JP2003332607A - 波長選択性太陽光吸収材料及びその製造方法 - Google Patents

波長選択性太陽光吸収材料及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱安定性に優れ、高温での長期間の使用に耐
えることができる高効率の波長選択性太陽光吸収材料及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 太陽熱エネルギを電気エネルギに変換す
る熱光起電力発電システムの太陽受熱器に用いられる波
長選択性太陽光吸収材料であって、耐熱性基板からな
り、入射面に二次元配列されて周期的な表面微細凹凸パ
ターンを形成する多数のキャビティ15,26b,31,31Aを有
し、キャビティは太陽光の特定波長と実質的に同じ長さ
の開口径および所定の深さに形成され、かつ所定のスペ
クトル拡散反射率、スペクトル吸収率、スペクトル放射
率を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽熱を利用して
発電や給湯を行う太陽エネルギ利用産業分野および宇宙
環境での熱利用機器を開発する宇宙産業分野において用
いられる波長選択性太陽光吸収材料及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】太陽熱エネルギの有効利用を図るため
に、種々の波長選択性をもつ太陽光吸収材料が研究され
ており、例えばブラッククロムなどの酸化物の物性を利
用した太陽光吸収材料が実用化されている。ブラックク
ロム酸化物は低コストであるという理由から様々な分野
に広く普及している。ブラッククロム酸化物は例えばE.
Wackelgard, Characterization of black nickel solar
absouber coatings electroplated in a nickel chlor
ine aqueous solution, Sol.Energy Mater.& Sol.Cells
56(1998)35-44などの文献に記載されている。
【0003】しかし、ブラッククロム酸化物は高温での
耐性が無く、また放射率の波長変化が急峻でないため、
給湯などの低温熱利用のみに使用範囲が限られている。
例えば T.H.Destifano, G. D. Pettit et al. Conform
al antireflective coatingson a textured tungsten s
urfaces, Applied Physics Letters 32(1978)676-677.
には、タングステン酸化物の表面にランダムな構造体を
作成することにより選択的な太陽光吸収材料を実現しよ
うとする提案がなされているが、その構造は周期性が無
く、光の波長より十分大きいため、単に光の乱反射を用
いることにより太陽光を吸収させている。この場合も耐
熱性や放射率の波長依存性から、中温度領域以下での使
用に限定される。
【0004】また、例えば、W.F.Bogaerts and C.M. La
mpert, Materials for photothermal solar energy con
version, J. Mater. Sci. 18(1983)2847-2875.には、誘
電体多層膜からなる太陽光吸収材料が提案されている。
しかし、誘電体多層膜は耐熱性が低いので、この場合も
使用範囲がせいぜい中温度領域以下に限定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を
解決するためになされたものであり、熱安定性に優れ、
高温での長期間の使用に耐えることができる高効率の波
長選択性太陽光吸収材料及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】表面に光と同程度の周期
構造を有する物質は、その光学特性が構造に依存して変
化することがわかっている。このような表面周期構造の
光学特性に着目して本発明者らは下記(1)〜(4)を
模索している。
【0007】(1)高融点金属の表面形状をデザインす
るだけで機能性が発現できるので、高温での使用が可能
である。
【0008】(2)放射率の波長選択性がこれまでに実
用化されているものより良好であり、高温での性能が良
い。
【0009】(3)従来より太陽受熱器が省体積で設計
できるため、コンパクトなシステムが構築できる。
【0010】(4)平面で受勲器が形成できるので、太
陽追尾精度が低くてもシステム構成が可能であり、宇宙
ステーション実験やシステムの信頼性向上やコストダウ
ンに有効である。
【0011】上記の表面周期構造の具体的な用途として
図1に示す太陽熱光起電力発電(TPV発電)システム
がある。TPV発電システム1は、集中太陽光2などに
より高温(1500K程度)に加熱されたエミッタ3から出
る熱放射光2aをフィルタ4に通過させ、その通過光2
bを光電変換(Photovoltaic;PV)セル5に入射して
電力を得るシステムである。
【0012】このようなTPV発電システムは稼動部が
無く小型で高密度なシステムとして、可搬型電源や住宅
用コジェネレーションの応用が検討されている。PVセ
ル5にはSiのほか、より長波長側に感度があるGaS
bなどが用いられている。エミッタ3の熱放射スペクト
ルとPVセル5の感度波長域をマッチングさせると、発
電効率が大きく向上する。PVセル5の感度波長でのみ
高い放射率を持つエミッタ3を選択エミッタと呼び、シ
ステムの高効率化を図る上で重要な役割を担う部材であ
る。
【0013】熱源として太陽熱を用いる場合は、効率的
な加熱を行う上で選択的太陽光吸収材料は、太陽熱光起
電力発電(TPV発電)システムに必要不可欠な構成要
素の1つである。TPV発電の選択的太陽光吸収材料に
要求される特徴は、高い太陽光吸光度αs、低い熱放射
率ε、環境の耐久性、その他である。高い光熱変換効率
を達成するために、高いαsは動作温度に関係なく重要
であるが、熱放射損失はεT4に比例することから、低い
εの貢献は温度の増加と共により重大になる。
【0014】適度な温度(T<500K)システムにおい
て、可視光および近赤外線領域では高いスペクトル吸収
率αλを有し、近赤外線領域では低いスペクトル放射率
ελを有するスペクトル選択のコーティングは、高いα
sおよび低いεを同時に得るために用いられる。これま
でに多数の種類の選択膜が報告されており、実際に適用
されてきた。太陽光スペクトルをプランク(Planck)の式
に由来する熱放射スペクトルと比較すると、スペクトル
吸収率αλ上で鋭角的な変化を有するそれらを開発でき
る場合、1200Kであってもそれらスペクトル間の重複は
わずかであることがわかる。これは本発明の太陽光選択
吸収材料がこのような高温でさらに有用なことを意味す
る。しかし、温度が上昇するにしたがって大部分の選択
膜はそれらの低い熱安定性および不十分なスペクトル選
択性を原因として役立たなくなる。
【0015】本発明者らの知る限りにおいて、ピーター
ソンらがAl2O3-Mo-Al2O3サーメット選択吸収材料につい
て文献(R.E.Peterson and J.W.Ramsey, Thin film coat
ingsin solar-thermal power systems, J.Vac.Sci.Tech
nol.12(1975)174-181)に報告して以来、1000K以上の高
温で良好な熱安定性を有する実際的な選択膜についての
報告はこれまでにほとんど発表されていない。
【0016】効率的な高温選択吸収材料に関しては多く
の文献(Q.-C.Zhang, Recent progress in high-temp
erature solar selective coatings, Sol.Energy Mate
r. Sol.Cells 62(2000)63-74:T.Eisenhammer,A.Haug
ender,A.Mahr,High-temperature optical properties a
nd stability of selective absorbers based on quasi
crystalline AlCuFe, Sol.Energy Mater. Sol.Cells 54
(1998)379-386:J.H.Schon, E.Bucher,Computer mode
ling of the performance of some metal/dielectric m
ultilayers for high-temperature solar selective ab
sorbers, Sol.Energy Mater. Sol.Cells 43(1996)59-6
5)に報告されているが、いずれの文献の選択吸収材料
においても高温での使用に十分な耐熱性を有することが
実験により確証されていない。
【0017】適切な選択吸収材料が欠けているために、
キャビティ形の吸収材料が、回転する放物線状の太陽熱
収集器を備えた太陽光スターリングエンジンのような高
温(T>800K)太陽熱システムに多用されていた。しか
し、小さい開口部および大きいキャビティ容積を用いた
巨視的なキャビティ内部での光捕獲に基づくこの方法
は、いくつかの欠点を有する。すなわち、比較的大きな
体積および質量のキャビティにより、複雑な設計および
低いエネルギ密度を引き起こすこと、また、キャビティ
の開口径aが小さいために、太陽熱収集器の精密な湾曲
および正確な太陽光追跡システムを必要とすることであ
る。さらに、キャビティ開口部からの大きい熱損害は必
然的である。これらの欠点は、適切なスペクトル選択性
および耐熱性を有する選択吸収材料を使用することによ
って回避できる。軽くてシンプルな太陽光吸収材料は、
特に宇宙環境下での応用において重要である。
【0018】本発明に係る波長選択性太陽光吸収材料
は、太陽熱エネルギを電気エネルギに変換する熱光起電
力発電システムに用いられる波長選択性太陽光吸収材料
であって、耐熱性基板からなり、入射面に二次元配列さ
れて周期的な表面微細凹凸パターンを形成する多数のキ
ャビティを有し、前記キャビティは可視光および近赤外
線の波長領域での特定波長太陽光の波長と実質的に同じ
長さの開口径および所定の深さに形成され、かつ所定の
スペクトル拡散反射率、所定のスペクトル吸収率、所定
のスペクトル放射率を備えていることを特徴とする。
【0019】キャビティは、平面視野において入射面に
格子状に配列されていることが好ましい。また、キャビ
ティの開口比a/Λを0.5〜0.8の範囲とすること
が好ましい。さらに、キャビティのアスペクト比d/a
を0.7〜3.0の範囲とすることが望ましい。
【0020】耐熱性基板は、入射する太陽熱により前記
スペクトル拡散反射率および前記スペクトル放射率を劣
化させない高融点金属からなることが望ましく、具体的
にはタングステンW、モリブデンMo、ニオブNb、タ
ンタルTa及びこれらを主成分とする合金からなること
が好ましい。
【0021】本発明に係る波長選択性太陽光吸収材料の
製造方法は、太陽熱エネルギを電気エネルギに変換する
熱光起電力発電システムの太陽受熱器に用いられる波長
選択性太陽光吸収材料の製造方法において、(a)金属
アルミニウムシートを陽極酸化し、さらに所定のエッチ
ング法を用いて前記陽極酸化シートを処理することによ
り規則配列された多数の孔を有するアルミナ膜からなる
マスクを得る工程と、(b)前記アルミナ膜マスクを耐
熱性基板の上に載置し、所定のエッチングガスを用いる
ドライエッチング法により前記耐熱性基板の表面に二次
元配列された周期的な表面微細凹凸パターンを転写形成
する工程と、(c)所定のエッチング法を用いて前記基
板から前記アルミナ膜マスクを除去し、前記表面微細凹
凸パターンを太陽光の波長と実質的に同じ長さの開口径
をもつ多数のキャビティとし、これらのキャビティが前
記基板の表面において周期的に二次元配列されたものと
する工程と、を具備することを特徴とする。
【0022】この場合に、上記のマスク作製工程は、
(a1)金属アルミニウムシートの表面を酸溶液により
陽極酸化し、前記金属アルミニウムシートからアルミナ
層を除去した後に、さらに前記陽極酸化条件と実質的に
同じ条件で前記シートの表面を陽極酸化する二段陽極酸
化処理工程と、(a2)所定のエッチング法により前記
シートから金属アルミニウム部分を除去して表面凹凸ア
ルミナ膜を得る分離工程と、(a3)所定のエッチング
法を用いて、前記表面凹凸アルミナ膜の裏面側からバリ
ア層を除去して該凹凸アルミナ膜の凹部を貫通させるこ
とにより多数の孔を形成するとともに、これらの貫通孔
をさらに拡張して規則配列された孔とする開口拡張処理
工程と、を具備することが好ましい。
【0023】とくにマスク作製において、2段階の陽極
酸化方法(二段陽極酸化処理工程a1)を用いることが
重要である。また、エッチング条件をコントロールする
ことにより貫通孔の径を最適サイズにすることも重要で
ある(開口拡張処理工程a3)。
【0024】また、パターン転写工程のドライエッチン
グ法には、エッチングガスとしてSF6を用いる高速原
子線(FAB)エッチング法を選択することが好まし
い。
【0025】スペクトル選択性を実現する他の方法は、
表面テクスチャー化(surface texturing)である。テ
クスチャー化された選択的太陽光吸収材料についての若
干の報告において、いくつかの微細構造は化学蒸気沈
澱、電気メッキ、一方向性凝固などによって作製されて
きた。しかし、必要とするスペクトル選択性を有するテ
クスチャー表面は、これまで実現されていない。
【0026】近時、ミクロ-またはナノ-加工技術の開発
にともない、多くの研究者たちが、周期的な表面微細構
造(例えば微細回折格子構造、狭帯域用あるいは広帯域
用反射防止微細構造、およびフォトニック結晶)を用い
た光学的制御について研究を行ってきた。光学的設計に
おける広い自由度および自由な材料選択ようないくつか
の利点を有するので、この構造は高温対応のための理想
的なスペクトル選択性を有する選択吸収材料を生産する
という十分な可能性を有する。
【0027】二次元の周期的な微細構造化された表面か
らの熱放射についての最近の報告によれば、この構造が
高温でのスペクトル制御に適用されることができると確
認された。
【0028】本発明者らは、高温使用のための選択的太
陽光吸収材料を開発するために、耐火性金属基板上のサ
ブミクロン周期を有する二次元周期的な表面微細構造の
スペクトル特性および熱安定性を調査した。ここで基板
材料にはタングステンWを選択した。これは可視光およ
び近赤外線領域の高い融点および固有の吸収バンドを有
する。Wのこれらの特徴は我々の目的に適するが、これ
を酸化から回避させることが必要である。サブミクロン
周期を有する二次元W微細構造が、高温で太陽光選択吸
収材料に適する良好なスペクトル選択性および熱安定性
を有することは、数値解析および実験によって確認され
る。
【0029】W微細構造のスペクトル特性をシミュレー
ションするために、RCWA(Rigorous Coupled-Wave
Analysis)法に基づく数値解析を実施した。その結果は
マイクロキャビティを有する微細構造が高温対応に適し
ている良好なスペクトル選択性を有することを示す。
【0030】一方、マイクロ・ピラミッドを有する微細
構造は0.92以上の高い太陽吸収率が実現される。サ
ブミクロンの孔を有する二次元表面微細構造を、高周期
性の多孔アルミナ・マスクを有する高速原子線エッチン
グにより、W基板に作製した。それらは、真空雰囲気下
で1170Kでは良好なスペクトル選択性および充分な
熱安定性を示した。観測された吸収バンドは、電磁界間
の定常波反響および孔内部で発生する定常波モードから
始まると考えられる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の好ましい実施の形態について説明する。
【0032】実験に先立ち、RCWA法に基づいた数値
解析を行ない、周期的微細構造を有するWの吸収率を算
出し、熱光起電力発電に用いる高温用太陽受熱器として
最適なパラメータを検討した。
【0033】[数値解析]周期的な表面微細構造により
波長選択的な吸収特性が得られる現象は、周期構造によ
り誘起される表面プラズモンによる吸収やキャビティ構
造による定在波モードの吸収などで説明されているが、
材料物性も関係してくる複雑な事象であるため、定量的
な説明はまだ為されておらず、解析的に特性を評価する
ことは困難である。
【0034】そこで本発明では、マクスウェル方程式の
厳密解法であるRigorous Coupled-Wave Analysis(以
下、RCWA法という)に基づく数値解析によって表面にサ
ブミクロン周期構造を持つ材料の光学特性をシミュレー
ション評価した。RCWA法では材料の誘電率分布をフーリ
エ級数展開により表現するため、任意の周期構造の解析
が可能である。幾何形状及び材料の光学定数(複素屈折
率)を入力し、マクスウェル方程式を厳密に解くことに
より入射波の応答を求めることができる。RCWA法は一般
的な三次元の回折格子問題を分析する方法である。微細
構造領域での誘電率分布は、フーリエ展開によって表現
される。解析精度は電磁場の空間的な調和展開項の数に
依存する。本発明では2次元周期構造が解析対象である
が、x軸とy軸方向にそれぞれプラスマイナス7次ま
で、合計で225個の回折波を考慮して計算を行い、解が
十分収束することを確認した。
【0035】プラスマイナス7次までの回折次数はx軸
およびy軸方向に考慮され、従って、本発明では225個
の各回折次数についての回折効率を各波長について計算
した。本発明者らはこれらの条件で解が充分収束するこ
とを確認した。入力データには、入射波の条件、構造上
のプロファイル、および材料の光学定数(n, k)の状態の
みが含まれ、可変パラメータは計算に用いない。各回折
次数のための回折効率は、D.W.Lynch and W.R.Hunter,O
ptical constants of metals,in: E.D.Palik,ed., Hand
book of Optical Constants of Solids I(Academic Pre
ss,New York,1985)334-341において報告された室温での
Wの光学定数を用いて計算される。
【0036】その計算モデルを図2に示す。計算の簡素
化のために、表面に単純な矩形のキャビティの2次元配
列を有するタングステンに関して計算を行い、構造の周
期A、開口径a、深さd、入射角θiをパラメータとし
て吸収特性を求めた。入射波は直線偏光の平面波であ
り、偏光角Ψiは45゜、方位角φiは0゜で固定とし
た。キャビティ31は、周期的に、かつ左右対称のx軸
およびy軸の方向に対して配置される。なお、タングス
テンの光学定数は上記の公知文献によった。
【0037】図中に記号で示したパラメータはそれぞれ
次に該当する。
【0038】Λ;構造上の周期 a;開口サイズ、d;深さ θi;入射角、φi;方位角、Ψi;偏光角 但し、Ψi=tan-1(As,i/Ap,i) ここで、As,iおよびAp,iは入射波のs-およびp-偏光要
素の振幅を示す。なお、以下の全ての計算において、a
x=ay=a、φi=0゜、Ψi=0゜に設定した。
【0039】アスペクト比d/aはこれまでの研究から1
程度あれば十分であることが分かっているので、これを
1に固定して開口aをパラメータとした解析を行なっ
た。
【0040】図3は各種材料及び構造のスペクトル吸収
特性を比較して示す特性線図である。平滑なタングステ
ン板(特性線C)、a/Λ=0.8、d/a=1.0、ならび
にθ i=0゜の条件で、Λ=0.4μm(特性線A1),0.5
μm(特性線A2),0.6μm(特性線A3),0.8μm
(特性線A4)を有するW上に形成された矩形マイクロ
キャビティの各々の計算値αλをそれぞれ示した。最も
一般的な選択膜の1つであるBlack Ni吸収材料(E.Wack
elgard, Characterization of black nickel solar abs
ouber coatings electroplated in a nickel chlorine
aqueous solution, Sol.Energy Mater.& Sol.Cells 56
(1998)35-44)のスペクトル吸収率αλもまた、比較の
ために特性線Bとして図中に描かれている。
【0041】図から明らかなように、全てのWマイクロ
キャビティが、赤外線波長においてスペクトル吸収率α
λを低く保ちながら、0.3の<λ<2.0μmの範囲で著し
いα λピークを示した。Black Niと比較すると、スペク
トル吸収率αλの急激な変化は、高温における太陽光選
択吸収材料にとってより有益であること、また、カット
オフ波長がΛの増加と共に徐々に長くなることが確認さ
れた。
【0042】また、矩形キャビティを有するWのスペク
トル吸収率αλは、波長2.0μm以下の領域では開口
径aが大きくなるにしたがって0.9程度まで増大して
おり、高性能な選択エミッタを実現できる可能性を示し
ている。このような特性を持つエミッタが実現できれ
ば、近赤外線に高い感度を持つPVセルと組み合わせる
ことにより高効率なTPV発電システムを構築すること
が可能である。なお、JIS規格の標準太陽光スペクト
ルから図3中のBlack Ni及び微細加工WのαSを求めた
ところ、それぞれ0.91と0.83であった。
【0043】次に、深さdを変化させながらマイクロキ
ャビティのスペクトル吸収率αλを計算した。他のパラ
メータはΛ=0.5μm、a/Λ=0.8、θi=0°に固定し
て計算した。その結果を図4にプロットして3つの特性
線D1,D2,D3を得た。図から明らかなように、可
視光から近赤外線までの領域におけるスペクトル吸収率
αλは、アスペクト比d/aを0.5から1.0まで増加させ
た場合には明らかに上昇することが認められた。一方、
アスペクト比d/aを1.0から2.0まで増加させたとして
も、スペクトル吸収率αλは僅かに変化するだけであ
り、スペクトル吸収率αλの上昇は実質的に飽和してい
る。さらに、より短い波長でのいくつかのピークは、キ
ャビティが深まると共により鈍い傾向にある。
【0044】しかし、図3の結果に反して、カットオフ
波長は、アスペクト比d/a上でほぼ独立している。他
方、開口径aが変化する計算の結果によれば、αλピー
クは、可視光から近赤外線までにおいて開口径aに比例
して増大する。このことから、この幾何学形状において
開口比a/Λを0.8以下とすることが最も好ましい。な
ぜなら極めて薄い壁を実際に作ることは困難であり、そ
れらが高温環境において耐えられそうにないからであ
る。
【0045】図5は、入射角θiを種々変えたときのΛ
=0.5μm、a/Λ=0.8、d/a=1.0を有するWマイク
ロキャビティのスペクトル吸収率αλの角度依存性を示
す特性線図である。図中にて特性線E1〜E5は入射角
θiを0°,20°,40°,60°,80°としたと
きのスペクトル吸収特性をそれぞれ示す。
【0046】図から明らかなように、スペクトルのプロ
ファイルはθi<40°ではほとんど変わらないが、θi
が60°を超えると急速に悪化することが判明した。こ
の特性は他の文献(T.Tesfamichael and E.Wackelgard,
Angular solar absorptance and incident angle modi
fier of selective absorbers for solar thermalcolle
ctors, Sol.Energy68(2000)335-341)に見られる太陽光
選択吸収材料コーティングのそれにほぼ符合する。キャ
ビティがより深くなるにしたがって角度依存性は弱くな
る傾向がある。図5から明らかなように、アスペクト比
d/a=1.0のマイクロキャビティの角度依存性は、集
光角度が通常の場合60°未満である太陽熱収集器(例
えば樋(トラフ)型集光器または回転放物面(ディシュ
型)集光器)を備えている高温太陽熱システムでの使用
に、十分低いことが確認された。
【0047】太陽光選択吸収材料の性能は、αsおよび
εによって基本的に特徴づけられる。本発明者らは、垂
直入射に対する矩形のWマイクロキャビティのαsおよ
びεを、計算値αλおよび太陽光スペクトル(AM1.
5)を用いて計算した。εの計算では、ελはキルヒホ
フの法則に基づくαλと等しく、温度依存性を有しない
と仮定した。
【0048】スペクトル吸収率の計算値αsは、3つの
異なるアスペクト比d/aに対する関数Λとして図6に
黒三角、黒丸、黒四角の各記号を用いてプロットし、特
性線F1,F2,F3として表示した。図から明らかな
ように、0.85以下のスペクトル吸収率αsはΛ>0.5μm
かつd/a>1.0の条件で得られる。スペクトル吸収率
αsは、全体的に構造の周期Λまたはアスペクト比d/
aの増加とともに上昇するが、その増加はΛ>0.5μmま
たはd/a>1.0の条件下では顕著ではない。
【0049】また、2つの異なる温度でのスペクトル放
射率の計算値εも併せて図6に白三角、白丸、白四角の
各記号を用いてプロットし、特性線G1,G2,G3と
して表示した。図から明らかなように、W矩形キャビテ
ィのスペクトル放射率εは低温で非常に低く抑制され
(400Kではε<0.04)、上昇した温度でも低いレベル
を依然として保つ。たとえば、800Kではε=0.061およ
び1200Kではε=0.137が、Λ=0.5μm、a/Λ=0.8、
およびd/a=1.0で得られる。
【0050】上述したようにRCWA演算において、120
0Kでは二次元W矩形のマイクロキャビティが0.85
以下のスペクトル吸収率αs(αs≦0.85)と0.137
のスペクトル放射率εh(εh=0.137)とを同時に実現
させることができると予測される。しかし、スペクトル
吸収率αsが0.85以下の場合は、他の選択膜(通常、αs
>0.9)をわずかに下回ることが判明した。
【0051】次いで本発明者らは、矩形のキャビティを
除いて他の幾何学形状を用いてタングステン表面微細構
造についてのRCWA計算を実施した。種々の幾何学形状の
うちから反−反射のためのサブ波長(subwavelength)
表面微細構造において用いられるようなピラミッド形状
を選択した。
【0052】図7は、構造の周期Λ=0.5μm、基礎長さ
l=0.5μm、および高さh=0.5および1.0(したがって
縦横比h/l=1.0および2.0)を有するマイクロ・ピラ
ミッドの二次元配列を有する微細構造のW表面のαλ
示す図である。図中にピラミッド形状のキャビティモデ
ルを併せて示した。
【0053】これらは、矩形のキャビティに比較してよ
り長い波長で、高いスペクトル吸収率αλを持続させ
る。さらに、吸収バンドは、縦横比h/lの増加と共に
さらに広くなる。このピラミッドキャビティの挙動は、
矩形のキャビティとは異なり、文献(S.J.Wilson,M.C.Hu
tely,The optical properties of ‘moth eye’antiref
lection surfaces, Opt.Acta 29(1982)993-1009)に見ら
れるように反射防止のためのサブ波長微細構造において
観測されるものと同じ現象であると推測した。α s=0.9
27および0.948はそれぞれ、h/i=1.0および2.0で得ら
れる。しかし、ε λ(αλ)は同時にまた、赤外線領域
で増加し、高いεを必然的にもたらす。
【0054】図7に示す結果から、400K、800K、1200
Kの各温度において、h/Λ=1.0のときにαλスペクト
ルはそれぞれ0.079,0.168,0.316となり(特性線H
1)、h/Λ=2.0のときにαλスペクトルはそれぞれ0.
170,0.357,0.562となる(特性線H2)ことが判明し
た。
【0055】以上の結果から、ピラミッドの二次元配列
を有する微細構造のタングステン表面は1000K以上に上
昇した高温域での使用には適していないが、400K〜800
Kの中程度の温度域では有用であることが判明した。
【0056】
【実施例】(1)試料の作製 上述のように、Λ〜0.5μm、a/Λ〜0.8、およびd/
a>1.0の二次元配列タングステン表面マイクロキャビ
ティが、高温選択吸収材料として使用するに適切な良好
なスペクトル選択性を有することが確認された。それを
実験的に証明するために、高速原子線(Fast Atom Bea
m)エッチング技術により、バルクのW基板上のサブミ
クロンの孔を用いて二次元表面微細構造を作製した。高
速原子線エッチング技術はY.Kanamori,K.Hane,H.Sai an
d H.Yugami,100nm period siliconantireflection stru
ctures fabricated using a porous alumina membrane
mask, Appl.Phys.Lett.78 (2001) 142-143などの文献に
記載されている。
【0057】高速電子線は電気的に中性な原子または分
子の線であるため、試料上に蓄積された電荷のために、
エッチング形を変形させることなく、ナノメートル級の
微細なパターンを得ることが可能である。エッチング・
マスクとして、H.Masuda,K.Yada and A.Osaka, Self-or
dering of cell configuration of anodic porous alum
ina with large-size pores in phosphoric acid, Jpn.
J.Appl.Phys.37(1998)L1340-L1342)などの文献に記載さ
れている高度な周期性をもつポーラスアルミナ膜を使用
した。 ハニカム構造の孔の自動配列は、陽極酸化プロ
セスにおいていくつかの適当な条件で起こる。それを使
用することにより、ナノスケールの周期的構造を、少な
い費用で大きい面積を製作することが可能である。孔と
孔の(interpore)相互間距離(構造の周期Λと一致す
る)は、上記文献によれば約0.5μmである。
【0058】次に、図8を参照して二次元W微細構造の
作製方法の一例について説明する。ポーラスアルミナ・
マスクの準備には次の2段階の陽極酸化方法を用いた。
【0059】先ず、電気化学的に研磨された金属アルミ
ニウムシート11(純度99.999%)を、0.2mol/lリン酸
溶液中で、電圧195V、0℃で4時間、陽極酸化し、図8
の(a)に示すようにアルミニウムシート11の表面上
に周期的に配置されたシード12を生成した。60℃で
4時間、クロム酸およびリン酸の混合溶液中でアルミナ
層を除去した後、1回目の陽極酸化と同様の条件下で2
回目の陽極酸化を行った。
【0060】次いで、HgCl2飽和溶液に浸漬させること
によって図8の(b)に示すようにアルミニウムシート
11からアルミナ膜12を分離した。
【0061】次いで、アルミナ膜12を0.5重量%リン
酸溶液中に浸漬し、40℃の温度で40〜60分間処理
した。この孔拡張処理によりアルミナ膜の孔13aが拡
張され、所望のアルミナ膜マスク12aとなる。一方
で、バリア層は除去し、図8の(c)に示すように孔1
3aを貫通させる。孔13aの直径はエッチング時間を
変化させることによって調整することができる。
【0062】次いで、図8の(d)に示すように、アル
ミナ膜マスク12aを、10×10×0.5mmのサイズを有す
る機械的に磨かれたW基板14の上に載置し、SF6ガス
を用いた高速原子線エッチングをFABシステム(EBARA
(FAB-60 ML))により実施し、バルクのW上に周期的
なポーラス配列を転写した。
【0063】最後に、クロム酸およびリン酸の混合溶液
において2時間60℃で、残存したマスクを除去した。
このようにして図8の(e)に示すサブミクロンの孔1
5を有する二次元W表面微細構造14aを作製した。
【0064】次に、図11を参照して他の実施例の波長
選択性太陽光吸収材料を製造するための方法について説
明する。
【0065】図11の(a)に示すように、W基板21
の上にEBレジスト22、Al薄膜23、フォトレジス
ト24を重ねた2層レジストを作製する。図11の
(b)に示すようにEBリソグラフィによりパターン2
4a,25を作製したのち、図11の(c)に示すよう
にSF6ガスを用いた高速原子線エッチング法によりA
l膜23に転写し、さらに図11の(d)に示すように
2ガスを用いた高速原子線エッチング法によりフォト
レジスト22に順次転写し、高アスペクト比のレジスト
マスク22aを作製した。マスク22a作製後、図11
の(e)に示すようにSF6ガスを用いた高速原子線エ
ッチング法によりタングステン基板21をパターニング
し、最終的に図11の(f)に示す微細加工選択エミッ
タ21aを作製した。
【0066】(2)スペクトル特性の評価 作製した試料につき光学的測定を通してポーラスW表面
のスペクトル特性を評価するために、図12に示す拡散
反射スペクトル測定装置60を用いた。装置60は、分
光器61と、測定試料3がセットされた拡散反射測定ユ
ニット62と、検出器63とを備えている。作製した試
料につき光学的測定を通してポーラスW表面のスペクト
ル特性を評価した。測定において、図12に示す分光器
61として次の2種類を用いた、すなわち、可視光およ
び近赤外線領域に対応する回折格子分光器(Perkin-Elme
r(Lambda 900))、赤外線波長に対応するフーリエ変換分
光器(Perkin-Elmer(GX2000))を使用した。検出器63と
して、赤外領域ではTGS及びInSb検出器を用いた。前者
は広い範囲の波長を検出するのに適しており、後者は高
感度の検出に適している。可視光領域の検出器としては
光電子増倍管を用いた。
【0067】スペクトル反射率が既知のアルミニウムミ
ラーを参照として用いる。スペクトルの吸収率αλを厳
密に測定するためには、本発明ではλ<Λ〜0.5μmの条
件で微細構造は回析波を発生することから、半球状の空
間に分散する全ての反射率構成要素を測定することが必
要である。しかしRCWA計算から、ここで考慮されたより
短い波長においてさえもプラスマイナス1を上回る高い
回析次数に当てられるエネルギはほとんどない。よっ
て、本発明者らは、積分球(integral sphere)の代用
として、中心角度からの約±20°範囲内の反射光線を
集める拡散反射光学系を用いた。なお、入射角度は30
°に設定される。
【0068】図9は、多孔アルミナ膜マスクの表面を拡
大して示す走査型電子顕微鏡写真である。円筒形の孔が
ハニカム状に配置される。大きいスケールで見ると、膜
は多くの領域からなり、この領域内で孔がそれらの境界
の近くで周期的にまたは不規則に配置される。図9にお
いて、interpore距離Λ、孔径a、および膜の厚さは、
それぞれ約0.5μm、0.37μm、および1.5μmである。
【0069】図10の(A)および(B)は、異なる開
口径aを有する2つの試料A,Bの多孔タングステン表
面を拡大してそれぞれ示す走査型電子顕微鏡写真であ
る。各試料A,Bの表面構造は、放電圧3.0kVを4
0〜50分間印加するとともに流量5.6SCCMのS
6ガス流で高速原子線エッチングすることにより作製
した。試料Aは、キャビティの開口径aを0.45μm、
深さdを0.3μm以下とした。試料Bは、キャビティ
の開口径aを0.35μm、深さdを0.25μm以下と
した。各試料A,Bにおいて、ハニカム配列内の円筒型
キャビティは、エッチングパターンを変えることなくタ
ングステン表面にそのまま良好に転写される。
【0070】図13は多孔タングステン板および平坦タ
ングステン板の拡散反射率スペクトルをそれぞれ示す特
性線図である。図中にて特性線P1は多孔タングステン
試料Aの拡散反射率スペクトル分布を、特性線P2は多
孔タングステン試料Bの拡散反射率スペクトル分布を、
特性線P3は比較例として平坦タングステン試料の拡散
反射率スペクトル分布をそれぞれ示す。図から明らかな
ように、平滑タングステン板と比較すると、ポーラスW
の反射率は、近赤外線領域では高い反射率を保つにもか
かわらず、2.0μmより短い波長ではかなり減少する。ま
た、試料Aは試料Bよりも広い吸収率を示す。図13に
示されるスペクトルから、試料Aではα s=0.82、試料
Bではαs=0.76を得た。他方、角度30°についてε
は、試料Aは400Kでは0.057、800Kでは0.090、1200K
では0.159、試料Bは400Kでは0.050、800Kでは0.07
6、1200Kでは0.134と評価される。これらの結果は数値
解析で得られたものより若干わずかに劣るにもかかわら
ず、ポーラスW表面が高温において高いαsおよび低い
εを同時に実現することを実験的に証明することができ
る。
【0071】これらのαs,εは材料の選択的太陽光吸
収材料としての能力を数値的に説明するために好都合で
ある。上記のようにして得られたαおよびεの値を表
1に示す。実際的な利用では、太陽光の光熱変換効率η
sがより重要な意味を有する。ηsは、一般的に次式によ
って表される。
【0072】
【表1】
【0073】
【数1】
【0074】ここで、εはスペクトルの半球放射率
を、Eは黒体の放射スペクトルパワーを、Eは太
陽光スペクトル照射を、Tは温度を、Cは太陽光照射の
集中要因をそれぞれ示す。εを計算するために、0
°から89°までの可変値θiを用いて一連のαλを計算
し、それらのαλ値を半球内で平均化した。この手順
は、多大な計算時間およびコストがかかるため、Λ=0.
5μm、a/Λ=0.8、およびd/a=1.0を有するキャビ
ティについてのみ限定的に行った。εは、赤外線波
長において、通常の方向でのελと同様に極めて低いレ
ベルを維持し、400Kではεh=0.052、800Kではεh
0.075、および1200Kではεh=0.142であった。計算値
αsおよびεを用いて、種々のTおよびCについてタ
ングステン表面のηsを計算した。なお、計算において
αsおよびεの温度依存性は無視した。
【0075】図15は、Λ=0.5μm、a/Λ=0.8、お
よびd/a=1.0の矩形キャビティを有するW表面微細
構造の、太陽集中度Cの関数としての温度依存性ηs
示す。熱放射損失が低いために、高温で高いηsを保持
する。C=100(特性線R1)において、1000Kではηs
=0.787が得られる。これらの値は数値解析によって得
られた参照データと比較して若干悪いが、微細構造の幾
何学形状の最適化によって、ηsをさらに増加させるこ
とが可能である。
【0076】(3)熱安定性の評価 試料の熱安定性を評価するために、CaF2 viewポートを
有する真空容器内で電気炉を用いた1170Kまでの加熱試
験を実施した。試料温度は、微細構造の試料と同時に加
熱した平滑なW基板の温度を計ることによって放射温度
計で決定された。加熱試験の後、走査型電子顕微鏡(SE
M)観察およびスペクトル測定を実施し、試料の熱安定
性を評価した。
【0077】各試料に対し、1×10-2Paの真空雰囲気下
で1170K(897℃)×5時間の熱安定性試験を実施し
た。加熱後、注目に値する変化は、走査型電子顕微鏡観
察による試料表面では見出せなかった。
【0078】さらに、加熱後の反射率スペクトルは、図
14に示すように加熱前後でほとんど同じであることが
判明した(特性線Q1,Q2)。この結果により、ポー
ラスW表面が1170Kの高温での選択的太陽光吸収材料に
適用できることが確認された。
【0079】(4)総合評価 周期的な表面微細構造によるスペクトルの制御は、微細
構造の幾何学形状および光学定数によっていくつかのグ
ループに分類される。波長とほぼ等しい構造周期Λを有
する浅い金属回折格子の場合、表面微細構造により誘起
される表面プラズモン共鳴のために、比較的鋭角的な吸
収が起こる。この効果はウッズ(Wood)の変則として周
知であり、強い角度依存性を有する。他方、金属(また
は金属的な)微細構造が導波管のように深い溝またはキ
ャビティからなる場合、入射光は幅広い波長領域に吸収
される。これは、おそらく、その溝またはキャビティ内
に形成される定常波モードと電磁場間の共鳴に由来して
いる。光波長より小さい周期の場合(サブ波長の微細構
造)、微細構造領域は、広帯域の反射防止膜のように振
る舞う。周期Λを減少させ、深さdを増大させること
で、反射防止特性を向上させる。微細構造が垂直方向に
沿って先細りになったプロファイルを有する場合、反射
防止特性は非常に改善される。この構造は、誘電材料に
とって特に効果的である。後者2つの方法ではスペクト
ル特性は入射角度に強く依存しない。
【0080】本発明において、実施した数値解析および
実験により、サブミクロンの孔を有する二次元W微細構
造が可視光および近赤外線波長において、はっきりとし
た吸収バンドを有することを確認した。この領域でタン
グステン基板は、その誘電定数の実数部分がマイナス(n
egative)ではないので、表面プラズモン機構を支持しな
い。さらに、吸収バンド幅は、細孔の深さを増しても広
がらない。このことから、この吸収が主にサブミクロン
の孔に起因する定常波共鳴によりW固有の吸収の増加に
よりもたらされると考えられる。換言すれば、本発明
は、定常波共鳴を使用することは良好なスペクトル選択
性を実現させるのに効果的であるということを証明し
た。
【0081】他方、本発明者らが図7においてすでに示
したように、吸収バンドは、ピラミッドのような先細り
の構造を有する微細構造を使用することによって広げる
ことができる。また、これら2つの構造の組合せ又は融
合、キャビティによる定常波共鳴、およびサブ波長構造
による反射防止により、太陽光利用を含む様々な分野に
おける最適なスペクトル特性をもたらすことも期待され
る。
【0082】以上詳述したように、本発明者らは、二次
元W表面微細構造が高温での太陽光選択吸収材料に適用
できることを実証した。RCWAアルゴリズムに基づく数値
解析により、矩形キャビティを有する微細構造が高温使
用のための良好なスペクトル選択性を有することが確認
された。0.85を上回るαsで800Kではεh=0.075、およ
び1200Kではεh=0.142を得た。ピラミッド配列からな
るW微細構造は、中程度の温度で太陽光選択吸収材料と
して用いるのに好ましい広い吸収バンドのために、0.92
以上の高いαsを有することも明らかである。
【0083】高度に周期的な多孔アルミナマスクを用い
たFABエッチングによって、W基板上にサブミクロンの
孔を有する二次元表面微細構造を作製した。これらは真
空雰囲気下で良好なスペクトル選択性および1100K以上
の充分な熱安定性を示した。観測された吸収バンドは、
電磁場と孔内部で発生する定常波モード間の共鳴によっ
て、Wの固有の吸収バンドを強化することにより生じて
いると考えられる。表面構造の変更によりスペクトル特
性の更なる改良を期待できる。
【0084】図16を用いて本発明の波長選択性太陽光
吸収材料を従来のキャビティ効果を利用した受熱器と比
べてみてその長所を説明する。従来のキャビティ効果を
利用した受熱器100は、図16の(a)に示すように
キャビティ101を大きくしようとすると受熱器100
が大型化して体積が増加する。また、キャビティ101
からの熱放射を抑制するためには、開口部を小さくする
必要があり、高いポインティング精度が要求される。
これに対して本発明の波長選択性太陽光吸収材料3は、
図16の(b)に示すように、薄型、軽量であり、スペ
ース占有率が小さいので、設計の自由度が増大するとい
う利点がある。また、ポインティング安定性要求が緩和
されるので、集光器の姿勢制御が容易になり、宇宙ステ
ーションなどの軌道上実験で有利である。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果が得られる。
【0086】(1)太陽光選択吸収材料として有効な表
面幾何学形状を特定できる。
【0087】(2)1000Kまでの高温状態での安定
な構造を実現できる。
【0088】(3)過去の実施例を上回る、高温での光
学特性を実現できる。
【0089】(4)コンパクトな受熱器構造を実現でき
る。
【0090】材料表面に太陽光と同程度の周期を持つ微
細構造を作製することにより、太陽スペクトル分布に対
応した急峻な放射率変化をもつ波長選択性太陽光吸収材
料を開発できた。この方法では、材料の物性に依存しな
いで表面の形状をデザインすることにより、熱放射特性
を制御可能である。また、高温での使用に耐えることが
できる。また、従来よりもコンパクトな高温太陽受熱器
が製作可能であり、宇宙機器への応用などが期待され
る。
【0091】最適な形状を選択することにより太陽光吸
収係数0.82、800K及び1200Kにおいて放射
率0.09、0.16がそれぞれ実験的に得られた。
【0092】また、1170Kで5時間の熱安定性評価
試験を行い、特性に変化が無いことを確認した。
【0093】RCWA解析の結果、Wを材料とする周期0.
5μm、アスペクト比1.0程度の周期構造で良好なス
ペクトル特性が得られることが分かった。高周期性かけ
る。ポーラスアルミナ膜と高速原子線エッチングを組み
合わせ、バルクのW表面に周期450mnのハニカム型キャ
ビティ構造を作製した。反射率測定の結果、作製した試
料は波長選択的な吸収特性を持ち、太陽選択吸収材料と
して振舞うことが示された。
【0094】高融点金属材料を用いた表面微細加工選択
エミッタの作製と光学特性評価や熱放射特性の評価をお
こない、ソーラーTPV発電用として近赤外領域での波
長選択性熱放射現象を確認した。本発明は、周期制御に
よって種々の熱源温度に対応することが可能であるの
で、ソーラーTPVのみならず広範な太陽熱熱利用プロ
セスに応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱光起電力発電システム(TPV発電システ
ム)の概要を示す分解斜視図。
【図2】コンピュータシミュレーション数値解析法(R
CWA法)に用いた解析モデル図。
【図3】構造の周期Λを変えたときの各解析モデルにつ
いて数値解析して得た波長/スペクトル吸収率の相関を
それぞれ示す特性線図。
【図4】アスペクト比d/aを変えたときの各解析モデ
ルについて数値解析して得た波長/スペクトル吸収率の
相関をそれぞれ示す特性線図。
【図5】入射角θを変えたときの各解析モデルについて
数値解析して得た波長/スペクトル吸収率の相関をそれ
ぞれ示す特性線図。
【図6】アスペクト比d/aを変えたときの各解析モデ
ルについて数値解析して得た構造の周期/スペクトル吸
収率の相関および構造の周期/熱放射率の相関をそれぞ
れ示す特性線図。
【図7】ピラミッドの二次元配列をもつ微細構造につい
て、高さ底辺比率h/lを変えたときの各解析モデルに
ついて数値解析して得た波長/スペクトル吸収率の相関
をそれぞれ示す特性線図。
【図8】(a)〜(e)は本発明の波長選択性太陽光吸
収材料の製造方法を説明するために製造工程の各段階に
おける材料の断面をそれぞれ示す工程図。
【図9】多孔アルミナ膜マスクの表面を拡大して示す走
査型電子顕微鏡(SEM)写真。
【図10】(A)は本発明の実施形態に係る波長選択性
太陽光吸収材料(試料A)の表面を拡大して示す走査型
電子顕微鏡(SEM)写真、(B)は本発明の実施形態
に係る波長選択性太陽光吸収材料(試料B)の表面を拡
大して示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真。
【図11】(a)〜(f)は本発明の波長選択性太陽光
吸収材料の製造方法を説明するために製造工程の各段階
における材料の断面をそれぞれ示す工程図。
【図12】性能評価に用いた拡散反射スペクトル測定装
置の概要を示す構成ブロック図。
【図13】各種材料について拡散反射率と波長との相関
を比較した特性線図。
【図14】加熱前後の材料について拡散反射率と波長と
の相関を比較した特性線図。
【図15】各種材料の光吸収効率ηの温度依存性を示
す特性線図。
【図16】(a)はキャビティ効果を利用した従来の受
熱器を示す模式図、(b)は本発明の波長選択性太陽光
吸収材料を示す模式図。
【符号の説明】
1…熱光起電力発電システム、 2…太陽光(入射光)、2a,2b…透過光、 3…波長選択性太陽光吸収材料(エミッタ)、 30…表面(入射面)、 31,31A…キャビティ、 32,32A…開口、 4…フィルタ、 5…PVセル、 6…負荷、 11…Al基板、 12…初期アルミナ膜、 12a…アルミナ膜マスク、 13…初期開口、 13a…拡張開口、 14…W基板(耐熱性基板)、 14a…二次元周期構造(波長選択性太陽光吸収材
料)、 15…キャビティ(周期構造)、 21…W基板(耐熱性基板)、 21a…二次元W周期構造(波長選択性太陽光吸収材
料)、 22,22a,22b…EBレジスト膜、 23,23a…アルミナ膜、 24,24a…フォトレジスト膜、 25,25a,26,26a…パターン開口、 26b…キャビティ(周期構造)、 60…拡散反射スペクトル測定装置、 61…分光器、 62…拡散反射測定ユニット、 63…検出器、 2c…入射光、 2d…拡散反射光、 100…受熱器、 101…キャビティ、 Λ…構造の周期、 a…開口径、 d…深さ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年6月25日(2003.6.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽熱エネルギを電気エネルギに変換す
    る熱光起電力発電システムに用いられる波長選択性太陽
    光吸収材料であって、耐熱性基板からなり、入射面に二
    次元配列された周期的な表面微細凹凸パターンを形成す
    る多数のキャビティを有し、前記キャビティは可視光お
    よび近赤外線の波長領域での特定波長太陽光の波長と実
    質的に同じ長さの開口径および所定の深さに形成され、
    かつ所定のスペクトル拡散反射率、所定のスペクトル吸
    収率、所定のスペクトル放射率を備えていることを特徴
    とする波長選択性太陽光吸収材料。
  2. 【請求項2】 前記キャビティは、平面視野において入
    射面に格子状に配列されていることを特徴とする請求項
    1記載の材料。
  3. 【請求項3】 前記キャビティの開口比を0.5〜0.
    8の範囲とすることを特徴とする請求項1記載の材料。
  4. 【請求項4】 前記キャビティのアスペクト比を0.7
    〜3.0の範囲とすることを特徴とする請求項1記載の
    材料。
  5. 【請求項5】 前記耐熱性基板は、入射する太陽熱によ
    り前記スペクトル拡散反射率、前記スペクトル吸収率お
    よび前記スペクトル放射率をそれぞれ劣化させない高融
    点金属からなることを特徴とする請求項1乃至4のうち
    のいずれか1記載の材料。
  6. 【請求項6】 前記耐熱性基板は、融点が1700℃以
    上の高融点金属からなることを特徴とする請求項1乃至
    4のうちのいずれか1記載の材料。
  7. 【請求項7】 前記耐熱性基板は、タングステン、タン
    グステン基合金、モリブデン又はモリブデン基合金のい
    ずれかからなることを特徴とする請求項1乃至4のうち
    のいずれか1記載の材料。
  8. 【請求項8】 太陽熱エネルギを電気エネルギに変換す
    る熱光起電力発電システムに用いられる波長選択性太陽
    光吸収材料の製造方法において、 金属アルミニウムシートを陽極酸化し、さらに所定のエ
    ッチング法を用いて前記陽極酸化シートを処理すること
    により規則配列された多数の孔を有するアルミナ膜から
    なるマスクを得る工程と、 前記アルミナ膜マスクを耐熱性基板の上に載置し、所定
    のエッチングガスを用いるドライエッチングエッチング
    法により前記耐熱性基板の表面に二次元配列された周期
    的な表面微細凹凸パターンを転写形成する工程と、 所定のエッチング法を用いて前記基板から前記アルミナ
    膜マスクを除去し、前記表面微細凹凸パターンを太陽光
    の波長と実質的に同じ長さの開口径をもつ多数のキャビ
    ティとし、これらのキャビティが前記基板の表面におい
    て周期的に二次元配列されたものとする工程と、を具備
    することを特徴とする波長選択性太陽光吸収材料の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記マスク作製工程は、 金属アルミニウムシートの表面を酸溶液により陽極酸化
    し、前記金属アルミニウムシートからアルミナ層を除去
    した後に、さらに前記陽極酸化条件と実質的に同じ条件
    で前記シートの表面を陽極酸化する二段陽極酸化処理工
    程と、 所定のエッチング法により前記シートから金属アルミニ
    ウム部分を除去して表面凹凸アルミナ膜を得る分離工程
    と、 所定のエッチング法を用いて、前記表面凹凸アルミナ膜
    の裏面側からバリア層を除去して該凹凸アルミナ膜の凹
    部を貫通させることにより多数の孔を形成するととも
    に、これらの貫通孔をさらに拡張して規則配列された孔
    とする開口拡張処理工程と、を具備することを特徴とす
    る請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記パターン転写工程のドライエッチ
    ング法にはSF6ガスの高速原子線(Fast Atom Beam)
    エッチング法を用いることを特徴とする請求項8又は9
    のいずれか一方に記載の方法。
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