JP2003334768A - 電動スクリュードライバ - Google Patents

電動スクリュードライバ

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JP2003334768A JP2002137443A JP2002137443A JP2003334768A JP 2003334768 A JP2003334768 A JP 2003334768A JP 2002137443 A JP2002137443 A JP 2002137443A JP 2002137443 A JP2002137443 A JP 2002137443A JP 2003334768 A JP2003334768 A JP 2003334768A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイレントクラッチを備えた電動スク
リュードライバにつき、異なるネジ締付形態に対応する
ことができる技術を提供する。 【解決手段】 モータ113の駆動トルクを工具ビ
ット123に伝達するべく第2スピンドル130、第2
クラッチカム150、第1クラッチカム140、第1ス
ピンドル120を有し、第1・第2クラッチカム14
0,150は、相互に係合してモータ130の駆動トル
クを工具ビット123に伝達するとともに、被加工材側
からの反動トルクが所定範囲を超える場合に相互の係合
が解除される第1モードと、ネジ締付作業の遂行により
工具ビット123が被加工材に向かって機体100から
所定距離離間する場合に相互の係合が解除される第2モ
ードとで切り替え可能とされた電動スクリュードライバ
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイレントクラッ
チを備えた電動スクリュードライバであって、異なるネ
ジ締付形態に対応することができるサイレントクラッチ
を備えた電動スクリュードライバに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開昭61−219581号に開
示されるように、従来の電動スクリュードライバとし
て、工具ビットと該工具ビットに回転駆動トルクを付与
するためのモータとをサイレントクラッチで連結するこ
とによって、ネジ締付作業時の騒音や振動を低減する技
術が知られている。このサイレントクラッチによれば、
締付対象であるネジが被加工材に対して一定量の締込み
深さに達した場合に、当該締込み深さに基づいてクラッ
チによる回転トルク伝達が迅速に解除され、クラッチ歯
同士の回転接触を回避することにより、騒音を抑制する
構成とされている。
【0003】その一方において、締付作業対象であるネ
ジの形態の一つとして、鉄板等の金属材料に止着されて
材料を固定するためのネジがある。かかるネジの締付作
業を行う場合、ネジの締込み深さではなく、ネジの締付
トルク量に応じて締付作業を完了するものであり、締付
トルクに応じてクラッチの断続を確実に行う必要があ
る。従来は、ネジ締作業形態に応じて、ネジの被加工材
に対する締込み深さに応じてクラッチの断続を行う電動
スクリュードライバと、ネジの締付トルク量に応じてク
ラッチの断続を行う電動スクリュードライバとをそれぞ
れ準備して使い分けていたため、ネジ締付作業に要する
コスト・簡便性の点で更なる改善の余地がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる点に
鑑みてなされたものであり、サイレントクラッチを備え
た電動スクリュードライバにつき、異なるネジ締付形態
に対応することができる技術を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、各請求項記載の発明が構成される。請求項1に記載
の発明においては、モータを収容した機体と、第1スピ
ンドル、第2スピンドル、第1クラッチ手段、第2クラ
ッチ手段およびクラッチ係合規制手段を有する電動スク
リュードライバが構成される。
【0006】第1スピンドルは、機体方向に相対移動可
能とされるとともに、該機体に向かう端部側に第1クラ
ッチ手段が配置され、他端側にネジ締付用の工具ビット
が接続される。機体としては、典型的にはモータハウジ
ングないしギアハウジングが該当する。一方、第2スピ
ンドルはモータに接続されて回転する。典型的には遊星
歯車等を用いた減速機構を介してモータに接続され回転
する構成が好ましい。
【0007】第1クラッチ手段は、第1スピンドルの軸
方向に相対移動可能とされつつ該第1スピンドルととも
に回転する。また第2クラッチ手段は、第2スピンドル
の軸方向に相対移動可能とされつつ該第2スピンドルと
ともに回転するとともに、第1スピンドルが機体側に相
対移動する場合に第1クラッチ手段と係合してモータの
駆動トルクを工具ビットに伝達する。第1スピンドル
は、典型的には、作業者がネジ締付作業時に機体を工具
ビットとともに被加工材側へ押し付けることによって生
じる押し込み荷重の反力によって機体側に相対移動す
る。なお工具ビットに回転トルクを付与するモータとし
ては、交流モータや直流ブラシレスモータ等の様々なモ
ータを採用可能である。
【0008】クラッチ係合規制手段は、第1クラッチ手
段、第2クラッチ手段とが互いに離反する方向に付勢力
を付与する。付勢力付与の典型例としては、第1クラッ
チ手段と第2クラッチ手段との間に介装された付勢スプ
リングがこれに該当する。サイレントクラッチとしての
機能を確実に担保するため、クラッチ係合規制手段によ
る付勢力は、ネジ締付作業が完了する際に第1クラッチ
手段と第2クラッチ手段とが迅速かつ確実に離反するよ
うに適宜設定するのが好ましい。
【0009】さらに請求項1に記載の発明では、モータ
の駆動トルクを工具ビットへ伝達するに際し二種類の異
なる動力伝達モード間で切り替え可能とされている。第
1の動力伝達モードでは、第1クラッチ手段と第2クラ
ッチ手段とが相互に係合して前記モータの駆動トルクを
前記工具ビットに伝達するとともに、被加工材側からの
前記工具ビットへの反動トルクが所定の範囲を超える場
合に両クラッチ手段相互の係合が解除される。また第2
の動力伝達モードでは、第1クラッチ手段と第2クラッ
チ手段とが相互に係合して前記モータの駆動トルクを前
記工具ビットに伝達するとともに、ネジ締付作業の遂行
により前記工具ビットが前記被加工材に向かって前記機
体から所定距離離間する場合に、換言すれば工具ビット
によるネジの締め込み深さに感応して、両クラッチ手段
相互の係合が解除される。このように本発明では、第1
および第2の動力伝達モードを設定することにより、ク
ラッチ手段の係合について二種類の異なる解除形態が設
定されることになる。
【0010】第1の解除形態として、被加工材からの反
動トルクすなわちネジの締付トルクが所定範囲を超える
場合、例えば所定の設定トルクを超える場合に、第1お
よび第2のクラッチ手段の係合を解除する。典型的に
は、被加工材にネジが締め付けられることで回転が規制
された工具ビット側の第1クラッチ手段と、モータの駆
動トルクをさらに伝達しようとする第2クラッチ手段と
の間で係合が解除されて、両者間の接触を迅速に遮断し
て騒音や振動を防止するサイレントクラッチがこれに該
当する。
【0011】また第2の解除形態として、ネジ締付作業
の遂行により、工具ビットが被加工材に向かって機体か
ら所定距離離間することで第1および第2のクラッチ手
段の係合を解除する。典型的には、工具ビットが被加工
材に向かって機体から所定距離離間すると、第1スピン
ドルおよび第1クラッチ手段も、ともに機体から所定距
離離反し、これによって第1クラッチ手段が第2スピン
ドルから離反し、両者間の係合が解除される構成がこれ
に該当する。
【0012】本発明によれば、ネジ締付トルクを管理し
てネジを締め付けるという作業遂行形態、およびネジの
締付量に応じて作業を完了させるという作業形態のいず
れにも対応することが可能な実用性の高い電動スクリュ
ードライバが提供される。
【0013】(請求項2に記載の発明)さらに上記請求
項1に記載の電動スクリュードライバにつき、さらに第
2クラッチ手段の位置規制手段を設けることが好まし
い。この第2クラッチ手段の位置規制手段として、第1
の動力伝達モードに置かれた第2クラッチ手段に対する
第1および第2の位置規制手段を設けることが好まし
い。このうち第1の位置規制手段は、工具ビットに被加
工材側から加わる反動トルクが所定の範囲にある場合に
は、第2クラッチ手段を第1クラッチ手段側に近接した
トルク伝達許容位置に置かれるよう規制するのが好まし
い。「反動トルクが所定の範囲にある」の典型例として
は、ネジ締付作業において未だ締付作業が完了しておら
ず、被加工材から工具ビットに付加される反動トルクが
過大になっていない状態がこれに該当する。
【0014】また第2の位置規制手段は、当該反動トル
クが所定の範囲を超えることにより、第2クラッチ手段
がクラッチ係合規制手段を介してトルク伝達許容位置よ
りも機体側、すなわち第1クラッチ手段から離反する側
のトルク伝達禁止位置に置かれる場合に、第2クラッチ
手段がトルク伝達許容位置へ移動(復帰)するのを規制
するのが好ましい。「反動トルクが所定の範囲を超え
る」の典型例として、典型的には、ネジ締付作業におい
て締付が完了し、これ以上は締付ができない状態のネジ
に更に締付トルクが加えられることにより、被加工材か
ら工具ビットに付加される反動トルクが過大になった状
態がこれに相当する。
【0015】すなわち、ネジの締付が実質的に完了し、
被加工材からの工具ビットへの反動トルクが所定の範囲
を超えた場合、換言すれば工具ビットへの反動トルクが
大きくなった場合には、トルク伝達禁止位置に置かれた
第2クラッチ手段が、トルク伝達許容位置に戻らないよ
うにし、もはや回転できないネジ側の第1クラッチ手段
と、モータ側の第2クラッチ手段とが不用意に係合して
騒音や振動を生じるのを抑制する構成とされている。
【0016】なお第2クラッチ手段のトルク伝達許容位
置からトルク伝達禁止位置への切り替えは、上記したク
ラッチ係合規制手段による付勢力に応じて迅速に遂行さ
れる構成とするのが好ましい。第1位置規制手段と第2
位置規制手段は、全く別個に、あるいは同一ないし重複
した部材をもって設置することが可能である。
【0017】このように構成することで、典型的には、
ネジ締付作業が実質的に完了し、ネジを含む被加工材側
から工具ビットが受ける反動トルクが大きくなった場合
に、第1クラッチ手段との係合が解除されてトルク伝達
禁止位置に置かれた第2クラッチ手段がトルク伝達許容
位置に移動するのを規制する構成とされる。これによ
り、ネジ締付トルクを管理しつつ作業を遂行する形態、
すなわち第1の動力伝達モードに置かれた電動スクリュ
ードライバにおいて、クラッチ係合が迅速かつ確実に解
除されるとともに、解除されたクラッチが不用意に係合
して振動や騒音を生じるのを確実に抑制することができ
る。
【0018】(請求項3に記載の発明)上記した請求項
1または2の電動スクリュードライバに関し、第2の動
力伝達モードに置かれた第2クラッチ手段が、第2スピ
ンドルの軸方向に関し第1クラッチ手段から離反する側
へ後退するのを規制する第2クラッチ後退規制手段を設
けることが好ましい。このように構成することで、第1
クラッチ手段に対する第2クラッチ手段の位置を不変と
し、第1手段と第2クラッチ手段の係合および係合解除
につき、工具ビット、第1スピンドルおよび第1クラッ
チ手段の被加工材側への相対的な移動量に係らしめるこ
とができるため、第2の駆動伝達モードを容易に実現す
ることが可能となる。
【0019】(請求項4に記載の発明)さらに上記電動
スクリュードライバに関し、第2の動力伝達モードにお
ける第2クラッチ後退規制手段と、第1の動力伝達モー
ドにおける第1の位置規制手段とは、ともに第2クラッ
チ手段が第1クラッチ手段から離反する側に移動するの
を規制するための手段であるため、両者を兼用する構成
とするのが好ましい。これにより双方の動力伝達モード
における構成部材を一部共用することができ、電動スク
リュードライバの構造の簡素化を図ることができる。両
手段を共用するための具体化手法として、例えば第2ク
ラッチ手段と機体との間にスプリングを配置し、当該ス
プリングの付勢力により第2クラッチ手段が第1クラッ
チ手段側に付勢される構成が可能である。
【0020】(請求項5に記載の発明)請求項1から4
の電動スクリュードライバが第2の動力伝達モードに置
かれる場合、機体の被加工材に対する所定量以上の近接
を規制する機体近接規制手段をさらに構成するのが好ま
しい。そして第2の動力伝達モードにおいて当該機体近
接規制手段によって機体の被加工材に対する所定量以上
の近接を規制した状態でネジの締付作業を遂行するのが
好ましい。機体近接規制手段として、例えば電動スクリ
ュードライバの第1スピンドル側にロケータを被着し、
ネジ締付に際して機体を被加工材側に押し込んだ場合
に、ロケータが被加工材と機体との間に介在することに
より、機体の被加工材に対する所定量以上の近接を規制
するといった構成が可能である。
【0021】このように機体の被加工材に対する所定量
以上の近接を規制した状態でネジの締付作業を遂行する
ことにより、第1スピンドルは、第1クラッチ手段とと
もに、機体に対し相対的に被加工材側へ近接し、これに
よって第1クラッチ手段と第2クラッチ手段との係合が
解除されることになる。従ってネジの締付量に応じて作
業を完了させる作業形態に好適な構成を容易に得ること
が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態である
電動スクリュードライバおよびその使用方法につき、図
面を参照しつつ、詳細に説明する。本実施の形態に係る
電動スクリュードライバ100の要部が図1に示され
る。なお図1では、電動スクリュードライバ100のう
ちモータハウジングおよびギアハウジングよりなる本体
部110の要部断面を示し、本体部110に連接される
ハンドグリップについては便宜上図示を省略する。
【0023】電動スクリュードライバ100は、概括的
に見て、本体部110、第1スピンドル120、第2ス
ピンドル130、第1クラッチカム140、第2クラッ
チカム150、クラッチ係合規制スプリング160、第
2クラッチカム位置規制手段170を主体として構成さ
れる。
【0024】本体部110は、本発明における「機体」
を構成する要素である。また第1クラッチカム140は
本発明における「第1クラッチ手段」に、第2クラッチ
カム150は本発明における「第2クラッチ手段」に対
応し、さらにクラッチ係合規制スプリング160は本発
明における「クラッチ係合規制手段」に、第2クラッチ
カム位置規制手段170は本発明における「第2クラッ
チ手段の位置規制手段」に対応する。
【0025】電動スクリュードライバ100の本体部1
10内にはモータ113が収容配置されている。モータ
113の出力軸113aは、減速機構115を経由して
第2スピンドル130に連接されている。なお減速機構
115には減速ギアを主体とした周知の機構を採用して
いるため、その詳細な説明は便宜上省略する。
【0026】一方、第1スピンドル120は、第2スピ
ンドル130と同軸上において本体部110の先端側
(図1において左端側)に回転可能に設けられる。第1
スピンドル120は、本体部110のスリーブ110a
に支持されつつ、第2スピンドル130との関係におい
て、第1スピンドル120の長軸方向に相対移動可能に
構成されている。第1スピンドル120の先端側には工
具ビット取付用チャック121が設けられ、他端側(図
1において右端側)には第1クラッチカム140が設け
られる工具ビット取付用チャック121には工具ビット
123が取り付けられている。
【0027】またスリーブ110aには、工具ビット1
23の先端近傍までを覆うようにロケータ191が着脱
自在に取り付けられる。ロケータ191は、本体部11
0がが図2に示す被加工材125に対し所定量以上近接
するのを規制し、本体部110が被加工材125へ近接
するのを規制した状態で工具ビット123が被加工材1
25側へ近接するのを許容する部材である。本実施の形
態では、後述するように、電動スクリュードライバ10
0を設定トルク感応モード(第1の動力伝達モード)と
するにはロケータ191をスリーブ110aから取り外
し、ネジ締め深さ感応モード(第2の動力伝達モード)
とするにはロケータ191をスリーブ110aに取り付
ける。
【0028】第1クラッチカム140は、第1スピンド
ル120の第2スピンドル130に向かう側の端部に第
1スチールボール143を介在して配置される。第1ス
チールボール143は、第1スピンドル120上に形成
されたリード溝120a内において、第2スピンドル1
30へ向かう側の端部と、第2スピンドル130から離
反する側の端部の間で移動可能に構成されている。なお
特に図1では示されないものの、リード溝120aは、
第1スピンドル120の長軸方向に対し傾斜状に形成さ
れている。すなわちリード溝120aの両端部は、第1
スピンドル120の長軸方向に所定の距離を有して設定
されるとともに、その径方向についても所定の距離を有
して設定される。そしてこれら両端部間で移動可能とさ
れた第1スチールボール143を介し、第1クラッチカ
ム140は第1スピンドル120に対し当該第1スピン
ドル120の軸方向に相対移動することが許容される。
また第1クラッチカム140は、第1スチールボール1
43がリード溝120aの両端間で移動する範囲におい
ては第1スピンドル120に対し相対的に回転すること
を許容されるが、第1スチールボール143がリード溝
120aの第2クラッチカム150に近接する側の端部
に置かれると、第1スチールボール143が当該リード
溝120a端部に当接規制されることにより、第1クラ
ッチカム140は第1スピンドル120と一体に回転す
るよう規制される。また第1クラッチカム140の第2
スピンドル130に向かう側の端部(図1において右端
側)にはクラッチ歯141が設けられている。
【0029】第1クラッチカム140は、ネジ締付作業
時に、工具ビット123の先端にネジ124を取り付け
た状態で被加工材125(図2参照)に押し当てながら
作業者が電動スクリュードライバ100に押し込み荷重
を付加することにより、第1スピンドル120ととも
に、当該押し込み荷重に対する被加工材側からの反力に
よって第2スピンドル130方向(図中右方向)に移動
することになる。これらの動作の詳細については後述す
る。
【0030】第2クラッチカム150は、第2スピンド
ル130の第1スピンドル120に向かう側の端部(図
1において左側端部)に第2スチールボール153を介
在して配置される。第2クラッチカム150の第1スピ
ンドル120に向かう側の端部にはクラッチ歯151が
設けられている。第2スチールボール153は、第2ス
ピンドル130上に設けられたカム溝130a内におい
て、第1スピンドル120方向に向かう端部と、第1ス
ピンドル120から離反する方向に向かう端部との間を
移動することにより、第2クラッチカム150の位置規
定部材としての役割を果たす。第2クラッチカム150
は、この第2スチールボール153により、第2スピン
ドル130に対し当該第2スピンドル130の軸方向に
円滑に相対移動することが許容されるとともに、第2ス
ピンドル130と一体に回転するように構成されてい
る。なお第2スチールボール153について上記両端部
間を軸方向に移動可能とする構成は機能上必ずしも必要
ではないものの、第2クラッチカム153の第2スピン
ドル130に対する円滑な摺動動作を確保する観点か
ら、本実施の形態では、上記のように両端部間を移動可
能に構成している。
【0031】第1クラッチカム140と第2クラッチカ
ム150との間には、クラッチ係合規制スプリング16
0が配置される。クラッチ係合規制スプリング160
は、第1クラッチカム140と第2クラッチカム150
とが互いに離反する方向に付勢力を生じる。換言すれば
クラッチ係合規制スプリング160は、その付勢力によ
り、第1クラッチカム140側のクラッチ歯141と、
第2クラッチカム150側のクラッチ歯151が確実に
係合解除するとともに、係合解除後に不用意に接触しな
いように確実に離間させる役割を果たす。
【0032】次に第2クラッチカム位置規制手段170
の詳細な構造について説明する。第2クラッチカム位置
規制手段170は、付勢スプリング171、ストッパー
181、ストッパー作動用ピン183、ストッパー係合
溝185、リングスプリング187、ストッパー作動用
スプリング189を主体として構成される。
【0033】このうち付勢スプリング171は、第2ク
ラッチカム150と付勢スプリング支持ワッシャ179
との間に装着されて、第2クラッチカム150が第1ク
ラッチカム140へ向かうように付勢力を付与する。付
勢スプリング171は、本発明における第1の動力伝達
モード時の「第1の位置規制手段」および第2の動力伝
達モード時の「第2クラッチ後退規制手段」に対応する
とともに、両手段を兼用する。
【0034】ストッパー181はスチールボールによっ
て構成される。ストッパー作動用ピン183は、リング
スプリング187を介在して第1スピンドル120に設
けられるとともに、ストッパー作動用スプリング189
によって第2スピンドル130に向かう方向に付勢され
る。ストッパー作動用ピン183の途上にはストッパー
係合溝185が形成され、このストッパー係合溝185
にストッパー181が嵌着して配置される。
【0035】ストッパー係合溝185のストッパー18
1への当接面は曲面ないしテーパ面とされており、スト
ッパー作動用スプリング189の付勢力によってストッ
パー作動用ピン183が軸方向に移動することにより、
ストッパー181は第2スピンドル130の周面から出
没可能に突出するように構成されている。しかしなが
ら、図1に示す状態では、ストッパー181の上方に第
2クラッチカム150の脚部が位置し、ストッパー18
1はこの第2クラッチカム150の脚部に邪魔をされる
ことにより、第2スピンドル130の周面から突出する
ことが規制されている。ストッパー181、ストッパー
作動用ピン183、ストッパー係合溝185、リングス
プリング187およびストッパー作動用スプリング18
9は、本発明における第1の動力伝達モード時の「第2
の位置規制手段」に対応する。
【0036】付勢スプリング171の第2クラッチカム
150に対する付勢力は、設定トルク調整リング17
3、設定トルク調整用ピン175、設定トルク調整用ス
リーブ177および付勢スプリング支持ワッシャ179
の協働によって適宜変更調整することができる。具体的
には、本体部110の長軸回りに設定トルク調整リング
173を回転させることにより、当該設定トルク調整リ
ング173に本体部110の長軸方向(図1においては
左右方向)に微小距離だけ相対移動させる。設定トルク
調整リング173は、設定トルク調整用ピン175を介
して設定トルク調整用スリーブ177に連結されてお
り、設定トルク調整用スリーブ177は、設定トルク調
整リング173とともに本体部110の長軸方向に相対
移動する。
【0037】設定トルク調整用スリーブ177の端部に
は付勢スプリング支持ワッシャ179が取り付けられて
おり、結果的に第2スピンドル130上における付勢ス
プリング支持ワッシャ179の配置位置が、第2スピン
ドル130の長軸方向に変化する。これにより付勢スプ
リング支持ワッシャ179と第2クラッチカム150間
の付勢スプリング171の長さを適宜変更し、該付勢ス
プリング171の付勢力を変更する。本実施の形態で
は、付勢スプリング171の付勢力を調節することによ
り、後述する設定トルク感応モードにおける設定トルク
値の調整が可能となる。さらに本実施の形態では、設定
トルク調整用スリーブ177の移動動作を利用して、後
述する設定トルク感応モードとネジ締め深さ感応モード
との切り替えが可能となる。
【0038】次に、本実施の形態に係る電動スクリュー
ドライバ100の作用および使用方法について説明す
る。電動スクリュードライバ100は、ネジの反動トル
ク(すなわちネジの締付トルク)が所定のトルクに達す
ることに応じてモータ113から工具ビット123への
トルク伝達を解除する設定トルク感応モードと、被加工
材に対するネジの締め込み量に応じてモータ113から
工具ビット123へのトルク伝達を解除するネジ締め深
さ感応モードとで切り替え可能とされる。設定トルク感
応モードは本発明の「第1の動力伝達モード」に対応
し、ネジ締め深さ感応モードは本発明の「第2の動力伝
達モード」に対応する。
【0039】(設定トルク感応モード)まず設定トルク
感応モード(第1の動力伝達モード)について説明す
る。電動スクリュードライバ100のうち、第1スピン
ドル120、第2スピンドル130、第1クラッチカム
140、第2クラッチカム150、クラッチ係合規制ス
プリング160、第2クラッチカム位置規制手段170
を主体とした要部の構成が図2から図7に示される。こ
のうち図2は、本実施の形態に係る電動スクリュードラ
イバ100につき、被加工材125に対しネジ124の
締付作業を開始しようとする初期状態を示す。なお図示
の便宜上、各図においては電動スクリュードライバ10
0の要部のみを示すとともに、各図における設定トルク
調整用のスリーブ177等の位置関係については、便宜
上初期位置に置かれた状態を示している。設定トルク感
応モードでは、図1に示すロケータ191はスリーブ1
10aから取り外されている。
【0040】図2に示す状態では、第2スピンドル13
0は、モータ113(図1参照)の回転トルクを第1ス
ピンドル120および第1クラッチカム140に伝達す
ることなく遊転する。また第2スピンドル130の遊転
に伴って第2クラッチカム150も遊転する。なお第2
スピンドル130は、モータ113側から第1スピンド
ル120方向に見た場合、右回りに回転している。図2
に示す状態では、クラッチ係合規制スプリング160の
付勢力により、第1クラッチカム140側のクラッチ歯
141と第2クラッチカム150側のクラッチ歯151
とは相互に離間した状態が維持される。
【0041】すなわち図2に示す状態では、第2クラッ
チカム150は付勢スプリング171の付勢力によって
第1クラッチカム140方向へ付勢される一方、未だ作
業者は電動スクリュードライバ100にネジ締付のため
の押し込み荷重を加えておらず、この結果、第1スピン
ドル120および第1クラッチカム140が第2クラッ
チカム150方向へ移動せず、両クラッチ歯141,1
51は離間した状態、すなわちクラッチ非係合状態が維
持される。またこの時、第2クラッチカム150は付勢
スプリング171によって第1クラッチカム140側に
付勢され、第2スチールボール153がカム溝130a
の第1クラッチカム140に近接する側の端部に置か
れ、第2クラッチカム150の位置規制をなす。すなわ
ち、図2に示す状態では、第2スチールボール153
が、カム溝130a内において第1スピンドル120
(ないし第1クラッチカム140)に向かう側の溝端部
に位置し、第2クラッチカム150は第1クラッチカム
140側へ臨むよう、第2スピンドル130上における
第2クラッチカム150の相対的位置が規定されてい
る。このように第2クラッチカム150が第1クラッチ
カム140に近接して保持された位置は、本発明の「ト
ルク伝達許容位置」に対応する。
【0042】さらに図2に示す状態では、ストッパー1
81の上部に第2クラッチカム150の脚部が位置する
ため、ストッパー181は当該第2クラッチカム150
の脚部によって抑えられて第2スピンドル130の周面
から突出するのを規制されている。
【0043】図2に示す初期状態からネジ締付作業を開
始する場合、ネジ124を被加工材125へ進入させる
べく、作業者は電動スクリュードライバ100を被加工
材125方向(図中左方向)へ押し込んでいく。作業者
が電動スクリュードライバ100に押し込み荷重を加え
ることにより、第1スピンドル120および第1クラッ
チカム140は、工具ビット123と一体となって、被
加工材125側からの押し込み荷重に対する反力により
第2スピンドル130方向(図中右方向)へ押圧され本
体部100側へと相対的に移動していく。この状態が図
3に示される。
【0044】図3では、押し込み荷重の反力により工具
ビット123、第1スピンドル120および第1クラッ
チカム140が一体となって図中右方向に移動し、第1
クラッチカム140の端部に設けられたクラッチ歯14
1が、クラッチ係合規制スプリング160の付勢力に抗
しつつ第2クラッチカム150側のクラッチ歯151へ
接近する。このとき第2クラッチカム150には付勢ス
プリング171の付勢力が付加されており、第2クラッ
チカム150は、第2スチールボール153がカム溝1
30aのうち第1スピンドル120に向かう側の端部に
位置し、第1クラッチカム140に近接した位置、すな
わちトルク伝達許容位置に置かれている。かくして第1
クラッチカム140の図中右方向への移動により、第1
クラッチカム140と第2クラッチカム150との相対
距離は縮まっていくことになる。
【0045】また図3に示す状態では、ストッパー18
1は第2クラッチカム150の脚部によって外方に突出
するのを規制されているため、第1スピンドル120が
図中右方向に移動した場合、ストッパー作動用ピン18
3に形成されたストッパー係合溝185がストッパー1
81に当接し、ストッパー作動用ピン183の第2スピ
ンドル130方向(図中右方向)への移動を規制する。
従って、押し込み荷重の反力によって図中右方向に移動
していく第1スピンドル120と、移動が規制されたス
トッパー作動用ピン183との間に介装されたストッパ
ー作動用スプリング189は圧縮されていくことにな
る。
【0046】さて、図3に示す状態から、更に第1スピ
ンドル120および第1クラッチカム140が、第2ク
ラッチカム150方向(図中右方向)へ移動することに
より、第1クラッチカム140側のクラッチ歯141と
第2クラッチカム150側のクラッチ歯151が噛み合
い係合することになる。この状態が図4に示される。
【0047】なお、第1スチールボール143は、リー
ド溝120a内にて第2スピンドル130へ向かう側の
端部と、第2スピンドル130から離反する側の端部と
の間を移動可能とされているが、図3および図4の対比
から理解されるように、両クラッチ歯141,151の
噛み合い係合に際し、第2スピンドル130とともに回
転する第2クラッチカム150のクラッチ歯151が、
第1クラッチカム140のクラッチ歯141に噛み合う
ことで、第1クラッチカム140に回転トルクが伝えら
れる。すると第1クラッチカム140は、第1スチール
ボール143がリード溝120aの両端部間を移動する
範囲において、第1スピンドル120に対し相対的に回
転しつつ第2クラッチカム150側へと軸方向に移動し
ていく。そして第1スチールボール143がリード溝1
20aの第2クラッチ150に近接する側の端部に到達
することにより、第1クラッチカム140は第1スピン
ドル120と一体としてのみ回転が許容されることにな
る。
【0048】図4では、第1クラッチカム140側のク
ラッチ歯141と第2クラッチカム150側のクラッチ
歯151とが噛み合いを始めた状態が示され、図5で
は、第1クラッチカム140が、リード溝120aの軸
方向長さ分だけ第1スピンドル120上の第2クラッチ
カム150側に移動することにより、第1クラッチカム
140側のクラッチ歯141と第2クラッチカム150
側のクラッチ歯151とが完全に噛み合い係合し、ネジ
124を被加工材125へ締め込んでいく状態が示され
ている。図4および図5に示す状態における第2クラッ
チカム150の位置は、本発明の「トルク伝達許容位
置」に相当する。
【0049】本実施の形態では、両クラッチ歯141,
151が噛み合い係合することにより、モータ113の
回転トルクは確実にトルク伝達される。具体的には、両
クラッチ歯141,151の噛み合い係合により、モー
タ113(図1参照)の回転トルクが、第2スピンドル
130、第2スチールボール153、第2クラッチカム
150、第2クラッチカム150側のクラッチ歯15
1、第1クラッチカム140側のクラッチ歯141、第
1クラッチカム140、第1スチールボール143、第
1スピンドル120、工具ビット取付用チャック12
1、工具ビット123を経由して、ネジ124に伝達さ
れる。
【0050】なお図5に示す状態では、作業者による電
動工具100への押圧反力によって図中右方向に移動し
ようとする第1スピンドル120と、ストッパー係合溝
185がストッパー181に抑えられることで移動を規
制されたストッパー作動用ピン183との間に介装され
たストッパー作動用スプリング189は、図4に示す状
態よりも更に圧縮された状態とされる。
【0051】図5に示す状態でネジ124の被加工材1
25に対する締付作業が進行し、図6に示すように、ネ
ジ124の頭部着座面124aが被加工材125に着座
してネジ124の締付作業が最終段階に至った場合、第
1スピンドル120が作業者の押し込み荷重反力により
第2スピンドル方向に押し込まれた状態において、ネジ
締付トルクが過大となる。この状態において、モータ1
13(図1参照)の回転トルクを更に伝達しようとする
第2クラッチカム150側のクラッチ歯151が、第1
クラッチカム140側のクラッチ歯141に乗り上げる
状態となる。その結果、図6に示すように、第2クラッ
チカム150は、上記トルク伝達許容位置から、付勢ス
プリング171の付勢力に抗しつつ第1クラッチカム1
40から離反する方向(図中右方向)に移動し始める。
【0052】なお図6に示す状態では、第2スチールボ
ール153は、カム溝130a内において、第1スピン
ドル120(第1クラッチカム140)に向かう側の端
部から離反移動することにより、第2クラッチカム15
0が円滑に移動するのをアシストする。
【0053】第2クラッチカム150がトルク伝達許容
位置から図中右方向に移動し始めると、ストッパー18
1の上方に位置していた第2クラッチカム150の脚部
が図中右方向に退くことになる。一方、ストッパー作動
用ピン183は、圧縮されたストッパー作動用スプリン
グ189の付勢力によって図中右方向に押圧された状態
とされている。そのためストッパー181は、図7に示
すように、ストッパー作動用ピン183が右方向へ移動
しようとする場合に、曲面状(テーパ状)の当接面を有
するストッパー係合溝185に押し出される形で、第2
スピンドル130の周面から外方に突出することにな
る。
【0054】図7では、第1クラッチカム140側のク
ラッチ歯141と、第2クラッチカム150側のクラッ
チ歯151の噛み合い係合が解除された状態が示され
る。図7では、作業者による押し込み荷重の反力が第1
スピンドル120に付加され、第1スピンドル120は
第2スピンドル130側へ最も近接した状態とされてい
る。この状態において、第1スチールボール143がリ
ード溝120a内を第2クラッチカム150から離反す
る側の端部へ移動し、第1クラッチカム140は、第1
スピンドル120上を当該リード溝120aの軸方向長
さ分だけ第2クラッチカム150から離反する方向に移
動する。第1クラッチカム140側のクラッチ歯141
と第2クラッチカム150側のクラッチ歯151との噛
み合い係合が解除される。
【0055】なお第1スチールボール143は、第1ス
ピンドル120上のリード溝120a内を、第2スピン
ドル130に向かう側の端部と、離間した側の端部との
間で移動可能とされるが、このリード溝120aの両端
部間の軸方向距離は、クラッチ歯141,151の噛み
合い解除の際の第1クラッチカム140の軸方向移動量
を規定するとともに、第1クラッチカム140と第2ク
ラッチカム150との間の係合解除時のクリアランス量
を規定することになる。
【0056】第1スチールボール143がリード溝12
0a内を移動し、第2クラッチカム150から離反する
側へ移動した第1クラッチカム140は、第1スチール
ボール143がリード溝120aの第2クラッチカム1
50から離反する側の端部に当接することで、それ以上
の移動を規制される。一方、第2クラッチカム150
は、第1クラッチカム140と第2クラッチカム150
に作用するクラッチ係合規制スプリング160の付勢力
により、第1クラッチカム140から離反する方向へ迅
速に移動し、クラッチ歯141,151の噛み合い係合
の解除状態を維持する。かくしてサイレントクラッチと
しての機能が奏される。
【0057】第2クラッチカム150が図中右方向へ移
動するとき、上述のように、ストッパー181に対する
第2クラッチカム150脚部による抑えがなくなり、ス
トッパー181は第2スピンドル130外方へ突出す
る。従ってストッパー作動用ピン183は、ストッパー
作動用スプリング189の付勢力により第1スピンドル
と対向する方向(図中右方向)へと移動し、ストッパー
181が第2クラッチカム150の内側凹部に入り込ん
だ状態となる。
【0058】この状態では、第2クラッチカム150
は、付勢スプリング171の付勢力が付加されるにも拘
わらず、第2スピンドル130の周面から突出したスト
ッパー181により第1クラッチカム140方向へ移動
するのを規制される。換言すれば、ネジ123の締付ト
ルクが過大となってクラッチ歯141,151の係合が
解除され、第2クラッチカム150がクラッチ係合規制
スプリング160の付勢力によって第1クラッチカム1
40から離反する方向へ移動した場合、第2クラッチカ
ム150は、ストッパー181によって第1クラッチカ
ム140から離反したトルク伝達禁止位置に係止維持さ
れることになる。そして不用意な押し込み荷重付加によ
って、第1クラッチカム140が第1スピンドル120
とともに第2クラッチカム150方向へ近接したとして
も、第2クラッチカム150はストッパー181によっ
てトルク伝達禁止位置に係止されるとともに、トルク伝
達許容位置へ復帰することが規制されているため、不用
意なクラッチ歯141,151同士の噛み合い係合が回
避される。なおストッパー181は、第2クラッチカム
150の第1クラッチカム140から離反する方向(図
中右方向)への移動は許容する構成とされている。
【0059】なお本実施の形態では、「締付トルクが所
定の範囲を超えて過大となった場合」の具体的構成とし
て、ネジ124が被加工材125に締め込まれることに
よって締付トルクが所定の設定トルクに到達すること
で、第1クラッチカム140側のクラッチ歯141と第
2クラッチカム150側のクラッチ歯151の噛み合い
係合が直ちに解除されるよう設定されている。
【0060】ネジ124の締付作業が終了すると、作業
者は電動スクリュードライバ100に対する押し込み荷
重を緩める。すると第1スピンドル120は、第1クラ
ッチカム140とともに、第2スピンドル130から離
反し、図2に示す初期状態へ復帰する。なお本実施の形
態では、押し込み荷重がクラッチ係合規制スプリング1
60の付勢力以下に減少した場合に第1スピンドル12
0の復帰が許容されることになる。さらにリングスプリ
ング187(図1参照)を介して第1スピンドル120
に取り付けられたストッパー作動用ピン183について
も、第1スピンドル120とともに初期状態に復帰する
ことになる。ストッパー作動用ピン183が第1スピン
ドル120とともに先端方向(被加工材125方向)へ
移動して初期状態に復帰すると、ストッパー係合溝18
5がストッパー181の下部に位置することとなる。こ
れによりストッパー181は、第2クラッチカム150
の脚部に押されつつ、第2スピンドル130の周面から
ストッパー係合溝185へ収容され、同様に図2に示す
初期状態に復帰する。
【0061】ストッパー181が初期状態に復帰するこ
とにより、第2クラッチカム150は、当該ストッパー
181に係止されることなく第2スピンドル130の周
面を移動可能とされる。一方、付勢スプリング171の
付勢力は、クラッチ係合規制スプリング160の付勢力
よりも大きく設定されており、第2クラッチカム150
は、当該付勢スプリング171により第1クラッチカム
140方向へ移動していくことになる。このとき第2ス
チールボール153は、カム溝130a内において、第
1スピンドル120(第1クラッチカム140)に向か
う側の端部へ移動することにより第2クラッチカム15
0の移動動作を許容し、さらに当該端部に当接すること
により、第2クラッチカム150の第2スピンドル13
0上での位置を規定する。かくして電動スクリュードラ
イバ100は、第1クラッチカム140と第2クラッチ
カム150とが離間した初期状態(図2参照)に復帰す
ることになる。
【0062】以上より、設定トルク感応モードに置かれ
た電動スクリュードライバ100では、ネジ124が被
加工材125に締付けられて締付トルクが過大となり、
被加工材125側から工具ビット123が受ける反動ト
ルクが大きくなって所定の設定トルクに達した場合に、
クラッチ係合規制スプリング160の付勢力を介して、
第1クラッチカム140側のクラッチ歯141と、第2
クラッチカム150側のクラッチ歯151との係合が解
除されるとともに迅速に離間される。このとき、第2ク
ラッチカム150は、ストッパー181によりトルク伝
達禁止位置に係止維持され、第1クラッチカム140側
のトルク伝達許容位置へ移動するのを阻止される。
【0063】従って本実施の形態である電動スクリュー
ドライバ100は、とりわけネジ締付トルクを管理しつ
つ作業を遂行するというトルク管理型のネジ締付作業に
おいて、クラッチ歯141,151の噛み合い係合を迅
速かつ確実に解除するするとともに、第2クラッチカム
150をトルク伝達禁止位置に係止して、クラッチが不
用意に係合して振動や騒音を生じるのを確実に抑制する
ことが可能である。
【0064】なお、本実施の形態におけるストッパー係
合溝185の溝形状は、ストッパー181を第2スピン
ドル130の周面から出没させることができる範囲内に
て、テーパ面、曲面など様々な形状から採用可能であ
る。またクラッチ係合規制スプリング160は、第1ク
ラッチカム140と第2クラッチカム150との間に介
装する以外に、それぞれのクラッチカム140,150
ごとに別個に設定し、独立して付勢力を付与してもよ
い。
【0065】(ネジ締め深さ感応モード)次に本実施の
形態に係る電動スクリュードライバ100のネジ締め深
さ感応モード(第2の動力伝達モード)について図8か
ら図14を参照しつつ説明する。なお上述した設定トル
ク感応モードと実質的に同等の作用を奏する箇所につい
ては、便宜上その詳細な説明を省略する。設定トルク感
応モードに置かれた電動スクリュードライバ100をネ
ジ締め深さ感応モードに切り替えるには、まず図8に示
すようにスリーブ110aにロケータ191を取り付け
る。スリーブ110aに取り付けられたロケータ191
は、当該スリーブ110a先端、すなわち本体部110
の先端からロケータ191先端部192に至るまで符号
Lで示される有効長を有する。
【0066】次に図9に示すように、設定トルク調整用
リング173を操作することにより、設定トルク調整用
ピン175を介して、トルク伝達許容位置に置かれた第
2クラッチカム150に対し、設定トルク調整用スリー
ブ177を移動して当接させる。これにより第2クラッ
チカム150は、上記したトルク伝達許容位置からトル
ク伝達禁止位置へ移動(後退)するのが規制されること
になる。換言すればトルク伝達許容位置に置かれた第2
クラッチカム150は、設定トルク調整用スリーブ17
7により、第1スピンドル120および第1クラッチカ
ム140から離反する方向へと第2スピンドル130上
を移動するのを規制されることになる。すなわち設定ト
ルク調整用スリーブ177は、上記した設定トルク感応
モードでは付勢スプリング171の付勢力を変化させて
クラッチ解除のための設定トルク値を調整するのに用い
られたが、ネジ締め深さ感応モードでは第2クラッチカ
ム150の後退を規制するのに用いられ、本発明におけ
る「第2クラッチ後退規制手段」に対応するものであ
る。すなわち設定トルク調整用スリーブ177は設定ト
ルク感応モードにおいては第2クラッチカム150に対
する「第2の位置規制手段」に対応する一方、ネジ締め
深さ感応モードにおいては第2クラッチカム150に対
する「第2クラッチ後退規制手段」に対応するものであ
り、双方の機能を兼用する要素である。なおネジ締め深
さ感応モードにおいては付勢スプリング171の付勢力
はクラッチ係合ないし係合解除に影響を与えないことに
なる。
【0067】上記のようにロケータ191をスリーブ1
10aに取り付け、設定トルク調整用スリーブ177を
第2クラッチカム150に当接することでネジ締め深さ
感応モードへの切り替えが完了する。図9に示すネジ締
め深さ感応モードの初期状態からネジ締付作業を開始す
る場合、図10に示すように、ネジ124を被加工材1
25へ進入させるべく、作業者は電動スクリュードライ
バ100を被加工材125方向(図中左方向)へ押し込
んでいく。作業者が電動スクリュードライバ100に押
し込み荷重を加えることにより、第1スピンドル120
および第1クラッチカム140は、工具ビット123と
ともに、被加工材125側からの押し込み荷重に対する
反力により第2スピンドル130方向(図中右方向)へ
押圧され本体部100側へと相対的に移動していく。図
10では、第1クラッチカム140側のクラッチ歯14
0と、第2クラッチカム150側のクラッチ歯151と
が噛み合い係合する寸前の状態が示される。
【0068】図10に示す状態において更に電動スクリ
ュードライバ100を被加工材125側に押し込むこと
で、第1クラッチカム140側のクラッチ歯141と、
第2クラッチカム150側のクラッチ歯151とが噛み
合い係合する。この噛み合い係合により、図11に示す
ように、第1スチールボール143がリード溝120a
の第2クラッチカム150側の端部に移動しつつ、第1
クラッチカム140はリード溝120aの軸方向長さ分
だけ第2クラッチカム150側に移動し、これによって
クラッチ歯141,151とが完全に噛み合い係合す
る。かくして図1に示すモータ113の駆動トルクは第
2スピンドル130、第2クラッチカム150、第2ク
ラッチ歯151、第1クラッチ歯141、第1クラッチ
カム140、第1スピンドル120および工具ビット1
23を介してネジ124に伝達され、当該ネジ124が
被加工材125に締め込まれていく。なお、この時点で
はロケータ191の先端部192は被加工材125に当
接していない。また電動スクリュードライバ100への
上記押し込み荷重により、工具ビット123がロケータ
先端部192より幾らか本体部110側に後退して入り
込むことにより、ロケータ先端部192とネジ124頭
部における被加工材125への着座面124aとの間に
はセットバックCが形成される。
【0069】ネジ124が被加工材125に締め込まれ
ていくと、図12に示すように、ロケータ191の先端
部192が被加工材125に当接し、本体部110の更
なる被加工材125側への近接を規制する。すなわちロ
ケータ191は、本体部110が被加工材110に対し
所定の離間距離(図12では符号Lで示される)を越え
て近接するのを規制する。図12に示す状態では、ロケ
ータ191によって本体部110が被加工材125へ近
接規制された状態で、更にネジ124の締め込みが行わ
れるため、工具ビット123、第1スピンドル120お
よび第1クラッチカム140が、第2クラッチカム15
0および第2スピンドル130を含む本体部110の各
要素に対し、図11に示すセットバックCの分だけ相対
的に被加工材125側に移動し、これによってネジ12
4の頭部着座面124aが被加工材125に着座する。
この時、第1クラッチカム140が、第2クラッチカム
150に対し被加工材125側に上記セットバックCの
分だけ相対移動するため、クラッチ歯141,151は
当該セットバックCの分だけ離間しつつ噛み合い係合を
維持する。
【0070】クラッチ歯141,151の噛み合い係合
が維持されるため、図12に示すようにロケータ先端部
192が被加工材125に当接した状態で、さらに工具
ビット123はネジ124を被加工材125に締め込ん
でいく。すなわち本実施の形態では、ネジ124のいわ
ゆる増し締めが可能とされる。これによって、上記工具
ビット123、第1スピンドル120および第1クラッ
チカム140は、さらに第2クラッチカム150および
第2スピンドル130を含む本体部110の各要素から
被加工材125側に移動する。かくして図13に示すよ
うに、被加工材125に対するネジ124の締め深さが
所定量に達した段階で、第1クラッチカム140が第2
クラッチカム150から所定量離間し、クラッチ歯14
1,151の噛み合い係合が解除される寸前の状態に至
る。
【0071】するとクラッチ係合規制スプリング160
の付勢力を受けて、図14に示すように、第1スチール
ボール143がリード溝120aの第2クラッチ150
から離反する側の端部に移動しつつ、第1クラッチカム
140がリード溝120aの軸方向距離だけ第2クラッ
チカム150から離間し、クラッチ歯141,151の
噛み合い係合が解除される。クラッチ係合規制スプリン
グ160の付勢力により、クラッチ歯141、151の
解除は迅速かつ確実に行われ、噛み合い解除時のクラッ
チ歯141,151同士の接触による異音や振動の発生
が効果的に防止され、サイレントクラッチとしての実効
性が確保される。クラッチ解除によって第2クラッチカ
ム150側から第1クラッチカム140側へのトルク伝
達が遮断され、ネジ締め深さ感応モードにおける被加工
材125へのネジ124の締付作業が終了する。その
後、電動スクリュードライバ100に対する作業者の押
し込み荷重がクラッチ係合規制スプリング160の付勢
力以下まで緩和ないし解除されると、工具ビット12
3、第1スピンドル120および第1クラッチカム14
0が図9に示す初期状態に復帰し、次のネジ締付作業に
備えることとなる。
【0072】本実施の形態によれば、ネジ締め深さ感応
モードにおいて、設定トルク調整用スリーブ177を第
2クラッチカム150に当接させ、第2クラッチカム1
50の後退を規制し、常にトルク伝達許容位置に置かれ
る構成としたため、上記した設定トルク感応モードにお
ける部材要素を兼用しつつ、ロケータ191を取り付け
るだけで簡単にネジ締め深さ感応モードに切り替えるこ
とが可能な電動スクリュードライバ100が得られるこ
ととなった。
【0073】しかも本実施の形態における設定トルク調
整リング173は、設定トルク感応モードにおいては適
宜回転操作することで付勢スプリング171の付勢力を
変化させてクラッチ解除のための設定トルクを可変とす
る構成とし、ネジ締め深さ感応モードでは、さらに設定
トルク調整スリーブ177を第2クラッチカム150に
当接させて第2クラッチカム150がトルク伝達許容位
置から後退するのを規制することにより、ネジ締め深さ
に応じてクラッチ解除を可能とする構成としている。こ
のため設定トルク調整用リング173の操作によって簡
単に設定トルク感応モードとネジ締め深さ感応モードと
を切り替えることができる実用的な電動スクリュードラ
イバ100が提供されることとなった。
【0074】なお上記の実施の形態に関し、下記の態様
が構成可能である。すなわち、
【態様】「請求項1に記載の電動スクリュードライバで
あって、前記第1クラッチ手段および第2クラッチ手段
は、それぞれ対向する箇所に互いに噛み合い係合するク
ラッチ歯を有することを特徴とする電動スクリュードラ
イバ。」
【0075】この態様では、請求項1に記載の発明につ
き、第1クラッチ手段および第2クラッチ手段が、それ
ぞれ対向する箇所に互いに噛み合い係合するクラッチ歯
を有する構成とするのが好ましい。このように構成する
ことで、クラッチ歯同士の噛み合い係合を介した確実な
トルク伝達が可能となる。またトルク伝達を解除するに
際しても、第1クラッチ手段および第2クラッチ手段の
各クラッチ歯の一方が、相対的に他方に対し滑って乗り
上げていくので、確実なトルク伝達の解除が可能であ
り、サイレントクラッチとしての実用性を確保すること
が可能な構成とされる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、サイレントクラッチを
備えた電動スクリュードライバにつき、異なるネジ締付
形態に対応することができる技術が提供されることとな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態である電動スクリュー
ドライバの要部の構成を示す断面図である。
【図2】本実施の形態である電動スクリュードライバを
設定トルク感応モードで用いる場合において、未だネジ
締付作業を開始していない初期状態を示す。
【図3】作業者がネジ締付のための押し込み荷重を付加
したことにより、第1スピンドルが第2スピンドル方向
に移動し始めた状態を示す。
【図4】さらに第1スピンドルが移動し、第1クラッチ
カム側のクラッチ歯と、第2クラッチカム側のクラッチ
歯とが噛み合い係合し始めた状態を示す。
【図5】両クラッチ歯が噛み合い係合し、モータのトル
クが工具ビット側に伝達されてネジ締付作業を遂行して
いる状態を示す。
【図6】ネジ締付作業が最終段階に至り、締付トルクが
過大となったことにより、第2クラッチカムが後方に移
動し始めた状態を示す。
【図7】第1クラッチカムと第2クラッチカムとが係合
解除され、クラッチ係合規制スプリングにより第2クラ
ッチカムが第1クラッチカムから離反する方向に移動
し、ストッパーが突出した状態を示す。
【図8】ネジ締め深さ感応モードに切り替えるべく、電
動スクリュードライバにロケータを設置した状態を示
す。
【図9】第2クラッチカムの後退を規制し、ネジ締め深
さ感応モードとされた電動スクリュードライバの初期状
態を示す。
【図10】作業者がネジ締付のための押し込み荷重を付
加したことにより、第1スピンドルが第2スピンドル方
向に移動し始めた状態を示す。
【図11】両クラッチ歯が噛み合い係合し、モータのト
ルクが工具ビット側に伝達されてネジ締付作業を遂行し
ている状態を示す。
【図12】ロケータの先端部が被加工材に当接した状態
を示す。
【図13】ロケータ着座後、さらにネジが被加工材に締
めこまれていく状態を示す。
【図14】ネジ締付作業が完了し、第1クラッチカムと
第2クラッチカムの係合が解除された状態を示す。
【符号の説明】
100 電動スクリュードライバ 110 モータハウジング(機体) 110a スリーブ 113 モータ 115 減速機構 120 第1スピンドル 120a リード溝 121 工具ビット取付用チャック 123 工具ビット 124 ネジ 124a ネジ頭部着座面 125 被加工材 130 第2スピンドル 130a カム溝 140 第1クラッチカム(クラッチ手段) 141 クラッチ歯 143 第1スチールボール 150 第2クラッチカム 151 クラッチ歯 153 第2スチールボール 160 クラッチ係合規制スプリング(クラッチ係合規
制手段) 170 第2クラッチカム位置規制手段 171 付勢スプリング 173 設定トルク調整リング 175 設定トルク調整用ピン 177 設定トルク調整用スリーブ 179 付勢スプリング支持ワッシャ 181 ストッパー 183 ストッパー作動用ピン 185 ストッパー係合溝 187 リングスプリング 189 ストッパー作動用スプリング 191 ロケータ 192 ロケータ先端部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータを収容した機体と、第1および第2
    のスピンドルと、第1および第2のクラッチ手段と、ク
    ラッチ係合規制手段とを有する電動スクリュードライバ
    であって、 前記第1スピンドルは、前記機体方向に相対移動可能と
    されるとともに、前記機体に向かう端部側に前記第1ク
    ラッチ手段が配置され、他端側にネジ締付用の工具ビッ
    トが接続され、 前記第2スピンドルは、前記モータに接続されて回転
    し、 前記第1クラッチ手段は、前記第1スピンドルの軸方向
    に相対移動可能とされつつ該第1スピンドルとともに回
    転し、 前記第2クラッチ手段は、前記第2スピンドルの軸方向
    に相対移動可能とされつつ該第2スピンドルとともに回
    転するとともに、前記第1スピンドルが機体側に相対移
    動する場合に前記第1クラッチ手段と係合して前記モー
    タの駆動トルクを前記工具ビットに伝達し、 前記クラッチ係合規制手段は、前記第1クラッチ手段
    と、前記第2クラッチ手段とが互いに離反する方向に付
    勢力を付与し、 しかも前記第1クラッチ手段と第2クラッチ手段とは、
    相互に係合して前記モータの駆動トルクを前記工具ビッ
    トに伝達するとともに、被加工材側からの前記工具ビッ
    トへの反動トルクが所定の範囲を超える場合に相互の係
    合が解除される第1の動力伝達モードと、相互に係合し
    て前記モータの駆動トルクを前記工具ビットに伝達する
    とともに、ネジ締付作業の遂行により前記工具ビットが
    前記被加工材に向かって前記機体から所定距離離間する
    場合に相互の係合が解除される第2の動力伝達モードと
    で切り替え可能に構成されることを特徴とする電動スク
    リュードライバ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電動スクリュードライバ
    であって、 さらに第2クラッチ手段の位置規制手段を有し、 前記第2クラッチ手段の位置規制手段は、前記第1の動
    力伝達モードに置かれた前記第2クラッチ手段に関し、
    前記工具ビットに被加工材側から加わる反動トルクが所
    定の範囲にある場合には、当該第2クラッチ手段を前記
    第1クラッチ手段側に近接したトルク伝達許容位置に置
    かれるよう規制する第1の位置規制手段と、前記反動ト
    ルクが所定の範囲を超えることにより、前記第2クラッ
    チ手段が前記クラッチ係合規制手段を介して前記トルク
    伝達許容位置よりも機体側のトルク伝達禁止位置に置か
    れる場合に、当該第2クラッチ手段が前記トルク伝達許
    容位置へ移動するのを規制する第2の位置規制手段を有
    することを特徴とする電動スクリュードライバ。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の電動スクリュー
    ドライバであって、 前記第2の動力伝達モードに置かれた前記第2クラッチ
    手段が、前記第2スピンドルの軸方向に関し前記第1ク
    ラッチ手段から離反する側へ後退するのを規制する第2
    クラッチ後退規制手段を有することを特徴とする電動ス
    クリュードライバ。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の電動スクリュードライバ
    であって、 前記第2の動力伝達モードに置かれた前記第2クラッチ
    手段が、前記第2スピンドルの軸方向に関し前記第1ク
    ラッチ手段から離反する側へ後退するのを規制する第2
    クラッチ後退規制手段を有するとともに、 当該第2クラッチ後退規制手段は、前記第1の動力伝達
    モードにおける前記第1の位置規制手段を兼ねることを
    特徴とする電動スクリュードライバ。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかに記載の電
    動スクリュードライバであって、前記第2の動力伝達モ
    ードにおいて、前記機体の被加工材に対する所定量以上
    の近接を規制する機体近接規制手段をさらに有し、当該
    機体近接規制手段により前記機体の前記被加工材への所
    定量以上の近接が規制された状態でネジの締付作業が遂
    行され、前記第1スピンドルが前記第1クラッチ手段と
    ともに、前記機体に対し相対的に前記被加工材側へ近接
    することにより、前記第1クラッチ手段と前記第2のク
    ラッチ手段との係合が解除されることを特徴とする電動
    スクリュードライバ。
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