JP2003336658A - 車両ステアリング用伸縮軸 - Google Patents
車両ステアリング用伸縮軸Info
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Abstract
向ガタ付きを確実に防止して、高剛性の状態でトルクを
伝達し、しかも、球状転動体の圧痕の付着を防止するこ
と。 【解決手段】 板バネ9を介装したボール7が配置して
ある一対の軸方向溝3,5においては、ボール7だけで
なく、ニードルローラー20をも配置してある。そのた
め、過大なトルクが入力された場合、過大なトルクは、
その大部分がニードルローラー20に作用し、ボール7
には殆ど作用しない。従って、ボール7の点圧接による
局部的な面圧上昇がなく、ボール7の圧痕の付着を防止
できる。
Description
を実現すると共に、回転方向ガタ付きを確実に防止し
て、高剛性の状態でトルクを伝達でき、しかも、球状転
動体の圧痕の付着を防止できる車両ステアリング用伸縮
軸に関する。
雄軸と雌軸を回転不能に且つ摺動自在にスプライン嵌合
した伸縮軸を用いているが、安定した摺動荷重を実現す
ると共に、ガタ付きを確実に防止して、高剛性の状態で
トルクを伝達できる構造が要求されている。
4925号の出願において、これらを満足できるよう
に、球状転動体(ボール)や摺動体(ニードルローラ)
を用いた伸縮軸を提案している。図7乃至図10を参照
しつつ具体的に説明する。
係る車両ステアリング用伸縮軸の側面図であり、図7
(b)は、その斜視図である。図8は、図7(a)のA
−A線に沿った横断面図である。図9は、図7に示した
伸縮軸の雄軸と雌軸を分離した状態の斜視図である。図
10(a)(b)は、夫々、板バネの実施例の平面図で
あり、図10(c)は、図7に示した車両ステアリング
用伸縮軸の分解斜視図である。
縮軸(以後、伸縮軸と記す)は、相互に回転不能に且つ
摺動自在に嵌合した雄軸1と雌軸2とからなる。
周方向に120度間隔で等配した3個の略円弧状の軸方
向溝3,4が延在して形成してある。雌軸2の内周面に
も、周方向に120度間隔で等配した3個の略円弧状の
軸方向溝5,6が延在して形成してある。
の略円弧状の軸方向溝5との間に、予圧用の波形形状の
板バネ9を介して、複数個のボール7(球状転動体)が
転動自在に嵌合してある。なお、雄軸1の軸方向溝3の
両側には、この板バネ9を係止するための段部3aが形
成してある。
雌軸2の2個の略円弧状の軸方向溝6との間には、夫
々、2個のニードルローラー8(摺動体)が摺動自在に
嵌合してある。
7とニードルローラー8を雌軸2に対してガタ付きのな
い程度に予圧する一方、トルク伝達時には、弾性変形し
てボール7を雌軸2の間で周方向に拘束する働きをする
ようになっている。
ニードルローラー8と板バネ9の両端部が位置する雄軸
1の部位には、2個の周方向溝10が形成してある。ま
た、図10(a)に示すように、板バネ9の軸方向の両
端部には、突起9aが形成してある。これらにより、図
9に示すように、周方向溝10に、2個の止め輪11を
嵌め合わせ、2個のニードルローラー8を軸方向に固定
していると共に、板バネ9の突起9aを係止して板バネ
9を軸方向に固定している。なお、板バネ9の軸方向の
両端部に形成した突起は、図10(b)に符号9bで示
すような形状であってもよい。
より保持してあり、ボール7と保持器12は、摺動時、
止め輪11により、軸方向の移動を規制されるようにな
っている。
その両端部の凹部9cで雄軸1の軸方向溝3の両側の段
部3aに係止してあり、これにより、トルク伝達時、板
バネ9全体が周方向に移動できないようになっている。
非伝達時には、「転がり用」と「滑り用」の2種類のボ
ール7とニードルローラー8を用いていると共に、板バ
ネ9により、ボール7を雌軸2に対してガタ付きのない
程度に予圧しているため、雄軸1と雌軸2の間のガタ付
きを確実に防止することができると共に、雄軸1と雌軸
2は、ガタ付きのない安定した摺動荷重で軸方向に摺動
することができる。
軸1と雌軸2の間に介装されている2列のニードルロー
ラー8が主なトルク伝達の役割を果たす。例えば、雄軸
1からトルクが入力された場合、初期の段階では、板バ
ネ9の予圧がかかっているため、ガタ付きはなく、板バ
ネ9がトルクに対する反力を発生させてトルクを伝達す
る。この時は、雄軸1・板バネ9・ボール7・雌軸2間
のトルク伝達荷重と、雄軸1・ニードルローラー8・雌
軸2間のトルク伝達荷重がつりあった状態で全体的なト
ルク伝達がされる。
すように、雄軸1・ニードルローラー8・雌軸2間の回
転方向の隙間は、雄軸1・板バネ9・ボール7・雌軸2
間の隙間に比べて、小さく設定してあるため、ニードル
ローラー8は、ボール7に比べて、強く反力を受けて、
ニードルローラー8が主にトルクを雌軸2に伝える。そ
のため、雄軸1と雌軸2の回転方向ガタを確実に防止す
るとともに、高剛性の状態でトルクを伝達することがで
きる。
様に、ニードルローラー8は、ボール7に比べて、強く
反力を受けて、ニードルローラー8が主にトルクを雌軸
2に伝える。
示すように、更に過大なトルクが入力された場合、板バ
ネ9を介してボール7を配置した一対の軸方向溝3,5
にあっては、過大なトルクがボール7にも作用すること
があり、ボール7と雌軸2の軸方向溝5の間、及びボー
ル7と板バネ9との間にも、過大な荷重がかかる。
及び板バネ9の表面は、ボール7の点接触(点圧接)に
より、局部的に面圧が上昇し、これら雌軸2の軸方向溝
5の内周面、及び板バネ9の表面には、ボール7の圧痕
が付着し、この圧痕により、摺動性能の劣化を招来する
といった虞れがある。
されたものであって、安定した摺動荷重を実現すると共
に、回転方向ガタ付きを確実に防止して、高剛性の状態
でトルクを伝達でき、しかも、球状転動体の圧痕の付着
を防止できる車両ステアリング用伸縮軸を提供すること
を目的とする。
め、本発明に係る車両ステアリング用伸縮軸は、車両の
ステアリングシャフトに組込み、雄軸と雌軸を回転不能
に且つ摺動自在に嵌合した車両ステアリング用伸縮軸に
おいて、前記雄軸の外周面と前記雌軸の内周面に形成し
た少なくとも一対の軸方向溝の間に、予圧用の弾性体を
介して、転動体を介装すると共に、当該一対の軸方向溝
の間に、摺動体をも介装したことを特徴とする。
面と雌軸の内周面に形成した少なくとも一対の軸方向溝
の間に、予圧用の弾性体を介して、転動体を介装すると
共に、当該一対の軸方向溝の間に、摺動体をも介装して
いる。
弾性体を介装した球状転動体が配置してある一対の軸方
向溝においては、転動体だけでなく、摺動体をも配置し
てあるため、過大なトルクは、その大部分が摺動体に作
用し、転動体には殆ど作用しない。
ルク負荷を受け、転動体は、殆どトルク負荷を受けない
ことから、従来のような転動体の点接触(点圧接)によ
る局部的な面圧上昇がなく、転動体の圧痕の付着を防止
することができ、圧痕による摺動性能の劣化を招来する
といったこともない。
と雌軸の間の回転方向ガタ付きを確実に防止して、高剛
性の状態でトルクを伝達することができる。
ましくは前記雄軸又は前記雌軸にトルクが付加されてい
ない時、前記いずれか一方の軸方向溝と、前記摺動体と
の間に、微小な隙間が存在する構成とすることができ
る。
は、好ましくは前記転動体は、球状の転動体とすること
ができる。
伸縮軸において、好ましくは前記摺動体は、ニードルロ
ーラーとすることができる。。
て、好ましくは前記弾性体は、板バネとすることができ
る。
車両ステアリング用伸縮軸を図面を参照しつつ説明す
る。
実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の分解斜視
図である。図2は、図1に示した車両ステアリング用伸
縮軸の縦断面図である。図3は、図2のIII−III
線に沿った横断面図である。図4は、図2のIV−IV
線に沿った横断面図である。
縮軸(以後、伸縮軸と記す)は、相互に回転不能に且つ
摺動自在に嵌合した雄軸1と雌軸2とからなる。
周方向に120度間隔で等配した3個の略円弧状の軸方
向溝3,4が延在して形成してある。雌軸2の内周面に
も、周方向に120度間隔で等配した3個の略円弧状の
軸方向溝5,6が延在して形成してある。
の略円弧状の軸方向溝5との間に、予圧用の波形形状の
板バネ9を介して、複数個のボール7(球状転動体)が
転動自在に嵌合してある。なお、雄軸1の軸方向溝3の
両側には、この板バネ9を係止するための段部3aが形
成してある。
雌軸2の2個の略円弧状の軸方向溝6との間には、夫
々、2個のニードルローラー8(摺動体)が摺動自在に
嵌合してある。
7とニードルローラー8を雌軸2に対してガタ付きのな
い程度に予圧する一方、トルク伝達時には、弾性変形し
てボール7を雌軸2の間で周方向に拘束する働きをする
ようになっている。
方向溝3と、雌軸2の略円弧状の軸方向溝5との間に、
短い1個のニードルローラー20(摺動体)が摺動自在
に嵌合してある。
ルクが付加されていない時、雌軸2の略円弧状の軸方向
溝5と、ニードルローラー20との間には、微小な回転
方向の隙間(ΔR)が存在している。
0・雌軸2間の回転方向の隙間(ΔR)は、雄軸1・板
バネ9・ボール7・雌軸2間の隙間(ΔB)に比べて、
小さく設定してある。
ー8の両端部、及びニードルローラー20の一端部が位
置する雄軸1の部位には、2個の周方向溝10が形成し
てある。これにより、図2に示すように、周方向溝10
に、2個の止め輪11を嵌め合わせ、2個のニードルロ
ーラー8を軸方向に固定している。
その両端部の凹部9cで雄軸1の軸方向溝3の両側の段
部3aに係止してあり、これにより、トルク伝達時、板
バネ9全体が周方向に移動できないようになっている。
非伝達時には、「転がり用」と「滑り用」の2種類のボ
ール7とニードルローラー8を用いていると共に、板バ
ネ9により、ボール7を雌軸2に対してガタ付きのない
程度に予圧しているため、雄軸1と雌軸2の間のガタ付
きを確実に防止することができると共に、雄軸1と雌軸
2は、ガタ付きのない安定した摺動荷重で軸方向に摺動
することができる。
うに、雄軸1と雌軸2の間に介装されている2列のニー
ドルローラー8が主なトルク伝達の役割を果たす。例え
ば、雄軸1からトルクが入力された場合、初期の段階で
は、板バネ9の予圧がかかっているため、ガタ付きはな
く、板バネ9がトルクに対する反力を発生させてトルク
を伝達する。この時は、雄軸1・板バネ9・ボール7・
雌軸2間のトルク伝達荷重と、雄軸1・ニードルローラ
ー8・雌軸2間のトルク伝達荷重がつりあった状態で全
体的なトルク伝達がされる。
図4に示すように、雄軸1・ニードルローラー8・雌軸
2間の回転方向の隙間は、雄軸1・板バネ9・ボール7
・雌軸2間の隙間に比べて、小さく設定してあるため、
ニードルローラー8は、ボール7に比べて、強く反力を
受けて、ニードルローラー8が主にトルクを雌軸2に伝
える。そのため、雄軸1と雌軸2の回転方向ガタを確実
に防止するとともに、高剛性の状態でトルクを伝達する
ことができる。
様に、ニードルローラー8は、ボール7に比べて、強く
反力を受けて、ニードルローラー8が主にトルクを雌軸
2に伝える。
が入力された場合、図3及び図4に示すように、板バネ
9を介装したボール7が配置してある一対の軸方向溝
3,5においては、ボール7だけでなく、1個の短いニ
ードルローラー20をも配置してあり、さらに、雄軸1
・ニードルローラー20・雌軸2間の回転方向の隙間
(ΔR)は、雄軸1・板バネ9・ボール7・雌軸2間の
隙間(ΔB)に比べて、小さく設定してある。
合、雄軸1・板バネ9・ボール7・雌軸2間の隙間(Δ
B)が完全に無くなる前に、ニードルローラー20が軸
方向溝3,5に接触することができる。その結果、過大
なトルクは、その大部分がニードルローラー20に作用
し、ボール7には殆ど作用しない。
により過大なトルク負荷を受け、ボール7は、過大なト
ルク負荷を受けないことから、従来のようなボール7の
点接触(点圧接)による局部的な面圧上昇がなく、ボー
ル7の圧痕の付着を防止することができ、圧痕による摺
動性能の劣化を招来するといったこともない。
と雌軸の間の回転方向ガタ付きを確実に防止して、高剛
性の状態でトルクを伝達することができる。
実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の縦断面図
である。
3,5において、ボール7の両側に、夫々、2個の短い
ニードルローラー20(摺動体)が配置してある。これ
により、倒れ方向の荷重入力時にも耐える構造を提供す
ることができる。その他の構成等は、上述した第1実施
の形態と同様である。
実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の縦断面図
である。
側に、夫々、2個の短いニードルローラー20を配置し
てあいるため、ニードルローラー8は、軸方向に長くな
ってしまい、雄軸1や雌軸2がもともと有する曲がりや
捩れ形状に摺動特性が左右されてしまう虞れがある。
ローラー8を2分割して、ニードルローラー8a,8b
として配置することにより、上記の影響を抑えている。
その他の構成等は、上述した第1実施の形態と同様であ
る。
定されず、種々変形可能である。
雄軸の外周面と雌軸の内周面に形成した少なくとも一対
の軸方向溝の間に、予圧用の弾性体を介して、転動体を
介装すると共に、当該一対の軸方向溝の間に、摺動体を
も介装している。
弾性体を介装した球状転動体が配置してある一対の軸方
向溝においては、転動体だけでなく、摺動体をも配置し
てあるため、過大なトルクは、その大部分が摺動体に作
用し、転動体には殆ど作用しない。
ルク負荷を受け、転動体は、殆どトルク負荷を受けない
ことから、従来のような転動体の点接触(点圧接)によ
る局部的な面圧上昇がなく、転動体の圧痕の付着を防止
することができ、圧痕による摺動性能の劣化を招来する
といったこともない。
と雌軸の間の回転方向ガタ付きを確実に防止して、高剛
性の状態でトルクを伝達することができる。
グ用伸縮軸の分解斜視図である。
面図である。
る。
グ用伸縮軸の縦断面図である。
グ用伸縮軸の縦断面図である。
願の第1実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の
側面図であり、(b)は、その斜視図である。
る。
態の斜視図である。
面図であり、(c)は、図7に示した伸縮軸の分解斜視
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】車両のステアリングシャフトに組込み、雄
軸と雌軸を回転不能に且つ摺動自在に嵌合した車両ステ
アリング用伸縮軸において、 前記雄軸の外周面と前記雌軸の内周面に形成した少なく
とも一対の軸方向溝の間に、予圧用の弾性体を介して、
転動体を介装すると共に、 当該一対の軸方向溝の間に、摺動体をも介装したことを
特徴とする車両ステアリング用伸縮軸。 - 【請求項2】前記雄軸又は前記雌軸にトルクが付加され
ていない時、前記いずれか一方の軸方向溝と、前記摺動
体との間に、微小な隙間が存在することを特徴とする請
求項1に記載の車両ステアリング用伸縮軸。 - 【請求項3】前記転動体は、球状の転動体からなること
を特徴とする請求項1又は2に記載の車両ステアリング
用伸縮軸。 - 【請求項4】前記摺動体は、ニードルローラーからなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項
に記載の車両ステアリング用伸縮軸。 - 【請求項5】前記弾性体は、板バネからなることを特徴
とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車
両ステアリング用伸縮軸。
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JP2002146556A Expired - Fee Related JP3800132B2 (ja) | 2002-05-21 | 2002-05-21 | 車両ステアリング用伸縮軸 |
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