JP2011037065A - 二軸延伸プラスチックフィルムの製造方法およびフィルム製造装置 - Google Patents
二軸延伸プラスチックフィルムの製造方法およびフィルム製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011037065A JP2011037065A JP2009184604A JP2009184604A JP2011037065A JP 2011037065 A JP2011037065 A JP 2011037065A JP 2009184604 A JP2009184604 A JP 2009184604A JP 2009184604 A JP2009184604 A JP 2009184604A JP 2011037065 A JP2011037065 A JP 2011037065A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- clip
- tenter
- temperature
- manufacturing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Abstract
【解決手段】少なくとも1方向に延伸を行うテンターを用いて二軸延伸プラスチックフィルムを製造する方法において、テンタークリップのフィルムに接触しない部位の表面温度T1を75℃以上とすることを特徴とする二軸延伸プラスチックフィルムの製造方法。テンタークリップのフィルム把持部の表面温度T2を二軸延伸プラスチックフィルムのTg+35℃以下とすることを特徴とする前記製造方法。
【選択図】図1
Description
すなわち、本発明は、第一に、少なくとも1方向に延伸を行うテンターを用いて二軸延伸プラスチックフィルムを製造する方法において、テンタークリップのフィルムに接触しない部位(2〜4)の表面温度T1を75℃以上の温度に設定することを特徴とする二軸延伸プラスチックフィルムの製造方法である。
第二に、第一の製造方法によってフィルムを製造するための製造装置であって、テンターにおいて、テンタークリップを覆うリンクケーシングカバーを備えているフィルム製造装置である。
さらに、フィルム把持部の表面温度T2をTg+35℃以下に設定することで、フィルムの破断を少なくすることができる。
また、前記方法によりフィルムを製造するにあたり、テンターにおいて、テンタークリップ全体を覆うリンクケーシングカバーを備えていることで、テンタークリップのフィルムに接触しない部位全体がリンクケーシングカバーにより覆われるため、T1を前記温度範囲に制御することが容易となる。
また、本発明において「テンタークリップのフィルムに接触しない部位」とは、クリップレバー上部2、クリップ本体3、クリップ台4を合わせた部位を指している。
例えば、図1では、フィルムと接触しているクリップ把持部1は、クリップ把持部1の近傍に設置した冷却エアノズル6により、その温度T2が所定の温度となるように冷風を噴きつけられて温度が制御されている。また、テンタークリップのフィルムに接触しない部位は、リンクケーシングカバー7によってテンタークリップ全体を覆って、熱風給気エアダクト8より部位2〜4の温度T1が所定の範囲となるように熱風を供給して温度制御する構成をとることができる。
本発明において、二軸延伸プラスチックフィルムを構成する樹脂としては、種々の熱可塑性樹脂が使用できるが、中でもポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、およびこれらの混合物などのポリエステル系樹脂、あるいはポリカプロンアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリ−p−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)、およびこれらの混合物などのポリアミド系樹脂が挙げられる。
フィルムのTD方向の中央部付近から2cm角の範囲で試料のサンプリングを行い、20℃65%RHで24時間調湿し、20℃、65%RHの恒温恒湿室でそのフィルム試料6〜8mgをアルミニウム製のDSCサンプルパンに入れ、Perkin Elmer社製DSC−7を使用し、窒素中において280℃で5分間溶融保持し、−55℃に急冷固化した後、昇温速度20℃/分で280℃まで昇温した。この時観測されるガラス転移温度をTgとした。
極限粘度0.69dl/gのポリエチレンテレフタレート(Tg=70℃)を押出機にて溶融したのち、Tダイより押し出し、表面温度を20℃に温調した冷却ドラム上に静電印加法で密着させて急冷して厚さ500μmの未延伸フィルムを得た。続いて90℃に温調した予熱ロール群で予熱した後、90℃に温調した延伸ロール間で周速を変化させて4.0倍に縦延伸し、厚さ125μmの縦延伸フィルムを得た。続いて縦延伸フィルムをテンター式延伸機に導き、予熱温度90℃、延伸温度120℃で5倍に横延伸し、続いて245℃で熱処理を行い、200℃で横方向に3%の弛緩処理も行った。 テンターから出たフィルムは、フィルム速度150m/minで巻き取り、厚さ25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
(評価方法)
T1、T2を表1記載のように変更した以外は、実施例1のように生産して二軸延伸ポリエステルフィルムロールを得た。表1に示すように、T1温度を上げたことにより、実施例1よりもさらにオリゴマー欠点数が減り、クリップの汚れも少なかった。
T1、T2を表1記載のように変更した以外は、実施例1のように生産して二軸延伸ポリエステルフィルムロールを得た。オリゴマー欠点数が多く、クリップもオリゴマーが吐息で舞う程汚れていた。
T1、T2を表1記載のように変更した以外は、実施例1のように生産して二軸延伸ポリエステルフィルムロールを得た。T1がTg+35℃を超えている場合には、フィルム破断頻度が多すぎて、連続生産できなかったため、汚れ具合、オリゴマー欠点数を評価できなかった。
ナイロン6原料として、平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.2質量%と、エチレンビスステアロアミドを0.05質量%とを添加剤として含有したものを準備した。このナイロン6原料(Tg=44℃)を押出機およびTダイを用いて溶融押出しし、その後キャスティング・ドラムに巻き付けて冷却固化し、未延伸シートを作製した。この未延伸シートを70℃に温調した温水槽に送り、1分間の調湿処理を施した。その後、シートの幅方向の端部をフラット式同時二軸延伸機のクリップに把持させ、195℃の条件下、縦3.0倍、横3.3倍の延伸倍率で同時二軸軸延伸を施した。さらにその後、横方向の弛緩率を5%として、200℃で3秒間の熱処理を施し、冷却工程を経て、幅4m、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム原反を得た。テンタークリップは、表1記載のようにT1、T2を調整して生産した。得られた2軸延伸ポリアミドフィルムは、実施例1と同様にスリットし、評価を行った。2軸延伸ポリアミドフィルムでもオリゴマー欠点数が少なく、クリップの汚れが少なかった。
T1、T2を表1記載のように変更した以外は、実施例3のように生産して二軸延伸ポリアミドフィルムロールを得た。オリゴマー欠点数が多く、クリップもオリゴマーが吐息で舞う程汚れていた。
2 クリップレバー上部
3 クリップ本体
4 クリップ台
5 フィルム
6 冷却エアノズル
7 リンクケーシングカバー
8 熱風給気エアダクト
10 クリップレバー:フィルム把持部1とクリップレバー上部2を合わせた部位
20 テンタークリップ:1〜4の部位を合わせた部位
Claims (5)
- 少なくとも1方向に延伸を行うテンターを用いて二軸延伸プラスチックフィルムを製造する方法において、テンタークリップのフィルムに接触しない部位の表面温度T1を75℃以上とすることを特徴とする二軸延伸プラスチックフィルムの製造方法。
- テンタークリップのフィルム把持部の表面温度T2を二軸延伸プラスチックフィルムのTg+35℃以下とすることを特徴とする請求項1記載の二軸延伸プラスチックフィルムの製造方法。
- 請求項1または2に記載の製造方法によりフィルムを製造するための製造装置であって、少なくとも1方向に延伸を行って二軸延伸プラスチックフィルムを製造するためのテンターにおいて、テンタークリップを覆うリンクケーシングカバーを備えていることを特徴とするフィルム製造装置。
- テンターにおける延伸方式が同時二軸延伸である請求項3記載のフィルム製造装置。
- テンターにおける延伸方式が横延伸であって、縦延伸機と組み合わせて二段二軸延伸機を構成する請求項3記載のフィルム製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009184604A JP5399807B2 (ja) | 2009-08-07 | 2009-08-07 | 二軸延伸プラスチックフィルムの製造方法およびフィルム製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009184604A JP5399807B2 (ja) | 2009-08-07 | 2009-08-07 | 二軸延伸プラスチックフィルムの製造方法およびフィルム製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011037065A true JP2011037065A (ja) | 2011-02-24 |
JP5399807B2 JP5399807B2 (ja) | 2014-01-29 |
Family
ID=43765372
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009184604A Active JP5399807B2 (ja) | 2009-08-07 | 2009-08-07 | 二軸延伸プラスチックフィルムの製造方法およびフィルム製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5399807B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011189629A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Fujifilm Corp | フィルム延伸装置及び方法 |
JP2011189630A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Fujifilm Corp | フィルム延伸装置及び方法 |
JP2013056509A (ja) * | 2011-09-09 | 2013-03-28 | Unitika Ltd | オリゴマー付着異物を低減した引裂直線性二軸延伸ポリエステルフィルム |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61160223A (ja) * | 1985-01-10 | 1986-07-19 | Diafoil Co Ltd | フイルムの横延伸装置 |
JPS61164708U (ja) * | 1985-04-02 | 1986-10-13 | ||
JPH1177719A (ja) * | 1997-09-12 | 1999-03-23 | Konica Corp | セルローストリアセテートフィルムの製造装置及び製造方法 |
JPH11320673A (ja) * | 1998-05-20 | 1999-11-24 | Unitika Ltd | 同時2軸延伸フィルムの製造方法 |
JP2000254966A (ja) * | 1999-03-09 | 2000-09-19 | Unitika Ltd | 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 |
JP2003340995A (ja) * | 2002-05-29 | 2003-12-02 | Unitika Ltd | 手切れ性に優れた積層二軸延伸ポリアミドフィルム |
-
2009
- 2009-08-07 JP JP2009184604A patent/JP5399807B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61160223A (ja) * | 1985-01-10 | 1986-07-19 | Diafoil Co Ltd | フイルムの横延伸装置 |
JPS61164708U (ja) * | 1985-04-02 | 1986-10-13 | ||
JPH1177719A (ja) * | 1997-09-12 | 1999-03-23 | Konica Corp | セルローストリアセテートフィルムの製造装置及び製造方法 |
JPH11320673A (ja) * | 1998-05-20 | 1999-11-24 | Unitika Ltd | 同時2軸延伸フィルムの製造方法 |
JP2000254966A (ja) * | 1999-03-09 | 2000-09-19 | Unitika Ltd | 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 |
JP2003340995A (ja) * | 2002-05-29 | 2003-12-02 | Unitika Ltd | 手切れ性に優れた積層二軸延伸ポリアミドフィルム |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011189629A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Fujifilm Corp | フィルム延伸装置及び方法 |
JP2011189630A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Fujifilm Corp | フィルム延伸装置及び方法 |
JP2013056509A (ja) * | 2011-09-09 | 2013-03-28 | Unitika Ltd | オリゴマー付着異物を低減した引裂直線性二軸延伸ポリエステルフィルム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5399807B2 (ja) | 2014-01-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6555252B2 (ja) | 微多孔プラスチックフィルムの製造方法 | |
JP5399807B2 (ja) | 二軸延伸プラスチックフィルムの製造方法およびフィルム製造装置 | |
JP3765681B2 (ja) | ポリエステルフィルムの製造方法 | |
JP2009196356A (ja) | ポリマフィルムの延伸方法 | |
JP2008100456A (ja) | シート状物の熱処理装置 | |
US20190016035A1 (en) | Device and method for cooling foil material | |
JP2018047593A (ja) | フィルムの製造方法 | |
WO1989012544A1 (en) | Process for producing polyester film | |
JP4289323B2 (ja) | ポリアミド系樹脂フィルムロールの製造方法 | |
JP5799505B2 (ja) | 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法及び製造装置 | |
JP2015030185A (ja) | テンター装置および、およびそれを用いたフィルム製造装置 | |
JP2013056509A (ja) | オリゴマー付着異物を低減した引裂直線性二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JP2003251693A (ja) | 二軸延伸ポリエステルフィルムの弛緩熱処理方法 | |
JP2012016924A (ja) | 延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法 | |
JP5080328B2 (ja) | 延伸ポリエステルフィルムの製造方法及び製造装置 | |
JPH04290726A (ja) | 熱可塑性樹脂フイルムの製造方法 | |
JP2014208462A (ja) | テンターオーブンおよび熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 | |
US6358449B1 (en) | Apparatus and method for reducing die accumulation | |
JP2008307809A (ja) | ポリエステル系樹脂フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP2000233442A (ja) | 二軸延伸フィルムの製造方法 | |
JP2017177534A (ja) | フイルムの製造方法 | |
JP2020037256A (ja) | フィルムの製造方法 | |
JP2024009758A (ja) | 延伸フィルムの製造方法 | |
JP2014208463A (ja) | テンターオーブンおよび熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 | |
JPH09286054A (ja) | 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120727 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130619 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130716 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130913 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131008 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131024 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5399807 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |