JP2004262894A - 皮膚・毛髪保護剤及びこれを含む化粧料 - Google Patents

皮膚・毛髪保護剤及びこれを含む化粧料 Download PDF

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茂 澤木
Yousuke Haneda
羽田容介
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小椋貴子
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Abstract

【課題】大気汚染等、外部諸環境中の刺激物質などの皮膚や毛髪との接触、浸透を防止するすぐれたバリア機能を具えており、しかも生体に対する安全性にすぐれた皮膚・毛髪保護剤を提供すること、並びに上記の皮膚・毛髪保護剤を含有し、皮膚や毛髪を健全・健常で若々しい状態に保持するために用いて有効な化粧料を提供すること。
【解決手段】ラン科シラン属植物の抽出物を有効成分とする皮膚・毛髪保護剤、並びに上記の皮膚・毛髪保護剤を配合してなる化粧料。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外的要因に基づく皮膚や毛髪の損傷、不健全化或いは老化亢進等の防止或いは緩和に有効な皮膚・毛髪保護剤並びに該保護剤を含む化粧料に関し、詳しくは、大気汚染等、諸環境中の刺激物質による皮脂の過酸化などの好ましからざる作用から皮膚或いは毛髪を保護し、それら外的要因に基づく皮膚や毛髪の損傷、不健全化或いは老化亢進等を防止或いは緩和する皮膚・毛髪保護剤、並びに該保護剤を含み、皮膚や毛髪を健常かつ若々しい状態に保持或いは改善するために用いて有用な化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、人々の皮膚や毛髪は、排気ガスやタバコの煙などで汚れた空気や、エアコンの使用による室内空気の乾燥などの外的な刺激によりダメージを受けている。特に、汚れた空気中には、皮脂成分の過酸化を誘発するような刺激物質が多く含まれている。皮脂が過酸化されると、角層の水分バリア機能が低下し、皮膚の水分量が減少する結果、肌荒れやツヤの低下、さらには小皺の発生など皮膚に種々の悪影響が及ぶこととなる。
また、毛髪に対しても、刺激物質は過酸化による髪質の低下(まとまり不良、切れ毛、枝毛等)をもたらす原因となっている。
このため、従来より化粧料中にブチルヒドロキシルトルエンやビタミンEなどの抗酸化剤を配合することが行われているが、それら抗酸化剤による方法の場合には、安全性の面で化粧料中への配合量、従って効果に一定の制限があったり、或いは皮膚化粧料に用いた場合、吸収や代謝により皮膚上に留まりにくいため、皮脂成分の過酸化を十分に防ぐことが困難であるなどの問題点がある。
【0003】
外的な刺激物質による影響から皮膚を保護する方法としては、上述の抗酸化剤による方法のほかに、皮膚や毛髪上にバリアを形成させることにより、刺激物質の皮膚や毛髪への接触、浸透を物理的に阻止することが有用な手段として考えられるが、従来かかる観点から皮膚の保護に用いて特に有効な成分は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上述の如き外的要因からの皮膚や毛髪の保護に係る技術開発の現状に鑑み、刺激物質などの皮膚や毛髪への接触、浸透を阻止するバリア形成能を具え、しかも生体安全性の良好な成分を見出し得たならば、これによって従来類を見ないすぐれた皮膚・毛髪保護剤の提供が可能となるとの観点から、そのような成分を天然物中に求めるべく鋭意研究を行った結果、ラン科シラン属植物の抽出物がかかる要求に合致するものであることを知り、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、本発明は第一に、ラン科シラン属植物の抽出物を有効成分とする皮膚・毛髪保護剤に関するものである。
本発明は第二に、ラン科シラン属植物の抽出物を有効成分とする皮膚・毛髪保護剤を含有する化粧料に関するものである。
なお、本明細書に於いて、化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品をも含む広義で用いる。
【0006】
本発明で皮膚・毛髪保護剤の有効成分として用いるラン科シラン属植物の抽出物は、植物由来であることから期待される通りの高い生体安全性を具えているばかりでなく、多分それが皮膜形成能を持つことによるものと思われるが、外部諸環境中の刺激物質等に対して、それらの皮膚や毛髪への接触、浸透を防ぐバリア機能を発揮するというすぐれた特性を有することが本発明者らの研究の結果明らかとなった。従って、かかる本発明の抽出物によれば、従来その類を見ない新規でかつ有用性の高い皮膚・毛髪保護剤が提供される。
また該保護剤を化粧料用の配合剤として用いた場合、外的な刺激物質等の作用に基づく皮膚老化現象の亢進や肌荒れ、小ジワの発生さらには髪質の低下等が防止或いは緩和され、皮膚や毛髪を健常で若々しい状態に保持し得る化粧料が提供される。
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の皮膚・毛髪保護剤の調製に用いるラン科シラン属の植物としては、例えばシラン[Bletilla striata(THUNB.)REICHB.fil]、シロバナシラン(Blettila striata var.alba)、オウカビャッキュウ(Bletilla ochracea Schltr.)、アオバナシラン(Blettilla striata var.coerulea)などが挙げられる。
本発明に於いては、それらシラン属植物の全草、葉、茎、根、種子など適宜の部位を抽出原料として用いることができるが、なかでも根(球根)を用いた場合に特にすぐれた皮膚・毛髪保護作用(バリアー機能)を示す抽出物を得ることができ好ましい。
又、シラン属植物のうちでも、皮膚・毛髪保護作用の観点からシラン[Bletilla striata(THUNB.)REICHB.fil]の使用が好ましく、就中その球根、即ち漢方生薬の白及(ビャッキュウ)の使用が最も好ましい。
【0008】
それらラン科シラン属植物の抽出物の調製は、該植物の全草或いは根(球根)、葉などの抽出対象部位を、必要に応じて予め水洗、乾燥し、好ましくはさらに細切或いは粉砕した上、浸漬法、向流抽出法など適宜の手段により抽出溶媒と接触せしめることによって行われる。
【0009】
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、トリオクタン酸グリセリルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物の皮膚・毛髪保護作用の観点、さらには化粧料への幅広い適用が可能であるという点から、水、低級アルコール類及び多価アルコール類から選ばれた一種又は二種以上の混合溶媒の使用が好ましく、なかでも水を用いることが最も好ましい。
【0010】
本発明の抽出物の調製に際して、抽出液のpHは5〜9の範囲に保持されることが好ましく、かかる意味で、必要ならば上記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
【0011】
被抽出物(シラン属植物)に対する抽出溶媒の量比は、重量比で一般に1:1〜1:50の範囲であり、好ましくは1:5〜1:20の範囲である。
【0012】
又、抽出温度、時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類、植物の抽出部位・細切度等によっても異なるが、例えば浸漬法の場合であれば、抽出温度は、一般に40〜100℃、好ましくは60〜90℃の範囲であり、又抽出時間は、0.5〜48時間程度、特に2〜24時間程度が好適である。
【0013】
ここに得られる抽出物溶液は、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのまま、もしくは希釈或いは減圧濃縮等により適宜の濃度に調整して皮膚・毛髪保護剤として用いてもよく、又場合によっては、スプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化してもよい。
【0014】
以上の如くして調製されるラン科シラン属植物の抽出物を有効成分としてなる本発明の皮膚・毛髪保護剤は、後に試験例に示す通り、ヒトの皮膚への塗布試験に於いて、刺激物質の皮膚浸透を抑制する高いバリア効果を有することが確認されている(試験例1)。
従って、本発明の皮膚・毛髪保護剤によれば、大気汚染等、外部諸環境中の刺激物質などの皮膚との接触、浸透に基づく皮膚老化現象の亢進や肌荒れ、小ジワの発生、さらには毛髪のダメージなどが防止或いは緩和・軽減され、皮膚や毛髪を健全、健常な状態に維持することが可能であり、植物由来であることに基づく高い生体安全性と相俟って、本発明の皮膚・毛髪保護剤は、化粧料配合成分として用いて極めて有用である。
【0015】
従って、本発明はまた、この皮膚・毛髪保護剤を含有する化粧料を提供するものでもある。
本発明の皮膚・毛髪保護剤を含む化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛料、整髪料などの頭髪化粧料、浴剤、石けんなどが挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0016】
本発明の化粧料中の皮膚・毛髪保護剤の配合量は、その有効成分たるシラン属植物の抽出物の固形分配合量で、例えば基礎化粧料については、一般に0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の範囲、メイクアップ化粧料ついては、一般に0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲、又頭髪化粧料については、一般に0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲とするのがよい。
【0017】
本発明の化粧料には、上記の皮膚・毛髪保護剤のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0018】
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0019】
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)等を配合することもできる。
【0020】
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ヒアルロン酸及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体等が挙げられる。
【0021】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
【0022】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
【0023】
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
【0024】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等がある。
【0025】
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、各種ポリフェノール類、イネ抽出物等がある。
【0026】
生理活性成分としては、例えば美白成分として、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、アルブチン及びその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、白芥子抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、ムラサキシキブ抽出物、コンブ等の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、又皮膚老化防止・美肌化成分として、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、米醗酵エキス、ミツイシコンブ抽出物、アマモ等の海草の抽出物、ソウハクヒエキス等がある。
【0027】
ここで、上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0028】
次に、実施例、処方例(化粧料の実施例)及び試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて重量部を、又%はすべて重量%を意味する。
【0029】
実施例1.皮膚・毛髪保護剤の調製(1)
白及の細切物100gに精製水900gを混合し、80℃で3時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色透明の白及抽出物溶液500gを得た(固形分濃度2.5%)。
【0030】
実施例2.皮膚・毛髪保護剤の調製(2)
白及の細切物100gに精製水とエタノールの9:1(重量比)混液900gを混合し、60℃で6時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色透明の白及抽出物溶液580gを得た(固形分濃度1.8%)。
【0031】
実施例3.皮膚・毛髪保護剤の調製(3)
白及の細切物100gに精製水と1,3−ブチレングリコールの8:2(重量比)混液900gを混合し、80℃で3時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色透明の白及抽出物溶液450gを得た(固形分濃度2.1%)。
【0032】
実施例4.皮膚・毛髪保護剤の調製(4)
白及に代えて、シロバナシランの球根を用いるほかは実施例1と同様にして、淡黄色透明のシロバナシランの球根の抽出物溶液520gを得た(固形分濃度2.3%)。
【0033】
実施例5.皮膚・毛髪保護剤の調製(5)
実施例1と同様にして調製した白及抽出物溶液500gを凍結乾燥した後粉砕し、黄褐色の白及抽出物粉末12.5gを得た。
【0034】
試験例1.刺激物質透過抑制作用(バリア効果)
本発明の皮膚・毛髪保護剤を皮膚に塗布したときの脂溶性物質に対する浸透抑制作用を、脂溶性物質としてダンシルクロライドを用いて調べた。
[試料]
(1)実施例1で得られた抽出物溶液(本発明試料A)
(2)実施例1で得られた抽出物溶液の10%水溶液(本発明試料B)
【0035】
[試験方法]
年齢20〜50歳の成人男子5名を被験者とし、各々の前腕内側部を洗浄し、1.5cm×1.5cmの被験部位を3区画設定した。各被験部位に試料A、試料B及び精製水(対照)のいずれかを50μLずつ塗布し、1時間自然乾燥した後、各被験部位に5%ダンシルクロライド含有ワセリン20μgを1時間閉塞パッチした。次に、ダンシルクロライド含有ワセリンを洗浄除去した後、被験部位に365nmの紫外線を照射し、そのときの蛍光の強度からダンシルクロライドの皮膚浸透量(残留量)を求めた。
【0036】
[結果]
結果を表1に示した。なお、表1の数値は、精製水塗布部位(対照)に於ける浸透量を100としたときの相対値で表したものである。
【表1】
Figure 2004262894
【0037】
表1に示す通り、本発明の白及抽出物溶液は、ダンシルクロライドの皮膚浸透を顕著に抑制しており、該抽出物が刺激物質の皮膚への浸透を防ぐすぐれたバリア効果を有することが明らかである。
【0038】
試験例2.皮膚刺激性
[試料]
(1)実施例1で得られた抽出物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料)
(2)日局親水ワセリン(対照)
【0039】
[試験方法]
年齢20〜50歳の成人男子5名を被験者とし、各々の上腕部内側をエタノールで拭って皮脂を除去し、該部位に、フィンチャンバーのアルミ板に各試料をそれぞれ0.2g宛塗布したものを貼付した。24時間後にフィンチャンバーを除去し、皮膚刺激の程度をつぎに述べる方法並びに基準により判定した。
[判定]
パッチ除去後1時間後、24時間後及び48時間後に、貼付部位の紅斑及び浮腫の状況を、以下の「ドレイズ法による皮膚刺激性判定基準」に基づき目視判定し、被験者5名の平均値を求めた。
(紅斑)
スコア 皮膚の状態
0 : 紅斑なし
1 : 極く軽度の紅斑
2 : 明らかな紅斑
3 : 中程度から強い紅斑
4 : 深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成
(浮腫)
スコア 皮膚の状態
0 : 浮腫なし
1 : 極く軽度の浮腫
2 : 明らかな浮腫(周囲と明らかに区別可能)
3 : 中程度の浮腫(1mm以上の盛り上がり)
4 : 強い浮腫(さらに周囲にも広がり)
【0040】
[結果]
結果を表2に示す。
【表2】
Figure 2004262894
【0041】
表2の結果にみられる通り、本発明のシラン属植物の抽出物は皮膚に対する刺激が殆どなく、生体安全性に極めてすぐれている。
【0042】
処方例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン (注1) 4.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
(注1)株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル
[B成分]
実施例1の抽出物溶液 10.0
グリセリン 5.0
メチルパラベン 0.1
モイストン・C (注2) 1.0
精製水 全量が100部となる量
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
【0043】
処方例2.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
実施例1の抽出物溶液 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0044】
処方例3.ローション
[成分] 部
実施例2の抽出物溶液 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0045】
処方例4.乳白エッセンス
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルエーテル 0.5
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
実施例3の抽出物溶液 30.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
【0046】
処方例5.乳液
処方例2のB成分中、実施例1の抽出物溶液に代えて実施例2の抽出物溶液を用いるほかは処方例2と同様にして乳液を得た。
【0047】
処方例6.乳液
処方例2のB成分中、実施例1の抽出物溶液に代えて実施例3の抽出物溶液を用いるほかは処方例2と同様にして乳液を得た。
【0048】
処方例7.乳液
処方例2のB成分中、実施例1の抽出物溶液に代えて実施例4の抽出物溶液を用いるほかは処方例2と同様にして乳液を得た。
【0049】
処方例8.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
パラアミノ安息香酸エチル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
コウジ酸 1.0
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1の抽出物溶液 10.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
【0050】
処方例9.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.2
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1の抽出物溶液 10.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
【0051】
処方例10.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.2部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム3.0部を用いるほかは処方例9と同様にして均質な乳液を得た。
【0052】
処方例11.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.2部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム3.0部を用いるほかは処方例9と同様にして均質な乳液を得た。
【0053】
処方例12.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.2部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例9と同様にして均質な乳液を得た。
【0054】
処方例13.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.2部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは処方例9と同様にして均質な乳液を得た。
【0055】
処方例14.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.2部に代えてブラシカ アルバ(Brassica Alba)種子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは処方例9と同様にして均質な乳液を得た。
【0056】
処方例15.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.2部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは処方例9と同様にして均質な乳液を得た。
【0057】
処方例16.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
米抽出物加水分解物 5.0
(株式会社テクノーブル製、商品名「オリゼノーブル」、固形分濃度1.5%)
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例3の抽出物溶液 10.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
【0058】
処方例17.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
オリーブ油 4.0
スクワラン 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
実施例1の抽出物溶液 10.0
乳酸菌醗酵米組成物 5.0
(株式会社テクノーブル製、商品名「ラフリン−AM」)
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
【0059】
処方例18.ヘアートニック
[A成分] 部
エタノール 60.0
l−メントール 0.5
香料 0.1
メチルパラベン 0.1
[B成分]
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
実施例2の抽出物溶液 10.0
精製水 全量が100部となる量
上記のA成分とB成分をそれぞれ常温で溶解した後、A成分にB成分を攪拌しながら加え溶解させてヘアートニックを得た。
【0060】
処方例19.ヘアートリートメント
[A成分] 部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 5.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.0
オクチルドデカノール 2.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.2
実施例3の抽出物溶液 20.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却した。
【0061】
処方例20.ヘアートリートメント
[A成分] 部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 5.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.0
オクチルドデカノール 2.0
[B成分]
実施例1の抽出物溶液 10.0
乳酸菌醗酵米組成物 5.0
(株式会社テクノーブル製、商品名「ラフリン−AM」)
1,3−ブチレングリコール 5.0
加水分解コラーゲン末 0.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.2
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却した。
【0062】
処方例21.リクイドファンデーション
[A成分] 部
セタノール 0.5
モノステアリン酸グリセリル 2.0
ラノリン 2.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.1
実施例1の抽出物溶液 8.0
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40℃以下まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
【0063】
処方例22.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
[B成分]
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.3
実施例3の抽出物溶液 5.0
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40℃以下まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
【0064】
処方例23.クリームリンス
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.0
ステアリルアルコール 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
実施例1の抽出物溶液 20.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
【0065】
処方例24.クリームシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
[B成分]
実施例3の抽出物溶液 20.0
A成分を80℃に加温して均一に溶解し、40℃以下まで冷却した後、B成分を加え、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
【0066】
処方例25.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 20.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 20.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
[B成分]
実施例3の抽出物溶液 20.0
A成分を80℃に加温して均一に溶解し、40℃以下まで冷却した後、B成分を加え、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
【0067】
処方例26.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
実施例5の抽出物粉末 0.5
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
【0068】
試験例3.パネル試験(その1)
本発明の皮膚・毛髪保護剤を含むクリームについて、パネルテストにより皮膚に対する効果を調べた。
[試料]
(1)処方例1のクリーム
(2)処方例1のB成分中、実施例1の抽出物溶液に代えて精製水を用いるほか
は処方例1と同様にして得られたクリーム(比較例)
【0069】
[試験方法]
無作為に抽出した年齢18〜50歳の女性20名を被験者として、それぞれ左右の頬部に、処方例1又は対照のクリームを1日2回(朝、晩)、1ヵ月間塗布してもらった後、小ジワに対する改善効果及び肌のはり、艶に対する改善効果を、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0070】
[評価基準]
(小ジワに対する改善効果)
A:殆ど目立たなくなった
B:かなり目立たなくなった
C:わずかに目立たなくなった
D:変わらない
E:かえって増えた
(肌のはり、艶に対する改善効果)
A:明らかに改善された
B:かなり改善された
C:僅かに改善された
D:変わらない
E:かえって悪くなった
【0071】
[結果]
結果を表3に示す。なお、表4のA〜Eの各評価欄の数字は、被験者20名中当該評価を行った被験者の割合(%)を示す。
【0072】
【表3】
Figure 2004262894
【0073】
表3の結果から、本発明の白及抽出物溶液を配合したクリームが、小じわや肌のはり、艶を改善し、肌の老化防止に有効であることが明らかである。
【0074】
試験例4.パネル試験(その2)
本発明の皮膚・毛髪保護剤を含むヘアートリートメントについて、ハーフヘッドテストにより毛髪に対する効果を調べた。
[試料]
(1)処方例19のヘアートリートメント
(2)処方例19のC成分中、実施例3の抽出物溶液に代えて精製水を用いるほかは処方例19と同様にして得られたヘアートリートメント(比較例)
【0075】
[試験方法]
無作為に抽出した年齢18〜50の女性20名を対象として、試料(1)及び(2)のヘアートリートメントを頭髪に1日1回、30日間使用した後の頭髪の枝毛、コシ及び櫛通りの状況について、以下の判定基準に基づき評価を行った。
【0076】
[評価基準]
(枝毛)
A:殆どなくなった
B:かなり少なくなった
C:多少少なくなった
D:変わらない
E:かえって増えた
(コシ)
A:強くなった
B:かなり強くなった
C:僅かに強くなった
D:変わらない
E:かえって弱くなった
(櫛通り)
A:よくなった
B:かなりよくなった
C:多少よくなった
D:変わらない
E:かえって悪くなった
【0077】
[結果]
結果を表4に示す。なお、表4のA〜Eの各評価欄の数字は、被験者20名中当該評価を行った被験者の割合(%)を示す。
【0078】
【表4】
Figure 2004262894
【0079】
表4の結果から、本発明の白及抽出物溶液を配合したトリートメントは、枝毛を改善し、毛髪にこしを与えさらに櫛通りを良くして扱い易くするなど、毛髪に対してすぐれたトリートメント効果、保護作用を示すことが明らかである。
【発明の効果】
ラン科シラン属植物の抽出物を有効成分とする本発明の皮膚・毛髪保護剤は、大気汚染等、外部諸環境中の刺激物質などの皮膚や毛髪との接触、浸透を防ぐバリア機能を具えると共に生体安全性にもすぐれており、刺激物質等によってもたらされるダメージから皮膚や毛髪を保護し、或いは症状を改善するために用いて有効である。
又、この皮膚・毛髪保護剤を配合した化粧料は、皮膚や毛髪を外的要因による悪影響から保護し、それらを健全・健常で若々しい状態に保持する効果を有する。

Claims (4)

  1. ラン科シラン属植物の抽出物を有効成分とする皮膚・毛髪保護剤。
  2. 有効成分としてラン科シラン属植物の根(球根)の抽出物を用いる請求項1に記載の皮膚・毛髪保護剤。
  3. ラン科シラン属植物がシラン[Bletilla striata(THUNB.)REICHB.fil.]である請求項1又は2に記載の皮膚・毛髪保護剤。
  4. 請求項1の皮膚・毛髪保護剤を含有する化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017186276A (ja) * 2016-04-06 2017-10-12 キユーピー株式会社 アンチポリューション剤およびアンチポリューション用皮膚外用組成物
CN111973538A (zh) * 2020-07-16 2020-11-24 重庆珂蓝健康管理集团有限公司 一种提升肌肤净化功能的化妆品

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