JP2003332735A - 配線基板およびその製造方法ならびに導体張板 - Google Patents

配線基板およびその製造方法ならびに導体張板

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JP2003332735A JP2002139137A JP2002139137A JP2003332735A JP 2003332735 A JP2003332735 A JP 2003332735A JP 2002139137 A JP2002139137 A JP 2002139137A JP 2002139137 A JP2002139137 A JP 2002139137A JP 2003332735 A JP2003332735 A JP 2003332735A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁層と配線パターンとの間における密着性
が高く、且つ、表皮効果に基づく伝送損失の少ない配線
基板およびその製造方法、ならびに、これらに用いられ
る導体張板を提供することを目的とする。 【解決手段】 少なくとも1つの絶縁層11a,11
b、および、当該絶縁層に接する少なくとも1つの配線
パターン12a,12bを備える配線基板X1におい
て、配線パターン12a,12bの、絶縁層11a,1
1bと接する片面または両面には、配線パターン12
a,12bとは異なる金属系材料からなり相互に離隔す
る複数のアンカー部14を設けておく。また、絶縁基
材、および、当該絶縁基材の片面または両面に貼り合わ
されている導体箔を備える導体張板において、導体箔の
片面または両面には、導体箔よりも高い抵抗率を有して
相互に離隔する複数のアンカー部を設けておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子機器の
回路系に使用される配線基板およびその製造方法、並び
にこれらに用いられる導体張板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器に対する高性能化および
小型化などの要求に伴い、電子機器に組み込まれる電子
部品の高密度実装化が急速に進んでいる。そのような高
密度実装化に対応すべく、電子部品を実装するための基
板などについては、配線が多層化された多層配線構造が
採用される場合がある。
【0003】多層配線構造を形成するための工法として
は、一括積層法およびビルドアップ法が知られている。
一括積層法においては、複数の絶縁層と当該絶縁層間の
配線パターンとからなる積層構造は、一括的に一体化さ
れる。具体的には、まず、所定数の銅張積層板につい
て、銅箔をエッチングすることにより所望の銅配線パタ
ーンが形成される。銅張積層板は、例えば、プリプレグ
の両面に電解銅箔が貼着されたものを用いる。次に、銅
配線パターンが形成されている所定数の銅張積層板をプ
リプレグを介して重ね合わせ、加熱下においてこれらを
厚み方向にプレスする。このとき、配線パターン間にお
いてそれまで半硬化状態にあったプリプレグが硬化し、
これによって、複数の絶縁層と当該絶縁層間の配線パタ
ーンとからなる積層構造が一括的に一体化されることと
なる。次に、当該積層構造体を貫通するスルーホールが
形成され、続いて、スルーホール表面にめっきが施され
る。各配線パターンは、当該スルーホールめっきを介し
て適宜導通される。
【0004】一方、ビルドアップ法においては、絶縁層
の形成と当該絶縁層上での配線パターンの形成とが順次
繰り返されて、配線が多層化される。具体的には、ま
ず、既に配線がパターン形成されているコア基板やビル
ドアップ絶縁層に対して、その配線パターンの上方から
ビルドアップ絶縁層を積層形成する。次いで、当該絶縁
層に対してビアホールを形成する。ビアホールの形成手
法としては、絶縁層材料として感光性樹脂を用いてフォ
トリソグラフィ技術により絶縁層に穴を形成する方法
や、レーザを照射することによって絶縁層に穴を形成す
る方法などが採用される。絶縁層にビアホールを形成し
た後、無電解めっきや電気めっきによって、絶縁層上に
導体材料を成膜する。このとき、導体材料によりビアホ
ールにはビアが形成される。次に、絶縁層上に成膜され
た導体材料をエッチングすることによって配線パターン
を形成する。このようにして絶縁層上において配線パタ
ーンを形成した後、絶縁層の積層形成から配線パターン
形成までの一連の工程を所定回数繰り返すことによっ
て、配線の多層化を図ることができ、その結果、回路の
集積度を高めることができる。
【0005】このような一括積層法やビルドアップ法に
よる多層配線基板の製造においては、従来より、絶縁層
表面や配線パターン表面に対して粗化処理を施すことな
どによって、絶縁層と配線パターンとの密着性が確保さ
れている。多層配線基板において、絶縁層に対する配線
パターンの密着性が充分でないと、微細配線構造を適切
に形成できないなどの不具合を生じ易いためである。配
線基板における絶縁層と配線パターンとの密着性を向上
させるための技術は、例えば、特開昭52−79273
号公報、特開平3−108795号公報、特開平3−1
65596号公報、特開平4−261095号公報、特
開平5−235548号公報、特開平6−283860
号公報、特開平11−220255号公報などに開示さ
れている。
【0006】例えば、一括積層法においては、銅張積層
板として、表面に粗化エッチングを施した銅箔を当該粗
化面を介してプリプレグに貼着したものが使用される。
粗化処理によって、銅箔におけるプリプレグとの貼着面
には、例えばRz1.5μm程度の凹凸が形成されてい
る。また、銅張積層板においてパターン形成された後の
配線パターンの露出面も、黒化処理等により粗化され
る。この粗化面は、上述のプレス加工の際に、積層板間
に介挿されるプリプレグに対して面接触する。
【0007】また、ビルドアップ法においては、絶縁層
の表面に粗化エッチングを施したうえで、当該絶縁層上
に配線パターンが積層形成されている。より具体的に
は、膨潤液、粗化液、中和液に順次浸漬することによっ
て、露出する絶縁層表面にRz1.5μm程度の凹凸を
形成し、この上に、サブトラクティブ法やアディティブ
法によって銅配線パターンが形成される。このとき、配
線パターンにおいて絶縁層と接する側の面は、絶縁層表
面の凹凸に対応するRz1.5μm程度の凹凸が転写さ
れることによって、粗化されることとなる。この後、配
線パターンの露出面は、黒化処理等により粗化される。
この粗化面は、更に積層形成される絶縁層に対して面接
触する。
【0008】このように、従来より、絶縁層表面や銅配
線パターン表面を粗化することによって、絶縁層と銅配
線パターンとの密着性が確保されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、配線表
面に対する上述の粗化技術は、信号の伝送損失抑制の観
点から好ましくない。特に高周波領域用途のプリント配
線基板では伝送損失の小さいことが強く望まれており、
配線の表面粗さが上述のように大きいと、高周波の信号
の伝送損失が不当に増大してしまう傾向にあるからであ
る。伝送損失の一要因であるいわゆる導体損は、配線形
状の影響を受けることが知られている。また、より高周
波の信号は配線においてより表面を流れることも知られ
ており、表面粗さの大きな配線では、高周波信号は配線
の凹凸表面付近を流れることとなる。その結果、信号の
伝送距離が長くなり、導体損ひいては伝送損失が大きく
なってしまうのである。冗長な伝送距離は、信号遅延も
招来してしまう。
【0010】また、絶縁層に対して粗化エッチングを行
うと、絶縁層表面を構成する樹脂材料が劣化してしま
う。具体的には、絶縁層表面における樹脂材料の高分子
立体構造の一部が、エッチング液の侵食作用により破壊
されて低分子化するのである。この結果、樹脂材料が担
うべき絶縁性が低下してしまう場合がある。
【0011】本発明は、このような事情のもとで考え出
されたものであって、絶縁層と配線パターンとの間にお
ける密着性が高く、且つ、表皮効果に基づく伝送損失の
少ない配線基板およびその製造方法、ならびに、これら
に用いられる導体張板を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面によ
ると配線基板が提供される。この配線基板は、少なくと
も1つの絶縁層、および、当該絶縁層に接する少なくと
も1つの配線パターンを備え、配線パターンにおける、
絶縁層と接する片面または両面には、配線パターンとは
異なる金属系材料からなり相互に離隔する複数のアンカ
ー部が設けられていることを特徴とする。
【0013】本発明に係る配線基板では、配線パターン
における絶縁層と接する面には複数のアンカー部が設け
られている。そのため、アンカー部を介して接する配線
パターンと絶縁層との密着性については、絶縁層に対す
るアンカー部のアンカー効果に基づいて良好なものとす
ることができる。また、本発明におけるアンカー部は、
配線パターンとは異なる材料により構成されている。例
えば、銅配線パターンに対しては、アンカー部は、銅と
は異なる金属系材料、従って銅よりも高い抵抗率を有す
る材料により構成することができる。アンカー部が配線
パターンよりも高い抵抗率を有する場合には、配線パタ
ーンを流れる電流ないし電気信号は、低抵抗率の配線パ
ターンから、当該配線パターンとは異なる材料より構成
されて且つ高抵抗率のアンカー部へは、通過経路ないし
進路を取りにくい。したがって、高周波信号の表皮効
果、即ち、より高周波の信号は配線部においてより表面
を流れるという現象は、抑制される。更には、本発明に
おける複数のアンカー部は、配線パターン上において相
互に離隔して設けられている。そのため、伝送信号が極
めて高周波で、その配線部内の伝送経路にアンカー部が
含まれてしまう場合であっても、アンカー部が配線パタ
ーンよりも高い抵抗率を有する場合には、当該電気信号
は、配線部において高抵抗率のアンカー部のみを伝わる
ことはなく、アンカー部間の低抵抗率の配線パターン部
をも必ず通過する。その結果、伝送損失が過大となるの
が抑制される。このように、本発明に係る配線基板にお
いては、絶縁層と配線パターンとの間における密着性が
高く、且つ、表皮効果に基づく伝送損失を低減すること
が可能なのである。
【0014】絶縁層と配線パターンとの密着性を向上さ
せるための粗化技術としては、従来、エッチング処理、
黒化処理、または粗化めっき等が知られている。エッチ
ング処理によると、銅配線自体が粗化されるので、配線
の表面凹凸も低抵抗率の銅により構成される。そのた
め、電流は当該凹凸部を流れ易く、高周波信号伝送時に
おける表皮効果は抑制されない。黒化処理によると、銅
配線自体が表面酸化されるので、銅配線パターンの表面
の全体が、凹凸に富んだ酸化銅膜で覆われてしまう。そ
のため、伝送信号が高周波である場合には、当該電気信
号は、配線部において高抵抗率の酸化銅膜を伝わり、伝
送損失が過大となる。酸化銅膜は、それ自体は絶縁層と
の密着性は比較的高いものの、銅金属組織からは剥がれ
易いという不具合も有する。また、従来の粗化めっきに
よると、銅配線パターンの表面の全体が、凹凸に富んだ
めっき膜で覆われてしまう。このめっき膜は、銅よりも
高い抵抗率を有する。そのため、伝送信号が高周波であ
る場合には、当該電気信号は、配線部において高抵抗率
のめっき膜を伝わり、伝送損失が過大となる。これに対
し本発明によると、アンカー部のアンカー効果に基づい
て絶縁層と配線パターンとの密着性を向上しつつ高周波
信号の表皮効果を抑制し、更には、伝送信号が極めて高
周波であっても、伝送損失が過大となるのを抑制するこ
とができるのである。
【0015】本発明の第2の側面によると配線基板の製
造方法が提供される。この方法は、少なくとも1つの絶
縁層、および、当該絶縁層に接する少なくとも1つの配
線パターンを備える配線基板を製造するための方法であ
って、導体箔の片面または両面に対して触媒を付着させ
る工程と、無電解めっき法により、導体箔よりも高い抵
抗率を有する金属材料を、導体箔上において触媒を核に
して堆積成長させることによって、相互に離隔する複数
のアンカー部を導体箔上に形成する工程と、アンカー部
が形成された導体箔を、当該アンカー部を介して絶縁層
に貼り合わせる工程と、導体箔をパターニングすること
によって配線パターンを形成する工程と、を含むことを
特徴とする。
【0016】本発明の第3の側面によると配線基板の製
造方法が提供される。この方法は、複数の絶縁層と当該
絶縁層の間の配線パターンとを含む多層構造を有する配
線基板を製造するための方法であって、絶縁基材の両面
に配線パターンが形成されてなる積層板における当該配
線パターンに対して触媒を付着させる工程と、無電解め
っき法により、配線パターンよりも高い抵抗率を有する
金属材料を、配線パターン上において触媒を核にして堆
積成長させることによって、相互に離隔する複数のアン
カー部を配線パターン上に形成する工程と、配線パター
ンが形成されている導体張板と絶縁膜材とを交互に積層
し、当該積層体を積層方向に一括して加圧することによ
って多層構造を形成する工程と、を含むことを特徴とす
る。
【0017】本発明の第4の側面によると配線基板の別
の製造方法が提供される。この方法は、複数の絶縁層と
当該絶縁層の間の配線パターンとを含む多層構造を有す
る配線基板を製造するための方法であって、絶縁基材お
よび当該絶縁基材の両面に貼り合わされている導体箔か
らなる導体張板において、導体箔をパターニングするこ
とによって、導体張板の両面において配線パターンを形
成する工程と、配線パターンに対して触媒を付着させる
工程と、無電解めっき法により、配線パターンよりも高
い抵抗率を有する金属材料を、配線パターン上において
触媒を核にして堆積成長させることによって、相互に離
隔する複数のアンカー部を配線パターン上に形成する工
程と、配線パターンが形成されている導体張板と絶縁膜
材とを交互に積層し、当該積層体を積層方向に一括して
加圧することによって多層構造を形成する工程と、を含
むことを特徴とする。
【0018】本発明の第5の側面によると配線基板の別
の製造方法が提供される。この方法は、複数の絶縁層と
当該絶縁層の間の配線パターンとを含む多層構造を有す
る配線基板を製造するための方法であって、絶縁基材お
よび当該絶縁基材の両面に貼り合わされている導体箔か
らなる導体張板において、導体箔に対して触媒を付着さ
せる工程と、無電解めっき法により、導体箔よりも高い
抵抗率を有する金属材料を、導体箔上において触媒を核
にして堆積成長させることによって、相互に離隔する複
数のアンカー部を導体箔上に形成する工程と、アンカー
部が形成された導体箔をパターニングすることによっ
て、導体張板の両面において配線パターンを形成する工
程と、配線パターンが形成されている導体張板と絶縁膜
材とを交互に積層し、当該積層体を積層方向に一括して
加圧することによって多層構造を形成する工程と、を含
むことを特徴とする。
【0019】本発明の第6の側面によると配線基板の別
の製造方法が提供される。この方法は、複数の絶縁層と
当該絶縁層の間の配線パターンとを含む多層構造を有す
る配線基板を製造するための方法であって、絶縁層の上
に形成されている配線パターンに対して触媒を付着させ
る工程と、無電解めっき法により、配線パターンよりも
高い抵抗率を有する金属材料を、配線パターン上におい
て触媒を核にして堆積成長させることによって、相互に
離隔する複数のアンカー部を配線パターン上に形成する
工程と、配線パターンの上に更なる絶縁層を積層形成す
る工程と、を含むことを特徴とする。
【0020】本発明の第7の側面によると配線基板の別
の製造方法が提供される。この方法は、複数の絶縁層と
当該絶縁層の間の配線パターンとを含む多層構造を有す
る配線基板を製造するための方法であって、絶縁層の上
に貼り合わされている導体箔に対して触媒を付着させる
工程と、無電解めっき法により、導体箔よりも高い抵抗
率を有する金属材料を、導体箔上において触媒を核にし
て堆積成長させることによって、相互に離隔する複数の
アンカー部を導体箔上に形成する工程と、導体箔をパタ
ーニングすることによって、配線パターンを形成する工
程と、配線パターンの上に更なる絶縁層を積層形成する
工程と、を含むことを特徴とする。
【0021】本発明の第2から第7の側面に係る方法に
よると、第1の側面に係る配線基板を製造することがで
きる。したがって、第2から第7の側面によっても、製
造される配線基板において第1の側面に関して上述した
のと同様の効果が奏され、絶縁層と配線パターンとの間
における密着性が高く、且つ、表皮効果に基づく伝送損
失の少ない配線基板を得ることができる。
【0022】本発明の第1から第7の側面において、好
ましくは、配線パターンからのアンカー部の高さは、
0.03〜0.1μmとする。より好ましくは、アンカ
ー部および配線パターンからなる配線部における、アン
カー部が設けられている側の表面粗さRzは、0.2μ
m以下とする。
【0023】好ましくは、アンカー部は、金属、および
/または、金属材料が酸化されてなる金属酸化物よりな
る。より好ましくは、アンカー部は、コバルト、クロ
ム、ニッケル、亜鉛、コバルト酸化物、クロム酸化物、
ニッケル酸化物、および亜鉛酸化物からなる群より選択
される材料を含んで構成されている。
【0024】好ましくは、アンカー部および配線パター
ンからなる配線部における、アンカー部が設けられてい
る側の面と、絶縁層との間には、シランカップリング剤
が介在している。シランカップリング剤は、ビニル基、
エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロ
キシ基、アミノ基、ウレイド基、クロロプロピル基、メ
ルカプト基、スルフィド基、およびイソシアネート基か
らなる群より選択される官能基を有するものが好まし
い。
【0025】好ましくは、絶縁層は、エポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂、熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂、
および全芳香型ポリエステル系液晶ポリマー樹脂からな
る群より選択される樹脂を主材として含んでいる。
【0026】本発明の第8の側面によると導体張板が提
供される。この導体張板は、絶縁基材、および、当該絶
縁基材の片面または両面に貼り合わされている導体箔を
備え、導体箔の片面または両面には、導体箔とは異なる
金属系材料からなり相互に離隔する複数のアンカー部が
設けられていることを特徴とする。
【0027】このような構成の導体張板を用いると、第
1の側面に係る配線基板を製造することができる。或
は、第3の側面に係る方法により多層配線基板を製造す
ることができる、したがって、第8の側面によっても、
製造される配線基板において、第1の側面に関して上述
したのと同様の効果が奏され、絶縁層と配線パターンと
の間における密着性が高く、且つ、表皮効果に基づく伝
送損失の少ない配線基板を得ることが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
に係る多層配線基板X1の部分断面図である。図2は、
図1の部分拡大図である。多層配線基板X1は、絶縁層
11a,11bと、絶縁層11aおよび絶縁層11bの
間に埋設されている配線パターン12aと、絶縁層11
b上にて外部に露出している配線パターン12bと、ス
ルーホールめっき13とを備える。配線パターン12a
における絶縁層11bとの接触面には、複数のアンカー
部14が設けられている。配線パターン12bにおける
絶縁層11bとの接触面には、複数のアンカー部14が
設けられている。スルーホールめっき13は、基板を貫
通するスルーホール13’の内壁面に形成されている。
【0029】絶縁層11a,11bは、基材に樹脂材料
を含浸させてなるプリプレグを用いて形成されたもので
あって、当該樹脂は熱硬化されている。絶縁層11a,
11bを構成するための基材としては、ガラス織布基
材、ガラス不織布基材、アラミド織布基材、アラミド不
織布基材などが挙げられる。絶縁層11a,11bを構
成するための樹脂材料としては、ポリイミド樹脂、エポ
キシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シア
ネート樹脂、熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポ
リフェニレンオキサイド樹脂、フッ素含有樹脂、および
全芳香型ポリエステル系液晶ポリマー樹脂などが挙げら
れる。
【0030】配線パターン12a,12bは、銅により
構成されており、各々、所望の形状にパターン形成され
ている。配線パターン12a,12bは、スルーホール
めっき13によって相互に導通されており、このスルー
ホールめっき13は、例えば金、銀、銅などのめっきに
より形成されている。
【0031】アンカー部14は、コバルト、クロム、ニ
ッケル、亜鉛などの金属、または、これらの酸化物によ
り構成されている。これらの金属および金属酸化物は、
配線パターンを構成する銅よりも高い抵抗率を有する。
図2および図4に示すように、配線パターン12aに設
けられている複数のアンカー部14は、配線パターン1
2a上にて相互に離隔している。図2および図4におけ
るアンカー部14の形状は模式的に表したものであっ
て、本発明におけるアンカー部14には、後述のアンカ
ー部形成工程において単一の核から成長しためっき堆積
体であるアンカー部、および、複数の核から成長した複
数のめっき堆積体が合一したアンカー部が含まれる。こ
のようなアンカー部14の態様は、配線パターン12b
に設けられているアンカー部14についても、同様であ
る。アンカー部14の配線パターン表面からの高さは、
0.03〜0.1μmである。配線パターン12a,1
2bと、このようなアンカー部14とからなる配線部に
おいて、アンカー部形成面の表面粗さRz(十点平均高
さ)は、0.2μm以下である。ここで、十点平均高さ
とは、断面曲線から基準長さだけを抜き取った部分にお
いて、最高から5番目までの山頂の標高の平均値と、最
深から5番目までの谷底の標高の平均値との差をいう。
したがって、配線パターン12a,12b自体は、高さ
0.03〜0.1μmのアンカー部14を伴いつつアン
カー部形成面の表面粗さRzが0.2μm以下となるよ
うな表面粗さを有する。
【0032】配線パターン12a,12bにおける、ア
ンカー部14が設けられている側の面と絶縁層11bと
の間には、シランカップリング剤を介在させてもよい。
図3は、多層配線基板X1における配線パターン12a
の、アンカー部14が設けられている側の面と絶縁層1
1bとの間に、シランカップリング剤が介在している場
合の部分拡大図である。このようなカップリング剤の介
在態様は、配線パターン12bに設けられているアンカ
ー部14についても、同様である。
【0033】シランカップリング剤としては、ビニル
基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アク
リロキシ基、アミノ基、ウレイド基、クロロプロピル
基、メルカプト基、スルフィド基、およびイソシアネー
ト基からなる群より選択される官能基を有するものを使
用することができる。より具体的には、シランカップリ
ング剤としては、例えば、N−2(アミノメチル)3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシランなどが挙げられる。
【0034】図5〜図7は、一括積層法により多層配線
基板X1を製造するための工程を表す。多層配線基板X
1の製造においては、まず、図5(a)に示すような導
体張積層板10を所定枚数用意する。導体張積層板10
は、絶縁層11aと、当該絶縁層11aの両面に貼着さ
れた導体箔12とからなる。導体張積層板10は、高温
高圧下においてプリプレグを熱硬化させつつ、導体箔1
2を当該プリプレグに圧着させることによって作製され
る。導体箔12は、例えば、表面粗さRzが0.1μm
以下の電解銅箔または圧延銅箔である。
【0035】導体張積層板10の各々について、図5
(b)に示すように、所望の配線パターンを形成するた
めのレジストパターン20を導体箔12上に形成する。
具体的には、導体箔12上にフォトレジストを積層し、
所望の配線パターンに対応した露光処理および現象処理
により当該フォトレジストをパターニングすることによ
って、レジストパターン20を形成する。次に、図5
(c)に示すように、レジストパターン20をマスクと
して導体箔12に対してエッチング処理を施すことによ
って、配線パターン12aを形成する。導体箔12とし
て銅箔を採用する場合には、エッチング液としては、例
えば塩化第二銅水溶液を使用することができる。この
後、図5(d)に示すように、レジストパターン20を
剥離する。
【0036】次に、図5(e)に示すように、無電解め
っき法により、配線パターン12aの表面にアンカー部
14を形成する。具体的には、まず、Pdイオンを含む
液剤に対して積層板10を浸漬することによって、当該
Pdイオンを、配線パターン12a表面の構成元素と置
換して配線パターン12aの表面に対して選択的にPd
として付着させる。このとき、浸漬温度は55〜65℃
とし、浸漬時間は3〜5分とする。次に、アンカー部1
4を形成するためのめっき材料を含むめっき液に対して
積層板10を浸漬することによって、当該めっき材料
を、触媒としてのPdを核として配線パターン12a表
面にて堆積成長させる。このとき、浸漬温度は79〜8
1℃とし、浸漬時間は10〜30秒とし、めっき材料が
配線パターン12aの表面全体を覆わずに高さ0.1μ
m以下のアンカー部14を形成するように、めっき処理
を終了させる。めっき材料としては、コバルト、クロ
ム、ニッケル、亜鉛などを使用することができる。この
ような無電解めっき法によるアンカー部14の形成は、
配線パターン12aを形成する前に、導体張積層板10
の導体箔12に対して行ってもよい。その場合、アンカ
ー部14が既に設けられている導体箔12から配線パタ
ーン12aが形成され、図5(e)に示す工程は行わな
い。
【0037】アンカー部14を金属酸化物により構成す
る場合には、図5(e)に示す工程で金属製のアンカー
部14を形成した後に、当該アンカー部14を酸化処理
する。この酸化処理は、例えば、金属製のアンカー部1
4が形成されている積層板10を、酸素気流下および1
50〜250℃の条件で、1〜6時間放置することによ
って行う。
【0038】また、配線パターン12aのアンカー部形
成面と絶縁層11aとの間にシランカップリング剤を介
在させる場合には、図5(e)に示す工程で金属製のア
ンカー部14を形成した後に、または、上述のようにし
て酸化処理を行った後に、当該表面に対してカップリン
グ剤処理を施す。このカップリング剤処理は、シランカ
ップリング剤を含む溶液をアンカー部形成面に対してス
プレー塗布し、これを乾燥することによって行う。スプ
レー塗布に代えて、シランカップリング剤を含む溶液
の、スピンコーターによる塗布、浸漬、流しかけを採用
してもよい。
【0039】次に、上述のようにして配線パターン12
aの表面にアンカー部14が形成された複数の積層板1
0と、プリプレグ11b’と、アンカー部14が形成さ
れている導体箔12とを、図6(a)に示すような配置
関係にて積層する。当該導体箔12は、配線パターン1
2aの表面にアンカー部14を形成したのと同様の上述
の手法により、導体箔12上にアンカー部14を形成す
ることによって用意されたものである。次に、図6
(b)に示すように、図6(a)の積層構造体を加熱下
にて厚み方向にプレスする。これによって、プリプレグ
11b’が硬化し、複数の積層板10と最外の2枚の導
体箔12とが絶縁層11bを介して一体化される。
【0040】次に、図7(a)に示すように、ドリルに
よって、積層構造体を貫通するようにスルーホール1
3’を形成する。次に、スルーホール13’の内壁を過
マンガン酸塩水溶液によりデスミア処理した後、図7
(b)に示すようにスルーホールめっき13を形成す
る。スルーホールめっき13は、スルーホール13’に
対して無電解銅めっきに続いて電気銅めっきを施すこと
により形成される。次に、図7(c)に示すように、最
外の2枚の導体箔12から配線パターン12bを形成す
る。具体的には、配線パターン12bに対応する形状の
レジストパターンを導体箔12上に形成し、これをマス
クとしてエッチングを行った後、当該レジストパターン
を剥離する。この後、必要に応じて、スルーホール1
3’に樹脂が充填される。
【0041】以上の工程を経ることによって、絶縁層1
1a,11bと、配線パターン12a,12bと、スル
ーホールめっき13とを備えて、配線パターン12aに
おける絶縁層11bとの接触面にアンカー部14が設け
られ、且つ、配線パターン12bにおける絶縁層11b
との接触面にアンカー部14が設けられている多層配線
基板X1が作製される。
【0042】このような構成の多層配線基板X1におい
ては、配線パターン12a,12bに設けられているア
ンカー部14の絶縁層11bに対するアンカー効果によ
って、絶縁層11bと配線パターン12aとの間、およ
び、絶縁層11bと配線パターン12bとの間におい
て、高い密着性が達成されている。絶縁材料に対する密
着性については、金属よりも金属酸化物の方が高い傾向
にあるので、アンカー部14が金属酸化物により構成さ
れている場合には、金属により構成されている場合より
も、絶縁層11bと配線パターン12a,12bとの間
において、より高い密着性を達成できる傾向にある。ま
た、上掲のシランカップリング剤は、無機材料と結合可
能な官能基(水酸基、メトキシ基、エトキシ基など)に
加え、樹脂材料と結合可能な官能基(ビニル基、アミノ
基、エポキシ基、イミダゾール基など)を有して無機材
料および樹脂材料の間を架橋する機能を呈するので、ア
ンカー部14および配線パターン12a,12bと絶縁
層11bとの間に図3に示すようにシランカップリング
剤が介在している場合には、そうでない場合よりも、絶
縁層11bと配線パターン12a,12bとの間におい
て、より高い密着性を達成できる場合がある。
【0043】また、多層配線基板X1においては、高周
波の信号が配線パターンを伝送される場合に、表皮効果
が抑制される。アンカー部14は、配線パターン12
a,12bよりも高抵抗率の材料により構成されている
ため、配線パターン12a,12bを流れる電流ないし
電気信号は、低抵抗率の配線パターン12a,12bか
ら、当該配線パターン12a,12bとは異なる材料よ
り構成されて且つ高抵抗率のアンカー部14へは、通過
経路ないし進路を取りにくい。したがって、高周波信号
の表皮効果、即ち、より高周波の信号は配線部において
より表面を流れるという現象は、抑制される。
【0044】更には、多層配線基板X1においては、伝
送信号の表皮効果が顕著な場合であっても、伝送損失が
過大となるのが抑制される。アンカー部14の配線パタ
ーン表面からの高さが0.03〜0.1μmであって且
つ配線パターン12a,12bのアンカー部形成面の表
面粗さRzが0.2μm以下であり、従来の粗化技術に
よるよりも、配線パターン12a,12bの表面粗さは
小さい。そのため、伝送信号が極めて高周波であって且
つ表皮効果に基づいてその高周波信号の伝送経路にアン
カー部14が含まれてしまう場合であっても、従来の粗
化技術によるよりも、信号伝送距離の冗長化の程度は少
なく、伝送損失が過大となるのが抑制される。また、伝
送信号が極めて高周波であって且つ表皮効果に基づいて
その高周波信号の伝送経路にアンカー部14が含まれて
しまう場合であっても、アンカー部14が配線パターン
12a,12b上において相互に離隔して設けられてい
るため、当該電気信号は、高抵抗率のアンカー部14の
みを伝わることはなく、アンカー部間の低抵抗率の配線
パターン12a,12bをも必ず通過する。その結果、
伝送損失が過大となるのが抑制される。
【0045】このように、本発明に係る多層配線基板X
1においては、絶縁層11bと配線パターン12a,1
2bとの間における密着性が高く、且つ、表皮効果に基
づく伝送損失は少ない。
【0046】図8は、本発明の第2の実施形態に係る多
層配線基板X2の部分断面図である。多層配線基板X2
は、絶縁層11a,11bと、配線パターン12a,1
2bと、スルーホールめっき13と、アンカー部14と
を備える。各部材の構成材料については、第1の実施形
態に係る多層配線基板X1に関して上述したのと同様で
ある。多層配線基板X2は、配線パターン12aにおけ
る絶縁層11aとの接触面にもアンカー部14が設けら
れている点において、多層配線基板X1と異なる。した
がって、多層配線基板X2においては、絶縁層11bと
配線パターン12aとの間、および、絶縁層11bと配
線パターン12bとの間に加えて、絶縁層11aと配線
パターン12aとの間においても、高い密着性が達成さ
れている。配線パターン12aおよびそれに設けられて
いるアンカー部14と絶縁層11aとの間、および/ま
たは、配線パターン12aおよびそれに設けられている
アンカー部14と絶縁層11bとの間には、多層配線基
板X1に関して図3を参照して上述したのと同様に、シ
ランカップリング剤を介在させてもよい。
【0047】図9は、一括積層法により多層配線基板X
2を製造するための工程を表す。多層配線基板X2の製
造においては、まず、導体箔12の両面に対して、図9
(a)に示すようにアンカー部14を形成する。導体箔
12は、例えば、表面粗さRzが0.1μm以下の電解
銅箔または圧延銅箔である。アンカー部14の形成に際
しては、図5(e)に示す工程で配線パターン12a表
面にアンカー部14を形成するための手法と同様の手法
を用いる。
【0048】アンカー部14の形成の後、図9(b)に
示すように、導体張積層板10を形成する。具体的に
は、アンカー部14が形成されている導体箔12を、ア
ンカー部14を介して所定のプリプレグ11a’の両面
に貼着する。貼着に際しては、高温高圧下においてプリ
プレグ11a’を熱硬化させつつ、導体箔12をプリプ
レグ11a’に圧着させる。このようにして、絶縁層1
1aとこの両面に設けられた導体箔12とからなる導体
張積層板10が所定数作製される。
【0049】次に、図9(c)に示すように、所望の配
線パターンを形成するためのレジストパターン20を導
体箔12上に形成する。具体的には、導体箔12上にフ
ォトレジストを積層し、所望の配線パターンに対応した
露光処理および現象処理により当該フォトレジストをパ
ターニングすることによって、レジストパターン20を
形成する。次に、図9(d)に示すように、レジストパ
ターン20をマスクとして導体箔12に対してエッチン
グ処理を施すことによって、配線パターン12aを形成
する。この後、図9(e)に示すように、レジストパタ
ーン20を剥離する。
【0050】アンカー部14を金属酸化物により構成す
る場合には、例えば図9(a)に示す工程で金属製のア
ンカー部14を形成した後に、当該アンカー部14を酸
化処理する。この酸化処理の方法は、多層配線基板X1
に関して上述したアンカー部14の酸化処理と同様であ
る。また、配線パターン12aのアンカー部形成面と絶
縁層11aとの間にシランカップリング剤を介在させる
場合には、例えば図9(a)に示す工程で金属製のアン
カー部14を形成した後に、または、上述のようにして
酸化処理を行った後に、当該表面に対してカップリング
剤処理を施す。このとき、絶縁層11bと接することと
なるアンカー部形成面に対してもカップリング剤処理し
てもよい。このカップリング剤処理は、多層配線基板X
1に関して上述したカップリング剤処理と同様である。
【0051】このようにして両面にアンカー部14が形
成されて必要に応じて酸化処理および/またはカップリ
ング剤処理が施された積層板10を用いて、多層配線基
板X1に関して図6および図7を参照して上述したのと
同様の工程を経ることによって、本実施形態に係る多層
配線基板X2が作製される。
【0052】上述の図9(a)に示す工程において無電
解めっき法により導体箔12の片面にのみアンカー部1
4を形成し、続いて図9(b)に示す工程において、ア
ンカー部14が形成されている導体箔12を、当該アン
カー部14を介してプリプレグ11a’の両面に貼着し
て導体張板10を作製し、当該導体張板10を用いて図
9(c)〜(e)、図6および図7の工程を行ってもよ
い。この場合、絶縁層11a,11bと、配線パターン
12a,12bと、スルーホールめっき13とを備え
て、配線パターン12aにおける絶縁層11aとの接触
面にアンカー部14が設けられ、且つ、配線パターン1
2bにおける絶縁層11bとの接触面にアンカー部14
が設けられている多層配線基板が作製される。
【0053】上述の図9(a)に示す工程において無電
解めっき法により導体箔12の片面にのみアンカー部1
4を形成し、続いて図9(b)に示す工程において、ア
ンカー部14が形成されている導体箔12を、当該アン
カー部14を露出させつつプリプレグ11a’の両面に
貼着して導体張板10を作製し、当該導体張板10を用
いて図9(c)〜(e)、図6および図7の工程を行っ
てもよい。この場合、絶縁層11a,11bと、配線パ
ターン12a,12bと、スルーホールめっき13とを
備えて、配線パターン12aにおける絶縁層11bとの
接触面にアンカー部14が設けられ、且つ、配線パター
ン12bにおける絶縁層11bとの接触面にアンカー部
14が設けられている多層配線基板X1が作製される。
【0054】図10は、本発明の第3の実施形態に係る
多層配線基板X3の部分断面図である。多層配線基板X
3は、コア基板30と、この上に積層されている絶縁層
31,32と、絶縁層31および絶縁層32の間に埋設
されている配線パターン41とを備える。配線パターン
41における絶縁層32との接触面には、複数のアンカ
ー部14が相互に離隔して設けられている。配線パター
ン41に対するアンカー部14の形成の態様について
は、多層配線基板X1に関して図2および図4を参照し
て上述したのと同様である。
【0055】コア基板30は、例えば、基材に樹脂を含
浸させて当該樹脂をBステージの状態としたプリプレグ
を複数積層したものである。基材としては、ガラス織布
基材、ガラス不織布基材、アラミド織布基材、アラミド
不織布基材などが挙げられる。樹脂としては、ポリイミ
ド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミ
ド樹脂、シアネート樹脂、熱硬化性ポリフェニレンエー
テル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、フッ素含有
樹脂、および全芳香型ポリエステル系液晶ポリマー樹脂
などが挙げられる。コア基板30の表面には、銅により
内層配線パターン40が形成されている。内層配線パタ
ーン40における絶縁層31との接触面には、複数のア
ンカー部14が相互に離隔して設けられている。
【0056】絶縁層31,32の構成材料としては、例
えば、コア基板10を形成するためのプリプレグの構成
材料として上掲した樹脂を用いることができる。図10
に示す多層配線基板X3において、絶縁層31には、ビ
アホール31aが形成されている。
【0057】配線パターン41は、絶縁層31上におい
てパターン形成されたものである。配線パターン41と
内層配線パターン40とは、ビアホール31aに形成さ
れたビア41aを介して導通している。
【0058】アンカー部14の構成材料および高さにつ
いては、多層配線基板X1のアンカー部14に関して上
述したのと同様である。
【0059】図11〜図13は、ビルドアップ法により
多層配線基板X3を製造するための工程を表す。多層配
線基板X3の製造においては、まず、図11の(a)お
よび(b)に示すように、予め内層配線パターン40が
既にパターン形成されているコア基板30の上に、未硬
化の樹脂膜31’を積層して絶縁層31を形成する。内
層配線パターン40の表面には、無電解めっき法によ
り、予め複数のアンカー部14が相互に離隔して設けら
れている。アンカー部14の形成に際しては、多層配線
基板X1の製造における図5(e)に示す工程で配線パ
ターン12aの表面にアンカー部14を形成するための
手法と同様の手法を用いる。絶縁層31の形成に際して
は、樹脂膜31’を構成する樹脂材料の性質に応じて、
加熱および加圧下で貼り合わせ工程を行う。
【0060】次に、図11(c)に示すように、絶縁層
31の所定箇所において、ビアホール31aを形成す
る。ビアホール31aの形成手段としては、炭酸ガスレ
ーザ、エキシマレーザ、UV−YAGレーザなどを採用
することができる。これらのレーザによりビアホール3
1aを形成すると、ビアホール31aの内壁には微細な
凹凸形状が形成され、ビアホール31aの内壁とこれに
接触形成されるビア41aとの間において充分なアンカ
ー効果が得られる。
【0061】次に、図12(a)に示すように、無電解
銅めっき法により、絶縁層31上に厚さ0.05〜0.
5μmの無電解銅めっき層41’を形成する。この無電
解銅めっき法としては、例えば、絶縁層31の露出面に
対する、コンディショニング、触媒前処理、触媒処理、
反応促進処理、無電解銅めっき析出処理などの一連の処
理工程を含む公知の手法を採用することができる。無電
解銅めっき層41’は、絶縁層31上の全面を被覆し、
後の工程の電気めっき処理における通電層として機能す
ることとなる。
【0062】次に、図12(b)に示すように、無電解
銅めっき層41’上にレジストパターン50を形成す
る。具体的には、無電解銅めっき層41’上にフォトレ
ジストを積層し、所望の配線パターンに対応した露光処
理および現象処理により当該フォトレジストをパターニ
ングすることによって、レジストパターン50を形成す
る。
【0063】次に、図12(c)に示すように、無電解
銅めっき層41’を通電層として、電気銅めっき処理を
施す。これにより、レジストパターン50の非マスク領
域に、厚さ10〜30μmの電気銅めっき層41’’を
堆積成長させる。電気銅めっき法としては、例えば、酸
性硫酸銅めっき液を用いた公知の手法を採用することが
できる。次に、図12(d)に示すように、レジストパ
ターン50を剥離する。剥離液としては、水酸化ナトリ
ウム水溶液や有機アミン系水溶液を用いることができ
る。
【0064】次に、図13(a)に示すように、電気銅
めっき層41’’に覆われていない無電解銅めっき層4
1’を除去する。具体的には、無電解銅めっき層41’
は、例えば、過酸化水素と硫酸の混合水溶液、または、
塩化第二銅水溶液などを用いてエッチング除去する。こ
の結果、無電解銅めっき層41’および電気銅めっき層
41’’からなる配線パターン41が、絶縁層31上に
パターン形成されることとなる。
【0065】次に、図13(b)に示すように、無電解
めっき法により、配線パターン41の表面にアンカー部
14を形成する。具体的には、多層配線基板X1の製造
における図5(e)に示す工程で配線パターン12aの
表面にアンカー部14を形成するための手法と同様の手
法により、アンカー部14を形成する。
【0066】配線パターン41に形成されたアンカー部
14を金属酸化物により構成する場合には、図13
(b)に示す工程で金属製のアンカー部14を形成した
後に、当該アンカー部14を酸化処理する。この酸化処
理の方法は、多層配線基板X1に関して上述したアンカ
ー部14の酸化処理と同様である。また、配線パターン
41のアンカー部形成面と絶縁層32との間にシランカ
ップリング剤を介在させる場合には、図13(b)に示
す工程で金属製のアンカー部14を形成した後に、また
は、上述のようにして酸化処理を行った後に、当該表面
に対してカップリング剤処理を施す。このカップリング
剤処理は、多層配線基板X1に関して上述したカップリ
ング剤処理と同様である。
【0067】次に、図13(c)に示すように、絶縁層
31に対して、配線パターン41の上方から絶縁層32
を積層形成する。これによって、図10に示した多層配
線基板X3が作製される。
【0068】図13(d)は、上述の、ビアホール31
aの形成から配線パターン41の形成を経て絶縁層32
の積層形成までの一連の工程を、絶縁層32上において
再び繰り返した後の多層配線基板X3’を表す。このよ
うに、当該一連の工程を所定数繰り返すことによって、
所望の積層数を達成することができる。また、多層配線
基板X1,X2と同様に、多層配線基板X3,X3’に
おいても、最外絶縁層上に配線パターンを更に設けても
よい。
【0069】上述の多層配線基板X1,X2は、配線パ
ターン12a,12b間の電気的接続を図るために、ス
ルーホールめっき13を備えているが、本発明では、ス
ルーホールめっき13と共に又はこれに代えて、埋め込
みビアやブラインドビアを設けてもよい。このような構
成によっても、配線パターン12a,12b間において
良好な電気的接続を達成することができる。上述の多層
配線基板X3,X3’では、多層配線構造はコア基板1
0の片面側にのみ形成されているが、本発明では、この
ような構成に限らず、多層配線構造はコア基板10の両
面に形成してもよい。多層配線基板X3,X3’の製造
においては、図12(a)〜図13(a)を参照して、
セミアディティブ法により配線パターン41を形成する
手法を説明したが、本発明では、配線パターン41の形
成においてサブトラクティブ法またはフルアディティブ
法を採用してもよい。サブトラクティブ法を採用する場
合には、成膜された配線材料膜から配線パターン41を
パターニングする前に、アンカー部14を配線材料膜表
面に形成してもよい。
【0070】また、上述の実施形態については、多層配
線基板を例に挙げて説明したが、本発明は、そのように
多層化が図られている配線基板に限らず、片面または両
面のプリント配線基板においても実施することができ
る。また、本発明は、片面銅張板または両面銅張板など
においても実施することができる。絶縁基材と銅箔との
間で高い密着性が達成されているそのような銅張板を用
いると、本発明に係る配線基板を作製することができ
る。また、そのような銅張板は、グランド接続用の導体
部を備えた基板などとしても、好適に利用可能である。
【0071】
【実施例】以下、本発明の実施例について、比較例とと
もに説明する。
【0072】
【実施例1】<サンプル基板の作製>厚さ0.1mmで
あってサイズ300×300mmのFR−4材の両面に
厚さ18μmの銅箔が貼着されている両面銅張積層板
(商品名:R−1766、松下電工製)を、脱脂液に3
分間浸漬することによって脱脂処理した。この脱脂液
は、ソフトエッチング剤(商品名:PT−0、ワールド
メタル製)を10vol%の濃度で含む。続いて、この両
面銅張積層板を、選択性パラジウム付与剤であるPd溶
液(商品名:AT−90、ワールドメタル製)に浸漬
し、銅箔表面に触媒としてのPdを付着させた。このと
き、浸漬温度は60℃とし、浸漬時間は5分間とした。
次に、両面銅張積層板を、無電解コバルトめっき液に浸
漬した。この無電解コバルトめっき液は、ワールドメタ
ル製のコンバスF−1とコンバスF−2とを1:1で混
合したものである。このとき、浸漬温度を60℃とし、
浸漬時間は20秒間とすることによって、わずかに外観
色が変化する程度のめっきを施した。これにより、Pd
を核として銅箔表面にて高さ0.1μm以下のコバルト
アンカー部が形成された。コバルトアンカー部が銅箔表
面全体を覆うことなく銅箔表面にて点在していること
は、2次元X線元素分析により確認した。次に、コバル
トアンカー部が形成された両面銅張積層板の両面に対し
て、FR−4材であるプリプレグ(商品名:ガラスエポ
キシマルチR−1661、松下電工製)を重ね合わせ、
真空プレスによってこれらを一体化させた。このとき、
プレス温度は180℃とし、プレス圧力は30kgf/
cm2とした。このようにして、3層の絶縁層とこれら
の間の2層の銅層とからなる本実施例のサンプル基板を
作製した。
【0073】<密着性の評価>上述のようにして作製し
たサンプル基板について、絶縁層と銅箔との間における
剥離強度を測定した。具体的には、サンプル基板を1c
m幅に切り込み、この1cm幅のサンプル基板の最上位
の絶縁層を、その幅方向に垂直であって基板に垂直な方
向へ剥がし、剥がし速度が一定であるときに当該絶縁層
に作用する力を測定した。その結果、本実施例のサンプ
ル基板は、絶縁層と銅箔との間にて剥離強度0.8kg
f/cmを示し、絶縁層と銅箔との間において充分な密
着性が達成されていることが判った。
【0074】<多層配線基板の作製>厚さ0.1mmで
あってサイズ300×300mmのFR−4材の両面に
厚さ18μmの銅箔が貼着されている両面銅張積層板
(商品名:R−1766、松下電工製)の両面の各々に
おいて、ラミネート装置(ML−4801、MCK製)
を使用して、厚み40μmのドライフィルムフォトレジ
スト(商品名:NIT−215、日合モートン製)をラ
ミネートした。このとき、密着ロール温度は105℃と
し、ロール圧力は4kg/cmとした。このレジストに
対して露光処理および現像処理を施すことにより、レジ
ストパターンを形成した。現像処理には、炭酸ナトリウ
ム1wt%水溶液を用いたスプレー現像プロセスを採用
した。次に、このレジストパターンの非マスク領域の銅
箔を、過酸化水素−硫酸系エッチング液(商品名:SE
−07、三菱ガス化学製)でエッチング除去した。この
後、レジストパターンを剥離することによって、FR−
4材の両面に銅配線パターンが形成された積層板を得
た。このようにして所望の銅配線パターンが形成された
積層板を、脱脂液に3分間浸漬することによって脱脂処
理した。この脱脂液は、ソフトエッチング剤(商品名:
PT−0、ワールドメタル製)を10vol%の濃度で含
む。以降の工程については、サンプル基板の作製におけ
る脱脂処理後の工程と同様にして、3層の絶縁層とこれ
らの間の2層の配線パターンとからなる本実施例の多層
配線基板を作製することができた。
【0075】
【実施例2】アンカー部の形成において、無電解コバル
トめっき液に代えて無電解ニッケルめっき液(商品名:
ニムデンSX、上村工業製)を用いてニッケルアンカー
部を形成した以外は実施例1と同様にして、剥離強度測
定用のサンプル基板を作製した。このニッケルアンカー
部には微量のリンが含有されている。このサンプル基板
について、実施例1と同様にして剥離強度を測定したと
ころ、本実施例におけるサンプル基板は0.8kgf/
cmの剥離強度を示し、絶縁層と銅箔との間において充
分な密着性が達成されていることが判った。また、アン
カー部の形成において、無電解コバルトめっき液に代え
て無電解ニッケルめっき液(商品名:ニムデンSX、上
村工業製)を用いてニッケルアンカー部を形成した以外
は実施例1と同様にして、本実施例の多層配線基板を作
製することもできた。
【0076】
【実施例3】両面銅張積層板を無電解コバルトめっき液
に浸漬してコバルトアンカー部を形成した後に、更に、
銅箔における当該アンカー部形成面を酸化処理すること
によって、コバルトアンカー部に代えてコバルト酸化物
アンカー部を形成した以外は実施例1と同様にして、剥
離強度測定用のサンプル基板を作製した。この酸化処理
は、当該積層板を、酸素気流下および120℃の条件
で、1時間放置することによって行った。このサンプル
基板について、実施例1と同様にして剥離強度を測定し
たところ、本実施例におけるサンプル基板は0.8kg
f/cmの剥離強度を示し、絶縁層と銅箔との間におい
て充分な密着性が達成されていることが判った。また、
両面銅張積層板を無電解コバルトめっき液に浸漬してコ
バルトアンカー部を形成した後に、更に、銅箔における
当該アンカー部形成面を酸化処理することによって、コ
バルトアンカー部に代えてコバルト酸化物アンカー部を
形成した以外は実施例1と同様にして、本実施例の多層
配線基板を作製することもできた。
【0077】
【実施例4】両面銅張積層板を無電解ニッケルめっき液
に浸漬してニッケルアンカー部を形成した後に、更に、
銅箔における当該アンカー部形成面を酸化処理すること
によって、ニッケルアンカー部に代えてニッケル酸化物
アンカー部を形成した以外は実施例2と同様にして、剥
離強度測定用のサンプル基板を作製した。この酸化処理
は、当該積層板を、酸素気流下および120℃の条件
で、1時間放置することによって行った。このサンプル
基板について、実施例1と同様にして剥離強度を測定し
たところ、本実施例におけるサンプル基板は0.8kg
f/cmの剥離強度を示し、絶縁層と銅箔との間におい
て充分な密着性が達成されていることが判った。また、
両面銅張積層板を無電解ニッケルめっき液に浸漬してニ
ッケルアンカー部を形成した後に、更に、銅箔における
当該アンカー部形成面を酸化処理することによって、ニ
ッケルアンカー部に代えてニッケル酸化物アンカー部を
形成した以外は実施例2と同様にして、本実施例の多層
配線基板を作製することもできた。
【0078】
【実施例5】酸化処理における酸化温度を120℃に代
えて100℃とするとともに、ニッケル酸化物アンカー
部が形成された後の銅箔表面をカップリング剤処理した
以外は実施例4と同様にして、剥離強度測定用のサンプ
ル基板を作製した。このカップリング剤処理は、主成分
としてN−2(アミノメチル)3−アミノプロピルトリ
メトキシシランを含むアミノ系シランカップリング剤
(商品名:KBM−603、信越シリコーン製)の水溶
液に積層板を浸漬した後、これを乾燥することによって
行った。このサンプル基板について、実施例1と同様に
して剥離強度を測定したところ、本実施例におけるサン
プル基板は1.0kgf/cmの剥離強度を示し、絶縁
層と銅箔との間において充分な密着性が達成されている
ことが判った。また、酸化処理における酸化温度を12
0℃に代えて100℃とするとともに、ニッケル酸化物
アンカー部が形成された後の銅箔表面をカップリング剤
処理した以外は実施例4と同様にして、本実施例の多層
配線基板を作製することもできた。
【0079】以上のまとめとして、本発明の構成および
そのバリエーションを以下に付記として列挙する。
【0080】(付記1)少なくとも1つの絶縁層、およ
び、当該絶縁層に接する少なくとも1つの配線パターン
を備え、前記配線パターンにおける、前記絶縁層と接す
る片面または両面には、前記配線パターンとは異なる金
属系材料からなり相互に離隔する複数のアンカー部が設
けられていることを特徴とする、配線基板。 (付記2)前記配線パターンからの前記アンカー部の高
さは、0.03〜0.1μmである、付記1に記載の配
線基板。 (付記3)前記アンカー部および前記配線パターンから
なる配線部における、前記アンカー部が設けられている
側の表面粗さRzは、0.2μm以下である、付記2に
記載の配線基板。 (付記4)前記アンカー部は、金属および/または金属
酸化物よりなる、付記1から3のいずれか1つに記載の
配線基板。 (付記5)前記アンカー部は、コバルト、クロム、ニッ
ケル、亜鉛、コバルト酸化物、クロム酸化物、ニッケル
酸化物、および亜鉛酸化物からなる群より選択される材
料を含んでなる、付記4に記載の配線基板。 (付記6)前記アンカー部および前記配線パターンから
なる配線部における、前記アンカー部が設けられている
側の面と、前記絶縁層との間には、シランカップリング
剤が介在している、付記1から5のいずれか1つに記載
の配線基板。 (付記7)前記シランカップリング剤は、ビニル基、エ
ポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキ
シ基、アミノ基、ウレイド基、クロロプロピル基、メル
カプト基、スルフィド基、およびイソシアネート基から
なる群より選択される官能基を有する、付記6に記載の
配線基板。 (付記8)前記絶縁層は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂、および全芳
香型ポリエステル系液晶ポリマー樹脂からなる群より選
択される樹脂を主材として含む、付記1から7のいずれ
か1つに記載の配線基板。 (付記9)少なくとも1つの絶縁層、および、当該絶縁
層に接する少なくとも1つの配線パターンを備える配線
基板を製造するための方法であって、導体箔の片面また
は両面に対して触媒を付着させる工程と、無電解めっき
法により、前記導体箔よりも高い抵抗率を有する金属材
料を、前記導体箔上において前記触媒を核にして堆積成
長させることによって、相互に離隔する複数のアンカー
部を前記導体箔上に形成する工程と、前記アンカー部が
形成された前記導体箔を、当該アンカー部を介して絶縁
層に貼り合わせる工程と、前記導体箔をパターニングす
ることによって配線パターンを形成する工程と、を含む
ことを特徴とする、配線基板の製造方法。 (付記10)複数の絶縁層と当該絶縁層の間の配線パタ
ーンとを含む多層構造を有する配線基板を製造するため
の方法であって、絶縁基材の両面に配線パターンが形成
されてなる積層板における当該配線パターンに対して触
媒を付着させる工程と、無電解めっき法により、前記配
線パターンよりも高い抵抗率を有する金属材料を、前記
配線パターン上において前記触媒を核にして堆積成長さ
せることによって、相互に離隔する複数のアンカー部を
前記配線パターン上に形成する工程と、前記配線パター
ンが形成されている前記導体張板と絶縁膜材とを交互に
積層し、当該積層体を積層方向に一括して加圧すること
によって前記多層構造を形成する工程と、を含むことを
特徴とする、配線基板の製造方法。 (付記11)複数の絶縁層と当該絶縁層の間の配線パタ
ーンとを含む多層構造を有する配線基板を製造するため
の方法であって、導体箔よりも高い抵抗率を有して相互
に離隔する複数のアンカー部が片面または両面に設けら
れている導体箔が、当該アンカー部を介して絶縁基材の
両面に貼り合わされてなる導体張板において、前記導体
箔をパターニングすることによって、前記導体張板の両
面において配線パターンを形成する工程と、前記配線パ
ターンが形成されている前記導体張板と絶縁膜材とを交
互に積層し、当該積層体を積層方向に一括して加圧する
ことによって前記多層構造を形成する工程と、を含むこ
とを特徴とする、配線基板の製造方法。 (付記12)複数の絶縁層と当該絶縁層の間の配線パタ
ーンとを含む多層構造を有する配線基板を製造するため
の方法であって、絶縁基材、および、当該絶縁基材の両
面に貼り合わされている導体箔からなる導体張板におい
て、前記導体箔に対して触媒を付着させる工程と、無電
解めっき法により、前記導体箔よりも高い抵抗率を有す
る金属材料を、前記導体箔上において前記触媒を核にし
て堆積成長させることによって、相互に離隔する複数の
アンカー部を前記導体箔上に形成する工程と、前記アン
カー部が形成された前記導体箔をパターニングすること
によって、前記導体張板の両面において配線パターンを
形成する工程と、前記配線パターンが形成されている前
記導体張板と絶縁膜材とを交互に積層し、当該積層体を
積層方向に一括して加圧することによって前記多層構造
を形成する工程と、を含むことを特徴とする、配線基板
の製造方法。 (付記13)複数の絶縁層と当該絶縁層の間の配線パタ
ーンとを含む多層構造を有する配線基板を製造するため
の方法であって、絶縁層の上に形成されている配線パタ
ーンに対して触媒を付着させる工程と、無電解めっき法
により、前記配線パターンよりも高い抵抗率を有する金
属材料を、前記配線パターン上において前記触媒を核に
して堆積成長させることによって、相互に離隔する複数
のアンカー部を前記配線パターン上に形成する工程と、
前記配線パターンの上に更なる絶縁層を積層形成する工
程と、を含むことを特徴とする、配線基板の製造方法。 (付記14)複数の絶縁層と当該絶縁層の間の配線パタ
ーンとを含む多層構造を有する配線基板を製造するため
の方法であって、絶縁層の上に成膜されている導体箔に
対して触媒を付着させる工程と、無電解めっき法によ
り、前記導体箔よりも高い抵抗率を有する金属材料を、
前記導体箔上において前記触媒を核にして堆積成長させ
ることによって、相互に離隔する複数のアンカー部を前
記導体箔上に形成する工程と、前記導体箔をパターニン
グすることによって、配線パターンを形成する工程と、
前記配線パターンの上に更なる絶縁層を積層形成する工
程と、を含むことを特徴とする、配線基板の製造方法。 (付記15)前記アンカー部は、前記配線パターンまた
は前記導体箔からの高さが0.03〜0.1μmとなる
ように形成される、付記9から14のいずれか1つに記
載の配線基板。 (付記16)前記アンカー部は酸化される、付記9から
15のいずれか1つに記載の配線基板の製造方法。 (付記17)前記アンカー部および前記配線パターンか
らなる配線部における、前記アンカー部が設けられてい
る側の面に、シランカップリング剤を付着させる工程を
更に含む、付記9から16のいずれか1つに記載の配線
基板の製造方法。 (付記18)絶縁基材、および、当該絶縁基材の片面ま
たは両面に貼り合わされている導体箔を備え、前記導体
箔の片面または両面には、前記導体箔とは異なる金属系
材料からなり相互に離隔する複数のアンカー部が設けら
れていることを特徴とする、導体張板。
【0081】
【発明の効果】本発明によると、絶縁層と配線パターン
との間における密着性が高く、且つ、表皮効果に基づく
伝送損失の少ない、両面プリント配線板や多層配線基板
などの配線基板を得ることができる。このような配線基
板によると、電子機器に組み込まれる電子部品の高密度
実装化に適切に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る多層配線基板の
部分断面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】図1の多層配線基板において、配線パターンに
おけるアンカー部が設けられている側の面と前記絶縁層
との間に、シランカップリング剤が介在している場合の
部分拡大図である。
【図4】配線パターン上におけるアンカー部の形成態様
を模式的に表す平面図である。
【図5】図1の多層配線基板の製造方法における一部の
工程を表す。
【図6】図5に続く工程を表す。
【図7】図6に続く工程を表す。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る多層配線基板の
部分断面図である。
【図9】図8の多層配線基板の製造方法における一部の
工程を表す。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る多層配線基板
の部分断面図である。
【図11】図10の多層配線基板の製造方法における一
部の工程を表す。
【図12】図11に続く工程を表す。
【図13】図12に続く工程を表す。
【符号の説明】
X1,X2,X3,X3’ 多層配線基板 11a,11b,31,32 絶縁層 12a,12b,41 配線パターン 13 スルーホールめっき 14 アンカー部 20,50 レジストパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 元昭 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5E343 AA15 AA17 BB24 BB34 BB38 BB44 BB45 BB59 BB67 CC73 DD33 DD76 EE56 GG02 5E346 AA15 CC04 CC08 CC09 CC10 CC31 CC32 CC33 CC37 DD23 DD32 HH11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの絶縁層、および、当該
    絶縁層に接する少なくとも1つの配線パターンを備え、 前記配線パターンにおける、前記絶縁層と接する片面ま
    たは両面には、前記配線パターンとは異なる金属系材料
    からなり相互に離隔する複数のアンカー部が設けられて
    いることを特徴とする、配線基板。
  2. 【請求項2】 前記配線パターンからの前記アンカー部
    の高さは、0.03〜0.1μmである、請求項1に記
    載の配線基板。
  3. 【請求項3】 前記アンカー部は、金属および/または
    金属酸化物よりなる、請求項1または2に記載の配線基
    板。
  4. 【請求項4】 前記アンカー部は、コバルト、クロム、
    ニッケル、亜鉛、コバルト酸化物、クロム酸化物、ニッ
    ケル酸化物、および亜鉛酸化物からなる群より選択され
    る材料を含んでなる、請求項3に記載の配線基板。
  5. 【請求項5】 前記アンカー部および前記配線パターン
    からなる配線部における、前記アンカー部が設けられて
    いる側の面と、前記絶縁層との間には、シランカップリ
    ング剤が介在している、請求項1から4のいずれか1つ
    に記載の配線基板。
  6. 【請求項6】 少なくとも1つの絶縁層、および、当該
    絶縁層に接する少なくとも1つの配線パターンを備える
    配線基板を製造するための方法であって、 導体箔の片面または両面に対して触媒を付着させる工程
    と、 無電解めっき法により、前記導体箔よりも高い抵抗率を
    有する金属材料を、前記導体箔上において前記触媒を核
    にして堆積成長させることによって、相互に離隔する複
    数のアンカー部を前記導体箔上に形成する工程と、 前記アンカー部が形成された前記導体箔を、当該アンカ
    ー部を介して絶縁層に貼り合わせる工程と、 前記導体箔をパターニングすることによって配線パター
    ンを形成する工程と、を含むことを特徴とする、配線基
    板の製造方法。
  7. 【請求項7】 複数の絶縁層と当該絶縁層の間の配線パ
    ターンとを含む多層構造を有する配線基板を製造するた
    めの方法であって、 絶縁基材の両面に配線パターンが形成されてなる積層板
    における当該配線パターンに対して触媒を付着させる工
    程と、 無電解めっき法により、前記配線パターンよりも高い抵
    抗率を有する金属材料を、前記配線パターン上において
    前記触媒を核にして堆積成長させることによって、相互
    に離隔する複数のアンカー部を前記配線パターン上に形
    成する工程と、 前記配線パターンが形成されている前記導体張板と絶縁
    膜材とを交互に積層し、当該積層体を積層方向に一括し
    て加圧することによって前記多層構造を形成する工程
    と、を含むことを特徴とする、配線基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 複数の絶縁層と当該絶縁層の間の配線パ
    ターンとを含む多層構造を有する配線基板を製造するた
    めの方法であって、 絶縁層の上に形成されている配線パターンに対して触媒
    を付着させる工程と、 無電解めっき法により、前記配線パターンよりも高い抵
    抗率を有する金属材料を、前記配線パターン上において
    前記触媒を核にして堆積成長させることによって、相互
    に離隔する複数のアンカー部を前記配線パターン上に形
    成する工程と、 前記配線パターンの上に更なる絶縁層を積層形成する工
    程と、を含むことを特徴とする、配線基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記アンカー部は酸化される、請求項6
    から8のいずれか1つに記載の配線基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 絶縁基材、および、当該絶縁基材の片
    面または両面に貼り合わされている導体箔を備え、 前記導体箔の片面または両面には、前記導体箔とは異な
    る金属系材料からなり相互に離隔する複数のアンカー部
    が設けられていることを特徴とする、導体張板。
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