JP2003336038A - 研磨材および研磨材の製造方法 - Google Patents

研磨材および研磨材の製造方法

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JP2003336038A
JP2003336038A JP2002147501A JP2002147501A JP2003336038A JP 2003336038 A JP2003336038 A JP 2003336038A JP 2002147501 A JP2002147501 A JP 2002147501A JP 2002147501 A JP2002147501 A JP 2002147501A JP 2003336038 A JP2003336038 A JP 2003336038A
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organic
organic fine
abrasive
inorganic
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JP2002147501A
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English (en)
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Hiroko Wachi
和知  浩子
Kiyotaka Shindo
進藤  清孝
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タングステン、アルミニウム、銅等の金属配
線加工した絶縁膜上の過剰な金属膜を取り除き、金属配
線を含んだ絶縁膜を傷つけることなく平坦化することの
できる、有機無機複合粒子と、水からなる研磨材および
これを用いた研磨方法を提供する。 【解決手段】 水中に分散した有機微粒子をアルカリ性
物質で中和して膨潤し、膨潤した有機微粒子の表面また
は空孔に、この有機微粒子よりも平均粒径の小さい無機
微粒子またはその前駆体を結合させることより製造され
る有機無機複合粒子と、水からなる研磨材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タングステン、ア
ルミニウム、銅等の金属配線加工した絶縁膜上の過剰な
金属膜を取り除き、金属配線を含んだ絶縁膜を傷つける
ことなく平坦化することのできる有機無機複合粒子を含
んだ研磨材および研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、配線加工した絶縁膜上の過剰な金
属膜を取り除き、金属配線を含んだ絶縁膜を平坦化する
技術として、CMP(Chemical and Mechanical P
olishing)が用いられている。
【0003】そして、半導体の性能向上のため、絶縁膜
上の配線幅は0.25μmから0.13μm、さらに
0.10μmへと、より微細化が進んでおり、また、そ
の研磨対象の絶縁膜表面は、より複雑な構造になってい
る。それにも関わらず、半導体製造コスト削減のため、
研磨速度は、より速くすることが求められている。
【0004】現在まで、このCMPで使用される研磨材
料として、シリカやアルミナ等の無機砥粒を含んだスラ
リーが使用されてきた。これらの無機砥粒は、硬いため
短時間での表面研磨が可能であるが、被研磨表面にスク
ラッチやディシング等の過剰研磨による問題が起こりや
すい。今後、より微細化された配線幅の絶縁膜表面の研
磨では、この問題がますます発生しやすくなると考えら
れる。
【0005】そこで、無機砥粒よりも柔らかい樹脂砥粒
を使用した研磨材料(特開平10-231473)が開発されて
いる。柔らかい砥粒だと銅等の金属配線を含む絶縁膜表
面を傷つけることなく平坦化を図ることができるが、研
磨速度をより向上し製造コストを低減することのできる
研磨材の開発が要請されている。また、静電力により無
機砥粒を表面に被覆させた研磨材(特開2000-273311)
が開発されようとしている。しかし、粒子表面の静電力
による結合では、その結合力が弱く、研磨工程における
物理的な負荷により、樹脂表面から無機砥粒が容易に剥
がれてしまう。又、負の電位を持つ樹脂或いは無機物よ
りも電位の低い異物、或いは、研磨装置表面、または、
正の電位を持つ樹脂或いは無機物よりも電位の高い異
物、或いは研磨装置表面と接触することによっても、樹
脂表面から無機微粒子が剥がれてしまう。以上の様なこ
とで、被覆させた効果はなくなってしまい、十分な解決
方法となっていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
技術よる、これら研磨材料では、研磨速度を上げつつ、
複雑な構造を持つ絶縁膜表面を傷つけることなく平坦化
を図ることが困難であり、上記の問題を解決することの
できる研磨材料の開発が要望されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を行い、有機無機複合粒子を用
いることにより、十分な研磨速度を維持したまま、過剰
研磨によるスクラッチやディッシング等の問題を発生さ
せることなく、微細な金属配線を含む複雑な絶縁膜表面
を平坦に研磨するができることを見出し本発明を完成す
るに至った。
【0008】すなわち、本発明は次に記載する事項によ
って特定することができる。 (1) 水中に分散した有機微粒子をアルカリ性物質で
中和して膨潤し、膨潤した有機微粒子の表面または空孔
に、この有機微粒子よりも平均粒径の小さい無機微粒子
またはその前駆体を結合させることより製造される有機
無機複合粒子と、水からなる研磨材。 (2) 有機微粒子が、単量体組成物中の全単量体の質
量をベースとして、不飽和カルボン酸系単量体1〜50
質量%およびこれと共重合可能なビニル系単量体99〜
50質量%を含有する単量体組成物を重合して得られる
共重合体から構成されるものである(1)記載の研磨
材。 (3) 無機微粒子が、シリカ、アルミナ、チタニア、
セリア、ジルコニア、酸化マンガン、酸化鉄の少なくと
も1種である(1)または(2)記載の研磨材。 (4) 有機無機複合粒子の平均粒径が、0.05〜1
μmである(1)ないし(3)のいずれかに記載の研磨
材。 (5) 水中に分散した有機微粒子をアルカリ性物質で
中和して膨潤し、膨潤した有機微粒子の表面または空孔
に、この有機微粒子よりも平均粒径の小さい無機微粒子
またはその前駆体を結合させることにより有機無機複合
粒子を製造する工程を有することを特徴とする有機無機
複合粒子と、水からなる研磨材の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用することのできる有
機微粒子は、不飽和カルボン酸系単量体およびこれと共
重合可能なビニル系単量体を含有する単量体組成物を重
合して得られる共重合体から構成される。有機微粒子を
構成する共重合体としては、単量体組成物中の全単量体
の質量をベースとして、不飽和カルボン酸系単量体1〜
50質量%およびこれと共重合可能なビニル系単量体9
9〜50質量%を含有する単量体組成物を重合して得ら
れる共重合体が好ましく用いられる。
【0010】本発明に使用することのできる、水中に分
散した有機微粒子として、例えば、水相で上記単量体組
成物を乳化重合することにより得られる水系共重合体エ
マルジョンを挙げることができる。そして、このエマル
ジョン中の有機微粒子は、有機微粒子を構成する共重合
体に含まれる不飽和カルボン酸系単量体単位1当量に対
して0.3当量以上のアルカリ性物質で有機微粒子に存
在するカルボキシル基を中和することにより、膨潤させ
ることができる。
【0011】膨潤することにより生じる有機微粒子の空
孔や表面に、この有機微粒子よりも平均粒径の小さい無
機微粒子またはその前駆体を結合させることにより、本
発明で使用する有機無機複合粒子を製造することができ
る。
【0012】このようにして製造した、有機無機複合粒
子エマルジョンは、このままで、本発明の研磨材とする
ことができる。あるいは、この有機無機複合粒子エマル
ジョンに、その他の所望の添加剤を配合し、本発明の研
磨材を製造することもできる。
【0013】本発明で用いることのできる不飽和カルボ
ン酸系単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸などの不飽和一塩基酸、イタコン酸、フマル
酸、マレイン酸などの不飽和二塩基酸またはこれらのモ
ノエステル類から選択された1種または2種以上で、特
にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
【0014】これらの不飽和カルボン酸系単量体の使用
量は、本発明に使用する有機微粒子を構成する共重合体
の重合に使用する単量体組成物中の全単量体の質量をベ
ースとして、好ましくは1〜50質量%であり、より好
ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質
量%である。
【0015】不飽和カルボン酸系単量体の使用量を1質
量%以上とすると、アルカリによる中和により有機微粒
子の膨潤が十分となり、空孔に無機微粒子が入り込みや
すくなり、結合し、目的とする有機無機複合粒子を得る
ことができる。また、50質量%以下とすると、耐水
性、耐アルカリ性が良好となる。
【0016】上記の不飽和カルボン酸系単量体と共重合
可能なビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化
合物、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリ
ル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の
ビニルエステル類、(メタ)アクリロニトリル等のビニ
ルシアン化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロ
ゲン化ビニル化合物を挙げることができる。又、必要に
応じて、官能基単量体として、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒド
ロキエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)
アクリレート等を使用することができる。
【0017】有機微粒子は、アルカリ性物質を添加する
ことにより、全体が膨潤するものが好ましい。このため
には、有機微粒子を構成する共重合体のガラス転移温度
が90℃以下、好ましくは、70℃以下となるように上
記単量体を組み合わせることが好ましい。
【0018】又、有機微粒子の膨潤度の調整のために、
必要に応じて架橋性単量体を使用することができる。本
発明に使用することのできる架橋性単量体としては、重
合性不飽和結合を一分子中に2個以上含有する架橋性単
量体が好ましく、この具体例としては、ジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジメタクレート、トリメチロー
ルアロバントリメタクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリ
レート、ジアクリレート等を挙げることができる。
【0019】架橋性単量体の使用量は有機微粒子を構成
する共重合体の重合に使用する単量体組成物中の全単量
体の質量をベースとして20質量%以下が好ましく、よ
り好ましくは10質量%以下である。架橋性単量体の使
用量は、不飽和カルボン酸の種類、使用量、ビニル系共
重合体の種類などによって適切な使用量を選択すればよ
い。
【0020】有機微粒子の膨潤に用いることのできるア
ルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、カリウム、
カルシウム、珪酸ソーダ等の無機アルカリ性物質や、ア
ンモニア等の揮発性アルカリ性物質や、ジメチルエタノ
ールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン
等の有機アルカリ性物質を挙げることができる。
【0021】その使用量としては、有機微粒子を構成す
る共重合体に含まれる不飽和カルボン酸系単量体単位1
当量に対して、0.3〜3当量が好ましく、0.5〜2
当量がより好ましい。
【0022】アルカリ性物質の使用量を0.3当量以上
とすると、有機微粒子の膨潤度が十分となり、前述した
ように、目的とする、好ましい有機微粒子を得ることが
できる。また、3当量以下とすると、液の粘度が高くな
り過ぎる虞がなく、取り扱いが容易となり好ましい。
【0023】有機微粒子は、通常の乳化重合により得る
ことができる。
【0024】乳化重合において用いることのできる界面
活性材としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界
面活性剤が好ましく、これらは単独で、或いは、これら
を組み合わせて使用することができる。
【0025】アニオン系界面活性剤としては、例えば、
アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキル硫
酸ナトリウム、ジアルキルスルフォンコハク酸ナトリウ
ム、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物等が挙げ
られる。
【0026】又、ノニオン系界面活性剤としては、例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェノールエーテル、エチレンオキサイド−プロピレ
ンオキサイドブロック共重合体等が挙げられる。
【0027】界面活性剤の使用量は特に限定されない
が、通常、有機微粒子を構成する共重合体の製造に用い
る単量体組成物中の単量体100質量部に対して0.1
〜10質量部である。
【0028】重合開始剤としては、乳化重合において通
常用いられているものであれば良く、例えば、過硫酸カ
リウム、ナトリウム、アンモニウム等の過硫酸塩や、ベ
ンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。必要
に応じて還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤とし
て使用することもできる。
【0029】有機微粒子を調製するにあたっては、前記
重合開始剤、界面活性剤の存在下に単量体組成物を一
括、分割、或いは、連続的に添加して重合を行うことが
できる。重合反応は、通常、窒素雰囲気下で、重合温度
20〜90℃、常圧の条件で行うことが好ましい。
【0030】この様にして得られた有機微粒子エマルジ
ョンに、前述のアルカリ性物質を添加し、有機微粒子を
膨潤させることができる。その後、アミン類を添加する
のが好ましい。このアミン類を介して、有機微粒子表面
のカルボキシル基と無機微粒子の酸素基を緊密に結合す
ることができる。
【0031】アミン類の添加量としては、有機微粒子を
構成する共重合体に含まれる不飽和カルボン酸系単量体
単位1当量に対して、アミン類に含まれるアミノ基、イ
ミノ基またはニトリロ基等のN原子を含む基が0.1〜
3当量となる量を用いるのが好ましく、0.5〜2.5
当量となる量がより好ましい。
【0032】本発明に使用することのできるアミン類と
しては、ジメチルアミン、トリメチルアミン、テトラメ
チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、テト
ラエチルアミン、メチルエチルアミン等およびその塩を
挙げることができる。これらのアミン類は、アルカリ性
物質としても作用するものが多く上記のアルカリ性物質
と兼ねてもよい。
【0033】その後、無機微粒子或いはその前駆体を添
加し、有機微粒子と無機微粒子とを結合させる。
【0034】本発明に使用することのできる無機微粒子
としては、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア等の金
属酸化物を挙げることができる。この無機微粒子の平均
粒径は、一般的には、1μm以下、好ましくは0.05
〜1μmの範囲である。無機微粒子の平均粒径を1μm
以下とすると、上記膨潤した有機微粒子の空孔内に無機
微粒子が入り込み結合して、目的とする、好ましい有機
無機複合粒子を得ることができる。
【0035】無機微粒子の添加量としては、有機微粒子
1質量部に対して、5質量部以上が好ましい。5質量部
以上にすることにより、目的とする研磨特性が得られて
好ましい。
【0036】本発明に使用することのできる無機微粒子
の前駆体としては、化学式(1)で表わされるアルコキ
シド類を挙げることができる。
【0037】M(OR1n (1) (ただし、化学式(1)において、Mは、Si、Al、
Ce、Ti、Mn、Fe、Zr、Biの原子の何れかで
あり、R1は、炭素数1〜10のアルキル基を表わし、
nは、Mの価数を表わす。) これらの前駆体は、nが1である場合を例に説明する
と、下記式に示すように、加水分解反応、縮合反応等に
より、Mの酸化物を生成する。各Mの種類により、例え
ば、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、セリ
ア(CeO2)チタニア(TiO2)等を生成する。
【0038】 加水分解反応: M-OR1+H2O → MOH+R1
H 縮合反応: MOH+HOM → MOM また、化学式(1)で表わされる前駆体とMが同一であ
る、化学式(2)で表わされる有機アルコキシド類を併
用することもできる。
【0039】R2M(OR3n-1 (2) (ただし、化学式(2)において、Mは、Si、Al、
Ce、Ti、Mn、Fe、Zr、Biの原子の何れかで
あり、R2、R3は、同一、または、異なる炭素数1〜1
0までのアルキル基を表わし、nは、Mの価数を表わ
す。) 上記化学式(1)で表わされるアルコキシド類と化学式
(2)で表わされる有機アルコキシド類を併用すると、
分子の一部に有機基を含んだシリカ、アルミナ、セリ
ア、チタニア等を生成し、有機微粒子との結合力が向上
する。上記化学式(1)で表わされるアルコキシド類と
化学式(2)で表わされる有機アルコキシド類との使用
割合としては、化学式(1)で表わされるアルコキシド
類1モルに対して、2モル以下の化学式(2)で表わさ
れる有機アルコキシド類を使用するのが好ましい。2モ
ル以下とすると、生成する無機微粒子が硬くなり、目的
とする研磨特性を容易に得ることができるので好まし
い。
【0040】上記アルコキシド類の添加方法としては、
化学式(1)、化学式(2)で表わされるアルコキシド
類を混合した後、添加してもよいし、別々に、添加して
もよい。添加スピードは、特に限定されない。
【0041】上記アルコキシド類の添加量としては、化
学式(1)または(2)で表わされる前駆体がすべて反
応して、シリカ、アルミナ、セリア、チタニアに変化し
たとして、上記の無機微粒子の添加量と同様に、その添
加量が有機微粒子1質量部に対して、5〜20質量部と
なるような量の前駆体を添加するのが好ましい。5質量
部以上とすると、研磨速度の向上がみられ好ましい。ま
た、20質量部以下とすると、スクラッチやディシング
等の過剰研磨の問題が発生することがなく好ましい。
【0042】尚、この前駆体が、全て反応して無機微粒
子を生成した時の質量変化率(WLと表わす)の計算
は、以下のように行うことができる。
【0043】 WL=[MP−MAL×m) +(16÷2)×m]÷MP (ただし、上式において、MPは、前駆体の式量、MAL
は、アルコキシド基の式量、mは、前駆体中のアルコキ
シド基の数、16は酸素原子の原子量、2は酸素原子の
価数を表す。)また、無機微粒子とその前駆体とを併用
することもできる。この場合の各々の添加量は、無機微
粒子の添加量と添加した前駆体が全て無機微粒子(分子
の一部に有機基を含んだ無機微粒子をも含む)に変化し
た時の質量の和が、上記の無機微粒子の添加量の範囲と
なるようにするのが好ましい。この場合の添加方法につ
いては、特に限定されず、前駆体を添加した後に無機微
粒子を添加してもよいし、無機微粒子を添加した後に前
駆体を添加してもよいし、また、両者を混合した後に添
加してもよい。添加スピードについても、特に限定され
ない。
【0044】この混合分散液のpHは、7〜11の範囲
が好ましい。pHを7以上とすると膨潤させた粒子が収
縮する虞がなく好ましい。また、pHを11以下とする
と基板上の絶縁膜を腐食させる虞がなく好ましい。
【0045】アミン類、無機微粒子、または、その前駆
体を、膨潤した有機微粒子エマルジョンに添加した後
に、5〜50℃の温度範囲にて、1時間以上攪拌するの
が好ましい。上記温度を5℃以上とすると、有機微粒子
と無機微粒子の結合が良好となり好ましい。また、50
℃以下とすると、無機微粒子が凝集したり、アミン類の
揮散に起因する有機微粒子と無機微粒子との結合力の低
下を防ぐことができるので好ましい。また、攪拌時間を
1時間以上とすると、有機微粒子と無機微粒子とが十分
に結合するので好ましい。
【0046】この様にして得られた有機無機複合粒子の
平均粒径は、0.05〜1.0μmの範囲が好ましい。
この範囲の平均粒径とすることにより、十分な研磨特性
を達成でき、好ましい。
【0047】なお、本発明の研磨剤における、有機無機
複合粒子の含有量は、研磨材に含まれる水100質量部
に対し、0.5〜20質量部が一般的であり、1〜10
質量部とするのがより好ましい。
【0048】さらに、研磨速度を上げるために、本発明
の研磨剤に、H22等の酸化剤や、エチレンジアミンテ
トラ酢酸(EDTA)等の水溶性キレート剤、有機無機
複合粒子の分散性を向上させるための界面活性剤、被研
磨金属の防食剤としてベンゾトリアゾール(BTA)、
ニコチン酸、ピロガロール等を添加することができる。
その添加量、種類については、本発明の目的を達成する
ことができるかぎり、特に限定されない。
【0049】
【実施例】以下、実施例によって、本発明を詳細に説明
する。なお、本実施例において、部および%は、特記し
ない限り、質量部および質量%を表す。
【0050】(実施例1) (A)有機微粒子の製造 攪拌機、温度計、還流コンデンサー付きのセパラブルフ
ラスコに、第1段階として水100部、ラウリル硫酸ナ
トリウム0.05部を仕込み、攪拌下に窒素置換しなが
ら70℃迄昇温する。内温を70℃に保ち重合開始剤と
して過硫酸カリウム0.8部添加し、溶解したことを確
認して、メタクリル酸メチル4部、アクリル酸ブチル4
部、メタクリル酸2部を混合して調製した単量体組成物
を仕込み2時間反応させた。
【0051】得られた有機微粒子エマルジョンは、固形
分約9%であり、電子顕微鏡により、平均粒径を測定し
たところ約0.05μmであった。
【0052】(B)有機無機複合粒子の製造 反応終了後、得られた有機微粒子エマルジョンに28%
アンモニア水を1.6部(約1.1当量)加え、良く攪
拌して有機微粒子を中和し膨潤させた。この時、膨潤し
たことは、粘度(25℃)が、1.4cPから25.7
cPに増加したことにより確認した。
【0053】そして、さらに、トリエチルアミンを2.
3部(アミン基/不飽和カルボン酸系単量体単位の当量
比=約1.0)を加えた。なお、そのときのpHは、
9.0であり、これを混合用有機微粒子スラリーとし
た。なお、このときの有機微粒子の平均粒子径を、上記
と同様に測定したところ、約0.12μmであった。
【0054】その後、市販のコロイダルシリカスラリー
(PL−1、扶桑化学社製、商品名;溶媒:水、pH:
7.2、シリカ濃度:12%、二次粒子径平均値:40
nm)を、シリカ濃度5%となるように水で希釈しシリ
カスラリーを調製した。そしてこのシリカスラリー1
6.2部に、上記の混合用有機微粒子スラリー1部、水
0.8部を加えて、室温(25〜30℃)下にて、1日
間攪拌し、有機無機複合粒子と水からなる研磨材を得
た。
【0055】この研磨材を構成する有機無機複合粒子の
平均粒径および粒度分布を、レーザー動的光散乱法粒度
分析計(測定装置 MICROTRAC UPA MODEL 9230、Leeds &
Nothrup 社製、商品名;測定時間900秒)により測
定した。その結果、平均粒径は0.9μmであり、粒度
分布は一山のピークであり、粒径が0.1μm未満の粒
子、2μmを超える粒子は、共に全粒子中、1%未満の
頻度であり、有機微粒子とシリカ粒子が複合化されて一
つの粒子となっていると判断された。
【0056】(C)研磨試験 この研磨材を使用して、膜厚5,000ÅのSiO2膜付き4
インチサイズのシリコンウェハー上に形成された膜厚2
0,000ÅのCu膜を、下記の条件にて、研磨した。各研
磨時間毎の研磨速度と表面欠陥を下記の方法にて、評価
した。この時、SiO2膜表面に達した点を、研磨終了
点として、その時間を測定した。尚、この研磨終了点の
判断は、研磨装置にとりつけたトルクセンサーにより、
回転軸トルクの変化より判断した。
【0057】(a)研磨条件 研磨圧力 200g/cm2 回転数 100rpm 研磨パッド 多孔質ポリウレタン 研磨液循環量 100ml/min 研磨時間 1、3分間、および、SiO2膜表面に達す
るまで (b)評価方法 (i)研磨速度の算出 研磨後の被研磨物を、超純水により洗浄し、乾燥させた
後、電気伝導式膜厚測定器によって膜厚を測定した。膜
厚の減少量と研磨時間から平均研磨速度を算出した。
【0058】(ii)表面欠陥 研磨後の被研磨物を、超純水により洗浄し、乾燥させた
後、微分干渉顕微鏡を用い、倍率×20,000倍に
て、表面を観察し、次に記載する評価基準に基いて表面
欠陥の発生状況を評価した。なお、0.1μm以上の
傷、スクラッチを表面欠陥とした。
【0059】 ◎:傷、スクラッチ 5個以下 ○:傷、スクラッチ 6〜10個 ×:傷、スクラッチ 10個を超える 上記研磨試験の結果、一定の速度にて研磨が可能であ
り、研磨時間が長くなっても表面欠陥もないことから、
この研磨材は研磨時の物理的な負荷に対して安定であ
り、被研磨物にスクラッチを生じさせないことを確認し
た。
【0060】得られた結果を、表1に示す。
【0061】(実施例2)実施例1の研磨材を使用し、
膜厚5,000ÅのSiO2膜付き4インチサイズのシリコン
ウェハー上に形成された膜厚20,000ÅのW膜を、実施例
1と同様の研磨条件にて研磨し、同様の評価を行った。
【0062】得られた結果を、表1に示す。
【0063】(比較例1)実施例1において、使用する
コロイダルシリカを、市販のコロイダルシリカに替え
て、市販コロイダルシリカにアンモニア水を加えて、p
H11に調整して得られた、0.2μmの平均粒径を有
する二次凝集シリカとした以外は、実施例1と同様にし
て研磨材を調整し、評価を行った。
【0064】得られた結果を、表1に示す。
【0065】(比較例2)実施例2において、研磨材
を、実施例1の研磨材に替えて、比較例1の研磨材とし
た以外は、実施例2と同様に評価を行った。
【0066】得られた結果を、表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明の、有機無機複合粒子と、水から
なる研磨材は、配線加工された絶縁膜上の過剰な金属膜
を早い研磨速度で研磨することができ、被研磨対象物表
面に、研磨過剰による傷やスクラッチを発生させること
なく研磨することができる。また、本発明の研磨材は、
研磨時の物理的な負荷にも安定であり、研磨材の変化に
よる研磨速度の低下がない。
【0069】これにより、傷やスクラッチ等の欠陥のな
い半導体製品を低コストで製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/304 H01L 21/304 622X

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に分散した有機微粒子をアルカリ性
    物質で中和して膨潤し、膨潤した有機微粒子の表面また
    は空孔に、この有機微粒子よりも平均粒径の小さい無機
    微粒子またはその前駆体を結合させることより製造され
    る有機無機複合粒子と、水からなる研磨材。
  2. 【請求項2】 有機微粒子が、単量体組成物中の全単量
    体の質量をベースとして、不飽和カルボン酸系単量体1
    〜50質量%およびこれと共重合可能なビニル系単量体
    99〜50質量%を含有する単量体組成物を重合して得
    られる共重合体から構成されるものである請求項1記載
    の研磨材。
  3. 【請求項3】 無機微粒子が、シリカ、アルミナ、チタ
    ニア、セリア、ジルコニア、酸化マンガン、酸化鉄の少
    なくとも1種である請求項1または2記載の研磨材。
  4. 【請求項4】 有機無機複合粒子の平均粒径が、0.0
    5〜1μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の
    研磨材。
  5. 【請求項5】 水中に分散した有機微粒子をアルカリ性
    物質で中和して膨潤し、膨潤した有機微粒子の表面また
    は空孔に、この有機微粒子よりも平均粒径の小さい無機
    微粒子またはその前駆体を結合させることにより有機無
    機複合粒子を製造する工程を有することを特徴とする有
    機無機複合粒子と、水からなる研磨材の製造方法。
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KR20170072519A (ko) * 2015-12-17 2017-06-27 솔브레인 주식회사 화학기계적 연마 슬러리 조성물

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