皮膚の切片を作製し、ワンギーソン染色を行い、
光学顕微鏡で観察した。紫外線照射による皮膚損傷の度
合いは、真皮層の厚さ(各群3匹の平均値)の減少を指
標として評価した。
【0050】[結果]結果を表3に示す。なお、表3の
数値は、試験終了後の各群3匹の背部塗布部の真皮層の
厚さの平均値を、紫外線未照射のマウス(対照)群のそ
れを100として相対値で示したものである。
【表3】
【0051】表3に示した通り、比較ローションを塗布
したマウスの皮膚は、紫外線照射によりダメージを受け
て真皮層に薄化現象が生じているが、これに対して、本
発明のエラスチン様作用剤を含むローションを塗布した
マウスの皮膚は、紫外線によるダメージが抑制され、紫
外線未照射(対照)のマウスのそれと同様の健常な状態
に維持されている。この結果から、本発明のエラスチン
様作用剤が、紫外線暴露によるシワの発生などの皮膚の
光老化を抑制する効果をも有するものであることが判
る。
【0052】 処方例1.クリーム [A成分] 部 スクワラン 5.0 オリーブ油 4.0 パラフィン 5.0 セタノール 2.0 ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0 ソルビタンモノステアレート 2.0 [B成分] 1,3−ブチレングリコール 10.0 メチルパラベン 0.1 エチルパラベン 0.05 精製水 全量が100部となる量 [C成分] 香料 0.1 実施例2のエラスチン様作用剤 10.0 A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成
分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(50
00rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40
℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さ
らに30℃以下まで冷却して均質なクリームを得た。
【0053】処方例2.クリーム 処方例1のC成分中、実施例2のエラスチン様作用剤に
代えて実施例8のエラスチン様作用剤を用いるほかは処
方例1と同様にして均質なクリームを得た。
【0054】 処方例3.乳液 [A成分] 部 スクワラン 10.0 オリーブ油 4.0 ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0 モノステアリン酸グリセリル 1.0 [B成分] 1,3−ブチレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.1 エチルパラベン 0.05 精製水 全量が100部となる量 [C成分] 香料 0.1 実施例1のエラスチン様作用剤 5.0 A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成
分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(50
00rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40
℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さ
らに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
【0055】 処方例4.化粧水 [成分] 部 エタノール 5.0 グリセリン 5.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.1 クエン酸 0.3 クエン酸ナトリウム 0.6 実施例3のエラスチン様作用剤 5.0 精製水 全量が100部となる量 全ての原料を合わせ攪拌混合して溶解し、透明の化粧水
を得た。
【0056】 処方例5.エッセンス [成分] 部 エタノール 2.0 グリセリン 5.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.1 ヒアルロン酸 0.1 実施例3のエラスチン様作用剤 10.0 クエン酸 0.3 クエン酸ナトリウム 0.6 精製水 全量が100部となる量 精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順
次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
【0057】 処方例6.ローション [成分] 部 エタノール 5.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 グリセリン 5.0 メチルパラベン 0.1 クエン酸 0.3 クエン酸ナトリウム 0.6 実施例3のエラスチン様作用剤 10.0 精製水 全量が100部となる量 全ての原料を合わせ攪拌混合して溶解し、ローションを
得た。
【0058】処方例7.乳液 処方例3のC成分中、実施例1のエラスチン様作用剤に
代えて実施例2のエラスチン様作用剤を用いるほかは処
方例3と同様にして均質な乳液を得た。
【0059】処方例8.乳液 処方例3のC成分中、実施例1のエラスチン様作用剤に
代えて実施例3のエラスチン様作用剤を用いるほかは処
方例3と同様にして均質な乳液を得た。
【0060】処方例9.乳液 処方例3のC成分中、実施例1のエラスチン様作用剤に
代えて実施例5のエラスチン様作用剤を用いるほかは処
方例3と同様にして均質な乳液を得た。
【0061】処方例10.乳液 処方例3のC成分中、実施例1のエラスチン様作用剤に
代えて実施例6のエラスチン様作用剤を用いるほかは処
方例3と同様にして均質な乳液を得た。
【0062】処方例11.乳液 処方例3のC成分中、実施例1のエラスチン様作用剤に
代えて実施例7のエラスチン様作用剤を用いるほかは処
方例3と同様にして均質な乳液を得た。
【0063】処方例12.乳液 処方例3のC成分中、実施例1のエラスチン様作用剤に
代えて実施例9のエラスチン様作用剤を用いるほかは処
方例3と同様にして均質な乳液を得た。
【0064】 処方例13.乳液 [A成分] 部 スクワラン 10.0 オリーブ油 4.0 ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0 モノステアリン酸グリセリル 1.0 パラアミノ安息香酸エチル 1.0 [B成分] 1,3−ブチレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.1 エチルパラベン 0.05 コウジ酸 1.0 精製水 全量が100部となる量 [C成分] 香料 0.1 実施例2のエラスチン様作用剤 5.0 A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成
分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(50
00rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40
℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さ
らに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
【0065】 処方例14.乳液 [A成分] 部 スクワラン 10.0 オリーブ油 4.0 ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0 モノステアリン酸グリセリル 1.0 [B成分] 1,3−ブチレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.1 エチルパラベン 0.05 L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0 水酸化カリウム 0.2 精製水 全量が100部となる量 [C成分] 香料 0.1 実施例2のエラスチン様作用剤 5.0 A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成
分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(50
00rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40
℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さ
らに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
【0066】処方例15.乳液 処方例14のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコ
シド2.0部及び水酸化カリウム0.2部に代えてL−
アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム3.
0部を用いるほかは処方例14と同様にして均質な乳液を
得た。
【0067】処方例16.乳液 処方例14のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコ
シド2.0部及び水酸化カリウム0.2部に代えてL−
アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム3.0
部を用いるほかは処方例14と同様にして均質な乳液を得
た。
【0068】処方例17.乳液 処方例14のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコ
シド2.0部及び水酸化カリウム0.2部に代えてアル
ブチン3.0部を用いるほかは処方例14と同様にして均
質な乳液を得た。
【0069】処方例18.乳液 処方例14のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコ
シド2.0部及び水酸化カリウム0.2部に代えて米糠
抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名
「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.
0部を用いるほかは処方例14と同様にして均質な乳液を
得た。
【0070】処方例19.乳液 処方例14のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコ
シド2.0部及び水酸化カリウム0.2部に代えてγ−
アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは処
方例14と同様にして均質な乳液を得た。
【0071】 処方例20.乳液 [A成分] 部 スクワラン 10.0 オリーブ油 4.0 ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0 モノステアリン酸グリセリル 1.0 [B成分] 1,3−ブチレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.1 エチルパラベン 0.05 米抽出物加水分解物 5.0 (株式会社テクノーブル製、商品名「オリゼノーブル」、固形分濃度1.5%) 精製水 全量が100部となる量 [C成分] 香料 0.1 実施例2のエラスチン様作用剤 5.0 A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成
分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(50
00rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40
℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さ
らに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
【0072】 処方例21.ヘアートリートメント [A成分] 部 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 5.0 モノステアリン酸グリセリル 1.0 セタノール 3.0 オクチルドデカノール 2.0 [B成分] 1,3−ブチレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.1 精製水 全量が100部となる量 [C成分] 香料 0.2 実施例1のエラスチン様作用剤 20.0 A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成
分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(50
00rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40
℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さ
らに30℃以下まで冷却した。
【0073】処方例22. ヘアートリートメント処方例21
のC成分中、実施例1のエラスチン様作用剤に代えて実
施例7のエラスチン様作用剤を用いるほかは処方例21と
同様にしてヘアートリートメントを得た。
【0074】 処方例23.リクイドファンデーション [A成分] 部 セタノール 0.5 モノステアリン酸グリセリル 2.0 ラノリン 2.0 スクワラン 3.0 ミリスチン酸イソプロピル 8.0 ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0 [B成分] キサンタンガム 0.2 1,3−ブチレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.1 エチルパラベン 0.05 精製水 全量が100部となる量 [C成分] 酸化チタン 8.0 タルク 4.0 着色顔料 適 量 [D成分] 香料 0.1 実施例2のエラスチン様作用剤 3.0 C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、
これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散
させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞ
れ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら
加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間
ホモジナイズを行った。これを40℃以下まで冷却した
後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら3
0℃以下まで冷却した。
【0075】 処方例24.クリームファンデーション [A成分] 部 ステアリン酸 5.0 セタノール 2.0 モノステアリン酸グリセリル 3.0 スクワラン 3.0 ミリスチン酸イソプロピル 8.0 ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0 [B成分] ソルビトール 3.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.1 エチルパラベン 0.05 精製水 全量が100部となる量 [C成分] 酸化チタン 8.0 タルク 2.0 カオリン 5.0 ベントナイト 1.0 着色顔料 適 量 [D成分] 香料 0.3 実施例2のエラスチン様作用剤 3.0 C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、
これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散
させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞ
れ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら
加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間
ホモジナイズを行った。これを40℃以下まで冷却した
後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら3
0℃以下まで冷却した。
【0076】 処方例25.クリームリンス [A成分] 部 ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0 塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0 2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0 セタノール 3.0 ステアリルアルコール 1.0 [B成分] 1,3−ブチレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.1 精製水 全量が100部となる量 [C成分] 実施例1のエラスチン様作用剤 20.0 A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶
解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて40℃
以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さら
に攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
【0077】 処方例26.クリームシャンプー [A成分] 部 N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0 ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0 ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0 メチルパラベン 0.1 1,3−ブチレングリコール 2.0 精製水 全量が100部となる量 [B成分] 実施例1のエラスチン様作用剤 20.0 A成分を80℃に加温して均一に溶解し、40℃以下ま
で冷却した後、B成分を加え、さらに攪拌しながら30
℃以下まで冷却した。
【0078】 処方例27.ボディシャンプー [A成分] 部 N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 20.0 ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 20.0 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0 メチルパラベン 0.1 1,3−ブチレングリコール 5.0 精製水 全量が100部となる量 [B成分] 実施例1のエラスチン様作用剤 15.0 A成分を80℃に加温して均一に溶解し、40℃以下ま
で冷却した後、B成分を加え、さらに攪拌しながら30
℃以下まで冷却した。
【0079】試験例4.パネル試験 本発明のエラスチン様作用剤を含むクリームについて、
パネルテストにより皮膚に対する効果を調べた。 [試料] (1)処方例1のクリーム(本発明例) (2)処方例1に於いて、実施例2のエラスチン様作用剤
の代わりに精製水を用いて得られたクリーム(比較例)
【0080】[試験方法]無作為に抽出した年齢18〜
50歳の女性20名を被験者として、それぞれ左右の頬
部に、本発明例又は比較例のクリームを1日2回(朝、
晩)、1ヵ月間塗布してもらった後、小じわ及び肌のは
り、艶に対する改善効果を、以下の評価基準に基づいて
評価した。
【0081】[評価基準] A:明らかに改善された B:かなり改善された C:僅かに改善された D:変わらない E:かえって悪くなった
【0082】[結果]結果を表4に示す。なお、表4の
A〜Eの各評価欄の数字は、被験者20名中当該評価を行
った被験者の割合(%)を示す。
【0083】
【表4】
【0084】表4の結果から、本発明のエラスチン様作
用剤を含むクリームは、肌の老化に伴う小じわを改善
し、肌のはり、艶を回復させる効果を示すことが明らか
となった。
【発明の効果】本発明のエラスチン様作用剤は、動物エ
ラスチンと同様のすぐれた保湿作用とさらに紫外線によ
る皮膚損傷の防御作用を有すると共に、植物由来である
が故に生体安全性にもすぐれており、皮膚の老化や肌荒
れの予防・改善を目的とする化粧料の配合成分として用
いて有用である。従って本発明によれば、さらに、上記
のエラスチン様作用剤を配合してなり、皮膚の老化防
止、肌荒れの予防・改善に有効でかつ安全性の高い化粧
料が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/075 A61K 7/075 7/08 7/08 7/50 7/50 Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AA122 AB032 AB242 AB432 AB442 AC012 AC022 AC072 AC092 AC102 AC122 AC132 AC242 AC302 AC352 AC422 AC432 AC442 AC482 AC622 AC642 AC662 AC692 AC712 AC782 AC792 AC842 AD332 AD352 AD392 AD512 AD642 BB21 BB41 CC01 CC02 CC03 CC04 CC05 CC06 CC07 CC11 CC12 CC13 CC23 CC25 CC31 CC32 CC33 CC36 CC38 CC39 DD23 DD31 EE07 EE10 EE12 FF01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アオサ科アオサ属に属する海藻のエキス及
    びアブラナ科ブラシカ属に属する植物のエキスから選ば
    れた1種又は2種以上を有効成分としてなるエラスチン
    様作用剤。
  2. 【請求項2】アオサ科アオサ属に属する海藻がアナアオ
    サ(Ulva pertusa)である請求項1に記載のエラスチン
    様作用剤。
  3. 【請求項3】アブラナ科ブラシカ属に属する植物が白芥
    (Brassica alba)の種子(白芥子)である請求項1に
    記載のエラスチン様作用剤。
  4. 【請求項4】請求項1のエラスチン様作用剤を含有する
    化粧料。
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