JP2003340715A - 研磨具用ドレッサ及びこれを用いた研磨具のドレッシング方法 - Google Patents

研磨具用ドレッサ及びこれを用いた研磨具のドレッシング方法

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JP2003340715A
JP2003340715A JP2002154380A JP2002154380A JP2003340715A JP 2003340715 A JP2003340715 A JP 2003340715A JP 2002154380 A JP2002154380 A JP 2002154380A JP 2002154380 A JP2002154380 A JP 2002154380A JP 2003340715 A JP2003340715 A JP 2003340715A
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Koji Komatsu
孝治 幸松
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨具の表面状態に関する品質についてその
安定化を図ることができ、長い耐用寿命を有する研磨具
用ドレッサ及びこれを用いた研磨具のドレッシング方法
を提供すること。 【解決手段】 この発明のドレッサ1は、多数個の砥粒
4を結合した金属結合材5で形成されたドレッサ本体3
を有する。多数個の砥粒4はドレッサ本体3に三次元的
に分散している。ドレッサ本体3は電鋳品からなること
が望ましい。砥粒4は平均粒径5〜1000μmのもの
であることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワークの表面を
研磨する研磨具に対してドレッシングを行うための研磨
具用ドレッサ及びこれを用いた研磨具のドレッシング方
法に関し、詳述すると、例えば、磁気記録媒体のディス
ク用基板、半導体用シリコンウエハ、液晶ガラス等をワ
ークとし、このワークを対象としたケミカルメカニカル
ポリッシュ(化学機械研磨、CMP)工程で用いられる
研磨装置における研磨具に対してドレッシングを行うた
めに好適な研磨具用ドレッサ及びこれを用いた研磨具の
ドレッシング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば磁気記録媒体としての磁気ディス
クは、アルミニウム(その合金を含む。)基板に10μ
m程のニッケル−リン合金メッキ層を形成し、次いでこ
のメッキ層の表面を研磨装置により平面研磨加工(ラッ
ピング)して平滑化したのち、このメッキ層に磁性層を
形成することにより、製作されている。
【0003】この磁気ディスクの製作工程において、基
板のメッキ層の表面を平滑化するための研磨具として
は、従来より、硬質プラスチックシートや合成繊維の不
織布を基材とし該基材に研磨層として軟質発泡プラスチ
ックフォームを貼付した研磨布が用いられている。この
研磨布の研磨層の表面は、一般に、バッフィング処理さ
れており、そのため、研磨層の内部に存在していた発泡
空孔(ミクロポア)が表出されている。そして、外部か
ら供給された研磨液をこの空孔内に保持させることによ
り、研磨時に研磨液を絞り出し、研磨が行われるものと
なされている。
【0004】この研磨布を用いて研磨を行う場合、研磨
布の空孔内に研磨液中の砥粒や切り粉がトラップされ、
この上を基板が摺動することにより、該基板のメッキ層
の表面にスクラッチ(傷)が生じることがある。このス
クラッチは、これがディスクに存在していると、ディス
クに読み書き不能箇所等の欠陥ができ、記録容量の低下
や読み書きヘッドのクラッシュの原因となる。
【0005】殊に近年では、ディスク−ヘッド間の距離
は益々接近し、ごく微小なスクラッチでも欠陥として検
出されるようになってきている。また、ディスクの粗さ
(Ra)やうねり(Wa)についても、ディスク−ヘッ
ド間の距離の接近化に伴い、厳しい設定要求がなされて
いる。特にディスクのうねりについては、研磨時に用い
た研磨布のうねりが転写されて発生したものと考えられ
ており、そのため、研磨布は購入時の状態のまま(即ち
新品のまま)で使用されることは殆どなく、通常、研磨
布を平坦化処理(慣らし運転)したり異物除去処理した
あとで研磨布を使用していた。また、研磨布の長期の使
用により、研磨布の研磨面に目詰まりが生じて研磨効率
が低下することがあり、そのため、研磨布に対して定期
的に目立てを行う必要があった。
【0006】従来、研磨布に対して平坦化処理、異物除
去処理、目立て等を行う場合には、図7に示したドレッ
サ(50)が用いられていた。このドレッサ(50)は、台
金としての基材(51)に、多数個の砥粒(53)を含有し
た砥粒層(52)がろう付等により積層されたものであ
る。このドレッサ(50)の基材(51)は一般にステンレ
ス鋼(SUS)やセラミック等からなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】而して、上記従来のド
レッサ(50)は、上述したように基材(51)に砥粒層
(52)が積層された積層品からなるものであって、多数
個の砥粒(53)は砥粒層(52)に二次元的にしか分散し
ていないため、次のような難点があった。
【0008】すなわち、上記従来のドレッサ(50)で
は、その使用回数が多くなるにつれて砥粒(53)の脱落
量が増大し、ドレッシング作用が低下するため、ドレッ
サ(50)の使用回数の多いときにドレッシングされた研
磨布の表面状態に関する品質(例えば粗さやうねり)
は、ドレッサ(50)の使用回数の少ないときのそれと比
べて、大きく相異することになる。その結果、ディスク
の品質が安定しなくなるという難点があった。さらに
は、研磨布の表面状態に関する品質が一定になるように
ドレッサ(50)を頻繁に交換する必要があり、その結
果、ディスクの製造コストが増大するという難点があっ
た。
【0009】この発明は、上述した技術背景に鑑みてな
されたもので、その目的は、研磨布等の研磨具の表面状
態に関する品質についてその安定化を図ることができ、
且つ長い耐用寿命を有する研磨具用ドレッサ及びこれを
用いた研磨具のドレッシング方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明に係る研磨具用ドレッサは、多数個の砥粒
がこれらを結合した結合材で形成されたドレッサ本体に
三次元的に分散していることを特徴としている(請求項
1)。
【0011】このドレッサでは、多数個の砥粒が所定の
ドレッサ本体に三次元的に分散しているので、ドレッサ
の作用面がドレッシング時に摩耗して該作用面に存在し
ていた砥粒が脱落した場合であっても、本体の内部に存
在していた砥粒が表出し得るものとなる。そのため、ド
レッサのドレッシング作用が長期に亘って略一定に維持
され、またドレッサの耐用寿命が長くなる。
【0012】このドレッサによりドレッシングされる研
磨具としては、各種不織布をはじめ、研磨紙、研磨ベル
ト、研磨ディスク等が挙げられる。不織布の一例を示す
と、硬質プラスチックシートや合成繊維の不織布を基材
とし該基材に研磨層として軟質発泡プラスチックフォー
ムを貼付してなるものがある。
【0013】このドレッサにおいて、砥粒としては、そ
の種類に限定されるものではないが、特に、ダイヤモン
ド、CBN(立方晶窒化ホウ素)、DLC(ダイヤモン
ドライクカーボン)及びSiC(炭化ケイ素)からなる
群から選択される1種又は2種以上の砥粒を好適に適用
することができる。また、上記以外の超砥粒を適用して
も良い。
【0014】また、結合材としては、その種類に限定さ
れるものではないが、ニッケル及びその合金、クロム等
の金属から実質的になるものであることが望ましい。
【0015】また、ワークとしては、その種類に限定さ
れるものではなく、磁気記録媒体としての磁気ディスク
用基板や光ディスク用基板、あるいは半導体用シリコン
ウエハ、液晶ガラスが例示される。
【0016】また、前記本体は電鋳品からなることが望
ましい(請求項2)。この場合には、本体を容易に製造
することができる。
【0017】また、前記結合材の材料は、研磨具により
研磨されるワークの被研磨面の構成材料と同種のもので
あることが望ましい(請求項3)。
【0018】この場合には次のような作用を奏し得る。
すなわち、一般に、研磨具には、これをドレッシングす
る時にドレッサの結合材から溶出した物質(即ち結合材
の材料の一部)が付着することがある。このような研磨
具を用いてワークの被研磨面を研磨すると、研磨具に付
着した物質がワークの被研磨面に移って該被研磨面が汚
染される虞がある。而して、結合材の材料がワークの被
研磨面の構成材料と同種のものである場合には、研磨具
に付着した物質がワークの被研磨面に移ったりしても、
この物質で被研磨面が汚染される虞はない。そのため、
ワークの被研磨面の純度を良好に保持することができ
る。
【0019】また、前記砥粒は平均粒径5〜1000μ
mのものであることが望ましい(請求項4)。
【0020】この場合には、研磨具を良好にドレッシン
グすることができる。特に望ましい砥粒の平均粒径は1
0〜300μmである。さらに、結合材に対する砥粒の
体積比率が10〜60%、特に望ましくは30〜50%
の範囲内に設定されていることが、研磨具をより一層良
好にドレッシングできるようになる点で良い。
【0021】上記目的を達成するため、第2発明に係る
研磨具のドレッシング方法は、多数個の砥粒がこれらを
結合した結合材で形成されたドレッサ本体に三次元的に
分散しているドレッサを用いて、研磨具に対してドレッ
シングを行うことを特徴としている(請求項5)。
【0022】この場合には、ドレッサとして上記第1発
明に係るものが用いられているので、研磨具の表面状態
に関する品質(例えば粗さやうねり)についてその安定
化を図ることができ、ひいてはワークの表面状態に関す
る品質についてもその安定化を図ることができる。
【0023】また、上述した理由により、前記ドレッサ
において、前記本体は電鋳品からなることが望ましい
(請求項6)。また、前記ドレッサにおいて、前記結合
材の構成材料は、研磨具により研磨されるワークの被研
磨面の構成材料と同種のものであることが望ましい(請
求項7)。また、前記ドレッサにおいて、前記砥粒は平
均粒径5〜1000μm(特に望ましくは10〜300
μm)のものであることが良い(請求項8)。
【0024】また、キャリアに設けられたワーク装填孔
内に装填されたワークの被研磨面に研磨具を当接させた
状態で、研磨具をキャリアに対して相対的に回転させる
とともに、キャリアを研磨具の回転中心の回りにおいて
自転させながら公転させることにより、ワークの被研磨
面を研磨するものとなされた研磨装置を用い、前記キャ
リアのワーク装填孔内に前記ドレッサを装填したのち、
該ドレッサの作用面に研磨具を当接させた状態で、研磨
具をキャリアに対して相対的に回転させるとともに、キ
ャリアを研磨具の回転中心の回りにおいて自転させなが
ら公転させることにより、研磨具に対してドレッシング
を行うことが望ましい(請求項9)。
【0025】この場合には、研磨具に対して効率良く且
つ良好にドレッシングを行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、この発明の好ましい一実施
形態について図面を参照して説明する。
【0027】図1はこの実施形態に係るドレッサ(1)
の斜視図である。同図に示すように、このドレッサ
(1)は、中央部に円形孔(1a)を有する円盤状のもの
で、厚さ方向両側の表面を作用面(1b)とするものであ
る。このドレッサ(1)の詳細な説明は後述する。
【0028】図2は研磨装置(10)の一部切欠き側面図
である。この研磨装置(10)は、ワークとしての磁気デ
ィスク用アルミニウム(その合金を含む。)基板(30)
を研磨するために用いられるものであり、詳述するとこ
の基板(30)を対象としたケミカルメカニカルポリッシ
ュ工程で用いられるものである。
【0029】基板(30)の両表面にはニッケル−リン合
金メッキ層(図示せず)が形成されている。この実施形
態では、基板(30)のメッキ層の表面が「被研磨面」に
対応している。
【0030】研磨装置(10)は、基板(30)のメッキ層
の表面を研磨するため、研磨具として研磨布(17)(図
4参照)が所定部位に設けられている。一方、ドレッサ
(1)はこの研磨布(17)に対して平坦化処理、異物除
去処理、目立て等のドレッシングを行うために用いられ
るものである。
【0031】まず、研磨装置(10)の構成について説明
する。
【0032】図2に示すように、研磨装置(10)は、互
いに対向状に配置された上下一対の上定盤(11)及び下
定盤(12)を有している。上定盤(11)は、その下面で
基板(30)の上面を研磨するためのものであり、下定盤
(12)はその上面で基板(30)の下面を研磨するための
ものである。
【0033】また、同図において、(13)は太陽歯車、
(14)は内歯歯車、(15)は遊星歯車としてのワークキ
ャリアである。このキャリア(15)には、図3に示すよ
うに、その中心に対して偏心した位置に1個又は複数個
(同図では5個)の円形状のワーク装填孔(16)が周方
向間隔的に設けられ、この各装填孔(16)内に基板(3
0)が装填保持されるものとなされている。このキャリ
ア(15)の厚さは、基板(30)の厚さよりも小寸に設定
されている。
【0034】図4に示すように、下定盤(12)の上面に
は研磨布(17)が積層状に設けられている。この研磨布
(17)は、図5に示すように、基材(18)に研磨層(1
9)が形成されたものであって、詳述すると硬質プラス
チックシートを基材(18)とし該基材(18)に研磨層
(19)として軟質発泡プラスチックフォームが貼付され
てなるものである。この研磨層(19)の表面はバッフィ
ング処理されており、そのため、該研磨層(19)の内部
に存在していた発泡空孔が表出され、該表面に多数の凹
部(19a)が形成されている。これと同じく、図4に示
すように上定盤(11)の下面には、上記研磨布と同一構
成の研磨布(17)が設けられている。さらに、上定盤
(11)の下面の一部には研磨液吐出口(20)が設けられ
ている。なお、図2において、(21)は研磨液供給管、
(22)は研磨液の流れを示している。
【0035】この研磨装置(10)において、複数個のキ
ャリア(15)は、図3に示すように、太陽歯車(13)と
内歯歯車(14)との間の環状スペース内に噛合状態に周
方向間隔的に配置されている。
【0036】この研磨装置(10)は次のように作動され
るものである。すなわち、図2に示すように、まずキャ
リア(15)の各ワーク装填孔(16)内に基板(30)を装
填する。次いで、この基板(30)を上下両定盤(11)
(12)で挟み付けて基板(30)のメッキ層の表面に研磨
布(17)を押し付けて当接させる(図4参照)。この当
接状態で、研磨液(22)を吐出口(20)から吐出して基
板(30)の表面に研磨液(22)を供給させながら、研磨
布(17)を下定盤(12)ごと回転させるとともに、太陽
歯車(13)を回転させることでキャリア(16)を研磨布
(17)の回転中心の回りにおいて自転させながら公転さ
せる。これにより、基板(30)のメッキ層の表面を研磨
するものとなされている。
【0037】研磨液(22)としては、例えば、金属酸化
物や炭化物を粉砕機で粉砕し分級したものにエッチング
剤を添加したものや、コロイダル粒子が用いられる。な
お、この発明は研磨液の種類に限定されるものではな
い。
【0038】一方、ドレッサ(1)は次のように用いら
れるものである。すなわち、図2に示すように、キャリ
ア(15)のワーク装填孔(16)内に、基板(30)に代え
てドレッサ(1)を装填する。次いで、図4に示すよう
に、このドレッサ(1)を上下両定盤(11)(12)で挟
み付けてドレッサ(1)の各作用面(表面、1b)に研磨
布(17)を押し付けて当接させる。この当接状態で、上
述した研磨操作と同じ操作を行うことにより、研磨布
(17)に対してドレッシングを行うものである。なお、
ドレッサ(1)の厚さは、キャリア(15)の厚さより大
寸に設定されており、例えば0.1〜1.5mm(特に
好ましくは0.5〜1.3mm)の範囲内に設定されて
いる。
【0039】次に、ドレッサ(1)の構成について説明
する。
【0040】このドレッサ(1)は、図6に示すよう
に、多数個の砥粒(4)を結合した結合材(5)で形成
されたドレッサ本体(3)からなるものであり、この実
施形態では、ドレッサ(1)は、その全体が結合材
(5)で形成されたものであって、従来のドレッサ(5
0)(図7参照)のように基材に砥粒層が積層された積
層品からなるものでない。
【0041】さらに、このドレッサ(1)において、多
数個の砥粒(4)はドレッサ本体(3)の作用面(1b)
と平行な面内において二次元的に略均一に分散してお
り、且つドレッサ本体(3)の深さ方向においても略均
一に分散しており、そのため、多数個の砥粒(4)はド
レッサ本体(3)に三次元的に略均一に分散している。
【0042】このドレッサ(1)において、砥粒(4)
としては、ダイヤモンド、CBN、DLC、SiC等の
砥粒か、あるいは上記以外の超砥粒が用いられる。この
砥粒(4)は平均粒径5〜1000μmのものであるこ
とが望ましい。特に望ましい砥粒(4)の平均粒径は1
0〜300μmであり、更に望ましい砥粒(4)の平均
粒径の上限値は180μmである。また、結合材(5)
に対する砥粒(4)の体積比率は10〜60%、特に好
ましくは30〜50%の範囲内に設定されていることが
良い。
【0043】また、結合材(4)の材料は、該結合材
(4)からの溶出材料が上記基板(30)のメッキ層の表
面に付着したとしても該表面を汚染することのない材料
からなり、具体的に言うと95〜85質量%ニッケル−
5〜15質量%リン合金(好ましくは90〜86質量%
ニッケル−10〜14質量%リン合金)からなり、すな
わち上記基板(30)のメッキ層の表面の構成材料(ニッ
ケル−リン合金)と同種のものである。
【0044】而して、このドレッサ(1)は電鋳品から
なるものであり、次のように製造されたものである。す
なわち、このドレッサは、電解メッキ法を用い、母型を
ニッケルーリン合金メッキ用のメッキ液に浸漬し、該メ
ッキ液中でメッキ液に分散させた砥粒を一定の密度で取
り込みながら目的の厚さになるまで母型にニッケル−リ
ン合金メッキ層を形成させ、その後、母型からメッキ層
を剥離することにより、製造されたものである。
【0045】而して、上記構成のドレッサ(1)では、
多数個の砥粒(4)がドレッサ本体(3)に三次元的に
分散しているので、もし仮にドレッサ(1)の作用面
(1b)がドレッシング時に摩耗して該作用面(1b)に存
在していた砥粒(4)が脱落した場合であっても、ドレ
ッサ本体(3)の内部に存在していた砥粒(4)が表出
し得るものとなる。したがって、このドレッサ(1)に
よれば、ドレッシング作用を長期に亘って一定に維持す
ることができるし、ドレッサ(1)の耐用寿命を長くす
ることができる。さらに、このドレッサ(1)を用いて
研磨布(17)に対してドレッシングを行うことにより、
研磨布(17)の表面状態に関する品質(例えば粗さやう
ねり)についてその安定化を図ることができ、ひいては
基板(30)のメッキ層の表面状態に関する品質(例えば
粗さ、うねり及びスクラッチ)についてもその安定化を
図ることができる。
【0046】しかも、ドレッサ本体(3)は電鋳品から
なるので、当該本体(3)を容易に製造することができ
る。
【0047】その上、このドレッサ(1)では、結合材
(5)はニッケル−リン合金から実質的になるものであ
り、このニッケル−リン合金は、基板(30)のメッキ層
の表面を構成している金属材料(ニッケル−リン合金)
と同種であることから、もし仮に結合材(5)から溶出
したニッケル−リン合金物質が研磨布(17)に付着し
て、更にこれが研磨時に基板(30)のメッキ層の表面に
移ったとしても、該メッキ層の表面が汚染される虞はな
い。そのため、基板のメッキ層の表面の純度を良好に保
持することができる。
【0048】その上、上記構成の研磨装置(10)を用い
て研磨布(17)に対してドレッシングを行うことによ
り、研磨布(17)に対して効率良く且つ良好にドレッシ
ングを行うことができる。
【0049】以上、この発明の実施形態について説明し
たが、この発明は上記実施形態に示したものに限定され
るものではなく、様々に設定変更可能である。
【0050】例えば、上記実施形態では、ワークは磁気
ディスク用基板(30)であるが、この発明では、これに
限定されず、光ディスク用基板、シリコンウエハ、液晶
ガラス等であっても良い。ワークがシリコンウエハであ
る場合には、結合材(5)の材料はシリコンウエハの表
面の構成材料と同種のものであることが望ましく、また
ワークが液晶ガラスである場合には、結合材(5)の材
料は液晶ガラスの表面の構成材料と同種のものであるこ
とが望ましい。
【0051】
【実施例】次に、この発明の具体的実施例を示す。
【0052】<実施例1>結合材(5)としてニッケル
−リン合金及び砥粒(4)としてダイヤモンド(平均粒
径10μm)を使用して、図1に示したドレッサ(1)
を電鋳により製造した。このドレッサ(1)では、結合
材(5)に対する砥粒(4)の体積比率が40%になる
ように、多数個の砥粒(4)がドレッサ本体(3)に三
次元的に均一に分散している。また、ドレッサ(1)の
厚さは1.3mmである。
【0053】<実施例2>結合材(5)としてニッケル
−リン合金及び砥粒(4)としてダイヤモンド(平均粒
径30μm)を使用して、図1に示したドレッサ(1)
を電鋳により製造した。このドレッサ(1)では、結合
材(5)に対する砥粒(4)の体積比率が40%になる
ように、多数個の砥粒(4)がドレッサ本体(3)に三
次元的に均一に分散している。このドレッサ(1)の他
の構成は上記実施例1のものと同じである。
【0054】<実施例3>結合材(5)としてニッケル
−リン合金及び砥粒(4)としてダイヤモンド(平均粒
径180μm)を使用して、図1に示したドレッサ
(1)を電鋳により製造した。このドレッサ(1)で
は、結合材(5)に対する砥粒(4)の体積比率が40
%になるように、多数個の砥粒(4)がドレッサ本体
(3)に三次元的に均一に分散している。このドレッサ
(1)の他の構成は上記実施例1のものと同じである。
【0055】<比較例1>基材(51)としてステンレス
鋼及び砥粒(53)としてダイヤモンド(平均粒径30μ
m)を使用して、図7に示した構造の従来のドレッサ
(50)をニッケル電着により製造した。このドレッサ
(50)の厚さは1mm及び該ドレッサ(50)の砥粒層
(52)の厚さは20μmである。
【0056】上記実施例1〜3及び比較例1のドレッサ
により、図2に示した研磨装置(10)を用いて研磨布
(17)に対してドレッシングを行い、次いで、このドレ
ッシングされた研磨布(17)によって、磁気ディスク用
アルミニウム基板(30)に形成されたニッケル−リン合
金メッキ層の表面を研磨した。
【0057】そして、ドレッシング後の基板の表面状態
に関する品質としてうねり及びスクラッチを測定した。
なお、うねりの測定は、レーザ式の表面粗さ測定器を用
いて行った。また、スクラッチの測定については、光学
式表面欠陥検査器を用いてスクラッチ欠陥の発生の有無
を調べた。その結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】なお、同表の評価結果の欄において、「ド
レッサの使用回数」とは、「ドレッサをドレッシングに
使用した回数」を示している。
【0060】同表に示すように、実施例1〜3のドレッ
サによりドレッシングされた研磨布によって基板を研磨
することにより、基板の表面状態に関する品質(うねり
及びスクラッチ)を長期に亘って一定に維持することが
でき、品質の安定化を図ることができることが分かっ
た。
【0061】さらに、実施例1〜3のドレッサによれ
ば、その耐用寿命を、従来品である比較例1のそれより
も少なくとも12倍長くすることができた。
【0062】
【発明の効果】上述の次第で、第1発明に係るドレッサ
は、多数個の砥粒が所定のドレッサ本体に三次元的に分
散しているものなので、ドレッシング時にドレッサの作
用面が摩耗して該作用面に存在していた砥粒が脱落した
場合であっても、ドレッサ本体の内部に存在していた砥
粒が表出するものとなり、そのため、ドレッシング作用
を長期に亘って略一定に維持することができる。したが
って、このドレッサを用いて研磨具に対してドレッシン
グを行うことにより、研磨具の表面状態に関する品質に
ついてその安定化を図ることができ、ひいては研磨具に
より研磨されるワークの表面状態に関する品質について
もその安定化を図ることができる。しかも、ドレッサの
耐用寿命が長く、そのため、ドレッサの交換回数が減少
する結果、ワークの製造コストを引き下げることができ
る。
【0063】また、本体は電鋳品からなる場合には、本
体を容易に製造することができる。
【0064】また、結合材の材料は、研磨具により研磨
されるワークの被研磨面の構成材料と同種のものである
場合には、結合材からの溶出物によるワークの汚染を防
止することができる。
【0065】また、前記砥粒は平均粒径5〜1000μ
mのものである場合には、研磨具に対して良好にドレッ
シングを行うことができる。
【0066】第2発明に係る研磨具のドレッシング方法
は、上記第1発明に係るドレッサを用いて研磨具に対し
てドレッシングを行うものであるから、研磨具の表面状
態に関する品質についてその安定化を図ることができ、
ひいてはワークの表面状態に関する品質についてもその
安定化を図ることができる。
【0067】また、所定の研磨装置を用い、キャリアの
ワーク装填孔内にドレッサを装填したのち、該ドレッサ
の作用面に研磨具を当接させた状態で、研磨具をキャリ
アに対して相対的に回転させるとともに、キャリアを研
磨具の回転中心の回りにおいて自転させながら公転させ
ることにより、研磨具に対してドレッシングを行う場合
には、研磨具に対して効率良く且つ良好にドレッシング
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るドレッサの斜視図
である。
【図2】同ドレッサによりドレッシングされる研磨具を
有する研磨装置の一部切欠き側面図である。
【図3】図2中のA−A線断面図である。
【図4】同研磨装置のキャリアにドレッサを装着した状
態で示す、図3中のB−B線断面図である。
【図5】図4中のX部分の拡大図である。
【図6】図4中のY部分の拡大図である。
【図7】従来のドレッサの要部断面図である。
【符号の説明】
1…ドレッサ 3…ドレッサ本体 4…砥粒 5…結合材 10…研磨装置 15…ワークキャリア 17…研磨布(研磨具) 30…基板(ワーク)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数個の砥粒(4)がこれらを結合した
    結合材(5)で形成されたドレッサ本体(3)に三次元
    的に分散していることを特徴とする研磨具用ドレッサ。
  2. 【請求項2】 前記本体(3)は電鋳品からなる請求項
    1記載の研磨具用ドレッサ。
  3. 【請求項3】 前記結合材(5)の材料は、研磨具(1
    7)により研磨されるワーク(30)の被研磨面の構成材
    料と同種のものである請求項1又は2記載の研磨具用ド
    レッサ。
  4. 【請求項4】 前記砥粒(4)は平均粒径5〜1000
    μmのものである請求項1〜3のいずれか1項記載の研
    磨具用ドレッサ。
  5. 【請求項5】 多数個の砥粒(4)がこれらを結合した
    結合材(5)で形成されたドレッサ本体(3)に三次元
    的に分散しているドレッサ(1)を用いて、研磨具(1
    7)に対してドレッシングを行うことを特徴とする研磨
    具のドレッシング方法。
  6. 【請求項6】 前記ドレッサ(1)において、前記本体
    (3)は電鋳品からなる請求項5記載の研磨具のドレッ
    シング方法。
  7. 【請求項7】 前記ドレッサ(1)において、前記結合
    材(5)の材料は、研磨具(17)により研磨されるワー
    ク(30)の被研磨面の構成材料と同種のものである請求
    項5又は6記載の研磨具のドレッシング方法。
  8. 【請求項8】 前記ドレッサ(1)において、前記砥粒
    (4)は平均粒径5〜1000μmのものである請求項
    5〜7のいずれか1項記載の研磨具のドレッシング方
    法。
  9. 【請求項9】 キャリア(15)に設けられたワーク装填
    孔(16)内に装填されたワーク(30)の被研磨面に研磨
    具(17)を当接させた状態で、研磨具(17)をキャリア
    (15)に対して相対的に回転させるとともに、キャリア
    (15)を研磨具(17)の回転中心の回りにおいて自転さ
    せながら公転させることにより、ワーク(30)の被研磨
    面を研磨するものとなされた研磨装置(20)を用い、 前記キャリア(15)のワーク装填孔(16)内に前記ドレ
    ッサ(1)を装填したのち、該ドレッサ(1)の作用面
    (1b)に研磨具(17)を当接させた状態で、研磨具(1
    7)をキャリア(15)に対して相対的に回転させるとと
    もに、キャリア(15)を研磨具(17)の回転中心の回り
    において自転させながら公転させることにより、研磨具
    (17)に対してドレッシングを行う請求項5〜8のいず
    れか1項記載の研磨具のドレッシング方法。
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