JP4375691B2 - 複合高硬度材料 - Google Patents

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    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は硬質被膜を具えた立方晶窒化硼素(cBN)基焼結体に関するものである。特に、耐摩耗性、高温硬度、高温強度、耐酸化性を向上できる複合高硬度材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
cBNはダイヤモンドに次ぐ高硬度を有する材料で、cBN焼結体は主に金属の切削工具として使用されている。cBN焼結体は結合材を用いてcBN結晶粒子を高温高圧下で焼結させて作られ、主に切削加工用途に使用されているcBN焼結体は次の2種類に大別できる。
【0003】
▲1▼ cBN粒子を20〜80体積%含有し、結合材としてTiの炭化物、窒化物、炭窒化物及びAlの化合物を用いる。この焼結体は、主に焼入鋼の切削加工に利用されている。(例 特開昭53-77811号公報)
【0004】
▲2▼ cBN粒子を70体積%以上含有し、結合材としてAl、Co金属を用いる。この焼結体は、主に高硬度鋼や鋳鉄の切削加工に利用されている。(例 特公昭52-43846号公報)
【0005】
その他、これらのcBN焼結体の耐摩耗性を向上させるために、各種耐摩耗性被覆を形成する技術も提案されている。(例 特開昭59-134603号、特開昭61-183187号、特開平1-96083号、特開平1-96084号、特公平2-44790号、特開平8-104583号、特開平8-134629号公報)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年のコスト競争力強化、製品納期短縮および環境問題も配慮した使用エネルギーの省力化などの合理化が進む中で、焼入鋼の切削加工工程においてもより高速・高能率・高精度に加工ができ、さらに長寿命な工具材料が要求されている。
【0007】
上記従来の被覆cBN焼結体材料でも、ある程度の高速・高能率・高精度な加工は可能であった。しかし、工具刃先の摩耗進展、チッピング等により、更なる長寿命化の要求に対し十分満足する結果が達成できていないのが現状である。
【0008】
従って、本発明の主目的は、高速・高能率・高精度な加工ができ、更なる長寿命化が可能な複合高硬度材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、刃先の摩耗状態をミクロに観察することで、被覆cBNによる焼入鋼の高速・高能率・高精度加工において工具が寿命に至る原因を究明した。その結果、表面被膜が剥がれた後、cBN粒子または結合相を構成する硬質微粒子が切削表面から徐々に脱落することで摩耗が進展し、それにより切削抵抗が増加するため、更に摩耗進展が加速されて寿命に至るとの知見を得た。本発明は、このような知見に基づくもので、切削加工時に被膜が剥がれるまでの寿命向上に加え、cBN焼結体の切削に関与する面からcBNおよび結合相の硬質粒子が脱落することを抑制する。
【0010】
すなわち、本発明複合高硬度材料は、cBNを20体積%以上95体積%以下含む焼結体の基材と、基材表面の少なくとも一部に形成された硬質被膜とを具える。この硬質被膜は、立方晶型結晶構造を有して互いに異なる組成の2種以上の化合物層を積層した薄膜積層部を具える。そして、各化合物層は、周期律表4a、5a、6a族元素、Al、Si、Bからなる群の中から選択される1種以上の元素とB、C、N、およびOから選択される1種以上の元素とを主成分とすることを特徴とする。以下、各構成要件ごとに詳しく説明する。
【0011】
(基材)
基材には、cBNを20体積%以上95体積%以下含む焼結体を用いる。cBNの含有量を限定することで、基材の強度と耐摩耗性を両立させる。より好ましいcBNの含有量としては20体積%以上80体積%以下である。その他、cBNの含有量を70体積%以上とすることも好適である。
【0012】
cBNの原料粉末は、0.0001〜2.5μmの粒度分布を持つことが好ましい。これを超える粒度分布では、脱落開始時にcBN粒子1粒の脱落による摩耗量が大きく、摩耗進展を抑制することが難しくなる。
【0013】
基材の結合相としては、次の2つの構成のいずれかが好適である。
▲1▼周期律表IVa、Va、VIa族元素の窒化物、酸化物、硼化物、炭化物並びにこれらの固溶体からなる群から選択される少なくとも1種と、アルミニウム化合物とを含む材料。
▲2▼Co、Cu、Al、Fe、Niおよびこれらの固溶体からなる群から選択される少なくとも1種を含む材料。
【0014】
これら結合相の成分も基材の耐摩耗性と強度の観点から選択した。前者▲1▼の結合相とした場合、cBNの含有量は20体積%以上80体積%以下とすることが好ましい。また、後者▲2▼の結合相とした場合、cBNの含有量は70体積%以上とすることが望ましい。
【0015】
このような結合相は、その原料粉末の粒度分布の上限がcBNの平均粒度以下であることが望ましい。特に、0.0001〜1μmの粒度分布とすることが好適である。これを超える粒度分布では、脱落開始時に結合相粒子1粒の脱落による摩耗量が大きく、摩耗進展を抑制することが難しくなる。
【0016】
基材の製造は、4GPa以上の超高圧と1000℃以上の高温を発生させることのできる超高圧容器を用いて焼結することが好適である。
なお、基材に不可避的不純物が含まれても良いことは言うまでもない。
【0017】
(硬質被膜)
硬質被膜には、立方晶型結晶構造を有して組成の異なる2種以上の化合物層を積層した薄膜積層部を設ける。薄膜積層部の全ての化合物層がcBN及び結合相と同じ立方晶構造であるため、基材との間に高い密着力が得られる。
【0018】
各化合物層は、周期律表4a、5a、6a族元素、Al、Si、Bからなる群の中から選択される1種以上の元素とB、C、NおよびOから選択される1種以上の元素とを主成分とする。具体例としては、TiN、TiCN、TiAlN、Al2O3、ZrN、ZrC、CrN、VN、HfN、HfCまたはHfCNが挙げられる。
【0019】
各化合物層の積層パターンは、規則的であっても不規則的であっても良い。規則的な積層例としては、2種類の化合物層を交互に積層したり、3種類以上の異なる組成の化合物層の積層体を一つの積層単位とし、この積層単位を繰り返すことなどが挙げられる。すなわち、隣接する化合物層と同じ組成でないことが望ましい。
【0020】
このように、ナノメートルオーダーの微粒子でナノメートルオーダーの厚さの化合物層を構成し、その化合物層を重ねて超薄膜積層構造にする主な理由は次の通りである。
【0021】
▲1▼基材表面におけるcBN粒子や結合相粒子の結合界面に残存している欠陥をナノメートルオーダーの微粒子で被覆して修復することで、cBN粒子や結合相粒子の脱落を抑える。
▲2▼超薄膜積層構造にすることにより、各化合物層内の転移の伝搬に対する抵抗が増大して転移を抑制し、各化合物層自身の耐欠損性が向上する。
▲3▼超薄膜積層構造にすることにより、各化合物層を越えて伝搬する転移やクラックの成長を各化合物層間において抑制するため、薄膜積層部自身の耐欠損性が向上する。
▲4▼超薄膜積層構造にすることにより、各化合物層を構成する結晶粒の肥大化を抑制し、かつ非常に緻密化することで、耐摩耗性が向上する。
【0022】
上記化合物層の単層の厚みは、0.2nm〜20nmが好ましく、薄膜積層部全体の厚みは5nm〜15μm、特に0.05μm〜5μmが望ましい。各化合物層の厚みが0.2nm未満では、元素の拡散によって積層構造が殆ど消失する。逆に20nmを超えると、転位の伝播を抑制する効果が低減される。また、薄膜積層部全体の厚みが5nm未満では耐摩耗性の向上効果が低く、15μmを超えると薄膜積層部中の残留応力の影響によって基材との密着力が低下する。
【0023】
薄膜積層部と基材との密着性をより向上させて、薄膜積層部の効果をより確かなものにするためには、薄膜積層部と基材との間に中間層を設けることが好ましい。この中間層の成分は、周期律表4a、5a、6a族元素、Al、Si、Bからなる群の中から選択される1種以上の元素と、B、C、NおよびOから選択される1種以上の元素とを含むことが好適である。基材に対して比較的密着強度の高いTiN等の材料が最適である。中間層の厚みは、0.01μm〜1μmが望ましい。特に、各化合物層よりもやや厚め(例えば5nm以上)につけた方が好ましい。中間層の膜厚が0.01μm未満では密着性向上効果があまり得られず、1μmを超えても密着性改善効果の向上があまりみられない。
【0024】
さらに、耐摩耗性の向上を目的として、薄膜積層部の表面側に表面層を設けることも望ましい。この表面層の成分としては、周期律表4a、5a、6a族元素、Al、Si、Bからなる群の中から選択される1種以上の元素と、B、C、NおよびOから選択される1種以上の元素とを含むものが挙げられる。表面層の膜厚は0.05μm〜5μmが望ましい。0.05μm未満では耐摩耗性の向上効果が殆どなく、5μmを超えると剥離しやすくなる。
【0025】
本発明材料における硬質被膜自身の効果については、特開平8-134629号公報に示されている効果とほぼ同じである。ただし、基材であるcBN焼結体の粒度分布を前記のように規定することで、より切削寿命が向上することを見い出した。特開平8-134629号公報記載の技術では、硬質被膜の効果はcBN焼結体自身の特性を変化させるものではなく、被膜自身の耐摩耗性によって工具寿命向上を狙っている。これに対し、本発明はcBN焼結体基材の結晶粒径を微粒化することで、硬質被膜がほとんど剥がれた後でも、cBN焼結体粒子界面に残存する超薄膜(化合物層)により、cBN焼結体基材の粒子脱落が抑制され、基材単体よりも耐摩耗性を向上することができる。
【0026】
被膜の形成個所は基材の少なくとも一部で良い。切削工具として本発明材料を用いる場合、少なくとも切削に関与する面に被膜を形成する。切削に関与する面とは、すくい面、逃げ面、ネガランド面の少なくとも一つである。より具体的には、すくい面から逃げ面にかけての個所またはすくい面からネガランド面を経て逃げ面にかけての個所である。特に、工具が被削材と接する個所およびその近傍に被膜を形成すると有効である。
【0027】
硬質被膜の形成手段は公知の成膜技術が利用できる。例えば、スパッタリング、イオンプレーティングなどのPVD法や、プラズマCVD法などのCVD法が利用できる。中でも、アークイオンプレーティング法は、原料元素蒸気のイオン化率が高いので、基材との密着性が高い硬質被膜を形成できて望ましい。なお、薄膜積層部の形成に関しては、特開平8-134629号公報に具体的な製造条件例が開示されている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
この実施の形態において、被膜の膜厚測定は、基材上に被膜を形成したチップを作製し、このチップを実際に切断して、その断面を直接SEM(走査型電子顕微鏡)で観察して評価した。なお、本発明の複合高硬度材料は、後述の具体例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0029】
表1に示される組成及び粒度分布のcBNと結合材との混合粉末を、4.5GPa、1300℃の超高圧高温条件で20分間焼結することで、基材となるcBN焼結体を得た。表1におけるNo.▲6▼の焼結体は粒度分布の上限が5μmと大きく、比較用の焼結体である。得られたcBN焼結体21を切削工具インサートの刃先部分に蝋付けし、図2に示す切削工具用チップ20(SNGN120408)の形に加工し、後に述べる被膜の形成を行う。なお、図2で用いているcBN焼結体21は1層の構造であるが、cBN焼結体と超硬合金とを重ね合わせた2層構造のものも使用できる。
【0030】
後述する成膜手順により、各焼結体の表面にアーク式イオンプレーティング法を用いてTiN膜(中間層)を形成し、その上に表2、3に示す構造の薄膜積層部を形成して、さらに表面層を形成する。基材の刃先には5〜30μmのホーニング処理を施した後、硬質被膜の形成を行った方が性能が安定したため、今回は20μmのホーニング処理を行った。中間層または表面層のないものも比較のため作製し、合計44種類の試料を用意した。No.12〜19、25、31、37、43は比較例(表2の「判定」で×印)である。なお、表2、3において、「薄膜積層部組成」における「A」と「B」は、組成Aと組成Bの化合物層を交互に積層したことを示し、「単層厚み」は各化合物層単層の厚みを、「薄膜積層部厚み」は同積層部全体の厚みを示している。
【0031】
【表1】
Figure 0004375691
【0032】
成膜装置の概略構成を図1に示す。この装置は、真空容器1内に複数個のターゲット2、3が対向して配置され、両ターゲットの中間点を通る軸を回転軸とするテーブル4を具えている。テーブル4の上には円筒状の基材保持具5が固定され、その保持治具5に上記チップ6が装着される。また、真空容器1にはガス導入口と、真空排気ポンプにつながる排気口とが設けられ、内部を所定の圧力に調整できると共に所要のガスを供給できるよう構成されている。さらに、基材は基材加熱ヒーター10により所定の温度に加熱することができる。そして、各ターゲット2、3には真空アークの放電電流(ターゲット材料の蒸発)を調整する電源7、8が接続され、基材保持具には基材にバイアス電圧を加えるバイアス電源9が接続されている。
【0033】
成膜手順は次のとおりである。真空容器1内に複数個の周期律表4a、5a、6a族元素、Al、Si、Bおよびこれらの合金ターゲット2、3を配置する。基材保持治具5に上記チップ6を装着し、真空アーク(電源7、8)の放電電流(ターゲット材料の蒸発量)を制御しながら中間層、薄膜積層部および表面層をコーティングした。
【0034】
まず、真空容器1内の真空度を7×10- Paの雰囲気とし、ついでアルゴンガスを導入して1×10- Paの雰囲気に保持しながら、基板加熱ヒーター10を用いて400℃まで加熱し、基材保持具4に-1000Vの電圧(バイアス電源9)をかけて洗浄を行った後、アルゴンガスを排気した。
【0035】
次に、真空容器1内にNガス、水素ガス、アルゴンガス、メタンガス、アセチレンガスのいずれか一種類あるいは数種類を導入し、真空容器1内の圧力を2Paに保持し、真空アーク放電により金属ターゲットを蒸発、イオン化させることによってチップ上に中間層、薄膜積層部および表面層が形成される。このとき、基材保持具4に-50〜-400Vの電圧(バイアス電源9)をかけておいた。
【0036】
このようにして得られた切削工具インサートを、下記条件で切削加工し、切削時間10分、20分、30分の各時点での逃げ面摩耗量を測定した。評価結果も併せて表2、3に示す。
被削材 SUJ2(硬度HRC60)丸棒 φ100×200mm外周切削
切削速度 150m/min
切り込み量 0.2mm
送り量 0.1mm/rev
乾式
(1)1.5Km(10分)切削
(2)3.0Km(20分)切削
(3)4.5Km(30分)切削
【0037】
【表2】
Figure 0004375691
【0038】
【表3】
Figure 0004375691
【0039】
この結果から明らかなように、切削初期の摩耗は被膜特性に依存するのに対し、30分切削後のデータより、被膜が剥がれてからの耐摩耗性は基材特性に依存することが判る。特に粗粒を含んだcBN焼結体No.19、25、31、37、43は、切削後期の摩耗進展が著しく、被膜の効果が切削中期(約20分切削時)までしか発現しない。これに対し、微粒cBN焼結体を基材として薄膜積層部を形成した場合、基材自身で切削している切削後期の耐摩耗性向上が確認できた。
【0040】
さらに、XRD(X‐ray diffraction)により硬質被膜の結晶構造の分析を行ったところ、全て立方晶形の結晶構造であることが確認された。
なお、cBN焼結体基材は蝋付けでなく一体焼結したチップでも同じ効果が得られた。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明複合高硬度材料によれば、薄膜積層構造の硬質被膜をcBN基焼結体基材の上に形成することで、高速・高能率・高精度な加工ができる。特に、微細な粒子の基材との組合せにより、更なる長寿命化が実現できる。従って、焼入鋼切削加工時の工具寿命を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明材料に硬質被膜を形成する成膜装置の概略図である。
【図2】本発明焼結体を用いたチップの一例の外観図である。
【符号の説明】
1 真空容器
2、3 ターゲット
4 回転テーブル
5 基材保持治具
6 チップ
7、8 アーク電源
9 バイアス電源
10 基材加熱ヒーター
20 チップ
21 cBN焼結体

Claims (8)

  1. cBNを20体積%以上95体積%以下含む焼結体の基材と、基材表面の少なくとも一部に形成された硬質被膜とを具える複合高硬度材料であって、
    前記硬質被膜は、立方晶型結晶構造を有して組成の異なる2種以上の化合物層を積層した薄膜積層部を具え、
    前記化合物層の一種は、Ti、Al、Nの化合物を主成分とし、前記化合物層の他の一種は、Ti、Zr、Hfからなる群の中から選択される1種以上の元素とC、Nから選択される1種以上の元素とを主成分としており、
    前記基材に用いるcBNの原料粉末は、0.0001〜2.5μmの粒度分布を持ち、前記基材に用いる結合相の原料粉末は、0.0001〜1μmの粒度分布を持っており、
    前記各化合物層の厚さは、0.2nm〜20nmであり、前記薄膜積層部全体の膜厚は、5nm〜15μmであることを特徴とする複合高硬度材料。
  2. 前記基材は、20〜80体積%のcBNと、周期律表IVa、Va、VIa族元素の窒化物、酸化物、硼化物、炭化物並びにこれらの固溶体からなる群から選択される少なくとも1種と、アルミニウム化合物とを含む結合相とを具えることを特徴とする請求項1に記載の複合高硬度材料。
  3. 前記基材は、70体積%以上のcBNと、Co、Cu、Al、Fe、Niおよびこれらの固溶体からなる群から選択される少なくとも1種を含む結合相とを具えることを特徴とする請求項1に記載の複合高硬度材料。
  4. 前記薄膜積層部と基材との間に中間層が介在され、この中間層は、周期律表4a、5a、6a族元素、Al、Si、Bからなる群の中から選択される1種以上の元素と、B、C、NおよびOから選択される1種以上の元素とを含むことを特徴とする請求項1に記載の複合高硬度材料。
  5. 前記中間層の膜厚が0.01μm〜1μmであることを特徴とする請求項4に記載の複合高硬度材料。
  6. 前記薄膜積層部の表面側に表面層を具え、この表面層は、周期律表4a、5a、6a族元素、Al、Si、Bからなる群の中から選択される1種以上の元素と、B、C、NおよびOから選択される1種以上の元素とを含むことを特徴とする請求項1に記載の複合高硬度材料。
  7. 前記表面層の膜厚が0.05μm〜5μmであることを特徴とする請求項6に記載の複合高硬度材料。
  8. 前記基材に用いる結合相の原料粉末が、0.01〜0.1μmの粒度分布を持つことを特徴とする請求項1に記載の複合高硬度材料。
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