JP2003336542A - 高耐摩耗性および高耐焼付き性摺動部材およびその製造方法 - Google Patents

高耐摩耗性および高耐焼付き性摺動部材およびその製造方法

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JP2003336542A JP2002145708A JP2002145708A JP2003336542A JP 2003336542 A JP2003336542 A JP 2003336542A JP 2002145708 A JP2002145708 A JP 2002145708A JP 2002145708 A JP2002145708 A JP 2002145708A JP 2003336542 A JP2003336542 A JP 2003336542A
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篤 村瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑油中の高面圧あるいは高速度な摺動環境
下で、優れた耐摩耗性と高耐焼付き性を示す摺動部材、
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 潤滑油の存在下で摺動される摺動面を持
つ基材と、該摺動面の少なくとも一部に固定した被膜
と、からなり、前記被膜は、炭素を主成分とし、珪素を
1〜5at%、水素を20〜40at%含むダイヤモン
ドライクカーボンからなる。また、被膜は、プラズマC
VD法により、珪素化合物ガスと炭素化合物ガスとを主
体とした雰囲気中で、珪素化合物ガスと炭素化合物ガス
の流量比を1:5〜500の範囲内として、放電出力密
度0.05〜2.0W/cm2で放電させることによ
り、基材の摺動面の少なくとも一部に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐摩耗性と
高耐焼付き性を示す摺動部材、およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】硬質炭素膜、特にダイヤモンドライクカ
ーボン(DLC)は、部品表面に形成することで、部品
の摺動性を高める材料として知られている。DLCは、
炭素を主成分とし、炭素原子がグラファイトのsp2結
合、ダイヤモンドのsp3結合を有しながら、全体とし
て非晶質の材料で、グラファイトとダイヤモンドとの中
間の物性を示す材料である。そして、その膜特性と表面
平滑性から、摩擦係数が低く、耐摩耗性が高いことが知
られており、摺動性を高める表面被膜として、各種機
械、工具および内燃機関等の摺動面に対し、広く利用さ
れている。中でも自動車のエンジン、燃料ポンプ等の摺
動部は、各種潤滑油中で摺動され、かなりの高面圧とな
る場合もあり、その際生ずる焼付きや摩耗を防止するこ
とが可能なDLC膜が求められている。
【0003】DLC膜の性質を向上させるために、特開
昭58−29588号公報では、少なくとも一種の金属
元素を0.1〜49.9at%含む炭素膜が、無潤滑下
において低い摩擦係数と高い耐摩耗性を示すことが開示
されている。また、特開昭63−162871号公報で
は、磁気ディスク、磁気ヘッド用として、珪素を100
ppm〜1at%含んだ硬質な炭素膜が、優れた摩擦特
性を持つことが開示されている。さらに、特開2001
−214269号公報では、それぞれ珪素を1〜30a
t%含む高密度炭素膜層と低密度炭素膜層とを積層した
膜が、耐摩耗性に優れていることが開示されている。
【0004】しかしながら、これらの炭素膜は、潤滑油
中での使用を想定しておらず、また、軽荷重下での特性
評価しか成されていない。そのため、各種機械の摺動特
性を高めるために施す被膜として十分な耐摩耗性と高耐
焼付き性を示すものであるのか、一切不明である。
【0005】特開2001−192864号公報では、
炭素を主成分とした炭素膜が、潤滑油中で摩擦係数を低
減させることができることが開示されている。ところ
が、この炭素膜の特性は、荷重10N(実面圧約80M
Paに相当)と低い荷重で摺動させた場合の評価であ
り、300MPa以上の高面圧と成り得る自動車の摺動
環境では、十分な耐摩耗性と高耐焼付き性を示すとは考
え難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、潤滑
油中の高面圧あるいは高速度な摺動環境下で、優れた耐
摩耗性と高耐焼付き性を示す摺動部材、およびその製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、エンジン
油、駆動系油等の潤滑油を用いた場合に、珪素を含有し
たDLC膜表面に吸着物が形成され、耐焼付き性および
耐摩耗性に優れる膜となることを発見した。本発明は、
この発見に基づいて成されたものである。
【0008】本発明の第1発明である高耐摩耗性および
高耐焼付き性摺動部材は、潤滑油の存在下で摺動される
摺動面を持つ基材と、該摺動面の少なくとも一部に固定
した被膜と、からなり、前記被膜は、炭素を主成分と
し、珪素を1〜5at%、水素を20〜40at%含む
ダイヤモンドライクカーボンからなることを特徴とす
る。さらに、前記珪素は、1.6〜4.5at%である
のが好ましい。被膜中の珪素含有量を最適値とすること
で、高い耐摩耗性と耐焼付き性を有する被膜が得られ
る。
【0009】前記被膜は、ラマン分光分析によるラマン
ピークのうち、Gバンドの位置が1550cm-1以上
で、該Gバンドの半値幅が150cm-1以下で、かつ、
該Gバンドに対するDバンドの強度比が1.0以下であ
るのが好ましい。また、前記被膜は、1at%未満の窒
素および5at%未満の酸素の少なくとも1種を含むの
が好ましい。さらに、前記被膜は、0.5μm以上の膜
厚を持つのが好ましい。
【0010】前記潤滑油は、カルシウム、亜鉛、硫黄、
リン、および窒素の少なくとも1種の元素を持つ化合物
を含むのが好ましい。
【0011】前記摺動面は、300MPa以上の摺動面
圧で摺動されるのが好ましい。
【0012】本発明の第2発明である高耐摩耗性および
高耐焼付き性摺動部材の製造方法は、基材を真空容器に
配設し、プラズマCVD法により、珪素化合物ガスと炭
素化合物ガスとを主体とした雰囲気中で、珪素化合物ガ
スと炭素化合物ガスの流量比を1:5〜500の範囲内
として、放電出力密度0.05〜2.0W/cm2で放
電させることにより、前記基材の摺動面の少なくとも一
部に炭素を主成分とし、珪素を1〜5at%、水素を2
0〜40at%含むダイヤモンドライクカーボンからな
る被膜を形成することを特徴とする。最適な成膜条件に
より得られた被膜は、高い耐摩耗性と耐焼付き性を有す
る。
【0013】本第1発明の高耐摩耗性および高耐焼付き
性摺動部材、および本第2発明の製法により得られる高
耐摩耗性および高耐焼付き性摺動部材は、潤滑油中の高
面圧あるいは高速度な摺動環境下で、優れた耐摩耗性と
高耐焼付き性を示す。この摺動部材は、各種機械部品、
エンジン摺動部品、駆動部品等の摺動部に適用可能であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本願発明の高耐摩耗性および高耐
焼付き性摺動部材および、その製造方法の実施形態を説
明する。
【0015】本第1発明の高耐摩耗性および高耐焼付き
性摺動部材は、摺動面を持つ基材と、該摺動面の少なく
とも一部に固定した被膜と、からなる。
【0016】基材としては、金属系、セラミックス系、
樹脂系基材のいずれも用いることが可能である。具体的
には、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム合金、マ
グネシウム合金、チタン合金等の金属系基材、超鋼、ア
ルミナ、窒化珪素等のセラミックス系基材、ポリイミ
ド、ポリアミド等の樹脂系基材が挙げられる。また、基
材の表面粗さRzは3.0μm以下、より好ましくは
0.5μm以下である。
【0017】被膜は、基材表面の摺動面の少なくとも一
部に固定される。被膜は、炭素を主成分とし、珪素、水
素を含有するダイヤモンドライクカーボンからなる。含
有する珪素は、1〜5at%、より好ましくは1.6〜
4.5at%である。また、含有する水素は20〜40
at%、より好ましくは25〜36at%である。さら
に、被膜中の不純物元素として、微量の窒素あるいは酸
素等を含有しても良い。その含有量としては、窒素であ
れば1at%未満、酸素であれば5at%未満が好まし
い。被膜の含有する珪素、水素、窒素、酸素が上記範囲
内にないと、十分な耐摩耗性および耐焼付き性をもつ摺
動部材を得ることができない。また、被膜の膜厚として
は、基材の表面粗さにも依存するが、0.5μm以上、
より好ましくは1.0μm以上である。
【0018】本第1発明の摺動部材の被膜について、ラ
マン分光分析を行うと、得られるラマンピークのうち、
Gバンドについては、その位置が1550cm-1以上、
より好ましくは1560cm-1以上で、半値幅が150
cm-1以下、より好ましくは130cm-1以下である。
また、Gバンドに対するDバンドの強度比が1.0以
下、より好ましくは0.96以下である。さらに、Gバ
ンドスペクトルの傾きが小さいことが好ましい。上記の
ようなラマンピークが得られるときに、被膜の耐摩耗性
が向上する。ここで、一般的に1540cm-1付近で検
出されるGバンドが高波数側にシフトしている要因とし
ては、珪素の添加により構成原子同士の原子間距離が小
さくなったことが推定され、また、半値幅が小さいの
は、被膜に欠陥が少ないことを示している。さらに、G
バンドスペクトルの傾きが小さいことは、被膜に2重結
合等を含む有機成分が少ないことを示す。
【0019】本第1発明の摺動部材は、その摺動面を潤
滑油の存在下で摺動される。潤滑油は、カルシウム、亜
鉛、硫黄、リン、および窒素の少なくとも1種の元素を
持つ化合物を含むのが好ましい。潤滑油に含まれる上記
元素は10ppm以上、より好ましくは200ppm以
上である。具体的には、エンジン油、駆動系油等が好ま
しい。潤滑油に含まれる化合物の成分であるカルシウ
ム、亜鉛、硫黄、リン、窒素等の元素が被膜表面に吸着
することで、相手材の凝着を防止し、耐焼付き性に優
れ、かつ耐摩耗性に優れる摺動部材となる。
【0020】また、本第1発明の摺動部材は、300M
Pa以上の摺動面圧で摺動する部材である。本第1発明
の摺動部材は、高面圧での摺動に優れた部材である。
【0021】本第2発明の高耐摩耗性および高耐焼付き
性摺動部材の製造方法は、基材を真空容器に配設し、化
学的作製法であるプラズマCVD法により、基材の摺動
面の少なくとも一部に被膜を形成する。なお、基材は本
第1発明の摺動部材と同様のものを用いることができ
る。
【0022】プラズマCVD法により、真空容器中で基
材表面に被膜を形成する際、反応ガスを主体とした雰囲
気中で放電させる。真空容器中には、珪素化合物ガスと
炭素化合物ガスとからなる反応ガスと、雰囲気ガスが導
入される。反応ガスは、膜原料ガスとなるものであり、
具体的には、珪素化合物ガスとしてはモノシラン等の水
素化珪素、TMS(テトラメチルシラン)、四塩化珪
素、また、炭素化合物ガスとしてはメタン、アセチレ
ン、ベンゼン等が望ましい。さらに、珪素化合物(TM
S)ガスと炭素化合物(CH4)ガスの流量比は、1:
5〜500の範囲内であるのが望ましく、具体的には、
TMSガス1〜200sccm、CH4ガス5〜200
0sccmが望ましい。珪素化合物ガスと炭素化合物ガ
スの流量比は、1:5〜500の範囲内にないと、得ら
れる被膜の珪素含有量が1〜5at%とならず、耐焼付
き性および耐摩耗性に優れる摺動部材が得られない。雰
囲気ガスは、水素、アルゴン等の一般的に用いるガスが
望ましい。その流量は、それぞれ10〜1000scc
mである。成膜圧力は、1.33〜1330Paであ
る。放電の際の出力は、放電出力密度0.05〜2.0
W/cm2、より望ましくは、0.15〜1.0W/c
2である。放電出力密度が0.05W/cm2に満たな
い場合や、2.0W/cm2を越えると、被膜の硬度が
低下する。この時、基材の温度は、100〜700℃が
望ましく、100℃より低いと放電が不安定となり、7
00℃以上で、かつ放電出力が1500W程度になる
と、膜質が低下するため、好ましくない。
【0023】上記のようにして得られた摺動部材および
その製造方法は、ピストン、ピストンシリング、動弁系
部品(カム・シム、ローラロッカー等)等のエンジン摺
動部品、無断変速機等の動弁系部品、AT部品等の駆動
部品、および各種機械部品に適用される。
【0024】
【実施例】本願発明の実施例を比較例と共に、図および
表を用いて説明する。
【0025】実施例1〜8および比較例1〜13の摺動
部材を作成した。得られた摺動部材を、それぞれ、摺動
部材1〜8、および摺動部材9〜21とする。これらの
摺動部材に対して、マイクロビッカース硬度計による表
面硬度Hvの測定試験、ボールオンディスク試験法、リ
ングオンディスク試験法による摩擦摩耗試験、飛行時間
型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)、およびラ
マン分光分析を行った。なお、摺動部材は、ボールオン
ディスク試験法にはディスク試験片として直径30m
m、厚さ3mm、また、リングオンディスク試験法には
ブロック試験片として6.3mm×15.7mm×1
0.1mmの寸法の基材を用いた。以下に、摺動部材の
作成方法を述べる。 (実施例1)実施例1の摺動部材1は、図1に示す成膜
装置40内で作成した。
【0026】まず、ステンレス製の真空容器41の中央
に設けた基台42の中央に、基材43(SUS440
C、Hv650〜700)を配置した。なお、基台42
の支持柱44の内部には冷却水を送る冷却水管(図示せ
ず)が取り付けられている。
【0027】次に、真空容器41を密閉し、ガス導出管
45に接続されたロータリ−ポンプRP1により真空容
器41内を粗引き後、拡散ポンプDPにより残留ガスが
0.013Paまで排気した。なお、ポンプRP、DP
は、ガス導出管45により真空容器41と連通し、各通
路にはバルブV1、V2が設けられている。ロータリー
ポンプRPには、リークバルブであるバルブLVが設け
られている。また、ガス導入管46は、コントロールバ
ルブを介して各種ガスボンベに連結している(図示せ
ず)。
【0028】0.013Paまで排気した真空容器41
に、昇温用ガスとして水素ガスをガス導入管46より1
5sccmで導入し、真空容器41内が130Paに保
たれるようにバルブV2を調整した。その後、真空容器
41の内側に設けたステンレス製の陽極板47と基台4
2(陰極)との間に200Vの直流電圧を印加して放電
を開始し、基材43が500℃になるまでイオン衝撃に
よる昇温を行った。ここで、直流電源回路は、陽極47
と陰極42により構成され、内部の基材43の温度を測
定する二色または単色の放射温度計、あるいは熱電対
(図示せず)からの入力により電源制御され、基材43
の温度を一定に保つことができる。
【0029】次に、真空容器41内にTMS((C
34Si)ガス1sccm、メタン(CH4)ガス4
00sccm、水素ガス30sccm、アルゴンガス3
0sccmをガス流量管46より導入し、全圧力500
Paの特殊薄膜形成雰囲気とし、基材43の温度を50
0℃に保ちながら、15分間の化学蒸着を行った。この
際、放電出力は500W(放電出力密度0.6W/cm
2)であった。
【0030】化学蒸着処理後、放電を止め、基材43を
1Pa以下の減圧下において冷却した。以上の様にし
て、摺動部材1を得た。得られた被膜の膜厚は3μmで
あった。 (実施例2)実施例1と同様な手順で、20分間成膜
し、3μmの被膜を有する摺動部材2を得た。なお、真
空容器41内に導入したメタンガスは、200sccm
であった。 (実施例3)実施例1と同様な手順で、30分間成膜
し、3μmの被膜を有する摺動部材3を得た。なお、真
空容器41内に導入したメタンガスは、100sccm
であった。 (実施例4)実施例1と同様な手順で、40分間成膜
し、3μmの被膜を有する摺動部材4を得た。なお、真
空容器41内に導入したメタンガスは、50sccmで
あった。 (実施例5)実施例1と同様な手順で、3μmの被膜を
有する摺動部材5を得た。なお、基材43にはアルミ合
金(A2017)を用い、真空容器41内に導入したメ
タンガスは、100sccmであった。また、基材の温
度を200℃に保ちながら、放電出力200W(放電出
力密度0.24W/cm2)で放電した。 (実施例6)実施例1と同様な手順で、2μmの被膜を
有する摺動部材6を得た。なお、基材43には超鋼(K
10(WC−Co、Co:4〜7%))を用い、真空容
器41内に導入したメタンガスは、100sccmであ
った。また、基材の温度を400℃に保ちながら、放電
出力400W(放電出力密度0.48W/cm2)で2
0分間放電した。 (実施例7)実施例6と同様な手順で、2μmの被膜を
有する摺動部材7を得た。なお、基材43にはセラミッ
クスとしてアルミナを用いた。 (実施例8)実施例1と同様な手順で、2μmの被膜を
有する摺動部材8を得た。なお、基材43には樹脂基材
としてポリイミドを用い、真空容器41内に導入したメ
タンガスは、200sccmであった。また、基材の温
度を150℃に保ちながら、放電出力150W(放電出
力密度0.18W/cm2)で放電した。 (比較例1)実施例1と同様な手順で、3μmの被膜を
有する摺動部材9を得た。なお、真空容器41内に導入
したTMSガスは2sccm、メタンガスは50scc
mであった。 (比較例2)実施例1と同様な手順で、3μmの被膜を
有する摺動部材10を得た。なお、真空容器41内に導
入したTMSガスは4sccm、メタンガスは50sc
cmであった。 (比較例3)実施例1と同様な手順で、3μmの被膜を
有する摺動部材11を得た。なお、真空容器41内に導
入したTMSガスは6sccm、メタンガスは50sc
cmであった。 (比較例4)実施例1と同様な手順で、3μmの被膜を
有する摺動部材12を得た。なお、真空容器41内に導
入したTMSガスは10sccm、メタンガスは50s
ccmであった。 (比較例5)実施例1と同様な手順で、2μmの被膜を
有する摺動部材13を得た。なお、真空容器41内に導
入したTMSガスは1sccm、メタンガスは100s
ccmであった。また、放電出力30W(放電出力密度
0.036W/cm2)で放電した。 (比較例6)比較例5と同様な手順で、2μmの被膜を
有する摺動部材14を得た。なお、放電出力1800W
(放電出力密度2.2W/cm2)で放電した。 (比較例7)高周波プラズマCVD法により、2μmの
被膜を有する摺動部材15を得た。メタンガスを原料と
して、プラズマ中に導入した。メタンガスは100sc
cmで、反応圧力は6.5Paとした。また、基材の温
度を200℃に保ちながら、放電出力100Wで360
分間、放電した。 (比較例8)物理的作製法であるマグネトロンスパッタ
リング法により、2μmの被膜を有する摺動部材16を
得た。成膜条件は、グラファイトターゲットを用い、ア
ルゴンガスを20sccm、メタンガスを1sccm導
入し、反応圧力は1Paとした。また、基材の温度20
0℃で4時間成膜した。 (比較例9)比較例7と同様な手順で、2μmの被膜を
有する摺動部材17を得た。なお、基材43にはアルミ
合金(A2017)を用いた。真空容器41内に導入し
たメタンガスは200sccmで、TMSガスは導入し
なかった。また、放電出力200Wで放電した。 (比較例10)物理的作製法であるアークイオンプレー
ティング法により、3μmのCrN被膜を有する摺動部
材18を得た。Crターゲットをカソード電極とするア
ーク式イオンプレーティング装置を用いた。基材43に
はアルミ合金(A2017)を用いた。成膜には、基材
に−40Vのバイアス電圧を印加し、真空炉内に窒素ガ
ス20sccmを導入し、0.5Paでアーク放電を行
った。 (比較例11)アークイオンプレーティング法により、
3μmのTiN被膜を有する摺動部材19を得た。Ti
ターゲットをカソード電極とするアーク式イオンプレー
ティング装置を用いた。基材43にはアルミ合金(A2
017)を用いた。成膜には、基材に−40Vのバイア
ス電圧を印加し、真空炉内に窒素ガス20sccmを導
入し、0.5Paでアーク放電を行った。 (比較例12)実施例1と同様な手順で、2μmの被膜
を有する摺動部材20を得た。なお、基材43には超鋼
(K10(WC−Co、Co:4〜7%))を用い、真
空容器41内に導入したTMSガスは4sccm、メタ
ンガスは50sccmであった。また、基材の温度を4
00℃に保ちながら、放電出力400W(放電出力密度
0.48W/cm2)で放電した。 (比較例13)実施例1と同様な手順で、2μmの被膜
を有する摺動部材21を得た。なお、基材43には樹脂
基材としてポリイミドを用い、真空容器41内に導入し
たTMSガスは4sccm、メタンガスは50sccm
であった。また、基材の温度を150℃に保ちながら、
放電出力150W(放電出力密度0.18W/cm2
で放電した。 [評価]表1は、実施例1〜8および比較例1〜13の
摺動部材1〜8および9〜21の作成条件および被膜の
組成をしめす。
【0031】
【表1】
【0032】被膜中の珪素量は、電子プローブ微小部分
析法(EPMA)、X線光電子分光法(XPS)、オー
ジェ電子分光法(AES)、ラザフォード後方散乱法
(RBS)を用いて定量した。また、水素量は、弾性反
跳粒子検出法(ERD)を用いて定量した。ERDは、
2MeVのヘリウムイオンビームを試料に照射し、試料
表面からはじき出される水素を半導体検出器により検出
することで、被膜中の水素濃度を測定するものである。
【0033】マイクロビッカース硬度計により、摺動部
材1〜4および9〜15の被膜の硬さを測定した。測定
荷重25gにて30秒間保持し、5点の測定平均値をS
i含有量に対して図2にまとめた。摺動部材1〜4,
9,12,15では、ビッカース硬さHv2000以上
を示した。中でも、Si含有量の低い摺動部材1,2お
よびSiを含まない摺動部材15は、Hv2500を示
した。また、摺動部材13,14に示すように、放電出
力が極めて低い又は高いものでは、被膜の硬度が低くな
った。このことから、成膜条件を最適に制御すること
で、高硬度な被膜が得られることが明らかとなった。
【0034】Si含有量の異なる摺動部材1〜4,9〜
11,15,16について、図3に示す装置を用いて、
ボールオンディスク試験を行った。ディスク試験片30
は、直径30mm、厚さ3mmのディスク形状を持つ基
材33に成膜した被膜32をダイヤモンドペーストでラ
ップし、表面粗さを0.1μmRz以下とした。相手材
となるボール36は、軸受け鋼SUJ2ボール(Hv7
50〜800)を用いた。ボール形状は、直径6.35
mmで、表面粗さは0.1μmRz以下であった。荷重
fは80N、摺動速度は0.2m/sにて摩耗量を測定
した。この際、実面圧は約650MPaであった。潤滑
油は、FM材(Mo系)無しのエンジン油(5W−3
0)、駆動系油の2種類を用い、滴下量5cc/mi
n、油温は室温とした。膜の耐摩耗性は、最大摩耗深さ
34を測定した。
【0035】図4にエンジン油中での摩擦摩耗試験結果
を、図5に駆動系油中での摩擦摩耗試験結果を示す。ど
ちらの油中の試験においても、摺動部材1〜4の摺動部
材は、もっとも高い耐摩耗性を示した。被膜のSi量を
増加すると、摩耗深さは大きくなり、耐摩耗性は低下し
た。また、Siを含まない摺動部材15,16では、S
i含有量が多い摺動部材9〜11と比較して耐摩耗性に
は優れるが、摺動部材1〜4よりも摩耗が進むことがわ
かった。
【0036】また、基材の異なる摺動部材についても、
同様なボールオンディスク試験を行った。合金を基材と
した摺動部材5,17〜19、焼結体を基材とした摺動
部材6,7,20、樹脂基材とした摺動部材8,21に
ついて、それぞれ測定を行った。
【0037】アルミ合金を基材33としたディスク試験
片30は、被膜32を#1500耐水ペーパーで研磨
し、表面粗さを0.4μmRz以下とした。相手材とな
るボール36は、軸受け鋼SUJ2ボール(Hv750
〜800)を用いた。ボール形状は、直径6.35mm
で、表面粗さは0.1μmRz以下であった。潤滑油
は、FM剤(Mo系)無しのエンジン油(10W−3
0)を用い、油温は室温とした。滑り速度0.2m/s
にて、加重を20〜90Nまで変化させ、摩擦係数が急
増する加重を焼付き加重とした。
【0038】図6にエンジン油中での各種被膜の耐焼付
き性を示す。摺動部材5の耐焼付き加重が最も高いこと
が分かった。摺動部材18のCrN被膜や、摺動部材1
9のTiN被膜よりも、摺動部材5の被膜が、さらに、
Siを含まない摺動部材17の被膜よりもSiを4.1
at%含む摺動部材5の被膜が、耐焼付き性に優れてい
た。また、アルミ合金以外にも、チタン合金、マグネシ
ウム合金を基材とした場合にも、同様な結果が得られる
ことを確認した。
【0039】焼結体を基材とした摺動部材6,7,20
についても、合金基材と同様な処理を施し、荷重50
N、摺動速度0.2m/sの測定条件にてボールオンデ
ィスク試験を行った。エンジン油は、5W−30を用
い、滴下量5cc/min、油温は室温とした。
【0040】図7にエンジン油中での摩耗深さを示す。
Si量の多い摺動部材20に比べ、Si量が4.0at
%である摺動部材6,7では、摩耗深さが小さく、基材
が超鋼であってもアルミナであっても、耐摩耗性に優れ
ていることが分かった。
【0041】また、樹脂基材についても合金基材と同様
な処理を施した後、荷重50N、摺動速度0.2m/s
の測定条件にてボールオンディスク試験を行った。エン
ジン油は、5W−30を用い、滴下量5cc/min、
油温は室温とした。図8にエンジン油中での摩耗深さを
示す。Si量の多い摺動部材21に比べ、Si量3.0
at%の摺動部材8では、摩耗深さが小さく、耐摩耗性
に優れていることが分かった。
【0042】以上のボールオンディスク試験結果から、
各種基材表面に成膜した炭素を主成分とする被膜が耐摩
耗性および耐焼付き性示すのは、珪素を1〜5at%含
む被膜であることが分かった。
【0043】Si含有量の異なる摺動部材2〜4,1
0,15,16について、図9に示す装置を用いて、リ
ングオンブロック試験を行った。リングオンブロック試
験には、FALEX社製、LFW−1型試験を用いた。
ブロック試験片90は、6.3mm×15.7mm×1
0.1mmのブロック形状を持つ基材93と、基材93
に成膜した被膜92とから成る。相手材となるリング試
験片96は、LFW−1型試験の標準試験片であるFA
LEX、S−10リング試験片を用いた。このリング試
験片96は、SAE4620スチール(Hv650〜7
70)から成る。リング試験片96は、油槽97内に回
転可能に設置されており、FM材(Mo系)無しのエン
ジン油(5W−30)を油槽97に満たした。この際、
リング試験片96は、その少なくとも一部がエンジン油
中にある。なお、油温は80℃とした。ブロック試験片
90とリング試験片96は、ブロック試験片90の被膜
92とリング試験片96とが接触するように設置した。
荷重は、無負荷の状態でリング回転速度を0.3m/s
に設定し、荷重Fを50Nずつ増しながら、各荷重で1
分ずつ摺動させ、摩擦係数が急増した荷重を焼付き荷重
とした。また、荷重を300N(実面圧310MPa)
で固定し、30分間保持し、被膜の摩耗深さの大小で耐
摩耗性を評価した。
【0044】図10に、エンジン油中での被膜の耐焼付
き性を示す。Siを2.1〜4.5at%含む摺動部材
2〜4は、Si量の多い摺動部材10や、Siを含まな
い摺動部材15,16と比べ、焼付き荷重が高く、耐焼
付き性に優れていることが分かる。また、図11に、エ
ンジン油中での被膜の耐摩耗性を示す。Siを2.1〜
4.5at%含む摺動部材2〜4において、摩耗深さが
最も小さいことが分かった。
【0045】以上のボールオンディスク試験結果および
リングオンブロック試験結果から、実施例1〜8の摺動
部材は、高耐摩耗性で、かつ高耐焼付き性に優れている
ことがわかった。
【0046】次に、摺動部材2,3,15,16の摺動
部を二次イオン質量分析(TOF−SIMS分析)によ
り、表面吸着物を調べた。その結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】Siをそれぞれ2.1at%、4.1at
%含有した摺動部材2,3では、Siを含有していない
摺動部材15,16よりもCa、Zn、Pの吸着量が多
い。Ca、Zn、P等のエンジン油中に含まれる成分が
吸着しやすい膜表面となることで、耐焼付き性が向上し
た。また、吸着物が多く膜面に存在することで、焼付き
の防止だけでなく、耐摩耗性も同時に向上していると推
測できる。
【0049】膜構造を調べるために、ラマン分光分析に
より、摺動部材1〜4,10,11,15,16のラマ
ン分光スペクトルを得た。ラマン分光分析には、アルゴ
ンイオンレーザー(波長514.5nm)を用いた。得
られたスペクトルから、(A)Gバンドピーク位置、
(B)Gバンド半値幅、(C)D/G強度比、(D)G
バンドスペクトルの傾きを、Si含有量についてまとめ
た結果を図12に示す。なお、D/G強度比には、高さ
の比を用いた。また、スペクトルの傾きは、蛍光成分の
影響を受けることで現れる現象である。このことは、被
膜中に蛍光成分がみられ、有機的な構造を含んでいるこ
とが考えられる。
【0050】被膜中のSi量が1.6〜4.5at%で
ある摺動部材1〜4では、Gバンドピーク位置が高周波
側にシフトし、1550cm-1より高い波数に位置し
(図12(A))、被膜の構成原子同士の距離が小さく
なったことが推定される。また、実1〜4では、Gバン
ド半値幅が小さく、150cm-1以下で(図12
(B))、被膜に欠陥が減少したものと推定される。さ
らに、摺動部材1〜4では、Gバンドに対するDバンド
の強度比が1.0以下であった(図12(C))。つま
り、最適な量のSiを含む実施例1〜4の被膜は、Gバ
ンドピークが1550cm-1より高い波数でみられ、G
バンド半値幅が150cm-1以下で、Gバンドに対する
Dバンドの強度比が1.0以下であることが分かった。
ここで、実1〜4は、硬度測定、摩擦摩耗試験等におい
て優れた特性を示しているため、以上の構造を示すラマ
ンスペクトルを持つ被膜が、高耐摩耗性および高耐焼付
き性をもつことが明らかとなった。
【0051】さらに、摺動部材1〜4では、Gバンドス
ペクトルの傾きが1.0以下で小さく、2重結合等を含
む有機成分が少なくなったと推測される。
【0052】
【発明の効果】本第1発明の高耐摩耗性および高耐焼付
き性摺動部材は、潤滑油の存在下で摺動される摺動面を
持つ基材と、摺動面の少なくとも一部に固定した被膜
と、からなり、被膜は、炭素を主成分とし、珪素を1〜
5at%、水素を20〜40at%含むダイヤモンドラ
イクカーボンからなる。上記の構成により、潤滑油中の
高面圧あるいは高速度な摺動条件で、優れた耐摩耗性と
高耐焼付き性を示す。潤滑油中の化合物がもつ、カルシ
ウム、亜鉛、硫黄、リン、窒素等の少なくとも1種の元
素が被膜に吸着するため、膜表面への相手材の凝着を防
止し耐焼付き性に優れ、さらに、耐摩耗性も向上させ
る。
【0053】本第2発明の高耐摩耗性および高耐焼付き
性摺動部材の製造方法は、基材を真空容器に配設し、プ
ラズマCVD法により、珪素化合物ガスと炭素化合物ガ
スとを主体とした雰囲気中で、珪素化合物ガスと炭素化
合物ガスの流量比を1:5〜500の範囲内として、放
電出力密度0.05〜2.0W/cm2で放電させるこ
とにより、前記基材の摺動面の少なくとも一部に被膜を
形成する。最適な条件で形成された摺動部材は、高耐摩
耗性および高耐焼付き性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いられるプラズマCVD装置の概
略図。
【図2】 マイクロビッカース硬さと被膜の珪素含有量
の関係を示す図。
【図3】 ボールオンディスク試験装置の概略図。
【図4】 エンジン油中での摩擦摩耗試験結果を示す
図。
【図5】 駆動系油中での摩擦摩耗試験結果を示す図。
【図6】 アルミ合金を基材とした場合のエンジン油中
での各種被膜の耐焼付き性を示す図。
【図7】 焼結体を基材とした場合のエンジン油中での
摩耗深さを示す図。
【図8】 樹脂を基材とした場合のエンジン油中での摩
耗深さを示す図。
【図9】 リングオンブロック試験装置の概略図。
【図10】エンジン油中での被膜の耐焼付き性を示す
図。
【図11】エンジン油中での被膜の耐摩耗性を示す図。
【図12】ラマン分光分析結果と被膜の珪素含有量の関
係を示す図。
【符号の説明】
1〜21…摺動部材1〜21 41…真空容器 42…基台 44…支持
柱 45…ガス導出管 46…ガス導入管 43,33,93…基材 32,92…被膜 30…ディスク試験片 90…ブロック試験片 36…ボール 96…リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 和之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 村瀬 篤 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 遠山 護 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大森 俊英 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA09 BA28 BB01 FA01 JA06 JA16 LA23

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潤滑油の存在下で摺動される摺動面を持つ
    基材と、該摺動面の少なくとも一部に固定した被膜と、
    からなり、 前記被膜は、炭素を主成分とし、珪素を1〜5at%、
    水素を20〜40at%含むダイヤモンドライクカーボ
    ンからなることを特徴とする高耐摩耗性および高耐焼付
    き性摺動部材。
  2. 【請求項2】前記珪素が、1.6〜4.5at%である
    請求項1記載の高耐摩耗性および高耐焼付き性摺動部
    材。
  3. 【請求項3】前記被膜は、ラマン分光分析によるラマン
    ピークのうち、Gバンドの位置が1550cm-1以上
    で、該Gバンドの半値幅が150cm-1以下で、かつ、
    該Gバンドに対するDバンドの強度比が1.0以下であ
    る請求項1記載の高耐摩耗性および高耐焼付き性摺動部
    材。
  4. 【請求項4】前記被膜は、1at%未満の窒素および5
    at%未満の酸素の少なくとも1種を含む請求項1記載
    の高耐摩耗性および高耐焼付き性摺動部材。
  5. 【請求項5】前記被膜は、0.5μm以上の膜厚を持つ
    請求項1記載の高耐摩耗性および高耐焼付き性摺動部
    材。
  6. 【請求項6】前記潤滑油は、カルシウム、亜鉛、硫黄、
    リン、および窒素の少なくとも1種の元素を持つ化合物
    を含む請求項1記載の高耐摩耗性および高耐焼付き性摺
    動部材。
  7. 【請求項7】前記摺動面は、300MPa以上の摺動面
    圧で摺動される請求項1記載の高耐摩耗性および高耐焼
    付き性摺動部材。
  8. 【請求項8】基材を真空容器に配設し、プラズマCVD
    法により、珪素化合物ガスと炭素化合物ガスとを主体と
    した雰囲気中で、珪素化合物ガスと炭素化合物ガスの流
    量比を1:5〜500の範囲内として、放電出力密度
    0.05〜2.0W/cm2で放電させることにより、
    前記基材の摺動面の少なくとも一部に炭素を主成分と
    し、珪素を1〜5at%、水素を20〜40at%含む
    ダイヤモンドライクカーボンからなる被膜を形成するこ
    とを特徴とする高耐摩耗性および高耐焼付き性摺動部材
    の製造方法。
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