JP2003337218A - 転写用積層体 - Google Patents

転写用積層体

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JP2003337218A
JP2003337218A JP2002146367A JP2002146367A JP2003337218A JP 2003337218 A JP2003337218 A JP 2003337218A JP 2002146367 A JP2002146367 A JP 2002146367A JP 2002146367 A JP2002146367 A JP 2002146367A JP 2003337218 A JP2003337218 A JP 2003337218A
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liquid crystal
layer
crystal layer
cholesteric liquid
film
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JP2002146367A
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English (en)
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Shinichiro Suzuki
慎一郎 鈴木
Haruyoshi Sato
晴義 佐藤
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Eneos Corp
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Nippon Oil Corp
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    • B44DECORATIVE ARTS
    • B44CPRODUCING DECORATIVE EFFECTS; MOSAICS; TARSIA WORK; PAPERHANGING
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    • B44C1/165Processes, not specifically provided for elsewhere, for producing decorative surface effects for applying transfer pictures or the like for decalcomanias; sheet material therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin

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  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹凸のある被転写体にも、転写後の偽造防止
効果が減じられることのない転写用積層体を提供する。 【解決手段】 少なくとも、再剥離性基板/ハードコー
ト層/コレステリック液晶層/変形防止層/粘・接着剤
層からなる転写用積層体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造防止アイテム
として使用されるコレステリック液晶層を有する転写用
積層体に関するものであり、より詳細には凹凸面にも転
写ができるコレステリック液晶層および変形防止層を少
なくとも有する構成の転写用積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】偽造防止アイテムとしては、ホログラム
の利用やコレステリック液晶の選択反射性を利用する方
法等が開発されている(特開昭63−51193号、特
開平4−144796号等)。これらの偽造防止アイテ
ムは、通常、転写用積層フィルムの形態で用意され、ホ
ットスタンプ等の方法により、転写用積層フィルムから
被転写体に転写される。転写方法として使用されるホッ
トスタンプ等では転写用積層フィルムに温度および圧力
が同時に加えられるため、被転写体の表面に凹凸がある
場合、転写後のホログラムや液晶層にもその凹凸が転写
形成され、ホログラムの回折構造やコレステリック液晶
層の配向状態が乱され偽造防止の効果が著しく損なわれ
てしまい十分な偽造防止アイテムとしての効果が得られ
ないと言う問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するものであり、凹凸のある被転写体であっても従
来使用されてきたホットスタンプ等の転写方法をそのま
ま用いることができ、転写後の偽造防止効果が減じられ
ることのない転写用積層体を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の第1
は、少なくとも、再剥離性基板/ハードコート層/コレ
ステリック液晶層/変形防止層/粘・接着剤層からなる
転写用積層体、に関する。本発明の第2は、前記コレス
テリック液晶層の両面に保護層が形成されていることを
特徴とする本発明の第1に記載の転写用積層体、に関す
る。本発明の第3は、本発明の第1における変形防止層
の厚みが0.3μm以上40μm以下であり、かつガラ
ス転移点(Tg)が20℃以上であることを特徴とする
本発明の第1に記載の転写用積層体に関する。本発明の
第4は、本発明の第1におけるコレステリック液晶層が
少なくとも一部に回折能を示す領域を有することを特徴
とする本発明の第1に記載の転写用積層体、に関する。
本発明の第5は、本発明の第1に記載の転写用積層体が
転写された物品、に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の転写用積層体は、少なくとも再剥離性基板/ハ
ードコート層/コレステリック液晶層/変形防止層/粘
・接着剤層から構成されるものである。ここで「再剥離
性基板/ハードコート層/コレステリック液晶層/変形
防止層/粘・接着剤層」とは、再剥離性基板、ハードコ
ート層、コレステリック液晶層、変形防止層、粘・接着
剤層の順に積層された構成を意味する。
【0006】本発明の構成要素である再剥離性基板と
は、フィルム状物で後述するハードコート層と剥離可能
であれば特に限定されるものではなく、例えばポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−ペンテン−
1)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネ
ート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリア
ミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスル
フォン、ポリスルフォン等から適宜選択して用いること
ができる。また再剥離性基板の表面に易接着処理、静電
防止処理、離型処理等の表面処理が施されているもので
あってもよい。再剥離性基板の膜厚は、10〜200μ
m、好ましくは16〜100μm、より好ましくは20
〜50μmである。この範囲外では、基板の搬送性が悪
化したり、転写用積層体の作製が困難となったりして好
ましくない。
【0007】また、本発明の構成要素であるハードコー
ト層としては、ハードコート能および前記再剥離性基板
との適度な剥離性を有していれば特に限定は無く、例え
ばアクリル樹脂系、オルガノポリシロキサン系、光硬化
型樹脂系のアクリルオリゴマー系、ウレタンアクリレー
ト系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレ
ート系、熱硬化型樹脂系のアクリル−シリコン系、また
はセラミックス等の無機系化合物等を用いることができ
る。なおこれらのハードコート層形成材料は、無溶媒
型、溶媒型のいずれであっても使用することができる。
【0008】さらにハードコート層としては、グラビア
インキ用ビヒクル樹脂等も好適に用いることができる。
グラビアインキ用ビヒクル樹脂としては、例えばニトロ
セルロース、エチルセルロース、ポリアミド樹脂、塩化
ビニル、塩素化ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリウ
レタン、ポリエステル等が挙げられる。またグラビアイ
ンキ用ビヒクル樹脂中に接着性向上や皮膜強度向上の為
に、例えばエステルガム、ダンマルガム、マレイン酸樹
脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、キ
シレン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂等のハードレジン
を配合してもよい。
【0009】ハードコート層の厚さは、当該層の構成材
料や機能等により異なるため一概にはいえないが、通常
0.3〜20μm、好ましくは0.5〜10μmであ
る。また、ハードコート層には必要に応じてヒンダード
アミンや消光剤等の光安定剤、帯電防止剤、スベリ性改
良剤、染料、顔料、界面活性剤、微細なシリカやジルコ
ニア等の充填剤等の各種添加剤を配合することもでき
る。これら各種添加剤の配合割合は、本発明の効果を損
なわない範囲であれば特に制限はないが、通常0.01
〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%であ
る。ハードコート性の度合い、すなわち硬度は、本発明
の積層体を構成する材質により一概に決定することはで
きないが、JIS L 0849記載の試験法に準じて
評価を行った場合、変色の判定基準として少なくとも3
以上、好ましくは4以上であることが望ましい。
【0010】本発明に用いられる変形防止層は、その膜
厚が0.3μm以上40μm以下、好ましくは0.5μ
m以上10μm以下であり、かつ、ガラス転移点(T
g)が20℃以上、好ましくは50℃以上の透明層であ
って、コレステリック液晶層の光学的特性を著しく損な
わなければ、材質に特に限定はない。膜厚及びガラス転
移点がこの範囲外ではその変形防止効果が不足したり、
一般の転写型偽造防止アイテムに求められる薄膜形態の
主旨に沿わなくなるなどから好ましくない。具体的な材
質としては、高分子化合物が好ましく、アクリル系、メ
タクリル系、ニトロセルロース系、エポキシ系化合物等
の重合体およびこれらの混合物や前述のハードコート層
の形成材料等を挙げることができる。変形防止層は架橋
成分の添加による部分架橋、可塑剤の添加、滑剤の添加
等により、物性の制御を行っても良い。
【0011】転写用積層体への変形防止層の形成方法に
ついても特に限定されないが、例として前述の再剥離性
基板フィルム上に予め上記膜厚を有する変形防止層とな
る材料を、塗布、押し出し、印刷等の方法により形成し
ておき、この層を必要により保護層や粘・接着剤を介し
てコレステリック液晶層に密着し、その後再剥離性基板
フィルムを剥離する転写法などが挙げられる。本発明に
おける変形防止層の作用は、転写用積層体を加熱加圧下
で被転写体表面に接着する際、被転写体表面の凹凸がコ
レステリック液晶層に転写されるのを防ぎ、液晶層の配
向状態の乱れを防止して、光学的、形状的な特性を保護
するものと考えられる。
【0012】本発明の構成要素であるコレステリック液
晶層としては、コレステリック配向が発現しそれを固定
化できるものであれば特に制限はなく、高分子液晶化合
物や低分子液晶化合物およびこれらの混合物が使用でき
る。
【0013】高分子液晶化合物としては、各種の主鎖型
高分子液晶化合物、側鎖型高分子液晶化合物、またはこ
れらの混合物を用いることができる。主鎖型高分子液晶
化合物としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ
カーボネート系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリ
ベンズイミダゾール系、ポリベンズオキサゾール系、ポ
リベンズチアゾール系、ポリアゾメチン系、ポリエステ
ルアミド系、ポリエステルカーボネート系、ポリエステ
ルイミド系等の高分子液晶化合物、またはこれらの混合
物等が挙げられる。
【0014】また、側鎖型高分子液晶化合物としては、
ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリビニ
ル系、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリマロネ
ート系、ポリエステル系等の直鎖状または環状構造の骨
格鎖を有する物質に側鎖としてメソゲン基が結合した高
分子液晶化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
これらのなかでも合成や配向の容易さなどから、主鎖型
高分子液晶化合物が好ましく、その中でも液晶性ポリエ
ステル系が特に好ましい。液晶性ポリエステルの構成単
位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単
位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あ
るいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を好適な例とし
て挙げられる。
【0015】また低分子液晶化合物としては、飽和ベン
ゼンカルボン酸誘導体類、不飽和ベンゼンカルボン酸誘
導体類、ビフェニルカルボン酸誘導体類、芳香族オキシ
カルボン酸誘導体類、シッフ塩基誘導体類、ビスアゾメ
チン化合物誘導体類、アゾ化合物誘導体類、アゾキシ化
合物誘導体類、シクロヘキサンエステル化合物誘導体
類、ステロール化合物誘導体類などの末端にビニル基、
(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基、エポキシ
基、オキセタン基、カルボキシル基、水酸基、アミノ
基、酸無水物基等の反応性官能基を導入した液晶性を示
す化合物や、前記化合物誘導体類のなかで液晶性を示す
化合物に架橋性化合物を添加した組成物などが挙げられ
る。上記の液晶化合物や組成物はコレステリック配向を
発現させるためにネマチック液晶化合物に光学活性化合
物を適宜添加したものであってもよい。
【0016】さらに、液晶化合物中に熱または光架橋反
応等によって反応しうる官能基または部位を有している
各種化合物を液晶性の発現を妨げない範囲で配合しても
良い。架橋反応しうる官能基等としては、前述の各種の
反応性官能基などが挙げられ、例えばアクリロイル基、
ビニル基やエポキシ基等の官能基を導入したビフェニル
誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチルベン誘導
体などを基本骨格としたものが例示できる。
【0017】また最終的に得られるコレステリック液晶
層の耐熱性等を向上させるために、前記の高分子液晶化
合物や低分子液晶化合物等にコレステリック相の発現を
妨げない範囲において、例えばビスアジド化合物やグリ
シジルメタクリレート等の架橋剤を添加することもで
き、これら架橋剤を添加することによりコレステリック
相を発現させた状態で架橋させることもできる。さらに
高分子液晶化合物や低分子液晶化合物等には、二色性色
素、染料、顔料等の各種添加剤を本発明の効果を損なわ
ない範囲において適宜添加してもよい。
【0018】コレステリック配向を固定化したコレステ
リック液晶層を形成するには、公知の方法を用いること
ができる。例えば、前記液晶化合物および必要に応じて
添加される各種の化合物を含む組成物を溶融状態で、あ
るいは該組成物の溶液を、配向基板上に塗布することに
より塗膜を形成し、次に該塗膜を乾燥、熱処理(液晶の
配向)することにより、あるいは必要により光照射およ
び/または加熱処理(重合・架橋)等の前述の配向を固
定化する手段を用いて配向を固定化することにより、コ
レステリック配向が固定化されたコレステリック液晶層
が形成される。
【0019】配向基板上に塗布する溶液の調製に用いる
溶媒に関しては、本発明に使用される液晶化合物や組成
物を溶解でき、適当な条件で留去できる溶媒であれば特
に制限は無く、一般的にアセトン、メチルエチルケト
ン、イソホロンなどのケトン類、ブトキシエチルアルコ
ール、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2
−プロパノールなどのエーテルアルコール類、エチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチ
ル、酢酸メトキシプロピル、乳酸エチルなどのエステル
類、フェノール、クロロフェノールなどのフェノール
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、
クロロホルム、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン
などのハロゲン化炭化水素類などやこれらの混合系が好
ましく用いられる。また、配向基板上に均一な塗膜を形
成するために、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤等を
溶液に添加しても良い。さらに、着色を目的として液晶
性の発現を妨げない範囲内で二色性染料や通常の染料や
顔料等を添加することもできる。
【0020】塗布方法については、塗膜の均一性が確保
される方法であれば、特に限定されることはなく公知の
方法を採用することができる。例えば、ロールコート
法、ダイコート法、ディップコート法、カーテンコート
法、スピンコート法などを挙げることができる。塗布の
後に、ヒーターや温風吹き付けなどの方法による溶媒除
去(乾燥)工程を入れても良い。塗布された膜の乾燥状
態における膜厚は、通常0.3〜20μm、好ましくは
0.5〜10μm、さらに好ましくは0.7〜3μmで
ある。この範囲外では、得られるコレステリック液晶層
の光学性能が不足したり、液晶化合物の配向が不十分に
なるなどして好ましくない。
【0021】続いて、必要なら熱処理などにより液晶の
配向を形成した後、配向の固定化を行う。熱処理は液晶
相発現温度範囲に加熱することにより、該液晶化合物が
本来有する自己配向能により液晶を配向させるものであ
る。熱処理の条件としては、用いる液晶化合物の液晶相
挙動温度(転移温度)により最適条件や限界値が異なる
ため一概には言えないが、通常10〜300℃、好まし
くは30〜250℃の範囲である。あまり低温では、液
晶の配向が十分に進行しないおそれがあり、また高温で
は、液晶化合物が分解したり配向基板に悪影響を与える
おそれがある。また、熱処理時間については、通常3秒
〜60分、好ましくは10秒〜30分の範囲である。3
秒よりも短い熱処理時間では、液晶の配向が十分に完成
しないおそれがあり、また60分を超える熱処理時間で
は、生産性が極端に悪くなるため、どちらの場合も好ま
しくない。液晶化合物が熱処理などにより液晶の配向が
完成したのち、そのままの状態で配向基板上の液晶化合
物層を、使用した液晶化合物に適した手段を用いて固定
化する。配向を固定化する方法としては、単に熱処理状
態から室温下に取り出す、強制冷却のために冷空気の吹
き付けや水冷ロールに接触させる、あるいは反応性官能
基や架橋性基を有する化合物を用いた場合は該基を反応
させる、などが例示できる。
【0022】前記配向基板としては、ポリイミド、ポリ
アミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、
ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセ
ルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のフィルム
およびこれらフィルムの一軸延伸フィルム等が例示でき
る。また前述の再剥離基板上にハードコート層を形成し
たフィルムも使用することができる。これらフィルムは
製造方法によっては改めて配向能を発現させるための処
理を行わなくとも本発明に使用される液晶化合物や組成
物に対して十分な配向能を示すものもあるが、配向能が
不十分、または配向能を示さない等の場合には、必要に
よりこれらのフィルムを適度な加熱下に延伸する、フィ
ルム面をレーヨン布等で一方向に擦るいわゆるラビング
処理を行う、フィルム上にポリイミド、ポリビニルアル
コール、シランカップリング剤等の公知の配向剤からな
る配向膜を設けてラビング処理を行う、酸化珪素等の斜
方蒸着処理、あるいはこれらを適宜組み合わせるなどし
て配向能を発現させたフィルムを用いても良い。また表
面に規則的な微細溝を設けたアルミニウム、鉄、銅など
の金属板や各種ガラス板等も配向基板として使用するこ
とができる。
【0023】また、上記コレステリック液晶層は、その
一部に回折能を示す領域を有していても良い。ここで回
折能を示す領域とは、その領域を透過した光またはその
領域で反射された光が、幾何学的には影になる部分に回
り込むような効果を生じる領域を意味する。また回折能
を有する領域の有無は、例えばレーザー光等を前記領域
に入射し、直線的に透過または反射する光(0次光)以
外に、ある角度をもって出射する光(高次光)の有無に
より確認することができる。また別法としては、原子間
力顕微鏡や透過型電子顕微鏡などで液晶層の表面形状や
断面形状を観察することにより前記領域が形成されてい
るか否か確認することができる。
【0024】回折能を示す領域は、コレステリック液晶
層表面および/または液晶層内部のいずれの領域であっ
てもよく、例えば液晶層表面の一部(液晶層表面領
域)、液晶層内部の一部(液晶層内部領域)に有するも
のでもよい。また当該領域は、コレステリック液晶層の
複数領域、例えば液晶層表裏面領域、複数の液晶層内部
領域にそれぞれに有するものであってもよい。また回折
能を示す領域は、例えば液晶層表面や内部に均一な厚さ
を持った層状態として形成されていることは必ずしも必
要とせず、液晶層表面や液晶層内部の少なくとも一部に
前記領域が形成されていればよい。例えば回折能を示す
領域が、所望の図形、絵文字、数字等の型を象るように
有したものであってもよい。さらに回折能を示す領域を
複数有する場合、全ての前記領域が同じ回折能を示す必
要性はなく、それぞれの領域において異なった回折能を
示すものであってもよい。また回折能を示す領域の配向
状態は、螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行ではないコ
レステリック配向、好ましくは螺旋軸方位が膜厚方向に
一様に平行でなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に
等間隔ではないコレステリック配向を形成していること
が望ましい。またそれ以外の領域においては、通常のコ
レステリック配向と同様の配向状態、すなわち螺旋軸方
位が膜厚方向に一様に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方
向に一様に等間隔な螺旋構造を形成していることが望ま
しい。なお本発明で言う液晶層表面とは、コレステリッ
ク液晶層単体において外部に接する部分を、また液晶層
内部とは、外部に接する以外の部分をそれぞれ意味す
る。
【0025】本発明においては、上記いずれのコレステ
リック液晶層を用いることもできるが、コレステリック
液晶層の製法や回折能の付与方法等の観点から、液晶層
表面領域の少なくとも一部、好ましくは液晶層表面領域
の全面に回折能を示す領域を有するコレステリック液晶
層が好適に用いられる。また回折能を示す領域を一方の
液晶層表面領域に有する際、その液晶層の表裏、すなわ
ち回折能を示す領域を有する液晶面とその面とは反対の
液晶面とは多少異なった光学効果、呈色効果等を示すこ
とから、後述の製造方法によってはその用途や目的とす
る機能等に応じてどちらの液晶層面に回折能を示す領域
を形成するのか選択することもできる。さらに回折能を
示す領域が層状態として形成されている場合、回折能を
示す層(領域)の厚みとしては、コレステリック液晶層
の膜厚に対して通常50%以下、好ましくは30%以
下、さらに好ましくは10%以下の厚みを有する層状態
で形成されていることが望ましい。回折能を示す層(領
域)の厚さが50%を超えると、コレステリック液晶相
に起因する選択反射特性、円偏光特性等の効果が低下
し、本発明の効果を得ることができない恐れがある。
【0026】回折能を有するコレステリック液晶層、高
分子液晶化合物や低分子液晶化合物またはその混合物を
用いてコレステリック配向を固定化したコレステリック
液晶層を予め用意し、コレステリック液晶層に回折素子
基板を貼り合わせ、熱および/または圧力を加えること
によって前記液晶層に回折素子基板の回折パターンを転
写する方法、または回折素子基板を配向基板として高分
子液晶化合物や低分子液晶化合物またはその混合物をコ
レステリック配向させた後、その配向状態を維持したま
ま固定化する方法等の方法により、フィルムの一部に回
折能を示す領域を有したコレステリック液晶層を得るこ
とができる。
【0027】回折パターンの転写に用いられる回折素子
基板の材質としては、金属や樹脂のような材料であって
も良く、あるいはフィルム表面に回折機能を付与したも
の、あるいはフィルムに回折機能を有する薄膜を転写し
たもの等、およそ回折機能を有するものであれば如何な
る材質であっても良い。なかでも取り扱いの容易さや量
産性を考えた場合、回折機能を有するフィルムまたはフ
ィルム積層体がより望ましい。
【0028】またここでいう回折素子とは、平面型ホロ
グラムの原版等の回折光を生じる回折素子全てをその定
義として含む。またその種類については、表面形状に由
来する回折素子、いわゆる膜厚変調ホログラムのタイプ
であってもよいし、表面形状に因らない、または表面形
状を屈折率分布に変換した位相素子、いわゆる屈折率変
調ホログラムのタイプであっても良い。本発明において
は、回折素子の回折パターン情報をより容易に液晶層に
付与することができる点から、膜厚変調ホログラムのタ
イプがより好適に用いられる。また屈折率変調のタイプ
であっても、表面形状に回折を生じる起伏を有したもの
であれば本発明に好適に用いることができる。
【0029】また回折パターンの転写方法としては、例
えば一般に用いられるヒートローラー、ラミネーター、
ホットスタンプ、電熱板、サーマルヘッド等を用い、加
圧・加温条件下にて行うことができる。加圧・加温条件
は、用いられる高分子液晶化合物や低分子液晶化合物等
の諸物性、回折素子基板の種類等によって異なり一概に
は言えないが、通常、圧力0.01〜100MPa、好
ましくは0.05〜80MPa、温度30〜400℃、
好ましくは40〜300℃の範囲において用いられる液
晶や基板等の種類によって適宜選択される。また先に説
明したように、配向基板として回折素子基板等を用いる
ことによって、配向段階において回折能を示す領域が形
成されたコレステリック液晶層を得ることができる。
【0030】本発明において必要によりコレステリック
液晶層の両面に設けられる保護層としてはコレステリッ
ク液晶層、ハードコート層および変形防止層に対する接
着性が良好であり、液晶層の光学的特性を損なわない範
囲であれば特に限定されない。例えば紫外線吸収剤を含
有した保護層形成材料をフィルム状物、シート状物、薄
膜状物に形成したものが挙げられる。中でも紫外線吸収
剤を添加した、光または電子線硬化型の反応性組成物
(以下、反応性接着剤という場合がある。)が好ましく
用いられる。なお、保護層を構成する材料はコレステリ
ック液晶層の両面で同一でもよく、また異なっていても
よい。さらに保護層を構成する材料は接着剤の機能を有
するものがより好ましい。
【0031】前記反応性接着剤としては、光または電子
線重合性を有するプレポリマーおよび/またはモノマー
に必要に応じて他の単官能、多官能性モノマー、各種ポ
リマー、安定剤、光重合開始剤、増感剤等を配合したも
のを用いることができる。
【0032】光または電子線重合性を有するプレポリマ
ーとしては、具体的にはポリエステルアクリレート、ポ
リエステルメタクリレート、ポリウレタンアクリレー
ト、ポリウレタンメタクリレート、エポキシアクリレー
ト、エポキシメタクリレート、ポリオールアクリレー
ト、ポリオールメタクリレート等を例示することができ
る。また光または電子線重合性を有するモノマーとして
は、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、2官
能アクリレート、2官能メタクリレート、3官能以上の
多官能アクリレート、多官能メタクリレート等が例示で
きる。またこれらは市販品を用いることもでき、例えば
アロニックス(アクリル系特殊モノマー、オリゴマー;
東亞合成(株)製)、ライトエステル(共栄社化学
(株)製)、ビスコート(大阪有機化学工業(株)製)
等を用いることができる。
【0033】また光重合開始剤としては公知のものが使
用でき、例えばベンゾフェノン誘導体類、アセトフェノ
ン誘導体類、ベンゾイン誘導体類、チオキサントン類、
ミヒラーケトン、ベンジル誘導体類、トリアジン誘導体
類、アシルホスフィンオキシド類、アゾ化合物等を用い
ることができる。その添加量も構成される成分により一
概には決められないが、プレポリマーおよび/またはモ
ノマーに対して0.05〜20重量%、好ましくは0.
2〜10重量%である。この範囲外では、添加効果がな
かったり耐候性が悪化したりして好ましくない。
【0034】本発明に用いることができる光または電子
線硬化型の反応性接着剤の粘度は、加工温度や塗布方法
等により適宜選択されるものであり一概にはいえない
が、通常25℃で10〜2000mPa・s、好ましく
は50〜1000mPa・s、さらに好ましくは100
〜500mPa・sである。粘度が10mPa・sより
低い場合には所望の厚さが得られ難くなり、また200
0mPa・sより高い場合には作業性が低下する恐れが
あるなどして望ましくない。粘度が上記範囲から外れて
いる場合には、適宜、溶剤やモノマーの割合を調整し所
望の粘度にすることが好ましい。
【0035】また光硬化型の反応性接着剤を用いた場
合、その硬化方法としては公知の硬化手段、例えば低圧
水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドラ
ンプ、キセノンランプ等を使用することができる。また
露光量は、用いる反応性接着剤の種類により異なるため
一概にはいえないが、通常50〜2000mJ/c
2、好ましくは100〜1000mJ/cm2である。
また電子線硬化型の反応性接着剤を用いた場合、その硬
化方法としては、電子線の透過力や硬化力により適宜選
定されるものであり一概にはいえないが、通常、加速電
圧が50〜1000kV、好ましくは100〜500k
Vの条件で照射して硬化することができる。
【0036】また、添加する紫外線吸収剤としては、保
護層形成材料に相溶または分散できるものであれば特に
制限はなく、例えばベンゾフェノン系化合物、サリシレ
ート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸
アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物等の有
機系紫外線吸収剤、酸化セシウム、酸化チタン、酸化亜
鉛等の無機系紫外線吸収剤を用いることができる。なか
でも紫外線吸収効率が高いベンゾフェノン系化合物が好
適に用いられる。また紫外線吸収剤は、1種単独または
複数種添加することができる。保護層中の紫外線吸収剤
の配合割合は、使用する保護層形成材料により異なる
が、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10
重量%である。
【0037】保護層の厚さは、用いられる用途やその作
業性等により異なるため一概にはいえないが、通常0.
5〜50μm、好ましくは1〜10μmである。また形
成方法としては、例えばロールコート法、ダイコート
法、バーコート法、カーテンコート法、エクストルージ
ョンコート法、グラビアロールコート法、スプレーコー
ト法、スピンコート法等の公知の方法を用いて形成する
ことができる。
【0038】また、保護層には必要に応じてヒンダード
アミンや消光剤等の光安定剤、帯電防止剤、スベリ性改
良剤、染料、顔料、界面活性剤、微細なシリカやジルコ
ニア等の充填剤等の各種添加剤を配合することもでき
る。これら各種添加剤の配合割合は、本発明の効果を損
なわない範囲であれば特に制限はないが、通常0.01
〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%であ
る。
【0039】本発明の構成要素である粘・接着剤層とし
ては、特に限定されるものではなく、変形防止層に対し
て十分な粘・接着力を有し、変形防止層の物性およびコ
レステリック液晶層の光学的特性を損なわない範囲であ
れば特に限定は無く、例えば、従来公知の様々な粘・接
着剤、エポキシ樹脂系、アクリル系、シリコーン系、ゴ
ム系、ホットメルト型接着剤、紫外線硬化型接着剤等を
適宜用いることができる。
【0040】次に本発明における積層体の製造方法につ
いて説明する。本発明の転写用積層体の製造方法として
は、これらに限定されるものではないが、下記工程に示
される各工程を踏むことが望ましい。本発明における積
層体の製造方法は、配向基板上にコレステリック配向が
固定化されたコレステリック液晶層を、保護層(接着剤
機能を有する)を介して予めハードコート層を形成した
再剥離性基板のハードコート層面と接着せしめた後、配
向基板を剥離してコレステリック液晶層を再剥離性基板
に転写することにより、「再剥離性基板/ハードコート
層/保護層/コレステリック液晶層」からなる形態を作
製する。ついでコレステリック液晶層面に保護層となる
接着剤を介して予め変形防止層を形成した再剥離性基板
2を接着せしめた後、再剥離性基板2を剥離して、変形
防止層を液晶層に転写する。ついで変形防止層に粘・接
着剤層を設置することにより「再剥離性基板/ハードコ
ート層/保護層/コレステリック液晶層/保護層/変形
防止層/粘・接着剤層」からなる本発明の転写用積層体
を製造することができる。
【0041】また、コレステリック層への回折パターン
形成は、配向基板に回折素子基板を用いる方法、配
向基板上にコレステリック液晶層を形成後、回折パター
ンを転写する方法、コレステリック液晶層を再剥離性
基板に転写後、回折パターンを転写する方法により形成
することができる。
【0042】本発明の転写用積層体は回折能とコレステ
リック液晶固有の光学的特性を兼備しているので、新し
いタイプの偽造防止フィルム、シール、ラベル等に用い
ることができ、本発明の転写用積層体が転写された物品
としては、自動車運転免許証、身分証明書、パスポー
ト、クレジットカード、プリペイドカード、各種金券、
ギフトカード、有価証券等の偽造を防止したいシート状
またはカード状物品やその他の物品に転写して偽造防止
能を付与することができる。中でも、本発明の転写用積
層体は凹凸のある面にも適用可能なため、従来は困難で
あった紙類を用いた各種金券やギフトカード等にも良好
に転写することができ、さらには表面に艶消し処理等の
施された凹凸を有するプラスチック成型体の表面にも転
写することもできる。
【0043】
【発明の効果】偽造防止アイテムとして、凹凸のある被
転写体への転写においてもコレステリック液晶層の配向
状態を乱すことなく、コレステリック液晶および回折素
子のそれぞれの偽造防止効果を併せ持ったものを作製す
ることができる転写用積層体を提供できる。
【0044】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】(参考例1)テレフタル酸50mmol、
ヒドロキシ安息香酸20mmol、カテコール20mm
ol、(R)−2−メチル−1,4−ブタンジオール1
0mmolおよび酢酸ナトリウム100mgを用いて窒
素雰囲気下、180℃で1時間、200℃で1時間、2
50℃で1時間と段階状に昇温しながら重縮合反応を行
った。次いで窒素を流しながら250℃で2時間重縮合
反応を続け、さらに減圧下同温度で1時間重縮合を行っ
た。得られたポリマーをテトラクロロエタンに溶解後、
メタノールで再沈澱を行い、液晶性ポリエステルを得
た。この液晶性ポリエステルの対数粘度は0.17dl
/g、液晶層としてネマチック相を持ち、等方相−液晶
相転移温度は250℃以上、DSCによるガラス転移温
度は115℃であった。
【0046】なお得られたポリエステルの各分析方法は
以下の通りである。 (1)ポリマーの対数粘度 ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロ
エタン=60/40(重量比)溶媒中、濃度0.5g/
100ml、30℃で測定した。 (2)ガラス転移点(Tg) Du Pont 990 Thermal Analize
rを使用して測定した。 (3)液晶相の同定 オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡を用いて観察
した。
【0047】(参考例2)参考例1で得られた液晶性ポ
リエステルのN−メチル−2−ピロリドン溶液(20重
量%)を調製し、該溶液をレーヨン布でラビング処理し
たポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルム上にス
ピンコート法で塗布した。塗布後、乾燥処理を行ってN
−メチル−2−ピロリドンを除去し、PPSフィルム上
に液晶性ポリエステルの塗布膜を形成した。次いで該液
晶性フィルムの塗布膜を200℃の加熱雰囲気において
5分間熱処理を行い、室温下に冷却することによって、
PPSフィルム上に金色の鏡面反射を呈するコレステリ
ック液晶層を有するPPSフィルムを得た。得られたコ
レステリック液晶層を有するPPSフィルムのコレステ
リック液晶層面に、粘着剤付トリアセチルセルロースフ
ィルムを積層した後、PPSフィルムを剥離し分析用フ
ィルムを得た。
【0048】分析用フィルムを日本分光(株)製紫外可
視近赤外分光光度計V−570にて透過スペクトルを測
定したところ、中心波長が約600nm、選択反射波長
帯域幅が約100nmの選択反射を示すコレステリック
配向が固定化されたコレステリック液晶層であることが
確認された。またコレステリック液晶層の配向状態を偏
光顕微鏡観察および液晶層断面の透過型電子顕微鏡観察
を行ったところ、コレステリック相における螺旋軸方位
が膜厚方向に一様に平行で、また螺旋ピッチが膜厚方向
に一様に等間隔なコレステリック配向を形成しているこ
とが確認できた。
【0049】(参考例3)再剥離性基板となる東レ
(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルムS10
(膜厚25μm)の表面に、ハードコート層となる1μ
m膜厚のポリメチルメタクリレート層(Mn3800
0、Mw/Mn=1.6、ポリスチレン換算)をグラビ
ア印刷で形成し、ハードコート層付再剥離性基板1を作
製した。
【0050】(参考例4)再剥離性基板である東レ
(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルムS10
(膜厚25μm)の表面に、変形防止層となる3μm膜
厚のポリメチルメタクリレート層(Mn50000、M
w/Mn=1.6、ポリスチレン換算)をグラビア印刷
で形成し、変形防止層付再剥離性基板2を作製した。
【0051】(実施例1)参考例2で得られたコレステ
リック液晶層を有するPPSフィルムのコレステリック
液晶層面に保護層1となる接着剤として、ベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤CyasorbUV−24(サイテッ
ク社製)を5.0重量%添加した紫外線硬化型接着剤
(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630(商品
名)を同社製M−150(商品名)および同社製M−3
15(商品名)で希釈し、粘度を300mPa・sに調
製したもの)をバーコーターで厚さ5μmとなるように
塗布した。
【0052】次いで参考例3で得られたハードコート層
付再剥離性基板1をハードコート層面が上記接着剤塗布
面と接するように卓上ラミネーターを用いて貼り合わ
せ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、再剥離性基板
1/ハードコート層/保護層1/コレステリック液晶層
/PPSフィルムの積層体を形成した。次いで、配向基
板として用いたPPSフィルムの端部を手で持ち180
゜方向に剥離し、PPSフィルムとコレステリック液晶
層とを界面で剥離し、再剥離性基板1/ハードコート層
/保護層1/コレステリック液晶層の順に積層された積
層体を得た。
【0053】次いでエドモンド・サイエンティフィック
・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900本/m
m)の回折面と積層体のコレステリック液晶層面が向き
合うように重ね、東京ラミネックス社製ラミネーターD
X−350を用い、120℃、0.3MPa、ロール接
触時間1秒の条件で加熱加圧を行った(回折格子フィル
ム/コレステリック液晶層/保護層1/ハードコート層
/再剥離性基板1)。室温まで冷却後、回折格子フィル
ムを取り除いた。回折格子フィルムが重ねられていたコ
レステリック液晶層面を観察したところ、回折パターン
に起因する虹色とコレステリック液晶に特有の選択反射
とが明瞭に認められた。また回折格子フィルムを取り除
いたコレステリック液晶層面の配向状態を偏光顕微鏡観
察および液晶層断面の透過型電子顕微鏡観察をしたとこ
ろ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜厚方向に
一様に平行ではなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様
に等間隔ではないコレステリック配向が液晶層の表面領
域に形成されていることが確認された。またそれ以外の
領域においては、螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行
で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔なコレス
テリック配向が形成していることが確認された。またコ
レステリック液晶層面内に垂直にHe−Neレーザー
(波長632.8nm)を入射したところ、0゜および
約±35゜の出射角にレーザー光が観察された。さらに
偏光特性を確認するために、通常の室内照明下に得られ
た積層体をおき、右円偏光板(右円偏光のみ透過)を介
して観察したところ、虹色の反射回折光が観察され、偏
光板なしで観察した場合の明るさとほぼ同じであった。
これに対し左円偏光板(左円偏光のみ透過)を介して観
察したところ、暗視野となり、虹色の反射回折光は観察
されなかった。これらのことより該積層体を構成するコ
レステリック液晶層には、回折能を示す領域が層表面領
域に形成され、またその回折光が右円偏光であることが
確認された。
【0054】次いで、参考例4で得られた変形防止層付
再剥離性基板2の変形防止層面に保護層2となる紫外線
硬化型接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3
630(商品名)を同社製M−150(商品名)および
同社製M−315(商品名)で希釈し、粘度を300m
Pa・sに調製したもの)をバーコーターで厚さ5μm
となるように塗布し、回折パターンを形成した再剥離性
基板/ハードコート層/保護層1/コレステリック液晶
層からなる積層体のコレステリック液晶層面が接着剤塗
布面と接するように卓上ラミネーターを用いて貼り合わ
せ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、再剥離性基板
1/ハードコート層/保護層1/コレステリック液晶層
/保護層2/変形防止層/再剥離性基板2の積層体を形
成した。
【0055】次いで、再剥離性基板2を剥離し、変形防
止層面にホットメルト接着剤(日本製紙(株)製スーパ
ークロン851L)をバーコーターで厚さ5μmとなる
ように塗布し、再剥離性基板1/ハードコート層/保護
層1/コレステリック液晶層/保護層2/変形防止層/
接着剤層から構成される転写用積層体を得た。得られた
転写用積層体をロール式ホットスタンピングマシン(ナ
ビタス(株)製RD−150D)を用いて、再剥離性基
板1側から熱ロールで加熱、加圧し、上質紙(クリーム
キンマリ90)に転写を行った。上質紙に転写されたハ
ードコート層/保護層1/コレステリック液晶層/保護
層2/変形防止層/接着剤層/上質紙から構成される積
層体におけるコレステリック液晶層の配向状態、回折能
および偏光能の効果を観察したところ、いずれも転写前
の状態と変化は見られなかった。得られた積層体の促進
耐光性試験を島津製作所製キセノンアークランプ式耐光
性試験機サンテスタCPSを用い、試料面放射照度10
0W/m2(波長範囲300〜700nm)、試験時間
100時間という条件で行った。
【0056】試験の結果、積層体の反射色と試験前の反
射色とを目視にて比較観察したところ、反射色に差異が
見られず、促進耐光性試験後でも回折パターンに起因す
る虹色呈色特性とコレステリック液晶に特有の選択反射
特性が保たれていた。さらに積層体を構成するコレステ
リック液晶層の配向状態、回折能および偏光能の効果を
観察したところ、いずれも試験前の状態と変化は見られ
なかった。次いで得られた積層体の耐摩擦性試験をスガ
試験機(株)製摩擦試験機FR−I型を用いて行った。
該積層体を保護層が上面になるように固定し、摩擦子に
乾燥状態の白綿布を装着し、試験片上10cmの間を5
0秒間50往復の摩擦操作を行った。試験後の保護層を
目視観察したところ、保護層にほとんど傷は見られず、
変色判定基準は3であった。
【0057】(比較例1)実施例1において、変形防止
層付再剥離性基板2に変えて、再剥離性基板2として東
レ(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルムS10
(膜厚25μm)を用いる以外は実施例1と同様に行
い、変形防止層を欠いた積層体を得た。得られた上質紙
に転写されたハードコート層/保護層1/コレステリッ
ク液晶層/保護層2/接着剤層/上質紙から構成される
積層体におけるコレステリック液晶層の配向状態、回折
能および偏光能の効果を観察したところ、いずれも転写
前の状態とは全く異なり、配向状態、回折パターンとも
ほとんど消失していた。
【0058】(実施例2)予めシリコーン系離型剤で表
面処理したPPSフィルム上にシリコーン系ワニスKR
9706(ハードコート剤;信越化学工業(株)製商品
名)を硬化後の膜厚が1μmとなるように形成(ハード
コート層)し、さらにレーヨン布でラビング処理を施し
た同面に参考例2で調製した液晶性ポリエステル溶液を
スピンコート法で塗布し、80℃のホットプレート上で
溶媒を除去後200℃で5分間熱処理を行い、室温に冷
却してコレステリック液晶層が形成されたPPSフィル
ムを得た.得られたコレステリック液晶層面に実施例1
と同様にして回折格子パターンを転写した。
【0059】次いで、参考例4で得られた変形防止層付
再剥離性基板2の変形防止層面に保護層となる紫外線硬
化型接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−36
30(商品名)を同社製M−150(商品名)および同
社製M−315(商品名)で希釈し、粘度を300mP
a・sに調製したもの)をバーコーターで厚さ5μmと
なるように塗布し、回折パターンを形成したPPSフィ
ルム/ハードコート層/コレステリック液晶層からなる
積層体のコレステリック液晶層面が接着剤塗布面に接す
るように卓上ラミネーターを用いて貼り合わせ、紫外線
を照射し、接着剤を硬化させ、PPSフィルム/ハード
コート層/コレステリック液晶層/保護層/変形防止層
/再剥離性基板2の積層体を形成した。
【0060】次いで、再剥離性基板2を剥離し、変形防
止層面にホットメルト接着剤(日本製紙(株)製スーパ
ークロン851L)をバーコーターで厚さ5μmとなる
ように塗布し、PPSフィルム/ハードコート層/コレ
ステリック液晶層/保護層/変形防止層/接着剤層から
構成される転写用積層体を得た。得られた積層体をロー
ル式ホットスタンピングマシン(ナビタス(株)製RD
−150D)を用いて、PPSフィルム側から熱ロール
で加熱、加圧し、上質紙(クリームキンマリ90)に転写
を行った。上質紙に転写されたハードコート層/コレス
テリック液晶層/保護層/変形防止層/接着剤層/上質
紙から構成される積層体におけるコレステリック液晶層
の配向状態、回折能および偏光能の効果を観察したとこ
ろ、いずれも転写前の状態と変化は見られなかった。
【0061】(実施例3)実施例1で得られた転写用積層
体をロール式ホットスタンピングマシン(ナビタス
(株)製RD−150D)を用いて、再剥離性基板1側
から熱ロールで加熱、加圧し、中心線平均あらさ50μ
m、最大高さ100μmの艶消しプラスチック板に転写
を行った。艶消しプラスチック板に転写されたハードコ
ート層/保護層1/コレステリック液晶層/保護層2/
変形防止層/接着剤層/艶消しプラスチック板から構成
される積層体におけるコレステリック液晶層の配向状
態、回折能および偏光能の効果を観察したところ、いず
れも転写前の状態と変化は見られなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA02 JB08 JB09 LA04 2H049 AA40 AA43 AA64 2K009 AA15 CC09 CC24 CC42 CC47

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、再剥離性基板/ハードコー
    ト層/コレステリック液晶層/変形防止層/粘・接着剤
    層からなる転写用積層体。
  2. 【請求項2】 コレステリック液晶層の両面に保護層が
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の転写用
    積層体。
  3. 【請求項3】 変形防止層の厚みが0.3μm以上40
    μm以下であり、かつガラス転移点(Tg)が20℃以
    上であることを特徴とする請求項1記載の転写用積層
    体。
  4. 【請求項4】 コレステリック液晶層が少なくとも一部
    に回折能を示す領域を有することを特徴とする請求項1
    記載の転写用積層体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の転写用積層体が転写され
    た物品。
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