JP6958111B2 - 熱収縮性積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ガスバリア性、保香性、透明性、層間接着性、熱収縮性、収縮時のデラミ抑制に優れた熱収縮性積層フィルムに関する。より詳細には、優れたガスバリア性、保香性、透明性や、優れた収縮性を利用した食品用包装材料、飲料用包装材料、医薬・医療用包装材料、化学品用包装材料、化粧品用包装材料、トイレタリー用包装材料、工業用包装材料、農業資材用包装材料等に好適に利用することができる熱収縮性積層フィルムに関する。
熱収縮性フィルムは、食品、飲料、医薬品、医療品、化学品、化粧品、トイレタリー、工業部材、農業資材等の包装材料として、幅広く利用されており、包装の対象となる物品や包装フィルムに求める機能も多様化している。例えば、医薬品や化学品、化粧品といった分野では、酸素等による内容物の変質を抑制することが求められるようになってきた。
一般に、液状物が充填された容器に対する熱収縮性フィルムとして、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸系樹脂等のフィルムが使用されているが、酸素遮断性が要求される場合、これらの樹脂では十分なガスバリア性を付与することが困難となる。
一方、高い酸素バリア性を有する包装材料としては、エチレンビニルアルコール系共重合体を用いた多層フィルムが知られているが、当該多層フィルムを熱収縮性フィルムとして利用する場合、エチレンビニルアルコール系共重合体の延伸性が乏しいことから、優れた収縮特性や好適な収縮応力を有する熱収縮性フィルムを得ることが困難であった。また、エチレンビニルアルコール系共重合体を用いた多層フィルムの場合、他の熱可塑性樹脂層を接着させるために、接着性樹脂層を選定することが最も重要な技術課題となる。
これらの課題に対し、側鎖に1,2−グリコール結合を有する構造単位を含有するエチレンビニルアルコール共重合体を用いた多層シュリンクフィルム(特許文献1、2)が開示されている。
また、融点が130℃以上の熱可塑性樹脂を含む基材層と、エチレン含有量が40mol%以下かつ融点が160℃以下のエチレンビニルアルコール共重合体ケン化物を含むガスバリア層と、ポリエチレン系樹脂を含むヒートシール層の3層を備え、基材層とガスバリア層の間やヒートシール層とガスバリア層の間に接着層を含むことが許容された熱収縮性積層フィルム(特許文献3)やエチレン含有量20〜60mol%、けん化度90%以上のエチレンビニルアルコール共重合体10〜95重量%及び芳香族系ポリアミド樹脂5〜95重量%からなる組成物層を少なくとも一層有する熱収縮性フィルム(特許文献4)が開示されている。
さらに、積層体として、ポリエチレンテレフタレートポリマーを少なくとも80重量%含有する二軸延伸熱収縮性フィルムと、無溶剤型接着剤被膜と、エチレンビニルアルコールを用いることが許容された熱収縮率が小さいフィルムとを含む積層体(特許文献5)や、エチレンビニルアルコール共重合体よりなるガスバリア層の両面に、特定の引張弾性率を有する複合材料層(接着樹脂層)、及び、熱可塑性エラストマー層を順次積層してなる積層体(特許文献6)が開示されている。
特開2006−123531号公報 特開2007−261075号公報 特開2016−179648号公報 特開平5−77352号公報 特表2004−538189号公報 特開平9−314763号公報
特許文献1、2では、側鎖に特定の構造単位を含有するエチレンビニルアルコール系共重合体を用いることにより、延伸性や熱収縮性、さらには収縮時の耐デラミ性について効果が見られている。しかしながら、異種材料の積層フィルムにおいて最も重要な接着層の選定については、想定される層構成の記載は見られるものの、好適な接着性樹脂として列挙されているものは、変性ポリオレフィン系重合体のみであり、後述するポリアミド系エラストマーに関する言及は一切見られない。また、収縮時の耐デラミ性に関しても、その要因を収縮後の層間接着力の低下に起因すると推測されており、収縮時のデラミが最大収縮応力と密接に相関することは、一切言及されていない。
また、特許文献3においても、基材層とガスバリア層やヒートシール層とガスバリア層の間に用いられる接着層に好適に用いられるものは、変性ポリオレフィン系樹脂のみである。また、包装体の変形抑制のため、収縮応力にピークを生じないことが言及されているが、接着性樹脂のハードセグメント/ソフトセグメントの比率により応力値を制御可能であることや、収縮時のデラミが最大収縮応力と密接に相関することは、一切言及されていない。特許文献4においても、多層構造を有する場合、層間に接着性樹脂を介してもよいことが記載されているが、例示されているのは、不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフィン系重合体または共重合体にグラフトしたもののみであり、後述するポリアミド系エラストマーに関する言及は一切見られない。
特許文献5に開示されている積層体に関しても、無溶剤型接着剤被膜としてエラストマー系を用いることが記載されているが、ポリウレタンに関する例示のみである。
さらに、特許文献6では、エチレンビニルアルコール共重合体よりなる層と、熱可塑性エラストマー層とを接合するため、両層の間に接合材料層を必須として有する。
当該接合材料層として無水マレイン酸変性ポリプロピレンが用いられている。一方、熱可塑性エラストマー層としては、オレフィン系熱可塑性エラストマーや、ポリアミド系熱可塑性エラストマーが用いられている。
しかしながら、熱可塑性エラストマー層としてポリアミド系熱可塑性エラストマーを用いた場合においても、接合材料層が介在し、接合材料層には無水マレイン酸変性ポリプロピレンが使用されている。
すなわち、エチレンビニルアルコール共重合体よりなる層とポリアミド系エラストマー層を隣接させることにより、優れた層間接着を有することを発見できていない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ガスバリア性、保香性、収縮性、透明性に優れ、層間の接着や収縮時のデラミ抑制に優れた熱収縮性積層フィルムを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記従来技術の課題を解決し得る熱収縮性積層フィルムを得ることに成功し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の目的は、以下の熱収縮性積層フィルム(以下、「本発明の熱収縮性積層フィルム」ともいう。)により達成される。
すなわち、本発明の課題は、下記樹脂組成物から構成される(I)層、(II)層、(III)層が、(I)層/(II)層/(III)層の順に隣接する3層を有し、100℃のシリコンバス中に1分間浸漬したときの主収縮方向の最大収縮応力が3.0MPa以上9.5MPa以下である熱収縮性積層フィルムによって解決される。
(I)層:熱可塑性樹脂を主成分としてなる樹脂組成物
(II)層:ハードセグメントとソフトセグメントの比率がハードセグメント/ソフトセグメント=10〜60質量%/40〜90質量%であるポリアミド系エラストマーを主成分としてなる樹脂組成物
(III)層:エチレンビニルアルコール系共重合体を主成分としてなる樹脂組成物
本発明によれば、ガスバリア性、保香性、透明性、収縮特性、層間接着性、収縮時のデラミ抑制に優れた熱収縮性積層フィルムを得ることができるため、酸素による内容物の変質を嫌う食品、医薬品および工業薬品等の包装用に好適に使用することができる。
図1は、本発明の熱収縮性積層フィルムの収縮時のデラミを評価に使用した測定治具の模式図である。
以下、本発明の実施形態の一例としての本発明の熱収縮性積層フィルムについて説明する。ただし、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「主成分」とは、構成する樹脂組成物の合計を100質量%したとき、50質量%以上を占める成分であることを示し、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
<本発明の熱収縮性積層フィルム>
<(I)層>
本発明の熱収縮性積層フィルムにおける(I)層は、熱可塑性樹脂を主成分としてなる樹脂組成物から構成される。
前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンビニルアルコール系共重合体、エチレン酢酸ビニル系共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、アラミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアセタール系樹脂等が挙げられる。
中でも、透明性、剛性、共押出性、ガスバリア性、環境衛生性、臭気、後述する(II)層との層間接着性などの観点からポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエステル系樹脂がさらに好ましい。
前記ポリエステル系樹脂が、ジカルボン酸成分と多価アルコール成分を構成ユニットとする共重合体である場合、多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどのアルキレングリコール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ダイマージオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノール化合物またはその誘導体のアルキレンオキサイド付加物などが用いることができる。これらは1種で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。中でも、多価アルコール成分の主成分としてエチレングリコール、1,4−ブタンジオールを用いることが好ましい。
上記脂環式ジオール成分は、ジカルボン酸化合物とジオール化合物とを反応させてポリエステル樹脂を得る際に、ジオール化合物中に脂環式ジオール化合物を一部混合させることにより、単一の共重合体としたものが挙げられる。また、ジカルボン酸化合物と脂環式ジオール化合物とを反応させたポリエステル樹脂を合成しておき、ジカルボン酸化合物と脂環式ジオール化合物以外のエチレングリコール等のジオール化合物とを反応させたポリエステル樹脂に混合したものが挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂が、ジカルボン酸成分と多価アルコール成分を構成ユニットとする共重合体である場合、ジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、それらのエステル形成誘導体、脂肪族ジカルボン酸などが用いることができる。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4−若しくは−2,6ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、オルトフタル酸、フェニレンジオキシジ酢酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸、ダイマー酸、マロン酸またはそのエステル形成性誘導体などが用いることができる。これらは1種で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。中でも、ジカルボン酸成分の主成分としてテレフタル酸を用いることが好ましい。
上記芳香族ジカルボン酸成分は、ジカルボン酸化合物とジオール化合物とを反応させてポリエステル樹脂を得る際に、ジカルボン酸化合物中に芳香族ジカルボン酸化合物を一部混合させることにより、単一の共重合体としたものが挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸化合物とジオール化合物とを反応させたポリエステル樹脂を合成しておき、ジオール化合物と芳香族ジカルボン酸化合物以外のテレフタル酸等のジカルボン酸化合物とを反応させたポリエステル系樹脂に混合したものが挙げられる。
前記(I)層の主成分としてなる熱可塑性樹脂としては、透明性、剛性、共押出性、ガスバリア性、環境衛生性、臭気、後述する(II)層との層間接着性、及び、熱収縮性付与などの観点から、ポリエチレンテレフタレート系共重合体(A)とポリブチレンテレフタレート系共重合体(B)の少なくとも2種を用いることが好ましい。
熱収縮性を付与するにあたり、前記共重合体(A)と前記共重合体(B)の少なくとも2種を用いることにより熱収縮挙動を調整することができる。すなわち、前記共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)と前記共重合体(B)のTgは大きく相違するため、双方を混合することにより、熱収縮性積層フィルムの熱収縮率が増加する温度範囲を拡大でき、その結果、熱収縮開始からの急激な収縮を抑制できる。また、前記共重合体(A)と前記共重合体(B)の少なくとも2種を用いることにより、前記2種の結晶性も制御することができる。そのため、過度な結晶化による熱収縮性の阻害などを抑制し、熱収縮性積層フィルムに十分な収縮率を付与することができる。
<ポリエチレンテレフタレート系共重合体(A)>
前記(I)層に好ましく用いることができるポリエチレンテレフタレート系共重合体(A)は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸が含まれる。また、イソフタル酸を含むものが好ましい。テレフタル酸は、前記共重合体(A)を構成する全ジカルボン酸成分100mol%中に80〜100mol%の割合で含まれることが好ましく、より好ましくは83〜97mol%、さらに好ましくは86〜94mol%である。全ジカルボン酸成分100mol%中にテレフタル酸を80〜100mol%の割合で含まれれば、高い結晶性が得られるため、熱収縮性積層フィルムに十分な強度を確保することができるため好ましい。
また、前記ポリエチレンテレフタレート系共重合体(A)は、ジオール成分としてエチレングリコールが含まれる。また、1,4−シクロヘキサンジメタノール、及び、ジエチレングリコールを含むものが好ましい。エチレングリコールは、前記共重合体(A)を構成する全ジオール成分100mol%中に65〜90mol%の割合で含まれることが好ましく、より好ましくは68〜87mol%、さらに好ましくは71〜84mol%である。全ジオール成分100mol%中にエチレングリコールを65〜90mol%の割合で含まれれば、高い結晶性が得られるため、熱収縮性積層フィルムにおいて十分な強度を確保できるため好ましい。
また、前記ポリエチレンテレフタレート系共重合体(A)に含まれる1,4−シクロヘキサンジメタノールは、前記共重合体(A)を構成する全ジオール成分100mol%中に10〜35mol%の割合で含まれることが好ましく、より好ましくは13〜32mol%、さらに好ましくは16〜29mol%である。全ジオール成分100mol%中に1,4−シクロヘキサンジメタノールを10〜35mol%の割合で含まれれば、熱収縮性積層フィルムにおいて良好な耐衝撃性を発現でき、かつ、前記ポリエチレンテレフタレート系共重合体(A)の融点を低下させることができることから、後述する(II)層、(III)層との共押出性を向上させることができるため好ましい。
前記ポリエチレンテレフタレート系共重合体(A)に含まれるジエチレングリコールの含有量は、前記共重合体(A)を構成する全ジオール成分100mol%中に12mol%未満であることが好ましく、より好ましくは10mol%未満、さらに好ましくは8mol%未満である。ジエチレングリコールの含有率を12mol%未満とすることにより、得られる熱収縮性積層フィルムの経時脆化を抑えることができる。
<ポリブチレンテレフタレート系共重合体(B)>
前記(I)層に好ましく用いることができるポリブチレンテレフタレート系共重合体(B)は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸が含まれる。また、イソフタル酸を含むものが好ましい。テレフタル酸は、前記共重合体(B)を構成する全ジカルボン酸成分100mol%中に80〜99mol%の割合で含まれることが好ましく、より好ましくは83〜96mol%、さらに好ましくは86〜93mol%である。全ジカルボン酸成分のうちテレフタル酸が80〜99mol%の割合で含まれれば、高い結晶性が得られるため、熱収縮性積層フィルムに十分な強度を確保することができる。
前記ポリブチレンテレフタレート系共重合体(B)に含まれるイソフタル酸は、前記共重合体(B)を構成する全ジカルボン酸100mol%中に1〜20mol%の割合で含まれることが好ましく、より好ましくは4〜17mol%、さらに好ましくは7〜14mol%である。全ジカルボン酸成分のうちイソフタル酸が1〜20mol%の割合で含まれれば、適度に結晶性を抑制できると共に、熱収縮性積層フィルムにおいて良好な印刷及びシール適性が得られるため好ましい。
前記ポリブチレンテレフタレート系共重合体(B)は、ジオール成分として1,4−ブタンジオールが含まれる。
前記(I)層に、前記ポリエチレンテレフタレート系共重合体(A)と前記ポリブチレンテレフタレート系共重合体(B)を併用する場合、前記共重合体(A)と前記共重合体(B)の合計質量を100質量%としたとき、前記共重合体(A)と前記共重合体(B)の組成比は、(A)/(B)=70〜95質量%/5〜30質量%であることが好ましく、(A)/(B)=75〜90質量%/10〜25質量%であることがより好ましく、(A)/(B)=80〜90質量%/10〜20質量%であることがさらに好ましい。
前記共重合体(A)と前記共重合体(B)の組成比が、(A)/(B)=70〜95質量%/5〜30質量%である場合、収縮特性の付与に好適なガラス転移温度や結晶性を調整することが可能となり、高い収縮率の発現や、耐衝撃性、耐破断性の優れた熱収縮性積層フィルムが得られるため好ましい。また、収縮特性に着目しても、上述の組成比にすることにより、室温保管時に収縮することを抑制することができる。また、収縮開始温度以上に加熱した際に、熱収縮性積層フィルムが急激に収縮することを抑制し、収縮包装において好適な収縮速度を制御しやすい。
<(II)層>
本発明の熱収縮性積層フィルムにおける(II)層は、ハードセグメントとソフトセグメントの比率がハードセグメント/ソフトセグメント=10〜60質量%/40〜90質量%であるポリアミド系エラストマーを主成分としてなる樹脂組成物から構成される。
前記ポリアミド系エラストマーは、ポリアミドを主成分とするハードセグメントと、ポリオール等を主成分とするソフトセグメントを有する共重合体である。
本発明の熱収縮性積層フィルムの(II)層で使用されるポリアミド系エラストマーのハードセグメントを構成するポリアミドとしては、例えば、ジアミン成分とジカルボン酸成分から導かれるポリアミド、ラクタム類の開環重合によるポリアミド、アミノカルボン酸から導かれるポリアミド、これらの共重合ポリアミド、これらの混合ポリアミドの何れでもよい。前記ジアミン成分としては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,3,4もしくは2,4,4−トリメチレンヘキサメチレンジアミン、1,3−もしくは1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノヘキシル)メタン、フェニルジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン等の脂肪族、脂環族または芳香族のジアミンが挙げられ、ジカルボン酸成分としては、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの脂肪族、脂環族または芳香族のジカルボン酸が挙げられる。また、前記ラクタム類としては、カプロラクタム、ラウリルラクタム等が挙げられる。また、前記アミノカルボン酸としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナン酸、アミノウンデカン酸、1,2−アミノドデカン酸などが挙げられる。
前記ポリアミド系エラストマーを構成するハードセグメントは、主成分である上記ポリアミド以外にも、ポリエステル、ポリオレフィン、及び、ポリウレタンなどからなる、ポリアミド以外のハードセグメントを2種以上組み合わせてもよい。そのため、ハードセグメントと後述のポリオールを主成分とするソフトセグメントとの結合は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合などから選ばれた少なくとも1種である。このため、ハードセグメントの分子末端は、ソフトセグメントの分子末端官能基と反応性を有する官能基で変性されている必要がある。これらの官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、酸無水物基、オキサゾリン基、エポキシ基、イソシアネート基、ウレア基などがある。
また、前記ポリアミド系エラストマーのソフトセグメントを構成するポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及び、これらの変性物が挙げられる。これらには、ポリエーテルポリオールのセグメントを有するポリエーテルエステルアミド; ポリエーテルポリオールのセグメントを有するポリエーテルエステルアミドイミド; ポリエーテルポリオールのセグメントを有するポリエーテルエステル; ポリエーテルポリオールのセグメントを有するポリエーテルアミド、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルウレア等が含まれるが、好ましくは、ポリエーテルポリオールである。
上記ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルをそれぞれ重合させて得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、または、これらの共重合ポリエーテル等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールとしては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。また、ジカルボン酸のエステル化合物、または、酸無水物と、ジオールとの縮合反応で得られるポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン等のラクトンモノマーの開環重合で得られるポリラクトンジオール等が挙げられる。なお、上記のジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジメチロールヘプタン等が挙げられ、これらは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ポリエステルエーテルポリオールとして、前記脂肪族ジカルボン酸、前記芳香族ジカルボン酸、前記脂肪族ジカルボン酸、及び、そのエステル化合物、または、酸無水物と、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド付加物などのグリコール等、または、これらの混合物との縮合反応物などが挙げられる。
また、ポリカーボネートポリオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール等の多価アルコールの1種または2種以上と、炭酸エチレン、炭酸ジエチル等を反応させて得られるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。また、ポリカプロラクトンポリオールとポリヘキサメチレンカーボネートとの共重合体であってもよい。
本発明で使用されるポリアミド系エラストマーの上記ハードセグメントと上記ソフトセグメントの比率は、ハードセグメント/ソフトセグメント=10〜60質量%/40〜90質量%の範囲であることが重要である。
上記ハードセグメントの比率の下限は、好ましくは13質量%以上、より好ましくは16質量%以上であり、上限は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。また、ソフトセグメントの比率の下限は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、上限は、好ましくは87質量%以下、より好ましくは84量%以下である。
前記ハードセグメントの比率を10質量%以上にすることにより、ポリアミド系エラストマーの形状保持、及び、熱可塑性エラストマーとしての疑似架橋点効果を保つことができる。前記ソフトセグメント比率を40質量%以上にすることにより、接着強度を向上できる。
さらには、前記ハードセグメントの比率を60質量%以下にすることにより、ポリアミド系エラストマーを主成分としてなる樹脂組成物から構成される(II)層の弾性率を抑制し、延伸時における(II)層に掛かる延伸応力を緩和することができる。そのため、熱収縮性積層フィルムの収縮時に受ける過度な収縮応力を抑制し、過度な収縮応力に起因する熱収縮性積層フィルムのデラミを抑制することができる。
すなわち、ポリアミド系エラストマーの上記ハードセグメントと上記ソフトセグメントの比率は、ハードセグメント/ソフトセグメント=10〜60質量%/40〜90質量%とすることが、熱収縮性積層フィルムの接着性、収縮時におけるデラミを抑制する観点から、本発明において重要となる。
本発明で使用されるポリアミド系エラストマーの硬度は、シェアDで50以下、シェアAで60〜90の範囲のものが好ましく使用できる。
本発明で使用されるポリアミド系エラストマーの製造方法は、従来から使用されている公知のものがいずれも使用できる。
本発明で使用されるポリアミド系エラストマーの重量平均分子量の下限値、及び、上限値は特に限定されるものではないが、下限値としては、30,000以上が好ましく、40,000以上がより好ましく、50,000以上がさらに好ましい。また、上限値としては、1,000,000以下が好ましく、900,000以下がより好ましく、800,000以下がさらに好ましい。
本発明で使用されるポリアミド系エラストマーの溶融粘度の下限値、及び、上限値は特に限定されるものではないが、下限値として、測定温度200℃における、せん断速度100sec−1におけるせん断の溶融粘度は、80Pa・s以上であることが好ましく、90Pa・s以上であることがより好ましく、100Pa・s以上であることがさらに好ましい。また、上限値として、300,000Pa・s以下が好ましく、200,000Pa・s以下がより好ましく、100,000Pa・s以下がさらに好ましい。
本発明に好ましく使用されるポリアミド系エラストマーの代表的なものとしては、アルケマ社製の「ペバックス」、宇部興産社製の「ウベスタXPA」、三洋化成工業社製の「ペレスタット」等が商業的に入手されるものとして挙げられる。これらのポリアミド系エラストマーは、各々単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<(III)層>
本発明の熱収縮性積層フィルムにおける(III)層は、エチレンビニルアルコール系樹脂を主成分としてなる樹脂組成物から構成される。
本発明の熱収縮性積層フィルムに用いるエチレンビニルアルコール系共重合体としては、エチレン単量体とビニルアルコール単量体が含まれる共重合体であるが、他の単量体がさらに共重合されてもよい。他の単量体を例示するならば、プロピレン、イソブテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1―ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、一酸化炭素、アクリロニトリル、スチレン等が挙げられる。また、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、3−ブテン−1、2−ジオールなどのヒドロキシ基含有α−オレフィン類やそのエステル化物、アシル化物などのヒドロキシ基含有α−オレフィン誘導体、不飽和カルボン酸またはその塩、部分アルキルエステル、完全アルキルエステル、ニトリル、アミドもしくは無水物、不飽和スルホン酸またはその塩、ビニルシラン化合物を含んでもよい。また、1,2−グリコール結合を部分構造として有するエチレンビニルアルコール系共重合体も用いることができる。また、ブチルアルデヒド等の水酸基と反応しうる化合物により、部分的に修飾されたエチレンビニルアルコール系共重合体も用いることができる。さらに、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化などの後変性がなされたものでもよい。酸無水物等の官能基を修飾したエチレンビニルアルコール系共重合体の変性物も用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、必要に応じて、エチレン含有率やけん化度など組成や粘度などの物性の異なる2種以上のエチレンビニルアルコール系共重合体をブレンドしてもよい
前記エチレンビニルアルコール系共重合体のエチレン含有比率は、20mol%以上50mol%以下が好ましく、22mol%以上45mol%以下がより好ましく、24mol%以上40mol%以下がさらに好ましい。また、前記エチレンビニルアルコール系共重合体のビニルアルコール含有比率は、50mol%以上80mol%以下が好ましく、55mol%以上78mol%以下がより好ましく、60mol%以上76mol%以下がさらに好ましい。前記エチレンビニルアルコール系共重合体のエチレン含有比率が、20mol%以上50mol%以下の場合、成形性とガスバリア性のバランスに優れ好ましい。
前記エチレンビニルアルコール系共重合体のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではないが、通常、温度210℃、荷重2.16kgにおけるMFRは0.03〜60g/10分であることが好ましく、0.3〜30g/10分であることがより好ましい。MFRが上記範囲であれば成形加工時に押出機の背圧が高くなりすぎることが無く生産性に優れる。
前記エチレンビニルアルコール系共重合体の融点は、構成される単量体比率に応じて決定され得るものであるが、150℃以上が好ましく、155℃以上がより好ましく、160℃以上がさらに好ましい。
エチレンビニルアルコール系共重合体としては、例えば、商品名「エバール」(株式会社クラレ製)、「ソアノール」(日本合成化学工業株式会社製)など市販されている商品を使用できる。
<層構成>
本発明の熱収縮性積層フィルムの構成は、下記樹脂組成物から構成される(I)層、(II)層、(III)層が、(I)層/(II)層/(III)層の順に隣接する3層を有することが重要である。
(I)層:熱可塑性樹脂を主成分としてなる樹脂組成物
(II)層:ハードセグメントとソフトセグメントの比率がハードセグメント/ソフトセグメント=10〜60質量%/40〜90質量%であるポリアミド系エラストマーを主成分としてなる樹脂組成物
(III)層:エチレンビニルアルコール系共重合体を主成分としてなる樹脂組成物
また、本発明の熱収縮性積層フィルムは、(I)層/(II)層/(III)層の順に隣接する3層を有していれば、他の層をさらに追加することもできる。
例えば、(I)層/(II)層/(III)層/(IV)層、(IV)層/(I)層/(II)層/(III)層の4層構成や、(I)層/(II)層/(III)層/(IV)層/(V)層、(IV)層/(V)層/(I)層/(II)層/(III)層、(V)層/(I)層/(II)層/(III)層/(IV)層の5層構成が挙げられる。特に、ガスバリア性の向上の為、(III)層を保護する観点から、(I)層/(II)層/(III)層/(IV)層、(I)層/(II)層/(III)層/(IV)層/(V)層、(V)層/(I)層/(II)層/(III)層/(IV)層などの構成が好ましい。
特に、(III)層と他の層との接着性を考えると、(I)層/(II)層/(III)層/(II)層の順に隣接する4層を有することがより好ましく、(I)層/(II)層/(III)層/(II)層/(IV)層といった4種5層構成や、(I)層/(II)層/(III)層/(II)層/(I)層の3種5層構成が、熱収縮性積層フィルムのカール抑制、機械物性の保持、シートロール状物への成形性の観点から最も好ましい。
さらに、本発明の熱収縮性積層フィルムは、(I)層/(II)層/(III)層の順に隣接する3層を有していれば、上述の層以外にも層数を追加することもでき、追加される層数は制限されるものではない。
<積層比>
本発明の熱収縮性積層フィルムの各層の厚み比は、特に制限されるものではないが、好ましくは、熱収縮性積層フィルム全体の厚みに対して(III)層の厚みの割合の下限は、5%以上が好ましく、より好ましくは10%以上であり、上限は、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下である。(III)層の厚み割合が上記範囲内であれば、フィルムの酸素バリア性、収縮性が優れたものとなり好ましい。
なお、本発明の熱収縮性積層フィルムの総厚みについては、特に限定されるものではないが、透明性や収縮特性、原料コストなどの観点から薄い方が好ましく、上限は、好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下、さらに好ましくは300μm以下である。下限は特に限定されないが、熱収縮性積層フィルムのハンドリング性を考慮すると20μm以上が好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の熱収縮性積層フィルムを構成する各層には、上述した各成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲内で、耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂や、シリカ、タルク、カオリン炭酸カルシウムなどの無機粒子、酸化チタン、カーボンブラックなどの顔料、難燃剤、耐候性安定剤、熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、着色剤などの添加剤を適宜添加することができる。
<熱収縮性>
本発明の熱収縮性積層フィルムにおいては、内容物の様々な形状に応じた密着性を実現できるフィルムを得るためには、後述する熱収縮率が特定範囲を満たすことが好ましい。
<熱収縮率>
本発明の熱収縮性積層フィルムは、80℃温水中で10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が20%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは35%以上である。上限は特に制限はないが、80%以下が好ましい。
また、50℃温水中で10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が3%未満であることが好ましく、2%未満であることがより好ましく、1%未満であることがさらに好ましく、寸法が変化しない0%であることが最も好ましい。
また、100℃温水中で10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
熱収縮率が上記範囲とすることにより、多様な形状の、特に太い部分と細い部分の差が大きい内容物への密着性を良好にすることができる。なお、「主収縮方向」とは、熱収縮性積層フィルムにおける面方向において、最も大きな熱収縮率を有する方向を示す。仮に熱収縮性積層フィルムがボトル形状、チューブ形状などの3次元的な形状を有する場合は、成形物を面状(シート状)に切り出すことにより、主収縮方向を導き出すことができる。なお、熱収縮率を上記範囲とするには、延伸温度および延伸倍率により調整することができる。
さらに、主収縮方向と直交する方向の収縮率は特に制限はない。包装する対象物の形状に応じて密着性を良好とするために、高い方が好ましい場合もあれば、低い方が好ましい場合もあり、適宜選定される必要がある。また、その収縮率を発現する方向と直交する方向の熱収縮率も、前記収縮方向の熱収縮率と同様に調整することができる。
<収縮応力>
本発明の熱収縮性積層フィルムは、100℃シリコンオイル中に1分間浸漬したときの主収縮方向の最大収縮応力が、3.0MPa以上9.5MPa以下の範囲とすることが最も重要である。上記最大収縮応力の下限は、好ましくは3.5MPa以上、より好ましくは4.0MPa以上であり、上限は、好ましくは9.0MPa以下、より好ましくは8.5MPa以下である。最大収縮応力が、3.0MPa未満だと、被覆物への収縮初期に発生しかけた余りシワを収縮過程で消すことができず、収縮仕上がり外観が良くない。また、9.5MPaより大きいと、収縮した際の容器の変形が発生し好ましくない。また、最大収縮応力が9.5MPaより大きいと、収縮時において各層に掛かる収縮応力が過剰となり、(II)層が保持する接着力の許容を超えやすく、デラミが生じやすいため好ましくない。
なお、収縮応力を上記範囲とするには、各層の配合を本発明で規定する組成とすることや、延伸倍率や熱処理温度により、調整することができる。中でも、ポリアミド系エラストマーを主成分としてなる樹脂組成物から構成される(II)層における、前記ポリアミド系エラストマーのハードセグメントとソフトセグメントの比率をハードセグメント/ソフトセグメント=10〜60質量%/40〜90質量%とすることが最も効果的である。
<全ヘイズ>
本発明の熱収縮性積層フィルムは、JIS K7136に準拠して測定した場合の、全ヘイズ値が10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、6%以下であることがさらに好ましい。全ヘイズ値が10%以下であれば、フィルムを装着した被覆体の視認性を十分得ることができる。
<常温引張破断伸度>
本発明の熱収縮性積層フィルムは、雰囲気温度23℃、引張速度200mm/分の条件下で測定される、フィルム状物の引き取り(流れ)方向(又は、MD)の引張破断伸度が、100%以上であることが好ましく、より好ましくは150%以上、さらに好ましくは200%以上である。23℃環境下での引張破断伸度が上記範囲内であれば、印刷・製袋などの工程時にフィルム状物が破断するなどの不具合が生じにくく、好ましい。また被覆物との密着部分から破袋等が発生しにくく、好ましい。
雰囲気温度23℃での引張破断伸度を上記範囲とするには、各層の配合の調整、製膜工程での押出条件の調整ならびに延伸条件の調整、熱収縮率の調整、積層比の調整などを適宜行うことによって調整できる。
<低温引張破断伸度>
本発明の熱収縮性積層フィルムは、雰囲気温度0℃、引張速度100mm/分の条件下で測定される、フィルム状物の引き取り(流れ)方向(又は、MD)の引張破断伸度が、100%以上であることが好ましく、より好ましくは150%以上、さらに好ましくは200%以上である。0℃環境下での引張破断伸度が上記範囲内であれば、印刷・製袋などの工程時にフィルム状物が破断するなどの不具合が生じにくく、好ましい。また被覆物との密着部分から破袋等が発生しにくく、好ましい。
雰囲気温度0℃での引張破断伸度を上記範囲とするには、各層の配合の調整、製膜工程での押出条件の調整ならびに延伸条件の調整、熱収縮率の調整、積層比の調整などを適宜行うことによって調整できる。
<酸素透過度>
本発明の熱収縮性積層フィルムは、23℃・0℃RHでの酸素透過度が20cc/m・day・atm以下であることが好ましく、より好ましくは10cc/m・day・atm以下であり、さらに好ましくは5cc/m・day・atm以下である。酸素透過度が上記範囲内であれば、酸素バリア性は十分なものとなる。
<製造方法>
本発明の熱収縮性積層フィルムの製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法によって製造することができるが、フィルム状物の形態が好ましい。ここで、「フィルム状物」とは、厚いシートから薄いフィルムまでを包括した意を有する。フィルム状物としては、平面状、チューブ状のいずれであってもよいが、生産性(原反シートの幅方向に製品として数丁取りが可能)や内面に印刷が可能という観点から、平面状が好ましい。平面状のフィルムの製造方法としては、例えば、複数の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから共押出し、冷却ロールで冷却固化し、巻取機にて巻き取ることによりフィルムを得る方法が例示できる。また、収縮特性を付与するには、例えば、複数の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから共押出し、冷却ロールで冷却固化し、縦方向にロール延伸し、横方向にテンター延伸し、アニールし、冷却し、巻取機にて巻き取ることによりフィルムを得る方法が例示できる。また、チューブラー法により製造したフィルムを切り開いて平面状とする方法も適用できる。
押出温度は、180〜260℃程度が好ましく、より好ましくは190〜250℃である。押出温度やせん断の状態を最適化することにより、材料の分散状態を制御することも、下記記述するフィルムの種々の物理的特性、機械的特性を所望の値にするのに有効である。
本発明の熱収縮性積層フィルムの製造方法は、上述の製造方法にて得られたフィルム状物を延伸することによって製造することができる。例えば、押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから押出し、冷却ロールで冷却固化し、縦方向(フィルムの流れ方向)へのロール延伸や、横方向(フィルムの流れ方向に対して垂直方向)へのテンター延伸等により、少なくとも一方向に延伸される。また、縦方向に延伸した後、横方向に延伸してもよく、横方向に延伸した後、縦方向に延伸してもよい。さらには、縦方向に延伸した後、横方向に延伸し、さらに縦方向に延伸してもよい。また、同時二軸延伸機により縦方向、横方向に同時に延伸されてもよい。さらに、チューブラー法により内圧によってチューブ状のフィルムを放射状に延伸されてもよく、チューブラー法により延伸されたチューブ状物を切り開いて平面状にする方法も挙げられる。
延伸倍率は、二方向に収縮させる用途では、好ましくは縦方向が2〜10倍、横方向が2〜10倍、より好ましくは縦方向が3〜6倍、横方向が3〜6倍程度である。一方、主として一方向に収縮させる用途では、主収縮方向に相当する方向が、好ましくは2〜10倍、より好ましくは4〜8倍、それと直交する方向が、好ましくは1.00〜2.00倍、より好ましくは1.01〜1.50倍の、実質的には一軸延伸の範疇にある倍率比を選定することが望ましい。なお、1.00倍とは、延伸していない場合を指す。
延伸温度は、用いる樹脂のガラス転移温度や熱収縮性積層フィルムに要求される特性によって変える必要があるが、概ね60℃以上、好ましくは70℃以上であり、上限が100℃以下、好ましくは90℃以下の範囲で制御される。
延伸した積層フィルムは、必要に応じて、自然収縮率の低減や熱収縮特性の改良等を目的として、50℃以上100℃以下程度の温度で熱処理や弛緩処理を行うことができる。
また、本発明の熱収縮性積層フィルムは、必要に応じて、コロナ処理、印刷、コーティング、蒸着等の表面処理や表面加工、さらには、各種溶剤やヒートシールによる製袋加工やミシン目加工を施すことができる。
<包装資材>
本発明の熱収縮性積層フィルムは、各種包装資材として好適に使用することができる。包装資材として使用する場合の具体例としては例えば、本発明の熱収縮性積層フィルムを用いて袋を形成し、ここに食品や医薬品、工業薬品等の内容物を収納し、必要に応じて内部の空気を除去し、熱処理を施して収縮させ包装体とすることができる。
以下に本発明について実施例を用いて説明する。
なお、実施例に示す測定値及び評価は次のように行った。フィルム状物の引き取り(流れ)方向を「縦」方向(又は、MD)、その直角方向を「横」方向(又は、TD)と記載する。
<測定方法>
(1)23℃引張破断強度、引張破断伸度(MD)
得られた熱収縮性積層フィルムをMDに120mm、TDに15mmの大きさに切り出し、JIS K7127に準拠し、引張速度200mm/minで、雰囲気温度23℃におけるフィルムのMDの引張破断伸度を測定し、10回の測定値の平均値を測定し、下記基準に従い評価した。
(2)23℃引張破断強度、引張破断伸度(TD)
得られた熱収縮性積層フィルムをTDに120mm、MDに15mmの大きさに切り出し、JIS K7127に準拠し、引張速度200mm/minで、雰囲気温度23℃におけるフィルムのTDの引張破断強度、伸度を測定し、10回の測定値の平均値を測定し、下記基準に従い評価した。
(3)0℃引張破断強度、引張破断伸度(MD)
得られた熱収縮性積層フィルムをMDに120mm、TDに15mmの大きさに切り出し、JIS K7127に準拠し、引張速度100mm/minで雰囲気温度0℃におけるフィルムの引き取り方向(MD)の引張破断伸度を測定し、10回の測定値の平均値を測定した。
(4)酸素透過率
得られた熱収縮性積層フィルムをモダンコントロール社製のOXY−TRAN100型酸素透過率測定装置を使用し、23℃・0%RHで測定し、酸素透過率を測定した。
(5)熱収縮率
得られた熱収縮性積層フィルムをMD10mm、TD200mmの大きさに切り取り、50℃、80℃、100℃の温水バスに10秒間それぞれ浸漬し、TDの収縮量を測定した。また、得られた熱収縮性積層フィルムをTD5mm、MD200mmの大きさに切り取り、50℃、80℃、100℃の温水バスに10秒間それぞれ浸漬し、MDの収縮量を測定した。熱収縮率は、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表示した。
(6)全ヘイズ値
得られた熱収縮性積層フィルムの透明性を評価するため、JIS K7136にて全ヘイズ値を測定した。
(7)テープ剥離試験
得られた熱収縮性積層フィルムの引き取り方向(MD)に沿ってニチバン製の18mm幅の透明粘着テープを貼り付け、馬簾状の冶具を用いてテープとフィルムを密着させた後、粘着テープを瞬時に剥がした際のフィルム状物の状態を評価した。
○:粘着テープを剥がすと、剥がす前の状態を保ちフィルムに剥離が生じない場合
△:粘着テープを剥がすと、フィルム内で部分的に剥離が発生する場合
×:粘着テープを剥がすと、フィルム内で全面に剥離が発生する場合
(8)最大収縮応力
得られた熱収縮性積層フィルムの主収縮方向(TD)の収縮応力を測定するために、MD10mm、TD70mmの大きさに切り取り、チャック間隔50mmにてチャックロードセルにタルミが無い様に固定した。その後、100±0.5℃のシリコンバスに試料片を1分間浸漬し、TDの収縮応力を測定した。このとき、1分間での収縮応力の最大値を最大収縮応力として算出した。収縮応力は下記式に当てはめて計算した。
収縮応力(MPa)=ロードセルにかかる応力(N)/試料片の断面積(mm
(9)収縮時のデラミ
得られた熱収縮性積層フィルムの収縮時のデラミを評価するために、MD100mm、TD200mmの大きさに切り取り、図1に示すように、縦130mm、横170mm、幅5mmの、中をくり抜いた矩形の金属枠2枚でフィルムのTD両端部を15mmずつはみ出した状態で挟持させ、100℃の温水中に10秒間浸漬させた。その後、金属枠を取り外し、フィルムTD端部の状態を確認し、下記基準にて判断した。
○:フィルムTD端部において、デラミが見られない
×:フィルムTD端部において、デラミが見られる。
各実施例、比較例で使用した原材料は、下記の通りである。
<熱可塑性樹脂>
・1,4−シクロヘキサンジメタノール:21.8mol%、エチレングリコール:76.1mol%、ジエチレングリコール:2.0mol%、テレフタル酸:90.5mol%、イソフタル酸:9.5mol%を構成成分として含むポリエステル系樹脂(「PEs1」と略する。)
・1,4−ブタンジオール:100mol%、テレフタル酸:90mol%、イソフタル酸:10mol%を構成成分として含むポリエステル系樹脂(「PEs−2」と略する。)
<エチレンビニルアルコール系共重合体>
・クラレ社製 商品名:エバールSP482B、エチレン含有率32mol%、MFR=4.1g/10分、密度=1.16g/cm(「EVOH1」と略する。)
<ポリアミド系エラストマー>
・ハードセグメントとして12ナイロン、ソフトセグメントとしてポリテトラメチレングリコールを構成成分として含むポリアミド系エラストマー(「AD1」と略する。)、密度1.01g/cm、融点:134℃、MFR(測定温度235℃、測定荷重1kg):10g/10分、シェア硬度A:75、ハードセグメント/ソフトセグメント比率=20質量%/80質量%
・ハードセグメントとして12ナイロン、ソフトセグメントとしてポリテトラメチレングリコールを構成成分として含むポリアミド系エラストマー(「AD2」と略する。)、密度1.01g/cm、融点:144℃、MFR(測定温度235℃、測定荷重1kg):8g/10分、シェア硬度A:83、ハードセグメント/ソフトセグメント比率=27質量%/73質量%
・ハードセグメントとして12ナイロン、ソフトセグメントとしてポリエチレングリコールを構成成分として含むポリアミド系エラストマー(「AD3」と略する。)、密度1.04g/cm、融点:170℃、MFR(測定温度235℃、測定荷重1kg):7g/10分、シェア硬度D:60、ハードセグメント/ソフトセグメント比率=74質量%/26質量%
<実施例1>
(I)層に用いる樹脂組成物として、「PEs1」を85質量%、「PEs2」を15質量%の割合で混合した後、2軸押出機(スクリュー径35mmφ)に投入し、押出機設定温度240℃にて、ストランド上に成形した後、水槽にて急冷し、ストランドをカットし、コンパウンドペレット(「PEsコンパウンド」と略する。)を得た。
その後、表1に示す配合、構成に従い、(I)層を構成する原料として、「PEsコンパウンド」を用い、(II)層を構成する原料として、ポリアミド系エラストマー「AD1」を用い、(III)層を構成する原料として、エチレンビニルアルコール系共重合体「EVOH1」を用いて、3台の単軸押出機にそれぞれ導入し、各単軸押出機にて溶融混練を行い、導管、合流ブロック、および3種5層マルチマニホールド口金の順に接合された、(I)層/(II)層/(III)層/(II)層/(I)層の積層共押出が可能な設備において、3種5層の積層体を採取した。
このとき、(I)層用の押出機設定温度を250℃、(II)層用および(III)層用の押出機設定温度を190〜200℃とし、各層の厚み比が、(I)層/(II)層/(III)層/(II)層/(I)層=70μm/15μm/30μm/15μm/70μmとなるよう共押出し、70℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて未延伸のシート状の積層体を得た。次いで、得られたシート状の積層体をフィルムテンターを用いて、80℃延伸温度にて、幅方向の延伸倍率5倍にて延伸し、次いで80℃熱処理温度で熱処理を行い、厚さ40μmの熱収縮性積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例2>
(II)層を構成する原料として、ポリアミド系エラストマー「AD1」をポリアミド系エラストマー「AD2」に変更した以外は実施例1と同様の方法にて、厚さ200μmの未延伸のシート状の積層体を得た。その後、実施例1と同様の方法にて、得られたシート状の積層体を延伸、熱処理を行い、厚さ40μmの熱収縮性積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
(II)層を構成する原料として、ポリアミド系エラストマー「AD1」をポリアミド系エラストマー「AD3」に変更した以外は実施例1と同様の方法にて、厚さ200μmのシート状の積層体を得た。その後、実施例1と同様の方法にて、得られたシート状の積層体を延伸、熱処理を行い、厚さ40μmの熱収縮性積層フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006958111
実施例1、実施例2で得られた本発明の熱収縮性積層フィルムは、耐破断性、低温での耐破断性、透明性、酸素バリア性、熱収縮特性に優れていた。さらには、収縮時におけるデラミが抑制されることが確認できた。一方、比較例1で得られた熱収縮性積層フィルムは、収縮時においてデラミが見られるものであった。これは、本発明が規定するポリアミド系エラストマーのハードセグメントとソフトセグメントの比率や、最大収縮応力が逸脱するため、収縮時における各層に掛かる応力が過剰となり、デラミが生じたものと考えられる。
以上、現時点において、最も実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う熱収縮性積層フィルムもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の熱収縮性積層フィルムは、酸素ガスバリア性、収縮性、透明性に優れ、層間の接着に優れるため、酸素による内容物の変質を嫌う食品、医薬品および工業薬品等の包装用に使用することで内容物の変質を防止することができ、これら用途向けの包装資材として好適に用いることができる。
1 本発明の熱収縮性積層フィルム
2 矩形の金属枠
3 固定具

Claims (4)

  1. 下記樹脂組成物から構成される(I)層、(II)層、(III)層が、(I)層/(II)層/(III)層の順に隣接する3層を有し、100℃のシリコンバス中に1分間浸漬したときの主収縮方向の最大収縮応力が3.0MPa以上9.5MPa以下である熱収縮性積層フィルム。
    (I)層:ポリエステル系樹脂を主成分としてなる樹脂組成物
    (II)層:ハードセグメントとソフトセグメントの比率がハードセグメント/ソフトセグメント=10〜60質量%/40〜90質量%であるポリアミド系エラストマーを主成分としてなる樹脂組成物
    (III)層:エチレンビニルアルコール系共重合体を主成分としてなる樹脂組成物
  2. 50℃温水中で10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が3%未満であり、80℃温水中で10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が20%以上であり、100℃温水中で10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が40%以上である、請求項1に記載の熱収縮性積層フィルム。
  3. 前記エチレンビニルアルコール系共重合体のエチレン含有比率が20mol%以上50mol%以下である請求項1または2に記載の熱収縮性積層フィルム。
  4. 前記ポリエステル系樹脂が、ポリエチレンテレフタレート系共重合体(A)とポリブチレンテレフタレート系共重合体(B)の少なくとも2種からなる、請求項に記載の熱収縮性積層フィルム。
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