JP2003335709A - シクロドデカトリエン−1,5,9の連続的製法 - Google Patents
シクロドデカトリエン−1,5,9の連続的製法Info
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- JP2003335709A JP2003335709A JP2002138802A JP2002138802A JP2003335709A JP 2003335709 A JP2003335709 A JP 2003335709A JP 2002138802 A JP2002138802 A JP 2002138802A JP 2002138802 A JP2002138802 A JP 2002138802A JP 2003335709 A JP2003335709 A JP 2003335709A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 1,3−ブタジエン(BD)の三量化により
シクロドデカトリエン−1,5,9(CDT)を高転化
率・高選択率・高収率で連続的に製造する方法の提供。 【解決手段】 (1)不活性炭化水素溶媒中にルイス塩
基を溶解し、(2)この溶液に有機アルミニウム化合物
を添加し、熟成させ、(3)この熟成液にBDとチタン
化合物とを同時に添加し、又はBDを添加した後にチタ
ン化合物を添加してBDを三量化する。
シクロドデカトリエン−1,5,9(CDT)を高転化
率・高選択率・高収率で連続的に製造する方法の提供。 【解決手段】 (1)不活性炭化水素溶媒中にルイス塩
基を溶解し、(2)この溶液に有機アルミニウム化合物
を添加し、熟成させ、(3)この熟成液にBDとチタン
化合物とを同時に添加し、又はBDを添加した後にチタ
ン化合物を添加してBDを三量化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,3−ブタジエ
ンからシクロドデカトリエン−1,5,9(以後、CD
Tと称す)を連続的に製造する際に、副反応物の生成を
抑制し、収率向上する方法に関するものである。CDT
は、樹脂、可塑剤、接着剤あるいはポリエステル等化学
工業、石油化学工業において有用な中間原料として広範
囲に使用される原料である。また、シクロドデカトリエ
ン−1,5,9は、それを水素化することによってシク
ロドデカンが得られ、これは主にラウリルラクタムを経
由して製造されるナイロン−12の中間原料として有用
であり、また、難燃剤、ポリアミド、ポリウレタン、合
成香料等の原料として有用である。
ンからシクロドデカトリエン−1,5,9(以後、CD
Tと称す)を連続的に製造する際に、副反応物の生成を
抑制し、収率向上する方法に関するものである。CDT
は、樹脂、可塑剤、接着剤あるいはポリエステル等化学
工業、石油化学工業において有用な中間原料として広範
囲に使用される原料である。また、シクロドデカトリエ
ン−1,5,9は、それを水素化することによってシク
ロドデカンが得られ、これは主にラウリルラクタムを経
由して製造されるナイロン−12の中間原料として有用
であり、また、難燃剤、ポリアミド、ポリウレタン、合
成香料等の原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】1,3−ブタジエンを原料に種々の触媒
を用いて、CDTを製造することは、例えば、特公昭3
8−6885号公報などにより知られており、従来CD
Tの収率の向上、ならびに生産性の向上についても研究
がなされてきた。しかしながら、いずれの触媒において
も100%のCDT選択性はなく、副反応による副生成
物、たとえば環状2量体である1,5−シクロオクタジ
エン(以下、CODと称す)、1,4−ビニルシクロヘ
キセン(以下、VCHと称す)、溶媒との付加物(ベン
ゼンであれば、ブテニルベンゼン)、さらにブタジエン
のオリゴマー、ブタジエンのポリマーなどが生成するこ
とが知られている。
を用いて、CDTを製造することは、例えば、特公昭3
8−6885号公報などにより知られており、従来CD
Tの収率の向上、ならびに生産性の向上についても研究
がなされてきた。しかしながら、いずれの触媒において
も100%のCDT選択性はなく、副反応による副生成
物、たとえば環状2量体である1,5−シクロオクタジ
エン(以下、CODと称す)、1,4−ビニルシクロヘ
キセン(以下、VCHと称す)、溶媒との付加物(ベン
ゼンであれば、ブテニルベンゼン)、さらにブタジエン
のオリゴマー、ブタジエンのポリマーなどが生成するこ
とが知られている。
【0003】CDTの製造において、これら副生成物の
生成の抑制について種々検討が加えられてきた。例え
ば、特公昭59−18368号公報には、チタン化合物
及びアルミニウム化合物に、第3成分としてよう素化合
物を添加し、収率を上げる方法が開示されているが、C
DT収率は90%程度である。また、特公昭57−36
52号公報では、硫黄化合物とシロキサン化合物の添加
により、高選択性を得ているが、CDT選択率は80%
程度と記載されている。特公昭43−2340号公報で
は芳香族カルボン酸チタニウムハロゲン化物の芳香族カ
ルボン酸エステルを使用し選択率を向上させているが、
実施例から見る限り1,3−ブタジエンの転化率は低
い。特公昭43−26616号公報では三塩化アルミニ
ウム触媒を用い水を添加することによりCDT選択性が
向上することが報告されてはいるが、三塩化アルミニウ
ムが固体であるため、固体のハンドリングが必要とな
る。そして特公昭43−26616号公報でも触媒に水
を添加することにより触媒の高活性を引き出している
が、添加した1,3−ブタジエンの全量が反応に寄与す
るようにはなっておらず、転化率は低い。
生成の抑制について種々検討が加えられてきた。例え
ば、特公昭59−18368号公報には、チタン化合物
及びアルミニウム化合物に、第3成分としてよう素化合
物を添加し、収率を上げる方法が開示されているが、C
DT収率は90%程度である。また、特公昭57−36
52号公報では、硫黄化合物とシロキサン化合物の添加
により、高選択性を得ているが、CDT選択率は80%
程度と記載されている。特公昭43−2340号公報で
は芳香族カルボン酸チタニウムハロゲン化物の芳香族カ
ルボン酸エステルを使用し選択率を向上させているが、
実施例から見る限り1,3−ブタジエンの転化率は低
い。特公昭43−26616号公報では三塩化アルミニ
ウム触媒を用い水を添加することによりCDT選択性が
向上することが報告されてはいるが、三塩化アルミニウ
ムが固体であるため、固体のハンドリングが必要とな
る。そして特公昭43−26616号公報でも触媒に水
を添加することにより触媒の高活性を引き出している
が、添加した1,3−ブタジエンの全量が反応に寄与す
るようにはなっておらず、転化率は低い。
【0004】通常、CDTの工業的製造については、経
済性の点から連続プロセスを採用していることが多く、
CDT収率の向上はコスト上、重要であるため上記のよ
うな収率向上の検討がなされており、主に触媒の種類、
複数の触媒による検討がほとんどである。
済性の点から連続プロセスを採用していることが多く、
CDT収率の向上はコスト上、重要であるため上記のよ
うな収率向上の検討がなされており、主に触媒の種類、
複数の触媒による検討がほとんどである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、1,3−ブ
タジエンを三量化してシクロドデカトリエン−1,5,
9(CDT)を製造する連続反応において、副反応物の
生成を抑制し、高収率でCDTを製造する方法を提供し
ようとするものである。
タジエンを三量化してシクロドデカトリエン−1,5,
9(CDT)を製造する連続反応において、副反応物の
生成を抑制し、高収率でCDTを製造する方法を提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を鋭意研究した結果、CDTの生成触媒であるチーグラ
ー・ナッタ触媒およびルイス塩基のフィード方法に、最
適な順序があることを見出し、この知見に基いて本発明
を完成した。本発明方法によれば、添加したブタジエン
の99%以上が反応し、このため原料の1,3−ブタジ
エンの回収設備は不要となる。
を鋭意研究した結果、CDTの生成触媒であるチーグラ
ー・ナッタ触媒およびルイス塩基のフィード方法に、最
適な順序があることを見出し、この知見に基いて本発明
を完成した。本発明方法によれば、添加したブタジエン
の99%以上が反応し、このため原料の1,3−ブタジ
エンの回収設備は不要となる。
【0007】本発明のシクロドデカトリエン−1,5,
9を連続的に製造する方法は、有機アルミニウム化合物
及びチタン化合物を含むチーグラー・ナッタ触媒及びル
イス塩基の存在下に、1,3−ブタジエンを三量化反応
に供して、シクロドデカトリエン−1,5,9を製造す
るに際し、(1)前記ルイス塩基を、不活性炭化水素か
らなる溶媒中に溶解し、(2)前記ルイス塩基溶液中
に、前記有機アルミニウム化合物を溶解してこれを熟成
し、(3)(i)前記熟成溶液中に、1,3−ブタジエ
ンを混合し、次にこの反応混合液に前記チタン化合物を
混合して、或は、(ii)前記熟成溶液中に、1,3−ブ
タジエンと前記チタン化合物とを混合して、反応混合液
を調製し、(4)前記反応混合液を、1,3−ブタジエ
ンの三量化反応に供する、ことを特徴とするものであ
る。本発明のシクロドデカトリエン−1,5,9の製造
方法において、前記ルイス塩基として、水が用いられ、
前記有機アルミニウム化合物として少なくとも1種のア
ルキルアルミニウムハライドが用いられ、前記チタン化
合物として、少なくとも1種のチタンハライドが用いら
れることが好ましい。本発明のシクロドデカトリエン−
1,5,9の製造方法において、前記有機アルミニウム
化合物の前記ルイス塩基に対するモル比が、3:1〜2
0:1であり、前記有機アルミニウムの前記チタン化合
物に対するモル比が、1:1〜40:1であり、1,3
−ブタジエン1リットル当りの前記チタン化合物の量
が、0.5〜3ミリモル/リットルであることが好まし
い。本発明のシクロドデカトリエン−1,5,9の製造
方法において、前記1,3−ブタジエンの三量化反応
を、直列に配置された2個以上の連続攪拌式反応槽を有
する連続反応装置中において行うか、或は少なくとも1
個の管型反応器を含む連続反応装置中において行うこと
が好ましい。
9を連続的に製造する方法は、有機アルミニウム化合物
及びチタン化合物を含むチーグラー・ナッタ触媒及びル
イス塩基の存在下に、1,3−ブタジエンを三量化反応
に供して、シクロドデカトリエン−1,5,9を製造す
るに際し、(1)前記ルイス塩基を、不活性炭化水素か
らなる溶媒中に溶解し、(2)前記ルイス塩基溶液中
に、前記有機アルミニウム化合物を溶解してこれを熟成
し、(3)(i)前記熟成溶液中に、1,3−ブタジエ
ンを混合し、次にこの反応混合液に前記チタン化合物を
混合して、或は、(ii)前記熟成溶液中に、1,3−ブ
タジエンと前記チタン化合物とを混合して、反応混合液
を調製し、(4)前記反応混合液を、1,3−ブタジエ
ンの三量化反応に供する、ことを特徴とするものであ
る。本発明のシクロドデカトリエン−1,5,9の製造
方法において、前記ルイス塩基として、水が用いられ、
前記有機アルミニウム化合物として少なくとも1種のア
ルキルアルミニウムハライドが用いられ、前記チタン化
合物として、少なくとも1種のチタンハライドが用いら
れることが好ましい。本発明のシクロドデカトリエン−
1,5,9の製造方法において、前記有機アルミニウム
化合物の前記ルイス塩基に対するモル比が、3:1〜2
0:1であり、前記有機アルミニウムの前記チタン化合
物に対するモル比が、1:1〜40:1であり、1,3
−ブタジエン1リットル当りの前記チタン化合物の量
が、0.5〜3ミリモル/リットルであることが好まし
い。本発明のシクロドデカトリエン−1,5,9の製造
方法において、前記1,3−ブタジエンの三量化反応
を、直列に配置された2個以上の連続攪拌式反応槽を有
する連続反応装置中において行うか、或は少なくとも1
個の管型反応器を含む連続反応装置中において行うこと
が好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明方法で使用される1,3−
ブタジエンの3量化反応は、有機アルミニウム化合物お
よびチタン化合物の混合触媒(通称チーグラー・ナッタ
触媒)及びそれに添加されたルイス塩基の存在下に不活
性炭化水素溶媒中において行われる。
ブタジエンの3量化反応は、有機アルミニウム化合物お
よびチタン化合物の混合触媒(通称チーグラー・ナッタ
触媒)及びそれに添加されたルイス塩基の存在下に不活
性炭化水素溶媒中において行われる。
【0009】本発明方法におけるブタジエンの三量化反
応は、前述のように不活性炭化水素溶媒中で実施され
る。この反応溶媒用不活性炭化水素は、好ましくは、炭
素数6〜12の直鎖状炭化水素、環状炭化水素および芳
香族炭化水素から選ばれ、具体的には、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、シクロオク
タン、シクロドデカン、シクロドデカトリエン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。特に好まし
い溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素溶媒が用いられる。
応は、前述のように不活性炭化水素溶媒中で実施され
る。この反応溶媒用不活性炭化水素は、好ましくは、炭
素数6〜12の直鎖状炭化水素、環状炭化水素および芳
香族炭化水素から選ばれ、具体的には、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、シクロオク
タン、シクロドデカン、シクロドデカトリエン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。特に好まし
い溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素溶媒が用いられる。
【0010】本発明方法では、最初の工程(溶解工程)
(1)として、不活性炭化水素溶媒中にルイス塩基を溶
解する。ルイス塩基としては、水、各種アルコール、ア
ルキルスルフィド、アルキルスルホキシド、エーテル類
が挙げられる。このうち、好ましいものは水である。不
活性炭化水素溶媒中へのルイス塩基の溶解が不充分であ
れば、安定した収率でCDTを得ることが難しくなる場
合がある。そのため、ルイス塩基の溶解量は、それに続
く工程(2)におけるアルキルアルミニウムハライドの
添加量との組み合わせにより好ましい範囲が存在する。
(1)として、不活性炭化水素溶媒中にルイス塩基を溶
解する。ルイス塩基としては、水、各種アルコール、ア
ルキルスルフィド、アルキルスルホキシド、エーテル類
が挙げられる。このうち、好ましいものは水である。不
活性炭化水素溶媒中へのルイス塩基の溶解が不充分であ
れば、安定した収率でCDTを得ることが難しくなる場
合がある。そのため、ルイス塩基の溶解量は、それに続
く工程(2)におけるアルキルアルミニウムハライドの
添加量との組み合わせにより好ましい範囲が存在する。
【0011】工程(2)においては、ルイス塩基を溶解
した不活性炭化水素溶媒溶液中に有機アルミニウム化合
物を添加し、ルイス塩基と反応させることからなる熟成
が行われる。有機アルミニウム化合物の具体例として
は、AlRCl2 ,AlR1.5Cl1.5 ,AlR2 Cl
などの有機ハロゲン化アルミニウム化合物(ハロゲン化
Al化合物)が挙げられる。ただし、上式中、Rは炭素
原子数が1から12の炭化水素基を表す。特に、AlR
1.5 Cl1.5 は好ましく用いられる。この工程(2)に
おいて添加される有機アルミニウム化合物と工程(1)
で溶解させたルイス塩基のモル比(有機アルミニウム化
合物/ルイス塩基のモル比)は、好ましくは3〜20で
あり、より好ましくは3〜15であり、さらに好ましく
は4〜10である。有機アルミニウム化合物/ルイス塩
基モル比が、3未満であっても、又は20を超えても、
副反応物の生成量が増加し、CDT収率が悪化すること
がある。
した不活性炭化水素溶媒溶液中に有機アルミニウム化合
物を添加し、ルイス塩基と反応させることからなる熟成
が行われる。有機アルミニウム化合物の具体例として
は、AlRCl2 ,AlR1.5Cl1.5 ,AlR2 Cl
などの有機ハロゲン化アルミニウム化合物(ハロゲン化
Al化合物)が挙げられる。ただし、上式中、Rは炭素
原子数が1から12の炭化水素基を表す。特に、AlR
1.5 Cl1.5 は好ましく用いられる。この工程(2)に
おいて添加される有機アルミニウム化合物と工程(1)
で溶解させたルイス塩基のモル比(有機アルミニウム化
合物/ルイス塩基のモル比)は、好ましくは3〜20で
あり、より好ましくは3〜15であり、さらに好ましく
は4〜10である。有機アルミニウム化合物/ルイス塩
基モル比が、3未満であっても、又は20を超えても、
副反応物の生成量が増加し、CDT収率が悪化すること
がある。
【0012】この工程(2)において、チーグラー・ナ
ッタ触媒の、有機アルミニウム化合物以外の成分、すな
わちチタン化合物を添加してはならない。この根拠は明
確ではないが、工程(2)において有機アルミニウム化
合物とルイス塩基との反応により、チタン化合物の三量
化の活性を引き出す助触媒的な役割をはたすある種の有
機アルミニウム化合物が生成すると考えられるからであ
る。そしてこの有機アルミニウム化合物とルイス塩基と
の反応(熟成)が終了する前にチタン化合物を添加する
と、ルイス塩基の一部分がチタン化合物と反応し、得ら
れる触媒の触媒効率を低下させるものと考えられる。少
なくとも、工程(2)においてアルミニウム化合物とル
イス塩基との反応(熟成)が終了した後に、この熟成溶
液にチタン化合物をフィードすることが重要である。
ッタ触媒の、有機アルミニウム化合物以外の成分、すな
わちチタン化合物を添加してはならない。この根拠は明
確ではないが、工程(2)において有機アルミニウム化
合物とルイス塩基との反応により、チタン化合物の三量
化の活性を引き出す助触媒的な役割をはたすある種の有
機アルミニウム化合物が生成すると考えられるからであ
る。そしてこの有機アルミニウム化合物とルイス塩基と
の反応(熟成)が終了する前にチタン化合物を添加する
と、ルイス塩基の一部分がチタン化合物と反応し、得ら
れる触媒の触媒効率を低下させるものと考えられる。少
なくとも、工程(2)においてアルミニウム化合物とル
イス塩基との反応(熟成)が終了した後に、この熟成溶
液にチタン化合物をフィードすることが重要である。
【0013】また、同様に、原料である1,3−ブタジ
エンを工程(2)に添加してはならない。これは、1,
3−ブタジエンを工程(2)に添加すると、ブタジエン
オリゴマー、ブタジエンポリマーの生成量が著しく増加
するからである。
エンを工程(2)に添加してはならない。これは、1,
3−ブタジエンを工程(2)に添加すると、ブタジエン
オリゴマー、ブタジエンポリマーの生成量が著しく増加
するからである。
【0014】工程(2)においては、特別な熟成条件を
必要とせず、室温において行うことができる。通常、熟
成に要する温度は0℃以上〜三量化反応温度以下である
ことが好ましく、熟成に要する時間は15分程度で十分
である。むしろ、CDTの収率を決定する要因として、
上記有機アルミニウム化合物/ルイス塩基モル比の影響
が大きい。
必要とせず、室温において行うことができる。通常、熟
成に要する温度は0℃以上〜三量化反応温度以下である
ことが好ましく、熟成に要する時間は15分程度で十分
である。むしろ、CDTの収率を決定する要因として、
上記有機アルミニウム化合物/ルイス塩基モル比の影響
が大きい。
【0015】続く工程(3)が、CDTの生成反応工程
である。即ち、工程(2)においてルイス塩基の不活性
炭化水素溶媒溶液に、チーグラー・ナッタ触媒の1成分
である有機アルミニウム化合物を添加し、熟成反応をお
えた後に、工程(3)において、この熟成溶液にチタン
化合物ならびに1,3−ブタジエンを添加し、3量化反
応を実施する。このときのチタン化合物及び1,3−ブ
タジエンの添加方法は、チタン化合物と1,3−ブタジ
エンの両者を同時に添加する方法、または1,3−ブタ
ジエンを熟成工程(2)から送り出された熟成溶液に混
合した後、これにチタン化合物を添加する方法が挙げら
れる。しかし、チタン化合物を熟成工程(2)から出た
熟成液と混合した後に、1,3−ブタジエンを添加する
方法は、本発明の発明者らの検討の結果、好ましくない
ことが判明している。前記2方法のうち、チタン化合物
と1,3−ブタジエンの両者を同時に添加する方法が好
ましい。
である。即ち、工程(2)においてルイス塩基の不活性
炭化水素溶媒溶液に、チーグラー・ナッタ触媒の1成分
である有機アルミニウム化合物を添加し、熟成反応をお
えた後に、工程(3)において、この熟成溶液にチタン
化合物ならびに1,3−ブタジエンを添加し、3量化反
応を実施する。このときのチタン化合物及び1,3−ブ
タジエンの添加方法は、チタン化合物と1,3−ブタジ
エンの両者を同時に添加する方法、または1,3−ブタ
ジエンを熟成工程(2)から送り出された熟成溶液に混
合した後、これにチタン化合物を添加する方法が挙げら
れる。しかし、チタン化合物を熟成工程(2)から出た
熟成液と混合した後に、1,3−ブタジエンを添加する
方法は、本発明の発明者らの検討の結果、好ましくない
ことが判明している。前記2方法のうち、チタン化合物
と1,3−ブタジエンの両者を同時に添加する方法が好
ましい。
【0016】反応工程(3)は通常、連続攪拌混合槽に
より実施されるが、1,3−ブタジエンの三量化反応は
発熱反応であるから、反応熱の除去のために外部循環式
熱交換器を付帯することも可能である。また、1,3−
ブタジエンの転化率を向上させるために、滞留時間を長
くしてもよいが、より短時間で高収率を得るために、多
段式の連続攪拌混合槽を用いてもよく、また管型の反応
槽を用いてもよい。また、攪拌混合槽と管型反応槽を組
み合わせて使用してもよい。本発明方法に好ましい反応
方式は、2槽以上の反応槽を用い、但しその少なくとも
1つとして管型の反応器を用いる方式、または2槽以上
の多段式連続攪拌反応槽を用いる方式であり、より好ま
しい反応方式は、反応器の少なくとも1つとして管型の
反応器を用いる方式である。
より実施されるが、1,3−ブタジエンの三量化反応は
発熱反応であるから、反応熱の除去のために外部循環式
熱交換器を付帯することも可能である。また、1,3−
ブタジエンの転化率を向上させるために、滞留時間を長
くしてもよいが、より短時間で高収率を得るために、多
段式の連続攪拌混合槽を用いてもよく、また管型の反応
槽を用いてもよい。また、攪拌混合槽と管型反応槽を組
み合わせて使用してもよい。本発明方法に好ましい反応
方式は、2槽以上の反応槽を用い、但しその少なくとも
1つとして管型の反応器を用いる方式、または2槽以上
の多段式連続攪拌反応槽を用いる方式であり、より好ま
しい反応方式は、反応器の少なくとも1つとして管型の
反応器を用いる方式である。
【0017】本発明方法において使用される触媒用チタ
ン化合物としては、これまでブタジエンを三量化してシ
クロドデカトリエンを合成するため触媒として有効であ
ることが報告されているもののいずれであってもよく、
例えば、その具体例として、TiCl4 ,TiCl(O
R)3 ,TiCl2 (OR)2 ,TiCl3 (OR)及
びTi(OR)4 が挙げられる。特に、TiCl4 が好
ましく用いられる。ただし、上式中Rは炭素原子数が1
から12の炭化水素基を表す。チタン化合物の添加量に
は、特に制限はない。一般に工程(2)で用いられた有
機アルミニウム化合物と、工程(3)で添加されるチタ
ン化合物のモル比(有機アルミニウム化合物/チタン化
合物モル比)を、1〜40にコントロールすることが好
ましく、より好ましくは2〜30であり、さらに好まし
くは3〜20である。有機アルミニウム化合物/チタン
化合物モル比が、40よりも大きいと、副生成物が著し
く増加することがあり、またそれが1未満であると、
1,3−ブタジエンの転化率が低くなり、反応に長時間
を要することがある。
ン化合物としては、これまでブタジエンを三量化してシ
クロドデカトリエンを合成するため触媒として有効であ
ることが報告されているもののいずれであってもよく、
例えば、その具体例として、TiCl4 ,TiCl(O
R)3 ,TiCl2 (OR)2 ,TiCl3 (OR)及
びTi(OR)4 が挙げられる。特に、TiCl4 が好
ましく用いられる。ただし、上式中Rは炭素原子数が1
から12の炭化水素基を表す。チタン化合物の添加量に
は、特に制限はない。一般に工程(2)で用いられた有
機アルミニウム化合物と、工程(3)で添加されるチタ
ン化合物のモル比(有機アルミニウム化合物/チタン化
合物モル比)を、1〜40にコントロールすることが好
ましく、より好ましくは2〜30であり、さらに好まし
くは3〜20である。有機アルミニウム化合物/チタン
化合物モル比が、40よりも大きいと、副生成物が著し
く増加することがあり、またそれが1未満であると、
1,3−ブタジエンの転化率が低くなり、反応に長時間
を要することがある。
【0018】また、本発明で用いるチタン化合物と出発
原料である1,3−ブタジエンとの添加量割合(チタン
化合物/1,3−ブタジエン(mmol/L))には、特に
制限はない。一般にこの比を、0.4〜6にコントロー
ルすることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3で
ある。チタン化合物/1,3−ブタジエン(mmol/L)
の比が、6をこえると、副生成物が著しく増加すること
があり、またそれが0.5未満であると、1,3−ブタ
ジエンの転化率が低くなり、反応に長時間を要すること
がある。
原料である1,3−ブタジエンとの添加量割合(チタン
化合物/1,3−ブタジエン(mmol/L))には、特に
制限はない。一般にこの比を、0.4〜6にコントロー
ルすることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3で
ある。チタン化合物/1,3−ブタジエン(mmol/L)
の比が、6をこえると、副生成物が著しく増加すること
があり、またそれが0.5未満であると、1,3−ブタ
ジエンの転化率が低くなり、反応に長時間を要すること
がある。
【0019】1,3−ブタジエンの三量化温度(CDT
生成反応温度)には、特に制限はない。通常、反応温度
が40〜150℃、反応時間が30分〜10時間の範囲
内で実施される。反応圧力は、常圧下、加圧下のいずれ
で実施しても何ら問題はない。反応は、攪拌機を備えた
連続式の反応器を用いて行なうことができ、反応器とし
ては気相部を形成するものであってもよく、満液状態で
反応を行なうものであってもよい。
生成反応温度)には、特に制限はない。通常、反応温度
が40〜150℃、反応時間が30分〜10時間の範囲
内で実施される。反応圧力は、常圧下、加圧下のいずれ
で実施しても何ら問題はない。反応は、攪拌機を備えた
連続式の反応器を用いて行なうことができ、反応器とし
ては気相部を形成するものであってもよく、満液状態で
反応を行なうものであってもよい。
【0020】上記溶解工程(1)→熟成工程(2)→反
応工程(3)の順序に従う本発明方法を実施することに
より、1,3−ブタジエンの高転化率、ならびにCDT
の高収率が達成される。
応工程(3)の順序に従う本発明方法を実施することに
より、1,3−ブタジエンの高転化率、ならびにCDT
の高収率が達成される。
【0021】得られたCDTは蒸留等により容易に精製
・分離することができる。
・分離することができる。
【0022】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに説明する
が、本発明の範囲はこれらにより限定されるものではな
い。
が、本発明の範囲はこれらにより限定されるものではな
い。
【0023】実施例1
攪拌器、温度計、圧力計を設置したジャケット付き攪拌
混合槽4槽と、温度計、圧力計を設置したジャケット付
きの管型反応槽1槽とを直列に連結してCDT連続製造
装置を構成した。攪拌混合槽、管型反応器それぞれの容
積は、攪拌混合槽の第1槽が2.1リットル、第2槽が
2.0リットル、第3槽が5.2リットル、第4槽が
5.2リットル、管型反応槽が4.2リットルであっ
た。攪拌混合槽第1槽に、溶媒として使用するトルエン
を、2.5L/hrのフィード量で、また水を85μl/
hrのフィード量で連続してフィードした。この第1槽
(以下、これを第1溶解槽と記す。以下同じ)にて溶媒
(トルエン)への水の溶解(第1溶解工程)がなされ、
次いで第2槽(以下、第2溶解槽と記す)へ送られた。
この第2溶解槽では、トルエンへの水の完全溶解を達成
させるため攪拌混合のみを継続(第2溶解工程)して第
3槽(以下これを熟成槽と記す)に送り出した。この熟
成槽では、トルエンで希釈したエチルアルミニウムセス
キクロライドを29mmol/hr(Al基準(有機アルミニ
ウム化合物基準))のフィード量でフィードした(熟成
工程)。熟成槽で混合された溶液は、第4槽(以下これ
を、反応槽と記す)に送り込まれた。この反応槽におい
て熟成槽から送り込まれた溶液のほか、トルエンで希釈
されたチタニウムテトラクロライドを3.7mmol/hrの
フィード量でフィードし、また1,3−ブタジエンを
3.7L/hrのフィード量でフィードし、この反応槽に
おいてCDT生成反応を実施した(反応工程)。さら
に、反応溶液は反応槽から管型反応器に送られ、さらに
反応を進めた。第1溶解槽、第2溶解槽、熟成槽の溶液
温度は35℃にコントロールされ、反応槽と管型反応器
の温度は反応溶液温度が70℃になるようにジャケット
に流通する冷媒によって制御した。
混合槽4槽と、温度計、圧力計を設置したジャケット付
きの管型反応槽1槽とを直列に連結してCDT連続製造
装置を構成した。攪拌混合槽、管型反応器それぞれの容
積は、攪拌混合槽の第1槽が2.1リットル、第2槽が
2.0リットル、第3槽が5.2リットル、第4槽が
5.2リットル、管型反応槽が4.2リットルであっ
た。攪拌混合槽第1槽に、溶媒として使用するトルエン
を、2.5L/hrのフィード量で、また水を85μl/
hrのフィード量で連続してフィードした。この第1槽
(以下、これを第1溶解槽と記す。以下同じ)にて溶媒
(トルエン)への水の溶解(第1溶解工程)がなされ、
次いで第2槽(以下、第2溶解槽と記す)へ送られた。
この第2溶解槽では、トルエンへの水の完全溶解を達成
させるため攪拌混合のみを継続(第2溶解工程)して第
3槽(以下これを熟成槽と記す)に送り出した。この熟
成槽では、トルエンで希釈したエチルアルミニウムセス
キクロライドを29mmol/hr(Al基準(有機アルミニ
ウム化合物基準))のフィード量でフィードした(熟成
工程)。熟成槽で混合された溶液は、第4槽(以下これ
を、反応槽と記す)に送り込まれた。この反応槽におい
て熟成槽から送り込まれた溶液のほか、トルエンで希釈
されたチタニウムテトラクロライドを3.7mmol/hrの
フィード量でフィードし、また1,3−ブタジエンを
3.7L/hrのフィード量でフィードし、この反応槽に
おいてCDT生成反応を実施した(反応工程)。さら
に、反応溶液は反応槽から管型反応器に送られ、さらに
反応を進めた。第1溶解槽、第2溶解槽、熟成槽の溶液
温度は35℃にコントロールされ、反応槽と管型反応器
の温度は反応溶液温度が70℃になるようにジャケット
に流通する冷媒によって制御した。
【0024】反応装置の管型反応器の出口から反応溶液
のサンプル50mlを抜き出し、これを14%アンモニア
水0.5mlを収容している耐圧容器に、送入して触媒失
活し、得られたサンプルについてガスクロマトグラフィ
ーにより反応成績を確認した。また、管型反応器から送
り出された反応溶液を蒸留することにより、釜残分を秤
量した。ガスクロマトグラフィーのチャートから、溶媒
であるトルエン及び、1,3−ブタジエンの2量体(V
CH,COD)、CDT、低分子オリゴマー等の含有量
を算出した。また、CDTよりも高沸点の物質の含有量
は、ガスクロマトグラフィーチャートとから算出された
量と、釜残分の量とを合計して算出した。反応条件およ
び反応結果をそれぞれ表1および表2に示す。
のサンプル50mlを抜き出し、これを14%アンモニア
水0.5mlを収容している耐圧容器に、送入して触媒失
活し、得られたサンプルについてガスクロマトグラフィ
ーにより反応成績を確認した。また、管型反応器から送
り出された反応溶液を蒸留することにより、釜残分を秤
量した。ガスクロマトグラフィーのチャートから、溶媒
であるトルエン及び、1,3−ブタジエンの2量体(V
CH,COD)、CDT、低分子オリゴマー等の含有量
を算出した。また、CDTよりも高沸点の物質の含有量
は、ガスクロマトグラフィーチャートとから算出された
量と、釜残分の量とを合計して算出した。反応条件およ
び反応結果をそれぞれ表1および表2に示す。
【0025】実施例2
実施例1と同様にしてCDTを製造した。但し反応槽へ
フィードするトルエンで希釈したチタニウムテトラクロ
ライドのフィード量を5.6mmol/hrに変更した。反応
条件および反応結果をそれぞれ表1および表2に示す。
フィードするトルエンで希釈したチタニウムテトラクロ
ライドのフィード量を5.6mmol/hrに変更した。反応
条件および反応結果をそれぞれ表1および表2に示す。
【0026】実施例3
実施例1と同様にしてCDTを製造した。但し、反応槽
へフィードするトルエンで希釈したチタニウムテトラク
ロライドのフィード量を2.2mmol/hrに変更した。反
応条件および反応結果をそれぞれ表1および表2に示
す。
へフィードするトルエンで希釈したチタニウムテトラク
ロライドのフィード量を2.2mmol/hrに変更した。反
応条件および反応結果をそれぞれ表1および表2に示
す。
【0027】実施例4
反応槽と管型反応槽の間に、さらに容積5.2リットル
の攪拌槽(以下、第2反応槽と記す)を連結した。この
第2反応槽は、反応槽での反応をさらに進めるためのも
ので、ジャケットに流通する熱媒の温度を調整して、溶
液温度を70℃にコントロールした。第1溶解槽、熟成
槽、反応槽へフィードする溶剤・原料・触媒は実施例1
と同様であった。反応条件および反応結果をそれぞれ表
1および表2に示す。
の攪拌槽(以下、第2反応槽と記す)を連結した。この
第2反応槽は、反応槽での反応をさらに進めるためのも
ので、ジャケットに流通する熱媒の温度を調整して、溶
液温度を70℃にコントロールした。第1溶解槽、熟成
槽、反応槽へフィードする溶剤・原料・触媒は実施例1
と同様であった。反応条件および反応結果をそれぞれ表
1および表2に示す。
【0028】実施例5
実施例4と同様にしてCDTを製造した。但し、熟成槽
へフィードするトルエンで希釈したエチルアルミニウム
セスキクロライドのフィード量を58mmol/hr(Al基
準)にコントロールし、第1溶解槽へフィードする水の
量を206μl/hrにコントロールした。反応条件およ
び反応結果をそれぞれ表1および表2に示す。
へフィードするトルエンで希釈したエチルアルミニウム
セスキクロライドのフィード量を58mmol/hr(Al基
準)にコントロールし、第1溶解槽へフィードする水の
量を206μl/hrにコントロールした。反応条件およ
び反応結果をそれぞれ表1および表2に示す。
【0029】実施例6
実施例5と同様にしてCDTを製造した。但し、熟成槽
と反応槽との間に、さらに容積2.0リットルの攪拌槽
(以下、プレ反応槽と記す)を直列に連結した。このプ
レ反応槽にブタジエンをフィードし、溶解槽へフィード
する水の量を191μl/hrに変更し、かつ、管型反応
器は使用しなかった。反応条件および反応結果をそれぞ
れ表1および表2に示す。
と反応槽との間に、さらに容積2.0リットルの攪拌槽
(以下、プレ反応槽と記す)を直列に連結した。このプ
レ反応槽にブタジエンをフィードし、溶解槽へフィード
する水の量を191μl/hrに変更し、かつ、管型反応
器は使用しなかった。反応条件および反応結果をそれぞ
れ表1および表2に示す。
【0030】比較例1
実施例4と同様の方法により、熟成槽に、トルエンで希
釈したエチルアルミニウムセスキクロライドを58mmol
/hr(Al基準)のフィード量でフィードし、反応槽に
トルエンで希釈したチタニウムテトラクロライドを3.
7mmol/hrのフィード量でフィードし、第1溶解槽に水
を191μl/hrのフィード量でフィードし、1,3−
ブタジエンを熟成槽にフィードした。また、管型反応器
は使用しなかった。反応条件および反応結果をそれぞれ
表1および表2に示す。1,3−ブタジエンを熟成工程
(2)に添加すると、高沸点物の生成量が増加すること
が認められた。
釈したエチルアルミニウムセスキクロライドを58mmol
/hr(Al基準)のフィード量でフィードし、反応槽に
トルエンで希釈したチタニウムテトラクロライドを3.
7mmol/hrのフィード量でフィードし、第1溶解槽に水
を191μl/hrのフィード量でフィードし、1,3−
ブタジエンを熟成槽にフィードした。また、管型反応器
は使用しなかった。反応条件および反応結果をそれぞれ
表1および表2に示す。1,3−ブタジエンを熟成工程
(2)に添加すると、高沸点物の生成量が増加すること
が認められた。
【0031】比較例2
実施例4と同様の方法でCDTを製造した。但し、プレ
反応槽にチタニウムテトラクロライドをフィードした反
応条件および反応結果をそれぞれ表1および表2に示
す。熟成工程後にチタン化合物のみを、単独で添加した
場合、高沸点物の生成量の増加は認められなかったが、
1,3−ブタジエンの転化率が低く、また環状2量体で
あるVCH,CODの副生する割合の増加が認められ
た。
反応槽にチタニウムテトラクロライドをフィードした反
応条件および反応結果をそれぞれ表1および表2に示
す。熟成工程後にチタン化合物のみを、単独で添加した
場合、高沸点物の生成量の増加は認められなかったが、
1,3−ブタジエンの転化率が低く、また環状2量体で
あるVCH,CODの副生する割合の増加が認められ
た。
【0032】実施例1〜6および比較例1〜2の反応条
件を表1にまとめて示す。
件を表1にまとめて示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1〜6および比較例1〜2の反応結
果を表2にまとめて示す。
果を表2にまとめて示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明方法により、1,3−ブタジエン
を三量化してCDTを製造する連続反応において、副反
応物の生成を抑制し、高収率でシクロドデカトリエン−
1,5,9を製造することができる。
を三量化してCDTを製造する連続反応において、副反
応物の生成を抑制し、高収率でシクロドデカトリエン−
1,5,9を製造することができる。
フロントページの続き
Fターム(参考) 4H006 AA02 AC28 BA09 BA10 BA37
BA39 BA43 BA67 BC32 BC34
4H039 CA40 CH30 CL19
Claims (4)
- 【請求項1】 有機アルミニウム化合物及びチタン化合
物を含むチーグラー・ナッタ触媒及びルイス塩基の存在
下に、1,3−ブタジエンを三量化反応に供して、シク
ロドデカトリエン−1,5,9を製造するに際し、 (1)前記ルイス塩基を、不活性炭化水素からなる溶媒
中に溶解し、 (2)前記ルイス塩基溶液中に、前記有機アルミニウム
化合物を溶解してこれを熟成し、 (3)(i)前記熟成溶液中に、1,3−ブタジエンを
混合し、次にこの反応混合液に前記チタン化合物を混合
して、或は、(ii)前記熟成溶液中に、1,3−ブタジ
エンと前記チタン化合物とを混合して、反応混合液を調
製し、 (4)前記反応混合液を、1,3−ブタジエンの三量化
反応に供する、ことを特徴とするシクロドデカトリエン
−1,5,9を連続的に製造する方法。 - 【請求項2】 前記ルイス塩基として、水が用いられ、
前記有機アルミニウム化合物として少なくとも1種のア
ルキルアルミニウムハライドが用いられ、前記チタン化
合物として、少なくとも1種のチタンハライドが用いら
れる、請求項1に記載のシクロドデカトリエン−1,
5,9の製造方法。 - 【請求項3】 前記有機アルミニウム化合物の前記ルイ
ス塩基に対するモル比が、3:1〜20:1であり、前
記有機アルミニウムの前記チタン化合物に対するモル比
が、1:1〜40:1であり、1,3−ブタジエン1リ
ットル当りの前記チタン化合物の量が、0.5〜3ミリ
モル/リットルである、請求項1又は2に記載のシクロ
ドデカトリエン−1,5,9の製造方法。 - 【請求項4】 前記1,3−ブタジエンの三量化反応を
直列に配置された2個以上の連続攪拌式反応槽を有する
連続反応装置中において行うか、或は少なくとも1個の
管型反応器を含む連続反応装置中において行う、請求項
1〜3のいずれか1項に記載のシクロドデカトリエン−
1,5,9の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002138802A JP2003335709A (ja) | 2002-05-14 | 2002-05-14 | シクロドデカトリエン−1,5,9の連続的製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002138802A JP2003335709A (ja) | 2002-05-14 | 2002-05-14 | シクロドデカトリエン−1,5,9の連続的製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003335709A true JP2003335709A (ja) | 2003-11-28 |
Family
ID=29700145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002138802A Pending JP2003335709A (ja) | 2002-05-14 | 2002-05-14 | シクロドデカトリエン−1,5,9の連続的製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003335709A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011139034A2 (ko) * | 2010-05-04 | 2011-11-10 | 한국화학연구원 | 1,3-부타디엔의 삼량화 반응용 티탄계 촉매 |
EP4238952A4 (en) * | 2020-10-27 | 2024-10-02 | Hanwha Solutions Corp | 1,5,9-CYCLODODECATRIENE COMPOSITION AND CONTINUOUS PRODUCTION PROCESS THEREOF |
-
2002
- 2002-05-14 JP JP2002138802A patent/JP2003335709A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011139034A2 (ko) * | 2010-05-04 | 2011-11-10 | 한국화학연구원 | 1,3-부타디엔의 삼량화 반응용 티탄계 촉매 |
WO2011139034A3 (ko) * | 2010-05-04 | 2012-03-08 | 한국화학연구원 | 1,3-부타디엔의 삼량화 반응용 티탄계 촉매 |
KR101158865B1 (ko) * | 2010-05-04 | 2012-06-25 | 여천엔씨씨 주식회사 | 1,3-부타디엔의 삼량화 반응용 티탄계 촉매 |
EP4238952A4 (en) * | 2020-10-27 | 2024-10-02 | Hanwha Solutions Corp | 1,5,9-CYCLODODECATRIENE COMPOSITION AND CONTINUOUS PRODUCTION PROCESS THEREOF |
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