JP2003338535A - 半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム及び該粘着フィルムを用いる半導体ウェハ保護方法 - Google Patents
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム及び該粘着フィルムを用いる半導体ウェハ保護方法Info
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Abstract
され、且つダイボンディング工程において高温に晒され
た場合であっても、半導体ウェハの反りを矯正し、ウェ
ハの搬送不良、破損などを防止し得る半導体ウェハ表面
保護用粘着フィルムを提供する。 【解決手段】 基材フィルムの片表面に粘着剤層が形成
された半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムであって、
基材フィルムが、下記数式(1) |E×D×L|<15 ・・・(1) {数式(1)において、Eは23℃における貯蔵弾性率
(単位:GPa)、Dは厚み(単位:μm)、Lは18
0℃において2分間加熱したときのMD方向の収縮率
(単位:%)}で表される関係を満たし、且つ厚みが2
0〜300μmである層を少なくとも1層含む半導体ウ
ェハ表面保護用粘着フィルム。
Description
保護用粘着フィルム、及び該粘着フィルムを用いる半導
体ウェハ保護方法に関する。詳しくは、半導体ウェハを
薄層化加工する工程における半導体ウェハの反り矯正、
及び破損防止に有用で、生産性の向上を図り得る半導体
ウェハ表面保護用粘着フィルム、及び該粘着フィルムを
用いる半導体ウェハ保護方法に関する。
ウェハの回路形成面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィ
ルムを貼着する工程、半導体ウェハの回路非形成面を加
工する工程、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥
離する工程、半導体ウェハを分割切断するダイシング工
程、分割された半導体チップをリードフレームへ接合す
るダイボンディング工程を経た後、半導体チップを外部
保護の為に樹脂で封止するモールド工程、等により構成
されている。
フレーム上にダイボンディング材料である樹脂ペースト
を供給し、その上に半導体チップを載せて接着する方法
が最も多く用いられている。しかし、樹脂ペーストを用
いた場合、リードフレーム上に均一に塗布することが困
難である為、接着層の硬化時にボイドが発生したり、チ
ップクラックが生じる等の問題がある。
の欠点である不均一な塗布性を改善すること、及び工程
全般の合理化を目的として、特開平6−302629号
公報には、ダイボンディング工程において、ダイボンデ
ィング用接着フィルムを用いる方法が開示されている。
この方法は、半導体ウェハの回路非形成面にダイボンデ
ィング用接着フィルムを貼着する工程、ダイボンディン
グ用接着フィルムを貼着した状態の半導体ウェハをダイ
シングテープに固着した後、分割切断するダイシング工
程、及びダイシングテープを剥離する工程を経た後、半
導体チップをリードフレームにダイボンディングする工
程を実施する方法である。
の回路非形成面を加工して、半導体ウェハを更に薄くし
た場合、特に100μm以下にした場合には、半導体ウ
ェハ表面保護用粘着フィルムが貼着していない状態で
は、ダイボンディング用接着フィルムを貼着する際に、
ロールの圧力、ウェハを薄層化した為に生じたウェハの
反り等により半導体ウェハが破損する等の重大な問題が
発生する。
高まっており、厚みが30〜100μm程度のチップも
望まれている。従って、このように薄層化された半導体
ウェハであっても破損することなく、ダイボンディング
用粘着フィルムを貼着できる半導体ウェハの保護方法が
望まれている。
問題に鑑み、半導体ウェハが厚み100μm以下程度に
薄層化され、且つ、ダイボンディング工程において高温
に晒された場合であっても、半導体ウェハの反りを矯正
し、ダイボンディング工程におけるウェハの搬送不良、
破損などを防止し得る半導体ウェハ表面保護用粘着フィ
ルム、及び該粘着フィルムを用いる半導体ウェハの保護
方法を提供することにある。
た結果、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの基材フ
ィルムに着目し、その貯蔵弾性率、高温での収縮率、及
び厚みの3特性の積の絶対値が特定値未満である基材フ
ィルムを用いることにより、上記課題が解決できること
を見出し、本発明に到った。
面に粘着剤層が形成された半導体ウェハ表面保護用粘着
フィルムであって、基材フィルムが、下記数式(1) |E×D×L|<15 ・・・(1) {数式(1)において、Eは23℃における貯蔵弾性率
(単位:GPa)、Dは厚み(単位:μm)、Lは18
0℃において2分間加熱したときの機械方向の収縮率
(単位:%)}で表される関係を満たし、且つ、厚みが
20〜300μmである層を少なくとも1層含むことを
特徴とする半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムであ
る。
の回路形成面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを
貼着する第一工程、半導体ウェハの回路非形成面を加工
する第二工程、及び半導体ウェハの回路非形成面にダイ
ボンティング用接着フィルムを貼着する第三工程を含む
工程における半導体ウェハ保護方法であって、半導体ウ
ェハ表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに第三
工程を実施し、且つ、半導体ウェハ表面保護用粘着フィ
ルムとして、前記半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム
を用いることを特徴とする半導体ウェハ保護方法であ
る。
薄層化され、且つ、ダイボンディング工程において高温
に晒された場合であっても、上記一連の工程における半
導体ウェハの反りを矯正し、ダイボンディング工程にお
けるウェハの搬送不良、破損などを防止できる。
する。先ず、本発明に係わる半導体ウェハ表面保護用粘
着フィルムについて説明する。本発明に係わる半導体ウ
ェハ表面保護用粘着フィルムは、基材フィルムの片表面
に粘着剤層を形成することにより製造される。通常、粘
着剤層を保護するために、粘着剤層の表面に剥離フィル
ムが貼着される。剥離フィルムを剥離したときに露出す
る粘着剤層の表面を介して半導体ウェハ表面に貼着する
ことを考慮し、粘着剤層による半導体ウェハ表面の汚染
防止を図るためには、剥離フィルムの片面に、粘着剤塗
布液を塗布、乾燥して粘着剤層を形成した後、得られた
粘着剤層を基材フィルムの片面に転写する方法が好まし
い。
満たし、且つ、厚みが20〜300μmである層を少な
くとも1層(以下、この層を耐熱基材フィルム層とい
う)含むように形成する。具体的には、23℃における
貯蔵弾性率(E、単位:GPa)、厚み(D、単位:μ
m)、及び180℃において2分間加熱したときの機械
方向の収縮率(L、単位:%)の積の絶対値が15未満
であり、且つ、厚みが20〜300μmである層を少な
くとも1層含む基材フィルムを用いる。基材フィルム全
体の厚みは50〜350μmであることが好ましい。好
ましくは、上記特性が下記数式(2)の関係を満たし、
且つ、厚みが20〜300μmである層を少なくとも1
層含むように形成する。 |E×D×L|<10 ・・・(2) 上記数式(1)及び(2)は、基材フィルムのが収縮す
る際に生じる収縮力を表す数式である。収縮率
[(L)、単位:%]は180℃で2分間加熱した前後の
歪みを百分率(パーセント)で表したものであり、収縮
を正、膨張を負で表す。E、D、及びLの3者の積は、
基材フィルムの収縮により発生する応力を表している。
好ましくは、上記数式(1)の関係を満たし、且つ、2
3〜200℃における貯蔵弾性率が1×107〜1×1
010Pa、180℃において2分間加熱したときの機械
方向の収縮率が0.01〜1%である層を少なくとも1
層含む基材フィルムである。
3〜200℃における貯蔵弾性率が1×107Pa未満
である場合は、ダイボンディング用接着フィルムの貼着
工程において、表面保護用粘着フィルムに熱により、チ
ャックテーブルに接している耐熱基材フィルム層が融解
し、チャックテーブルからアームによる搬送に問題が生
じることがある。また、薄層化した半導体ウェハの反り
が原因で、ダイボンディング用接着フィルム貼着時のウ
ェハ破損、チャックテーブルからアームによる搬送時の
吸着不良などの問題が生じてしまうこともある。
として、シリコーンゴムが挙げられる。シリコーンゴム
の代表的市販品として、三菱樹脂(株)製、商品名:珪
樹が挙げられる。本発明に用いるシリコーンゴムは、ケ
イ素と酸素からなる無機質のシロキサン結合を骨格と
し、そのケイ素原子に直結するメチル基などの有機基格
を有する合成高分子である。シリコーンゴムの性能は主
鎖のシロキサン結合によるものと、化学構造に起因して
いるものとに区分される。シロキサン結合の特性として
は、耐熱性、耐候性、難焼性、誘電特性、耐放射線性、
耐アーク性、耐コロナ性、電気絶縁性、耐紫外線性があ
る。化学構造に起因する特性は、撥水性、消泡性、離型
性、接着性、耐寒性、粘度温度特性、圧縮特性、泡沫安
定性、ガラス透過性がある。
着フィルムの粘着剤層を形成する粘着剤は、ダイボンデ
ィング用接着フィルム貼着時の温度条件下、例えば15
0℃程度の温度でも、粘着剤として充分機能するもので
あることが好ましい。具体的には、アクリル系粘着剤、
シリコン系粘着剤等が例示される。粘着剤層の厚みは3
〜100μmであることが好ましい。粘着剤層は、半導
体ウェハ表面保護用粘着フィルムをウェハの回路形成面
(以下、表面という)から剥離した後、半導体ウェハの
表面に糊残りなどによる汚染が生じないことが好まし
い。
着フィルムを加熱貼着するダイボンディング工程におい
て150℃程度の高温に曝された際に、粘着力が大きく
なり過ぎないように、また、半導体ウェハ表面の汚染が
増加しないように、反応性官能基を有する架橋剤、過酸
化物、放射線等により高密度に架橋されたものであるこ
とが好ましい。更に、ダイボンディング用接着フィルム
を貼着する際に、温度150℃以上の条件下で加熱処理
された場合であっても、粘着力が上昇して剥離不良を起
こさないこと、及び糊残りが発生しないことが好まし
い。その為、粘着剤層は、150℃における貯蔵弾性率
が少なくとも1×105Paであることが好ましい。貯
蔵弾性率は、高ければ高いほどよいが、通常、その上限
は1×10 8Pa程度である。
として、アクリル系粘着剤を用いる方法を例示する。粘
着剤層は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマ
ー単位、架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー単
位、2官能性モノマー単位をそれぞれ特定量含む乳化重
合共重合体であるアクリル系粘着剤、並びに、凝集力を
上げたり粘着力を調整するための、官能基を1分子中に
2個以上有する架橋剤を含む溶液またはエマルション液
を用いることにより形成される。溶液で使用する場合
は、乳化重合で得られたエマルション液からアクリル系
粘着剤を塩析等で分離した後、溶剤等で再溶解して使用
する。アクリル系粘着剤は、分子量が充分に大きく、溶
剤への溶解性が低く、若しくは溶解しない場合が多いの
で、コスト的な観点から鑑みても、エマルション液のま
ま使用することが好ましい。
は、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキ
ルエステル、又はこれらの混合物を主モノマー〔以下、
モノマー(A)〕として、架橋剤と反応し得る官能基を
有するコモノマーを含むモノマー混合物を共重合して得
られたものが挙げられる。
程度のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステ
ル、又はメタクリル酸アルキルエステル〔以下、これら
の総称して(メタ)アクリル酸アルキルエステルとい
う〕が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜8のアルキ
ル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであ
る。具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル等が挙げられる。これらは単独で使用して
も、また、2種以上を混合して使用してもよい。モノマ
ー(A)の使用量は粘着剤の原料となる全モノマーの総
量中に、通常、10〜98.9重量%の範囲で含ませる
ことが好ましい。更に好ましくは85〜95重量%であ
る。モノマー(A)の使用量をかかる範囲とすることに
より、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単
位(A)10〜98.9重量%、好ましくは85〜95
重量%を含むポリマーが得られる。
ー単位(B)を形成するモノマー(B)としては、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シト
ラコン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノアル
キルエステル、メサコン酸モノアルキルエステル、シト
ラコン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキル
エステル、マレイン酸モノアルキルエステル、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸−
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ターシャ
ル−ブチルアミノエチルアクリレート、ターシャル−ブ
チルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。好ま
しくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。これ
らの一種を上記主モノマーと共重合させてもよいし、ま
た2種以上を共重合させてもよい。架橋剤と反応し得る
官能基を有するモノマー(B)の使用量は、粘着剤の原
料となる全モノマーの総量中に、通常、1〜40重量%
の範囲で含まれていることが好ましい。更に好ましく
は、1〜10重量%である。而して、モノマー組成とほ
ぼ等しい組成の構成単位(B)を有するポリマーが得ら
れる。
工、及びダイボンディング用接着フィルムの貼着時等に
おける温度条件下でも、粘着剤として充分機能するよう
に、粘着力や剥離性を調整することが好ましい。その方
策として、エマルション粒子の凝集力を維持する為に粒
子バルクの架橋方式も考慮することが好ましい。
00℃の温度条件下でも1×105Pa以上を有する為
に、2官能モノマー(C)を共重合することによって凝
集力を維持するよう架橋方式を改良することが好まし
い。良好に共重合するモノマーとして、メタクリル酸ア
リル、アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、メタクリ
ル酸ビニル、アクリル酸ビニルや、例えば、両末端がジ
アクリレートまたはジメタクリレートで主鎖の構造がプ
ロピレングリコール型〔日本油脂(株)製、商品名;P
DP−200、同PDP−400、同ADP−200、
同ADP-400〕、テトラメチレングリコール型〔日
本油脂(株)製、商品名;ADT‐250、同ADT‐
850〕及びこれらの混合型〔日本油脂(株)製、商品
名:ADET‐1800、同ADPT−4000〕であ
るもの等が挙げられる。2官能モノマー(C)を乳化共
重合する場合、その使用量は、全モノマー中に0.1〜
30重量%含むことが好ましい。更に好ましくは0.1
〜5重量%である。而して、モノマー組成とほぼ等しい
組成の構成単位(C)を有するポリマーが得られる。
橋剤と反応し得る官能基を有するコモノマーの他に、界
面活性剤としての性質を有する特定のコモノマー(以
下、重合性界面活性剤と称する)を共重合してもよい。
重合性界面活性剤は、主モノマー及びコモノマーと共重
合する性質を有すると共に、乳化重合する場合には乳化
剤としての作用を有する。重合性界面活性剤を用いて乳
化重合したアクリル系粘着剤を用いた場合には、通常、
界面活性剤による半導体ウェハ表面に対する汚染が生じ
ない。また、粘着剤層に起因する僅かな汚染が生じた場
合においても、半導体ウェハ表面を水洗することにより
容易に除去することが可能となる。
は、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルのベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入した
もの〔第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンRN
−10、同RN−20、同RN−30、同RN−50
等〕、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの硫
酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1
−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)
製;商品名:アクアロンHS−10、同HS−20
等〕、及び分子内に重合性二重結合を持つ、スルホコハ
ク酸ジエステル系〔花王(株)製;商品名:ラテムルS
−120A、同S−180A等〕等が挙げられる。更に
必要に応じて、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレ
ン等の重合性2重結合を有するモノマーを共重合しても
よい。
は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が挙
げられる。粘着剤の製造コスト、モノマーの官能基の影
響及び半導体ウェハ表面へのイオンの影響等を等慮すれ
ばラジカル重合によって重合することが好ましい。ラジ
カル重合反応によって重合する際、ラジカル重合開始剤
として、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキ
サイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパ
ーオキサイド、ジ−ターシャル−ブチルパーオキサイ
ド、ジ−ターシャル−アミルパーオキサイド等の有機過
酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸
ナトリウム等の無機過酸化物、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチ
ロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリッ
クアシッド等のアゾ化合物が挙げられる。
らのラジカル重合開始剤の中で、水溶性の過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過
酸化物、同じく水溶性の4,4’−アゾビス−4−シア
ノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持
ったアゾ化合物が好ましい。半導体ウェハ表面へのイオ
ンの影響を考慮すれば、過硫酸アンモニウム、4,4’
−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内
にカルボキシル基を有するアゾ化合物が更に好ましい。
4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等
の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物が特に好
ましい。
に2個以上有する架橋剤は、アクリル系粘着剤が有する
官能基と反応させ、粘着力及び凝集力を調整するために
用いる。架橋剤としては、ソルビトールポリグリシジル
エーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、
ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリ
セロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグ
リシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテル等のエポ
キシ系化合物、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン
のトルエンジイソシアネート3付加物、ポリイソシアネ
ート等のイソシアネート系化合物、トリメチロールプロ
パン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラ
メチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネ
ート、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス
(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキ
サメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシ
アミド)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−ア
ジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン
−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート
等のアジリジン系化合物、N,N,N’,N’−テトラ
グリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,
N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンの4
官能性エポキシ系化合物及びヘキサメトキシメチロール
メラミン等のメラミン系化合物が挙げられる。これらは
単独で使用してもよいし、2種以上に対して併用しても
よい。
基数がアクリル系粘着剤中の官能基数よりも多くならな
い程度の範囲が好ましい。しかし、架橋反応で新たに官
能基が生じる場合や、架橋反応が遅い場合等、必要に応
じて過剰に含有してもよい。好ましい含有量は、アクリ
ル系粘着剤100重量部に対し、架橋剤0.1〜15重
量部である。含有量が少なすぎると、粘着剤層の凝集力
が不十分となり、150〜200℃において、弾性率が
1×105Pa未満となり、耐熱特性が低下する。その
ため、粘着剤層に起因する糊残りを生じ易くなったり、
粘着力が高くなり、表面保護用粘着フィルムを半導体ウ
ェハ表面から剥離する際に自動剥がし機で剥離トラブル
が発生したり、半導体ウェハを完全に破損したりするこ
とがある。含有量が多すぎると、粘着剤層と半導体ウェ
ハ表面との密着力が弱くなり、半導体ウェハ裏面研削工
程において、半導体ウェハ表面と粘着剤層の間に研磨屑
が浸入して半導体ウェハを破損したり、半導体ウェハ表
面を汚染することがある。
特定の2官能モノマーを共重合したアクリル系粘着剤及
び架橋剤の他に、粘着特性を調整するためにロジン系、
テルペン樹脂系等のタッキファイヤー、各種界面活性剤
等を本発明の目的に影響しない程度に適宜含有してもよ
い。また、塗布液がエマルション液である場合は、ジエ
チレングリコールモノアルキルエーテル等の造膜助剤を
本発明の目的に影響しない程度に適宜添加してよい。造
膜助剤として使用されるジエチレングリコールモノアル
キルエーテル及びその誘導体は、粘着剤層中に多量に存
在した場合、洗浄が不可能となる程度に半導体ウェハ表
面を汚染することがある。そのため、粘着剤塗布液の乾
燥温度において揮発する性質を有するものを使用し、粘
着剤層中の残存量を極力低くすることが好ましい。
ルムの粘着力は、半導体ウェハの加工条件、半導体ウェ
ハの直径、裏面研削後の半導体ウェハの厚み、ダイボン
ディング用接着フィルム貼着温度等を勘案して適宜調整
できる。粘着力が低すぎると、半導体ウェハ表面への表
面保護用粘着フィルムの貼着が困難となったり、表面保
護用粘着フィルムによる保護性能が不十分となり、半導
体ウェハが破損したり、半導体ウェハ表面に研削屑等に
よる汚染が生じることがある。また、粘着力が高すぎる
と、半導体ウェハの裏面加工を実施した後、表面保護用
粘着フィルムを半導体ウェハ表面から剥離する際に、自
動剥がし機で剥離トラブルが発生する等、剥離作業性が
低下したり、半導体ウェハを破損したりすることがあ
る。通常、SUS304−BA板に対する粘着力に換算
して5〜500g/25mm、好ましくは10〜300
g/25mmである。
に粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗
布方法、例えば、ロールコーター法、リバースロールコ
ーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコ
ーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された
粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、
80〜200℃の温度範囲において、10秒〜10分間
乾燥することが好ましい。更に好ましくは、80〜17
0℃において、15秒〜5分間乾燥する。架橋剤と粘着
剤との架橋反応を十分に促進させるために、粘着剤塗布
液の乾燥が終了した後、表面保護粘着フィルムを40〜
80℃において5〜300時間程度加熱してもよい。
ルムの製造方法は、上記の通りであるが、半導体ウェハ
表面の汚染防止の観点から、基材フィルム、剥離フィル
ム、粘着剤主剤等全ての原料資材の製造環境、粘着剤塗
布液の調製、保存、塗布及び乾燥環境は、米国連邦規格
209bに規定されるクラス1,000以下のクリーン
度に維持されていることが好ましい。
用した半導体ウェハの製造方法は、先ず、前記の如く、
半導体ウェハの表面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィ
ルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの回路非形
成面(以下、裏面という)を加工する第二工程を順次実
施し、引き続き、該表面保護用粘着フィルムを剥離する
ことなしに半導体ウェハの裏面にダイボンディング用接
着フィルムを貼着する第三工程を実施する。以降の工程
には特に制限はないが、例えば、半導体ウェハ表面保護
用粘着フィルムを剥離する工程、半導体ウェハを分割切
断するダイシング工程、半導体チップを外部保護の為に
樹脂で封止するモールド工程等を順次実施する半導体ウ
ェハの製造方法が挙げられる。
細に説明する。本発明の半導体ウェハ保護方法は、半導
体ウェハの表面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム
を貼着する第一工程、及び半導体ウェハの裏面を加工す
る第二工程を順次実施し、引き続き、半導体ウェハ表面
保護用粘着フィルムを剥離することなしに、半導体ウェ
ハ裏面にダイボンディング用接着フィルムを貼着する第
三工程を実施する。この際、半導体ウェハ表面保護用粘
着フィルムとして、前記半導体ウェハ表面保護用粘着フ
ィルムを用いる。
細は、先ず、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム(以
下、表面保護用粘着フィルムと略称する)の粘着剤層側
から剥離フィルムを剥離し、粘着剤層表面を露出させ、
その粘着剤層を介して、半導体ウェハの表面に表面保護
用粘着フィルムを貼着する(第一工程)。次いで、裏面
加工機のチャックテーブル等に表面保護用粘着フィルム
の基材フィルム層を介して半導体ウェハを固定し、半導
体ウェハの裏面を加工する(第二工程)。第二工程は、
半導体ウェハの裏面研削工程、ウェットエッチング工
程、及びポリッシング工程を全て実施してもよいし、又
は、これらの工程のいずれか一工程を実施してもよい。
次いで、表面保護用粘着フィルムを剥離することなし
に、ダイボンディング用接着フィルムの貼着工程に搬送
され、ダイボンディング用接着フィルムを貼着する(第
三工程)。その後、表面保護用粘着フィルムは剥離され
る。また、必要に応じて表面保護用粘着フィルムを剥離
した後に、半導体ウェハ表面に対して、水洗、プラズマ
洗浄等の処理が施される。
ハは、研削前の厚みが500〜1000μmであったも
のが、半導体チップの種類等に応じ、200〜600μ
m程度まで研削、薄層化される。一方、本発明の保護方
法を適用することにより、厚みが100μm以下になる
まで薄層化することができる。その場合、半導体ウェハ
の最低厚みは20μm程度である。100μm以下まで
薄くする場合は、裏面研削に引き続いて、ウェットエッ
チング工程やポリッシング工程を実施することもでき
る。裏面を研削する前の半導体ウェハの厚みは、半導体
ウェハの直径、種類等により適宜決められ、裏面研削後
の半導体ウェハの厚みは、得られるチップのサイズ、回
路の種類等により適宜決められる。
表面に貼着する操作は、人手により行われる場合もある
が、一般に、ロール状の表面保護用粘着フィルムを取り
付けた自動貼り機と称される装置によって行われる。こ
のような自動貼り機として、例えばタカトリ(株)製、
形式:ATM−1000B、同ATM−1100、同T
EAM−100、帝国精機(株)製、形式:STLシリ
ーズ等が挙げられる。
式、インフィード方式等の公知の研削方式が採用され
る。通常、いずれの方法においても、半導体ウェハと砥
石に水を供給して冷却しながら裏面研削が行われる。裏
面研削終了後、必要に応じて、ウェットエッチング、ポ
リッシングが行われる。ウェットエッチング工程及びポ
リッシング工程は、半導体ウェハ裏面に生じた歪の除
去、半導体ウェハのさらなる薄層化、酸化膜等の除去、
電極を裏面に形成する際の前処理等を目的として行われ
る。エッチング液は、上記の目的に応じて適宜選択され
る。
る工程で用いる装置としては、例えば、タカトリ(株)
製、形式:DM−800等が挙げられる。ダイボンディ
ング用接着フィルムとしては、ポリエステル系、ポリプ
ロピレン系フィルムの表面に、ポリイミド樹脂と熱硬化
性樹脂の混合物からなるワニスを塗布して、接着剤層を
形成したダイボンディング用接着フィルムが挙げられ
る。この時、必要に応じてポリイミド樹脂と熱硬化性樹
脂の混合物に添加剤を混合することもある。ロールを用
いて、ダイボンディング用接着フィルムを半導体ウェハ
裏面に加熱貼着することにより、接着剤付半導体ウェハ
とされる。
グ用接着フィルムを貼着する際には、上記の如きダイボ
ンディング用接着フィルム貼着装置が用いられる。先
ず、100〜150℃程度に加熱された装置内のチャッ
クテーブルに、表面保護用粘着フィルムを介して半導体
ウェハを吸着させて、装置内の内臓ロールによって半導
体ウェハ裏面にダイボンディング用接着フィルムを仮貼
着し、半導体ウェハの外周部からはみだした余剰のダイ
ボンディング用接着フィルムをカットする。次いで、ダ
イボンディング用接着フィルムを介して半導体ウェハを
アームで吸着して、150〜200℃程度に加熱された
チャックテーブルに移動、吸着させて本貼着する。この
際、薄層化された半導体ウェハに大きな反りがあると、
低温側のチャックテーブルにおいて、ロールを用いて、
ダイボンディング用接着フィルムを貼着する際にロール
の押圧によって半導体ウェハが破損し易い。
に、半導体ウェハ裏面にダイボンディング用接着フィル
ムを仮貼着できても、半導体ウェハに大きな反りがある
と、ダイボンディング用接着フィルムを介して、半導体
ウェハをアームに吸着させて、低温側のチャックテーブ
ルから、高温側のチャックテーブルへアームによって半
導体ウェハを搬送する際、及び、アームによって高温側
チャックテーブルから脱着する際にアームへの吸着不良
などよって、半導体ウェハの搬送不良が生じることがあ
る。半導体ウェハ表面に本発明に係わる粘着フィルムを
貼着して半導体ウェハを薄層化し、且つ、粘着フィルム
を剥離することなしにダイボンディング用接着フィルム
貼着することにより、半導体ウェハの反りが矯正され、
その破損及び搬送不良を防止することができるのであ
る。
ボンディング用接着フィルムの貼着工程がそれぞれ終了
した後、半導体ウェハ表面から表面保護用粘着フィルム
が剥離される。これらの一連の操作は、人手により行わ
れる場合もあるが、一般的に自動剥がし機と称される装
置を用いて行われる。このような自動剥がし機として
は、タカトリ(株)製、形式:ATRM−2000B、
同ATRM−2100、帝国精機(株)製、形式:ST
Pシリーズ等が挙げられる。また、剥離性の向上を目的
として、必要に応じて加熱剥離することが好ましい。
導体ウェハ表面は、必要に応じて洗浄される。洗浄方法
としては、水洗浄、溶剤洗浄等の湿式洗浄、プラズマ洗
浄等の乾式洗浄等が挙げられる。湿式洗浄の場合、超音
波洗浄を併用してもよい。これらの洗浄方法は、半導体
ウェハ表面の汚染状況により適宜選択される。
る半導体ウェハとして、シリコンウェハに限らず、ゲル
マニウム、ガリウム−ヒ素、ガリウム−リン、ガリウム
−ヒ素−アルミニウム等のウェハが挙げられる。
詳細に説明する。以下に示す全ての実施例及び比較例に
おいて、米国連邦規格209bに規定されるクラス1,
000以下のクリーン度に維持された環境において粘着
剤塗布液の調製及び塗布、半導体シリコンウェハの裏面
研削、並びにダイボンディング用接着フィルム貼着等の
製造を実施した。本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。尚、実施例に示した各種特性値は下記の方
法で測定した。
1991に規定される方法に準じて測定する。23℃の
雰囲気下において、実施例または比較例で得られた粘着
フィルムをその粘着剤層を介して、20cm×5cmの
長方形のSUS304−BA板(JIS G4305−
1991規定)の表面に貼着し、同サイズに粘着フィル
ムをカットし、60分放置する。但し、粘着フィルムは
機械方向(以下、MD方向という)がSUS304−B
A板の20cmの辺に、機械方向と直交する方向(以
下、TD方向という)がSUS304−BA板の5cm
の辺に対するように粘着フィルムを貼着する。試料のM
D方向の一端を挟持し、剥離角度180度、剥離速度3
00mm/min.でSUS304−BA板の表面から
試料を剥離する際の応力を測定し、25mm幅に換算す
る。
を厚さ1mmになるように積層し、直径8mmの粘弾性
測定用試料を作製する。動的粘弾性測定装置(レオメト
リックス社製:形式:RMS−800)を用いて、15
0℃及び200℃において貯蔵弾性率を測定する。測定
周波数は1Hzとし、歪みは0.1〜3%とする。
部分を切断し、長方形(MD方向:30mm、TD方
向:10mm)の試料を作製する。動的粘弾性測定装置
(レオメトリックス社製:形式:RSA−II)を用い
て、0〜300℃までの貯蔵弾性率(機械方向)を測定
する。測定周波数は、1Hzとし、歪みは0.01〜
0.1%とする。23℃における貯蔵弾性率(MD方
向)を上記数式(1)中のE(単位:GPa)とする。
但し、積層基材フィルムの場合は、各層独立で測定を行
う。
向:30cm)に切断し、パンチでスポット(MD方
向:25cm、TD方向:25cm)を基材フィルムに
開け、試料を作製する。2次元測定機((株)ミツトヨ
製:形式:CRYSTAL*μV606)を用いて、基
材フィルムに開けられたスポット間隔を測定する。測定
後、試料を180℃に保たれたオーブンで2分間加熱し
た後、取り出し自然冷却した後、再度スポット間隔を測
定し、下記数式(3)により収縮率を算出する。数式
(3)において、Lは収縮率(%)、L0は加熱前のス
ポット間隔(cm)、L1は加熱後のスポット間隔(c
m)を示す。 L=〔(L0―L1)/L0〕×100・・(3)
み:600μm、スクライブラインの深さ:8μm、ス
クライブラインの幅:100μm)の表面に試料用の表
面保護用粘着フィルムをその粘着剤層を介して、半導体
シリコンウェハの全表面に貼着し、半導体ウェハの裏面
加工工程、ダイボンディング用接着フィルム貼着工程を
経た後、剥離機(日東精機(株)製、型式:HR850
0II)を用いて粘着フィルムを剥離した後、半導体ウ
ェハの表面をレーザーフォーカス顕微鏡(KEYENC
E製、形式:VF−7510、VF−7500、VP−
ED100)を用いて250倍率で観察する。粘着フィ
ルムを剥離した後の表面に糊残りが認められたウェハの
枚数を示す。
設されている8インチシリコンウェハ(以下、PIウェ
ハと略称する、直径約200mm、厚み725μm)の
表面に、表面保護用粘着フィルムをその粘着剤層を介し
てハンドローラを用いて貼付けた後、裏面研削機
((株)ディスコ製、形式:DFG860)を用いて厚
みが100μmになるまでウェハ裏面を研削し薄層化す
る。薄層化後、PIウェハの表面に表面保護用粘着フィ
ルムが貼り付けられている状態で、表面保護用粘着フィ
ルム貼付け面を上にしてPIウェハを定板上に乗せる。
定板とウェハ裏面との最大距離を測定し、反り量とす
る。次に、その表面保護用粘着フィルムが貼付けられた
薄層化後のPIウェハをホットプレート(アドバンテッ
ク社製、形式:TP−320)を用い、180℃で2分
間加熱し、上記と同様にして加熱後の反り量を測定す
る。10枚のPIウェハについて評価し、その平均値で
示す。
護用粘着フィルム剥離工程における半導体ウェハの破損
枚数を示す。10枚のPIウェハについて評価し、破損
した枚数を示す。
10Paである樹脂より形成され、23℃の貯蔵弾性率
[(E)GPa]、厚み[(D)μm]、及び180℃で2
分加熱後のMD方向の収縮率[(L)%]がそれぞれ、
0.04GPa、150μm、0.72%であり、前記
数式(1)の関係を満たすフィルムとして、シリコーン
ゴムフィルム[三菱樹脂(株)製、商品名:珪樹、片面
表面処理品]を選定した。粘着剤層を形成する側の表面
にプライマーの塗付を施し、基材フィルム1とした。
尚、貯蔵弾性率は、23℃において0.04GPa、2
00℃において13MPaであった。また、数式(1)
に基づく算出値は4.3であった。
フタレートフィルム〔東洋紡(株)製、商品名:K−1
537、23℃の貯蔵弾性率(E):3.4GPa、2
00℃の貯蔵弾性率が350MPa、厚み(D):50
μm、180℃で2分加熱前後のMD方向の収縮率
(L):0.72%〕を基材フィルム2とした。数式
(1)に基づく算出値は122.4であった。粘着剤層
を形成する側の表面にコロナ放電処理を施した。
タレートフィルム〔帝人(株)製、商品名:テオネック
ス、23℃の貯蔵弾性率(E):5.3GPa、200
℃の貯蔵弾性率が2000MPa、厚み(D):50μ
m、180℃で2分加熱前後のMD方向の収縮率
(L):0.15%〕を基材フィルム3とした。数式
(1)に基づく算出値は39.8であった。粘着剤層を
形成する側の表面にコロナ放電処理を施した。
て4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド
〔大塚化学(株)製、商品名:ACVA〕を0.625
重量部、モノマー(A)としてアクリル酸−2−エチル
ヘキシル62.25重量部、アクリル酸−n−ブチル1
8重量部、及びメタクリル酸メチル12重量部、モノマ
ー(B)としてメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル3
重量部、メタクリル酸2重量部、及びアクリルアミド1
重量部、モノマー(C)としてポリテトラメチレングリ
コールジアクリレート〔日本油脂(株)製、商品名:A
DT−250〕1重量部、水溶性コモノマーとしてポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキ
サイドの付加モル数の平均値:約20)の硫酸エステル
のアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニ
ル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製、商品名:
アクアロンHS−10〕0.75重量部を装入し、攪拌
下で70〜72℃において8時間乳化重合を実施し、ア
クリル系樹脂エマルションを得た。これを9重量%アン
モニア水で中和(pH=7.0)し、固形分42.5重
量%のアクリル系粘着剤(粘着剤主剤1)とした。
て4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド
〔大塚化学(株)製、商品名:ACVA〕を0.625
重量部、モノマー(A)としてアクリル酸−2−エチル
ヘキシル62.25重量部、アクリル酸−n−ブチル1
8重量部、及びメタクリル酸メチル12重量部、モノマ
ー(B)としてメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル3
重量部、メタクリル酸2重量部、及びアクリルアミド1
重量部、モノマー(C)としてメタクリル酸アリル〔和
光純薬工業(株)製〕1重量部、水溶性コモノマーとし
てポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレ
ンオキサイドの付加モル数の平均値:約20)の硫酸エ
ステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プ
ロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製、商
品名:アクアロンHS−10〕0.75重量部を装入
し、攪拌下で70〜72℃において8時間乳化重合を実
施し、アクリル系樹脂エマルションを得た。これを9重
量%アンモニア水で中和(pH=7.0)し、固形分4
2.5重量%のアクリル系粘着剤(粘着剤主剤2)とし
た。
量部を採取し、さらに9重量%アンモニア水を加えてp
H9.5に調整した。次いで、アジリジン系架橋剤〔日
本触媒化学工業(株)製、商品名:ケミタイトPz−3
3〕1.6重量部を添加して粘着剤塗布液1を得た。
以外は、粘着剤塗布液の製造例1と同様にして粘着剤塗
布液2を得た。
レンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布
し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層
を設けた。これに上記基材フィルム1の表面処理が施さ
れた側の表面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写さ
せた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室
温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着
フィルム1を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、15
0℃において1.5×105Pa、200℃において
1.3×105Paであった。また、粘着力は120g
/25mmであった。
レンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布
し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層
を設けた。これに上記基材フィルム1のコロナ放電処理
面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写
後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却
することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム2
を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃におい
て2.5×105Pa、200℃において1.8×105
Paであった。また、粘着力は、150g/25mmで
あった。
粘着フィルムの製造例1と同様にして半導体ウェハ表面
保護用粘着フィルム3を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性
率は、150℃において1.5×105Pa、200℃
において1.3×105Paであった。また、粘着力
は、100g/25mmであった。
粘着フィルムの製造例1と同様にして半導体ウェハ表面
保護用粘着フィルム4を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性
率は、150℃において1.5×105Pa、200℃
において1.3×105Paであった。また、粘着力
は、115g/25mmであった。
粘着フィルムの製造例1と同様にして半導体ウェハ表面
保護用粘着フィルム5を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性
率は、150℃において2.5×105Pa、200℃
において1.8×105Paであった。また、粘着力
は、140g/25mmであった。
粘着フィルムの製造例1と同様にして半導体ウェハ表面
保護用粘着フィルム6を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性
率は、150℃において2.5×104Pa、200℃
において1.8×105Paであった。また、粘着力
は、145g/25mmであった。
面保護用粘着フィルム1の保護性能を評価した。半導体
ウェハ表面保護用粘着フィルム1を集積回路が組み込ま
れた10枚のPIウェハ(直径:8インチ、厚み:75
0μm)の全表面に貼着した状態で、裏面研削機
((株)ディスコ製、形式:DFG860)を用いて、
厚みが100μmになるまでPIウェハ裏面を研削し
た。次いで、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を
貼着したままの状態で、150℃に加熱されたダイボン
ディング用接着フィルム貼着機(タカトリ(株)製、形
式:DM−800)内のチャックテーブルに、表面保護
用粘着フィルムを介して半導体ウェハを吸着させて、装
置内の内臓ロールによってPIウェハ裏面にダイボンデ
ィング用接着フィルム(日立化成(株)製、商品名:ハ
イアタッチ)を仮貼着し、PIウェハの外周部からはみ
だした余剰のダイボンディング用接着フィルムをカット
した。次いで、ダイボンディング用接着フィルムを介し
てPIウェハをアームで吸着して、180℃に加熱され
たチャックテーブルに移動、吸着させて本貼着した。そ
の後、ダイボンディング用接着フィルムが本貼着された
PIウェハをアームによって高温側チャックテーブルか
ら脱着し、カセットに収納した。
ム貼着機に内蔵するロールによってPIウェハに押圧が
かかったにもかかわらず、10枚全てのPIウェハに対
して接着フィルム貼着時においてPIウェハの反りが原
因である割れは発生しなかった。また、ダイボンディン
グ用接着フィルムを仮貼付した後、低温側のチャックテ
ーブルから高温側のチャックテーブルへウェハをアーム
で吸着して搬送する際、及び、アームによって高温側チ
ャックテーブルから脱着する際に問題が生じなかった。
表1には、この現象をOKと記載した。更に、剥離機
(日東精機(株)製、形式:HR8500II)を用い
て、PIウェハ表面から半導体ウェハ表面保護用粘着フ
ィルム1を剥離した。剥離の際においてもPIウェハの
割れは発生しなかった。また、半導体ウェハ表面保護用
粘着フィルム1を剥離した後のPIウェハ表面に糊残り
等の汚染は観察されなかった。
厚み:750μm)10枚について上記と同様にして、
厚みが100μmになるまでウェハ裏面を研削した後、
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を貼着したまま
の状態で、反り量の測定を行った。その結果、半導体ウ
ェハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向への反り量は
5.0mmであった。さらに、ホットプレートを用いて
PIウェハを180℃で2分間加熱し、加熱後の反り量
を測定した。その結果、半導体ウェハ表面保護用粘着フ
ィルム貼付け面方向への反り量は9.0mmであった。
得られた結果を表1に示す。
保護方法の実施例1と同様の方法を実施した。その結
果、全ての評価で実施例1と同様の結果が得られた。得
られた結果を表1に示す。
ウェハ(直径:8インチ、厚み:750μm)の全表面
に貼着した状態で、裏面研削機((株)ディスコ製、形
式:DFG860)を用いて厚みが100μmになるま
でウェハ裏面を研削した。次いで、半導体ウェハ表面保
護用粘着フィルム1を剥離した。その後、150℃にお
いてダイボンディング用接着フィルム(日立化成(株)
製、商品名:ハイアタッチ)を半導体ウェハ裏面に貼着
(タカトリ(株)製、形式:DM−800)した。その
結果、PIウェハの裏面にダイボンディング用接着フィ
ルムを貼着する時に半導体ウェハが9枚割れ、ダイボン
ディング用接着フィルムが貼着できる状態ではなかっ
た。PIウェハ1枚については、ダイボンディング用接
着フィルムを貼着する際のウェハ割れ、及び該接着フィ
ルムの貼着後のアーム搬送に問題がなかった。反り量の
評価は実施例1と同様の結果となった。得られた結果を
表1に示す。
保護方法の実施例1と同様の方法を実施した。その結
果、PIウェハの裏面にダイボンディング用接着フィル
ムを貼付ける時の熱によりウェハが大きく反った。その
ため、ウェハが4枚割れた。残りの6枚のPIウェハに
おいて、アームに対する吸着不良が起こり、チャックテ
ーブルからアームによる搬送が出来なかった。表1に
は、この現象をエラーと記載した。裏面研削後のPIウ
ェハの反り量は、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム
貼付け面方向へ4.8mmであり、180℃で2分間加
熱後の反り量は、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム
貼付け面方向へ28.0mmであった。得られた結果を
表1に示す。
保護方法の実施例1と同様の方法を実施した。その結
果、PIウェハの裏面にダイボンディング用接着フィル
ムを貼付ける時の熱によりウェハが大きく反った。その
ため、ウェハが2枚割れた。残りの8枚のPIウェハに
おいて、アームに対する吸着不良が起こり、チャックテ
ーブルからアームによる搬送が出来なかった。表1に
は、この現象をエラーと記載した。ウェハ反り量の評価
結果は、裏面研削後のPIウェハの反り量は、半導体ウ
ェハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ4.3mm
であり、180℃で2分間加熱後の反り量は半導体ウェ
ハ表面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ25.0mm
であった。得られた結果を表1に示す。
保護方法の実施例1と同様の方法を実施した。その結
果、PIウェハの裏面にダイボンディング用接着フィル
ムを貼付ける時の熱によりウェハが大きく反った。その
ため、ウェハが5枚割れた。残りの5枚のPIウェハに
おいて、アームに対する吸着不良が起こり、チャックテ
ーブルからアームによる搬送が出来なかった。表1に
は、この現象をエラーと記載した。ウェハ反り量の評価
は、裏面研削後のPIウェハの反り量は半導体ウェハ表
面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ4.5mmであ
り、180℃で2分間加熱後の反り量は半導体ウェハ表
面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ28.3mmであ
った。得られた結果を表1に示す。
保護方法の実施例1と同様の方法を実施した。その結
果、PIウェハの裏面にダイボンディング用接着フィル
ムを貼付ける時の熱によりウェハが大きく反った。その
ため、ウェハが3枚割れた。残りの7枚のPIウェハに
おいて、アームに対する吸着不良が起こり、チャックテ
ーブルからアームによる搬送が出来なかった。表1に
は、この現象をエラーと記載した。ウェハ反り量の評価
は、裏面研削後のPIウェハの反り量は半導体ウェハ表
面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ4.0mmであ
り、180℃で2分間加熱後の反り量は半導体ウェハ表
面保護用粘着フィルム貼付け面方向へ25.5mmであ
った。得られた結果を表1に示す。
研削した。次いで、PIウェハ表面から半導体ウェハ表
面保護用粘着フィルム1を剥離した。粘着フィルム1を
剥離した後、PIウェハの反りを測定したところ反り量
は8.5mmであった。また、180℃で2分間加熱し
た後の反り量は10.0mmであった。
に薄層化され、且つ、ダイボンディング工程において高
温に晒された場合であっても、半導体ウェハの反りを矯
正し、ダイボンディング工程におけるウェハの搬送不
良、破損などを防止することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 基材フィルムの片表面に粘着剤層が形成
された半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムであって、
基材フィルムが、下記数式(1) |E×D×L|<15 ・・・(1) {数式(1)において、Eは23℃における貯蔵弾性率
(単位:GPa)、Dは厚み(単位:μm)、Lは18
0℃において2分間加熱したときの機械方向の収縮率
(単位:%)}で表される関係を満たし、且つ、厚みが
20〜300μmである層を少なくとも1層含むことを
特徴とする半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。 - 【請求項2】 基材フィルムの少なくとも1層が、23
〜200℃における貯蔵弾性率が1×107〜1×10
10Pa、180℃において2分間加熱したときの機械方
向の収縮率が0.01〜1%であることを特徴とする請
求項1記載の半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。 - 【請求項3】 前記数式(1)で表される関係を満た
し、且つ、厚みが20〜300μmである層を形成する
樹脂がシリコーンゴムであることを特徴とする請求項1
記載の半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。 - 【請求項4】 粘着剤層が、150℃における貯蔵弾性
率が少なくとも1×105Pa、厚みが3〜100μm
であることを特徴とする請求項1記載の半導体ウェハ表
面保護用粘着フィルム。 - 【請求項5】 半導体ウェハの回路形成面に半導体ウェ
ハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、半導体
ウェハの回路非形成面を加工する第二工程、及び半導体
ウェハの回路非形成面にダイボンティング用接着フィル
ムを貼着する第三工程を含む工程における半導体ウェハ
保護方法であって、半導体ウェハ表面保護用粘着フィル
ムを剥離することなしに第三工程を実施し、且つ、半導
体ウェハ表面保護用粘着フィルムとして、請求項1〜4
のいずれか1項に記載の半導体ウェハ表面保護用粘着フ
ィルムを用いることを特徴とする半導体ウェハ保護方
法。 - 【請求項6】 前記第二工程を経た後の半導体ウェハの
厚みが100μm以下であることを特徴とする請求項5
記載の半導体ウェハ保護方法。
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