JP2003332613A - 装荷型半導体受光素子 - Google Patents

装荷型半導体受光素子

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JP2003332613A JP2003132937A JP2003132937A JP2003332613A JP 2003332613 A JP2003332613 A JP 2003332613A JP 2003132937 A JP2003132937 A JP 2003132937A JP 2003132937 A JP2003132937 A JP 2003132937A JP 2003332613 A JP2003332613 A JP 2003332613A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量子効率が高く、高光入力時にも劣化、破壊
しにくい素子を提供する。 【解決手段】 半絶縁性基板1上に第1のクラッド層
2、ガイド層3、4、5、光吸収層6、第2のクラッド
層7からなる層構造が形成され、入射端面から前記ガイ
ド層3、4、5をコア層とする受動導波路部9が所定の
距離形成され、その後方に光電変換部8が形成された装
荷型半導体受光素子であって、前記ガイド層3、4、5
は、屈折率が前記第1のクラッド層7側で低く、前記光
吸収層6に近い程高くなるように変化する半導体層で構
成され、この半導体層は、複数の半導体層の積層構造、
又は層厚方向に連続的に変化する組成を有する構造のも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光通信システム
の受信モジュールに用いられる装荷型半導体受光素子に
係わり、詳しくは、クラッド層上にガイド層、光吸収層
を積層して装荷型導波路を構成した装荷型半導体受光素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光通信システムの受信モジュール
に用いられる半導体受光素子として、導波路型素子が一
般に知られている。この種の導波路型素子として、例え
ば、特開平11−112013号公報には、光吸収層の
まわりに光ガイド層を設けた導波路型構造で光を層構造
に平行に入射する形態とした半導体受光素子が開示され
ている。また、特開平7−263740号公報には、窓
領域を有する高結合効率の端面入射型半導体光電変換装
置が開示されている。前者の特開平11−112013
号公報に記載の導波路型素子では、素子に光を入射した
ときに、光電流密度分布がこの入射端面近傍にかたよっ
てしまい、強い光を入射したときに入射端近傍で発生し
たキャリアを充分に引き抜くことができず、応答速度が
低下したり、発生した熱により入射端面近傍が破壊され
たりすることがある。また、後者の特開平7−2637
40号公報に記載の導波路型素子では、光吸収用ノンド
ープ半導体層(光吸収層)の前方に、窓領域用ノンドー
プ半導体層が形成されており、光ビーム(入射光)を入
射する位置としては、光吸収用ノンドープ半導体層と同
じ高さから光を入射する。したがって光ビームの一部は
光吸収用ノンドープ半導体層の側方から入射されるた
め、光電流密度分布がこの入射端面近傍にかたよってし
まい、前者と同様の問題が発生する。
【0003】上述のように、従来の導波路型素子では、
入射光を入射端面の光吸収層に直接照射する形態であ
り、入射端面近傍に光電流が集中しやすい。したがっ
て、例えばエルビウムドープファイバーアンプからの出
射光のように強度の高い光を入射した場合に入射端面が
破壊されやすいという問題点があった。これに対して装
荷型受光素子(あるいはエバネッシェント波結合型受光
素子とも呼ばれる)は、まず入射光に対して透明な半導
体層であるガイド層に光を入射し、その入射部から数十
ミクロン以上離れた位置に形成された光電変換部まで光
を導波させ、光電変換部においてはガイド層から層厚方
向に染み出した光(エバネッシェント波)を光吸収層で
光電変換する。したがって、光電変換の形態が、いわば
間接的であり、導波路型素子と比較して光電流の集中が
緩和され、強度の高い光を入射した場合にも素子が破壊
されにくいという利点がある。
【0004】このような耐高光入力特性に着目して作製
された装荷型半導体受光素子としては、例えば、「19
99年秋季、第60回応用物理学会学術講演会講演予稿
集第3分冊、985頁、講演番号1p−ZC−8」にそ
の一例が報告されている。この装荷型半導体受光素子の
基本構造を図7に示している。図7に示すように、この
装荷型半導体受光素子は、半絶縁性InP基板101上
にn −InPクラッド層102、n −InAlG
aAsガイド層(波長組成1.3μm、層厚1μm)1
03、i−InGaAs光吸収層104(層厚0.5μ
m)、p −InPクラッド層105からなる層構造
を有し、入射端面から長さ20μmにわたって、n
−InAlGaAsガイド層103をコア層とする光導
波路である受動導波路部111が形成され、その後方に
光電変換部112が形成されている。素子の上面及び側
面に窒化シリコン膜106、素子の入射端面に反射防止
膜として窒化シリコン膜110が形成され、入射端面と
反対側に電極起因の寄生容量低減のためのポリイミド層
107が形成され、上部にはアロイ電極108が形成さ
れ、これに電極109が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示すような従来の装荷型半導体受光素子は、導波路型受
光素子と比較して量子効率が低いという問題があった。
その理由は、ガイド層103と光吸収層104との光学
的結合が弱く、充分に光電変換が行われないためと考え
られる。この発明は、上述の事情に鑑みなされたもの
で、ガイド層と光吸収層との光学的結合を高め、高い量
子効率を有し、高光入力時にも劣化、破壊しにくい装荷
型半導体受光素子及びその製造方法を提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、半絶縁性基板上に、入射端
面からガイド層をコア層とする受動導波路部が所定の距
離形成され、該受動導波路部の後方に、第1のクラッド
層、前記ガイド層、光吸収層、第2のクラッド層の層構
成からなる光電変換部が形成されてなる装荷型半導体受
光素子であって、前記ガイド層は、屈折率が前記第1の
クラッド層側で低く、前記光吸収層に近い程高くなるよ
うに変化する半導体層で構成されており、かつ、前記受
動導波路部が、層厚方向に複数の導波モードが存在する
マルチモード導波路であることを特徴としている。
【0007】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の装荷型半導体受光素子に係り、前記ガイド層を構成
する半導体層は、互いに屈折率の異なる複数の半導体層
の積層構造であることを特徴としている。
【0008】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の装荷型半導体受光素子に係り、前記ガイド層
を構成する半導体層は、層厚方向に連続的に変化する組
成を有する構造のものであることを特徴としている。
【0009】また、請求項4記載の発明は、請求項1、
2又は3記載の装荷型半導体受光素子に係り、前記ガイ
ド層内の層厚方向光強度分布の極大位置が、前記光吸収
層から最も離れる位置の近傍において前記光電変換部が
開始するように構成されていることを特徴としている。
【0010】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至4のいずれか1に記載の装荷型半導体受光素子に係
り、前記光吸収層で生成されたキャリアが注入されアバ
ランシェ増倍を起こす増倍層を前記光吸収層の上層又は
下層に設けたことを特徴としている。
【0011】また、請求項6記載の発明は、請求項1乃
至5のいずれか1に記載の装荷型半導体受光素子に係
り、前記光吸収層の一部あるいは全部を空乏化させずに
用いることを特徴としている。
【0012】また、請求項7記載の発明は、請求項1乃
至6のいずれか1に記載の装荷型半導体受光素子に係
り、前記ガイド層の一部あるいは全部を空乏化させて用
いることを特徴としている。
【0013】また、請求項8記載の発明は、請求項1乃
至7のいずれか1に記載の装荷型半導体受光素子に係
り、前記光吸収層の上部にp −InGaAs光吸収
層、前記光吸収層の下部にi−InAlGaAsガイド
層が設けられていることを特徴としている。
【0014】また、請求項9記載の発明は、装荷型半導
体受光素子の製造方法に係り、半絶縁性基板上に、第1
のクラッド層、ガイド層、光吸収層、第2のクラッド層
を順次積層する工程と、深さの異なる複数回のエッチン
グ工程により、前記半絶縁性基板が露出するまでエッチ
ングした第1領域、前記第1のクラッド層が露出するま
でエッチングした第2領域、前記第3のガイド層が露出
するまでエッチングした第3領域、およびエッチングを
施さず前記第2のクラッド層が残った第4領域とを形成
する工程と、前記エッチング工程後、素子の上面及び側
面に窒化シリコン膜を形成する工程と、前記受動導波路
部と反対側の側面領域にポリイミド膜を形成する工程
と、前記第4領域上にはp電極を、前記第2領域上には
n電極を各々形成する工程と、前記p電極及びn電極に
電気回路接続用の電極を形成する工程と、を含むことを
特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行う。図1は、この発明の第1実施例である
装荷型半導体受光素子の上面図、図2は図1のII−I
I線断面図、図3は図1のIII−III線断面図、図
4(a)は第1実施例の動作を説明する図、図4(b)
は従来の装荷型半導体受光素子の動作を説明する図であ
る。
【0016】◇第1実施例 図1、図2及び図3に示すように、第1実施例の装荷型
半導体受光素子の結晶層構造は、半絶縁性の半導体基板
1上に、クラッド層2、その上に第1のガイド層3、そ
の上に第2のガイド層4、その上に第3のガイド層5、
その上に光吸収層6、その上にクラッド層7が順次積層
された構造である。前記ガイド層2、3、4は、バンド
ギャップ波長が入射光波長よりも短く、かつ半導体基板
1よりも屈折率が大きい材質のものが使用される。この
ガイド層2、3、4の図2における左端面が、半導体基
板1と平行な方向から入射光16を入射する入射端面3
1となっている。このガイド層3、4、5は、互いに屈
折率の異なる複数の半導体層から形成され、かつ、その
複数の半導体層の屈折率は光吸収層6に近い程高くなっ
ている。ガイド層5上の一部領域で、かつ、この入射端
面31から距離9Lだけ離れた位置に上記光吸収層6が
形成されている。この光吸収層6は、バンドギャップ波
長が入射光波長と等しいか、あるいは長い半導体からな
るものである。
【0017】次に、第1実施例の装荷型半導体受光素子
の製造工程を具体例で説明する。なお、各層の材料、組
成、寸法等は、単なる例示であって、これに限定するも
のではない。半絶縁性InP基板1上に、n −In
Pクラッド層2(層厚0.5μm)、第1のn −I
nAlGaAsガイド層3(波長組成1.1μm、層厚
0.7μm)、第2のn −InAlGaAsガイド
層4(波長組成1.2μm、層厚0.7μm)、第3の
−InAlGaAsガイド層5(波長組成1.3
μm、層厚0.7μm層厚)、i−InGaAs光吸収
層6(層厚0.5μm)、p+−InPクラッド層7
(層厚1μm)を順次積層する。次いで、深さの異なる
複数回のエッチング工程により、半絶縁性InP基板1
が露出するまでエッチングした第1領域21(図3)
と、n−InPクラッド層2が露出するまでエッチン
グした第2領域22(図3)と、第3のn−InAl
GaAsガイド層5が露出するまでエッチングした第3
領域25(図2)、およびエッチングを施さず、p
−InPクラッド層7が残った第4領域27(図2)と
を形成する。このp −InPクラッド層7が残った
第4領域27が、入射光を光電変換する光電変換部8と
なる領域である。そして、第3のn−InAlGaA
sガイド層5が露出するまでエッチングした第3領域2
5は、入射光を光電変換部8に導波させるための受動導
波路部9となる領域である。光電変換部8及び受動導波
路部9の長さ(図2で示した矢印方向の寸法8L及び9
L)は、それぞれ30μm、20μmとした。
【0018】これらのエッチング工程後、素子の上面及
び側面(入射側においては、第3のガイド層5の上面、
光吸収層6、クラッド層7の左側面)に窒化シリコン膜
10を形成する。そして、素子の入射端面31、すなわ
ち、基板1、クラッド層2、及びガイド層3、4、5の
側面にも、反射防止膜として窒化シリコン膜15を形成
する。また、受動導波路部9と反対側の側面領域であっ
てシリコン膜10の外側に、電極起因の寄生容量低減の
ためのポリイミド層11を形成する。次に、p −I
nPクラッド層7が残った領域27上にはp電極として
のAnZnアロイ電極12を形成し、さらに、n
InPクラッド層2が露出した領域22上にはn電極と
してのAuGeNiアロイ電極13、13を形成する。
そして、AuZnアロイ電極12を拡大、延長する形で
TiPtAu電極14Aを形成する。このTiPtAu
電極14Aは、領域27からポリイミド層11の上面か
ら後面を通り、後端の幅広部15(図1参照)がシリコ
ン膜10上に積層された構成となっている。また、Au
GeNiアロイ電極13、13を拡大、延長する形でT
iPtAu電極14B、14Cを形成する。
【0019】次に、上記第1実施例の装荷型半導体受光
素子の作用について説明する。この第1実施例の装荷型
半導体受光素では、図1、図2に矢印16で示した位置
から信号光を入射する。この入射光30の波長は、光通
信で通常用いられる波長帯である1.55μm帯として
いる。入射された光は、第1のガイド層3、第2のガイ
ド層4、及び第3のガイド層5を光導波のためのコア層
として伝播し、光電変換部8で光電変換され、電極14
A、14B、14Cに接続された外部の電気回路(図示
せず)で電気信号が取り出される。この第1実施例で
は、光電変換部8が入射光30が入射する端面(窒化シ
リコン膜15の面)から離れた位置に形成されており、
かつ、光吸収層6の前方(入射端面方向)には半導体層
が存在しない構造となっているので、導波路型受光素子
と異なり、光吸収層6の入射端面方向の側面からはほと
んど光が入射しない。したがって、光吸収層6の側面近
傍の光電流密度は極めて低く、高光入力に対しても素子
が劣化、破壊しにくくなる。
【0020】第1実施例の装荷型半導体受光素子が、図
7に示した従来の装荷型半導体受光素子と異なる点は、
従来の素子がガイド層103は単一の組成のInAlG
aAs層の1層のみであるのに対し、この第1実施例で
は、それぞれ波長組成の異なる(したがって屈折率も異
なる)3層のガイド層3、4、5を積層した装荷構造と
なっている点である。この構造の違いにより、図7の従
来例と第1実施例とでは、ガイド層中の光の伝播の仕方
が異なってくる。図4(a)に、第1実施例の装荷型半
導体受光素子の各々のガイド層中での光の伝播の様子
を、ビーム伝播法によりシミュレーションした結果を模
式的に示している。比較のため、図4(b)に、図7に
示す従来例の素子のガイド層中での光の伝播の様子を、
同様にビーム伝播法によりシミュレーションした結果を
模式的に示す。
【0021】図4(a)及び(b)は、各々図2及び図
7に対応している。図4(b)の従来例では、入射光は
ガイド層103中を略直進するのに対し、図4(a)の
第1実施例では、上下方向の蛇行が著しく、かつ、その
蛇行は上側に強度が偏った状態となる。したがって、光
電変換部8において光が上側(光吸収層6に近い側)に
偏ったときに、効率よく光電変換を行うことができるた
め、高い量子効率が得られる。一方、図4(b)の従来
例では、光吸収層104に到達せず、光電流に寄与しな
い光の成分が大きく、結果として量子効率が低下する。
また、第1実施例では、第1のガイド層3、第2のガイ
ド層4、第3のガイド層5の、3層全てのガイド層が入
射端面内に含まれており、このことが入射光16との高
い結合効率に寄与し、量子効率を一層高めている。図7
の従来例の素子の量子効率は、前記した「第60回応用
物理学会学術講演会講演予稿集、第3分冊、985頁、
講演番号1p−ZC−8」の記述によれば、46%であ
るのに対し、この第1実施例の装荷型半導体受光素子で
は、従来例と同様の光学系を用いた測定で57%という
高い値が得られることが実験で確かめられた。
【0022】前述のように、装荷型受光素子は、光電変
換部8の入射側端面(導波路型素子での入射端面に対応
する部位)への光電流の集中がなく、高光入力状態でも
素子が破壊されにくいという利点がある。第1実施例で
はこの利点が最大限生かされるように受動導波路部9の
長さ、ガイド層3、4、5の層厚が最適設計されてい
る。すなわち、図4(a)で示すように、前記ガイド層
3、4、5内の層厚方向光強度分布の極大位置、言い換
えると、光が下方向(光吸収層6側から遠い第1ガイド
層3側)に偏った部位Pが、前記光吸収層6から最も離
れる位置において光電変換部8が始まるように設計され
ている。したがって、光電変換部8の開始部(入射側端
面)8aにおける光電流密度が極めて低く、高光入力状
態でも素子が破壊されにくいという装荷型素子の特徴を
最大限に生かすことができる。
【0023】以上、第1実施例の装荷型半導体受光素子
においては、ガイド層3、4、5がそれぞれ波長組成の
異なる3層のInAlGaAs層の積層構造である場合
について述べたが、2層であっても、あるいは4層以上
であっても同様の効果が得られる。また、ガイド層3、
4、5は、積層構造に限らず、その組成が層厚方向に連
続的に変化する構造の半導体層であっても同様の効果が
得られる。また、ガイド層の材料としてはInAlGa
Asに限らず、InGaAsPなど他の材料系であって
も同様の効果が得られる。
【0024】◇第2の実施例 次に、この発明の第2実施例の装荷型半導体受光素子に
ついて説明する。図5は、この発明の第2実施例を説明
する図で、第1実施例における図2に対応する図であ
る。第2実施例が第1実施例と異なる点は、図5に示す
ように、光吸収層6の下部に、p −InAlAs電
界緩和層17(層厚0.02μm)、i−InAlAs
増倍層16(層厚0.2μm)が挿入されている点であ
る。その他、素子の基本的な構造は第1実施例と同様で
ある。第2実施例では、光吸収層6での光電変換により
発生した電子が電界緩和層17を経て増倍層16に注入
され、そこでアバランシェ増倍をおこすので、高感度な
光検出が可能となる。すなわち、第2実施例における光
電変換部8は、いわゆるアバランシェフォトダイオード
として動作する。この他、ガイド層3、4、5中での光
の導波の仕方、並びに従来の装荷型素子と比較して高い
量子効率が得られるという効果、及び光電変換部8の開
始部(入射側端面31)における光電流密度が低く、素
子が破壊されにくいという効果等は第1実施例と同様で
ある。なお、上記実施例においては、増倍層の材料とし
てi−InA1Asを用いた例を示しているが、i−I
nA1Asに限らずi−InPなど他の材料系も用いる
ことができる。この時、増倍層を挿入する位置として
は、増倍層材料の増倍特性によって、光吸収層6の下部
に限らず、上部も選ぶことが出来る。
【0025】◇第3実施例 次に、この発明の第3実施例の装荷型半導体受光素子に
ついて説明する。図6は、この発明の第3実施例を説明
する図で、第1実施例における図2に対応する図であ
る。第3実施例が第1実施例と異なる点は、図6に示す
ように、光吸収層6の上部に、p −InGaAs光
吸収層18(層厚0.5μm)が、また、光吸収層6の
下部にi−InAlGaAsガイド層19(波長組成
1.3μm、層厚0.2μm)が形成されている点であ
る。その他、素子の基本的な構造は第1実施例と同様で
ある。
【0026】次に、第3実施例の動作を説明する。第3
実施例では、光吸収層6の上部に光吸収層18が形成さ
れているので、第1実施例と比較してトータルの光吸収
層厚が厚くなっており、より高い量子効率が得られる。
このとき、第1実施例において単に光吸収層6の層厚を
厚くした場合よりも、より速い素子の応答速度が得られ
る。これは、p −InGaAs光吸収層18はp型
にドーピングされているので、この層内での光吸収で生
成した電子は少数キャリア拡散によりi−InGAs光
吸収層6に流れ込み、また、生成した正孔と同数の正孔
がp −InGaAs光吸収層18から第2のクラッ
ド層7へと抜けるが、この過程に要する時間が極めて短
いことに起因する。
【0027】また、第3実施例ではi−InAlGaA
sガイド層19が形成されているので、第1実施例と比
較してより空乏層が広がり、接合容量が低減され、高速
な応答が得られる。このとき、i−InAlGaAsガ
イド層19中を走行するキャリアは電子のみであり、電
子の走行速度は正孔の走行速度と比較し極めて速いた
め、i−InAlGaAsガイド層19が挿入されても
キャリアの走行時間で律速される応答速度はほとんど低
下しない。さらに、i−InAlGaAsガイド層19
は低不純物濃度であることにより、受動導波路部9での
光の吸収損失が低減され、より高感度の素子が得られ
る。さらに、i−InAlGaAsガイド層19が形成
されていることにより、前述のp −InGaAs光
吸収層18、及び光吸収層6の層厚を、より自由に設計
できるという効果もある。すなわち、例えば、p
InGaAs光吸収層18をより厚く、光吸収層6をよ
り薄く設計したい場合、通常だと接合容量増大により応
答速度が低下してしまうが、ここで同時にi−InAl
GaAsガイド層19の層厚を厚くすることで接合容量
が低減され、応答速度の低下を避けることができる。以
上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具
体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この
発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても
この発明に含まれる。例えば、光電変換部8の構造が、
第1実施例では、いわゆるpinフォトダイオード構
造、また、第2実施例では、アバランシェフォトダイオ
ード構造である場合を各々説明したが、これらに限ら
ず、いわゆるMSMフォトダイオード構造など他のフォ
トダイオード構造であっても同様の効果が得られる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による装
荷型半導体受光素子は、ガイド層が、屈折率が変化する
半導体層で構成され、その屈折率は光吸収層に近いほど
高くなっているため、ガイド層と光吸収層との光学的結
合が高くなり、光電変換部において効率よく光電変換を
行うことができ、高い量子効率が得られる。また、この
発明の装荷型半導体受光素子では、入射光がガイド層中
を伝播するときに上下方向に蛇行し、光が光吸収層から
遠い側に偏った部位において、光電変換部が開始するよ
う受動導波路部の長さ、ガイド層の層厚を設計すること
により、光電変換部の開始部(入射側端面)における光
電流密度が低くなり、高光入力状態でも素子が破壊され
にくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の装荷型半導体受光素子の第1実施
例を示す平面図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 図1のIII−III線断面図である。
【図4】 装荷型半導体受光素子の動作を従来の技術に
よる素子の動作を説明する図であって、(a)は第1実
施例、(b)は比較のための従来例を示している。
【図5】 この発明の第2実施例の図2に対応する縦断
側面図である。
【図6】 この発明の第3実施例の図2に対応する縦断
側面図である。
【図7】 従来の装荷型半導体受光素子の一例を示す構
造図である。
【符号の説明】
1 半絶縁性基板 2 第1のクラッド層 3 第1のガイド層 4 第2のガイド層 5 第3のガイド層 6 光吸収層 7 第2のクラッド層 8 光電変換部 9 受動導波路部 10 窒化シリコン腹 11 ポリイミド腹 12 アロイ電極 13 アロイ電極 14 電極 15 窒化シリコン腹 16 増倍層 17 電界緩和層 18 p −InGaAs光吸収層 19 i−InAlGaAsガイド層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半絶縁性基板上に、入射端面からガイド
    層をコア層とする受動導波路部が所定の距離形成され、
    該受動導波路部の後方に、第1のクラッド層、前記ガイ
    ド層、光吸収層、第2のクラッド層の層構成からなる光
    電変換部が形成されてなる装荷型半導体受光素子であっ
    て、 前記ガイド層は、屈折率が前記第1のクラッド層側で低
    く、前記光吸収層に近い程高くなるように変化する半導
    体層で構成されており、かつ、前記受動導波路部が、層
    厚方向に複数の導波モードが存在するマルチモード導波
    路であることを特徴とする装荷型半導体受光素子。
  2. 【請求項2】 前記ガイド層を構成する半導体層は、互
    いに屈折率の異なる複数の半導体層の積層構造であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の装荷型半導体受光素子。
  3. 【請求項3】 前記ガイド層を構成する半導体層は、層
    厚方向に連続的に変化する組成を有する構造のものであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の装荷型半導体
    受光素子。
  4. 【請求項4】 前記ガイド層内の層厚方向光強度分布の
    極大位置が、前記光吸収層から最も離れる位置の近傍に
    おいて前記光電変換部が開始するように構成されている
    ことを特徴とする装荷型半導体受光素子。
  5. 【請求項5】 前記光吸収層で生成されたキャリアが注
    入されアバランシェ増倍を起こす増倍層を前記光吸収層
    の上層又は下層に設けたことを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれか1に記載の装荷型半導体受光素子。
  6. 【請求項6】 前記光吸収層がp型にドーピングされて
    いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記
    載の装荷型半導体受光素子。
  7. 【請求項7】 前記ガイド層の不純物濃度が低濃度であ
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載
    の装荷型半導体受光素子。
  8. 【請求項8】 前記光吸収層の上部にp −InGa
    As光吸収層、前記光吸収層の下部にi−InAlGa
    Asガイド層が設けられていることを特徴とする請求項
    1乃至7のいずれか1に記載の装荷型半導体受光素子。
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