JP2003341936A - コアレスコイル及びその製造方法 - Google Patents

コアレスコイル及びその製造方法

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JP2003341936A
JP2003341936A JP2002156356A JP2002156356A JP2003341936A JP 2003341936 A JP2003341936 A JP 2003341936A JP 2002156356 A JP2002156356 A JP 2002156356A JP 2002156356 A JP2002156356 A JP 2002156356A JP 2003341936 A JP2003341936 A JP 2003341936A
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coil
winding
wire
layer
wire rod
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Application number
JP2002156356A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Suzuki
宏和 鈴木
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コアレスコイルの使用時に、線材の取り出し
途中で線材にループ状絡み部が生じるのを減少させて線
材を円滑に取り出すことができると共に、コアレスコイ
ルを使用する設備の稼働率を高めることができるコアレ
スコイル及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 線材Aがコイル状に巻回されて中心に例
えばテーパ穴14aを有するコイル巻層体14で構成さ
れ、線材Aをコイル巻層体10の外側から取り出せるよ
うにしたコアレスコイルにおいて、前記コイル巻層体1
4の任意巻層における線材Aの1周巻回ループの残留ひ
ずみを開放したときに得られる残留曲率が線材Aをコイ
ル状に巻回するときの巻取曲率よりも大きくなるように
設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅線、アルミニウ
ム線等の線材がコイル状に巻回されたコイル巻層体で構
成され、線材をコイル巻層体の外側から取り出せるよう
にしたコアレスコイル(コンパクトコイル、タイトコイ
ルを含む)及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のコアレスコイルは、図10に示す
ように、線材Aがコイル状に巻回されて中心に例えばテ
ーパ穴3aを有するコイル巻層体3で構成され、コイル
巻層体3の外側から線材Aを取り出せるようにした構造
になっている。
【0003】次に、このコアレスコイルの製造方法の一
例を図11、12により説明する。先ず、図示しない線
材圧延機、伸線機等から送出される線材Aをガイドしな
がらスプール1に供給するガイドシーブ2を、スプール
1におけるテーパ状の巻胴1aの外径の小さい右方のト
ラバース反転位置B(右側鍔の内側面近傍位置)に配置
すると共に、線材Aの巻き始め端末をスプール1に固定
する。
【0004】次に、スプール1を矢印方向へ起動回転さ
せ、ガイドシーブ2をスプール1の巻胴1aの外径が大
きい左方へ移動させると共に、線材Aを左方へ所定の距
離だけトラバースさせながらスプール1の巻胴1aにコ
イル状に巻回して図10、12に示すような1層目の巻
層(最内層)を形成する。
【0005】次に、ガイドシーブ2の移動を反転させ
て、これを前記巻胴1aの外径の小さい方へ前記トラバ
ース反転位置Bまで移動させると共に、線材Aのトラバ
ースを反転させて、これを右方へ1層目を形成する場合
と同じ距離だけトラバースさせながら、前記巻胴1aに
コイル状に巻回して前記1層目の上に図10、12に示
すような2層目の巻層を形成する。
【0006】次に、前記2層目を形成した後、ガイドシ
ーブ2を前記トラバース反転位置Bで反転させて左方へ
移動させると共に、線材Aを左方へ前記1、2層目を形
成する場合よりも少し長い距離だけトラバースさせなが
ら、前記巻胴1aにコイル状に巻回して前記2層目の上
に3層目の巻層を形成する。
【0007】次に、ガイドシーブ2の移動を反転させ
て、これを前記巻胴1aの外径の小さい方へ前記トラバ
ース反転位置Bまで移動させると共に、線材Aのトラバ
ースを反転させて、これを右方へ前記3層目を形成する
場合と同じ距離だけトラバースさせながら、前記巻胴1
aにコイル状に巻回して前記3層目の上に4層目の巻層
を形成する。
【0008】以後同様にして、ガイドシーブ2をスプー
ル1に対して往復移動させると共に、線材Aを往復トラ
バースさせる距離(トラバース長)を線材Aの巻量の増
加、更に詳細に述べると、線材Aの奇数巻層を形成する
毎に少し長くしながら前記巻胴1aにその外径の小さい
方からコイル状に巻回して図10、12に示すような5
層目、6層目等の巻層を形成して行く。
【0009】そして、図10、12に示すように、ガイ
ドシーブ2が巻胴1aの外径の大きい左方のトラバース
反転位置C(左側鍔の内側面近傍位置)に到達する前
に、スプール1の巻胴1aの外径が小さい右方のトラバ
ース反転位置B側に形成される巻層の方が先に所定の最
大巻層(最外層)に到達した場合には、トラバース反転
位置Cで線材Aのトラバースを反転させる以前に、線材
Aの巻量(巻層)の増加に伴い、ガイドシーブ2の右方
の移動反転位置、即ち、線材Aの右方のトラバース反転
位置を前記トラバース反転位置Bよりもトラバース反転
位置Cに近づく方向へ漸次移動させながら、線材Aをコ
イル状に巻回して前記以降の巻層を形成し、コイル外径
がコイル軸線方向へほぼ同一外径になるように整える。
やがて、ガイドシーブ2が巻胴1aの外径の大きい左方
のトラバース反転位置Cに到達した後は、ガイドシーブ
2をトラバース反転位置Cとの間で往復移動させなが
ら、同様に線材Aをコイル状に巻回して前記以降の巻層
を形成する。
【0010】また、図示しないが、スプール1の巻胴1
aの外径が小さい右方のトラバース反転位置B側に形成
される巻層が所定の最大巻層(最外層)に到達する前
に、ガイドシーブ2が巻胴1aの外径の大きい左方のト
ラバース反転位置C(左側鍔の内側面近傍位置)に到達
した場合には、ガイドシーブ2をトラバース反転位置
B、C間で往復移動させると共に、線材Aをトラバース
反転位置B、C間で往復トラバースさせながら多層の巻
層を形成して行く。やがて、スプール1の巻胴1aの外
径が小さい右方のトラバース反転位置B側に形成される
巻層が所定の最大巻層(最外層)に到達したとき、線材
Aの巻量(巻層)の増加に伴い、ガイドシーブ2の右方
の移動反転位置、即ち、線材Aの右方のトラバース反転
位置を前記トラバース反転位置Bよりもトラバース反転
位置Cに近づく方向へ漸次移動させながら、トラバース
反転位置Cとの間で線材Aをコイル状に巻回して前記以
降の巻層を形成し、コイル外径がコイル軸線方向へほぼ
同一外径になるように整えて行く。
【0011】このようにして、いずれの場合も巻層の形
成終了近くでは、線材Aを左方のトラバース反転位置C
と該位置Cに漸次近づく右方の反転位置との間で往復ト
ラバースさせることにより多層の巻層を形成した後、ガ
イドシーブ2の移動をトラバース反転位置C付近で停止
させて線材Aの巻回を終了する。そして、線材Aの巻き
終わり部分をカッター等で切断して、その巻き終わり端
末がばらけないように、該端末をコイル巻層体3の最外
層等に絡ませる等して係留する。また、図12に示すス
プール1を分解等してコイル巻層体3をスプール1から
取り除くと共に、線材Aの巻き始め端末をスプール1か
ら取り外し、図10に示すような中心に例えばテーパ穴
3aを有し、コイル外径がコイル軸線方向へほぼ同一外
径になるようなコイル巻層体3を形成し、線材Aをコイ
ル巻層体3の外側から取り出せるようにしたコアレスコ
イルを製造する。
【0012】なお、前記したコアレスコイルの製造方法
では、ガイドシーブ2の方を移動させ、線材Aの方をト
ラバースさせて線材Aをスプール1の巻胴1aに巻回す
るようにしたが、ガイドシーブ2の方を固定し、スプー
ル1の方を左右に往復移動させて線材Aを往復トラバー
スさせることにより、線材Aを巻胴1aに巻回してコイ
ル巻層体3で構成されるコアレスコイルを製造すること
もある。
【0013】上記のようにして製造されたコアレスコイ
ルは保管、運搬等の際、荷崩れ等が生じないように、図
13乃至15に示すように、コイル巻層体3の外周を円
周方向に数箇所にわたり鋼帯等のバンド4で結束すると
共に、必要に応じて該コイル巻層体3の外周を熱収縮性
フイルム、シートからなるシュリンク梱包材(図示せ
ず)で覆って梱包し、コイル巻層体3のテーパ穴3aの
中心軸線が垂直になるように、且つ、テーパ穴3aの穴
径の大きい方が上部に位置するように90度転回してパ
レット5に載置して、保管、運搬等に供せられる。
【0014】このコアレスコイルを使用する場合には、
図14に示すように、コイル巻層体3の上面及び外周面
を覆うシュリンク梱包材(これが設けられている場合)
を取り除き、コイル巻層体3の上面に塩化ビニール樹脂
或いはアクリル樹脂製の中空円板6を載せて保持する。
【0015】次に、コイル巻層体3を円周方向の数箇所
で輪状にバインドして結束しているバンド4を、それぞ
れコイル巻層体3の外側において、上下方向の中間適宜
位置で上下に分断し、上方に分断された各バンド4端末
を上側へ折り曲げてコイル巻層体3の上方へ引き出し、
これをそれぞれ図15に示すようにバンド止め部7のバ
ンド通し穴(図示せず)に外側から内側へ通して止め
る。
【0016】次に、前記中空円板6の上にコアレスコイ
ルを構成するコイル巻層体3の外側から線材Aをガイド
しながら取り出して上方へ引き上げるための線材ガイド
8を配設する。この線材ガイド8は、図15に示すよう
に、コイル巻層体3のテーパ穴3a内を貫通してパレッ
ト5上に立設された支持軸9に、各スパイダ10を介し
て上下2段に、且つ、中空円板6と同軸状に配設される
上環状ガイド体11と、このガイド体11及びコイル巻
層体3の外径より少し大径の下環状ガイド体12と、上
環状ガイド体11の円周方向へ所定間隔をおいて取り付
けられ、各先端が下環状ガイド体12の外周縁を越えて
延出される多数本のナイロン等で出来た適度に剛性と可
撓性を兼ね備えるひげ状体13とからなる。
【0017】次に、図15に示すように、線材Aをコイ
ル巻層体3の外側からその外周面に沿ってスパイラル状
に回しながら線材ガイド8を通して取り出して上方へ引
き上げる。即ち、線材Aをコイル巻層体3の最外層の上
方位置から漸次内層の下方位置に向けて上下方向へトラ
バースさせながらコイル巻層体3の外側からスパイラル
状にほぐして取り出し、更に線材ガイド8のひげ状体1
3に当接させながらガイドして上方へ、且つ、半径方向
内側へ方向変換させながら引き上げる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来のコアレスコイル
によると、これを製造する過程において、ガイドシーブ
2の大きさやスプール1の巻胴1aの外径、線材Aの種
類により、コイル巻層体3の任意巻層における線材Aの
1周巻回ループを採取して水平な台等に置いてその残留
ひずみを開放したときに得られる残留曲率R(該ループ
の巻き半径)が、図16に示すように、線材Aをスプー
ル1の巻胴1aにコイル状に巻回するときの巻取曲率r
(該ループの巻き半径)よりも小さくなることが多い。
【0019】そうすると、このコアレスコイルを使用し
て線材Aを後工程で表面処理したり、絶縁被覆したり、
焼鈍したり、撚り合わせたり、伸線加工したり等する設
備に供給するために、線材Aを図15に示す状態からコ
アレスコイルを構成するコイル巻層体3の外側から取り
出して上方へ引き上げる際、図17に示すように、コイ
ル巻層体3の上方部位において、即ち、コイル巻層体3
の上に中空円板6を介して配設されている線材ガイド1
0とガイドシーブ2間の個所Pにおいて、線材Aにこれ
を捻ろうとするひずみが溜まって捩れが生じ易くなる。
更に、そのひずみが高じて、図18に示すように、ルー
プ状絡み部Qが生じ易くなる。その結果、線材Aがもつ
れてその円滑な取り出しが困難になったり、断線を引き
起こしたりする頻度が多くなり、コアレスコイルが使用
できなくなるほか、コアレスコイルを使用する設備の稼
働率を低下させることがあった。
【0020】本発明は上記の課題を解決し、コアレスコ
イルの使用時に、線材の取り出し途中で線材にループ状
絡み部が生じるのを減少させて線材を円滑に取り出すこ
とができると共に、コアレスコイルを使用する設備の稼
働率を高めることができるコアレスコイル及びその製造
方法を提供する。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に記載された発明は、線材がコイ
ル状に巻回されたコイル巻層体で構成され、線材をコイ
ル巻層体の外側から取り出せるようにしたコアレスコイ
ルにおいて、前記コイル巻層体の任意巻層における線材
の1周巻回ループの残留ひずみを開放したときに得られ
る残留曲率が該巻層において線材をコイル状に巻回する
ときの巻取曲率よりも大きくなるように設定されている
ことを特徴とするものである。
【0022】上記構成のコアレスコイルによると、コイ
ル巻層体の任意巻層における線材の1周巻回ループの残
留ひずみを開放したときに得られる残留曲率が線材をコ
イル状に巻回するときの巻取曲率よりも大きくなるよう
に設定されているので、線材をコイル巻層体の外側から
取り出して上方へ引き上げる際、コイル巻層体の外側か
ら取り出されて上方へ引き上げられる線材がコイル巻層
体の半径方向の外方へ広がって線材を内側へ捻ろうとす
る捻り力に制動がかけられ、コイル巻層体の上方部位に
おいて、その線材を捻ろうとするひずみの溜まるのが抑
制される。その結果、線材がその部位で捻られにくくな
って、コアレスコイルの使用時に、線材の取り出し途中
で線材が大きく捻られるようなことがなくなり、ループ
状絡み部が生じることが減少し、線材を円滑に取り出す
ことができるようになるほか、コアレスコイルを使用す
る設備の稼働率を高めることができる。
【0023】本発明の請求項2に記載された発明は、請
求項1記載のコアレスコイルにおいて、前記コイル巻層
体の任意巻層における線材の前記残留曲率Rが、該巻層
において採取した線材の1周巻回ループの開いた両端部
の間隔Dが(0.60〜3.0)rの範囲に入るよう
に、前記巻取曲率rよりも大きく設定されていることを
特徴とするものである。
【0024】このような構成によると、コアレスコイル
の使用時に、コイル巻層体の外側から線材を取り出して
上方へ引き上げる際、コイル巻層体の上方部位におい
て、線材に捩れが殆ど生じなくなり、従って、線材にル
ープ状絡み部が殆ど生じなくなり、線材をその全長にわ
たり連続して円滑に取り出すことが可能になり、コアレ
スコイルを使用する設備の稼動率をより高めることがで
きるので好ましい。
【0025】本発明の請求項3に記載された発明は、線
材をガイドしながらスプールに供給するガイドシーブを
スプールに対して相対的に往復移動させ、線材を往復ト
ラバースさせながらスプールの巻胴にコイル状に巻回し
てコイル巻層体を形成し、スプールから取り除いて得ら
れるコアレスコイルの製造方法において、前記ガイドシ
ーブとスプール間で線材にこれをスプールの巻胴に巻回
する方向とは逆方向の曲げ力を付与し、前記コイル巻層
体の任意巻層における線材の1周巻回ループの残留ひず
みを開放したときに得られる残留曲率が該巻層において
線材をコイル状に巻回するときの巻取曲率よりも大きく
なるように調整しながら、線材をスプールの巻胴にコイ
ル状に巻回してコイル巻層体を形成することを特徴とす
るものである。
【0026】このような構成によると、前記ガイドシー
ブとスプール間で線材に曲げ力を付与して前記コイル巻
層体の任意巻層における線材の1周巻回ループの残留曲
率Rが該巻層における線材の巻取曲率rより大きくなる
ように調整するようにしたので、コアレスコイルを歩留
まりよく能率的に製造することができ、コアレスコイル
のコストを安くすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に本発明に係るコアレスコイル
及びその製造方法の実施形態を図面により詳細に説明す
る。なお、従来のコアレスコイル、梱包等の部品で同一
構造、機能を有するものは同一符号を使用している。本
発明のコアレスコイルは、図1に示すように、線材Aが
コイル状に巻回されて中心に例えばテーパ穴14aを有
するコイル巻層体14で構成され、コイル巻層体14の
外側から線材Aを取り出せるようになっている。また、
本発明のコアレスコイルは、更に、コイル巻層体14の
任意巻層における線材Aを2箇所切断して線材Aの1周
巻回ループを採取し、水平な台等に置いてその残留ひず
みを開放したときに得られる該ループの残留曲率R(開
ループの巻き半径)が、図2に示すように、線材Aをス
プール1の巻胴1aにコイル状に巻回するときの巻取曲
率r(閉ループの巻き半径)よりも大きくなるようにな
っている。前記残留曲率Rは採取した線材Aの1周巻回
ループ(開ループ)の開いた両端部の間隔Dが(0.6
〜3.0)rの範囲(0.6r≦D≦3.0r)に入る
ようにして前記巻取曲率rよりも大きく設定するのが好
ましい。本発明のコアレスコイルは以上のような構成に
なっている。
【0028】上記構成のコアレスコイルは保管、運搬等
の際、荷崩れ等が生じないように、図3乃至5に示すよ
うに、コイル巻層体14の外周を円周方向に数箇所にわ
たり鋼帯等のバンド4で結束すると共に、必要に応じて
該コイル巻層体14の外周を熱収縮性フイルム、シート
からなるシュリンク梱包材(図示せず)で覆って梱包
し、コイル巻層体14のテーパ穴14aの中心軸線が垂
直になるように、且つ、テーパ穴14aの穴径の大きい
方が上部に位置するように90度転回してパレット5に
載置して、保管、運搬等に供せられる。
【0029】このコアレスコイルを使用する場合には、
図4に示すように、コイル巻層体14の上面及び外周面
を覆うシュリンク梱包材(これが設けられている場合)
を取り除き、コイル巻層体14の上面に塩化ビニール樹
脂或いはアクリル樹脂製の中空円板6を載せて保持す
る。
【0030】次に、コイル巻層体14を円周方向の数箇
所で輪状にバインドして結束しているバンド4を、それ
ぞれコイル巻層体14の外側において、上下方向の中間
適宜位置で上下に分断し、上方に分断された各バンド4
端末を上側へ折り曲げてコイル巻層体14の上方へ引き
出し、これをそれぞれ図5に示すようにバンド止め部7
のバンド通し穴(図示せず)に外側から内側へ通して止
める。
【0031】次に、前記中空円板6の上にコアレスコイ
ルを構成するコイル巻層体14の外側から線材Aをガイ
ドしながら取り出して上方へ引き上げるための線材ガイ
ド8を配設する。この線材ガイド8は、図5に示すよう
に、コイル巻層体14のテーパ穴14a内を貫通してパ
レット5上に立設された支持軸9に、各スパイダ10を
介して上下2段に、且つ、中空円板6と同軸状に配設さ
れる上環状ガイド体11と、このガイド体11及びコイ
ル巻層体14の外径より少し大径の下環状ガイド体12
と、上環状ガイド体11の円周方向へ所定間隔をおいて
取り付けられ、各先端が下環状ガイド体12の外周縁を
越えて延出される多数本のナイロン等で出来た適度に剛
性と可撓性を兼ね備えるひげ状体13とからなる。
【0032】次に、図5に示すように、線材Aをコイル
巻層体14の外側からその外周面に沿ってスパイラル状
に回しながら線材ガイド8を通して取り出して上方へ引
き上げる。即ち、線材Aをコイル巻層体14の最外層の
上方位置から漸次内層の下方位置に向けて上下方向へト
ラバースさせながらコイル巻層体14の外側からスパイ
ラル状にほぐして取り出し、更に線材ガイド8のひげ状
体13に当接させながらガイドして上方へ、且つ、半径
方向内側へ方向変換させながら引き上げ、コイル巻層体
14の最内層(1層目)の線材Aが取り出された時点で
線材Aの取り出し作業を終了する。
【0033】本発明のコアレスコイルを使用して線材A
を後工程で表面処理したり、伸線加工したり等する設備
に供給するために、線材Aを図5に示すようにコイル巻
層体14の外側から取り出して上方へ引き上げる際、コ
イル巻層体14の任意巻層、即ち、線材Aが取り出され
る巻層部分における線材Aの1周巻回ループの残留ひず
みを開放したときに得られる残留曲率Rが,図2に示す
ように、線材Aをコイル状に巻回するときの巻取曲率r
よりも大きくなるように設定されている。
【0034】そうすると、図6に示すように、コイル巻
層体14の外側から取り出されて上方へ引き上げられる
線材Aがコイル巻層体14の半径方向の外方へ広がって
該線材Aを内側へ捻ろうとする捻り力に制動がかけら
れ、コイル巻層体14の上方部位において、その線材A
を捻ろうとするひずみの溜まるのが抑制される。その結
果、線材Aがその部位で捻られにくくなって、コアレス
コイルの使用時に、線材Aの取り出し途中で線材Aが大
きく捻られるようなことがなくなり、従って、前記ルー
プ状絡み部Q(図18参照)が生じることが減少し、線
材Aを円滑に取り出すことができるようになるほか、コ
アレスコイルを使用する設備の稼働率を高めることがで
きる。
【0035】なお、前記したように、前記コイル巻層体
14の任意巻層における線材Aの前記残留曲率Rが、該
巻層において採取した線材Aの1周巻回ループの開いた
両端部の間隔Dが(0.60〜3.0)rの範囲に入る
ように、前記巻取曲率rよりも大きく設定されている
と、コアレスコイルの使用時に、コイル巻層体14の外
側から線材Aを取り出して上方へ引き上げる際、コイル
巻層体14の上方部位において、線材Aに捩れが殆ど生
じなくなり、従って、線材Aに前記ループ状絡み部Qが
殆ど生じなくなり、線材Aをその全長にわたり連続して
円滑に取り出すことが可能になり、コアレスコイルを使
用する設備の稼動率をより高めることができるので好ま
しい。
【0036】次に、本発明のコアレスコイルの製造方法
を図7、8により説明する。先ず、図示しない線材圧延
機、伸線機等から送出される線材Aをガイドしながらス
プール1に供給するガイドシーブ2を、スプール1にお
けるテーパ状の巻胴1aの外径の小さい右方のトラバー
ス反転位置B(右側鍔の内側面近傍位置)に配置すると
共に、ガイドシーブ5及び後記する整直器15を通して
案内された線材Aの巻き始め端末をスプール1に固定す
る。
【0037】次に、スプール1を矢印方向へ起動回転さ
せ、ガイドシーブ2と該シーブ2及びスプール1間に配
設されて線材Aの蛇行等の曲げ癖を除去して整直する整
直器15とをスプール1の巻胴1aの外径が大きい左方
へ移動させ、線材Aを左方へ所定の距離だけトラバース
させると共に、前記ガイドシーブ2とスプール1間で、
整直器15自体を図7において矢印X方向へ所定量押し
込むことにより、線材Aにこれをスプール1の巻胴1a
に巻回する方向とは逆方向の曲げ力を付与し、前記コイ
ル巻層体14の任意巻層における線材Aの1周巻回ルー
プの残留ひずみを開放したときに、前記ガイドシーブ2
とスプール1間で得られる残留曲率Rが線材Aをコイル
状に巻回するときの巻取曲率rよりも大きくなるように
調整しながら、線材Aをスプール1の巻胴1aにコイル
状に巻回して図1、8に示すような1層目の巻層(最内
層)を形成する。
【0038】前記整直器15としては、種々のものがあ
るが、例えば、線材Aの長さ方向に間隔をおいて線材A
をはさむように千鳥状に配列される複数の固定ロール1
6と少なくとも1個の可動ロール17とからなり、可動
ロール17を固定ロール16の方に所定量移動させて、
線材Aを蛇行させることにより、線材Aを整直するもの
である。整直器15の前記押し込み量を大きくして線材
Aに付与される曲げ力の大きさが大きくなるほど、前記
コイル巻層体14の任意巻層における線材Aの1周巻回
ループの残留ひずみを開放したときに得られる残留曲率
Rが線材Aをコイル状に巻回するときの巻取曲率rより
も大きくなる。なお、この残留曲率Rは前記採取した線
材Aの1周巻回ループ(開ループ)の開いた両端部の間
隔Dが(0.6〜3.0)rの範囲(0.6r≦D≦
3.0r)で前記巻取曲率rよりも大きくなるように、
線材Aに付与する前記曲げ力の大きさを適宜変えること
により調整することが好ましい。
【0039】次に前記したように線材Aの1層目の巻層
形成が終了したら、ガイドシーブ2及び整直器15の移
動を反転させてこれらを前記巻胴1aの外径の小さい方
へ前記トラバース反転位置Bまで移動させると共に、線
材Aのトラバースを反転させて、これを右方へ1層目を
形成する場合と同じ距離だけトラバースさせながら、前
記1層目の巻層(最内層)を形成する方法と同じ方法に
より、即ち、線材Aに残留曲率Rが巻取曲率rよりも大
きくなるように適宜曲げ力を付与しながら、前記巻胴1
aにコイル状に巻回して前記1層目の上に図1、8に示
すような2層目の巻層を形成する。
【0040】次に、前記2層目を形成した後、ガイドシ
ーブ2及び整直器15を前記トラバース反転位置Bで反
転させて左方へ移動させると共に、線材Aを左方へ前記
1、2層目を形成する場合よりも少し長い距離だけトラ
バースさせながら、前記1層目、2層目を形成する方法
と同じ方法により前記巻胴1aにコイル状に巻回して前
記2層目の上に3層目の巻層を形成する。
【0041】次に、ガイドシーブ2及び整直器15の移
動を反転させて、これを前記巻胴1aの外径の小さい方
へ前記トラバース反転位置Bまで移動させると共に、線
材Aのトラバースを反転させて、これを右方へ前記3層
目を形成する場合と同じ距離だけトラバースさせなが
ら、前記と同様な方法により前記巻胴1aにコイル状に
巻回して前記3層目の上に4層目の巻層を形成する。
【0042】以後同様にして、ガイドシーブ2及び整直
器15をスプール1に対して往復移動させると共に、線
材Aを往復トラバースさせる距離(トラバース長)を線
材Aの巻量の増加、更に詳細に述べると、線材Aの奇数
巻層を形成する毎に少し長くしながら、前記と同様な方
法により前記巻胴1aにその外径の小さい方からコイル
状に巻回して5層目、6層目等の巻層を形成して行く。
【0043】そして、図1、8に示すように、ガイドシ
ーブ2及び整直器15が巻胴1aの外径の大きい左方の
トラバース反転位置C(左側鍔の内側面近傍位置)に到
達する前に、スプール1の巻胴1aの外径が小さい右方
のトラバース反転位置B側に形成される巻層の方が先に
所定の最大巻層(最外層)に到達した場合には、トラバ
ース反転位置Cで線材Aのトラバースを反転させる以前
に、線材Aの巻量(巻層)の増加に伴い、ガイドシーブ
2及び整直器15の右方の移動反転位置、即ち、線材A
の右方のトラバース反転位置を前記トラバース反転位置
Bよりもトラバース反転位置Cに近づく方向へ漸次移動
させながら、線材Aをコイル状に巻回して前記と同様な
方法により前記以降の巻層を形成し、コイル外径がコイ
ル軸線方向へほぼ同一外径になるように整える。やが
て、ガイドシーブ2及び整直器15が巻胴1aの外径の
大きい左方のトラバース反転位置Cに到達した後は、ガ
イドシーブ2及び整直器15をトラバース反転位置Cと
の間で往復移動させながら、同様に線材Aをコイル状に
巻回して前記以降の巻層を形成する。
【0044】また、図示しないが、スプール1の巻胴1
aの外径が小さい右方のトラバース反転位置B側に形成
される巻層が所定の最大巻層(最外層)に到達する前
に、ガイドシーブ2及び整直器15が巻胴1aの外径の
大きい左方のトラバース反転位置C(左側鍔の内側面近
傍位置)に到達した場合には、ガイドシーブ2及び整直
器15をトラバース反転位置B、C間で往復移動させる
と共に、線材Aをトラバース反転位置B、C間で往復ト
ラバースさせながら前記と同様な方法により多層の巻層
を形成して行く。やがて、スプール1の巻胴1aの外径
が小さい右方のトラバース反転位置B側に形成される巻
層が所定の最大巻層(最外層)に到達したとき、線材A
の巻量(巻層)の増加に伴い、ガイドシーブ2及び整直
器15の右方の移動反転位置、即ち、線材Aの右方のト
ラバース反転位置を前記トラバース反転位置Bよりもト
ラバース反転位置Cに近づく方向へ漸次移動させなが
ら、トラバース反転位置Cとの間で線材Aをコイル状に
巻回して前記以降の巻層を形成し、コイル外径がコイル
軸線方向へほぼ同一外径になるように整えて行く。
【0045】このようにして、いずれの場合も巻層の形
成終了近くでは、線材Aを左方のトラバース反転位置C
と該位置Cに漸次近づく右方の反転位置との間で往復ト
ラバースさせることにより多層の巻層を形成した後、ガ
イドシーブ2及び整直器15の移動をトラバース反転位
置C付近で停止させて線材Aの巻回を終了する。そし
て、線材Aの巻き終わり部分をカッター等で切断して、
その巻き終わり端末がばらけないように、該端末をコイ
ル巻層体14の最外層等に絡ませる等して係留する。ま
た、図8に示すスプール1を分解等してコイル巻層体3
をスプール1から取り除くと共に、線材Aの巻き始め端
末をスプール1から取り外し、図1に示すような中心に
例えばテーパ穴14aを有し、コイル外径がコイル軸線
方向へほぼ同一外径になるようなコイル巻層体14を形
成し、線材Aをコイル巻層体3の外側から取り出せるよ
うにしたコアレスコイルを製造する。
【0046】なお、前記したコアレスコイルの製造方法
では、ガイドシーブ2及び整直器15の方を移動させ、
線材Aの方をトラバースさせて線材Aをスプール1の巻
胴1aに巻回するようにしたが、ガイドシーブ2及び整
直器15の方を固定し、スプール1の方を左右に往復移
動させて線材Aを往復トラバースさせることにより、線
材Aを巻胴1aに巻回してコイル巻層体14で構成され
るコアレスコイルを製造するようにしてもよい。
【0047】図9は図7、8に示すコアレスコイルの製
造方法とは異なるコアレスコイルの製造方法を示す概要
図である。このコアレスコイルの製造方法が図7、8に
示すコアレスコイルの製造方法と異なるところは、前記
ガイドシーブ2とスプール1間で線材Aにこれをスプー
ル1の巻胴1aに巻回する方向とは逆方向の曲げ力を付
与する手段として、整直器15の代わりに1個の曲げロ
ール18を用い、この曲げロール18を線材Aに当てて
矢印X方向へ所定量押し込むことにより付与する方法を
採用したことである。その他の製造方法は前記の方法と
同じである。即ち、この曲げロール18により、線材A
に所定の曲げ力を付与しながら、ガイドシーブ2及び曲
げロール18を往復移動させ、線材Aをスプール1の巻
胴1aに巻回して巻き取って行く。この際、形成される
コイル巻層体14の任意巻層における線材Aの1周巻回
ループの残留ひずみを開放したときに得られる残留曲率
Rが線材Aをコイル状に巻回するときの巻取曲率rより
も大きくなるように調整しながら、前記図7、8に示す
方法と同じ方法により線材Aをスプール1の巻胴1aに
コイル状に巻回してコイル巻層体14を構成するコアレ
スコイルを製造する。その詳細説明は重複を避けるため
に省略する。
【0048】前記図7、8又は図9に示すような製造方
法で本発明コアレスコイルを製造すると、そのコアレス
コイルを歩留まりよく能率的に製造することができ、コ
アレスコイルのコストを安くすることができる。
【0049】次に、図7、8に示す本発明の製造方法及
び従来の製造方法でコアレスコイルを下記条件に基づい
て各々5個試作し、線材Aをコアレスコイルを構成する
コイル巻層体14、3の外側から取り出して上方へ引き
上げる実験を行い、コイル巻層体14、3の上方部位に
おける線材Aの捻れ状況を調査した。この場合、コイル
巻層体14、3はその1層目(最内層)における線材A
の1周巻回ループの残留ひずみを開放したときに得られ
る残留曲率Rが線材Aをコイル状に巻回するときの巻取
曲率rに対して、線材Aの1周巻回ループ(開ループ)
の開いた両端部の間隔Dが−1.0rから3.8r以上
の範囲で7つのブロックに区分され、各ブロックの設定
条件に基づいて構成されている。その調査結果を下記表
1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】上記表1に示す調査結果により、従来の方
法で試作されたコアレスコイルにおいては、これを構成
するコイル巻層体3の1層目(最内層)における線材A
の1周巻回ループの残留ひずみを開放したときに得られ
る残留曲率Rが線材Aをコイル状に巻回するときの巻取
曲率rより小さく、線材Aの前記1周巻回ループ(開ル
ープ)の開いた両端部の間隔Dが−1.0r〜−0.2
rの範囲に設定されている場合のコイル巻層体3では、
これより取り出された線材Aがコイル巻層体3の上方部
位で大きく捻れて、3個のコアレスコイルにループ状絡
み部Qが生じた。
【0052】これに対して、本発明の方法で試作された
コアレスコイルにおいては、これを構成するコイル巻層
体14の前記残留曲率Rが前記巻取曲率rより大きく、
前記1周巻回ループの開いた両端部の間隔Dが0.1r
〜0.6r未満及び3.0rより大きくなる範囲に設定
されている場合のコイル巻層体14では、コイル巻層体
14の上方部位で線材Aに少し捩れが生じたが、線材A
が大きく捻られてループ状絡み部を生じるようなことが
なく、線材を比較的円滑に取り出して引き上げることが
できた。更に、前記両端部の間隔Dが0.6r〜3.0
rの範囲に設定されている場合のコイル巻層体14で
は、コイル巻層体14の上方部位で線材Aに捩れが生じ
ず、従って、線材Aにループ状絡み部が生じるようなこ
とがなく、線材Aをその全長にわたり連続して円滑に取
り出して上方へ引き上げることができた。以上の調査結
果により、本発明のコアレスコイルが従来のものよりも
コアレスコイルからの線材Aの取り出し性能が優れてい
ることが分かる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載のコアレスコイルは、コイル巻層体の任意巻層にお
ける線材の1周巻回ループの残留ひずみを開放したとき
に得られる残留曲率が線材をコイル状に巻回するときの
巻取曲率よりも大きくなるように設定されているので、
コアレスコイルの使用時に、線材の取り出し途中で線材
が大きく捻られるようなことがなくなり、ループ状絡み
部が生じることが減少し、線材を円滑に取り出すことが
できるようになるほか、コアレスコイルを使用する設備
の稼働率を高めることができる。
【0054】また、本発明の請求項2記載のコアレスコ
イルのように、これを構成するコイル巻層体の任意巻層
における線材の前記残留曲率Rが、該巻層において採取
した線材の1周巻回ループの開いた両端部の間隔Dが
(0.60〜3.0)rの範囲に入るように、前記巻取
曲率rよりも大きく設定されていると、コアレスコイル
の使用時に、コイル巻層体の外側から線材を取り出され
る線材に捩れが殆ど生じなくなり、従って、線材にルー
プ状絡み部が殆ど生じなくなり、線材をその全長にわた
り連続して円滑に取り出すことが可能になり、コアレス
コイルを使用する設備の稼動率をより高めることができ
るので好ましい。
【0055】更に、本発明の請求項3記載のコアレスコ
イルの製造方法は、線材をガイドしながらスプールに供
給するガイドシーブをスプールに対して相対的に往復移
動させ、線材を往復トラバースさせながらスプールの巻
胴にコイル状に巻回してコイル巻層体を形成し、スプー
ルから取り除いて得られるコアレスコイルの製造方法に
おいて、前記ガイドシーブとスプール間で線材にこれを
スプールの巻胴に巻回する方向とは逆方向の曲げ力を付
与し、前記コイル巻層体の任意巻層における線材の1周
巻回ループの残留ひずみを開放したときに得られる残留
曲率が該巻層において線材をコイル状に巻回するときの
巻取曲率よりも大きくなるように調整しながら、線材を
スプールの巻胴にコイル状に巻回してコイル巻層体を形
成するので、コアレスコイルを歩留まりよく能率的に製
造することができ、コアレスコイルのコストを安くする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコアレスコイルの一実施形態を示す一
部斜視断面略図である。
【図2】本発明のコアレスコイルにおいて、コイル巻層
体の任意巻層における線材の1周巻回ループを採取して
水平な台等に置き、ループの残留ひずみを開放したとき
に得られる残留曲率が線材をコイル状に巻回するときの
巻取曲率よりも大きくなる状態を示す説明図である。
【図3】本発明のコアレスコイルの梱包状態を示す斜視
図である。
【図4】図3の梱包された状態のコアレスコイルから線
材を取り出して使用するために、コアレスコイルを構成
するコイル巻層体の上面に中空円板及び線材ガイドを配
設した状態の斜視図である。
【図5】図4のコアレスコイルの外側から線材を取り出
す状態を示す説明図である。
【図6】図5の状態よりコイル巻層体の上方へ引き上げ
られた線材が途中でループ状絡み部を生じることなく円
滑にガイドシーブへ案内される状態を示す説明図であ
る。
【図7】本発明に係るコアレスコイルの製造方法の一実
施形態を示す概要図である。
【図8】図7のコアレスコイルの製造方法において、ス
プールの巻胴にコイル巻層体を構成した状態を示す一部
省略断面図である。
【図9】本発明に係るコアレスコイルの製造方法の他の
実施形態を示す概要図である。
【図10】従来のコアレスコイルを示す一部斜視断面略
図である。
【図11】従来のコアレスコイルの製造方法を示す概要
図である。
【図12】図11のコアレスコイルの製造方法におい
て、スプールの巻胴にコイル巻層体を構成した状態を示
す一部省略断面図である。
【図13】従来のコアレスコイルの梱包状態を示す斜視
図である。
【図14】図13の梱包された状態のコアレスコイルか
ら線材を取り出して使用するために、コアレスコイルを
構成するコイル巻層体の上面に中空円板及び線材ガイド
を配設した状態の斜視図である。
【図15】図14のコアレスコイルから線材を取り出す
状態の説明図である。
【図16】従来のコアレスコイルにおいて、コイル巻層
体の任意巻層における線材の1周巻回ループを採取して
水平な台等に置き、ループの残留ひずみを開放したとき
に得られる残留曲率が線材をコイル状に巻回するときの
巻取曲率よりも小さくなる状態を示す説明図である。
【図17】図15の状態より線材をコイル巻層体の外側
から取り出す場合、線材に線材ガイドとガイドシーブ間
の個所Pにおいて、捩れが生じる状態を示す説明図であ
る。
【図18】図17に示す個所Pにおいて、線材に更にル
ープ状の絡み部が生じた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 スプール 1a 巻胴 2 ガイドシーブ 4 バンド 5 パレット 6 中空円板 7 バンド止め部 8 線材ガイド 9 支持軸 10 スパイダ 11 上環状ガイド体 12 下環状ガイド体 13 ひげ状体 14 コイル巻層体 14a テーパ穴 15 整直器 16 固定ロール 17 可動ロール 18 曲げロール A 線材 B トラバース反転位置 C トラバース反転位置 Q ループ状絡み部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線材がコイル状に巻回されたコイル巻層
    体で構成され、線材をコイル巻層体の外側から取り出せ
    るようにしたコアレスコイルにおいて、前記コイル巻層
    体の任意巻層における線材の1周巻回ループの残留ひず
    みを開放したときに得られる残留曲率が該巻層において
    線材をコイル状に巻回するときの巻取曲率よりも大きく
    なるように設定されていることを特徴とするコアレスコ
    イル。
  2. 【請求項2】 前記コイル巻層体の任意巻層における線
    材の前記残留曲率Rが、該巻層において採取した線材の
    1周巻回ループの開いた両端部の間隔Dが(0.60〜
    3.0)rの範囲に入るように、前記巻取曲率rよりも
    大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載の
    コアレスコイル。
  3. 【請求項3】 線材をガイドしながらスプールに供給す
    るガイドシーブをスプールに対して相対的に往復移動さ
    せ、線材を往復トラバースさせながらスプールの巻胴に
    コイル状に巻回してコイル巻層体を形成し、スプールか
    ら取り除いて得られるコアレスコイルの製造方法におい
    て、前記ガイドシーブとスプール間で線材にこれをスプ
    ールの巻胴に巻回する方向とは逆方向の曲げ力を付与
    し、前記コイル巻層体の任意巻層における線材の1周巻
    回ループの残留ひずみを開放したときに得られる残留曲
    率が該巻層において線材をコイル状に巻回するときの巻
    取曲率よりも大きくなるように調整しながら、線材をス
    プールの巻胴にコイル状に巻回してコイル巻層体を形成
    することを特徴とするコアレスコイルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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