JPH11225384A - パネル型スピーカ装置及びスピーカ装置システム - Google Patents

パネル型スピーカ装置及びスピーカ装置システム

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JPH11225384A
JPH11225384A JP2614098A JP2614098A JPH11225384A JP H11225384 A JPH11225384 A JP H11225384A JP 2614098 A JP2614098 A JP 2614098A JP 2614098 A JP2614098 A JP 2614098A JP H11225384 A JPH11225384 A JP H11225384A
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崇行 水内
Toru Sasaki
徹 佐々木
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彰良 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内等のスペース効率を向上し幅広い音域で
良好な音質と指向性を以って再生出力を放音する。 【解決手段】 剛性を有するパネル状に形成された振動
板2と、この振動板2の被駆動面2bに取り付けた少な
くとも1個以上のドライバユニット3と、外周部位2c
を非拘束状態として振動板2を天井5等の高所に支持す
る支持機構4とによってパネル型スピーカ装置1が構成
される。振動板2は、再生入力信号に基づいてドライバ
ユニット3によって部分的な曲げ動作が生じさせられて
再生出力を放音する。天井5に配置したパネル型スピー
カ装置1と高音域用スピーカ装置27とによりスピーカ
装置システムを構成する。パネル型スピーカ装置1と高
音域用スピーカ装置27とに、再生入力信号供給部31
より信号処理を施した再生入力信号を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオ機器や
ビデオ装置等に用いて好適なパネル型スピーカ装置及び
このパネル型スピーカ装置を備えるスピーカ装置システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ機器やビデオ装置等には、再
生出力を放音するスピーカ装置が接続される。スピーカ
装置は、低音域から高音域の広い周波数帯域で良好な周
波数応答特性と指向性の再生出力を充分な音量で放音す
るために、再生周波数帯域に適合した複数種のスピーカ
装置を組み合わせた複合型スピーカ装置によって構成さ
れている。複合型スピーカ装置は、例えば再生周波数帯
域を低音域と高音域とに分割した2ウェイ型或いは低音
域と中音域及び高音域とに分割した3ウェイ型等とが一
般ユーザ向けに提供されている。複合型スピーカ装置
は、上述した仕様のスピーカ装置をエンクロジャ内に組
み込んで構成される。
【0003】2ウェイ型スピーカ装置は、低音域に良好
な特性を有する大口径のウーハースピーカと、高音域に
良好な特性を有する小口径のツイタースピーカとによっ
て構成される。スピーカ装置においては、低音域の再生
特性をより向上させるためには、より大口径のウーハー
スピーカが用いられるために大型のエンクロジャやバッ
フル板を必要とし、大型化かつ大重量化する。
【0004】ところで、スピーカ装置においては、ボッ
クス等を必要とせず薄型であり、自由な位置に設置する
ことができるいわゆるパネル型スピーカ装置の実現につ
いて多くの試みが図られてきた。しかしながら、これら
の多くの試みは、いずれも技術上の限界や音響性能の限
界等によって理想的なパネル型スピーカ装置を実現する
までには至っていない。これらの試みは、その多くが一
般的なコーン型ダイナミックスピーカやホーン型ダイナ
ミックスピーカを基本としたものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スピーカ装
置は、一般に再生入力信号が供給されるとドライバユニ
ットによって振動板がピストンのように動作して出力再
生が行われると考えられている。したがって、パネル型
スピーカ装置においても、振動板を電磁駆動方式や静電
駆動方式により上述した従来型のスピーカ装置の振動板
と同様に動作する高精度の平面ダイヤフラムを製作する
試みがなされていた。例えば静電駆動方式の振動板にお
いては、所定のテンションを以って外周部が支持されて
おり、ドライバユニットからの駆動力が与えられるとそ
の駆動位置から波動が同心円状に連続して発生する。か
かる振動板は、大きな単一位相の振動板として動作する
ことによって、音の集中と制御が不可能な振動とを生じ
る大面積ピストン動作に起因する種々の問題を解決しな
ければならない。
【0006】一方、パネル型スピーカ装置として、曲げ
波動理論に基づいてドライバユニットにより振動板を駆
動するようにした新規なパネル構造を有するスピーカ装
置が提案されている。この新規なパネル型スピーカ装置
は、従来の一般的なスピーカ装置の薄膜振動板と比較し
て、機械的剛性が比較的大きな堅いパネル構造によって
振動板が構成されている。振動板は、ドライバユニット
から駆動力が与えられると、その表面全体に複雑な振動
モードが生成される。振動モードは、平面パネル(振動
板)の動作周波数の範囲に均一に分布された最も複雑で
密集した波形の構造となる。新規なパネル型スピーカ装
置は、有限サイズの振動板に関する曲げ波動の物理的特
性と、波動の速度対周波数特性と、駆動点インピーダン
ス特性との解析により特徴付けられている。
【0007】新規なパネル型スピーカ装置は、想定され
る用途に応じてパラメータが最適化された曲げ剛性の振
動板が用いられ、一致周波数の下方周波数帯域までの動
作が可能とされる。新規なパネル型スピーカ装置は、一
般に振動板から最大密度の曲げモードを確保するため
に、この振動板の中心点付近がドライバユニットによっ
て駆動される。振動板は、有限要素解析によって均一な
モード密度を与える特定の縦横比が数学的なモデリング
ツールによって実証されている。また、振動板は、フー
リェ型の分析によって、最良のモードの均一性を実現す
る駆動力の供給位置が求められる。
【0008】そして、新規なパネル型スピーカ装置にお
いては、フーリェ型分析の拡張によって高周波数帯域に
おいて多少の損失が生じるものの、より大きな面積の振
動板を駆動することも可能とされる。振動板は、波動関
数のゼロ周波数限界をとることにより、より一般的な静
的梁の曲げ方程式に近似した曲げ剛性の式によって表現
される。
【0009】新規なパネル型スピーカ装置は、振動板の
曲げ動作を規定する要因、すなわち面密度、曲げ剛性、
幾何学的寸法(外形寸法)、表面積、駆動点の位置、及
びドライブユニットのパラメータ、コアのシェアモジュ
ール、内部損失、或いは振動板の支持方法のパラメータ
が最適に設定されることによって製作される。一般的な
スピーカ装置においては、ダイポールと称される後方の
音が前方の音と逆相を呈することから、中周波数帯域か
ら低周波数帯域の音響エネルギーの打ち消しを防ぐ大き
なバッフル板やエンクロジャを必要とする。一方、新規
なパネル型スピーカ装置においては、バイポーラと称さ
れる後方の音の輻射が前方の音と加算されることから、
効率の改善が図られるとともにバッフル板やエンクロー
ジャを不要としている。
【0010】新規なパネル型スピーカ装置は、単一素子
のトランスデューサで駆動される1枚の振動板によって
フルレンジの出力再生を可能とする。新規なパネル型ス
ピーカ装置は、平面パネルの適切な材質の選択とトラン
スデューサに適合した構成とによって従来のスピーカ装
置と同等のフラットな周波数特性を得ることが可能とな
る。
【0011】新規なパネル型スピーカ装置は、感度と電
気的負荷とが従来のスピーカ装置と同等とされることに
より既存のアンプとの互換性が図られるばかりでなく動
電型ドライバユニットや圧電型ドライバユニットの適用
が可能とされ、非常に広い音場の放射パターン並びに双
指向性の放射パターンが得られる。新規なパネル型スピ
ーカ装置は、機械的エネルギから音響的エネルギへの変
換効率がほぼ100%であるとともに周波数に独立した
無指向性放射の特性、すなわち各周波数に関してサウン
ドパワーの大きな均一性を保有している。新規なパネル
型スピーカ装置は、距離の条件によるサウンドパワーの
減衰が小さいといった特徴を有するとともに、その新規
な構成によりその他種々の特徴を有している。
【0012】本発明は、再生入力信号に基づいてドライ
バユニットにより振動板に曲げ動作を生じさせて出力再
生を行う曲げ波動理論に基づく上述した特性を有する新
規なパネル型スピーカ装置が適用され、設置スペースの
効率化を達成したパネル型スピーカ装置を提供すること
を目的に提案されたものである。また、本発明は、設置
スペースの効率化が図られるとともに低音域から高音域
までの幅広い音域で再生出力が良好な周波数特性と指向
性とを以って充分な音量で放音されるパネル型スピーカ
装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明にかかるパネル型スピーカ装置は、剛性を有するパネ
ル状に形成された振動体と、この振動体の主面に取り付
けられるとともに再生入力信号に基づいて振動体に部分
的な曲げ動作を生じさせて再生出力の放音を行わさせる
少なくとも1個以上のドライバユニットと、振動板をそ
の外周部をほぼ非拘束状態で天井或いは壁面等の高所に
支持する支持機構とから構成される。
【0014】以上のように構成された本発明にかかるパ
ネル型スピーカ装置は、支持機構によって天井或いは壁
面等の高所に配置されることから、限られたスペースの
室内等を効率的に使用することが可能となる。パネル型
スピーカ装置は、再生入力信号に基づいてドライバユニ
ットにより振動体に部分的な曲げ動作を生じさせて再生
出力の放音を行う。パネル型スピーカ装置は、振動板が
その外周部を非拘束状態とされて自由振動を行うことか
ら、低音域から高音域までの幅広い音域で良好な周波数
特性と指向性とを以って再生出力を充分な音量で放音す
る。
【0015】また、本発明にかかるスピーカ装置システ
ムは、剛性を有するパネル状に形成された振動体と、こ
の振動体の主面に取り付けられて再生入力信号に基づい
て振動体に部分的な曲げ動作を生じさせて再生出力の放
音を行わさせる少なくとも1個以上のドライバユニット
と、上記振動板をその外周部をほぼ非拘束の状態で天井
或いは壁面等の高所に支持する支持機構とを備えてなる
パネル型スピーカ装置を備える。さらに、スピーカ装置
システムは、高音域用スピーカ装置と、パネル型スピー
カ装置と高音域用スピーカ装置とに信号処理を施した再
生入力信号をそれぞれ供給する再生入力信号供給部とを
備えて構成される。
【0016】以上のように構成された本発明にかかるス
ピーカ装置システムは、例えば再生入力信号の低音域成
分がパネル型スピーカ装置に供給されるとともに高音域
成分が高音域用スピーカ装置に供給される。スピーカ装
置システムにおいては、高音域用スピーカ装置側に音像
定位感が生成され、低音域から高音域までの幅広い音域
で良好な音質と指向性を以って再生出力が放音される。
スピーカ装置システムは、小型に構成される高音域用ス
ピーカ装置が室内の床面や置台に配置され或いは機器に
組み込まれるとともに比較的大型となる低音域用スピー
カ装置が天井等の高所に設置されるパネル型スピーカ装
置によって構成される。したがって、スピーカ装置シス
テムは、限られたスペースの室内において低音域から高
音域までの幅広い音域で良好な周波数特性と指向性とを
以って再生出力を充分な音量で放音するスピーカシステ
ムを構成する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。本発明の第1の実施
の形態として図1乃至図3に示したパネル型スピーカ装
置1は、一方の主面を放音面2aとしかつ他方主面を被
駆動面2bとして矩形パネル状に形成された振動板2
と、この振動板2の被駆動面2bの略中心部に位置して
固定された1個のドライバユニット3及び支持機構4等
によって構成されている。パネル型スピーカ装置1は、
詳細を後述する支持機構4により、例えば室内の天井面
5に吊り下げられて設置されたり或いは壁面等に設置さ
れる。したがって、パネル型スピーカ装置1は、限られ
た室内スペースの有効活用が図られるようにする。
【0018】振動板2は、充分な機械的強度と所定の寸
法精度とを有する成形体が得られる例えばスチレン樹脂
やABS樹脂等のエンジニアリングプラスチックによっ
て成形される。振動板2は、詳細を後述するが、図2に
示すようにドライバユニット3を介して被駆動面2bの
中心部を支持機構4に支持されるとともに、被駆動面2
bがドライバユニット3によって駆動される。振動板2
は、詳細を後述するように外周部2cも支持機構4によ
って支えられるが、この外周部2cにおける自由振動が
拘束されない状態とされる。したがって、振動板2は、
被駆動面2bの略中央部をドライバユニット3によって
支持された構成であり、従来のスピーカ装置の振動板と
は異にして外周部2cが固定支持されない非拘束状態と
された堅いパネル状部材として構成されている。
【0019】なお、振動板2については、上述した正方
形状に限定されるものではなく、例えば縦横寸法を異に
する矩形や多角形或いは円形や楕円形であってもよい
が、その外周部が非拘束状態に保持される構成が採用さ
れる。また、振動板2は、被駆動面2bの略中央部をド
ライバユニット3によって駆動されるばかりでなく、適
宜の位置を駆動されるように構成してもよい。さらに、
振動板2は、例えば外周部2cに沿って振動を吸収する
テープ状の鉛等からなる質量部材を貼着するようにして
もよい。
【0020】ドライバユニット3には、従来のダイナミ
ック型スピーカに備えられるダイナミックドライバユニ
ットが用いられている。ドライバユニット3は、ボイス
コイル6と、再生入力信号に基づいてこのボイスコイル
6を駆動する磁気回路部7とから構成されている。ボイ
スコイル6は、例えば図3に示すように、ボビン8と、
このボビン8の外周部に捲き線を施して構成したコイル
部9とからなる。磁気回路部7は、センタポール10
と、このセンタポール10を中心孔に貫通させて組み合
わされたリング状のマグネット11と、センタポール1
0を中心孔に臨ませてマグネット11に積層状態で組み
合わされたリング状のプレート12と、このプレート1
2の外周部に嵌合された補助リング13及びダンパ14
等の部材によって構成される。
【0021】ドライバユニット3は、ボイスコイル6が
図3に示すようにアダプタリング15を介してそのボビ
ン8の先端部を振動板2の被駆動面2bに接合固定され
るとともに、センタポール10がそのフランジ部10a
を止めねじ16を介して支持ブラケット4に固定されて
いる。ドライバユニット3は、ボイスコイル6がそのコ
イル部9をセンタポール10とプレート12とによって
構成される磁気空間部に位置されるようにしてダンパ1
4によって支持されている。ダンパ14は、ボイスコイ
ル6のボビン8と補助リング13との間を連結してい
る。
【0022】なお、ドライバユニット3は、上述したよ
うにボビン8の先端部をアダプタリング15を介して振
動板2の被駆動面2bに固定するようにしたが、かかる
構成に限定されるものでは無い。ドライバユニット3
は、例えばボビン8の先端部を直接振動板2の被駆動面
2bに接合固定するように構成してもよい。また、ドラ
イバユニット3は、振動板2に例えばインサート成形さ
れた材質を異にする取付片を介して取り付けられるよう
に構成してもよい。さらに、ドライバユニット3は、振
動板2の放音面2aに取り付けられるようにしてもよ
い。
【0023】支持機構4は、図1及び図2に示すよう
に、天井面5にねじ止め等によって固定される枠状のフ
レーム17と、ドライバユニット3のセンタポール10
が止めねじ16によって固定される取付プレート18
と、フレーム17の取付プレート19と取付プレート1
8との間に設けられた角度調整機構20と、振動板2の
外周部2cの四隅を支えるコイルバネ21等の部材によ
って構成されている。角度調整機構20は、詳細を省略
するが例えば取付プレート18に一体に設けられたブラ
ケット片18aを取付プレート19に一体に設けられた
ブラケット片19aに対して支軸によって回動自在に支
持するとともに締付摘み20aによって締め付けて固定
するようにする。
【0024】支持機構4は、小型で軽量の振動板2とド
ライバユニット3との重量を支えるに足る機構であれば
よい。したがって、支持機構4は、取付プレート18、
19間でこれら振動板2とドライバユニット3との主た
る支持部を構成し、従たる支持部を構成するコイルバネ
21が外周部2cの自由振動に殆ど影響を及ぼさないよ
うにして振動板2を支えている。支持機構4には、例え
ば振動板2を保護したり外観意匠の向上を図るために保
護部材や化粧枠等が設けられてもよい。しかしながら、
かかる保護部材や化粧枠も、振動板2の外周部2cに対
してその自由振動を規制しない構造が採用される。
【0025】以上のように構成されたパネル型スピーカ
装置1は、図示しない再生入力信号回路部から再生入力
信号がドライバユニット3に供給されると、振動板2が
駆動されてその放音面2aから再生出力の放音が行われ
る。ドライバユニット3は、磁気回路部7の磁気空間部
中に位置されたボイスコイル6に再生入力信号が供給さ
れると、このボイスコイル6が振動板2に対して直交す
る方向に振動する。パネル型スピーカ装置1は、ドライ
バユニット3のアダプタリング15と被駆動面2bとの
接合部位ddを駆動点として、振動板2に部分的な曲げ
動作が生じて放音面2aから再生出力の放音が行われ
る。
【0026】図4は、上述したパネル型スピーカ装置1
について、ドライバユニット3により駆動される振動板
2の動作状態を示した図である。同図(A)は、入力周
波数が62Hzの再生入力信号を供給した場合の振動板
2の動作状態を示した図である。また、同図(B)は、
入力周波数が150Hzの再生入力信号を供給した場合
の振動板2の動作状態を示した図である。さらに、同図
(C)は、入力周波数が501Hzの再生入力信号を供
給した場合の振動板2の動作状態を示した図である。振
動板2は、これらの図から明らかなように、ドライバユ
ニット3から再生入力信号が印加されることにより曲げ
動作が生じて複雑な振動モードが生成される。また、振
動板2は、再生入力信号の入力周波数が高くなるにした
がってより大きなピークを有する曲げ動作が生じる。
【0027】図5は、約B列5番サイズ(縦25.7c
m、横18.2cm)の振動板2を備えるパネル型スピ
ーカ装置1に1Wの再生入力信号を供給した場合の周波
数応答特性を測定した図である。同図において、横軸は
入力周波数(Hz)、縦軸は音圧(10dB)であり、
振動板2に対して1mの位置における正面位置の音圧を
線aによって示し、30°位置の音圧を線bによって示
し、さらに60°位置の音圧を線cによってそれぞれ示
している。
【0028】パネル型スピーカ装置1は、振動板2の外
周部2cを非拘束状態に保持した構成が採用されること
によってこの外周部2cが大きな振幅で自由振動するよ
うになり、低音域の共振周波数が下がるようになる。パ
ネル型スピーカ装置1は、同図から明らかなように、低
周波数帯域Aにおいてピークディップの発生が生じるも
ののほぼ30Hzから応答特性が得られている。パネル
型スピーカ装置1は、低周波数成分の再生出力を共鳴箱
や音響管を不要として良好な音質と充分な音量で放音す
る。また、パネル型スピーカ装置1は、高周波数成分で
は60°位置においても充分な応答特性が得られ、従来
のスピーカ装置が高周波数成分の指向性を狭くするのに
対して広い指向特性を有している。
【0029】パネル型スピーカ装置1は、小型かつ薄型
にもかかわらず低周波数帯域から高周波数帯域までの幅
広い入力周波数について、高感度でより音量感のある再
生出力を良好な音質で放音する。パネル型スピーカ装置
1は、全体形状に対して大きな振動面積を有する振動板
2を備えることから、同一仕様のドライバユニット3を
有する従来のスピーカ装置と比較して、より大きな音量
での低音域出力を可能とする。また、パネル型スピーカ
装置1は、従来のスピーカ装置のように振動板2の外周
部2cを支持するための矢紙やフレーム等の支持部材を
不要とすることから、部品点数も少なく組立工程が合理
化されてコストの低減も図られる。
【0030】上述したパネル型スピーカ装置1は、図6
に示すように、室内の天井面5に吊り下げられて設置さ
れるとともに、オーディオ装置やビデオ装置等の再生装
置25等と接続されてスピーカ装置システムを構成す
る。パネル型スピーカ装置1には、音源26から再生入
力信号が供給される。パネル型スピーカ装置1は、天井
面5に設置されているが、上述したように中高音域の指
向特性が広いことから視聴者Mに対して充分な音量と良
好な音質によって再生出力Sを放音する。なお、パネル
型スピーカ装置1においては、低音域成分を強調した再
生出力Sを放音するために、例えばグラフィックイコラ
イザ等を用いて再生出力の処理を行うようにしてもよ
い。
【0031】なお、パネル型スピーカ装置1を天井面5
に支持する支持機構4については、上述した構造に限定
されるものでは無いことは勿論であり、例えば照明器具
等を天井面に取り付ける種々の機構を用いることが可能
である。さらに、角度調整機構20については、例えば
球面継手機構等を用いることによって、振動板2の放音
面2aの角度がさらに大きな範囲で調整自在となる。
【0032】ところで、上述したパネル型スピーカ装置
1は、振動板2を1個のドライバユニット3によって駆
動するように構成したが、例えば振動板2が大型である
等の場合には複数個のドライバユニット3によって駆動
するように構成してもよいことは勿論である。上述した
1個のドライバユニット3を有するパネル型スピーカ装
置1においては、振動板2の振動モードが、この振動板
2の形状及び材質特性によって発生する振動モードの周
波数、次数が決定されるとともにドライバユニット3の
設置位置によって振動モードの発現の大きさが決定され
る。
【0033】パネル型スピーカ装置1は、ある入力周波
数fにおいて節となる位置にドライバユニット3を設置
した場合に振動が伝達されないことから周波数応答特性
の測定においてディップが発生する。また、パネル型ス
ピーカ装置1は、振動板2の加振動部以外の部位におい
てこの振動板2の材料特性に反映した曲げ動作が生じる
ことから、再生出力が材料の固有モードに従うことにな
る。パネル型スピーカ装置1は、これによりピーク・デ
ィップを含めて振動板2の材料特有の出力音を放音する
ようになる。
【0034】パネル型スピーカ装置1は、複数個のドラ
イバユニット3を備えることによって、これらドライバ
ユニット3により振動板2にそれぞれ独立の曲げ動作が
生じることになる。したがって、パネル型スピーカ装置
1は、各ドライバユニット3について意図的に節位置を
振動板2に対する加振動位置としない限り、各ドライバ
ユニット3が各周波数帯で節位置を駆動することは無
い。パネル型スピーカ装置1は、各ドライバユニット3
が各周波数帯において相互に節位置での振動板2の駆動
を補完することによって、その周波数応答特性に鋭いピ
ークやディップの発生が抑制されるようになる。
【0035】また、パネル型スピーカ装置1は、複数個
のドライバユニット3により複数箇所を駆動されること
から、振動板2の大きさとその材料特性に応じた固有の
再生出力が薄められていわゆるくせの無い音質の再生出
力が放音されるようになる。さらに、パネル型スピーカ
装置1は、振動板2を複数個のドライバユニット3によ
って駆動することで、機械的強度の向上とともに再生出
力の音質向上が図られる。すなわち、パネル型スピーカ
装置1は、複数個のドライバユニット3の接合部位に振
動板2の質量による荷重が配分されることにより、接合
部位における機械的負荷が軽減される。パネル型スピー
カ装置1は、振動板2とドライバユニット3との接合部
位にかかる荷重が軽減されることから、この振動板2の
振動形態が線形運動から外れて再生挙動や音質に影響が
生じることが無い。
【0036】パネル型スピーカ装置1は、複数個のドラ
イバユニット3を備えることによって、振動板2の材質
によって決定される発生しやすい振動モードが意図的に
変更されてこの振動板2内に発生する過度に大きな振動
モードを抑制して必要な振動モードの生成が可能とされ
る。すなわち、パネル型スピーカ装置1は、低周波数帯
域或いは中周波数帯域の再生入力信号に対して横方向が
節として分割されるような振動モードの発生が抑制され
るようになる。パネル型スピーカ装置1は、複数個のド
ライバユニット3を適宜に配置することによって、特定
方向に関する特定周波数の振動モードが抑制されて音質
の安定化とその向上が図られる。また、パネル型スピー
カ装置1は、複数個のドライバユニット3を適宜に配置
することによって、特定方向に関する特定周波数の振動
モードを助長するように構成することも可能とされる。
【0037】複数個のドライバユニット3を備えるパネ
ル型スピーカ装置1は、各ドライバユニット3に対して
それぞれ独立に再生入力信号の供給或いは位相の切換等
を行って振動板2を駆動するようにする。したがって、
入力部には、図示しないが音源から供給される再生入力
信号を増幅するアンプと、このアンプと各ドライバユニ
ット3との間に互いに独立してそれぞれ接続された切換
スイッチとボリューム等からなる直列回路が備えられ
る。各切換スイッチは、例えば各ドライバユニット3に
対するそれぞれ再生入力信号の入力のオン/オフの切換
操作とともに、入力オン状態で再生入力信号の位相の切
換操作とを行う。各ボリュームは、各ドライバユニット
3に対してそれぞれ入力される再生入力信号のレベル調
整を行ってこれら各ドライバユニット3の感度を個々に
調整するようにする。
【0038】パネル型スピーカ装置1は、以上のように
構成されることにより、入力部から必要とされる位相成
分を有する再生入力信号が各ドライバユニット3にそれ
ぞれ供給される。パネル型スピーカ装置1は、これによ
って各ドライバユニット3がそれぞれ独立に動作されて
振動板2を駆動して再生出力を放音する。パネル型スピ
ーカ装置1は、特別な回路素子や切換装置等を不要とす
るとともに視聴者Mによる極めて簡単な操作によって、
音場や音質等を適宜変えた再生出力を得ることを可能と
する。
【0039】複数個のドライバユニット3を備えるパネ
ル型スピーカ装置1は、低周波数帯域で同相成分の再生
入力信号が各ドライバユニット3に供給されることによ
り、振動板2により大きな曲げ動作が生じるようにな
る。パネル型スピーカ装置1においては、低周波数帯域
でピークが生成されて応答特性の向上、すなわち感度の
向上が図られるようになる。また、パネル型スピーカ装
置1は、中周波数帯域及び高周波数帯域で逆相成分の再
生入力信号を各ドライバユニット3に供給することによ
って、互いに相殺される周波数帯域が生じて全体の感度
が低下することから、全体的に感度が平坦化が図られた
再生出力が出力されるようになる。
【0040】複数個のドライバユニット3を備えるパネ
ル型スピーカ装置1は、ディップ部分や過度のピークの
発生を抑制して周波数応答特性の平坦化を図るために、
音源から供給される再生入力信号に対して適当な信号処
理を施す複数個のフィルタを備えてもよい。パネル型ス
ピーカ装置1においては、音源から供給される再生入力
信号が、例えばインパルス応答の逆フィルタ作用を奏す
る各フィルタによってディップ部分や過度のピークを発
生させる特定の周波数帯域を分離する等の信号処理を施
されて各ドライバユニット3に供給される。パネル型ス
ピーカ装置1は、これによって再生周波数特性の平坦化
が図られた再生出力が放音されるようになる。なお、パ
ネル型スピーカ装置1は、各フィルタを適宜選択するこ
とによって、特定の周波数帯域のみを強調させた再生出
力を放音することも可能となる。フィルタには、適宜の
デジタルフィルタ或いはアナログフィルタが用いられ、
再生入力信号に対して特定の周波数帯域の分離処理ばか
りでなく振幅や位相等の適宜の信号処理を行うものが用
いられる。
【0041】パネル型スピーカ装置1においては、複数
個のドライバユニット3を振動板2に幾何学的に対称位
置に配置するとともに互いに逆相の再生入力信号を供給
して駆動することにより、ある特定の周波数帯域におい
て振動板2の材質にかかわらず各ドライバユニット3の
等間隔位置で振動の節を強制的に生成することが可能と
なる。したがって、パネル型スピーカ装置1は、かかる
現象を巧みに利用することにより各周波数帯域の感度調
整、再生周波数特性の改善或いは音場や音質の調整等が
可能となる。
【0042】パネル型スピーカ装置1は、上述したよう
に従来のダイナミック型スピーカ装置に備えられるダイ
ナミックドライバユニット3が備えられているが、本発
明はかかるドライバユニット3に限定されるものではな
いことは勿論である。ドライバユニット3は、再生入力
信号が供給されることによって振動板に曲げ動作を生じ
させるものであればよく、例えば圧電素子からなる圧電
型ドライバユニットを用いてもよい。
【0043】パネル型スピーカ装置1は、上述したよう
に室内の床面や再生装置25等が載置される載置台を占
有することがないので、スペース効率の向上が図られ
る。ところで、パネル型スピーカ装置1を備えたスピー
カ装置システムは、パネル型スピーカ装置1が天井面5
に配設されることから、いわゆるマニアレベルの視聴者
にとっては音像定位感や高音域成分の不足感を与えるこ
ともある。
【0044】図7に本発明の第2の実施の形態として示
したスピーカ装置システム30は、パネル型スピーカ装
置1と高音域専用用スピーカ装置(ツイータスピーカ)
27とを組み合わせて構成することによって上述した問
題点の改善が図られている。すなわち、スピーカ装置シ
ステム30においては、低音域用のスピーカ装置を構成
するパネル型スピーカ装置1を天井面5に配設するとと
もに、再生装置25にツイータスピーカ27が組み込ま
れて構成されてなる。
【0045】スピーカ装置システム30においては、パ
ネル型スピーカ装置1及びツイータスピーカ27に対し
て、入力部31から再生入力信号がそれぞれ独立に供給
される。入力部31は、音源32と、この音源32から
供給される再生入力信号を増幅してパネル型スピーカ装
置1及びツイータスピーカ27に対してそれぞれ供給す
るパワーアンプ33を備えている。入力部31は、コン
デンサ34を介することにより低音域成分をカットして
例えば5kHz以上の高音域成分のみツイータスピーカ
27に対して供給する。なお、入力部31は、パワーア
ンプ33の出力側にフィルタを設けることによって5k
Hz以上の高音域成分をカットしたフィルタ処理を施し
た再生入力信号をパネル型スピーカ装置1に供給するよ
うに構成してもよい。
【0046】スピーカ装置システム30は、上述したよ
うにやや大型となる低音域用のパネル型スピーカ装置1
が天井面5に配設されるとともに、小型のツイータスピ
ーカ27が室内の床面や載置台等に設置された再生装置
25に組み込まれている。したがって、スピーカ装置シ
ステム30は、パネル型スピーカ装置1が室内の床面や
再生装置25等が載置される載置台を占有することがな
いので、スペース効率の向上が図られる。スピーカ装置
システム30においては、図7に示すように再生入力信
号中の低音域成分の再生出力SLがパネル型スピーカ装
置1から放音されるとともに再生入力信号中の高音域成
分の再生出力SHが視聴者Mの正面に配設されたツイー
タスピーカ27から放音される。したがって、スピーカ
装置システム30においては、視聴者Mの正面位置に音
像定位感が生成されるようになり違和感の無い音響シス
テムが構築される。また、スピーカ装置システム30
は、パネル型スピーカ装置1を単独で用いた場合におけ
る高音域成分の不足感がツイータスピーカ27からの放
音によって補完されることによって、低周波数帯域から
高周波数帯域までの幅広い入力周波数について高感度で
より音量感のある再生出力Sを良好な音質で放音するこ
とを可能とする。
【0047】スピーカ装置システム30においては、パ
ネル型スピーカ装置1が比較的広い指向特性を有してい
るが、視聴者Mの位置によっては振動板2の放音面2a
から放音される低音域の再生出力SLに不足感を感じさ
せることがある。スピーカ装置システム30は、上述し
たようにパネル型スピーカ装置1がその振動板2を角度
調整機構20によって支持機構4のフレーム17に対し
て角度調整を自在に支持されている。スピーカ装置シス
テム30においては、振動板2がその放音面2aを必要
に応じて図8に示すように角度調整機構20を介して視
聴者Mに向けて角度調整される。したがって、スピーカ
装置システム30は、パネル型スピーカ装置1から低音
域の再生出力SLが視聴者Mに向けて効率的に放音され
るようになるために、低音域の再生出力SLの不足感が
解消されるようになる。
【0048】図9に本発明の第3の実施の形態として示
したスピーカ装置システム40は、上述したスピーカ装
置システム30と同様にパネル型スピーカ装置1とツイ
ータスピーカ27とを組み合わせて構成するが、低音域
の再生出力SLの不足感を解消するためにパネル型スピ
ーカ装置1が視聴者Mの頭上に配設されてなる。スピー
カ装置システム40は、かかる構成によってパネル型ス
ピーカ装置1から視聴者Mに向かって放音される低音域
の再生出力SLの音量が増加するようになる。スピーカ
装置システム40は、これによりパネル型スピーカ装置
1から放音される低音域の再生出力SLの不足感が解消
され、ツイータスピーカ27から放音される高音域の再
生出力SHとによって低周波数帯域から高周波数帯域ま
での幅広い入力周波数について高感度でより音量感のあ
る自然な再生出力Sを良好な音質で放音することを可能
とする。
【0049】ところで、スピーカ装置システム40にお
いては、視聴者Mに対して頭上に配設されたパネル型ス
ピーカ装置1と正面に配設されたツイータスピーカ27
との距離差によって再生入力信号の供給時間に差が出
て、それぞれ放音される再生出力SL、SHに音ずれ現
象が生じることがある。スピーカ装置システム40は、
この音ずれ現象を入力部41において再生入力信号にデ
ィレイ処理を施すことにより回避するようにしている。
【0050】すなわち、スピーカ装置システム40は、
入力部41が、ツイータスピーカ27に対しては音源4
2からの再生入力信号をそのままアンプ45に入力して
低音域成分をカットするコンデンサ46を介してこのツ
イータスピーカ27に供給するように構成される。ま
た、スピーカ装置システム40は、入力部41が、パネ
ル型スピーカ装置1に対しては音源42からの再生入力
信号を遅延回路43において遅れ成分を付与するととも
に、ローパスフィルタ44によって高音域成分をカット
してアンプ45に入力してこのパネル型スピーカ装置1
に供給するように構成される。ローパスフィルタ44
は、再生入力信号について例えば5kHz以上の高音域
成分をカットするフィルタ処理を施す。
【0051】スピーカ装置システム40は、以上のよう
に構成されることによって距離差を以って配設されたパ
ネル型スピーカ装置1とツイータスピーカ27との再生
入力信号の供給時間の差が補正されることから、これら
パネル型スピーカ装置1及びツイータスピーカ27から
音ずれ現象の無い再生出力SL、SHを放音する。な
お、スピーカ装置システム40は、パネル型スピーカ装
置1とツイータスピーカ27との設置状況によっては、
ツイータスピーカ27側に遅れ成分を付与した再生入力
信号を供給するように構成してもよいことは勿論であ
る。また、パネル型スピーカ装置1及びツイータスピー
カ27は、もともと低音域成分及び高音域成分の出力特
性に優れていることから、ローパスフィルタ44による
フィルタ処理を不要としてもよい。
【0052】図10に本発明の第4の実施の形態として
示したスピーカ装置システム50は、上述したスピーカ
装置システム30、40と同様にパネル型スピーカ装置
1とツイータスピーカ27とを組み合わせた基本構成に
基づいて、サラウンド再生システムを構築したスピーカ
装置システムである。すなわち、スピーカ装置システム
50は、再生出力SHを放音するツイータスピーカ27
と、メイン再生入力信号の再生出力SLを放音する第1
のパネル型スピーカ装置1Aとともに、サラウンド再生
入力信号の再生出力SRを放音する第2のパネル型スピ
ーカ装置1Bとを備えて構成される。第1のパネル型ス
ピーカ装置1Aは、例えば視聴者Mの前方側天井面5に
配設される。また、第2のパネル型スピーカ装置1B
は、例えば視聴者Mの頭上の天井面5に配設される。
【0053】スピーカ装置システム50は、入力部51
から、第1のパネル型スピーカ装置1A及びツイータス
ピーカ27に対してメイン再生入力信号が供給されると
ともに第2のパネル型スピーカ装置1Bに対してサラウ
ンド再生入力信号が供給される。音源52から供給され
る再生入力信号には、コントロールアンプ53において
メイン再生入力信号とサラウンド再生入力信号とに分離
する信号処理が施される。メイン再生入力信号は、メイ
ンアンプ54を介して第1のパネル型スピーカ装置1A
に供給されるとともにコンデンサ55を介してツイータ
スピーカ27に供給される。サラウンド再生入力信号
は、サラウンドアンプ56を介して第2のパネル型スピ
ーカ装置1Bに供給される。
【0054】スピーカ装置システム50は、以上のよう
に構成されることによって、メイン再生入力信号の低音
域成分の再生出力SLを第1のパネル型スピーカ装置1
Aから放音するとともに高音域成分の再生出力SHをツ
イータスピーカ27から放音する。また、スピーカ装置
システム50は、サラウンド再生入力信号の再生出力S
Rを第2のパネル型スピーカ装置1Bから放音する。し
たがって、スピーカ装置システム50は、視聴者に対し
て臨場感あふれる再生出力Sを放音する。
【0055】スピーカ装置システム50は、第1のパネ
ル型スピーカ装置1A、第2のパネル型スピーカ装置1
B及びツイータスピーカ27とを備えて構成されるが、
上述したように第1のパネル型スピーカ装置1Aと第2
のパネル型スピーカ装置1Bとが天井面5に配設される
ことによって限られたスペースの室内に最適な状態で設
置が可能である。なお、スピーカ装置システム50は、
さらに複数個のパネル型スピーカ装置1を設けてもよ
く、また第1のパネル型スピーカ装置1Aと第2のパネ
ル型スピーカ装置1Bの設置位置も適宜選択される。ま
た、スピーカ装置システム50は、サラウンド再生入力
信号に対して上述したディレイ処理を施して第2のパネ
ル型スピーカ装置1Bに供給するように構成してもよ
い。
【0056】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かるパネル型スピーカ装置によれば、剛性を有するパネ
ル状に形成されかつ外周部を非拘束状態に支持した振動
体をその主面に取り付けた少なくとも1個以上のドライ
バユニットによって部分的な曲げ動作を生じさせて再生
出力の放音を行うとともに支持機構により天井面等の高
所に配置するように構成したことから、限られたスペー
スの室内等を効率的に使用することが可能となり、振動
板の外周部が自由振動することで低音域から高音域まで
の幅広い音域で良好な周波数特性と指向性とを以って再
生出力が充分な音量で放音されるようになる。
【0057】また、本発明にかかるスピーカ装置システ
ムは、剛性を有するパネル状に形成された振動体をその
主面に取り付けた少なくとも1個以上のドライバユニッ
トによって部分的な曲げ動作を生じさせて再生出力の放
音を行うパネル型スピーカ装置を支持機構によって振動
板の外周部を非拘束状態として天井面等の高所に配置す
るとともに載置台等に配置された高音域用スピーカ装置
とからなり、再生入力信号供給部からパネル型スピーカ
装置と高音域用スピーカ装置とに信号処理を施した再生
入力信号をそれぞれ供給するように構成したことによ
り、限られたスペースの室内等を効率的に使用すること
が可能となるとともに、高音域用スピーカ装置側に音像
定位感が生成されて低音域から高音域までの幅広い音域
で良好な音質と指向性を以って再生出力が放音されるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態として示すパネル型
スピーカ装置を天井面に取り付けた設置状態の説明図で
ある。
【図2】同パネル型スピーカ装置の設置状態を説明する
要部断面図である。
【図3】同パネル型スピーカ装置に備えられるドライバ
ユニットの詳細を説明する要部縦断面図である。
【図4】同パネル型スピーカ装置における振動板の振動
モードの状態を説明する図である。
【図5】同パネル型スピーカ装置における周波数応答特
性図である。
【図6】同パネル型スピーカ装置の使用状態説明図であ
る。
【図7】本発明の第2の実施の形態として示すパネル型
スピーカ装置を備えたスピーカ装置システムの構成図で
ある。
【図8】同スピーカ装置システムにおいてパネル型スピ
ーカ装置の振動板の角度調整を行った状態の構成図であ
る。
【図9】本発明の第3の実施の形態として示すパネル型
スピーカ装置を備えたスピーカ装置システムの構成図で
ある。
【図10】本発明の第4の実施の形態として示すパネル
型スピーカ装置を備えたスピーカ装置システムの構成図
である。
【符号の説明】
1 パネル型スピーカ装置、2 振動板(振動体)、2
a 放音面、2b 被駆動面、2c 外周部、3 ドラ
イバユニット、4 支持機構、5 天井面、6ボイスコ
イル、7 磁気回路、8 ボビン、9 コイル部、10
センタポール、11 マグネット、12 プレート、
13 補助リング、14 ダンパ、15 アダプタリン
グ、17 フレーム、18,19 取付プレート、20
角度調整機構、25 再生装置、27 ツイータスピ
ーカ(高音域用スピーカ装置)、30,40,50 ス
ピーカ装置システム、31,41,51 入力部(再生
入力信号供給部)
フロントページの続き (72)発明者 浅田 宏平 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有するパネル状に形成された振動
    体と、 上記振動体の主面に取り付けられるとともに再生入力信
    号に基づいてこの振動体に部分的な曲げ動作を生じさせ
    て再生出力の放音を行わさせる少なくとも1個以上のド
    ライバユニットと、 上記振動板を、その外周部をほぼ非拘束状態で天井或い
    は壁面等の高所に支持する支持機構とから構成されるこ
    とを特徴とするパネル型スピーカ装置。
  2. 【請求項2】 上記支持機構は、上記振動板を、その放
    音面の角度を調整自在として支持することを特徴とする
    請求項1に記載のパネル型スピーカ装置。
  3. 【請求項3】 剛性を有するパネル状に形成された振動
    体と、この振動体の主面に取り付けられて再生入力信号
    に基づいて振動体に部分的な曲げ動作を生じさせて再生
    出力の放音を行わさせる少なくとも1個以上のドライバ
    ユニットと、上記振動板をその外周部をほぼ非拘束の状
    態で天井或いは壁面等の高所に支持する支持機構とを備
    えてなるパネル型スピーカ装置と、 高音域用スピーカ装置と、 上記パネル型スピーカ装置及び高音域用スピーカ装置と
    に信号処理を施した再生入力信号をそれぞれ供給する再
    生入力信号供給部とによって構成されたことを特徴とす
    るスピーカ装置システム。
  4. 【請求項4】 上記再生入力信号供給部は、フィルタ処
    理を施して、再生入力信号の低音域成分を上記パネル型
    スピーカ装置に供給するとともに高音域成分を上記高音
    域用スピーカ装置に供給することを特徴とする請求項3
    に記載のスピーカ装置システム。
  5. 【請求項5】 上記再生入力信号供給部は、ディレイ処
    理を施した再生入力信号を上記パネル型スピーカ装置と
    高音域用スピーカ装置とにそれぞれ供給することを特徴
    とする請求項3に記載のスピーカ装置システム。
  6. 【請求項6】 上記再生入力信号供給部は、複数個の上
    記パネル型スピーカ装置に対して、それぞれメイン再生
    入力信号とサラウンド再生入力信号とを供給することを
    特徴とする請求項3に記載のスピーカ装置システム。
  7. 【請求項7】 上記再生入力信号供給部は、上記サラウ
    ンド再生入力信号に上記メイン再生入力信号に対するデ
    ィレイ処理を施して上記各パネル型スピーカ装置に供給
    することを特徴とする請求項6に記載のスピーカ装置シ
    ステム。
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