JP2003335652A - トランスグルタミナーゼ1活性化剤 - Google Patents
トランスグルタミナーゼ1活性化剤Info
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Abstract
メラベシクルを有効成分とするトランスグルタミナーゼ
1活性化剤。 【効果】 本発明の脂肪酸モノグリセリドを主成分とす
るラメラベシクルを含有する組成物は、組織のトランス
グルタミナーゼ1の局在を正常化し、活性化することに
よって皮膚疾患や皮膚性状等種々の組織における疾病や
異常を治療・改善することができる。
Description
の上皮系組織や脳などに多く存在し、それらの組織にお
ける種々の疾患に関与しているトランスグルタミナーゼ
1の活性化剤及びこれを有効成分とするトランスグルタ
ミナーゼ1関連疾患改善剤に関する。
スグルタミナーゼ1は近年、皮膚、肝臓、腎臓、肺、脳
等の組織に発現が確認されている(T.hiiragi et.al.、
J,Biol.Chem、274、34148-34154、1999)。その変調は、こ
れらの組織の疾患に関与すると考えられている。特に、
皮膚の表皮ケラチノサイトに存在するものは、分化の過
程で細胞を含むタンパク質の膜状構造を構築する機能を
有する。本酵素の機能が失われると皮膚のバリア機能が
低下し、乾燥性皮膚疾患(魚鱗癬、乾癬、アトピー性皮
膚炎等)を発症すると考えられている(M.Huber et.a
l.、Science、267、525-528、1996)。
炎症に対しては多くの抗炎症剤が、乾燥性皮膚疾患の治
療や改善には多くの保湿剤が、これまで用いられてき
た。また、皮膚性状の改善には、柔軟性、弾力性、くす
み、キメの配列の乱れ等に対して目的別にこれらの改善
剤が個別に用いられてきた。しかしながら、表皮が正常
に形成され、また角化が正常に起こればこれらの症状が
軽減すると考えられることから、表皮の形成過程に作用
して種々の皮膚疾患や皮膚性状を根本的に治療・改善す
るような表皮性状の治療・改善剤が要望されている。ま
た乾癬の治療剤として広く用いられるビタミンDには、
ケラチノサイトに含まれるある種のトランスグルタミナ
ーゼを活性化することが推測されている(T.Kanekura e
t.al.、J.Invest.Dermatol.、111、634-639、1998)が、ト
ランスグルタミナーゼ1に対する明確な作用は不明であ
る。
化する成分は、表皮における種々の症状を治療改善する
ことが可能であり、そのような作用を有する成分の開発
が望まれている。
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、脂肪酸
モノグリセリドを主成分とするラメラベシクルを皮膚に
塗布したり、経口摂取すれば、表皮のトランスグルタミ
ナーゼ1の局在を正常化し、活性化すること、また、そ
のとき肥厚、柔軟性、弾力性、くすみ等多くの皮膚性状
を改善することを見出し、本発明を完成した。
ドを主成分とするラメラベシクルを有効成分とするトラ
ンスグルタミナーゼ1活性化剤及びトランスグルタミナ
ーゼ1関連疾患改善剤を提供するものである。
ノグリセリドを主成分とするラメラベシクルは保湿作用
を有すること(特許第2606761号)、及びこれと
ビタミンAを併用するとしわ形成防止効果が得られるこ
と(特開2000−239140)が知られている。し
かし、当該ラメラベシクルがトランスグルタミナーゼ1
活性化作用を有することは全く知られていない。
ある脂肪酸モノグリセリドとしては、炭素数8〜18の
飽和または不飽和脂肪酸のモノグリセリドが好ましい。
脂肪酸モノグリセリドの構成脂肪酸の具体例としては、
カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられ
る。これらのモノグリセリドは2種以上のものを組み合
わせて用いてもよい。ここで、主成分とはベシクルの構
成成分の50重量%(以下単に%で示す)以上が脂肪酸
モノグリセリドであることをいい、特に75%以上が脂
肪酸モノグリセリドであることが好ましい。
としては、コレステロール、アルキルもしくはアルケニ
ルグリセリンエーテル等が挙げられる。コレステロール
の配合は、ラメラベシクルの安定性を向上させるため、
特に好ましい。これらの添加量は、合計で脂肪酸モノグ
リセリド100重量部に対し、1〜100重量部、特に
5〜25重量部が好ましい。
造によって形成されるよりも一枚膜ラメラ構造であるこ
とが好ましい。多重層ラメラベシクルはCa2+存在下で形
成し、平均粒子経は数μmと大きく、皮膚に浸透しにく
く、かつトランスグルタミナーゼ1活性化作用が発現し
にくい。一方、Ca2+を完全に除去して形成する一枚膜ラ
メラベシクルは平均粒子経が0.1μm以下と小さく、
皮膚に十分吸収され、優れたトランスグルタミナーゼ1
活性化作用を有する。一枚膜ラメラベシクルの粒子経は
0.001〜1μmに分布するが、特に0.01〜0.
1μmのものが好ましい。
リド含有溶液を物理的に攪拌して分散せしめることによ
り行われる。このような方法としては、たとえば、脂肪
酸モノグリセリドまたはこれを含有する油相混合物をジ
クロロメタン、クロロホルム、アセトン等の有機溶媒に
溶解した後、回転容器中で溶媒を留去して脂質層を沈殿
させ、次いで水または適当な水溶液を添加し、混合する
ことにより、本発明に用いるラメラベシクルを調製する
ことができる。また別法として、脂肪酸モノグリセリド
またはこれを含有する油相混合物を過熱して溶融混合し
た後、同程度の温度に保持された水相を添加し、物理的
に攪拌して油相を水相に分散することによっても、本発
明に用いるラメラベシクルの分散液を調製することがで
きる。上記加熱温度としては、45〜100℃、更に4
5〜80℃が好ましく、50〜70℃が特に好ましい。
ここで、物理的分散には、例えば超音波乳化装置、高圧
均一分散装置、ナノマイザー、ホモジナイザー、コロイ
ドミル等の微粒化装置を用いるのが好ましい。また、脂
肪酸モノグリセリド含有溶液としては、水溶液が望まし
く、その濃度は0.1〜20%程度が好ましい。
主成分とするラメラベシクルは、後記実施例に示す如
く、優れたトランスグルタミナーゼ1活性化作用を有す
る。また、皮膚、特に表皮における肥厚改善、柔軟性改
善、弾力性改善、くすみ改善等の種々の皮膚症状改善作
用を有し、トランスグルタミナーゼ1関連疾患改善剤と
して有用である。本発明のトランスグルタミナーゼ1活
性化剤及びトランスグルタミナーゼ1関連疾患改善剤
は、経口摂取することもできるが、化粧品、医薬品、医
薬部外品に該当する皮膚外用剤とするのが好ましい。
ベシクルをそのまま使用してもよいが、本発明の効果を
妨げない範囲で公知の化粧料成分、例えば水、アルコー
ル類、油成分、界面活性剤、防腐剤、香料、色素、保湿
剤、増粘剤、水溶性高分子、酸化防止剤、キレート剤、
pH調整剤、発泡剤、(顔料、紫外線吸収・散乱剤、粉
体)ビタミン類、アミノ酸類、抗菌剤、植物抽出物、動
物由来成分、海藻抽出物、各種薬剤、添加剤等を配合す
ることができる。
ッツ油、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油、ヤシ
油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボガド油
等の植物油脂類;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;蜜
ロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリ
ラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワラン、マイ
クロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフ
ィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、イソス
テアリン酸等の天然および合成脂肪酸類;セタノール、
ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチル
ドデカノール、ミリスチルアルコール、セチルアルコー
ル、フィトステロール等の天然および合成高級アルコー
ル類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプ
ロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オ
クチルドデシル、コレステロールオレエート等のエステ
ル類等を例示することができる。
エーテル、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン
酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレ
イン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソル
ビタン、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエ
チレングリコールアルキルエーテル、脂肪酸イソプロパ
ノールアミド、マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテ
ル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエ
ステル、ポリグリセリンモノステアレート、ポリグリセ
リンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノス
テアレート、ソルビタンモノオレート、ポリエチレング
リコールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノオレート、ポリオキシエチレンセチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオ
キシエチレン化ステロール、ポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油等のノニオン界面活性剤;ステアリン酸ナトリウ
ム、パルミチン酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラ
ウリルリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノール
アミン、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸、アシ
ルメチルタウリン等のアニオン界面活性剤;塩化ステア
リルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルト
リメチルアンモニウム、ラウリルアミンオキサイド等の
カチオン界面活性剤;塩酸アルキルアミノエチルグリシ
ン液、レシチン、酢酸ベタイン、アミドプロピルベタイ
ン等の両性界面活性剤等を例示することができる。
塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香
酸エステル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、
ヒノキチオール、レゾルシン、エタノール等を例示する
ことができる。
ール、キシリトール、プロピレングリコール、1,3−
ブチレングリコール、ソルビトール、ポリグリセリン、
ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール等
の多価アルコール類;アミノ酸、乳酸ナトリウム、ピロ
リドンカルボン酸ナトリウム等のNMF成分;キシログ
ルカン、クインスシード、カラギーナン、ペクチン、デ
ルマタン硫酸、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ローカ
ストビーンガム、ヒアルロン酸、ヘパラン硫酸、ヒアル
ロン酸ナトリウム、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸、
ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類、ホエイ2、
乳酸菌培養ろ液等を例示することができる。
キサンタンガム、硅酸アルミニウム、アラビアガム、カ
ルボキシメチルグアガム、グアガム、デキストラン、ト
ラガントガム、デンプン、キチン、キトサン、γ−グル
タミン酸等の天然高分子物質;セルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、可溶性デンプン等の半合成高分子物
質;カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン等を例示することができる。
トルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロ
ピル、アスコルビン酸等を、キレート剤としては、エデ
ト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン
酸、酒石酸、グルコン酸等を、pH調整剤としては、水
酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、クエン酸、ホ
ウ酸、ホウ砂、リン酸水素カリウム等をそれぞれ例示す
ることができる。
安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収
剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収
剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収
剤、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニ
ン酸、フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリ
アゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイ
ルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチル
ヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオ
リン、タルク等を例示することができる。
他に、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸
塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオク
タノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB
12、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、α
−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェ
ロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタ
ミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ビ
タミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カル
ニチン、フェルラ酸、γ−オリザノールおよびそれらの
誘導体等を例示することができる。
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオ
ニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン、グ
ルタミン、タウリン、トリプトファン、プロリン、アス
パラギン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジンおよびそ
れらの誘導体等を例示することができる。
ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、ヘ
キサクロロフェン等を例示することができる。
コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオ
イ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギ
ナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、
ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラ、ブク
リョウ、サンシシ、オウゴン、甘草、カワラヨモギ、ク
ジン、ヨクイニン、ニンドウ、シャクヤク、ソウハク
ヒ、サンザシ、ボタンピ、キクカモク、ショウヨウブド
ウ等からの抽出物を例示することができる。
藍藻等からの抽出液があり、具体的にはコンブ、マコン
ブ、ワカメ、ヒジキ、テングサ、ノリ、アオサ、ヒバマ
タ、オキナワモズク等からの抽出物を例示することがで
きる。
コチン酸ベンジル、アラントイン、グリチルリチン酸
(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ビサボロー
ル、ユーカルプトーン、イノシトール、サイコサポニ
ン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン等のサポニン
類、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジ
オール、トラネキサム酸、セファランチン等を例示する
ことができる。
ることができ、化粧水、乳液、保湿クリーム、クレンジ
ングクリーム、マッサージクリーム、洗顔クリーム、パ
ック、美容液等の基礎化粧品、シャンプーやリンス等の
頭髪用製品、入浴剤等の浴用化粧品、ファンデーション
等のメイクアップ化粧品、日焼け止め等の特殊化粧品
等、種々の形態とすることができる。前記ラメラベシク
ルの配合量は特に制限されないが、皮膚外用剤中に0.
01〜100%、特に0.1〜90%が好ましい。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
リセリド(モノパルミチン:モノステアリン=30:6
0)、0.3%(w/v)モノステアリルグリセリンエ
ーテルおよび0.1%コレステロールとなるように各々
の脂質を秤量し、蒸留水中で60℃下にて超音波処理
(Branson sonifer250、20KHz、55W、10分
間)を行うことによって一枚膜ラメラベシクルの製造を
行った。得られた一枚膜ラメラベシクル懸濁液を、発明
品1とした。得られた発明品1を顕微鏡下で目視し、ま
た、超微粒子粒度分布計(BI−90、BROOKHA
N INSTRUMENT)を用いてベシクルの直径を
測定した結果、平均粒子径は、0.1μmであった。さ
らに、凍結割断法を用いて電子顕微鏡(JEM−200
0FXII、JEOL)で調べた結果、発明品1のラメラ
ベシクルは一枚膜ラメラであることが確認できた。一
方、同様の操作を0.1%塩化カルシウム中にて行い、
多重層のラメラベシクルの製造を行い、得られた多重層
のラメラベシクル懸濁液を、発明品2とした。発明品1
と同様に平均粒子径と膜の状態を確認した結果、このベ
シクルの平均粒子径は、5μmであり、発明品1と同様
に電子顕微鏡下で調べた結果、多重層ラメラベシクルで
あることが確認できた。
ノグリセリド(モノミリスチン:モノパルミチン=5
0:50)、0.3%(w/v)モノステアリルグリセ
リンエーテルおよび0.1%コレステロールとなるよう
に各々の脂質を秤量し、0.1%塩化カルシウム水溶液
中60℃にてポリトロンホモジナイザー(Kinematica P
T10/35、12000rpm、回転刃直径1.2cm、1
0分間)処理を行うことによって、多重層のラメラベシ
クルの製造を行った。製造例1と同様に平均粒子径と膜
の状態を確認した結果、このベシクルの平均粒子径は、
2μmであり、多重層ラメラベシクルであることが確認
できた。
化に及ぼす影響の検討) 試料としては、製造例1で得られた発明品1及び2を用
いた。ヘアレスマウス(hr−1:Hos、雌、7週
令)に40mJ/cm2/日の紫外線を1日1回、4日
間照射した。各照射直後に、発明品1及び2を連日塗布
した(n=4〜6)。比較品としては5%グリセリン
(和光社)を用いた。実験終了日(照射4日目)に皮膚
を剥がし、一般的な方法に準して凍結切片標本スライド
を作製した。標本スライドを−20℃の100%アセト
ン(和光社)に5分間浸し固定した後、10%ウマ血清
(ライフテック・オリエンタル社)に15分間浸し、ブ
ロッキングを行った。別に作製したトランスグルタミナ
ーゼ1の活性化に必要な2箇所の限定分解部位の一方
(93番目アルギニン残基と94番目グリシン残基間)
を特異的に認識する抗体〔R1410H抗体、ハイブリ
ドーマR1410H(生工研菌寄第17903号)によ
り産生(特開2002−20400)〕に蛍光色素を標
識(FluoroLinkTMMab Cy3 labelling kit:アマシャム
社)させものを、室温で2時間反応させ免疫染色を行っ
た。無蛍光グリセリン(ベクター社)で封入し、共焦点
レーザー顕微鏡(バイオ・ラッド社)で解析した。さら
に、この染色輝度を画像解析(Winroof、三谷商
事)によって定量化し、客観的に評価した。
を照射した皮膚は、著明に肥厚した表皮に染色輝度の低
い組織像が見られた。これに対して発明品1を塗布した
皮膚は、紫外線を照射していない皮膚と同様に活性型ト
ランスグルタミナーゼ1を示す高輝度に染色された組織
像が検出された。また、染色領域も紫外線を照射してい
ない皮膚と同様に狭いことから、皮膚の肥厚も抑制され
た。発明品2を塗布した時も、活性型トランスグルタミ
ナーゼ1が検出されたが、発明品1よりは効果は低かっ
た。比較品のグリセリンでは、表皮上部の角質層が高輝
度を示したが、これ以外の表皮組織の輝度は低く、改善
効果はまったく見られなかった。
ジケータ543(三豊)を用いて測定した結果、各々の
皮膚の厚さは、UV(−);0.42±0.01mm、
UV(+);0.53±0.01mm、UV(+)+発
明品1;0.49±0.01mm、UV(+)+発明品
2;0.48±0.04mmおよびUV(+)+比較
品;0.52±0.04mmであり、発明品1および発
明品2に皮膚肥厚の抑制効果が認められた。
いた。ヘアレスマウス(hr−1:Hos、雌、7週
令)に40mJ/cm2/日の紫外線を1日1回、4日
間照射した。各照射直後に、上記製造例1の方法で得ら
れた発明品1及び2を連日塗布した(n=4〜6)。比
較品としては5%グリセリン(和光社)を用いた。塗布
後、皮膚をゴム手袋(クアラテック手袋:厚さ約0.1
4mm:井内盛栄堂)をした手で触り、皮膚の柔軟性を
表1の評価基準に従って経時的な変化を調べた。また、
実験終了日(照射4日目)に弾力性をCutometer SM575
(C+K社)を用いて測定した。
射した皮膚は実験開始2日後から柔軟性が低下したが、
発明品1および2を塗布した皮膚は各々紫外線照射前の
柔軟性を維持していた。特に発明品1は実験開始3日後
まで紫外線照射前の柔軟性を維持しており、極めて高い
柔軟性改善効果が得られることがわかった。一方、比較
品のグリセリンでもある程度の柔軟性は保っていたが、
実験開始2日後には柔軟性の低下が認められ、発明品に
比較すると軽度であった。また、図3に示したように発
明品1には弾力性改善効果が見られた。
た。ヘアレスマウス(hr−1:Hos、雌、7週令)
に40mJ/cm2/日の紫外線を1日1回、4日間照
射した。各照射直後に、上記製造例1の方法で得られた
発明品1及び2を連日塗布した(n=4〜6)。実験終
了日(照射4日目)に以下の条件で皮膚の写真をとり、
JIS Z 8721規格に基づいた色の三属性表示のうち、明度
に関して、画像解析装置(WinROOF、三谷商事)を用い
て解析した。 撮影条件:蛍光灯(40W並列2本)の光源から180
cmの下の位置で、デジタルカメラPowerShot G2(キャ
ノン製)のPプログラムAEモードで撮影した。
射した皮膚は明度が著明に低下したが、発明品1または
発明品2を塗布した皮膚では改善効果が見られた。比較
品のグリセリンでは、改善効果はまったく見られず、皮
膚はくすんだ色調を示した。
1と同様にラメラベシクルを製造し、これに(3)〜(7)を
添加して十分撹拌することにより化粧水を得た。
1と同様にラメラベシクルを製造し、これに(9)、(10)
を添加して十分撹拌する。さらにこれに80℃で(3)〜(8)
を加えて乳化し、その後(11)を加えて室温まで冷却して
乳液を得た。
1と同様にラメラベシクルを製造し、これに(14)、(15)
および(17)を添加し、これに(13)を分散せしめて分散液
を得る。次いでこれを80℃で(5)〜(12)を加えて乳化
し、その後(16)を加えて室温まで冷却してクリームを得
た。
試験例1と同様にラメラベシクルを製造し、これに(4)
〜(12)を添加して十分撹拌することにより美容液を得
た。
用することにより、皮膚肥厚、柔軟性、弾力性、くすみ
等の改善が見られた。
とするラメラベシクルを含有する組成物は、組織のトラ
ンスグルタミナーゼ1の局在を正常化し、活性化するこ
とによって皮膚疾患や皮膚性状等種々の組織における疾
病や異常を治療・改善することができる。
トランスグルタミナーゼ1の発現に対する本発明ベシク
ルの効果を示す組織像である。
表皮基底膜までの距離)に対する本発明ベシクルの効果
を示す図である。
に対する本発明ベシクルの効果を示す図である。
対する本発明ベシクルの効果を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 脂肪酸モノグリセリドを主成分とするラ
メラベシクルを有効成分とするトランスグルタミナーゼ
1活性化剤。 - 【請求項2】 ベシクルが、一枚膜ラメラ構造を形成す
るものである請求項1記載のトランスグルタミナーゼ1
活性化剤。 - 【請求項3】 脂肪酸モノグリセリドを主成分とするラ
メラベシクルを有効成分とするトランスグルタミナーゼ
1関連疾患改善剤。 - 【請求項4】 ベシクルが、一枚膜ラメラ構造を形成す
るものである請求項3記載のトランスグルタミナーゼ1
関連疾患改善剤。 - 【請求項5】 トランスグルタミナーゼ1関連疾患改善
剤が、表皮性状改善剤である請求項3又は4記載のトラ
ンスグルタミナーゼ1関連疾患改善剤。 - 【請求項6】 形態が、皮膚外用剤である請求項3〜5
のいずれか1項記載のトランスグルタミナーゼ1関連疾
患改善剤。
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JP2002138234A JP2003335652A (ja) | 2002-05-14 | 2002-05-14 | トランスグルタミナーゼ1活性化剤 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008084864A1 (ja) * | 2007-01-11 | 2008-07-17 | Nisshin Pharma Inc. | カプサイシン受容体活性化剤及びそれを噴霧する装置 |
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JP2010248257A (ja) * | 2003-07-14 | 2010-11-04 | Yakult Honsha Co Ltd | 外用剤組成物 |
-
2002
- 2002-05-14 JP JP2002138234A patent/JP2003335652A/ja active Pending
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