JP2003340995A - 手切れ性に優れた積層二軸延伸ポリアミドフィルム - Google Patents
手切れ性に優れた積層二軸延伸ポリアミドフィルムInfo
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Abstract
なわち易開封性を有する二軸延伸ポリアミドフィルムを
提供する。 【解決手段】 非晶性ポリアミド樹脂層と結晶性ポリア
ミド樹脂層とを少なくとも一層ずつ有する積層ポリアミ
ドフィルムであって、非晶性ポリアミド樹脂層の厚み
が、積層ポリアミドフィルム全厚みに対し40〜95%
であることを特徴とする手切れ性に優れた積層二軸延伸
ポリアミドフィルム。端裂抵抗が5〜70Nであり、か
つフィルムの引張強度が40〜170MPaであること
を特徴とする上記積層二軸延伸ポリアミドフィルム。
Description
て、医薬品、日用品、コスメティックスなどの包装材料
として有用な手切れ性に優れたポリアミドフィルムに関
するものである。
性、力学的強度、低温ピンホール特性、耐熱性、耐油性
が優れており、チューブラー同時二軸延伸法、フラット
式同時二軸延伸法、フラット式逐次二軸延伸法などを用
いて製造され、各種分野において幅広く使用されてい
る。しかしながら二軸延伸ポリアミドフィルムは、一般
的に力学的強度が高いため切断されにくく、たとえば各
種包装材料として用いた際に、手で容易に開封、切断が
できないという問題点があった。
ロハンが知られているが、セロハンはポリアミドフィル
ムに比して耐衝撃性などの力学的特性や低温ピンホール
特性などに劣るため、ポリアミドフィルムが好適に用い
られる各種包装材料、たとえば液体充填用包装袋やチル
ド、冷凍食品用包装袋などには用いることができなかっ
た。
付与する方法としては、フィルム端部にノッチを付与す
る方法やフィルム端部に傷を付ける方法が挙げられる。
しかしながらノッチをつける方法ではノッチ以外の場所
から引裂くことはできないため、開封方法の自由度が低
く、またノッチからの引裂きに失敗した場合には手切れ
性が失われるという問題点があった。フィルム端部に傷
を付ける方法では、傷の付けられた部分では良好な手切
れ性が付与されるが、手切れ性があまりに良すぎるため
製袋などの二次加工時に切断しやすいといった問題や、
加工速度が遅いため生産性が低いという問題があった。
アミドフィルムの優れた特性および二次加工性を具備し
つつ、ノッチ加工などを施さずに手切れ性、すなわち易
開封性を付与したフィルムを工業的に安定に供給するこ
とが困難な状況にあった。
チ加工や傷加工を施さずに手切れ性、すなわち易開封性
を有する二軸延伸ポリアミドフィルムを提供することに
ある。
を解決するために検討を行った結果、結晶性ポリアミド
樹脂層に非晶性ポリアミド樹脂層を特定の割合で積層す
ることにより上記課題が解決されることを見いだし、本
発明に至った。すなわち本発明の要旨は以下のとおりで
ある。 (1)非晶性ポリアミド樹脂層と結晶性ポリアミド樹脂
層とを少なくとも一層ずつ有する積層ポリアミドフィル
ムであって、非晶性ポリアミド樹脂層の厚みが、積層ポ
リアミドフィルム全厚みに対し40〜95%であること
を特徴とする手切れ性に優れた積層二軸延伸ポリアミド
フィルム。 (2)フィルムの端裂抵抗が5〜70Nであり、かつ引
張強度が40〜170MPaであることを特徴とする
(1)記載の積層二軸延伸ポリアミドフィルム。
する。本発明において用いられる非晶性ポリアミド樹脂
とは、実質的に結晶性を示さないポリアミド樹脂のこと
を指す。すなわちガラス転移温度から融点までの任意の
温度領域においてその樹脂を放置した際に、結晶化度が
5%以下の樹脂のことをいう。
例えばテレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸
類と、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−
ジシクロヘキシレンプロパン、イソフォロンジアミンな
どのジアミン類との反応によって得られるポリアミド
類、および、上記成分にさらにラクタム成分や、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシ
アネート成分を共重合させたポリアミド類が挙げられ
る。市販の非晶性ポリアミド樹脂としては、EMS社製
の「グリボリーXE3038」(商品名)、三井デュポ
ンポリケミカル社製の「シーラーPA3426」(商品
名)、三菱エンジニアリングプラスチックス社製の「ノ
バミッドX21」(商品名)、EMS−CHEMIE社
製の「Grilamid」(商品名)などが挙げられ
る。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、二種以上を
混合して用いてもよい。
ド樹脂には、必要とされる特性が損なわれない範囲にお
いて他の高分子成分が含まれていてもよい。これらの高
分子成分は分子論的に相溶であっても、非相溶であって
も構わない。
において、非晶性ポリアミド樹脂層以外の層は、結晶性
ポリアミド樹脂層によって構成される。結晶性ポリアミ
ド樹脂層を用いることにより、非晶性ポリアミド樹脂層
のみによっては得られない耐熱性、力学的特性および良
好な延伸性、厚み精度が付与される。
ド樹脂としては、ε−カプロラクタムの開環重合によっ
て得られるポリアミド6、ヘキサメチレンジアミンとア
ジピン酸の縮重合によって得られるポリアミド66、1
1−アミノウンデカン酸の縮重合によって得られるポリ
アミド11、ω−ラウロラクタムの開環重合または12
−アミノドデカン酸の縮重合によって得られるポリアミ
ド12、またはこれらの共重合体などが挙げられる。中
でも、ポリアミド6は好適である。これらの樹脂は単独
で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
ド樹脂には、必要とされる特性が損なわれない範囲にお
いて他の高分子成分が含まれていてもよい。これらの高
分子成分は分子論的に相溶であっても、非相溶であって
も構わない。
は、非晶性ポリアミド樹脂層(A)と結晶性ポリアミド
樹脂層(B)とを少なくとも一層ずつ有することが必要
である。積層二軸延伸ポリアミドフィルムの具体的な層
構成としては、A/B、B/A/B、をはじめ、A/B
/A、B/A/B/A/B等が挙げられる。好ましい構
成としては、B/A/Bが挙げられる。また、本発明の
積層二軸延伸ポリアミドフィルムには、上記非晶性ポリ
アミド樹脂層と結晶性ポリアミド樹脂層以外に、層間接
着性を付与するために、接着剤層等を積層してもよい。
において、非晶性ポリアミド樹脂層の厚み構成比は、全
厚みの40〜95%であることが必要であり、60〜9
0%であることが好ましい。ここでいう厚み構成比と
は、フィルムの全厚みに対する非晶性ポリアミド樹脂層
厚みのパーセンテージのことである。非晶性ポリアミド
樹脂層の厚みが全厚みの95%を超えると、結晶性ポリ
アミド樹脂層の寄与により得られる耐熱性、力学的特性
および良好な延伸性、厚み精度が損なわれるため好まし
くない。また非晶性ポリアミド樹脂層の厚みが全厚みの
40%未満の場合、目的とする手切れ性が得られにくく
なるため好ましくない。
は、JIS C 2318 6.3.4項に準じて測定
されたフィルムの端裂抵抗が5〜70N、好ましくは1
0〜60N、さらに好ましくは15〜50Nであること
が好ましい。端裂抵抗がこれより大きい場合、目的とす
るフィルムの手切れ性が得られにくくなり、これより小
さい場合はフィルムの強度が低すぎ、延伸工程や、スリ
ット、印刷、製袋などの2次加工工程において切断トラ
ブルが発生しやすくなるため好ましくない。
ルムは、JIS K 6732に準じて測定されたフィ
ルムの引張強度が40〜170MPa、好ましくは40
〜160MPa、さらに好ましくは40〜150MPa
であることが好ましい。引張強度が170MPaより大
きい場合は目的とする手切れ性が得られにくくなるか、
または手切れ性を改良するためにフィルムを薄くしなけ
ればならず、二次加工などにおいてハンドリングが困難
となるため好ましくない。また引張強度が40MPaよ
り小さいと延伸工程や、スリット、印刷、製袋などの2
次加工工程において切断トラブルが発生しやすくなるた
め好ましくない。本発明においては、非晶性ポリアミド
樹脂層と結晶性ポリアミド樹脂層の厚み構成比により引
張強度をコントロールすることによって、強度と厚みの
バランスのよいフィルムを得ることができる。その結
果、手切れ性と加工性のバランスに優れたポリアミドフ
ィルムを得ることができる点が本発明の特徴である。
の厚みは特に限定されるものではなく、結果的にフィル
ムの端裂抵抗が本発明に規定された範囲内にあればよ
い。通常、5〜50μmの範囲であり、好ましくは7〜
40μm、さらに好ましくは9〜30μmの範囲内が好
ましい。フィルムが厚すぎると目的とする手切れ性が得
られにくく、薄すぎるとハンドリングが困難となるため
好ましくない。
は、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の各種添加
剤、例えば他の高分子、スリップ剤、無機フィラー、酸
化防止剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。スリッ
プ剤はフィルムのアンチブロッキング性、透明性の観点
から平均粒子径0.1〜4μmの不活性粒子、例えばシ
リカなどを0.005〜1.0質量%、好ましくは0.
01〜0.5質量%添加することが好ましい。
に応じて、他の高分子素材、例えば高密度ポリエチレン
樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチ
レン樹脂、変性ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、変性ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、および/またはそれらからなるフィルム
を、接着剤層の存在下または非存在下に少なくとも一層
以上積層してもよい。積層する方法としてはドライラミ
ネート法、押出ラミネート法、熱ラミネート法など任意
の公知の方法が挙げられる。
は必要に応じて、無機膜、例えば二酸化珪素、アルミ
ナ、二酸化亜鉛、またはこれらの混合物などからなる層
を積層してもよい。積層する方法としては物理蒸着法、
化学蒸着法など任意の公知の方法が挙げられる。
には必要に応じて、金属膜、例えばアルミニウムからな
る層を積層してもよい。積層する方法として例えば蒸着
法、ドライラミネート法など任意の公知の方法が挙げら
れる。
ド樹脂層とを積層する方法として、複数の押出機等の中
で、別々に樹脂を溶融し、ダイス出口から押出して成形
した未延伸フィルム同士を加温状態でラミネートする方
法が挙げられる。別の方法としては一方の未延伸フィル
ムの表面に、他方の溶融フィルムを溶融ラミネートする
方法が挙げられる。さらに別の方法としては共押出法に
より積層した状態でダイス出口より押出してフィルムを
成形する方法が挙げられる。
ルムを製造する方法の一例を説明する。非晶性ポリアミ
ド樹脂(A)と結晶性ポリアミド樹脂(B)をそれぞれ
別の2台の押出機に供給、溶融押出しし、複合アダプタ
ーを通過させ、2種2層(A/B)または2種3層(B
/A/B)としてTダイのダイオリフィスからシート状
に押出し吐出する。ダイオリフィスから吐出された軟化
状態にあるシートは、冷却ドラムに密着して巻きつけら
れて冷却される。続いて、得られた未延伸シートをA、
Bのガラス転移温度以上、(Aの融点−10℃)以下の
温度で、通常、縦横それぞれ3.0〜5.0倍の延伸倍
率で二軸延伸する。この際、未延伸フィルムを絶乾状態
で延伸してもよいし、10質量%以下に吸水させてから
延伸してもよい。二軸延伸されたフィルムは、続いて、
結晶性ポリアミド樹脂層の融点以下の温度で熱処理され
る。熱処理温度が高すぎるとフィルムが溶断するため好
ましくない。なお、二軸延伸方法としては、テンター同
時二軸延伸法、ロールとテンターによる逐次二軸延伸方
法、あるいはチューブラー法のいずれでもよい。
お、実施例及び比較例の評価に用いた測定方法は、次の
通りである。 〔端裂抵抗の測定〕端裂抵抗は、JIS C 2318
6.3.4項に準じ、フィルムのMD方向について測
定した。 〔引張強度の測定〕引張強度はJIS K 6732に
準じ、フィルムのMD方向について測定した。 〔手切れ性の評価〕100mm角に切り出されたフィル
ムサンプルの端部を両手で引き裂くことによりフィルム
のハンドカット性能を3段階で評価した。容易に手で引
き裂けたものを○、やや抵抗が高かったが引き裂きは可
能なものを△、手で引き裂くのが非常に困難であったも
のを×とした。
EMS−CHEMIE社製Grivory G21(商
品名)(ガラス転移点125℃、融点無し)を、また結
晶性ポリアミド樹脂層を構成する樹脂(B)として、平
均粒子径3μmの無定形シリカ粒子を800ppm含む
ユニチカ社製ナイロン6(A1030BRF、ガラス転
移温度40℃、融点224℃)を各々240℃の温度で
別々の押出機により溶融した。この溶融体を複合アダプ
ターで合流させた後にTダイより押出し、静電ピニング
法により冷却ドラムで急冷して、B/A/B構成の3層
の未延伸積層フィルムを得た。この時、最終的なポリア
ミドフィルムにおいて(A)と(B)の厚み構成が表1
の割合になるように各押出機の吐出量を調整した。得ら
れた未延伸積層フィルムを50℃の吸水槽中で2分間吸
水処理した後、テンター同時二軸延伸機に供給し、延伸
温度170℃で縦3.0倍、横3.3倍に同時二軸延伸
した。続いて温度210℃で熱処理、さらに室温まで冷
却後巻き取り機にてロール状に巻き取り、積層二軸延伸
ポリアミドフィルムを作製した。得られたフィルムの評
価結果を表1に示した。
ルムが得られたのに対し、非晶性ポリアミド樹脂層の厚
み比率が40%以下である比較例1〜3のフィルムは手
切れ性に劣り、手で引き裂くのが非常に困難であった。
脂層と結晶性ポリアミド樹脂層の厚み構成比により引張
強度をコントロールすることができ、強度と厚みのバラ
ンスのよいフィルムを得ることができる。その結果、手
切れ性と加工性のバランスに優れたポリアミドフィルム
を得ることができる。本発明によれば、食品をはじめと
する、医薬品、日用品、コスメティックスなどの包装材
料として有用な手切れ性に優れたフィルムを工業的かつ
容易に提供することが可能である。
Claims (2)
- 【請求項1】 非晶性ポリアミド樹脂層と結晶性ポリア
ミド樹脂層とを少なくとも一層ずつ有する積層ポリアミ
ドフィルムであって、非晶性ポリアミド樹脂層の厚み
が、積層ポリアミドフィルム全厚みに対し40〜95%
であることを特徴とする手切れ性に優れた積層二軸延伸
ポリアミドフィルム。 - 【請求項2】 フィルムの端裂抵抗が5〜70Nであ
り、かつ引張強度が40〜170MPaであることを特
徴とする請求項1記載の積層二軸延伸ポリアミドフィル
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002155888A JP4098564B2 (ja) | 2002-05-29 | 2002-05-29 | 手切れ性に優れた積層二軸延伸ポリアミドフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011037065A (ja) * | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Unitika Ltd | 二軸延伸プラスチックフィルムの製造方法およびフィルム製造装置 |
JP2011224912A (ja) * | 2010-04-22 | 2011-11-10 | Unitika Ltd | 複層白色ポリアミドフィルム |
-
2002
- 2002-05-29 JP JP2002155888A patent/JP4098564B2/ja not_active Expired - Fee Related
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