JP2003340604A - 被覆超高硬度焼結体工具 - Google Patents
被覆超高硬度焼結体工具Info
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- JP2003340604A JP2003340604A JP2002143430A JP2002143430A JP2003340604A JP 2003340604 A JP2003340604 A JP 2003340604A JP 2002143430 A JP2002143430 A JP 2002143430A JP 2002143430 A JP2002143430 A JP 2002143430A JP 2003340604 A JP2003340604 A JP 2003340604A
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】切削加工の高効率・長寿命・高精度加工化に対
応するため、超高硬度焼結体から成る刃部の耐摩耗性と
耐チッピング性の両者が優れ、切削耐久特性が大幅に改
善された被覆超高硬度焼結体工具を提供する。 【構成】超高硬度焼結体から成る刃部の表面に被削材と
の摺動性と耐摩耗性とが優れるTi(NxB1−x)膜
を被覆する。また、更には、Ti(NxB1−x)膜と
超高硬度焼結体との間にTi及びAlの窒化物等より成
る層を介在させることにより皮膜の密着性を更に高め
る。
応するため、超高硬度焼結体から成る刃部の耐摩耗性と
耐チッピング性の両者が優れ、切削耐久特性が大幅に改
善された被覆超高硬度焼結体工具を提供する。 【構成】超高硬度焼結体から成る刃部の表面に被削材と
の摺動性と耐摩耗性とが優れるTi(NxB1−x)膜
を被覆する。また、更には、Ti(NxB1−x)膜と
超高硬度焼結体との間にTi及びAlの窒化物等より成
る層を介在させることにより皮膜の密着性を更に高め
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、被覆超高高度焼
結体工具に関するものである。
結体工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超硬合金を刃部に用いた回転工具や旋削
工具は高硬度材を切削加工するのに最適であり従来から
重宝されてきた。しかし、金型材や部品の硬度が高まる
につれてより高硬度で寿命が長い工具や仕上げ精度が高
く加工後の手仕上げを必要としない工具が要求されるよ
うになってきた。このため、耐摩耗性が優れる超高硬度
焼結体、特に立方晶窒化硼素(以下cBNと呼ぶ)焼結
体やダイヤモンド焼結体を切刃素材に用いた回転工具や
旋削工具が開発され広く使用されるようになってきた。
しかしこれらの超高硬度焼結体は超硬合金製工具に比べ
て耐摩耗性は優れているものの切削加工時に被削材との
接触や衝撃により焼結体表面、特に刃部の先端部にチッ
ピングを起こしやすい欠点があった。
工具は高硬度材を切削加工するのに最適であり従来から
重宝されてきた。しかし、金型材や部品の硬度が高まる
につれてより高硬度で寿命が長い工具や仕上げ精度が高
く加工後の手仕上げを必要としない工具が要求されるよ
うになってきた。このため、耐摩耗性が優れる超高硬度
焼結体、特に立方晶窒化硼素(以下cBNと呼ぶ)焼結
体やダイヤモンド焼結体を切刃素材に用いた回転工具や
旋削工具が開発され広く使用されるようになってきた。
しかしこれらの超高硬度焼結体は超硬合金製工具に比べ
て耐摩耗性は優れているものの切削加工時に被削材との
接触や衝撃により焼結体表面、特に刃部の先端部にチッ
ピングを起こしやすい欠点があった。
【0003】この欠点を解決する手段として超高硬度焼
結体の表面に皮膜を被覆することが試みられてきた。例
えば、特開昭59−8679号公報ではcBN焼結体に
Al2O3やTiC、TiNあるいはTiBとAl2O
3との複合層を被覆する方法が提案されている。しか
し、TiCやTiN、TiB膜は高温硬度や耐酸化性が
劣るため充分な耐摩耗性が得られない欠点があり、Al
2O3膜はクラックが入りやすく耐チッピング性が劣る
とともに超高硬度焼結体との密着性が低く切削初期に剥
がれてしまう欠点があった。
結体の表面に皮膜を被覆することが試みられてきた。例
えば、特開昭59−8679号公報ではcBN焼結体に
Al2O3やTiC、TiNあるいはTiBとAl2O
3との複合層を被覆する方法が提案されている。しか
し、TiCやTiN、TiB膜は高温硬度や耐酸化性が
劣るため充分な耐摩耗性が得られない欠点があり、Al
2O3膜はクラックが入りやすく耐チッピング性が劣る
とともに超高硬度焼結体との密着性が低く切削初期に剥
がれてしまう欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、刃部の少なくとも一部が超高硬度焼結体か
ら成っており耐摩耗性と耐チッピング性の両者が優れて
おり格段に優れた切削耐久特性を有する被覆超高硬度焼
結体工具を提供することである。
する課題は、刃部の少なくとも一部が超高硬度焼結体か
ら成っており耐摩耗性と耐チッピング性の両者が優れて
おり格段に優れた切削耐久特性を有する被覆超高硬度焼
結体工具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記従来技
術被覆工具の欠点を解決するために鋭意研究した結果、
超高硬度焼結体から成る刃部の表面にTi(NxB
1−x)膜を被覆することにより被削材との摺動性が大
幅に改善され刃部の耐チッピング性と切削耐久特性が大
幅に改善されることを見出し、本発明に想到した。ま
た、Ti(NxB1−x)膜と超高硬度焼結体との間に
Ti及びAlの窒化物や炭窒化物等より成る層を介在さ
せることにより皮膜の密着性が高まり、更に優れた切削
耐久特性を有する工具が得られることを見出し、本発明
に想到した。
術被覆工具の欠点を解決するために鋭意研究した結果、
超高硬度焼結体から成る刃部の表面にTi(NxB
1−x)膜を被覆することにより被削材との摺動性が大
幅に改善され刃部の耐チッピング性と切削耐久特性が大
幅に改善されることを見出し、本発明に想到した。ま
た、Ti(NxB1−x)膜と超高硬度焼結体との間に
Ti及びAlの窒化物や炭窒化物等より成る層を介在さ
せることにより皮膜の密着性が高まり、更に優れた切削
耐久特性を有する工具が得られることを見出し、本発明
に想到した。
【0006】すなわち、本発明は、表面にTi(NxB
1−x)膜が被覆されている超高硬度焼結体により少な
くとも刃部の一部が構成されていることを特徴とする被
覆超高硬度焼結体工具である。このように超高硬度焼結
体の表面にTi(NxB1−x)膜を被覆することによ
り被削材との摺動性と耐摩耗性とが格段に改善され被削
材や切り屑から受ける衝撃によるチッピングや摩耗が少
なくなり良好な切削耐久特性が実現されている。Ti
(NxB1−x)膜におけるTiは耐摩耗性、硼素は高
温硬度と耐熱安定性、Nは耐酸化性を高める効果があ
る。特に硼素は窒素と組み合わせて用いることにより摺
動性をより一層高める効果がある。また、基体に用いる
cBN材との密着性を高める効果がある。
1−x)膜が被覆されている超高硬度焼結体により少な
くとも刃部の一部が構成されていることを特徴とする被
覆超高硬度焼結体工具である。このように超高硬度焼結
体の表面にTi(NxB1−x)膜を被覆することによ
り被削材との摺動性と耐摩耗性とが格段に改善され被削
材や切り屑から受ける衝撃によるチッピングや摩耗が少
なくなり良好な切削耐久特性が実現されている。Ti
(NxB1−x)膜におけるTiは耐摩耗性、硼素は高
温硬度と耐熱安定性、Nは耐酸化性を高める効果があ
る。特に硼素は窒素と組み合わせて用いることにより摺
動性をより一層高める効果がある。また、基体に用いる
cBN材との密着性を高める効果がある。
【0007】本発明の被覆超高硬度焼結体工具は、表面
に被覆されているTi(NxB1−x)膜が0.5≦x
<1で示される化学組成から成っていることが好まし
い。x値は0.5以上で皮膜の耐摩耗性と耐酸化性が良
くなり、切削耐久特性が更に良くなる効果が現れる。x
値が0.5に満たないと耐酸化性が若干低下する欠点が
あらわれる。
に被覆されているTi(NxB1−x)膜が0.5≦x
<1で示される化学組成から成っていることが好まし
い。x値は0.5以上で皮膜の耐摩耗性と耐酸化性が良
くなり、切削耐久特性が更に良くなる効果が現れる。x
値が0.5に満たないと耐酸化性が若干低下する欠点が
あらわれる。
【0008】本発明の被覆超高硬度焼結体工具は、超高
硬度焼結体が立方晶窒化硼素を50質量%以上含む焼結
体から成っていることが好ましい。こうすることにより
高硬度の鉄系被削材に対しても充分高い硬度を有する超
高硬度焼結体が得られ、Ti(NxB1−x)の摺動性
と相まって更に良好な切削耐久特性が実現される。
硬度焼結体が立方晶窒化硼素を50質量%以上含む焼結
体から成っていることが好ましい。こうすることにより
高硬度の鉄系被削材に対しても充分高い硬度を有する超
高硬度焼結体が得られ、Ti(NxB1−x)の摺動性
と相まって更に良好な切削耐久特性が実現される。
【0009】また、本発明の被覆超高硬度焼結体工具
は、Ti(NxB1−x)膜と超高硬度焼結体との間に
Ti及びAlからなる炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸
化物、窒酸化物、炭窒酸化物のいずれか1種の単層皮膜
または2種以上の多層皮膜が被覆されていることが好ま
しい。こうすることによりTi(NxB1−x)膜の超
高硬度焼結体への密着性が更に高まり切削加工時に皮膜
が剥がれにくくなるため、特に優れた耐チッピング性と
切削耐久特性とが得られる。
は、Ti(NxB1−x)膜と超高硬度焼結体との間に
Ti及びAlからなる炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸
化物、窒酸化物、炭窒酸化物のいずれか1種の単層皮膜
または2種以上の多層皮膜が被覆されていることが好ま
しい。こうすることによりTi(NxB1−x)膜の超
高硬度焼結体への密着性が更に高まり切削加工時に皮膜
が剥がれにくくなるため、特に優れた耐チッピング性と
切削耐久特性とが得られる。
【0010】また、本発明の被覆超高硬度焼結体工具に
用いる超高硬度焼結体はcBN材に限るものではなく例
えばダイヤモンド焼結体であってもよい。ダイヤモンド
焼結体を用いた場合はアルミ合金やグラファイト材、グ
ラファイトファイバー等で強化された複合金属材、ある
いは木工材の加工に有用である。
用いる超高硬度焼結体はcBN材に限るものではなく例
えばダイヤモンド焼結体であってもよい。ダイヤモンド
焼結体を用いた場合はアルミ合金やグラファイト材、グ
ラファイトファイバー等で強化された複合金属材、ある
いは木工材の加工に有用である。
【0011】また、本発明で用いる膜には被覆超高硬度
焼結体工具の切削耐久特性を劣化させない範囲でAlや
Co、Cr、Zr、Hf、Si、W等の添加物や不可避
の不純物を例えば数質量%程度まで含むことが許容され
る。
焼結体工具の切削耐久特性を劣化させない範囲でAlや
Co、Cr、Zr、Hf、Si、W等の添加物や不可避
の不純物を例えば数質量%程度まで含むことが許容され
る。
【0012】本発明の被覆超高硬度焼結体工具の製作は
既知の成膜方法を採用できる。例えば、物理蒸着法の1
種であるスパッタ法、ホロカソード式イオンプレーティ
ング法、アーク放電方式イオンプレーティング等を用い
ることができる。特に被覆超高硬度焼結体工具にバイア
ス電圧を印加するアーク放電方式イオンプレーティング
はcBN材を工具に接合するために用いているロウ材が
軟化しないような比較的低い温度で成膜しても皮膜と基
体間により高い密着性が得られるためより望ましい。ま
た、プラズマを付加した化学蒸着法(PACVD)や通
常の化学蒸着法(CVD)等を用いることができる。ま
た、用途は切削工具に限るものではなく、被覆超高硬度
焼結体工具がワークと接触する耐摩耗材や金型等でもよ
い。
既知の成膜方法を採用できる。例えば、物理蒸着法の1
種であるスパッタ法、ホロカソード式イオンプレーティ
ング法、アーク放電方式イオンプレーティング等を用い
ることができる。特に被覆超高硬度焼結体工具にバイア
ス電圧を印加するアーク放電方式イオンプレーティング
はcBN材を工具に接合するために用いているロウ材が
軟化しないような比較的低い温度で成膜しても皮膜と基
体間により高い密着性が得られるためより望ましい。ま
た、プラズマを付加した化学蒸着法(PACVD)や通
常の化学蒸着法(CVD)等を用いることができる。ま
た、用途は切削工具に限るものではなく、被覆超高硬度
焼結体工具がワークと接触する耐摩耗材や金型等でもよ
い。
【0013】次に、本発明の被覆工具を実施例により具
体的に説明するが、それら実施例により本発明が限定さ
れるものではない。
体的に説明するが、それら実施例により本発明が限定さ
れるものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明例1としてま
ず、直径56mm×厚さ0.8mmの超硬合金基板上に
cBN結晶粒92質量%とAl、W、Co等からなる結
合材8質量%とで形成された成形体を乗せ約5.6GP
a、1450℃の超高圧、高温で一体焼結することによ
り直径が56mmで超硬合金部とcBN部の厚さがそれ
ぞれ0.8mm、全厚が1.6mmのcBN焼結基板を
作製した。そして本cBN焼結基板からワイヤ放電加工
により上下面の寸法が略2mm×2mm×3mmで、超
硬合金部とcBN部の厚さがそれぞれ0.8mm、全厚
1.6mmのcBNチップを切り出した。一方、WC:
94質量%、Co:6質量%の主成分組成よりなるJI
S規格CNMA120408形状の切削工具用超硬合金
基体のコーナー部を2mm×2mm×3mmの三角形状
で深さ1.6mmだけ座ぐり加工することにより旋削用
インサート本体を作製した。この旋削用インサート本体
の座ぐり加工部に上記のcBNチップをロー付けした
後、旋削用インサートの上下面と側面とが交接する角部
をホーニング加工することによりcBNチップ付き旋削
用インサートを作製した。そして、このcBNチップ付
き旋削用インサートの表面にアーク放電方式イオンプレ
ーティング法により基体温度400℃、基体へのバイア
ス電位−150V、反応ガス圧力3Paの条件でTi
(NxB1−x)膜を2μm厚さ成膜することにより本
発明例1を作製した。ターゲットにはBを添加したTi
ターゲットを用いた。
ず、直径56mm×厚さ0.8mmの超硬合金基板上に
cBN結晶粒92質量%とAl、W、Co等からなる結
合材8質量%とで形成された成形体を乗せ約5.6GP
a、1450℃の超高圧、高温で一体焼結することによ
り直径が56mmで超硬合金部とcBN部の厚さがそれ
ぞれ0.8mm、全厚が1.6mmのcBN焼結基板を
作製した。そして本cBN焼結基板からワイヤ放電加工
により上下面の寸法が略2mm×2mm×3mmで、超
硬合金部とcBN部の厚さがそれぞれ0.8mm、全厚
1.6mmのcBNチップを切り出した。一方、WC:
94質量%、Co:6質量%の主成分組成よりなるJI
S規格CNMA120408形状の切削工具用超硬合金
基体のコーナー部を2mm×2mm×3mmの三角形状
で深さ1.6mmだけ座ぐり加工することにより旋削用
インサート本体を作製した。この旋削用インサート本体
の座ぐり加工部に上記のcBNチップをロー付けした
後、旋削用インサートの上下面と側面とが交接する角部
をホーニング加工することによりcBNチップ付き旋削
用インサートを作製した。そして、このcBNチップ付
き旋削用インサートの表面にアーク放電方式イオンプレ
ーティング法により基体温度400℃、基体へのバイア
ス電位−150V、反応ガス圧力3Paの条件でTi
(NxB1−x)膜を2μm厚さ成膜することにより本
発明例1を作製した。ターゲットにはBを添加したTi
ターゲットを用いた。
【0015】(実施例2)本発明例2として本発明例1
と同一の組成と構成を持つcBNチップ付き旋削用イン
サートに本発明例1と同じ成膜条件で(Ti、Al)
(C、N)膜を1μm厚さ成膜した後そのままTi(N
xB1−x)膜を1μm厚さ成膜することにより本発明
例2を作製した。ターゲットにはそれぞれTiAlター
ゲットとBを添加したTiターゲットとを用いた。
と同一の組成と構成を持つcBNチップ付き旋削用イン
サートに本発明例1と同じ成膜条件で(Ti、Al)
(C、N)膜を1μm厚さ成膜した後そのままTi(N
xB1−x)膜を1μm厚さ成膜することにより本発明
例2を作製した。ターゲットにはそれぞれTiAlター
ゲットとBを添加したTiターゲットとを用いた。
【0016】(実施例3)本発明例1、本発明例2と同
一の組成と構成を持つcBNチップ付き旋削用インサー
トに本発明例1と同じ成膜条件で(Ti、Al)(C、
N)膜を2μm厚さ成膜することにより比較例3を作製
した。
一の組成と構成を持つcBNチップ付き旋削用インサー
トに本発明例1と同じ成膜条件で(Ti、Al)(C、
N)膜を2μm厚さ成膜することにより比較例3を作製
した。
【0017】本発明例1、本発明例2と比較例3の各被
覆超高硬度焼結体工具を用いて、FC250の丸棒材を
切削速度1000m/分、送り0.3mm/回転、切り
込み量0.3mm、湿式の条件で切削し、刃先の摩耗量
と損傷状況とを倍率50倍の工具顕微鏡で観察した。
覆超高硬度焼結体工具を用いて、FC250の丸棒材を
切削速度1000m/分、送り0.3mm/回転、切り
込み量0.3mm、湿式の条件で切削し、刃先の摩耗量
と損傷状況とを倍率50倍の工具顕微鏡で観察した。
【0018】この切削テストの結果、比較例3は切削距
離100000mの段階で逃げ面摩耗量VBが0.21
mmで刃先に多数のチッピングが発生していたに対し
て、本発明例1と本発明例2とはそれぞれ0.13mm
と0.08mmでありチッピングはほとんど発生してい
なかった。このことから、本発明である本発明例1は比
較例3にくらべて逃げ面摩耗量が38%小さくなってお
り、切削耐久特性が1.6倍優れていることが判明し
た。また、本発明例2の逃げ面摩耗量は本発明例1より
も更に31%小さくなっており切削耐久特性が更に1.
4倍優れており本発明例2が特に優れていることが判明
した。
離100000mの段階で逃げ面摩耗量VBが0.21
mmで刃先に多数のチッピングが発生していたに対し
て、本発明例1と本発明例2とはそれぞれ0.13mm
と0.08mmでありチッピングはほとんど発生してい
なかった。このことから、本発明である本発明例1は比
較例3にくらべて逃げ面摩耗量が38%小さくなってお
り、切削耐久特性が1.6倍優れていることが判明し
た。また、本発明例2の逃げ面摩耗量は本発明例1より
も更に31%小さくなっており切削耐久特性が更に1.
4倍優れており本発明例2が特に優れていることが判明
した。
【0019】(実施例4)図1に示す様に、本発明例1
と同様の組成から成る切削工具用超硬合金基体1と弦長
さ21mm、半径15mmの三日月状で厚さ1.6mm
のcBNチップ2、3とを用いてcBNチップ付きの回
転工具用インサートを作製した。本インサートの外径刃
間の径は30mm、先端のRは15mmである。図1に
おいて、1は切削工具用超硬合金基体であり、cBNチ
ップ2は切削工具用超硬合金基体1の図1の表側、cB
Nチップ3はcBNチップ2と同一形状のものが切削工
具用超硬合金基体1の裏側にロウ付けされている。図1
のようにcBNチップ2と3とを切削工具用超硬合金基
体1にロウ付けした後、ホーニング加工することにより
超高硬度焼結体工具を作製した。そして、この超高硬度
焼結体工具に本発明例2と同一の条件で(Ti、Al)
(C、N)膜を1μm厚さ成膜した後、そのまま続けて
Ti(NxB1−x)膜を1μm厚さ成膜することによ
り回転工具用インサートの形状を持つ本発明例4の被覆
超高硬度焼結体工具を作製した。
と同様の組成から成る切削工具用超硬合金基体1と弦長
さ21mm、半径15mmの三日月状で厚さ1.6mm
のcBNチップ2、3とを用いてcBNチップ付きの回
転工具用インサートを作製した。本インサートの外径刃
間の径は30mm、先端のRは15mmである。図1に
おいて、1は切削工具用超硬合金基体であり、cBNチ
ップ2は切削工具用超硬合金基体1の図1の表側、cB
Nチップ3はcBNチップ2と同一形状のものが切削工
具用超硬合金基体1の裏側にロウ付けされている。図1
のようにcBNチップ2と3とを切削工具用超硬合金基
体1にロウ付けした後、ホーニング加工することにより
超高硬度焼結体工具を作製した。そして、この超高硬度
焼結体工具に本発明例2と同一の条件で(Ti、Al)
(C、N)膜を1μm厚さ成膜した後、そのまま続けて
Ti(NxB1−x)膜を1μm厚さ成膜することによ
り回転工具用インサートの形状を持つ本発明例4の被覆
超高硬度焼結体工具を作製した。
【0020】(実施例5)本発明例4と同一の組成と構
成により図1に示すcBNチップ付きの回転工具用イン
サートを作製した後、本発明例4と同一の成膜条件で
(Ti、Al)N膜を2μm厚さ成膜することにより比
較例5を作製した。
成により図1に示すcBNチップ付きの回転工具用イン
サートを作製した後、本発明例4と同一の成膜条件で
(Ti、Al)N膜を2μm厚さ成膜することにより比
較例5を作製した。
【0021】本発明例4と比較例5とで作製したインサ
ートを図2に示すホルダー5にセットした。この回転工
具を回転軸Cを中心にして高速で回転することにより被
削材を切削加工した。被削材にはFC250材を用い、
工具の回転速度11000min−1、送り量0.3m
m/刃、切り込み量0.2mm、加工ピッチ0.4mm
で、深さ10mm、面積300mm×300mmを切削
した。
ートを図2に示すホルダー5にセットした。この回転工
具を回転軸Cを中心にして高速で回転することにより被
削材を切削加工した。被削材にはFC250材を用い、
工具の回転速度11000min−1、送り量0.3m
m/刃、切り込み量0.2mm、加工ピッチ0.4mm
で、深さ10mm、面積300mm×300mmを切削
した。
【0022】この切削テストの結果、比較例5は逃げ面
摩耗量が0.3mmと大きく、刃先部先端に多くのチッ
ピングが発生していたのに対して、本発明例4は最大逃
げ面摩耗量が0.2mmと小さく刃先部先端にチッピン
グは見られなかった。逃げ面摩耗量からみて本発明例4
が比較例5に比べて切削耐久特性が1.5倍優れている
ことが判明した。
摩耗量が0.3mmと大きく、刃先部先端に多くのチッ
ピングが発生していたのに対して、本発明例4は最大逃
げ面摩耗量が0.2mmと小さく刃先部先端にチッピン
グは見られなかった。逃げ面摩耗量からみて本発明例4
が比較例5に比べて切削耐久特性が1.5倍優れている
ことが判明した。
【0023】
【発明の効果】上述の通り、本発明によれば、超高硬度
焼結体から成る刃部の耐摩耗性と耐チッピング性の両者
が優れ、切削耐久特性が大幅に改善された被覆超高硬度
焼結体工具を提供することができる。
焼結体から成る刃部の耐摩耗性と耐チッピング性の両者
が優れ、切削耐久特性が大幅に改善された被覆超高硬度
焼結体工具を提供することができる。
【図1】本発明例4と比較例5に係わるcBNチップ付
きインサートの概略を示す。
きインサートの概略を示す。
【図2】本発明例4と比較例5に係わる被覆超高硬度焼
結体工具とホルダーのセット状態の概略を示す。
結体工具とホルダーのセット状態の概略を示す。
1:インサート本体
2:cBNチップ
3:cBNチップ
4:インサート
5:ホルダー
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C22C 29/00 C22C 29/00 Z
Claims (3)
- 【請求項1】表面にTi(NxB1−x)膜が被覆され
ている超高硬度焼結体により少なくとも刃部の1部が構
成されていることを特徴とする被覆超高硬度焼結体工
具。 - 【請求項2】請求項1記載の被覆工具において、前記超
高硬度焼結体が立方晶窒化硼素を50質量%以上含む焼
結体から成ることを特徴とする被覆超高硬度焼結体工
具。 - 【請求項3】請求項1または2記載の被覆工具におい
て、前記Ti(NxB1− x)膜と超高硬度焼結体との
間にTi及びAlからなる炭化物、窒化物、炭窒化物、
炭酸化物、窒酸化物、炭窒酸化物のいずれか1種の単層
皮膜または2種以上の多層皮膜が被覆されていることを
特徴とする被覆超高硬度焼結体工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002143430A JP2003340604A (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 被覆超高硬度焼結体工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002143430A JP2003340604A (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 被覆超高硬度焼結体工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003340604A true JP2003340604A (ja) | 2003-12-02 |
Family
ID=29766247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002143430A Pending JP2003340604A (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 被覆超高硬度焼結体工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003340604A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023008188A1 (ja) * | 2021-07-30 | 2023-02-02 | 京セラ株式会社 | 被覆工具および切削工具 |
-
2002
- 2002-05-17 JP JP2002143430A patent/JP2003340604A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023008188A1 (ja) * | 2021-07-30 | 2023-02-02 | 京セラ株式会社 | 被覆工具および切削工具 |
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