JP2003336010A - 高純度シリカ薄膜を形成するための溶液の製造方法、及びそれを用いたコーティング方法 - Google Patents

高純度シリカ薄膜を形成するための溶液の製造方法、及びそれを用いたコーティング方法

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JP2003336010A
JP2003336010A JP2002149294A JP2002149294A JP2003336010A JP 2003336010 A JP2003336010 A JP 2003336010A JP 2002149294 A JP2002149294 A JP 2002149294A JP 2002149294 A JP2002149294 A JP 2002149294A JP 2003336010 A JP2003336010 A JP 2003336010A
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thin film
purity silica
silica thin
forming
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JP2002149294A
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Koichi Yukishima
孝一 雪嶋
Yoshio Sakai
義男 酒井
Tsutomu Nagata
勉 永田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】常温にてシリカへ転化させることができ、常温
塗布型の高純度シリカコーティング材として用いること
ができる高純度シリカ薄膜を形成するための溶液の製造
方法、及びそれを用いたコーティング方法を提供する。 【解決手段】有機溶剤に可溶なペルヒドロポリシラザン
にキシレン、ミネラルターペン、シンナー及び高沸点芳
香族系溶媒を用いてアミン系触媒を添加し、これを被コ
ーティング体に塗布することにより、常温にてシリカへ
転化させつつ、高純度シリカ薄膜を被コーティング体表
面に形成することができる。これにより、被コーティン
グ体の劣化防止及び汚れ防止を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶剤に可溶な
ペルヒドロポリシラザンにアミン系触媒を添加して成る
高純度シリカ薄膜を形成するための溶液の製造方法、及
びそれを用いたコーティング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリシラザンとは、−(SiH2NH) を基本
ユニットとする有機溶剤に可溶な無機ポリマーのことを
いい、正式には、ペルヒドロポリシラザンと称される物
質である。かかるポリシラザンの有機溶媒溶液を建築物
の内外壁や車両のボディ等にコーティングすると、大気
中の水分や酸素と反応し、緻密な高純度シリカ(アモル
ファスSiO2)膜が得られることは一般に知られている。
この特性を活かし、従来より、例えば上記の如く得られ
た高純度シリカ膜を半導体用層間平坦化絶縁膜として用
いることが提案されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のポリシラザンの有機溶媒溶液を、シリカへ転化させ
るには、高温に加熱する必要があり、他の種々用途に使
用されるには至っていなかった。即ち、上記従来のポリ
シラザンの有機溶媒溶液は、450度程度にまで加熱し
ないと高純度シリカ膜を形成しなかったので、例えば塗
布型の高純度シリカコーティング材として使用すること
ができなかったのである。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、常温にてシリカへ転化させることができ、常
温塗布型の高純度シリカコーティング材として用いるこ
とができる高純度シリカ薄膜を形成するための溶液の製
造方法、及びそれを用いたコーティング方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
有機溶剤に可溶なペルヒドロポリシラザンにキシレン、
ミネラルターペン、シンナー及び高沸点芳香族系溶媒を
用いてアミン系触媒を添加したことを特徴とする。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の高
純度シリカ薄膜を形成するための溶液の製造方法におい
て、銀超微粒子分散液又は酸化チタン液を略0.2〜
0.6重量%添加したことを特徴とする。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載の高純度シリカ薄膜を形成するための溶液を用
いたコーティング方法において、前記高純度シリカ薄膜
を形成するための溶液を被コーティング体に対し塗布し
た後、その塗布膜上に酸化亜鉛溶液を塗布し、更にその
塗布膜上に前記高純度シリカ薄膜を形成するための溶液
を塗布したことを特徴とする。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項3記載の高
純度シリカ薄膜を形成するための溶液を用いたコーティ
ング方法において、前記被コーティング体がガラス、透
明樹脂であることを特徴とする。
【0009】請求項5記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載の高純度シリカ薄膜を形成するための溶液を用
いたコーティング方法において、前記高純度シリカ薄膜
を形成するための溶液を乗り物のボディ表面に塗布した
ことを特徴とする。
【0010】請求項6記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載の高純度シリカ薄膜を形成するための溶液を用
いたコーティング方法において、前記高純度シリカ薄膜
を形成するための溶液を身に付ける金属製装飾品に塗布
したことを特徴とする。
【0011】請求項7記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載の高純度シリカ薄膜を形成するための溶液を用
いたコーティング方法において、前記高純度シリカ薄膜
を形成するための溶液を建築物のコンクリート躯体に塗
布したことを特徴とする。
【0012】請求項8記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載の高純度シリカ薄膜を形成するための溶液を用
いたコーティング方法において、前記高純度シリカ薄膜
を形成するための溶液を加熱調理器に塗布したことを特
徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら具体的に説明する。本発明の第1の
実施形態に係る高純度シリカ薄膜を形成するための溶液
は、有機溶剤に可溶なペルヒドロポリシラザンにキシレ
ン、ミネラルターペン、シンナー及び高沸点芳香系溶媒
を用いてアミン系触媒を添加することにより得られるも
ので、被コーティング体に塗布すると、常温にてシリカ
へ転化し得るものである。
【0014】上記ペルヒドロポリシラザン(以下、単に
ポリシラザンという)は、Si−H、N−H、Si−N結合から
構成される完全無機なポリマーから成り、数平均分子量
Mnは、500〜2500程度とされている。従って、
実質的にはオリゴマーの領域であり、溶媒を除いた樹脂
成分の性質は粘性液体とされる。本実施形態において
は、ポリシラザンに溶媒を用いてアミン系触媒を添加し
ている。
【0015】本実施形態の高純度シリカ薄膜を形成する
ための溶液は、溶解性、安定性及び塗膜性の優位性か
ら、キシレン、ミネラルターペン及び高沸点芳香系溶媒
が用いている。尚、ポリシラザンは、OH(水酸基)を
もつ物質と反応して加水分解されるため、水やアルコー
ル系のものを溶媒として使用できない。
【0016】ここで、本実施形態の如くアミン系触媒を
添加することにより、被コーティング体へ塗布した際
に、常温でシリカへの転化を図ることができる。即ち、
ポリシラザン薄膜からシリカ薄膜への転化は、大気中の
水分との反応により主に行われるものと考えられてお
り、具体的には、−(SiH2NH)+2H2O→SiO2+NH3+2H2
る反応にて行われるのであるが、水との反応を促進させ
るアミン系触媒を転化することにより、常温によるシリ
カへの転化を図ることができるのである。
【0017】上記のようなポリシラザン溶液を被コーテ
ィング体に塗布すると、高収率かつ完全無機で緻密な薄
膜(コーティング)を得ることができる。即ち、常温に
てシリカへ転化させることができ、常温塗布型の高純度
シリカコーティング材として用いることができるポリシ
ラザン溶液が得られるのである。かかるコーティングは
緻密なため、極めて高いNaイオンバリア性、ガスバリ
ア性、耐薬品性とされるとともに、透明性にも優れてお
り、コーティング材として極めて優位な特性を持ってい
る。
【0018】上記の如く作製されたポリシラザン溶液を
以下の如き被コーティング体に塗布することができる。
即ち、自動車や鉄道などの車両や船舶、或いは航空機や
ヘリコプタ等乗り物の外装面及び内装面に本ポリシラザ
ン溶液を塗布し、高純度シリカ薄膜をコーティングする
ことができ、この場合、乗り物の外装面及び内装面にシ
リカ被膜を形成するので、劣化防止、汚れ防止を図るこ
とができる。
【0019】また、上記乗り物のボディ表面に本ポリシ
ラザン溶液を塗布すれば、形成される被膜の親水性によ
り、汚れが付着しにくいという効果を得ることができ
る。即ち、撥水性の被膜がボディ表面に形成されると、
降水時に付着した水滴がレンズとなって日光による焼け
を生じてしまう虞があるのに対し、親水性の被膜がボデ
ィ表面に形成されれば、水滴はほとんど付着せず、レン
ズ効果による焼けを防止することができるのである。
【0020】更に、乗り物のボディ表面に本ポリシラザ
ン溶液を塗布してコーティングすれば、当該ボディ表面
が平滑化され、空気抵抗を抑制して走行性を向上させる
ことができ、例えば燃費効率を向上させることができ
る。尚、上記の如くボディ塗装面の保護の他、当該ボデ
ィ表面に形成されたメッキ面、アクリル面、樹脂面或い
はゴム面等をも保護することができる。
【0021】また更に、自動車のボディ表面の他、当該
自動車のガラス面や底部のシャーシ、基礎骨組み部に本
ポリシラザン溶液を塗布し、それら部位の防錆、劣化防
止及び汚れ防止を図ることもできる。即ち、本ポリシラ
ザン溶液を塗布することにより、塗布部を外気と遮断す
ることができ、防錆効果を奏することができるのであ
る。
【0022】同様に、メガネフレーム、時計、宝石等身
に付ける金属製装飾品に本ポリシラザン溶液を塗布し、
高純度シリカ薄膜をコーティングすることができ、この
場合、金属製装飾品の外装面にシリカ被膜を形成するの
で、劣化防止、汚れ防止を図ることができる。また、人
の肌と金属製装飾品との間に高純度シリカ薄膜が介在す
ることとなり、直接人の肌に金属製装飾品が接触するの
を回避できるので、金属アレルギーを有する者が金属製
装飾品を身に付けたとしても、そのアレルギーが生じる
のを防ぐことができる。
【0023】同様に、木造、鉄筋或いは鉄骨コンクリー
ト、橋梁等建築物の内装及び外装に本ポリシラザン溶液
を塗布し、高純度シリカ薄膜をコーティングすることが
でき、この場合、内装又は外装表面にシリカ被膜を形成
するので、劣化防止、汚れ防止を図ることができる。こ
のうち、特に、建築物のコンクリート躯体に本ポリシラ
ザン溶液を塗布し、その表面に高純度シリカ薄膜をコー
ティングすれば、当該コンクリート躯体の防汚効果に加
え、コンクリートの中性化を抑制することができる。
【0024】即ち、コンクリート躯体は、その成分のセ
メントがアルカリ性を示すことにより硬化が保たれてい
るであるが、酸性雨やアスファルト塵等酸性物質の付着
によって中和される(即ち、中性化される)と、セメン
トが劣化してしまうのに対し、本溶液によるコーティン
グを施しておけば、当該中性化を抑えることができるの
である。尚、コンクリート躯体から成る建築物は、コン
クリート橋脚、トンネルコンクリート壁面等を含むもの
である。
【0025】同様に、プラスチックレンズ、航空機用ア
クリル板風防等プラスチック製品の表面に本ポリシラザ
ン溶液を塗布し、高純度シリカ薄膜をコーティングする
ことができ、この場合、表面にシリカ被膜を形成するの
で、当該表面の傷付きを防止することができる。また、
耐熱温度が1300度程度までとなり、表面硬度が素材
の1Hから3Hまで上昇するので、特にメガネレンズ等
に適用すれば、その管理が緩和されることとなる。
【0026】同様に、墓石や石像等石造物に本ポリシラ
ザン溶液を塗布し、高純度シリカ薄膜をコーティングす
ることができ、この場合、表面にシリカ被膜を形成する
ので、当該表面の汚れ防止、劣化防止に加え、傷付きを
防止することができる。更に、上述したように、親水性
により日光による焼けを防止することもできる。
【0027】次に、本発明に係る第2の実施形態につい
て説明する。本実施形態に係る高純度シリカ薄膜を形成
するための溶液は、第1の実施形態と同様、有機溶剤に
可溶なペルヒドロポリシラザンにキシレン、ミネラルタ
ーペン、シンナー及び高沸点芳香系溶媒を用いてアミン
系触媒を添加するとともに、更に、銀(Ag)超微粒子
分散液又は酸化チタン液を略0.2〜0.6重量%添加
したものから成る。
【0028】このようにして得られたポリシラザン溶液
を被コーティング体に塗布すれば、防汚効果、劣化防止
効果に加え、抗菌効果を奏することができる。即ち、添
加した銀や酸化チタンにより、高純度シリカ薄膜から成
るコーティングに菌が付着するのを防止することができ
るのである。尚、銀超微粒子分散液、酸化チタン液のい
ずれを添加するかは、製造コスト等を勘案して適宜決め
ることができるが、いずれの場合であっても、抗菌効果
を発揮することができる。
【0029】また、銀超微粒子分散液又は酸化チタン液
を略0.2〜0.6重量%添加しているので、抗菌性を
維持しつつ塗布性を向上させることができる。即ち、
0.2重量%未満の添加では、抗菌性を得るのが難しく
なる一方、0.6重量%を超える添加では、塗布性が悪
化し、塗布時の作業性及び塗布後のバリヤー性が悪化し
てしまうのである。
【0030】上記の如く作製されたポリシラザン溶液を
以下の如き被コーティング体に塗布することができる。
即ち、病院や福祉関連を含む医療建築物の内装面及び外
装面に本ポリシラザン溶液を塗布し、高純度シリカ薄膜
をコーティングすることができ、この場合、医療建築物
の内装面及び外装面に抗菌効果を有するシリカ薄膜を形
成するので、劣化防止、汚れ防止を図るとともに、菌の
繁殖を抑制して清潔に保つことができる。
【0031】同様に、公衆、自家用を含む浴室、浴槽、
トイレ及び便器に本ポリシラザン溶液を塗布し、高純度
シリカ薄膜をコーティングすることができ、この場合、
トイレや便器等に抗菌効果を有するシリカ薄膜を形成す
るので、劣化防止、汚れ防止を図るとともに、菌の繁殖
を抑制して清潔に保つことができる。また、浴室や浴槽
等、カビの発生が多い場所においては、当該カビを抑制
することができる。
【0032】同様に、電子レンジやオーブン或いはフラ
イパンや鍋等加熱調理器に本ポリシラザン液を塗布し、
高純度シリカ薄膜をコーティングすることができ、この
場合、加熱調理器に抗菌効果を有するシリカ薄膜を形成
するので、劣化防止、汚れ防止を図るとともに、菌の繁
殖を抑制して清潔に保つことができる。また、無機質で
ある高純度シリカ薄膜がコーティングされているので、
調理の際の加熱効率を向上させることができ、加熱のた
めのガスや電気を節約することができる。
【0033】同様に、管楽器、弦楽器及び打楽器等の楽
器類、レコードやCD版等に本ポリシラザン液を塗布
し、高純度シリカ薄膜をコーティングすることができ、
この場合、特に吹奏楽器、管楽器等には、抗菌効果を有
するシリカ薄膜を形成するので、劣化防止、汚れ防止を
図るとともに、菌の繁殖を抑制して清潔に保つことがで
きる。
【0034】同様に、スパイク、防具等スポーツ用品と
しての道具等に本ポリシラザン液を塗布し、高純度シリ
カ薄膜をコーティングすることができ、この場合であっ
ても、抗菌効果を有するシリカ薄膜を形成するので、劣
化防止、汚れ防止を図るとともに、菌の繁殖を抑制して
清潔に保つことができる。
【0035】同様に、台所やキッチン室における壁や
床、天井等の内装面、レンジフード、換気扇、調理台或
いは食器棚等に本ポリシラザン液を塗布し、高純度シリ
カ薄膜をコーティングすることができ、この場合であっ
ても、抗菌効果を有するシリカ薄膜を形成するので、劣
化防止、汚れ防止を図るとともに、大腸菌や黄色ブドウ
球菌等の繁殖を抑制して清潔に保つことができる。
【0036】更に、上記加熱調理器の他、エアコン、ヒ
ータ或いはストーブなど冷暖房機器に本ポリシラザン液
を塗布すれば、上記と同様、劣化防止、汚れ防止及び抗
菌効果に加え、暖房器具の暖房効率を向上させるととも
に、冷房器具のカビの発生を抑制することができる。
【0037】同様に、履き物や鞄等の皮、革、合成皮
革、ビニール製品、箸やスプーン、皿、しゃもじ等の食
器類、冷蔵庫や冷凍庫、ガスレンジ等の電気ガス製品、
玩具やベビーカー、ほ乳瓶等の乳幼児用製品、パソコン
やコピー機、ゲーム機等のIT関連機器或いはOA機器
に本ポリシラザン液を塗布し、高純度シリカ薄膜をコー
ティングすることができ、この場合であっても、抗菌効
果を有するシリカ薄膜を形成するので、劣化防止、汚れ
防止を図るとともに、菌の繁殖を抑制して清潔に保つこ
とができる。
【0038】次に、本発明に係る第2の実施形態につい
て説明する。本実施形態に係る高純度シリカ薄膜を形成
するための溶液は、第1の実施形態と同様のものであ
り、そのコーティング方法に特徴があるものである。即
ち、本ポリシラザン溶液を被コーティング体に対し塗布
した後、その塗布膜上に酸化亜鉛溶液を塗布し、更にそ
の塗布膜上に本ポリシラザン溶液を塗布するコーティン
グ方法であり、本ポリシラザン溶液が成す被膜の間に酸
化亜鉛溶液が成す被膜がサンドイッチ状に形成される。
【0039】より好ましくは、本ポリシラザン溶液の最
初の塗布を1回行い、酸化亜鉛溶液の塗布を2〜5回塗
布するとともに、更なる本ポリシラザン溶液の塗布を2
回行うことでUVカット効果を更に向上させることがで
きる。上記の如き方法で被コーティング体にコーティン
グすれば、防汚効果、劣化防止効果に加え、UVカット
効果を奏することができる。即ち、酸化亜鉛溶液が成す
被膜により、紫外線を遮断し、当該紫外線が被コーティ
ング体に及ぶのを防止することができるのである。
【0040】上記の如き本ポリシラザン溶液のコーティ
ング方法を以下の如き被コーティング体に適用すること
ができる。即ち、車両や家屋のガラスや透明樹脂に対
し、上記サンドイッチ状のコーティングを施すことによ
り、高純度シリカ薄膜をコーティングして劣化防止及び
汚れ防止を図ることができるとともに、UVカット効果
により、車内や屋内に紫外線が入ってしまうのを防止す
ることができる。
【0041】同様に、絵画や陶器等の芸術品、木製製
品、道路標識や信号機等の屋外看板構造物、ネオン管や
アクリル板等から成る電飾看板、ガラスやアクリル板か
ら成る水槽や容器、作業用又は車両用ヘルメット、漆や
金箔等を施した工芸製品や建築装飾物、自動販売機、内
装及び外装に用いられる建築資材に対し、上記サンドイ
ッチ状のコーティングを施すことにより、高純度シリカ
薄膜をコーティングして劣化防止及び汚れ防止を図るこ
とができるとともに、紫外線による品質劣化を防止する
ことができる。
【0042】以上、第1〜第3の実施形態について説明
したが、本発明はこれに限定されず、例えば第2の実施
形態に係るポリシラザン溶液を用いて第3の実施形態に
係るコーティング方法でコーティングすることにより、
抗菌効果とUVカット効果の両者を得ることができる。
この場合、清潔に保ちつつ紫外線による品質劣化を回避
すべきもの(例えば、飲料水やタバコなどの自動販売機
等)に適用すれば、その効果が効果的に発揮される。
【0043】また、全ての実施形態において、本ポリシ
ラザン溶液等の塗布の方法としては、スプレーガン、刷
毛或いは布のいずれで行うようにしてもよい。第3の実
施形態における酸化亜鉛溶液の塗布についても同様であ
る。尚、各実施形態における本ポリシラザン溶液の塗布
は、適宜回数行われるものであるが、スプレーガン、刷
毛或いは布で2〜3回塗布するようにすれば、0.1〜
1μm以下の厚さの高純度シリカ被膜を設けることがで
きる。
【0044】更に、各実施形態による本ポリシラザン溶
液のコーティング作業後、1〜2時間程度放置して乾燥
させた後、アルカリ性洗剤で表面を洗い流すことによ
り、塗布面の均一化と、常温焼成時間の短縮化を図るこ
とができる。尚、各実施形態で開示したコーティング方
法及びコーティング対象は、一例に過ぎず、本ポリシラ
ザン溶液を他のコーティング方法及びコーティング対象
に適用することができる。
【0045】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、常温にてシリ
カへ転化させることができるので、常温塗布型の高純度
シリカコーティング材として用いることができる。即
ち、種々の基板、素材及び製品に塗布形式でコーティン
グを施すことができ、容易且つ効果的にコーティングを
施した製品等の劣化防止或いは汚れ防止を図ることがで
きる。
【0046】請求項2の発明によれば、銀超微粒子分散
液又は酸化チタン液を請求項1記載の溶液に添加したの
で、コーティングに抗菌効果を持たせることができる。
また、銀超微粒子分散液又は酸化チタン液を略0.2〜
0.6重量%添加しているので、抗菌性を維持しつつ塗
布性を向上させることができる。
【0047】請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2記載の高純度シリカ薄膜を形成するための溶液を
被コーティング体表面に塗布し、その上に酸化亜鉛溶液
を塗布した後、更に請求項1又は請求項2記載の溶液を
塗布しているので、請求項1又は請求項2の発明の効果
に加え、コーティングにUVカット効果を持たせること
ができる。
【0048】請求項4の発明によれば、被コーティング
体がガラス、透明樹脂であるので、請求項3の発明の効
果を十分に有効たらしめることができる。
【0049】請求項5の発明によれば、請求項1又は請
求項2記載の高純度シリカ薄膜を形成するための溶液を
乗り物のボディ表面に塗布したので、コーティング後の
ボディ表面に汚れが付着しにくく、且つ、乗り物の空気
抵抗を低く抑えることができる。即ち、本発明の溶液を
ボディ表面に塗布することにより、当該表面に無機質の
被膜が形成されて防汚効果を奏するとともに、当該表面
を平滑化させて空気抵抗を低く抑えることができるので
ある。
【0050】請求項6の発明によれば、請求項1又は請
求項2記載の高純度シリカ薄膜を形成するための溶液を
身に付ける金属製装飾品に塗布したので、当該金属製装
飾品の防汚効果に加え、金属アレルギーを有する者が金
属製装飾品を身に付けたとしても、そのアレルギーが生
じるのを抑制することができる。
【0051】請求項7の発明によれば、請求項1又は請
求項2記載の高純度シリカ薄膜を形成するための溶液を
建築物のコンクリート躯体に塗布したので、当該コンク
リート躯体の防汚効果に加え、コンクリートの中性化を
抑制することができる。
【0052】請求項8の発明によれば、請求項1又は請
求項2記載の高純度シリカ薄膜を形成するための溶液を
加熱調理器に塗布したので、当該加熱調理器の防汚効果
に加え、加熱効率を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE03 CA23 CA32 CA33 CA34 CA36 CA37 CA42 CA44 CA45 CB06 DA06 DB01 DB12 DB13 DB16 DB35 DB38 DB43 DC01 DC05 DC08 DC11 DC15 DC18 DC24 DC38 EA07 EB42 EB43 EC02 EC07 EC10 EC30 EC54 4J038 DL171 HA066 HA216 JA05 JB01 KA04 KA06 KA08 NA01 NA05 NA06 PB02 PB05 PB07 PC03 PC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機溶剤に可溶なペルヒドロポリシラザン
    にキシレン、ミネラルターペン、シンナー及び高沸点芳
    香族系溶媒を用いてアミン系触媒を添加したことを特徴
    とする高純度シリカ薄膜を形成するための溶液の製造方
    法。
  2. 【請求項2】銀超微粒子分散液又は酸化チタン液を略
    0.2〜0.6重量%添加したことを特徴とする請求項
    1記載の高純度シリカ薄膜を形成するための溶液の製造
    方法。
  3. 【請求項3】前記高純度シリカ薄膜を形成するための溶
    液を被コーティング体に対し塗布した後、その塗布膜上
    に酸化亜鉛溶液を塗布し、更にその塗布膜上に前記高純
    度シリカ薄膜を形成するための溶液を塗布したことを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載の高純度シリカ薄膜
    を形成するための溶液を用いたコーティング方法。
  4. 【請求項4】前記被コーティング体がガラス、透明樹脂
    であることを特徴とする請求項3記載の高純度シリカ薄
    膜を形成するための溶液を用いたコーティング方法。
  5. 【請求項5】前記高純度シリカ薄膜を形成するための溶
    液を乗り物のボディ表面に塗布したことを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の高純度シリカ薄膜を形成する
    ための溶液を用いたコーティング方法。
  6. 【請求項6】前記高純度シリカ薄膜を形成するための溶
    液を身に付ける金属製装飾品に塗布したことを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の高純度シリカ薄膜を形成
    するための溶液を用いたコーティング方法。
  7. 【請求項7】前記高純度シリカ薄膜を形成するための溶
    液を建築物のコンクリート躯体に塗布したことを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の高純度シリカ薄膜を形
    成するための溶液を用いたコーティング方法。
  8. 【請求項8】前記高純度シリカ薄膜を形成するための溶
    液を加熱調理器に塗布したことを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載の高純度シリカ薄膜を形成するための溶
    液を用いたコーティング方法。
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