JP2003339091A - スピーカシステム - Google Patents

スピーカシステム

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JP2003339091A JP2003056292A JP2003056292A JP2003339091A JP 2003339091 A JP2003339091 A JP 2003339091A JP 2003056292 A JP2003056292 A JP 2003056292A JP 2003056292 A JP2003056292 A JP 2003056292A JP 2003339091 A JP2003339091 A JP 2003339091A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成により実現することができ、ま
た、音響特性を容易に改善することができる音響駆動方
式のスピーカシステムを提供する。 【解決手段】 本発明は、電気機械音響変換器によって
振動パネルを駆動させることによって音を放射するスピ
ーカシステムである。スピーカシステムは、基板と、基
板との間に空間を形成するように周囲を固定して配置さ
れ、かつ、基板よりも剛性が小さい振動パネルと、空間
に対して音を放射する電気機械音響変換器とを備える。
これによって、振動パネルは、機械音響変換器によって
放射される音によって屈曲して振動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカシステム
に関し、より特定的には、振動パネルを電気機械音響変
換器によって駆動させるスピーカシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、振動パネルを電気機械音響変換器
によって駆動させるスピーカシステムが提案されてい
る。例えば、トランスデューサを振動パネルに直接取り
付ける方式のスピーカシステム(例えば、特許文献1参
照。)や、空間を介して振動パネルを音響的に振動させ
る方式(以下、「音響駆動方式」と呼ぶ。)のスピーカ
システム(例えば、特許文献2参照。)がある。ここ
で、トランスデューサを振動パネルに直接取り付ける方
式では、必要な音響特性を得るためには振動パネルのト
ランスデューサへの取付け位置が制限される、という問
題がある。従って、スピーカシステムの設計の自由度と
いう点では音響駆動方式が有効である。
【0003】図14は、音響駆動方式を用いた従来のス
ピーカシステムの基本構成図である。図14において、
100は板状の振動パネル、101は振動パネル100
の外周を支持するサスペンション、102はサスペンシ
ョン101の外周部を固定するフレーム、103はフレ
ーム102の底面に設けられた音響孔、104は音響孔
103に取り付けられた電気機械音響変換器、105は
振動パネル100と電気機械音響変換器104との間に
構成される密閉空間である。このスピーカシステムは、
外周を支持するサスペンション101によって振動パネ
ル100全体をピストン運動させることによって、音を
放射するものである。つまり、音源となる電気機械音響
変換器104から放射された音は、密閉空間105に導
かれ、密閉空間105中の空気が加圧された結果、振動
パネル100が振動し音を放射する。
【0004】ここで、全ての周波数帯域において振動パ
ネル100がピストン運動すると仮定すると、図14に
示すスピーカシステムの等価回路は、図15のように表
すことができる。なお、図15に示す等価回路におい
て、Fは電気機械音響変換器104(ドライバ)の駆動
力、Rmeはドライバの電磁制動抵抗、Cmsはドライバの
支持系のコンプライアンス、Mmsはドライバの振動系の
質量、Rmsはドライバの支持系の機械抵抗、Sd はドラ
イバの振動板有効面積である。また、Cabは密閉空間1
05の音響コンプライアンス、Rabは密閉空間105の
音響抵抗、Cmpはサスペンション101のコンプライア
ンス、Rmpはサスペンション101の機械抵抗、Mmpは
振動パネル100の質量、Sp は振動パネル100とサ
スペンション101によって構成される振動部の有効振
動面積である。
【0005】図15に示す等価回路から、電気機械音響
変換器104の振動板の有効面積Sd と、振動パネル1
00とサスペンション101によって構成される振動部
の有効振動面積Sp との面積比(Sd /Sp )によって
音響変成器が構成されることがわかる。従って、スピー
カシステムの動作時において、電気機械音響変換器10
4から見た振動部の等価質量は、面積比(Sd /Sp )
の2乗で作用する。このため、振動パネル100に対し
て振動板面積の小さな電気機械音響変換器を用いれば、
振動パネル100の等価質量が小さくなるので、質量の
大きな振動パネル100を用いてもスピーカシステムと
しての能率は低下しない。
【0006】なお、図14に示すスピーカシステムで
は、密閉空間105の高さTg を小さくすることによっ
て、高域の再生限界周波数を高くすることができる。こ
こで、高域の再生限界周波数は、振動パネル100の質
量Mmpおよび密閉空間105の音響コンプライアンスC
abによって決定される。また、音響コンプライアンスC
abは、密閉空間105の容積や高さTg によって決定さ
れる。従って、高域の再生限界周波数をより高くするに
は、Tg を小さくすることによって音響コンプライアン
スCabを小さくすればよい。
【0007】図16は、図15に示す等価回路により予
測されるスピーカシステムの音圧周波数特性のグラフを
示す図である。図16には、密閉空間105の高さTg
を、それぞれ0.2、0.4、0.8(mm)とした場合
の特性が示されている。なお、このモデルの計算条件を
以下に示す。すなわち、電気機械音響変換器104とし
て、口径がφ16(mm)相当の有効振動板面積を有する
動電型スピーカを用いる。また、振動パネル100とし
て、材質がポリカーボネート、形状が縦72(mm)×横
51(mm)、厚さ1(mm)の板を用い、サスペンション
101として、幅5(mm)、厚さ50(μm)のSBR
(スチレン・ブタジエンゴム)を用いる。図16から明
らかなように、密閉空間105の高さTg によって高域
再生限界周波数が決定され、高域再生限界周波数を高く
するにはTg を小さくする必要があることがわかる。
【0008】
【特許文献1】特表平11−512260号公報
【特許文献2】米国特許第3164221号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記に示した従来の音
響駆動方式のスピーカシステムでは、振動パネルの外周
部を支持するサスペンションが必須の構成であるので、
スピーカシステムの構成が複雑なものとなっていた。さ
らに、構成が複雑化することから、スピーカシステムの
小型化が困難であった。特に、携帯電話等の携帯端末に
用いる場合には、スピーカシステムを小型化、省スペー
ス化することが重要であるが、従来のスピーカシステム
を携帯端末に用いることは困難であった。
【0010】また、従来の音響駆動方式のスピーカシス
テムでは、低音域および高音域における音響特性を同時
に改善することが困難であった。つまり、従来のように
振動パネルをピストン運動させる駆動方法では、振動パ
ネルには高剛性かつ軽量であることが要求されるが、音
響特性の改善のためにこれらを同時に満たすには限界で
あった。以下、詳細を説明する。
【0011】まず、振動パネルの剛性を小さくすると、
低音域での音圧レベルが低下しまうことについて説明す
る。図17および図18は、図16における計算条件と
同じ条件で作製されたスピーカシステムの特性を実測し
た結果を示す図である。ここで、図17は、周波数50
0(Hz)における振動パネル100の振動モードを示す
図であり、図18は、音圧周波数特性のグラフを示す図
である。なお、図17では、密閉空間105の高さTg
は0.2(mm)である。
【0012】図17では、振動パネル100とその外側
に取り付けられたサスペンション101の振動モードが
示されている。ここで、図中の白い部分が振動の大きい
部分を示す。図17から、サスペンション101の部分
の大半が大きく振動しているが、振動パネル100は外
周付近において大きく振動している部分があるものの、
中央部は振動が小さいことがわかる。従って、周波数が
500(Hz)という低音域において、振動パネル100
の周辺部が大きく振動するという振動モードを伴う分割
共振が生じていることがわかる。つまり、図17におい
ては、振動パネル100全体が一体になって振動すると
いうピストン運動をしているわけではない。これは、振
動パネル100の剛性が小さいからである。また、この
ことは、図15に示した等価回路が成り立たたないこと
を意味する。図18にも示されるように、実際には、低
音域において、振動パネル100の分割共振の影響によ
って、音響インピーダンス、すなわち、振動板に加わる
音響負荷が増大する結果、振動板の振動速度が低下し、
音圧レベルが低下している。なお、図18において、実
線は音圧周波数特性の実測値であり、点線は図15に示
す等価回路による予測値である。図18では、等価回路
によるモデルよりも10(dB)程度、実測値の音圧レベ
ルが低くなっていることがわかる。
【0013】以上のように、振動パネルの剛性が小さい
場合、低音域における音圧レベルが低下してしまうの
で、これを解決するために、振動パネルにはある程度の
剛性が必要となることがわかる。ここで、振動パネルの
剛性を上げようとすると、振動パネルの質量を大きくし
なければならない。例えば、振動パネル100を、サン
ドイッチ構造、すなわち、心材とその両面に貼り付けら
れた表面材とからなる構造にすることによって、剛性を
向上することができる(特許文献2参照)。しかし、表
面材を用いる分だけ振動パネルの質量が大きくなってし
まうので、高音域の音圧レベルが低下してしまう。ま
た、上記例のように振動パネル100をサンドイッチ構
造にする場合には、振動パネル100の構造が複雑化す
るといった欠点や、振動パネル100が厚くなるという
欠点もある。
【0014】以上のように、振動パネル100全体をピ
ストン運動させるという従来の音響駆動方式では、低音
域の音圧レベルを改善するために振動パネル100の剛
性を向上する必要があり、高音域の音圧レベルを改善す
るために軽量化することが必要があった。しかし、高剛
性化および軽量化を同時に実現するような振動パネルの
構成、材質には、実際上限界がある。従って、従来の音
響駆動方式では、低音域および高音域における音響特性
を同時に改善することが困難であった。
【0015】それ故、本発明の目的は、簡易な構成によ
り実現することができる音響駆動方式のスピーカシステ
ムを提供することである。
【0016】また、本発明の他の目的は、音響特性を容
易に改善することができる音響駆動方式のスピーカシス
テムを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の
ような目的を達成するために、本発明は、以下に示すよ
うな特徴を有している。すなわち、本発明は、基板と、
電気機械音響変換器と、振動パネルとを備えるスピーカ
システムである。基板は、音放射用の空間を形成するた
めのものである。電気機械音響変換器は、基板に接続さ
れ、音放射用の空間に音を放射する。振動パネルは、基
板との間に空間を形成するように外周部が当該基板と固
定され、当該基板よりも剛性が小さい。また、振動パネ
ルは、電気機械音響変換器から空間内に音が放射された
とき、当該放射された音のエネルギによって屈曲振動す
ることによって外部へ音を出力する。
【0018】上記によれば、振動パネルは基板よりも剛
性が小さいので、空間に音が放射されると、振動パネル
が屈曲することによって振動し、音が放射される。この
ように、振動パネルを屈曲によって振動させる場合、振
動パネルを基板に固定して直接接合することが可能であ
り、振動パネルの周囲をサスペンション等で支持する必
要がない。従って、スピーカシステムの構成を簡易にす
ることができる。これによって、スピーカシステムを容
易に小型化、省スペース化することができる。
【0019】また、上記によれば、振動パネル全体をピ
ストン運動によって振動させるのではなく、振動パネル
を屈曲させることによって振動させる。この振動方法で
は、音圧レベルの向上のためには、振動パネルの剛性を
小さくしたり、振動パネルを軽量化すればよい。従っ
て、低音域における音圧レベルを容易に向上することが
できる。つまり、本発明に係るスピーカシステムの構成
によって、低音域における音圧レベルを容易に向上する
ことができる。
【0020】また、振動パネルは、可視透過する材質に
よって構成されてもよい。さらに、基板についても振動
パネルと同様に、可視透過する材質によって構成されて
もよい。これによって、振動パネルの存在が視覚上、強
調されないようにすることができる。特に、本発明に係
るスピーカシステムはサスペンションを用いない簡易な
構成によって実現可能であるので、振動パネルおよび基
板を透明にすることによって容易に透明なスピーカシス
テムを実現することができる。
【0021】また、発光手段をさらに備える構成として
もよい。発光手段は、基板および/または振動パネルに
取り付けられ、電気機械音響変換器に入力される入力信
号に応じて発光する。なお、発光手段とは、例えば発光
ダイオードであるが、電気信号を入力して光を発するも
のであればどのようなものであってもよい。これによっ
て、視覚的にユーザを楽しませることができるスピーカ
を提供することができる。
【0022】また、振動パネルは、その外周部において
前記基板とスペーサによって固定されてもよい。ここ
で、基板は、スピーカシステムに専用の部材であっても
よいし、スピーカシステムとは異なる構造体の一部また
は全部であってもよい。つまり、基板は、スピーカシス
テム以外の構造体を兼ねるものであってもよい。構造体
とは、例えば、建造物の壁面や、ショーウインドウのガ
ラス面、車両のボディ等を含む概念である。これによっ
て、例えば、壁面に貼られたポスターを振動パネルとし
て利用すれば、壁面のポスターから音を出すスピーカシ
ステムを実現することができる。また、振動パネルが透
明である場合には、壁面に絵画を貼り、その上に振動パ
ネルを配置することによって、あたかも壁面の絵画から
音が出ているような感覚をユーザに与えることができる
スピーカシステムを実現することができる。さらに、振
動パネルおよび基板が透明である場合には、例えば車の
窓ガラスを基板として用いることによって、振動パネル
および基板を通過して外の景色を見ることができるスピ
ーカシステムを実現することができる。
【0023】また、基板は、音響孔を有するようにして
もよい。このとき、電気機械音響変換器は、振動パネル
とは反対側に設置され、音響孔から空間に対して音を放
射する。これによって、電気機械音響変換器から放射さ
れる音を振動パネル背面の空間に導く構成を容易に実現
することができる。
【0024】また、基板と電気機械音響変換器とを連結
する音響管をさらに備えるようにしてもよい。このと
き、基板は、音響管との連結部分に音響孔を有する。ま
た、電気機械音響変換器は、音響管を介して空間に対し
て音を放射する。これによって、電気機械音響変換器を
基板や振動パネルから離して自由に配置することが可能
となる。従って、電気機械音響変換器の配置位置に制限
されることがないので、スピーカシステムの設計の自由
度が増す。特に、振動パネルおよび基板が透明である場
合、透明にすることが非常に困難である電気機械音響変
換器を振動パネルおよび基板から離して配置することに
よって、基板や振動パネルをほとんど視覚的に意識させ
ないスピーカシステムを実現することができる。
【0025】また、電気機械音響変換器の背面側に密閉
空室を形成するためのキャビネットをさらに備えてもよ
い。これによれば、電気機械音響変換器の背面から放射
される逆相音が遮蔽されるので、低音域の再生に優れた
スピーカシステムを実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明における
実施の形態1に係るスピーカシステムの構成を、図1お
よび図2を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係
るスピーカシステムの構成を示す図である。ここで、図
1(a)はスピーカシステムの正面図であり、図1
(b)は図1(a)のスピーカシステムのA−B断面の
断面図である。図1(a)において、10は基板、11
は基板10に設けられた長方形の音響孔、12は音響孔
11に取り付けられた電気機械音響変換器、13は基板
10の外周部に設けられたスペーサ、14はスペーサ1
3によって周囲を固定された振動パネル、15は基板1
0を支持する台座である。
【0027】実施の形態1において、基板10および振
動パネル14は、可視透過する材質よりなる。基板10
およびスペーサ13は、例えば、ガラス、ポリカーボネ
ートまたはアクリル等の透明材料により構成される。振
動パネル14は、例えば、PET(ポリエチレンテレフ
タレート)等の透明材料により構成される。ここで、振
動パネル14は基板10よりも剛性が小さいものが選ば
れる。実施の形態1においては、振動パネル14はフィ
ルム状に構成されるものとする。また、スペーサ13
は、基板10と振動パネル14の外周部とを接合する接
合部としての役割を果たすものである。このように、基
板10と振動パネル14の外周部とをスペーサ13によ
って固定することによって、振動パネル14の中央部に
おいて基板10との間に空隙16が形成される。空隙1
6は、電気機械音響変換器12からの音を放射するため
の空間であり、密閉空間であることが好ましいが、必ず
しも密閉されている必要はない。
【0028】以上のように、図1に示すスピーカシステ
ムは、振動パネル14を振動させるために従来用いられ
ていたサスペンションを用いない構成である。従って、
従来のスピーカシステムと比べて構造を簡略化すること
ができる。
【0029】図2は、図1に示す電気機械音響変換器1
2の一例である動電型スピーカの構造断面図である。図
2において、20は壺型のヨーク、21はヨーク20の
中央部に設けられたマグネット、22はマグネット21
の上面に配置されたプレート、23はヨークの内周面と
プレート22の外周面との間に形成される磁気空隙、2
6は中央部がヨーク20の外周下面と固着されるスピー
カフレーム、25は外周部がスピーカフレーム26に固
着された振動板、24は振動板25の中央部に接合され
たボイスコイル24である。ここで、ボイスコイル24
は、磁気空隙22中に配置されるように振動板25に接
合される。また、スピーカフレーム26の上面は、電気
機械音響変換器12が音響孔11をふさぐように、基板
10に取り付けられる。なお、電気機械音響変換器12
は、基板10に対して振動パネル14とは反対側に設置
される。また、実施の形態1においては、電気機械音響
変換器12は、基板10に直接接続されるが、後述する
音響管によって間接的に接続されてもよい。
【0030】以上のように構成されたスピーカシステム
について、その動作を説明する。電気機械音響変換器1
2の磁気空隙23に配置されたボイスコイル24に電気
信号が印加されると、ボイスコイル24に駆動力が発生
し、ボイスコイル24に接合された振動板25が振動す
ることによって音が発生する。電気機械音響変換器12
は、発生した音を空隙16に対して放射する。具体的に
は、電気機械音響変換器12の振動板25から放射され
た音は、音響孔11から空隙16に伝播する。ここで、
空隙16を形成する基板10および振動パネル14のう
ち、剛性が小さいのは振動パネル14である。従って、
電気機械音響変換器12から空隙16に対して放射され
た音のエネルギ(音圧)によって振動するのは、振動パ
ネル14である。つまり、振動パネル14は、電気機械
音響変換器12によって音響的に駆動されて振動する。
振動パネル14の外周部は、スペーサ13によって基板
10と固定されているので、振動パネル14の外周部に
おける基板10との接着部分は、振動パネル14の中央
部よりも構造的に強度が高くなっている。従って、振動
パネル14の中央部が振動し、それによって音が発生す
る。スピーカシステムは、この振動によってスピーカシ
ステムの外部に音を放射し、音響再生を行う。
【0031】次に、実施の形態1に係るスピーカシステ
ムの特性を図3および図4を用いて説明する。図3は、
実施の形態1に係るスピーカシステムの振動パネルの振
動モードを示す図である。ここで、図3は、周波数50
0(Hz)における振動モードを示す。図3に示す振動モ
ードは、図17に示す振動モードと比べて複雑になって
おり、面状の振動パネル14が波打つように屈曲してい
ることがわかる。このように、本発明では、振動パネル
14の周囲が固定されているため、振動パネル14は、
振動パネル14全体がピストン運動することによって振
動するのではなく、振動パネル14が屈曲することによ
って振動する。振動パネル14は、音圧によって屈曲し
やすいものが好ましいので、軽量であるものや剛性の小
さいものが好ましい。ただし、振動パネル14が振動す
る条件は基板10よりも剛性が小さいことであるので、
振動パネル14は、基板10よりも剛性が小さいもので
あればよい。
【0032】図4は、実施の形態1に係るスピーカシス
テムの音圧周波数特性を示す図である。図4において、
実線は実施の形態1に係るスピーカシステムの音圧周波
数特性を示し、点線は図15に示す等価回路による予測
値(図18示す点線と同じ)を示す。また、図4では、
振動パネル14の面積は、図18における条件と同様、
縦72(mm)×横51(mm)とする。また、本発明では
振動パネル14は屈曲しやすいものが好ましいため、厚
さが125(μm)の振動パネル14を用いる。図4に
示すように、実施の形態1に係るスピーカシステムの特
性は、図18に示した従来のスピーカシステムにおける
特性と比べて、低音域での音圧レベルが大きくなってい
ることがわかる。このように、本発明に係るスピーカシ
ステムは、振動パネル14として剛性の小さいものを選
択することによって、低音域での音圧レベルを容易に改
善することができる。
【0033】次に、基板10における音響孔11の位置
と音圧周波数特性との関係について図5および図6を用
いて説明する。図5は、複数の音響孔を設けた基板を示
す図である。図5に示す基板17は、音響孔11aから
11eのうちいずれか1つのみに電気機械音響変換器1
2が配置され、その他は閉じた状態で使用される。図6
は、異なる位置に音響孔を設けた場合におけるスピーカ
システムの音圧周波数特性を示す図である。なお、図5
および図6の説明においては、電気機械音響変換器12
として、口径φ16(mm)の動電型スピーカを使用し、
振動パネル14として、縦87×横66×材厚0.18
8(mm)の透明PET材料を使用するものとする。ま
た、音響孔11は、縦3×横12(mm)の長方形である
とする。また、図6は、振動パネル14の中央から0.
1(m)離れた位置にマイクを設置し、電気機械音響変
換器12に電気入力を0.1(W)印加して測定した音
圧周波数特性の測定結果を示す。
【0034】図6(a)は、音響孔11aの位置に電気
機械音響変換器を配置し、他の音響孔は閉じた状態で測
定した場合の音圧周波数特性を示す図である。同様に、
図6(b)は音響孔11bの位置、図6(c)は音響孔
11eの位置に電気機械音響変換器をそれぞれ配置し、
他の音響孔は閉じた状態で測定した場合の音圧周波数特
性を示す図である。図6(a)〜図6(c)から、音響
孔および電気機械音響変換器12の配置は、スピーカシ
ステムの音圧周波数特性にほとんど影響を与えないこと
がわかる。なお、ここでは示していないが音響孔11c
の場合および音響孔11dを用いる場合でも、同様な作
用が得られる。このように、本発明のような音響駆動方
式では、音の圧力によって振動パネル14を音響的に駆
動させるので、音響孔の位置が基板10のどの位置にあ
っても、振動パネル14を同じように振動させることが
可能である。一方、振動パネルに直接トランスデューサ
を取り付けて駆動する方式(特許文献1参照)では、ト
ランスデューサの取り付け位置によって音圧周波数特性
が大きく変化するので、トランスデューサの取り付け位
置が限定されてしまうという問題があった。これに対し
て、本発明に係るスピーカシステムでは、電気機械音響
変換器12を任意の位置に取り付けることができるの
で、設計の自由度が増し、スピーカシステムを様々な用
途に用いることが可能となる。
【0035】また、実施の形態1によれば、振動パネル
14および基板10は透明な材質であるので、スピーカ
システムの背景を遮ることがない。このように、スピー
カシステムの存在を強調しないことによって、スピーカ
システムの用途を拡大することができる。なお、透明な
スピーカシステムを用いた具体的な応用例については、
後述する実施の形態3および4にて説明する。
【0036】また、従来のスピーカシステムのような、
サスペンションを用いてフレーム(基板)と振動パネル
とを接合する構造では、構造が非常に複雑となるので、
スピーカシステムを透明にすることが困難になる。すな
わち、複数の材料が重なり、また、それらを接着するた
めの接着剤も必要となることから、特にサスペンション
を要する基板および振動パネルの周部分を透明にするこ
とが困難であった。これに対して、本発明のように、サ
スペンションを用いない構成とすることによってスピー
カシステムの構成を簡略化すれば、透明なスピーカシス
テムを容易に実現することができる。
【0037】(実施の形態2)次に、実施の形態2に係
るスピーカシステムを、図7を用いて説明する。図7
は、実施の形態2に係るスピーカシステムの構成を示す
図である。ここで、図7(a)はスピーカシステムの背
面図であり、図7(b)は図7(a)のスピーカシステ
ムのC−D断面の断面図である。図7において、30は
基板、31は基板30に設けられた音響孔、32は音響
孔31に取り付けられた電気機械音響変換器、33は基
板30の外周部に設けられたスペーサ、34はスペーサ
33に固着された振動パネル、35は基板30を支持す
る台座、36は電気機械音響変換器32の背面に設けら
れたキャビネットである。
【0038】実施の形態2において、スピーカシステム
の構成に関して実施の形態1と異なる点は、基板30お
よび振動パネル34の形状が円形である点、および、キ
ャビネット36が設けられる点である。キャビネット3
6によって、電気機械音響変換器32の背面側(音響孔
31の反対側)に密閉された空室37が形成される。以
上の点以外は、実施の形態2の構成は実施の形態1と同
様である。従って、実施の形態2においても、従来のス
ピーカシステムと比べて構造を簡略化することができ
る。
【0039】実施の形態2において、電気機械音響変換
器32に電気信号が印加されることによって振動パネル
34が振動する動作は、実施の形態1において説明した
動作と同様である。実施の形態2においては、基板30
および振動パネル34の形状が円形であるが、上記動作
には影響がない。本発明において、基板30および振動
パネル34の形状はどのようなものであってもよい。つ
まり、本発明は、電気機械音響変換器32から放射され
る音圧によって振動パネル34を駆動させる方式である
ので、基板30および振動パネル34の形状を半円、楕
円、多角形等、任意の形状としても一定の音響再生を行
うことができる。従って、トランスデューサによって振
動パネルを直接駆動させる方式に比べて、スピーカシス
テムの設計の自由度が増す。
【0040】実施の形態2において、実施の形態1と異
なる動作は、キャビネット36に起因する動作である。
電気機械音響変換器32の背面側(音響孔31の反対
側)からの音は、キャビネット36で構成される空室3
7内に放射される。従って、電気機械音響変換器32の
背面側からの音が空室37の外に出ないので、振動パネ
ル34から放射される音と、電気機械音響変換器32の
背面から放射される逆相音との打ち消しを防止すること
ができる。これによって、特に低音域での音圧レベルを
改善することができる。
【0041】なお、実施の形態2においては、キャビネ
ット36をつけない構成であってもよい。また、実施の
形態1や後述する実施の形態5において、キャビネット
を備える構成としてもよい。
【0042】(実施の形態3)次に、実施の形態3に係
るスピーカシステムを、図8、図9を用いて説明する。
図8は、実施の形態3に係るスピーカシステムを車室内
に搭載した例を示す図である。図8において、40は実
施の形態3に係るスピーカシステム、41は車体、42
はダッシュボード、43はフロントガラス、44はハン
ドルである。以下に、実施の形態3に係るスピーカシス
テムの構成を示す。
【0043】図9は、図8に示すスピーカシステム40
の車体への取り付け状態を示す断面図である。図9にお
いて、45は基板、46は基板45に設けられた音響
孔、47は音響孔46に接合される音響管、48は音響
管47に取り付けられた電気機械音響変換器、49は基
板45の外周部に設けられたスペーサ、50はスペーサ
49に固着された振動パネルである。
【0044】実施の形態3において、スピーカシステム
40の構成上において実施の形態1と異なる点は、基板
45の音響孔46と電気機械音響変換器48とを接続す
る音響管47をさらに備える点である。すなわち、音響
管47によって基板45と電気機械音響変換器48の本
体とが連結されることによって、電気機械音響変換器4
8の本体が基板45や振動パネル50と分離した位置に
配置される。以上の点以外は、実施の形態3の構成は実
施の形態1と同様である。また、スピーカシステム40
は、音響管47がダッシュボード42を貫通するよう
に、ダッシュボード42に取り付けられる。以上のよう
に構成されたスピーカシステム40においては、電気機
械音響変換器48から放射された音は、音響管47によ
って音響孔46へ導かれて、基板45、スペーサ49お
よび振動パネル50によって形成される空隙51に伝達
される。なお、実施の形態3に係るスピーカシステムの
動作は、電気機械音響変換器48が音響管47を介して
音響孔46から空間51に対して音を放射する点以外
は、実施の形態1と同様である。
【0045】以上のように、実施の形態3によれば、透
明にすることが困難な電気機械音響変換器48を車体内
部に隠すことができる。さらに、実施の形態1と同様、
基板45、スペーサ49および振動パネル50は透明な
材質で構成されている。従って、音響管47を例えばポ
リカーボネート、アクリル等の透明な材質で構成するこ
とによって、人の目に入る範囲ではほとんど透明なスピ
ーカシステムを実現することができる。従って、ユーザ
は、スピーカシステムによって視界を遮られることがな
い。実施の形態3のような透明なスピーカシステムは、
運転者の前方の視界を遮ることがないという安全性の観
点から、車載用には特に適している。
【0046】なお、実施の形態3では、スピーカシステ
ム40はダッシュボード42の上面に1個のみ配置し
た。ここで、他の実施の形態では、スピーカシステム4
0をダッシュボード42の左右両側にもさらに配置する
ことによって、中央はセンターチャンネル、両側はステ
レオ再生等のマルチチャネル再生用として用いることが
可能である。また、設置場所はダッシュボード42に限
るものではなく、車体のどのような場所であっても、実
施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0047】(実施の形態4)次に、実施の形態4に係
るスピーカシステムの構成を、図10および図11を用
いて説明する。図10は、実施の形態4に係るスピーカ
システムの構成を示す図である。図10において、60
は建物の構造物である壁面(スピーカシステムの基
板)、61は壁面60に設けられた音響孔、62は音響
孔61に接合され、壁面60を貫通して取り付けられた
音響管、63は音響管62に取り付けられた電気機械音
響変換器、64は壁面60に取り付けられたスペーサ、
65はスペーサ64に固着された振動パネルである。
【0048】実施の形態4において、スピーカシステム
の構成上において実施の形態1と異なる点は、建物の室
内の壁面60がスピーカシステムの基板の役割を果たす
点である。つまり、実施の形態4に係るスピーカシステ
ムの基板は、構造物を兼ねている。なお、スペーサ64
および振動パネル65は、実施の形態1と同様である。
また、上述した他の実施の形態と同様、基板である壁面
60は、振動パネル65よりも剛性が大きい必要があ
る。
【0049】図11は、図10に示す電気機械音響変換
器63の一例である圧電型スピーカの構造断面図であ
る。図11において、70および71は圧電素子、72
は圧電素子70および71を両面に貼り付けた中間電
極、73は中間電極72に接続された電気入力のリード
線、74は圧電素子71に接続されたリード線、75は
圧電素子70に接続されたリード線、78は中間電極7
2の周辺部を固着したスピーカフレームである。中間電
極72は、例えば、リン青銅、ステンレス等の導電材料
により構成される。リード線73は入力端子77に接続
され、リード線74および75は入力端子76に接続さ
れる。スピーカフレーム78は、音響管62に接合され
ている。
【0050】実施の形態4において、スピーカシステム
の動作に関して実施の形態3と異なる点は、圧電型の電
気機械音響変換器63の動作である。電気機械音響変換
器63においては、入力端子76および77に電気信号
が印加されると、中間電極72の両面に接合された圧電
素子70および71が屈曲振動を行う。これによって、
中間電極72および圧電素子70および71から音が放
射される。実施の形態4に係るスピーカシステムの動作
は、以上の動作以外は、実施の形態3と同様である。
【0051】以上のように、実施の形態4によれば、構
造物である壁面60を基板として利用することによっ
て、電気機械音響変換器63を壁面60の内部に配置す
る。これによって、電気機械音響変換器63は壁面60
の表面から隠れることになる。また、実施の形態1にお
いて述べたように、スペーサ64および振動パネル65
は透明な材質で構成されている。以上より、実施の形態
4によれば、スピーカシステムの存在をユーザに意識さ
せることのないスピーカシステムを実現することができ
る。
【0052】さらに、実施の形態4に係るスピーカシス
テムの応用例として以下の形態が考えられる。例えば、
スピーカシステムを部屋の壁に取り付けてDVDのマル
チチャネル再生用のスピーカ等にすることができる。ま
た、透明な振動パネル65の背面の壁面にポスターや絵
画を設けることによって、ポスターや絵画から音が再生
されているような感覚をユーザに与えることができる。
かかるスピーカシステムは、家庭のみならず展示場等に
おける利用にも適している。その他、実施の形態4に係
るスピーカシステムは、ショーウインドウのガラス面、
車両のボディ、家具、電気製品等を基板として用いる応
用が可能である。
【0053】(実施の形態5)次に、実施の形態5に係
るスピーカシステムを、図12を用いて説明する。図1
2は、実施の形態5に係るスピーカシステムの構成を示
す図である。ここで、図12(a)はスピーカシステム
の正面図であり、図12(b)は図12(a)のスピー
カシステムのE−F断面の断面図である。図12におい
て、80は基板、81は基板80に設けられた音響孔、
82は音響孔81に取り付けられた電気機械音響変換
器、83は基板80の外周部に設けられたスペーサ、8
4はスペーサ83に固着された振動パネル、85、8
6、87および88は基板80の四隅に取り付けられた
発光ダイオード、89はCDプレーヤ、90はCDプレ
ーヤ89および電気機械音響変換器82に接続されたア
ンプ、91はCDプレーヤ89および発光ダイオード8
5〜88に接続された信号制御部である。
【0054】以上のように構成されたスピーカシステム
について、その動作を説明する。CDプレーヤ89によ
って再生された音楽信号は、アンプ90によって増幅さ
れた後、電気機械音響変換器82に印加される。印加さ
れた音楽信号に基づいて電気機械音響変換器82から放
射される音によって振動パネル84が音響的に駆動され
て音を発生する動作は、実施の形態1と同様である。
【0055】実施の形態5において、実施の形態1と異
なる点は、発光手段の一例である発光ダイオード85〜
88および信号制御部91が設けられている点である。
信号制御部91は、CDプレーヤ89からの音楽信号が
入力されると、音楽信号に応じた信号を発光ダイオード
85〜88に印加する。これによって、音楽信号に応じ
て光が点灯するスピーカシステムを実現することができ
る。かかるスピーカによれば、視覚的にユーザを楽しま
せることができる。なお、発光ダイオード85〜88の
発光パターンや明るさは、音楽信号の大きさや周波数に
応じて変化するものであればよい。また、信号制御部9
1は、発光ダイオード85〜88のそれぞれに対して異
なる信号を印加するようにしてもよい。これによって、
音楽信号に応じて光る位置や明るさが変化するスピーカ
システムを実現することができる。
【0056】なお、振動パネル84は半透明であっても
よい。振動パネル84が透明であれば、発光ダイオード
85〜88の光はそのまま透過するが、半透明とすれば
光が乱反射してより効果的な照明効果が期待できる。ま
た、各発光ダイオードの色は単一の色である必要はな
く、それぞれ異なる色であってもよい。また、発光ダイ
オードの配置場所や個数を任意に選択することが可能で
あり、例えば、基板の内部に配置することによってあた
かも基板が発光しているかのように見せてもよい。
【0057】以上のように本発明によれば、サスペンシ
ョンを用いる必要がないので、音響駆動方式のスピーカ
システムを簡易な構成で実現することができる。さら
に、振動パネルをピストン運動させるのではなく、振動
パネルの屈曲によって振動させることによって、容易に
低音域の音圧レベルを向上することができるスピーカシ
ステムを実現することができる。
【0058】なお、実施の形態1では電気機械音響変換
器12は動電型方式のスピーカを例とし、実施の形態4
では圧電型方式のスピーカを例として説明した。ここ
で、実施の形態1〜5において、電気機械音響変換器は
振動板から音を放射する機能を有するものであれば何で
もよく、電気機械音響変換器12の変換方式は電磁型、
圧電型、静電型等どのような方式でもよい。
【0059】なお、実施の形態1〜5では、基板と振動
パネルの外周部とをスペーサを介して固定することによ
って、振動パネルを音響的に駆動させるための空間(例
えば、図1に示す空隙16)を形成した。ここで、他の
実施の形態では、基板と振動パネルとの間に上記空間を
形成する構成であれば、基板はどのような構成であって
もよい。基板の構成は、例えば、図13に示す構成であ
ってもよい。図13は、本発明に係るスピーカシステム
に用いられる基板の変形例を示す図である。なお、図1
3において、図1と同様の構成については同じ参照番号
を付す。図13では、中央部分が窪んだ形状を有する板
状の基板18が用いられ、振動パネル14を基板18の
周部分に直接接合する構成である。このように、基板と
振動パネルとをスペーサを介さず、直接固定する構成で
あってもよい。この構成においては、中央部分の窪みに
よって、振動パネル14を音響的に駆動させるための空
間19が形成される。また、平面な基板と平面な振動パ
ネルとを接着する接着層によって上記空間を形成するよ
うにしてもよい。
【0060】また、実施の形態1〜5では、振動パネル
および基板は平面であったが、振動パネルおよび基板は
曲面であってもよい。振動パネルおよび基板が曲面であ
る場合であっても、基板と振動パネルとの間に空間が生
じるように形成すれば、振動パネルを振動させることが
できる。また、振動パネルおよび基板のいずれか一方の
みが曲面であっても振動パネルを振動させることができ
る。さらに、同様に、基板の形状が複雑なものであって
も本発明に係るスピーカシステムを実現することができ
る。
【0061】また、実施の形態1〜5では、振動パネル
をPETフィルムによって構成されるものとしたが、振
動パネルは、基板よりも剛性が小さいものであればどの
ような材質であってもよい。例えば、振動パネルを紙に
よって構成してもよい。特に、実施の形態4において、
紙のポスターや写真を振動パネルとして用いることによ
って、ポスターや写真から音が放射されるスピーカシス
テムを実現することができる。さらに、ポスターを振動
パネルとして用いる場合、振動パネルと基板とを着脱可
能な構成にすることによって、ユーザが好みに応じてポ
スターや写真を取り替えることができる。なお、振動パ
ネルは、所定の張力が発生するように、基板に固定され
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るスピーカシステムの構成を
示す図である。
【図2】図1に示す電気機械音響変換器12の一例であ
る動電型スピーカの構造断面図である。
【図3】実施の形態1に係るスピーカシステムの振動パ
ネルの振動モードを示す図である。
【図4】実施の形態1に係るスピーカシステムの音圧周
波数特性を示す図である。
【図5】複数の音響孔を設けた基板を示す図である。
【図6】異なる位置に音響孔を設けた場合におけるスピ
ーカシステムの音圧周波数特性を示す図である。
【図7】実施の形態2に係るスピーカシステムの構成を
示す図である。
【図8】実施の形態3に係るスピーカシステムを車室内
に搭載した例を示す図である。
【図9】図8に示すスピーカシステム40の車体への取
り付け状態を示す断面図である。
【図10】実施の形態4に係るスピーカシステムの構成
を示す図である。
【図11】図10に示す電気機械音響変換器63の一例
である圧電型スピーカの構造断面図である。
【図12】実施の形態5に係るスピーカシステムの構成
を示す図である。
【図13】本発明に係るスピーカシステムに用いられる
基板の変形例を示す図である。
【図14】音響駆動方式を用いた従来のスピーカシステ
ムの基本構成図である。
【図15】図14に示すスピーカシステムの等価回路を
示す図である。
【図16】図15に示す等価回路により予測されるスピ
ーカシステムの音圧周波数特性のグラフを示す図であ
る。
【図17】周波数500(Hz)における従来のスピーカ
システムの振動パネル100の振動モードを示す図であ
る。
【図18】従来のスピーカシステムの音圧周波数特性の
グラフを示す図である。
【符号の説明】
10,30,45,60,80 基板 11,31,46,61,81 音響孔 12,32,48,63,82 電気機械音響変換器 14,34,50,65,84 振動パネル 16,51,66, 空隙 47,62 音響管
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04R 7/04 H04R 7/04 Fターム(参考) 3D020 BA10 BC03 BD02 BD05 5D016 AA01 FA01 5D017 AE12 5D018 AD04 AD08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音放射用の空間を形成するための基板
    と、 前記基板に接続され、前記空間に音を放射する電気機械
    音響変換器と、 前記基板との間に前記空間を形成するように外周部が当
    該基板と固定され、かつ当該基板よりも剛性が小さく選
    ばれており、前記電気機械音響変換器から前記空間内に
    音が放射されたとき、当該放射された音のエネルギによ
    って屈曲振動することによって外部へ音を出力する振動
    パネルとを備える、スピーカシステム。
  2. 【請求項2】 前記振動パネルは、可視透過する材質よ
    りなる、請求項1に記載のスピーカシステム。
  3. 【請求項3】 前記基板は、可視透過する材質よりな
    る、請求項2に記載のスピーカシステム。
  4. 【請求項4】 前記基板および/または前記振動パネル
    に取り付けられ、前記電気機械音響変換器に入力される
    入力信号に応じて発光する発光手段をさらに備える、請
    求項2または3のいずれかに記載のスピーカシステム。
  5. 【請求項5】 前記振動パネルは、その外周部において
    前記基板とスペーサによって固定される、請求項1から
    3のいずれかに記載のスピーカシステム。
  6. 【請求項6】 前記基板は、音響孔を有しており、 前記電気機械音響変換器は、前記振動パネルとは反対側
    に設置され、前記音響孔から前記空間に対して音を放射
    する、請求項1に記載のスピーカシステム。
  7. 【請求項7】 前記基板と前記電気機械音響変換器とを
    接続する音響管をさらに備え、 前記基板は、前記音響管との接続部分に音響孔を有して
    おり、 前記電気機械音響変換器は、前記音響管を介して前記音
    響孔から前記空間に対して音を放射する、請求項1から
    3のいずれかに記載のスピーカシステム。
  8. 【請求項8】 前記電気機械音響変換器の背面側に密閉
    空室を形成するためのキャビネットをさらに備える、請
    求項1に記載のスピーカシステム。
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